JP2019068527A - 単独運転検出システム、パワーコンディショナ及び電源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電力系統への影響を抑えながらも分散型電源の単独運転を検出する。【解決手段】単独運転検出システム1は、計測部12と、第1算出部13と、第2算出部14と、入力部15と、調整部141と、注入部11と、を備える。計測部12は、電力系統2からの交流電圧V1の周波数である系統周波数f1を計測する。第1算出部13は、計測部12の複数の計測結果から系統周波数f1の変化量Δf1を算出する。第2算出部14は、系統周波数f1の変化量Δf1に基づいて注入部11から電力系統2に注入させる無効電力の指令値を算出する。入力部15は、ユーザによる調整パラメータの入力を受け付ける。調整部141は、調整パラメータに基づいて指令値を調整する。注入部11は、調整部141が調整した後の指令値に基づいて電力系統2に無効電力を注入する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に単独運転検出システム、パワーコンディショナ及び電源システムに関し、より詳細には、分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出システム、パワーコンディショナ及び電源システムに関する。
特許文献1には、分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置が記載されている。特許文献1に記載の単独運転検出装置では、インバータ回路で注入した無効電力の周波数変動を分散型電源及び商用系統(電力系統)間で検出し、この周波数変動に基づいて商用系統停電時の分散型電源の単独運転を検出する。
特開2008−54366号公報
ところで、特許文献1に記載の単独運転検出装置(単独運転検出システム)では、例えば配線長が長くなることで電力系統におけるインピーダンスが高くなった場合、電力系統に無効電力を注入することによって電力系統に影響を与える可能性があった。
本開示は上記問題点に鑑みて為されており、電力系統への影響を抑えながらも分散型電源の単独運転を検出することができる単独運転検出システム、パワーコンディショナ及び電源システムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る単独運転検出システムは、電力系統と系統連系された分散型電源の単独運転を検出するシステムである。前記単独運転検出システムは、注入部と、計測部と、第1算出部と、第2算出部と、入力部と、調整部と、判定部と、を備える。前記注入部は、前記電力系統に無効電力を注入する。前記計測部は、前記電力系統からの交流電圧の周波数である系統周波数を計測する。前記第1算出部は、前記計測部の複数の計測結果から前記系統周波数の変化量を算出する。前記第2算出部は、前記系統周波数の前記変化量に基づいて前記注入部から前記電力系統に注入させる無効電力の指令値を算出する。前記入力部は、ユーザによる調整パラメータの入力を受け付ける。前記調整部は、前記調整パラメータに基づいて前記指令値を調整する。前記判定部は、前記系統周波数の前記変化量に基づいて前記分散型電源が単独運転をしているか否かを判定する。前記注入部は、前記調整部が調整した後の前記指令値に基づいて前記電力系統に無効電力を注入する。
本開示の一態様に係るパワーコンディショナは、前記単独運転検出システムと、インバータと、を備える。前記インバータは、前記分散型電源からの直流電力を交流電力に変換し、前記交流電力を前記電力系統に出力する。
本開示の一態様に係る電源システムは、前記パワーコンディショナと、前記分散型電源と、を備える。
本開示によれば、電力系統への影響を抑えながらも分散型電源の単独運転を検出することができる、という効果がある。
図1は、本開示の一実施形態に係る単独運転検出システム、パワーコンディショナ及び電源システムのブロック図である。 図2は、同上の単独運転検出システムの動作を説明するシーケンス図である。 図3Aは、本開示の一実施形態の比較例に係る単独運転検出システムの動作を説明する波形図である。図3Bは、本開示の一実施形態に係る単独運転検出システムの動作を説明する波形図である。 図4は、本開示の一実施形態の第1変形例に係る単独運転検出システムの動作を説明する波形図である。
(1)概要
以下、本実施形態に係る単独運転検出システム1、パワーコンディショナ10及び電源システム100の概要について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る単独運転検出システム1は、電力系統2と系統連系された分散型電源3の単独運転を検出するためのシステムである。ここでいう「単独運転」とは、商用電源等の系統電源が停電等によって遮断されているにもかかわらず、分散型電源3がパワーコンディショナ10を介して電力系統2に電力を供給している状態をいう。言い換えると、「単独運転」とは、分散型電源3からの電力供給のみで電力系統2に電気が通じている状態をいう。電力系統2は、例えば、電力会社の発電所からパワーコンディショナ10までを結ぶ配電系統である。
本実施形態に係るパワーコンディショナ10は、図1に示すように、単独運転検出システム1と、インバータ5と、解列器6と、を備えている。パワーコンディショナ10は、電力系統2に接続されている系統電源(例えば、商用電源など)と分散型電源3とに電気的に接続されている。インバータ5は、分散型電源3からの直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を電力系統2に出力する。解列器6は、単独運転検出システム1の判定部16(後述する)からの解列信号が入力されると、インバータ5を電力系統2から切り離す。解列器6は、例えばリレーである。
本実施形態に係る電源システム100は、図1に示すように、パワーコンディショナ10と、分散型電源3と、を備えている。分散型電源3は、例えば、太陽電池、燃料電池、二次電池等からなる直流電源である。二次電池は、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等である。
ところで、上述の特許文献1に記載の単独運転検出装置では、例えば配線長が長くなることで電力系統(配電系統)におけるインピーダンスが高くなった場合、電力系統に無効電力を注入することによって電力系統に影響を与える可能性があった。また、例えば需要家施設等において、分散型電源の並列台数に対して電力供給を受ける負荷が少ない状況では、同様に電力系統におけるインピーダンスが高くなり、その結果、電力系統に無効電力を注入することによって電力系統に影響を与える可能性があった。ここでいう「電力系統への影響」とは、電力系統に無効電力を注入することによって、電力系統からの交流電圧の周波数(系統周波数)が変動したり、系統周波数の変動により電圧フリッカ(電圧変動)が生じることをいう。
本実施形態に係る単独運転検出システム1、パワーコンディショナ10及び電源システム100は、電力系統2への影響を抑えながらも分散型電源3の単独運転を検出することができるように、以下の構成を備えている。
本実施形態に係る単独運転検出システム1は、電力系統2と系統連系された分散型電源3の単独運転を検出するシステムである。単独運転検出システム1は、注入部11と、計測部12と、第1算出部13と、第2算出部14と、入力部15と、調整部141と、判定部16と、を備えている。注入部11は、電力系統2に無効電力を注入する。計測部12は、電力系統2からの交流電圧V1の周波数である系統周波数f1を計測する。第1算出部13は、計測部12の複数の計測結果から系統周波数f1の変化量Δf1を算出する。第2算出部14は、系統周波数f1の変化量Δf1に基づいて注入部11から注入させる無効電力の指令値を算出する。入力部15は、ユーザによる調整パラメータの入力を受け付ける。調整部141は、調整パラメータに基づいて指令値を調整する。判定部16は、系統周波数F1の変化量Δf1に基づいて分散型電源3が単独運転をしているか否かを判定する。そして、注入部11は、調整部141が調整した後の指令値に基づいて電力系統2に無効電力を注入する。
本実施形態に係るパワーコンディショナ10は、単独運転検出システム1と、インバータ5と、を備えている。インバータ5は、分散型電源3からの直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電力系統2に出力する。また、本実施形態に係る電源システム100は、パワーコンディショナ10と、分散型電源3と、を備えている。
上記構成によれば、調整部141は、入力部15に入力された調整パラメータに基づいて、注入部11から電力系統2に注入させる無効電力の指令値を調整している。そのため、配線長が長くなることで電力系統2におけるインピーダンスが高くなった場合でも、電力系統2に注入させる無効電力を減らす方向に調整パラメータを変更することで、電力系統2への影響を抑えることができる。また、電力系統2に無効電力を注入することによって、分散型電源3の単独運転を検出することができる。すなわち、上記構成によれば、電力系統2への影響を抑えながらも分散型電源3の単独運転を検出することができる。
(2)詳細
以下、単独運転検出システム1、パワーコンディショナ10及び電源システム100の詳細について、図1を参照して説明する。本実施形態では、図1に示すように、電力系統2に対して複数(図示例では2つ)の分散型電源3A,3Bが電気的に接続されている。すなわち、図1に示す例では、電力系統2に対して並列に接続されている分散型電源3の台数は「2」である。分散型電源3Aは、パワーコンディショナ10Aを介して電力系統2に接続され、分散型電源3Bは、パワーコンディショナ10Bを介して電力系統2に接続されている。また、パワーコンディショナ10Aは、単独運転検出システム1Aを備え、パワーコンディショナ10Bは、単独運転検出システム1Bを備えている。
以下では、複数の分散型電源3A,3Bを特に区別しない場合には、複数の分散型電源3A,3Bの各々を「分散型電源3」ともいう。また、以下では、複数のパワーコンディショナ10A,10Bを特に区別しない場合には、複数のパワーコンディショナ10A,10Bの各々を「パワーコンディショナ10」ともいう。さらに、以下では、複数の単独運転検出システム1A,1Bを特に区別しない場合には、複数の単独運転検出システム1A,1Bの各々を「単独運転検出システム1」ともいう。
(2.1)単独運転検出システム
まず、単独運転検出システム1の構成について説明する。単独運転検出システム1は、図1に示すように、注入部11と、計測部12と、第1算出部13と、第2算出部14と、入力部15と、判定部16と、を備えている。
注入部11、第1算出部13、第2算出部14及び判定部16は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、注入部11、第1算出部13、第2算出部14及び判定部16は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが注入部11、第1算出部13、第2算出部14及び判定部16として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
注入部11は、電力系統2に無効電力を注入する。本実施形態では、注入部11は、電力系統2からの交流電圧V1に対して位相の異なる電流による無効電力を、インバータ5(後述する)から出力される交流電力に注入して電力系統2の無効電力を変動させる。なお、注入部11は、インバータ5から出力される交流電力に無効電力を注入することにより、インバータ5から出力される無効電力を変動させる構成に限定されない。注入部11は、例えばインバータ5から出力される電流の位相を変動させることにより、インバータ5から出力される無効電力を直接変動させるように構成されていてもよい。この場合、注入部11は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号をインバータ5に出力し、インバータ5から出力される電流の位相を変動させる。
計測部12は、電力系統2からの交流電圧V1の周波数である系統周波数f1を計測する。計測部12は、交流電圧V1の電圧値、及び電力系統2を流れる出力電流について、例えばPWM生成のキャリア周期20kHz(50マイクロ秒)毎に瞬時値を計測し、交流電圧(系統電圧)V1のゼロクロス毎にそれぞれの実効値を求める。また、計測部12は、交流電圧V1がゼロクロスするタイミングの時間差から電圧波形の周期を計測し、この周期から系統周波数f1を求める。計測部12は、求めた系統周波数f1を第1算出部13に出力する。
第1算出部13は、計測部12から入力された最新の系統周波数f1を含む複数の系統周波数f1の計測値に基づいて、系統周波数f1の変化量Δf1(以下、「周波数偏差Δf1」という)を求める。第1算出部13は、一例として、計測部12からの最新の系統周波数f1を含む系統周期更新とは非同期である5ミリ秒周期更新の系統周波数バッファ8回分(最新40ミリ秒間)の系統周波数f1の平均値f2を求める。また、第1算出部13は、計測部12が最新の系統周波数f1を計測した時点から200ミリ秒前から520ミリ秒までの系統周波数バッファ64回分(過去の320ミリ秒間)の系統周波数f1の平均値f3を求める。そして、第1算出部13は、平均値f3から平均値f2を減算した結果を周波数偏差Δf1(=f3−f2)として求める。第1算出部13は、求めた周波数偏差Δf1を第2算出部14及び判定部16に出力する。
第2算出部14は、第1算出部13が求めた周波数偏差Δf1に基づいて、注入部11から電力系統2に注入させる無効電力の指令値を算出する。第2算出部14は、第1算出部13から周波数偏差Δf1が入力されるごとに、この周波数偏差Δf1に基づいて注入部11から電力系統2に注入させる無効電力の指令値を算出する。
また、第2算出部14は、調整部141を有している。調整部141は、入力部15(後述する)が受け付けた調整パラメータに基づいて、第2算出部14が算出した無効電力の指令値を調整する。本実施形態では、調整部141は、調整パラメータに基づいて第2算出部14が算出した無効電力の指令値に対するゲイン(利得)を調整する。この場合、入力部15から入力される調整パラメータは、電力系統2に対して並列に接続されている分散型電源3の台数(並列台数)であり、調整部141は、分散型電源3の台数の逆数をゲインに設定する。例えば図1に示す例では、分散型電源3の台数が「2」であるため、調整部141は、上記指令値に対するゲインを1/2に設定する。そして、調整部141は、第2算出部14が算出した無効電力の指令値とゲインとを乗算することにより、注入部11から電力系統2に注入させる無効電力の指令値を調整する。第2算出部14は、調整パラメータに基づいて調整部141が調整した後の無効電力の指令値を注入部11に出力する。
入力部15は、調整パラメータの入力を受け付ける入力インターフェースである。入力部15は、例えばテンキー等を含む複数の押ボタンスイッチを有している。ここでいう「調整パラメータ」とは、第2算出部14が算出した無効電力の指令値を調整するためのパラメータであり、入力部15を介してユーザ(例えば、電力会社の作業員)が入力する。本実施形態では、調整パラメータは、電力系統2に対して並列に接続されている分散型電源3の台数(並列台数)であり、図1に示す例では「2」である。なお、入力部15は、押ボタンスイッチに限らず、例えばディップスイッチであってもよい。
判定部16は、第1算出部13が求めた周波数偏差Δf1に基づいて、分散型電源3が単独運転しているか否かを判定する。具体的には、判定部16は、周波数偏差Δf1と周波数閾値F1とに基づいて、分散型電源3が単独運転しているか否かを判定する。より具体的には、判定部16は、周波数閾値F1で定まる周波数の範囲を周波数偏差Δf1が所定回数(例えば4回)連続して超える場合、分散型電源3が単独運転していると判定する。判定部16は、分散型電源3が単独運転していると判定した場合、解列器6に対して解列信号を出力する。そして、解列器6は、判定部16からの解列信号が入力されると、電力系統2からインバータ5を切り離す。なお、周波数閾値F1は、分散型電源3が単独運転しているか否かを判定するための基準値であり、判定部16において予め設定されている。
ここで、系統電源が存在しており、分散型電源3が単独運転していない場合には、分散型電源3が電力系統2に注入した無効電力の電力系統応答として、系統周波数f1はほとんど変化せず、系統周波数f1の変化量Δf1は基準値未満となる。一方、系統電源が存在しておらず、分散型電源3が単独運転している場合には、分散型電源3が電力系統2に注入した無効電力の電力系統応答とし、系統周波数f1が変化する。本実施形態に係る単独運転検出システム1は、電力系統2の周波数偏差Δf1に基づいて、その偏差を助長する方向に周波数偏差量に応じた無効電力量を注入する周波数フィードバック動作を行うと共に、無効電力の注入による電力系統の応答監視を行う。そして、この単独運転検出システム1は、系統周波数f1の変化量Δf1が基準値を超えると、分散型電源3が単独運転していると判定する。
(2.2)パワーコンディショナ
次に、パワーコンディショナ10の構成について説明する。パワーコンディショナ10は、図1に示すように、単独運転検出システム1と、インバータ5と、解列器6と、を備えている。パワーコンディショナ10は、分散型電源3からの直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を系統電源、負荷4等に出力する。負荷4は、交流電力によって動作する電気機器(例えば、照明器具、テレビ等)である。
インバータ5は、一対以上の入力端子と、一対の出力端子と、を備えている。インバータ5の一対以上の入力端子には、分散型電源3が電気的に接続されている。また、インバータ5の一対の出力端子には、解列器6を介して電力系統2及び負荷4が電気的に接続されている。
解列器6は、インバータ5の一対の出力端子と電力系統2との間に電気的に接続されている。解列器6は、判定部16からの解列信号が入力されると、インバータ5と系統電源とを電気的に切り離す。
(2.3)電源システム
次に、電源システム100の構成について説明する。電源システム100は、図1に示すように、複数(図示例では2つ)のパワーコンディショナ10A,10Bと、複数(図示例では2つ)の分散型電源3A,3Bと、を備えている。分散型電源3Aは、パワーコンディショナ10Aを介して電力系統2に接続され、分散型電源3Bは、パワーコンディショナ10Bを介して電力系統2に接続されている。すなわち、本実施形態に係る電源システム100では、2つの分散型電源3A,3Bが、パワーコンディショナ10A,10Bを介して電力系統2に系統連系されている。図1では、パワーコンディショナ10A,10Bの並列接続点よりも系統側に負荷4が接続されているが、負荷4は宅内負荷(パワーコンディショナ10A,10Bは宅内において並列接続)に限定されない。すなわち、負荷4は、系統内負荷(パワーコンディショナ10A,10Bは宅外において並列接続)であってもよい。
(3)動作
(3.1)動作の概要
まず、本実施形態に係る単独運転検出システム1の動作の概要について、図2を参照して説明する。
ユーザ(例えば、電力会社の作業員)は、入力部15のテンキー等を用いて調整パラメータを入力する(ステップS1)。本実施形態では、調整パラメータは、電力系統2に対して並列に接続されている分散型電源3の台数であり、図1に示すように、電力系統2に対して2つの分散型電源3A,3Bが並列に接続されていることから、ユーザは、調整パラメータとして「2」を入力する。入力部15は、ユーザが入力した調整パラメータを第2算出部14の調整部141に出力する(ステップS2)。
ここで、第2算出部14は、第1算出部13から入力される周波数偏差Δf1に基づいて無効電力の指令値を算出する。調整部141は、入力部15から受け取った調整パラメータに基づいて第2算出部14が算出した無効電力の指令値を調整する(ステップS3)。本実施形態では、調整部141は、調整パラメータに基づいて第2算出部14が算出した無効電力の指令値に対するゲインを調整している。そして、調整パラメータが「2」であることから、調整部141は、注入部11から電力系統2に注入させる無効電力を、第2算出部14が算出した無効電力の1/2の大きさに調整する。
調整部141は、調整後の無効電力の指令値を含む制御信号を注入部11に出力する(ステップS4)。そして、注入部11は、調整部141からの制御信号に従って、調整部141による調整後の無効電力を電力系統2に注入する(ステップS5)。
(3.2)動作の要部
次に、本実施形態に係る単独運転検出システム1の動作の要部について、図3A及び図3Bを参照して説明する。図3Aは、本実施形態の比較例に係る単独運転検出システム200の動作を説明する波形図であり、図3Bは、本実施形態に係る単独運転検出システム1の動作を説明する波形図である。本実施形態では、電力系統2に対して2つの分散型電源3A,3Bが並列に接続されている場合を想定している。また、単独運転検出システム1は、調整部141を有している点で単独運転検出システム200と相違している。
ここでいう「フリッカ」とは、上述の周波数フィードバック動作により分散型電源3から注入される無効電力と電力系統の応答とでハンチングが発生し、無効電力の注入によって系統電圧が継続的に振動し続け、かつ系統周波数しいては周波数偏差が継続的に振動し続ける事象をいう。つまり、以降に示す図面中で周波数偏差が継続的に振動し続けている場合はフリッカ状態であることを示している。図3A及び図3Bの「Q11」は、一方の単独運転検出システム1A(又は200A)の注入部11から電力系統2に注入される無効電力である。また、図3A及び図3Bの「Q12」は、他方の単独運転検出システム1B(又は200B)の注入部11から電力系統2に注入される無効電力である。そして、図3A及び図3Bの「Q1」は、2つの単独運転検出システム1A,1B(又は200A,200B)の各々から電力系統2に注入される無効電力Q11,Q12を加算した無効電力の総量である。
まず、比較例に係る単独運転検出システム200A,200Bの動作について、図3Aを参照して説明する。なお、2つの単独運転検出システム200A,200Bの動作は同じであるため、以下では、一方の単独運転検出システム200Aについてのみ説明する。
期間T11では、第1算出部13にて算出される周波数偏差Δf1は正の値(周波数が遅くなる状態)である。第2算出部14は、この周波数偏差Δf1に基づいて無効電力Q11の指令値を算出する。無効電力Q11は、期間T11では正の値(周波数遅れを助長する遅れ無効電力出力)である。ここで、単独運転検出システム200Aは調整部141を有していないので、注入部11は、第2算出部14にて算出された無効電力Q11をそのままの大きさで電力系統2に注入する。つまり、単独運転検出システム200Aでは、無効電力Q11の指令値に対するゲインは「1」である。また、単独運転検出システム200Bの注入部11から電力系統2に注入される無効電力Q12は、符号及び大きさが無効電力Q11と同じある。したがって、期間T11において電力系統2に注入される無効電力Q1は、正の値であり、かつ無効電力Q11(又はQ12)の2倍の大きさである。
期間T12では、電力系統2の系統周波数f1が変動し、これにより周波数偏差Δf1も変動する。期間T12では、周波数偏差Δf1は、負の値(周波数が早くなる状態)である。第2算出部14は、この周波数偏差Δf1に基づいて無効電力Q11の指令値を算出する。無効電力Q11は、期間T12では負の値(周波数進みを助長する進み無効電力出力)である。また、単独運転検出システム200Bの第2算出部14にて算出される無効電力Q12は、符号及び大きさが無効電力Q11と同じである。したがって、期間T12において電力系統2に注入される無効電力Q1は、負の値であり、かつ無効電力Q11(又はQ12)の2倍の大きさである。
期間T11,T12に示すような周波数偏差は電力系統内での外乱(位相跳躍等)により発生し、上述の周波数フィードバック動作により電力系統に無効電力が注入される。系統電源が存在し、かつ系統インピーダンスが低い場合は、注入された無効電力が以降の系統周波数に影響を及ぼすことがない。しかしながら、系統電源が存在するが、系統インピーダンスが高い場合などでは、注入する無効電力が大きいと系統周波数に影響を及ぼし、さらに無効電力注入動作を行う単独運転検出システム200A,200Bと電力系統との間でハンチングを起こす要因となる。
以下、単独運転検出システム200A,200Bは、期間T13,T15,T17においては期間T11と同様に動作し、期間T14,T16,T18においては期間T12と同様に動作する。したがって、比較例に係る単独運転検出システム200A,200Bでは、期間T11で発生した外乱をきっかけに無効電力の注入による周波数偏差、周波数の継続的周期変動が発生している。これにより、無効電力の注入による継続的周期変動の影響が電圧値にも作用し、電圧フリッカが発生することになる。
次に、本実施形態に係る単独運転検出システム1A,1Bの動作について、図3Bを参照して説明する。なお、この場合においても、2つの単独運転検出システム1A,1Bの動作は同じであるため、以下では、一方の単独運転検出システム1Aについてのみ説明する。
期間T11では、第1算出部13にて算出される周波数偏差Δf1は正の値である。第2算出部14は、この周波数偏差Δf1に基づいて無効電力Q11の指令値を算出する。無効電力Q11は、期間T11では正の値である。ここで、単独運転検出システム1Aは調整部141を有しており、調整パラメータは「2」である。つまり、単独運転検出システム1Aでは、無効電力Q11の指令値に対するゲインは「0.5」である。したがって、期間T11において、単独運転検出システム1Aから電力系統2に注入される無効電力Q11は、単独運転検出システム200Aの無効電力Q11の1/2である。また、期間T11において、単独運転検出システム1Bから電力系統2に注入される無効電力Q12についても、単独運転検出システム200Bの無効電力Q12の1/2である。つまり、2つの単独運転検出システム1A,1Bから電力系統2に注入される無効電力Q1は、比較例に係る2つの単独運転検出システム200A,200Bから電力系統2に注入される無効電力Q1の1/2である。
期間T12では、電力系統2の系統周波数f1が変動し、これにより周波数偏差Δf1も変動する。ここで、期間T11において算出された無効電力Q1は、比較例の無効電力Q1の1/2であるため、周波数偏差Δf1の変動量は比較例よりも小さくなる。そして、周波数偏差Δf1は、期間T12において負の値である。第2算出部14は、この周波数偏差Δf1に基づいて無効電力Q11の指令値を算出する。無効電力Q11は、期間T12では負の値である。また、単独運転検出システム1Bの第2算出部14にて算出される無効電力Q12は、符号及び大きさが無効電力Q11と同じである。さらに、単独運転検出システム1A,1Bでは、調整部141によって無効電力Q11,Q12の大きさが1/2に調整される。したがって、期間T12において、単独運転検出システム1A,1Bから電力系統2に注入される無効電力Q1は、比較例に係る単独運転検出システム200A,200Bから電力系統2に注入される無効電力Q1よりも小さくなる。系統電源が存在するが、系統インピーダンスが高い場合などでは、注入させる無効電力を抑えることで系統周波数への影響を低減し、無効電力注入動作を行う単独運転検出システム1A,1Bと電力系統との間でハンチングに至る状況を排除することができる。
以下、単独運転検出システム1A,1Bは、期間T13,T15,T17においては期間T11と同様に動作し、期間T14,T16,T8においては期間T12と同様に動作する。また、単独運転検出システム1A,1Bでは、無効電力Q11,Q12の指令値に対するゲインが「0.5」に設定されているため、周波数偏差Δf1及び無効電力Q1(Q11及びQ12)は、上述の周波数フィードバック動作の繰り返しと共に減衰する。そして、単独運転検出システム1A,1Bでは、周波数偏差、周波数の継続的周期変動、つまり電圧フリッカの発生を抑制することができる。また、この場合においても、電力系統2に対して無効電力Q1が注入されている。そのため、系統電源が存在しない状態で分散型電源3が単独運転している場合には、周波数偏差Δf1が正又は負の一方向に偏差し、それを助長させる周波数フィードバック動作が行われることで、分散型電源3が単独運転していることを検出することができる。
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)第1変形例
上述の実施形態では、調整パラメータが電力系統2に対する分散型電源3の並列台数である場合を例として説明した。これに対して、調整パラメータは、電力系統2に対する分散型電源3の並列台数に加えて、割当情報が含まれていてもよい。以下、第1変形例に係る単独運転検出システム1について、図4を参照して説明する。第1変形例では、2つの単独運転検出システム1A,1Bが電力系統2に対して並列に接続されている場合を想定している。また、単独運転検出システム1A,1Bの各構成については、上述の実施形態と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
第1変形例に係る調整部141は、入力部15に入力される調整パラメータに基づいて第2算出部14が算出した無効電力の指令値を調整する。第1変形例では、調整パラメータは、電力系統2に対して並列に接続されている分散型電源3の台数と、割当情報とが含まれている。ここでいう「割当情報」とは、連続する複数の注入期間のうち、注入部11から電力系統2に無効電力を注入させる注入期間を割り当てるための情報のことをいう。第1変形例では、図4における期間T21〜T24の各々が注入期間である。この場合、調整部141は、自己に割り当てられた注入期間において注入部11から電力系統2に無効電力を注入させ、それ以外の注入期間においては注入部11から電力系統2に無効電力を注入させない。
次に、第1変形例に係る単独運転検出システム1A,1Bの動作について、図4を参照して説明する。単独運転検出システム1Aでは、調整パラメータとして、電力系統2に対する分散型電源3の並列台数を表す「2」と、割当情報である「1」とが入力される。また、単独運転検出システム1Bでは、調整パラメータとして、電力系統2に対する分散型電源3の並列台数を表す「2」と、割当情報である「2」とが入力される。つまり、この場合には、単独運転検出システム1Aが1番目、単独運転検出システム1Bが2番目となり、連続する複数の注入期間において、単独運転検出システム1Aと単独運転検出システム1Bとが電力系統2に対して交互に無効電力を注入することになる。
期間T21では、割当情報が「1」である単独運転検出システム1Aの注入部11が電力系統2に無効電力Q11を注入する。このとき、割当情報が「2」である単独運転検出システム1Bの注入部11は、電力系統2に対して無効電力Q12を注入しない(Q12=0)。したがって、期間T21では、電力系統2に対して注入される無効電力Q1は無効電力Q11と等しい。
期間T22では、割当情報が「2」である単独運転検出システム1Bの注入部11が電力系統2に無効電力Q12を注入する。このとき、割当情報が「1」である単独運転検出システム1Aの注入部11は、電力系統2に対して無効電力Q11を注入しない(Q11=0)。したがって、期間T22では、電力系統2に対して注入される無効電力Q1は無効電力Q12と等しい。
以下同様に、期間T23では、単独運転検出システム1Aの注入部11が電力系統2に無効電力Q11を注入し、期間T24では、単独運転検出システム1Bの注入部11が電力系統2に無効電力Q12を注入する。すなわち、第1変形例では、電力系統2に対して、単独運転検出システム1A,1Bの各々から無効電力Q11,Q12が交互に注入されることになる。そのため、電力系統2に注入される無効電力Q1を、上述の比較例に係る単独運転検出システム200A,200Bよりも小さくすることができる。第1変形例に係る単独運転検出システム1A,1Bでは、周波数偏差Δf1及び無効電力Q1は、図4に示すように、上述の周波数フィードバック動作の繰り返しと共に減衰する。そのため、第1変形例に係る単独運転検出システム1A,1Bによれば、周波数偏差、周波数の継続的周期変動、つまり電圧フリッカの発生を抑制することができる。また、この場合においても、電力系統2に対して無効電力Q1が注入されている。そのため、系統電源が存在しない状態で分散型電源3が単独運転している場合には、周波数偏差Δf1が正又は負の一方向に偏差し、それを助長させる周波数フィードバック動作が行われることで、分散型電源3が単独運転していることを検出することができる。
(4.2)その他の変形例
本開示における単独運転検出システム1及び電源システム100の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における単独運転検出システム1及び電源システム100の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、注入部11、第1算出部13、第2算出部14及び判定部16の各々の機能は、1つの装置に設けられていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。さらに、注入部11、第1算出部13、第2算出部14及び判定部16の各々の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されていてもよい。
上述の実施形態では、調整パラメータが分散型電源3の並列台数を含む場合を例に説明したが、調整パラメータは分散型電源3の並列台数に限らず、例えば確率を含んでいてもよい。言い換えると、調整パラメータは、注入部11から電力系統2に無効電力を注入させる割合を表す確率を含んでいてもよい。例えば、上述の実施形態のように、電力系統2に対して2つの分散型電源3A,3Bが並列接続されている場合、単独運転検出システム1A,1Bの各々の調整パラメータは「1/2」に設定される。この変形例では、分散型電源3の並列台数が多くなるにつれて、複数の注入部11から同時に無効電力が注入される可能性が低くなり、その結果、電圧フリッカが発生する可能性も低くなるという利点がある。また、この変形例では、複数の単独運転検出システム1の各々に対して分散型電源3の並列台数に応じた確率を入力するだけでよく、第1変形例のように分散型電源3の並列台数及び割当情報を入力する場合と比較して、入力作業が容易になるという利点もある。
また、調整パラメータは、注入部11から電力系統2への無効電力の注入を許可するか否かを決定するためのパラメータが含まれていてもよい。例えば、少なくとも1つの分散型電源3を新たに追加する場合を想定する。この場合、既に設置されている少なくとも1つの分散型電源3に接続されている単独運転検出システム1によって、電力系統2に対して適切な無効電力が注入されていれば、これ以上の無効電力を注入する必要はない。この場合、調整パラメータにて許可しないように設定することで、調整部141は、第2算出部14が算出した無効電力の指令値を「0」に調整する。この構成によれば、分散型電源3を新たに追加した場合でも、電力系統2に対して注入される無効電力の増加を抑えることができる。また、この構成によれば、新たに追加した単独運転検出システム1の調整パラメータを調整するだけでよいという利点もある。このような無効電力の注入を行わない分散型電源3においても、周波数偏差を常時計測し、この偏差を用いて単独運転を判定するようにしておくことで単独運転を行うことは可能である。
さらに、調整パラメータは、注入部11から注入させる無効電力の極性を含んでいてもよい。例えば、少なくとも1つの分散型電源3を追加する場合を想定する。この場合において、既に設置されている少なくとも1つの分散型電源3に接続されている単独運転検出システム1によって電力系統2に注入されている無効電力が必要以上に大きいと、電圧フリッカが発生する可能性がある。この場合、注入部11から注入させる無効電力の極性が調整パラメータに含まれていれば、新たに注入させる無効電力の極性を反転させることにより電力系統2に注入される無効電力の全体量を小さくすることができる。その結果、電圧フリッカの発生を抑制することができる。また、この構成によれば、新たに追加した単独運転検出システム1の調整パラメータを調整するだけでよいという利点もある。このような極性が逆である無効電力の注入を行う分散型電源3においても、周波数偏差を常時計測し、この偏差を用いて単独運転を判定するようにしておくことで単独運転を行うことは可能である。
また、上述の実施形態では、入力部15が複数の押ボタンスイッチを有するインターフェースである場合を例として説明したが、入力部15は、外部機器(例えば、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等)との間で通信を行う通信機能を有していてもよい。そして、入力部15は、外部機器で入力された調整パラメータを通信によって外部機器から受信するように構成されていてもよい。この構成によれば、単独運転検出システム1が設置されている場所から離れた場所において、外部機器により調整パラメータを設定することができる。なお、この場合において、単独運転検出システム1と外部機器との間の通信は、電力線搬送通信であってもよいし、専用回線を利用した通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
さらに、上述の実施形態では、分散型電源3の並列台数が調整パラメータに含まれている場合を例として説明したが、例えば分散型電源3が1つの場合であっても、分散型電源3の容量によっては必要以上の無効電力が電力系統2に注入される可能性がある。そのため、分散型電源3の容量が調整パラメータに含まれていてもよい。この場合、調整部141は、分散型電源3の容量に応じて、第2算出部14が算出した無効電力の指令値に対するゲインを調整するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、電力系統2に対して注入される無効電力を小さくすることができ、その結果、電圧フリッカの発生を抑えることができる。
また、上述の実施形態では、単独運転検出システム1の入力部15によりユーザが調整パラメータを入力しているが、単独運転検出システム1は、入力部15に加えて、調整パラメータを自動的に設定する機能を有していてもよい。
さらに、上述の実施形態では、2つの分散型電源3A,3Bが電力系統2に並列接続されている場合を例として説明したが、分散型電源3の台数は2つに限らず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また、上述の実施形態では、1つの変圧器(同一バンク)に対して、単独運転検出システム1、パワーコンディショナ10及び電源システム100を適用した場合を例として説明した。これに対して、複数の変圧器に跨って、単独運転検出システム1、パワーコンディショナ10及び電源システム100を適用してもよい。
(まとめ)
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様に係る単独運転検出システム(1)は、電力系統(2)と系統連系された分散型電源(3)の単独運転を検出するシステムである。単独運転検出システム(1)は、注入部(11)と、計測部(12)と、第1算出部(13)と、第2算出部(14)と、入力部(15)と、調整部(141)と、判定部(16)と、を備える。注入部(11)は、電力系統(2)に無効電力を注入する。計測部(12)は、電力系統(2)からの交流電圧(V1)の周波数である系統周波数(f1)を計測する。第1算出部(13)は、計測部(12)の複数の計測結果から系統周波数(f1)の変化量(Δf1)を算出する。第2算出部(14)は、系統周波数(f1)の変化量(Δf1)に基づいて注入部(11)から電力系統(2)に注入させる無効電力の指令値を算出する。入力部(15)は、ユーザによる調整パラメータの入力を受け付ける。調整部(141)は、調整パラメータに基づいて指令値を調整する。判定部(16)は、系統周波数(f1)の変化量(Δf1)に基づいて分散型電源(3)が単独運転をしているか否かを判定する。注入部(11)は、調整部(141)が調整した後の指令値に基づいて電力系統(2)に無効電力を注入する。
第1の態様によれば、調整部(141)にて無効電力の指令値を調整することで、電力系統(2)への影響を抑えながらも分散型電源(3)の単独運転を検出することができる。
第2の態様に係る単独運転検出システム(1)では、第1の態様において、調整部(141)は、調整パラメータに基づいて指令値に対するゲインを調整する。
第2の態様によれば、無効電力の指令値に対するゲインを調整することで、電力系統(2)に注入される無効電力を小さくすることができ、これにより電力系統(2)への影響を抑えることができる。
第3の態様に係る単独運転検出システム(1)では、第2の態様において、調整パラメータは、電力系統(2)に対して並列に接続される分散型電源(3)の台数を含む。
第3の態様によれば、電力系統(2)に対して並列に接続されている分散型電源(3)の台数を入力するだけで、無効電力の指令値に対するゲインを調整することができる。
第4の態様に係る単独運転検出システム(1)では、第1の態様において、調整パラメータは、電力系統(2)に対して並列に接続される分散型電源(3)の台数と、割当情報と、を含む。割当情報は、連続する複数の注入期間(T21、T22)のうち注入部(11)から電力系統(2)に無効電力を注入させる注入期間を割り当てるための情報である。
第4の態様によれば、複数の注入部(11)の各々から順番に無効電力を注入するので、複数の注入部(11)から同時に無効電力を注入する場合と比較して、電力系統(2)に注入する無効電力の総量を小さくすることができる。その結果、電力系統(2)への影響を抑えながらも分散型電源(3)の単独運転を検出することができる。
第5の態様に係る単独運転検出システム(1)では、第1の態様において、調整パラメータは、注入部(11)から電力系統(2)に無効電力を注入させる割合を表す確率を含む。
第5の態様によれば、電力系統(2)に対して並列に接続される分散型電源(3)の台数に応じた確率を入力するだけで、電力系統(2)への影響を抑えながらも分散型電源(3)の単独運転を検出することができる。
第6の態様に係る単独運転検出システム(1)では、第2〜5のいずれかの態様において、調整パラメータは、注入部(11)から電力系統(2)への無効電力の注入を許可するか否かを決定するためのパラメータを含む。調整部(141)は、調整パラメータによって許可されない場合、指令値を0に調整する。
第6の態様によれば、余剰な無効電力を電力系統(2)に注入しないようにすることができ、その結果、電力系統(2)への影響を抑えながらも分散型電源(3)の単独運転を検出することができる。
第7の態様に係る単独運転検出システム(1)では、第2〜5のいずれかの態様において、調整パラメータは、注入部(11)から電力系統(2)に注入させる無効電力の極性を含む。調整部(141)は、調整パラメータに基づいて指令値の極性を反転させる。
第7の態様によれば、過剰に注入された無効電力を相殺することができ、その結果、電力系統(2)への影響を抑えながらも分散型電源(3)の単独運転を検出することができる。
第8の態様に係る単独運転検出システム(1)では、第1〜7のいずれかの態様において、入力部(15)は、外部機器との間で通信を行う通信機能を有し、外部機器にて入力された調整パラメータを通信によって外部機器から受信する。
第8の態様によれば、単独運転検出システム(1)が設置されている場所から離れた遠隔地にて調整パラメータを調整することができる。
第9の態様に係るパワーコンディショナ(10)は、単独運転検出システム(1)と、インバータ(5)と、を備える。インバータ(5)は、分散型電源(3)からの直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電力系統(2)に出力する。
第9の態様によれば、調整部(141)にて無効電力の指令値を調整することで、電力系統(2)への影響を抑えながらも分散型電源(3)の単独運転を検出することができる。
第10の態様に係る電源システム(100)は、パワーコンディショナ(10)と、分散型電源(3)と、を備える。
第10の態様によれば、調整部(141)にて無効電力の指令値を調整することで、電力系統(2)への影響を抑えながらも分散型電源(3)の単独運転を検出することができる。
第2〜8の態様に係る構成については、単独運転検出システム(1)の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 単独運転検出システム
11 注入部
12 計測部
13 第1算出部
14 第2算出部
141 調整部
15 入力部
16 判定部
2 電力系統
3 分散型電源
5 インバータ
10 パワーコンディショナ
100 電源システム
f1 系統周波数
Δf1 変化量(周波数偏差)
V1 交流電圧

Claims (10)

  1. 電力系統と系統連系された分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出システムであって、
    前記電力系統に無効電力を注入する注入部と、
    前記電力系統からの交流電圧の周波数である系統周波数を計測する計測部と、
    前記計測部の複数の計測結果から前記系統周波数の変化量を算出する第1算出部と、
    前記系統周波数の前記変化量に基づいて前記注入部から前記電力系統に注入させる無効電力の指令値を算出する第2算出部と、
    ユーザによる調整パラメータの入力を受け付ける入力部と、
    前記調整パラメータに基づいて前記指令値を調整する調整部と、
    前記系統周波数の前記変化量に基づいて前記分散型電源が単独運転をしているか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記注入部は、前記調整部が調整した後の前記指令値に基づいて前記電力系統に無効電力を注入する
    単独運転検出システム。
  2. 前記調整部は、前記調整パラメータに基づいて前記指令値に対するゲインを調整する
    請求項1に記載の単独運転検出システム。
  3. 前記調整パラメータは、前記電力系統に対して並列に接続される前記分散型電源の台数を含む
    請求項2に記載の単独運転検出システム。
  4. 前記調整パラメータは、前記電力系統に対して並列に接続される前記分散型電源の台数と、連続する複数の注入期間のうち前記注入部から前記電力系統に無効電力を注入させる注入期間を割り当てるための割当情報と、を含む
    請求項1に記載の単独運転検出システム。
  5. 前記調整パラメータは、前記注入部から前記電力系統に無効電力を注入させる割合を表す確率を含む
    請求項1に記載の単独運転検出システム。
  6. 前記調整パラメータは、前記注入部から前記電力系統への無効電力の注入を許可するか否かを決定するためのパラメータを含み、
    前記調整部は、前記調整パラメータによって許可されない場合、前記指令値を0に調整する
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の単独運転検出システム。
  7. 前記調整パラメータは、前記注入部から前記電力系統に注入させる無効電力の極性を含み、
    前記調整部は、前記調整パラメータに基づいて前記指令値の極性を反転させる
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の単独運転検出システム。
  8. 前記入力部は、外部機器との間で通信を行う通信機能を有し、前記外部機器にて入力された前記調整パラメータを通信によって前記外部機器から受信する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の単独運転検出システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の単独運転検出システムと、
    前記分散型電源からの直流電力を交流電力に変換し、前記交流電力を前記電力系統に出力するインバータと、を備える
    パワーコンディショナ。
  10. 請求項9に記載のパワーコンディショナと、
    前記分散型電源と、を備える
    電源システム。
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