JP2019068010A - 負荷時タップ切換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸化劣化を防止する目的で密封構造とした負荷時タップ切換装置の絶縁油が、切換開閉器から発生するガスが気泡化することによって、その絶縁性能に悪影響が及ぶこと、或いは、前記密封性能に支障をきたすことを防止できる負荷時タップ切換装置を提供する。【解決手段】 真空バルブ式の切換開閉器を収納した容器内に、酸素及び窒素のガス濃度合計を2万[ppm]以下に脱気処理した絶縁油を充填した上で、切換開閉器を密封構造とした。【選択図】 図1
Description
本発明は、切換開閉器の切換動作によって発生するガスが絶縁油の絶縁性能やコンサベータの隔膜の密封性能に支障をきたすことを防止する負荷時タップ切換装置に関する。
油膨張室(コンサベータ)内の袋体(ゴム袋)によって、油膨張室(コンサベータ)に接続される負荷時タップ切換装置の容器内に充填した絶縁油が空気と接触することを防止する構造の変圧器は従来から知られている。(下記特許文献1参照)。
特許文献1記載の変圧器のように、負荷時タップ切換装置の容器内に菜種油等の植物油を絶縁油として充填することで、環境負荷の低減に貢献することが近年の傾向である。
また、特許文献1記載の変圧器は、負荷時タップ切換装置の切換開閉器に真空バルブ式の接点を採用しており、当該装置の接点開閉時のアークによってスラッジが生成し、植物油が汚れることを防止できる特徴も有している。
然るに、負荷時タップ切換装置は、切換開閉器によるタップ切換動作によって絶縁油中に分解ガスが発生するので、当該分解ガスをコンサベータから吸湿呼吸器を介して外部へ放出する必要がある。そのため、コンサベータは、ゴム膜やゴム袋を設けない、所謂、開放型に構成されるのが通常である(上記特許文献2参照)。
これは、絶縁油に植物油を使用した場合も同様である。また、切換開閉器に真空バルブ式の接点を採用した場合は、接点開閉時のアークによる分解ガスは発生しないが、タップ切換動作による分解ガスは発生する。上記特許文献1の如く、絶縁油(植物油)をゴム袋(或いはゴム膜)で密封した場合は、絶縁油内のガスが増加し気泡化することによって、絶縁油の絶縁性能に支障をきたしたり、コンサベータのゴム膜やゴム袋の密封性能に支障をきたす可能性がある。
そこで、本発明では、隔膜式のコンサベータを付属した負荷時タップ切換装置において、真空バルブ式の接点を採用した切換開閉器のタップ切換動作によって発生するガスが、負荷時タップ切換装置の容器内に充填した絶縁油中に溶解し、絶縁油中のガス濃度が上昇することによって気泡化することを未然に防止できる負荷時タップ切換装置を提示する。
請求項1記載の発明は、真空バルブ式の切換開閉器を収納した容器内に、酸素及び窒素のガス濃度合計を2万[ppm]以下に脱気処理した絶縁油を充填し、当該絶縁油と外気との接触を、コンサベータに備えた隔膜によって防止するように構成したことに特徴を有する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の負荷時タップ切換装置であって、絶縁油に植物系油を使用したことに特徴を有する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の負荷時タップ切換装置であって、前記植物系油にパームヤシ脂肪酸エステル油としたことに特徴を有する。
請求項1記載の発明によれば、絶縁油中の酸素及び窒素のガス濃度合計を2万[ppm]以下に脱気処理した絶縁油を充填したので、切換開閉器のタップ切換動作によって発生するガスを絶縁油中に余裕をもって溶解できる。また、絶縁油中のガス濃度が増加してきた場合は、再度脱気処理することにより、溶解度の低い水素や酸素、窒素が絶縁油中で気泡化して、絶縁油の絶縁性能に支障をきたしたり、コンサベータのゴム膜又はゴム袋の密封性能に支障をきたすことを防止できる。
また、ゴム膜によって絶縁油と外気との接触を回避するので、ゴム袋式と比較して構造を簡素化し、コストを低減できる。
請求項2記載の発明によれば、絶縁油として植物系油を使用したので、環境負荷を低減できる。
請求項3記載の発明によれば、植物系油としてパームヤシ脂肪酸エステル油を使用したので、菜種油等、他の植物系油と比較して粘度が低くなり、切換開閉器の性能が損なわれることを防止できる。
図1は変圧器に付属した負荷時タップ切換装置1の拡大図である。図1において、2は変圧器タンク3に取り付けられた負荷時タップ切換装置1を構成する切換開閉器部であり、4はタップ選択器である。
2aは切換開閉器部2の容器2b内に収納される切換開閉器本体であり、切換開閉器本体2aには、図示しない真空バルブ式の接点が採用されている。
5は負荷時タップ切換装置1に連通管6を介して接続されるコンサベータであり、7は切換開閉器部2の容器2b内から連通管6を介してコンサベータ5内に充填される絶縁油である。絶縁油7としては、パームヤシ脂肪酸エステル油等、鉱油と同等かより粘度の低い植物系油を使用してもよい。
5aは絶縁油7がコンサベータ5内の空気と接触することを防止する隔膜(ゴム膜)であり、8はコンサベータ5に呼吸管9を介して接続される吸湿呼吸器(ブリーザー)である。
なお、負荷時タップ切換装置1は変圧器タンク3内に収納する図示しない変圧器本体と電気的に接続されている。
上記構成の負荷時タップ切換装置1は、切換開閉器部2の絶縁油として植物系油を使用した場合は、仮に漏油事故が発生した場合でも環境に与える影響が少ない。また、植物系油として、菜種油等と比較して粘度の低いパームヤシ脂肪酸エステル油を使用すれば、切換開閉器部2の性能を損なうことはない。
絶縁油に植物系油を使用する場合、植物系油としてはパームヤシ脂肪酸エステルが好適ではあるが、これに限定するということではなく、鉱油系絶縁油と動粘度が同等または低い植物油系絶縁油を使用することもできる。また、このような条件を満たせば、鉱油と植物系油を混合して使用することも可能である。
絶縁油はコンサベータ5内の隔膜5aの存在によって空気と接触することはない。つまり、酸化防止剤を添加しなくても絶縁油が酸化劣化することはなく、仮に漏油した場合にも生分解性が高い植物系油であれば、環境負荷が小さい利点を有する。
次に、本発明の負荷時タップ切換装置1の動作について説明する。切換開閉器本体2aが切換動作し、容器2b内の絶縁油の温度が上昇/下降すると、絶縁油はその温度変化に伴って体積を変化させるが、この絶縁油の体積変化は、コンサベータ5内の隔膜5bによって適宜吸収される。この隔膜5bの吸収動作によって、コンサベータ5内の空気は呼吸管9と吸湿呼吸器8を介して外部へ放出/吸引される。
切換開閉器部2は、真空バルブ式の接点を採用しており、接点部分が絶縁油と接触することがないので、接点切換時のアークによって発生するスラッジが絶縁油の油汚れを生じることはない。
ただし、真空バルブ式の切換開閉器であっても、そのタップ切換動作による限流抵抗器の発熱などでガスは発生する。切換開閉器の仕様や運転条件により異なるが、例えば切換動作1回当たり0.01〜0.1[ppm]のガスが発生する。
従来技術で説明した開放型であれば、コンサベータ内の絶縁油面からブリーザ(吸湿呼吸器)を介して外部へガスを放出できるが、本発明ではコンサベータ5内の隔膜5aの存在によってガスを外部へ放出することはできない。
発生したガス(可燃性ガスや二酸化炭素)は絶縁油中に溶解し、絶縁油に溶解するガスが増加すると、溶解度の低い水素や酸素、窒素が絶縁油中で気泡化し、種々の弊害を生じさせる。
そこで本発明は、負荷時タップ切換装置1に充填する絶縁油を予め脱気しておく。脱気のレベルとしては、絶縁油中のガス濃度を酸素と窒素の濃度合計で20,000[ppm]以下、より好ましくは10,000[ppm]以下とする。
これにより、絶縁油中のガス溶解度に余裕を持たすことができる。そして、絶縁油中のガス濃度が増加してきた場合は、再度の脱気処理(保守管理)を実行する。保守管理タイミングは絶縁油に対して溶解度の低いガスが気泡化する前のタイミングであり、例えば、絶縁油中の水素濃度が2万[ppm]、または、酸素濃度が3万[ppm]、または、窒素濃度が6万[ppm]の何れか1つに達する前の時点であったり、真空バルブ式の切換開閉器本体2aのタップ切換動作回数が10万回に達した時点であったり、前記切換開閉器の運転開始後10年が経過した時点であったりする。
なお、上記のタイミングで脱気処理(保守管理)をした後は、再度、上記タイミングが到来した時点で脱気処理(保守管理)を行い、その後も同様の保守管理を繰り返し実行すればよい。
また、上記タイミングのうち、10万回や10年という基準は至適なタイミングであるが、機器の特性や負荷などにより、短縮または延長させてもよい。
真空バルブ式のタップ切換動作1回当たりのガス発生量は仕様や運転条件により異なるが、例えば0.01〜0.1[ppm]であるとすると、切換動作回数が20万回に達した時点においてもガスの発生量は2,000〜20,000[ppm]である。因みに、本発明が想定するパームヤシ脂肪酸エステル油の代表的分解ガスの二酸化炭素の飽和溶解度は100万[ppm]である。
上記の如く負荷時タップ切換装置1を製造することによって、絶縁油を隔膜で密封した場合でも、絶縁油中で水素や酸素、窒素が気泡化して、種々の悪影響を生じさせることを確実に防止することができる。
なお、当該技術は、負荷時タップ切換装置に限定されず、絶縁油を密封した電気機器全般に利用可能であることは勿論である。
以上説明したように、本発明によれば、コンサベータの隔膜によって絶縁油の酸化劣化を防止する密封構造を採用した負荷時タップ切換装置においても、切換開閉器から発生し、絶縁油中に溶解したガスが気泡化して、絶縁油の絶縁性能やコンサベータの隔膜の密封性能に悪影響が及ほすことを防止することができる。
絶縁油を密封した各種電気機器に利用可能である。
1,10 負荷時タップ切換装置
2 切換開閉器部
2a 切換開閉器本体
2b 切換開閉器の容器
3 変圧器タンク
4 タップ選択器
5 コンサベータ
5a 隔膜(ゴム膜)
6 連結管
7 絶縁油(植物系油)
8 吸湿呼吸器
9 呼吸管
2 切換開閉器部
2a 切換開閉器本体
2b 切換開閉器の容器
3 変圧器タンク
4 タップ選択器
5 コンサベータ
5a 隔膜(ゴム膜)
6 連結管
7 絶縁油(植物系油)
8 吸湿呼吸器
9 呼吸管
Claims (3)
- 真空バルブ式の切換開閉器を収納した容器内に、酸素及び窒素のガス濃度合計を2万[ppm]以下に脱気処理した絶縁油を充填し、当該絶縁油と外気との接触をコンサベータに備えた隔膜による密封構造によって防止するように構成したことを特徴とする負荷時タップ切換装置。
- 前記絶縁油は植物系油であることを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置。
- 前記植物系油は、パームヤシ脂肪酸エステル油であることを特徴とする請求項2記載の負荷時タップ切換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017194803A JP2019068010A (ja) | 2017-10-05 | 2017-10-05 | 負荷時タップ切換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017194803A JP2019068010A (ja) | 2017-10-05 | 2017-10-05 | 負荷時タップ切換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019068010A true JP2019068010A (ja) | 2019-04-25 |
Family
ID=66338414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017194803A Pending JP2019068010A (ja) | 2017-10-05 | 2017-10-05 | 負荷時タップ切換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019068010A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111430114A (zh) * | 2020-05-06 | 2020-07-17 | 广东电网有限责任公司 | 一种主变有载开关带电滤油装置及方法 |
-
2017
- 2017-10-05 JP JP2017194803A patent/JP2019068010A/ja active Pending
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