JP2019067725A - アルカリ電池 - Google Patents

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Takeo Nogami
武男 野上
國谷 繁之
Shigeyuki Kuniya
繁之 國谷
祐紀 夏目
Yuki Natsume
祐紀 夏目
晋吾 安西
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晋吾 安西
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Abstract

【課題】 内部短絡を防ぎ放電性能を安定させる。【解決手段】 正極集電体を兼ねて下方を底部とした有底筒状の金属製の電池缶2内に装填された中空リング状の正極合剤3の内方に、負極ゲル5が、下方を底部とした有底筒状のセパレータ4を介して収納されてなるアルカリ電池1であって、セパレータ4は、十字状に積層された帯状の2枚の不織布140、141からなり、2枚の不織布140、141は、積層された領域143をセパレータ4の底部として、当該底部から四方に延長する帯状領域が上方に立ち上げられつつ、当該帯状領域の縁辺同士が重複して円筒状の胴部62に成形され、電池缶2の底部とセパレータ4の底部との間に絶縁体160が介在している。【選択図】図3

Description

この発明は、アルカリ電池に関する。
アルカリ電池は、正極合剤、セパレータ、負極合剤からなるアルカリ発電要素が有底円筒状の金属製電池缶内に収容されているとともに、その電池缶の開口部が樹脂製の封口ガスケットを用いて気密封口された構造を有している。図1に一般的なアルカリ電池101の構造を示した。なお図1では、円筒軸100の延長方向を上下(縦)方向としたときの縦断面図を示している。アルカリ電池101は、有底円筒状の金属製電池缶2、円環状に成形された正極合剤3、この正極合剤3の内側に配設された有底円筒状のセパレータ4、亜鉛合金を含んでセパレータ4の内側に充填されたゲル状の負極合剤(以下、負極ゲル5とも言う)、この負極ゲル5中に挿入された金属製の負極集電子6、皿状の金属製負極端子板7、封口ガスケット8などにより構成される。この構造において、正極合剤3、セパレータ4、負極ゲル5が、電解液の存在下でアルカリ電池1の発電要素を形成する。
ここで、電池缶2の底部側を下方として上下方向を規定することとし、電池缶2の底部を下方にした状態を正立状態とする。また、図1を含めた以下の各図では、円筒軸100や上下の各方向についての規定、および正立と倒立の定義は、組み立て済みのアルカリ電池1や電池缶2だけではなく、アルカリ電池101を構成する正極合剤3、セパレータ4やセパレータ4を構成する材料などに対しても採用することとする。
電池缶2は、電池ケースを兼ねるとともに、正極合剤3に直接接触することにより、正極集電体を兼ねる。また、電池缶2の底部外面には正極端子9が下方に向かって突出するように形成されている。皿状の負極端子板7は、フランジ状の縁がある皿状で、その皿を伏せた状態で電池缶2の開口に封口ガスケット8を介してかしめられている。
負極ゲル5中に挿入された棒状の負極集電子6は、上端に円板状の頭部61を備え、その頭部61の下面に下方に延長する棒状の胴部62が一体的に形成されてなり、頭部61の上面63が皿状の負極端子板7の下面71に溶接されて電池缶2内に立設した状態で固定されている。なお負極端子板7、負極集電子6および封口ガスケット8は、封口体としてあらかじめ一体に組み合わせられており、封口ガスケット8が電池缶2の開口縁部と負極端子板7におけるフランジ状の縁との間に挟持されて電池缶2が封口される。
アルカリ電池101のセパレータ4は、所定の形状に裁断された不織布を上端が開口する有底筒状に成形したものである。セパレータ4の基本機能は、正負極間(3−5)を絶縁して内部短絡を防止するとともに、電解液を吸収して正負極間(3−5)でイオンを透過させることにある。一般に、アルカリ電池用のセパレータには、矩形の不織布を1枚用いたセパレータ(以下、平巻き方式セパレータとも言う)と、帯状の不織布を2枚用いたセパレータ(以下、クロス方式セパレータとも言う)がある。平巻き方式セパレータは、1枚の不織布を中空円筒状に巻回するとともに、円筒の側面や底面となる部分を融着することで有底円筒状に成形している。
図2は、クロス方式セパレータの作製手順の一例を示す図である。この図2に従ってクロス方式セパレータの作製手順について説明すると、まず図2(A)に示したように、帯状の2枚の不織布(140、141)を用意し、図2(B)に示したように、その2枚の帯状の不織布(140、141)を十字状に直交させた状態で積層する。また不織布(140、141)の下方に正極合剤3が収納された状態の電池缶2を配置しておく。なお図中では正極合剤3と不織布(140、141)との相対的な位置関係が理解できるように電池缶2を省略して示している。さらに2枚の不織布(140、141)の積層方向を上下方向とすると、2枚の帯状の不織布(140、141)のそれぞれの長辺(以下、縁辺142)において、上下方向で不織布同士(140−141)が重なり合う積層領域143に上方に立ち上がるように「癖」をつけた立ち上げ部144を形成する。そして図2(C)に示したように、積層状態にある2枚の不織布(140、141)に対し、積層領域143の中心を上方から円柱状の治具150を押し当てるとともに、その積層領域143を図2(D)に示したように円環状の正極合剤3の内方に押し込んでいく。すなわち正極合剤3自体を型として用いる。それによって正極合剤3の内方では、図2(E)に示したように、上端に開口145を有するとともに、2枚の帯状の不織布(140、141)の積層領域143の下方外側を底面146とし、その底面146から上方に立ち上がった領域を胴部147とした中空円筒状のセパレータ4が形成される。また胴部147では帯状の2枚の不織布(140、141)の縁辺同士(142−142)が重なり合った重複領域148が形成されているため、当該胴部147の内外が隔絶され、セパレータ4内の負極ゲルが外方に漏出しないようになっている。なお、このようなクロス方式のセパレータは、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2017−117530号公報
クロス方式セパレータにはイオン伝導の阻害要因となる溶着部分がないため、クロス方式セパレータを用いたアルカリ電池は、平巻き方式セパレータを用いたアルカリ電池よりも放電性能が向上することが期待できる。溶着工程がない簡略化された工程によりコストダウンもし易い。正極合剤を型として有底円筒状のセパレータを成形する工程を採用すれば、セパレータの成形工程と正極合剤内への収納工程が同時に行え、さらなるコストダウンも可能となる。
しかしながら、他方で、クロス方式セパレータでは溶着部分がないため、アルカリ電池の使用を開始して容量の一部を放電させる部分放電の後にセパレータの底部(正極端子付近)で内部短絡が発生するおそれがある。すなわち、セパレータの底部には、セパレータの側面部のように正極合剤が存在しないので、負極合剤が正極の電池缶とセパレータを介して直接接触する構造になっている。このため、部分放電が行われると、放電により生成される負極合剤由来の物質(結晶等)によってセパレータ内部の負極合剤と電池缶の底部とが短絡する可能性がある。このような内部短絡の結果、放電が不安定化し、電池寿命が短くなるおそれがある。
そこで本発明は、内部短絡を防ぎ放電性能を安定させることが可能なアルカリ電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、正極集電体を兼ねて下方を底部とした有底筒状の金属製の電池缶内に装填された中空リング状の正極合剤の内方に、負極ゲルが、下方を底部とした有底筒状のセパレータを介して収納されてなるアルカリ電池であって、前記セパレータは、十字状に積層された帯状の2枚の不織布からなり、前記2枚の不織布は、前記積層された領域を前記セパレータの底部として、当該底部から四方に延長する帯状領域が上方に立ち上げられつつ、当該帯状領域の縁辺同士が重複して円筒状の胴部に成形され、前記電池缶の底部と前記セパレータの底部との間に絶縁体が介在している、ことを特徴とするアルカリ電池である。
前記絶縁体は、前記セパレータの底部の下面に塗布されたシール材であってもよいし、前記電池缶の底部の内面に塗布されたシール材であってもよい。あるいは、前記絶縁体は、前記セパレータの底部と前記電池缶の底部との間に配置されたリング状の絶縁部材であってもよい。前記シール材がポリブテン及びアスファルトを含むことを特徴とするアルカリ電池とすることもできる。
本発明のアルカリ電池によれば、内部短絡を防ぎ放電性能を安定させることができる。なお、その他の効果については以下の記載で明らかにする。
一般的なアルカリ電池の構造を示す図である。 アルカリ電池を構成するクロス方式セパレータの作製手順の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ電池の一例を示す図である。 上記実施形態に係るアルカリ電池を構成する絶縁体として、セパレータの底面に塗布されたシール材を示す図である。 上記実施形態に係るアルカリ電池を構成する絶縁体として、電池缶の底部内面に塗布されたシール材を示す図である。 上記実施形態に係るアルカリ電池を構成する絶縁体として、セパレータの底面と電池缶の底部内面との間に配置される絶縁部材を示す図である。
本発明の実施の形態について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、不要であれば他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
===実施例===
前記のように、帯状の不織布を2枚用いたクロス方式セパレータを採用したアルカリ電池では、部分放電後、セパレータの底部で内部短絡が発生することがある。発明者らは、この主な理由は、溶着部分が存在しないクロス方式セパレータを備えたアルカリ電池では、部分放電によってセパレータの底部に生成、蓄積した物質(例えば、亜鉛化合物の結晶等)が原因となって、その後の放電において負極ゲルと電池缶が短絡するためであると考えた。そこで、本発明者は、電池缶の底部とセパレータの底部との間に絶縁体を介在させることに想到した。以下、クロス方式セパレータと絶縁体とを備えたアルカリ電池について、図面を参照しつつ説明する。
<構造>
まず、本実施形態に係るアルカリ電池1の構造について説明する。図3は、本実施形態に係るアルカリ電池1の一例を示す図である。なお、図3では、図中円102に示したアルカリ電池1の下端側についての拡大図も示した。図示したように、本実施形態に係るアルカリ電池1の基本的な構造や構成は、図1に示したアルカリ電池101と同様のものである。しかし、同図に拡大して示したように、このアルカリ電池1の底部においては、セパレータ4と金属製電池缶2との間に絶縁体160が設けられている。
絶縁体160は、電池缶2の底部内面21のうち、セパレータ4を電池缶2に挿入した場合に電池缶2の底部内面21とセパレータ4の底面146とが接触する箇所、あるいは接触の可能性がある箇所に絶縁体160が設けられている。図3に示したアルカリ電池1では、電池缶2の底部内面21における正極端子9より放射方向外側の領域と、セパレータ4の底面146とが対面する領域に絶縁体160が設けられている。そして、本実施形態に係るアルカリ電池1では、絶縁体160が設けられていることで、負極ゲル5と電池缶2との間が絶縁される。それによって、部分放電による物質の生成と、その物質を介して負極ゲル5と電池缶2とが短絡することを防ぐことができ、放電性能を安定させることができるものと考えられる。しかも、絶縁体160は、簡易な工程でアルカリ電池1の内部に配置することができる。なお、絶縁体160の素材としては、絶縁性を有する様々な物質が考えられるが、例えば、封口部位などに塗布されるポリブテンやアスファルトを含むシール材などが考えられる。なお、シール材からなる絶縁体160を塗布する箇所としては、セパレータ4の底面146、電池缶2の底部内面21、又はその双方が考えられる。
図4は、絶縁体としてのシール材160aをセパレータ4の底面146に塗布してなるアルカリ電池1を示している。図4は、電池缶2の底部内面21とセパレータ4の底面146との関係を示しており、紙面左右方向に延在する点線103を境界にして、紙面上方側にセパレータ4の底面146におけるシール材160aの塗布状態を示した。また、点線103に対して紙面下方側に電池缶2の底面の縦断面を示した。
図4に示したように、シール材160aは、セパレータ4の底面146に塗布されている。これにより、電池缶2に挿入されたセパレータ4がその電池缶2の間で内部短絡することを防ぐことができる。なお、シール材160aは、セパレータ4の底面146において、電池缶2の底部内面21と接触する箇所、あるいは接触の可能性がある箇所にのみ塗布されていてもよい。すなわち、電池缶2の底部内面21において、正極端子9の外周側に円環状に塗布しておいてもよい。それによって、シール材160aの塗布量を必要最小限に抑えることができる。いずれにしても、円環状にシール材160aを塗布する工程に掛かるコストとシール材160aの部材コストとを勘案するなどしてシール材160aをセパレータ4の底面146に塗布すればよい。そして、本実施形態に係るアルカリ電池1では、組み立てに際し、シール材160aをセパレータ4の底面146に塗布しておき、そのセパレータ4を電池缶2に挿入するだけで絶縁体160を電池缶2内の適所に配置することができる。
図5は、シール材160aからなる絶縁体160が電池缶2側に塗布されたアルカリ電池1の一例を示す図である。図5は、アルカリ電池1の下端側を拡大した縦断面図である。図5に示したアルカリ電池1では、電池缶2の底部内面21にシール材160aが,電池缶2の円筒軸100と同心円状となるように円環状に塗布されている。また、図示した例では、円環状のシール材160aの内周縁が正極端子9の内側面の上端側まで回り込むように塗布されている。それによって、電池缶2の底部内面21において、セパレータ4の底面146と電池缶2の底部内面21との短絡を確実に防止することができる。もちろん、正極端子9の内面全体にシール材160aが塗布されていてもよい。また、電池缶2の底部内面21とセパレータ4の底面146の双方にシール材160aが塗布されていてもよい。
ところで、上記の実施形態に係るアルカリ電池1は、絶縁体160がセパレータ4の底面146、あるいは電池缶2の底部内面21に塗布されるシール材160aであったが、例えば、図6に示すようなリング状に成形した絶縁部材160bを絶縁体160として用い、このリング状の絶縁部材160bを、セパレータ4の底部146と電池缶2の底部内面21との間に配置してもよい。なお、絶縁部材160bとしては、例えば、ポリブテン及びアスファルトを素材として採用することができる。
<性能評価>
次に、以上に説明した絶縁体160を備えたアルカリ電池1の絶縁効果や放電性能に対する影響などを検証するため、絶縁体160の有無や絶縁体160の形態などが異なる各種LR6型アルカリ電池をサンプルとして作製し、各サンプルに対して各種評価試験を行った。具体的には、絶縁体160を備えたサンプルとして、セパレータ4の坪量、セパレータ4の厚み、電池缶2の内面に施すニッケルメッキの厚さ、シール材160aの塗布の有無、およびその塗布の箇所が異なる各種LR6型アルカリ電池を作製した。なお、各サンプルのセパレータ4は、いずれも2枚の長方形の不織布(長さ100mm、幅16mm)からなるものとした。また、シール材160aには、主成分としてポリブテン及びアスファルトを含むものを用いた。そして、これらのサンプルに対し、内部短絡の有無、放電性能、及び耐漏液性能の各項目についての評価試験を行った。
内部短絡については、サンプル毎に10個の個体を作製し、全個体に対して10Ωにて連続8時間放電し、さらに、60℃にて10日間保存する試験を行った。そして試験後に回路電圧を測定することで内部短絡の有無を判定した。放電性能については、終止電圧を1.05Vとして、1500mWにて2秒及び650mWにて28秒の放電サイクルを1時間あたり10回繰り返す試験を行い、終止電圧に至るまでのサイクル数によって評価した。なお、この放電性能の評価においてもサンプル毎に10個の個体を用意した。そして、その10個の個体における終止電圧に至るまでのサイクル数の平均値を求めた。耐漏液性能については、サンプル毎に40個の個体を用意し、全個体を60℃の温度で相対湿度90%の環境下で保存し、漏液に至るまでの日数によって評価した。
以下の表1に各サンプルに対する性能評価試験の結果を示した。
Figure 2019067725
表1において、サンプル1は、図1に示した従来のアルカリ電池101であり、サンプル2〜4は絶縁体160としてシール材160aを備えたアルカリ電池1である。そして、サンプル2は、シール材160aがセパレータ4の底面146に塗布され、サンプル3は、シール材160aが電池缶2の底部内面21に塗布されている。そして、サンプル4は、セパレータ4の底面146と電池缶2の底部内面21の両方にシール材160aが塗布されている。また、サンプル5〜8は、絶縁体160に代わる何らかの絶縁対策が施されたアルカリ電池であり、サンプル5はセパレータ4の坪量が他のサンプルよりも大きい。すなわちセパレータ4を構成する不織布の繊維量が他のサンプルよりも多い。サンプル6は、セパレータ4の厚さが他のサンプルよりも厚い。サンプル7は、電池缶2の内面にメッキされているニッケルの厚さが他のサンプルよりも厚い。そして、サンプル8は、電池缶2の底部内面21において、正極端子9が形成されている凹状の領域に絶縁性の樹脂が充填されている。ここでは、ホットメルトが充填されたサンプルを用意した。なお、表1に示した各評価試験の結果について、内部短絡は、10個の個体の内、一個以上の個体に内部短絡が発生していれば「あり」としている。放電性能と耐漏液性能についてはサンプル1を100としたときの相対値が示されている。
表1に示したように、サンプル1では内部短絡が発生し、何らかの絶縁対策が施されたサンプル2〜8では内部短絡が発生しなかった。放電性能及び耐漏液性能については、シール材160aによる絶縁対策が施されたサンプル2〜4では、従来のアルカリ電池であるサンプル1と同等であった。すなわち、放電性能及び耐漏液性能の劣化が認められなかった。
他方、サンプル5と6は、内部短絡は発生せず耐漏液性能はサンプル1と同等であったが、放電性能はサンプル1の90%程度であった。これは、サンプル5では、セパレータに繊維量が多い不織布を用いているため、サンプル6では、セパレータに厚い不織布を用いているために正負極間のイオン伝導が阻害されたものと解釈できる。サンプル7では、内部短絡が発生せず、耐漏液性能はサンプル1よりも5%上昇した。しかし、放電性能はサンプル1の90%程度であった。耐漏液性能が向上していることについては、サンプル7では電池缶2の内面のニッケルメッキが厚いため、封口ガスケット8と電池缶2の内面との密着強度が増したためと思われる。その一方で、厚いニッケルメッキの層が電気抵抗となって放電性能が劣化した。サンプル8は、内部短絡が発生せず、放電性能もサンプル1と同等であった。しかし、耐漏液性能はサンプル1の90%程度であった。これは、正極端子9が形成されている領域がホットメルトによって充填されて、電池缶2内において漏液の原因となるガスを貯留できる容積が減少したためと考えることができる。すなわち、ホットメルトの体積分だけ電池缶内の容積が小さくなり、その結果、同じガスの発生量であっても電池缶2内の圧力がより大きくなり漏液に至ったものと考えることができる。
以上より、シール材160aを、少なくともセパレータ4の底面146と電池缶2の底部内面21の一方に設けることで、放電が安定的に行われ、耐漏液性能も維持できることがわかった。もちろん、絶縁体160として、図6に示したリング状の絶縁部材160cを用いた場合であっても、セパレータ4を構成する不織布(140、141)の坪量や厚さ、電池缶2の内面のニッケルメッキの厚さがサンプル2〜4と同じであり、電池缶2内に正極端子9の形成領域に対応する容積も確保されていることから、サンプル2〜4と同様に内部短絡を防止し、放電性能や耐漏液性能を維持できることは明らかである。
このように、本実施形態のアルカリ電池1では、電池缶2の底部内面21とセパレータ4の底面146との間に絶縁体160が設けられていることで、負極ゲル5と電池缶2との間が絶縁され、当該箇所において、部分放電後における内部短絡を防ぐことができる。これにより、アルカリ電池1の放電性能を安定化させることができる。
なお、以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。
1,101 アルカリ電池、2 電池缶、21 電池缶の底部内面、3 正極合剤、
4 セパレータ、5 負極ゲル、6 負極集電子、7 負極端子板、8 ガスケット、
9 正極端子、140,141 不織布、146 セパレータの底面、160 絶縁体、
160a シール材、160b 絶縁部材

Claims (5)

  1. 正極集電体を兼ねて下方を底部とした有底筒状の金属製の電池缶内に装填された中空リング状の正極合剤の内方に、負極ゲルが、下方を底部とした有底筒状のセパレータを介して収納されてなるアルカリ電池であって、
    前記セパレータは、十字状に積層された帯状の2枚の不織布からなり、
    前記2枚の不織布は、前記積層された領域を前記セパレータの底部として、当該底部から四方に延長する帯状領域が上方に立ち上げられつつ、当該帯状領域の縁辺同士が重複して円筒状の胴部に成形され、
    前記電池缶の底部と前記セパレータの底部との間に絶縁体が介在している、
    ことを特徴とするアルカリ電池。
  2. 請求項1に記載のアルカリ電池において、前記絶縁体は、前記セパレータの底部の下面に塗布されたシール材であることを特徴とするアルカリ電池。
  3. 請求項1に記載のアルカリ電池において、前記絶縁体は、前記電池缶の底部の内面に塗布されたシール材であることを特徴とするアルカリ電池。
  4. 請求項1に記載のアルカリ電池において、前記絶縁体は、前記セパレータの底部と前記電池缶の底部との間に配置されたリング状の絶縁部材であることを特徴とするアルカリ電池。
  5. 請求項2又は3に記載のアルカリ電池において、前記シール材は、ポリブテン及びアスファルトを含むことを特徴とするアルカリ電池。
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