JP2019067831A - 光センサ及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】対面にある物体及び広範囲の物体を検出し、消費電力、サイズ、及び製造コストを低減させる。【解決手段】光センサ(1)は、複数のVCSEL(11〜14)と、複数のVCSEL(11〜14)を制御する、複数のスイッチングトランジスタ(T1〜T4)と、入力端子(CTRL1、CTRL2)から入力される信号に基づき、スイッチングトランジスタ(T1〜T4)を駆動するための信号を生成する選択回路(10)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は光センサ及び電子機器に関する。
従来、空間認識を行うために、発光素子を駆動し、反射光量及び反射時間を検出する光センサが広く用いられている。特許文献1には、光送信する電圧信号のレベルに応じて、光送信する光源を駆動する駆動素子をオン/オフする光送信回路が開示されている。
特開2015−076581号公報(2015年4月20日公開)
しかしながら、特許文献1に開示されている光送信回路では、光送信する光源とは別に回路形成する必要がある。例えば、光源を複数用いる場合、複数の光源の各々に対して、接続端子、ワイヤー、及び駆動回路が必要になるので、光送信回路のサイズが大きくなるという問題がある。
本発明の一態様は、対面にある物体及び広範囲の物体を検出し、消費電力、サイズ、及び製造コストを低減させることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光センサは、複数のVCSELと、複数の前記VCSELの各々と一対一に対応付けられ、対応する前記VCSELを制御する、複数のスイッチングトランジスタと、入力端子から入力される信号に基づき、駆動すべき前記スイッチングトランジスタを選択し、かつ、選択された当該スイッチングトランジスタを駆動するための信号を生成する選択回路とを備える。
本発明の一態様によれば、対面にある物体及び広範囲の物体を検出し、消費電力、サイズ、及び製造コストを低減させることができる。
(a)は本発明の実施形態1に係る光センサの構成を示す模式図であり、(b)は(a)に示す光センサの構成を示す回路図である。 (a)は図1に示す光センサの選択回路の構成を示す回路図であり、(b)は図1に示す光センサの断面構造を示す断面図である。 (a)は本発明の実施形態2に係る光センサの構成を示す回路図であり、(b)は(a)に示す光センサの構成を示す模式図である。 (a)は本発明の実施形態3に係る光センサの断面構造を示す断面図であり、(b)は(a)に示す光センサの構成を示す回路図である。 (a)は本発明の実施形態4に係る光センサの構成を示す回路図であり、(b)は(a)に示す光センサの変形例の構成を示す回路図である。 本発明の実施形態5に係る光センサの構成を示す模式図である。
〔実施形態1〕
図1の(a)は本発明の実施形態1に係る光センサ1の構成を示す模式図であり、図1の(b)は光センサ1の構成を示す回路図である。図2の(a)は光センサ1の選択回路10の構成を示す回路図であり、図2の(b)は光センサ1の断面構造を示す断面図である。
光センサ1は、図1の(a)及び(b)に示すように、選択回路10、GaAs基板20、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)11〜14、及びスイッチングトランジスタT1〜T4を備えている。なお、スイッチングトランジスタT1〜T4はそれぞれ、VCSEL11〜14と直列接続となるので、スイッチングトランジスタT1〜T4には電流を駆動する能力が必要となる。このため、図1の(a)に示すように、スイッチングトランジスタT1〜T4のサイズは、VCSEL11〜14のサイズと同等以上である必要がある。
光センサ1は、物体に向けてVCSEL11〜14から光を出射し、その物体にて反射した光の受光信号を検出することにより、自身と物体との距離を検出する。光センサ1として、例えば、光量を検出する近接センサ、埃センサ、または光の伝搬時間を測量するTOF(Time Of Flight)センサが挙げられる。なお、光センサ1を用いた電子機器についても、本実施形態の範疇に入る。
選択回路10は、図2の(a)に示すように、ANDゲート110・120・130・140、及びNOTゲート150・160・170・180を備えている。選択回路10は、絶縁層(図示せず)を介してGaAs基板20上に設けられ、入力端子CTRL1・CTRL2と複数のスイッチングトランジスタT1〜T4との間に接続される。
ANDゲート110の一方の入力は、入力端子CTRL1と接続されており、ANDゲート110の他方の入力は、入力端子CTRL2と接続されている。ANDゲート110の出力は、スイッチングトランジスタT1のベース電極B1と接続されている。ANDゲート120の一方の入力は、入力端子CTRL1と接続されており、ANDゲート120の他方の入力は、NOTゲート150を介して入力端子CTRL2と接続されている。ANDゲート120の出力は、スイッチングトランジスタT2のベース電極B2と接続されている。
ANDゲート130の一方の入力は、NOTゲート160を介して入力端子CTRL1と接続されており、ANDゲート130の他方の入力は、入力端子CTRL2と接続されている。ANDゲート130の出力は、スイッチングトランジスタT3のベース電極B3と接続されている。ANDゲート140の一方の入力は、NOTゲート170を介して入力端子CTRL1と接続されており、ANDゲート140の他方の入力は、NOTゲート180を介して入力端子CTRL2と接続されている。ANDゲート140の出力は、スイッチングトランジスタT4のベース電極B4と接続されている。
よって、選択回路10に、図2の(a)に示すような一般的なデコーダを形成すれば、以下の表1の真理値表に示すように、光センサ1は、VCSEL11〜14を順次駆動する、または選択して駆動することができる。表1において、入力端子CTRL1の欄の数値は、入力端子CTRL1に入力される信号が1(High)であるか0(Low)であるかを示すものである。入力端子CTRL2についても、入力端子CTRL1と同様である。
また、表1において、VCSEL11の欄の数値が1であれば、VCSEL11がONの状態であることを示し、VCSEL11の欄の数値が0であれば、VCSEL11がOFFの状態であることを示す。VCSEL12〜14についても、VCSEL11と同様である。入力端子CTRL1・CTRL2とスイッチングトランジスタT1〜T4との間に、選択回路10を接続することにより、入力端子の数は、VCSELの数より少なくなる。
Figure 2019067831
したがって、選択回路10は、VCSEL11〜14の数より少ない入力端子CTRL1・CTRL2から入力される信号に基づき、駆動すべきVCSELを選択し、かつ、選択されたスイッチングトランジスタを駆動するための信号を生成する。
VCSEL11〜14は、端面発光レーザのように回折することなく、LED(Light Emitting Diode)と同様に、対面にある物に光を照射する。VCSEL11〜14は、GaAs基板20上に設けられ、複数のスイッチングトランジスタT1〜T4の各々と一対一に対応付けられている。GaAs基板20上に複数のVCSEL11〜14を設けることにより、広範囲に光を照射することができる。
VCSEL11〜14はそれぞれ、アノード電極A1〜A4及びカソード電極を有する。VCSEL11〜14のカソード電極は共通であり、GaAs基板20である。アノード電極A1〜A4はそれぞれ、スイッチングトランジスタT1〜T4のエミッタ電極E1〜E4と接続され、VCSEL11〜14のカソード電極(GaAs基板20)は、グランド端子GNDと接続されている。VCSEL11〜14はそれぞれ、アノード電極A1〜A4側に発光部31〜34を有する。発光部31〜34から光が出射される。
スイッチングトランジスタT1〜T4は、絶縁層I1を介してGaAs基板20上に設けられ、入力端子CTRL1・CTRL2から入力される信号によって制御される。入力端子CTRL1・CTRL2には、駆動回路(図示せず)から出力される信号が入力される。この駆動回路は、VCSEL11〜14を駆動させるためのものである。
なお、この駆動回路は、GaAs基板20とは別のSi基板(図示せず)上に設けられていることが好ましい。この駆動回路を安価なSi基板上に設けることにより、高価なGaAs基板20を小さくすることができるので、光センサ1の製造コストを低減することができる。
スイッチングトランジスタは、対応するVCSELを制御する。具体的には、スイッチングトランジスタT1は、VCSEL11を制御し、スイッチングトランジスタT2は、VCSEL12を制御し、スイッチングトランジスタT3は、VCSEL13を制御し、スイッチングトランジスタT4は、VCSEL14を制御する。スイッチングトランジスタがVCSELを制御することとは、スイッチングトランジスタがVCSELのON/OFFを制御するということである。
よって、スイッチングトランジスタT1〜T4によってVCSEL11〜14を制御することにより、VCSEL11〜14を順次発光させる、または選択して発光させることができるので、消費電力を低減することができる。
スイッチングトランジスタT1〜T4はそれぞれ、ベース電極B1〜B4、コレクタ電極C1〜C4、及びエミッタ電極E1〜E4を有する。コレクタ電極C1〜C4はそれぞれ、電源Vccと接続されている。
なお、GaAs基板20上には、絶縁層I1を介してHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)であるスイッチングトランジスタT1〜T4を設けることが可能である。HBTの構造は、図2の(b)のスイッチングトランジスタT1に示すような構造になっている。具体的には、HBTの構造は、種類の異なる複数の半導体層が接合された構造である。図2の(b)に示すように、エミッタ電極E1は、アノード電極A1とワイヤーw1で接続されている。
GaAs基板20上にVCSEL11〜14を設け、GaAs基板20上に絶縁層を介してスイッチングトランジスタT1〜T4及び選択回路10を設ける。また、Si基板(図示せず)に、入力端子CTRL1・CTRL2に信号を入力し、VCSEL11〜14を駆動させるための駆動回路を設ける。VCSELの数をさらに多くしても、入力端子CTRL1・CTRL2とスイッチングトランジスタとの間に選択回路を介することにより、VCSEL11〜14毎に駆動回路を設ける場合と比べて、必要な駆動回路の数を減らすことができる。よって、光センサ1の製造コストを低減することができ、光センサ1のサイズを小さくすることができる。また、駆動回路の数を減らすことができるので、複数のVCSELを安定して制御することができる。
〔実施形態2〕
図3の(a)は本発明の実施形態2に係る光センサ1Aの構成を示す回路図であり、図3の(b)は光センサ1Aの構成を示す模式図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
光センサ1Aは、光センサ1と比べて、定電流回路40を備えている点が異なる。定電流回路40は、駆動端子D1を介してVCSEL11〜14のカソード電極(GaAs基板20)と接続されている。定電流回路40は、駆動端子D1を介してVCSEL11〜14に駆動電流を供給する。定電流回路40からVCSEL11〜14に供給される駆動電流については、VCSEL11〜14間で駆動電流の大きさに差はない。
また、定電流回路40は、図3の(b)に示すように、Si基板25上に設けられている。Si基板25上には、定電流回路40の他に、受光部50が設けられている。受光部50は、VCSEL11〜14それぞれの発光部31〜34から出射された光が物体にて反射した光を検出する。ワイヤーw2は、VCSEL11〜14のカソード電極(GaAs基板20)と駆動端子D1との間を接続する。ワイヤーw3は、定電流回路40と駆動端子D1との間を接続する。
以上により、光センサ1Aは、VCSEL11〜14に駆動電流を供給する定電流回路40を備えている。これにより、VCSEL11〜14のうち発光しているVCSELが安定した発光量を維持することができる。VCSEL11〜14はダイオードで形成されており、動作電圧に応じて大幅に発光量が変化するので、定電流回路40によってVCSEL11〜14のうち発光しているVCSELに駆動電流を供給することは効果的である。
また、定電流回路40の回路規模は大きいので、図3の(b)に示すように、GaAs基板20とは別のSi基板25上に設けることが好ましい。定電流回路40を安価なSi基板上に設けることにより、高価なGaAs基板20を小さくすることができるので、光センサ1Aの製造コストを低減することができる。さらに、定電流回路40によってVCSEL11〜14を定電流パルスで駆動し、物体にて反射した光の位相遅れを距離に換算することにより広範囲の物体を検出することが可能なTOFセンサを実現することができる。
〔実施形態3〕
図4の(a)は、本発明の実施形態3に係る光センサ1Bの断面構造を示す断面図であり、図4の(b)は、光センサ1Bの構成を示す回路図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
光センサ1Bは、図4の(a)に示すように、光センサ1と比べて、スイッチングトランジスタTa1のコレクタ電極C5(第2部分)とVCSEL11aのアノード電極A5(第1部分)とが一体となっている点が異なっている。
また、光センサ1Bは、図4の(b)に示すように、光センサ1と比べて、スイッチングトランジスタTa1〜Ta4において、コレクタ電極の位置とエミッタ電極の位置とが逆になっている。つまり、スイッチングトランジスタTa1〜Ta4それぞれのエミッタ電極は電源Vccと接続され、スイッチングトランジスタTa1〜Ta4それぞれのコレクタ電極はVCSEL11a〜14aそれぞれのアノード電極と接続される。
スイッチングトランジスタTa1・Ta2それぞれのコレクタ電極C5・C6及びエミッタ電極E1・E2は、P型半導体で構成され、スイッチングトランジスタTa1・Ta2それぞれのベース電極B1・B2は、N型半導体で構成される。また、VCSEL11a・12aそれぞれのアノード電極A5・A6は、P型半導体で構成され、VCSEL11a・12aそれぞれのカソード電極(GaAs基板20A)は、N型半導体で構成される。
スイッチングトランジスタTa1は、ベース電極B1、コレクタ電極C5、及びエミッタ電極E1を有しており、VCSEL11aは、アノード電極A5及びカソード電極K1を有している。スイッチングトランジスタTa1はGaAs基板20A上に設けられ、VCSEL11aは、GaAs基板20A上に設けられている。図4に示すように、コレクタ電極C5及びアノード電極A5は、互いに一体となることにより、発光部31から出射される光が通るための開口部を形成する遮光用の金属層となる。
以上により、VCSEL11aの、スイッチングトランジスタTa1と電気的に接続するアノード電極A5は、スイッチングトランジスタTa1の、VCSEL11aと電気的に接続するコレクタ電極C5と一体となることにより、アノード電極A5の材料は、コレクタ電極C5の材料と同一になる。
コレクタ電極C5とアノード電極A5とが一体となっていることにより、発光部31の光出射側から見て、光センサ1Bの面積を小さくすることができ、光センサ1Bのサイズを小さくすることができる。また、光センサ1Bのサイズが小さくなるので、光センサ1Bの製造コストを低減することができる。
また、スイッチングトランジスタTa1とVCSEL11aとの接続状態に応じて、スイッチングトランジスタTa1のコレクタ電極C5以外の電極と、VCSEL11aのアノード電極A5以外の電極とが一体となっていてもよい。つまり、VCSEL11aの1つの電極は、スイッチングトランジスタTa1の1つの電極と一体となっていてもよい。
なお、他のVCSEL12a〜14aについても同様であり、例えば、スイッチングトランジスタTa2のコレクタ電極C6は、VCSEL12aのアノード電極A6と一体となっている。また、発光部の光出射側から見て、GaAs基板20Aの中央にVCSELが配置され、そのVCSELの周囲にスイッチングトランジスタが配置されることが好ましい。これにより、光センサ1Bに応力がかかることで、VCSELの発光特性にばらつきが発生することを低減することができる。
〔実施形態4〕
図5の(a)は本発明の実施形態4に係る光センサ1Cの構成を示す回路図であり、図5の(b)は光センサ1Dの構成を示す回路図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
光センサ1Cは、図5の(a)に示すように、光センサ1と比べて、入力端子CTRL1・CTRL2が入力端子CTRLに変更されている点、選択回路10を備えていない点、スイッチングトランジスタT5〜T7を備えている点が異なる。また、光センサ1Cは、光センサ1と比べて、選択回路10A、及び抵抗R2〜R4を備えている点が異なる。選択回路10Aは、複数の分圧抵抗R1を有している。
入力端子CTRLは、スイッチングトランジスタT1のベース電極B1と接続されており、分圧抵抗R1を介してスイッチングトランジスタT2・T5それぞれのベース電極B2・B5と接続されている。また、入力端子CTRLは、2つの分圧抵抗R1を介してスイッチングトランジスタT3・T6それぞれのベース電極B3・B6と接続されており、3つの分圧抵抗R1を介してスイッチングトランジスタT4・T7それぞれのベース電極B4・B7と接続されている。入力端子CTRLは、4つの分圧抵抗R1を介してグランド端子GNDと接続されている。入力端子CTRLの数は、VCSEL11〜14の数より少ない。
スイッチングトランジスタT2のベース電極B2は、スイッチングトランジスタT5のベース電極B5と接続されており、スイッチングトランジスタT3のベース電極B3は、スイッチングトランジスタT6のベース電極B6と接続されている。また、スイッチングトランジスタT4のベース電極B4は、スイッチングトランジスタT7のベース電極B7と接続されている。
スイッチングトランジスタT1〜T4それぞれのエミッタ電極E1〜E4はそれぞれ、VCSEL11〜14それぞれのアノード電極A1〜A4と接続されている。スイッチングトランジスタT1〜T4それぞれのコレクタ電極C1〜C4はそれぞれ、抵抗R2を介して電源Vccと接続されている。
スイッチングトランジスタT5〜T7それぞれのエミッタ電極E5〜E7はそれぞれ、抵抗R4を介してグランド端子GNDと接続されている。スイッチングトランジスタT5〜T7それぞれのコレクタ電極C5〜C7はそれぞれ、スイッチングトランジスタT1〜T4のコレクタ電極C1〜C4それぞれと接続され、抵抗R2を介して電源Vccと接続されている。全ての分圧抵抗R1は、互いに同一の抵抗値であることが好ましい。これにより、光センサ1Cの製造時において、製造される光センサ1C毎に分圧抵抗R1の抵抗値のばらつきが生じることを低減することができる。
スイッチングトランジスタT1〜T7は、絶縁層(図示せず)を介してGaAs基板(図示せず)上に設けられ、入力端子CTRLから入力される信号によって制御される。スイッチングトランジスタT1〜T4のベース電極B1〜B4の各々の間には、分圧抵抗R1が接続されている。分圧抵抗R1は、入力端子CTRLから入力される信号の電圧を分圧する。
VCSEL11〜14の各々は、GaAs基板上に設けられ、分圧された信号の電圧に応じてスイッチングトランジスタT1〜T4の各々によってONされる。VCSEL11〜13の各々は、分圧された信号の電圧に応じてスイッチングトランジスタT5〜T7の各々によってOFFされる。具体的に以下に説明する。
例えば、入力端子CTRLから入力される信号の電圧が、スイッチングトランジスタT1〜T7の閾値電圧と同一である場合を考える。この場合、スイッチングトランジスタT1のベース電極B1には、スイッチングトランジスタT1の閾値電圧と同一の電圧が印加されるので、スイッチングトランジスタT1は、VCSEL11をONさせる。また、この場合、スイッチングトランジスタT2〜T7のベース電極B2〜B7には、スイッチングトランジスタT2〜T7の閾値電圧より小さい電圧が印加されるので、スイッチングトランジスタT2〜T7は動作しない。よって、VCSEL11のみがONの状態になり、VCSEL12〜14はOFFの状態になる。
入力端子CTRLから分圧抵抗R1を介してスイッチングトランジスタT2・T5のベース電極B2・B5に印加される電圧が、スイッチングトランジスタT1〜T7の閾値電圧と同一であるように、入力端子CTRLから入力される信号の電圧を設定する場合を考える。この場合、スイッチングトランジスタT2・T5のベース電極B2・B5には、スイッチングトランジスタT2・T5の閾値電圧と同一の電圧が印加されるので、スイッチングトランジスタT2は、VCSEL12をONさせる。
一方、スイッチングトランジスタT5は、VCSEL11をOFFさせる。また、この場合、スイッチングトランジスタT3・T4・T6・T7のベース電極B3・B4・B6・B7には、スイッチングトランジスタT3・T4・T6・T7の閾値電圧より小さい電圧が印加されるので、スイッチングトランジスタT3・T4・T6・T7は動作しない。よって、VCSEL12のみがONの状態になり、VCSEL11・13・14はOFFの状態になる。
同様に、入力端子CTRLから入力される信号の電圧を上昇させていくことにより、スイッチングトランジスタT1〜T3・T5・T6を動作させてVCSEL13のみをONさせることができる。また、スイッチングトランジスタT1〜T7を動作させてVCSEL14のみをONさせることができる。
以上により、選択回路10Aは、スイッチングトランジスタT1〜T4のベース電極B1〜B4の各々の間に接続され、入力端子CTRLから入力される信号の電圧を分圧する分圧抵抗R1を有する。これにより、入力端子CTRLに入力される信号の電圧を変更することで、駆動すべきスイッチングトランジスタを選択することができる。よって、入力端子の数を減らすことができるので、光センサ1のサイズを小さくすることができ、かつ、光センサ1の製造コストを削減することができる。また、必要な駆動回路の数を減らすことができるので、光センサの製造コストを低減することができ、光センサのサイズを小さくすることができる。
さらに、入力端子CTRLの数を、VCSEL11〜14の数より少なくすることができる。これにより、光センサ1Cのサイズを小さくすることができ、光センサ1Cの製造コストを低減することができる。また、光センサ1と比べて、入力端子CTRLの数をさらに減らすことができる。また、VCSEL11〜14を順次駆動する、または選択して駆動することができるので、消費電力を低減することができる。
(変形例)
光センサ1Dは、図5の(b)に示すように、光センサ1Cと比べて、定電流回路40を備えている点が異なる。定電流回路40は、駆動端子D1及び抵抗R3を介してVCSEL11〜14のカソード電極(GaAs基板)と接続されている。定電流回路40は、駆動端子D1及び抵抗R3を介してVCSEL11〜14に駆動電流を供給する。以上により、光センサ1Dの構成により、光センサ1Aの構成による効果、及び光センサ1Cの構成による効果の両方を得ることができる。
〔実施形態5〕
図6は、本発明の実施形態5に係る光センサ1Eの構成を示す模式図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
光センサ1Eは、GaAs基板20B、選択回路10B、スイッチングトランジスタアレイTA、VCSELアレイVA、Si基板25A、受光信号処理回路60、VCSEL駆動回路70、受光素子アレイSA、及びレンズL1・L2を備えている。
GaAs基板20B上には、絶縁層を介して選択回路10B及びスイッチングトランジスタアレイTAが設けられ、GaAs基板20B上にはVCSELアレイVAが設けられている。Si基板25A上には、受光信号処理回路60、VCSEL駆動回路70、及び受光素子アレイSAが設けられている。
選択回路10Bは、入力端子がVCSELアレイVA内のVCSELの数より少なくなるような構造を有する。選択回路10Bの入力は、VCSEL駆動回路70と接続されている。また、選択回路10Bの出力は、スイッチングトランジスタアレイTAに設けられた複数のスイッチングトランジスタの各々と接続されている。
スイッチングトランジスタアレイTAの複数のスイッチングトランジスタの各々は、VCSELアレイVAの複数のVCSELの各々と一対一に対応付けられている。具体的には、スイッチングトランジスタアレイTAのスイッチングトランジスタは、対応するVCSELを制御する。
VCSELアレイVAには、複数のVCSELが設けられている。VCSELアレイVAの複数のVCSELは、選択回路10B、及びスイッチングトランジスタアレイTAの複数のスイッチングトランジスタを介して、VCSEL駆動回路70によってパルス駆動される。
受光素子アレイSAには、複数の受光素子が設けられている。受光素子アレイSAの複数の受光素子は、複数のVCSELの各々と一対一に対応付けられている。具体的には、受光素子アレイSAの受光素子は、対応するVCSELから出射された光が物体にて反射した光を検出する。受光素子アレイSAの受光素子は、例えば、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)であり、検出した光を受光信号に変換し、受光信号を受光信号処理回路60に供給する。
受光信号処理回路60は、受光素子アレイSAの受光素子から供給された受光信号を処理する。具体的には、受光信号処理回路60は、VCSELアレイVAのVCSELから出射された光のパルスが物体にて反射した光の位相遅れを処理することにより、光センサ1Eから物体までの距離を算出する。受光信号処理回路60は、その位相遅れを、DLL(Delay Locked Loop)回路及び/またはTDC(Time Digital Converter)回路にて処理する。
レンズL1・L2は、例えば、3枚のレンズから構成されるトリプレットレンズである。レンズL1は、VCSELアレイVAの複数のVCSELの光出射側に配置されており、レンズL2は、受光素子アレイSAの複数の受光素子の受光側に配置されている。レンズL1・L2は、光センサ1Eが備える支持部(図示せず)によって支持される。
以上により、VCSELアレイVAの複数のVCSELの光出射側に、トリプレットレンズであるレンズL1を配置し、VCSELから出射された光が物体にて反射した光を、そのVCSELに対応する受光素子が受光する。これにより、光センサ1Eと物体との距離を精度よく検出することができる。また、複数のスイッチングトランジスタの各々により複数のVCSELを制御するので、受光素子の受光効率に基づいて、物体の自動追尾を低消費電力で行うことができる。さらに、複数のVCSELの光出射側に、レンズL1を配置することで、対面にある物体及び広範囲の物体を検出することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る光センサ1、1A、1B、1C、1D、1Eは、複数のVCSEL11、12、11a、12a、13、14と、複数の前記VCSELの各々と一対一に対応付けられ、対応する前記VCSELを制御する、複数のスイッチングトランジスタT1〜T4、Ta1、Ta2と、入力端子CTRL1、CTRL2、CTRLから入力される信号に基づき、駆動すべき前記スイッチングトランジスタを選択し、かつ、選択された当該スイッチングトランジスタを駆動するための信号を生成する選択回路とを備える。
上記の構成によれば、選択回路は、入力端子から入力される信号に基づき、駆動すべきスイッチングトランジスタを選択し、かつ、選択された当該スイッチングトランジスタを駆動するための信号を生成する。また、スイッチングトランジスタは、対応するVCSELを制御する。
これにより、VCSELの数をさらに多くしても、入力端子とスイッチングトランジスタとの間に選択回路を介することにより、選択回路を介さない場合と比べて、必要な駆動回路の数を減らすことができる。よって、光センサの製造コストを低減することができ、光センサのサイズを小さくすることができる。また、駆動回路の数を減らすことができるので、複数のVCSELを安定して制御することができる。
さらに、スイッチングトランジスタによってVCSELを制御することにより、VCSELを順次発光させる、または選択して発光させることができるので、消費電力を低減することができる。
本発明の態様2に係る光センサ1A、1Dは、上記態様1において、前記VCSEL11〜14に駆動電流を供給する定電流回路40と、複数の前記VCSEL、複数の前記スイッチングトランジスタ、及び前記選択回路10、10Aが設けられたGaAs基板20と、前記定電流回路が設けられたSi基板25とをさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、光センサは、VCSELに駆動電流を供給する定電流回路を備えている。これにより、複数のVCSELのうち発光しているVCSELが安定した発光量を維持することができる。VCSELはダイオードで形成されており、動作電圧に応じて大幅に発光量が変化するので、定電流回路によって複数のVCSELのうち発光しているVCSELに駆動電流を供給することは効果的である。
また、定電流回路は、GaAs基板とは別のSi基板上に設けられる。これにより、回路規模が大きい定電流回路を、安価なSi基板上に設けることにより、高価なGaAs基板を小さくすることができるので、光センサの製造コストを低減することができる。
本発明の態様3に係る光センサ1Bは、上記態様1または2において、前記VCSEL11a、12aの、前記スイッチングトランジスタTa1、Ta2と電気的に接続する第1部分(アノード電極A5)は、前記スイッチングトランジスタの、前記VCSELと電気的に接続する第2部分(コレクタ電極C5)と一体となることにより、前記第1部分の材料は、前記第2部分の材料と同一になってもよい。
上記の構成によれば、VCSELの、スイッチングトランジスタと電気的に接続する第1部分は、スイッチングトランジスタの、VCSELと電気的に接続する第2部分と一体となることにより、第1部分の材料は、第2部分の材料と同一になる。これにより、光センサのサイズを小さくすることができる。また、光センサのサイズが小さくなるので、光センサの製造コストを低減することができる。
本発明の態様4に係る光センサ1C、1Dは、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記選択回路10Aは、複数の前記スイッチングトランジスタT1〜T4の各々の間に接続され、かつ、前記信号の電圧を分圧する分圧抵抗R1を有してもよい。
上記の構成によれば、選択回路は、複数のスイッチングトランジスタの各々の間に接続され、かつ、信号の電圧を分圧する分圧抵抗を有する。複数のスイッチングトランジスタの各々の間に分圧抵抗R1を接続することにより、複数のスイッチングトランジスタの各々に異なる電圧を印加することができる。これにより、入力端子に入力される信号の電圧を変更することで、駆動すべきスイッチングトランジスタを選択することができる。よって、入力端子の数を減らすことができるので、光センサ1のサイズを小さくすることができ、かつ、光センサ1の製造コストを削減することができる。また、必要な駆動回路の数を減らすことができるので、光センサの製造コストを低減することができ、光センサのサイズを小さくすることができる。
本発明の態様5に係る光センサ1Eは、上記態様1から4のいずれかにおいて、複数の前記VCSELの光出射側に配置されるレンズL1と、複数の前記VCSELの各々と一対一に対応付けられている複数の受光素子とをさらに備え、前記受光素子は、対応する前記VCSELから出射された光が物体にて反射した光を検出してもよい。
上記の構成によれば、レンズは、複数のVCSELの光出射側に配置される。これにより、対面にある物体及び広範囲の物体を検出することができる。
本発明の態様6に係る電子機器は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記光センサを用いてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1、1A、1B、1C、1D、1E 光センサ
10、10A、10B 選択回路
11〜14、11a〜14a VCSEL
20、20A、20B GaAs基板
25、25A Si基板
31〜34 発光部
40 定電流回路
50 受光部
60 受光信号処理回路
70 VCSEL駆動回路
110、120、130、140 ANDゲート
150、160、170、180 NOTゲート
A1〜A6 アノード電極
B1〜B7 ベース電極
C1〜C7 コレクタ電極
CTRL1、CTRL2、CTRL 入力端子
D1 駆動端子
E1〜E7 エミッタ電極
I1 絶縁層
K1〜K4 カソード電極
L1、L2 レンズ
R1 分圧抵抗
R2〜R4 抵抗
T1〜T7、Ta1〜Ta4 スイッチングトランジスタ
Vcc 電源
w1〜w3 ワイヤー

Claims (6)

  1. 複数のVCSELと、
    複数の前記VCSELの各々と一対一に対応付けられ、対応する前記VCSELを制御する、複数のスイッチングトランジスタと、
    入力端子から入力される信号に基づき、駆動すべき前記スイッチングトランジスタを選択し、かつ、選択された当該スイッチングトランジスタを駆動するための信号を生成する選択回路とを備えることを特徴とする光センサ。
  2. 前記VCSELに駆動電流を供給する定電流回路と、
    複数の前記VCSEL、複数の前記スイッチングトランジスタ、及び前記選択回路が設けられたGaAs基板と、
    前記定電流回路が設けられたSi基板とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
  3. 前記VCSELの、前記スイッチングトランジスタと電気的に接続する第1部分は、前記スイッチングトランジスタの、前記VCSELと電気的に接続する第2部分と一体となることにより、
    前記第1部分の材料は、前記第2部分の材料と同一になることを特徴とする請求項1または2に記載の光センサ。
  4. 前記選択回路は、複数の前記スイッチングトランジスタの各々の間に接続され、かつ、前記信号の電圧を分圧する分圧抵抗を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光センサ。
  5. 複数の前記VCSELの光出射側に配置されるレンズと、
    複数の前記VCSELの各々と一対一に対応付けられている複数の受光素子とをさらに備え、
    前記受光素子は、対応する前記VCSELから出射された光が物体にて反射した光を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光センサ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の光センサを用いることを特徴とする電子機器。
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