JP2019067625A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】活物質のみの電極層を用いて充放電可能な二次電池の提供。【解決手段】薄膜として下記の活物質を含む。式中、Xはハロゲンまたは1価の有機基。【選択図】なし

Description

本開示は、二次電池に関する。
トリオキソトリアンギュレンは、縮合多環構造を有する有機ラジカル化合物である。この有機ラジカル化合物は、開殻電子構造を有するにもかかわらず、電子スピンが25π共役系全体に非局在化しており、室温中や空気中でも取り扱えるほど安定である。したがって、トリオキソトリアンギュレン及びその誘導体は、その特異な電気化学的特性から、電子機器への応用が期待される化合物の1つである。
例えば、特許文献1には、(COONa)−トリオキソトリアンギュレン又は(COOLi)−トリオキソトリアンギュレンをナトリウムイオン電池用活物質又はリチウムイオン電池用活物質とする技術が開示されている。
特開2015−230830号公報
特許文献1に開示された実施例においては、電極層中に、導電化材としてアセチレンブラックが使用され、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)が使用されている。しかし、これらの添加剤を含む分、電極層に占める活物質の割合が減るため、エネルギー密度が低いという問題がある。
本開示は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本開示の目的は、添加剤を含まない活物質のみの電極層を用いて充放電可能な二次電池を提供することである。
本開示の二次電池は、正極、電解質層及び負極を含む積層体を備える二次電池であって、前記正極及び負極のうち少なくともいずれか1つは、下記式(1)に示されるトリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物が、該トリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物のπ平面が前記積層体の積層方向に対し垂直となる配向を有する薄膜を、活物質層として含むことを特徴とする。

(上記式(1)中、Xは水素、ハロゲンまたは1価の有機基から選ばれ、互いに同一でも異なっていても良い。また、上記式(1)中、実線及び破線からなる二重線は非局在化した二重結合を表しており、黒丸で示される不対電子は、この非局在化した二重結合中に存在する。)
本開示によれば、前記トリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物のπ平面が前記積層体の積層方向に対し垂直となる配向を有する薄膜を活物質層として含むため、添加剤を含まない活物質のみの電極層を用いて充放電可能な二次電池が得られる。
本開示の二次電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 製造例1に係るトリオキソトリアンギュレン(以下、「HTOT」と称する場合がある。)中性ラジカル薄膜の走査型電子顕微鏡(SEM)断面像である。 製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のOut−of−Plane XRDスペクトルである。 製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のIn−Plane XRDスペクトルである。 実施例1の二次電池の充放電曲線を重ねて示したグラフである。 トリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物(以下、「TOT化合物」と称する場合がある。)のπ平面が、積層体の積層方向に平行となる二次電池の断面模式図である。 比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜の走査型電子顕微鏡(SEM)断面像である。 比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のOut−of−Plane XRDスペクトルである。 比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のIn−Plane XRDスペクトルである。 比較例1の二次電池の充放電曲線を重ねて示したグラフである。
本開示の二次電池は、正極、電解質層及び負極を含む積層体を備える二次電池であって、前記正極及び負極のうち少なくともいずれか1つは、下記式(1)に示されるトリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物が、該トリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物のπ平面が前記積層体の積層方向に対し垂直となる配向を有する薄膜を、活物質層として含むことを特徴とする。
(上記式(1)中、Xは水素、ハロゲンまたは1価の有機基から選ばれ、互いに同一でも異なっていても良い。また、上記式(1)中、実線及び破線からなる二重線は非局在化した二重結合を表しており、黒丸で示される不対電子は、この非局在化した二重結合中に存在する。)
図1は、本開示の二次電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。本開示の一実施形態である二次電池は、負極1、正極2、及び電解質層3を含む積層体10を備える。図1に示すように、電解質層3の一方の面に負極1が存在し、電解質層3の他方の面に正極2が存在する。また、積層体10は、正極2が正極活物質層2A及び正極集電体2Bを備える。そして、正極活物質層2Aには、TOT化合物2aが含まれる。なお、本開示の二次電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
1.正極
本開示においては、下記式(1)に示されるTOT化合物の薄膜が、電極層(正極及び負極のうち少なくともいずれか1つ)に含まれる。TOT化合物の薄膜は、正極側の活物質層(正極活物質層)として含まれていてもよいし、後述するように、負極側の活物質層(負極活物質層)として含まれていてもよい。
上記式(1)中、Xは水素、ハロゲンまたは1価の有機基から選ばれ、互いに同一でも異なっていても良い。また、上記式(1)中、実線及び破線からなる二重線は非局在化した二重結合を表しており、黒丸(●)で示される不対電子は、この非局在化した二重結合中に存在する。
上記式(1)に示すTOT化合物は、市販品であってもよいし、予め合成したものであってもよい。TOT化合物の合成方法は、例えば、上記特許文献1に記載のトリオキソトリアンギュレン誘導体の合成方法を応用することができる他、公知技術を適宜参照することができる。
本開示においては基材が使用されていてもよい。ここで、基材とは、少なくとも成膜中においてTOT化合物薄膜を支持し得る部材である。TOT化合物薄膜は、TOT化合物が基材の少なくとも一方の面上に堆積する結果として形成されてもよい。
基材は、積層体の積層方向、すなわち、正極、電解質層及び負極が積み重なる方向に対し、垂直な面方向を有していてもよい。この場合、基材上に成膜されたTOT化合物薄膜の膜厚方向は、積層体の積層方向に平行となる。
基材は、二次電池1つにつき1つのみ含まれていてもよく、二次電池1つにつき2以上の基材が含まれていてもよい。二次電池中に2以上の基材が含まれる場合には、これらの基材の面方向は同一又は平行であることが好ましい。また、基材は、二次電池中の1つの部材のみに含まれていてもよく、二次電池中の異なる部材にそれぞれ含まれていてもよい。
図1は、正極2が基材として正極集電体2Bを備え、正極集電体2Bの一方の面上に、TOT化合物2aを含む正極活物質層2Aが形成されている様子を示す。正極集電体の材料としては、例えばステンレススチール、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン及びカーボン等を挙げることができる。
図1に示す実施形態以外の例としては、固体電解質層を基材とし、固体電解質層の少なくとも一方の面上にTOT化合物を含む正極活物質層が形成されている例が挙げられる。
以下、TOT化合物の配向方向について考察する。
図4は、TOT化合物のπ平面が積層方向に平行となる二次電池の断面模式図である。図4中の積層体20は、TOT化合物2aの向き以外は、図1中の積層体10と同じ構成である。なお、図1及び図4において、TOT化合物2aを示す楕円の長径方向はπ平面方向を意味し、当該楕円の短径方向はπ平面に垂直な方向を意味するものとする。図4においては、当該楕円の長径方向が、正極2’、電解質層3及び負極1が積み重なる方向(積層方向)に平行であり、これは、TOT化合物2aのπ平面が積層体20の積層方向に対し平行であることを意味する。
積層体20は、正極活物質層2A’中に、π平面が積層方向に対し平行となるようにTOT化合物2aを含む。これは、TOT化合物2aのπ平面が、基材(正極集電体2B等)の面方向に対して垂直な配向であることを意味する。基材に対するこのような配向を、以下、edge−on配向という。
後述する実施例において示すように、このようなedge−on配向を有するTOT化合物2aの薄膜は、レート特性に劣り、かつエネルギー密度も低い(比較例1)。その理由は以下の通りである。TOT化合物は、そのπ平面に垂直な分子スタック方向の導電性に優れる一方、そのπ平面に平行な方向の導電性は劣る。このため、edge−on配向を有するTOT化合物薄膜は、その積層体の積層方向に平行な導電性に劣るため、レート特性に劣る。また、その導電性の低さのためにTOT化合物薄膜の膜厚を厚くできない結果、当該薄膜のエネルギー密度を高くすることは難しい。
これに対し、図1は、TOT化合物のπ平面が積層方向に垂直となる二次電池の断面模式図である。図1においては、TOT化合物2aを示す楕円の長径方向が、正極2、電解質層3及び負極1が積み重なる方向(積層方向)に平行であり、これは、TOT化合物2aのπ平面が積層体10の積層方向に垂直であることを意味する。なお、図1に示すのはあくまで本開示の実施形態の1つにすぎず、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。例えば、TOT化合物2aの大きさと、正極活物質層2Aの厚さは、図1に示す態様に限られない。
積層体10は、正極活物質層2A中に、π平面が積層方向に対し垂直となるようにTOT化合物2aを含む。これは、TOT化合物2aのπ平面が、基材(正極集電体2B等)の面方向に対して平行な配向であることを意味する。基材に対するこのような配向を、以下、face−on配向という。
後述する実施例において示すように、このようなface−on配向を有するTOT化合物2aの薄膜は、レート特性に優れ、かつ高いエネルギー密度を有する(実施例1)。その理由の詳細は明らかではないが、おそらく、TOT化合物のπ平面同士の重なり合い(π−πスタッキング)を利用して、電子及びイオンがスムーズに導通することにより、正極活物質層2A中において優れたイオン伝導性と導電性が両立するためであると推測される。
上記の通り、特許文献1には、トリオキソトリアンギュレン誘導体を電池用活物質とする技術が開示されている。しかし、当該文献には、トリオキソトリアンギュレン誘導体の薄膜を電極活物質層とする旨の記載や示唆は一切ない。これは、従来技術の水準において、トリオキソトリアンギュレン誘導体の薄膜は、カーボン等の導電化材やバインダ等を含んでいないため導電性が低く、その結果、得られる電池のレート特性に課題があると考えられていたことによる。
二次電池においてレート特性を向上させるためには、活物質層中におけるイオン伝導性と導電性を両立させることが必要である。一般的に、芳香族化合物を含む薄膜において、π平面が薄膜の面方向に対し平行となるように当該芳香族化合物が配向した場合、当該薄膜は、膜厚方向におけるイオン伝導性に劣ると考えられている。しかし、このような従来の技術常識に反し、本研究者らは、上記式(1)に示されるTOT化合物のπ平面が、積層体の積層方向に対し垂直となる配向を有する薄膜を活物質層として用いることにより、優れたイオン伝導性と導電性を両立させることが可能なことを見出した。
TOT化合物の薄膜を基材表面に堆積させる方法は、特に限定されず、例えば、真空蒸着法等が挙げられる。
TOT化合物のπ平面が積層体の積層方向に対し垂直となるように制御する方法は、特に限定されない。例えば、真空蒸着法によりTOT化合物の薄膜を基材表面に形成する場合には、TOT化合物のπ平面と相互作用が生じやすい基材を選ぶことにより、当該π平面を基材に対してface−on配向させることができる。
ここで、TOT化合物のπ平面と相互作用が生じやすい基材としては、例えば、グラファイトシートが挙げられる。真空蒸着の初期段階において、グラファイトシートの有する炭素六角網面の一部がTOT化合物のπ平面とπ−π相互作用を起こす結果、π平面の向きがグラファイトシートの面方向に平行となるようにTOT化合物が1分子蒸着する。その1分子の上から次々とTOT化合物分子が蒸着する結果、得られる薄膜は、π平面が積層体の積層方向に対し垂直となるようにTOT化合物が積み重なったものとなる。
グラファイトシート以外の基材としては、例えば、グラフェン膜、多層グラフェン膜、グラフェン膜又は多層グラフェン膜を表面に形成させたポリマーフィルム、グラフェン膜又は多層グラフェン膜を表面に形成させた金属箔等が挙げられる。
TOT化合物の薄膜を基材表面に堆積させる方法の具体例は、以下の通りである。まず、TOT化合物を容器に加えて真空蒸着機内にセットする。次に、適切な厚さの基材を、その表面が前記容器と向かい合うように配置する。このとき、TOT化合物の堆積量が均一となるように、基材を水平に配置することが好ましい。続いて、真空蒸着機内を減圧し、さらに容器を加熱することにより、TOT化合物の薄膜を基材表面に堆積させることができる。
TOT化合物の薄膜の配向性は、例えば、XRD分析のOut−of−Plane測定及びIn−Plane測定により確認することができる。ここで、XRD分析のOut−of−Plane測定とは、基材の面方向に対して平行な結晶格子面を評価する測定である。一方、XRD分析のIn−Plane測定とは、基材の面方向に対して垂直な結晶格子面を評価する測定である。
TOT化合物のface−on配向は、(a)Out−of−Plane XRDスペクトルにおいて、π−πスタッキングにより形成されるTOT化合物のπ平面の積層に由来するピーク(以下、このピークをピークAと称する。)が観測されること、及び(b)In−Plane XRDスペクトルにおいて、TOT化合物のπ−πスタッキングにより形成される一次元カラム構造のパッキングにおける、当該一次元カラム構造の延伸方向に対して略垂直な方向の周期構造に由来するピーク(以下、このピークをピークBと称する。)が観測されること、により確認することができる。これら(a)と(b)は少なくともいずれか一方が確認できればよく、(a)と(b)は両方確認できることが好ましい。例えば、後述する図2BにおいてはピークAが観測され、図2CにおいてはピークBが観測される。
一方、TOT化合物のedge−on配向は、(c)In−Plane XRDスペクトルにおいてピークAが観測されることにより確認することができる。例えば、後述する図5C(In−Plane XRDスペクトル)においては、ピークAが観測される。ただし、後述するHTOT中性ラジカル薄膜(比較製造例1)ではOut−of−Plane XRDスペクトルにおいてピークが観測されない(図5B参照)。したがって、当該薄膜における積層方向の周期性(結晶性)は低いものと考えられる。また、TOT化合物のface−on配向及びedge−on配向について、統一的な見解は得られていない。なお、HTOTと基材との間の相互作用が弱い場合、得られるHTOT中性ラジカル薄膜がedge−on配向となる傾向があるため、HTOT中性ラジカル薄膜はface−on配向しにくい傾向があると考えられる。
TOT化合物が後述する負極活物質である場合、正極活物質として一般的な活物質を用いることができる。このような正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO等のオリビン型活物質等を挙げることができる。
正極活物質層は、正極活物質以外の材料、例えば、導電化材、バインダ及び固体電解質材料のうち少なくともいずれか一つを含んでいてもよい。ただし、正極活物質層として、前記TOT化合物の薄膜を含む場合には、正極活物質層は正極活物質以外の材料を含まないことが好ましい。
導電化材の材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料を挙げることができる。さらに、炭素材料としては、具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛、カーボンナノチューブを挙げることができる。
バインダの材料としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着剤、及び、スチレンブタジエンゴム等のゴム系結着剤等を挙げることができる。
固体電解質材料としては、所望のイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料を挙げることができる。なお、固体電解質材料の具体例として、後述する「3.電解質層」において述べる材料を採用できる。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、容量の観点からは多いことが好ましく、例えば60質量%〜100質量%の範囲内、中でも70質量%〜100質量%の範囲内であることが好ましい。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.負極
本開示においては、TOT化合物の薄膜が負極活物質層であってもよい。この場合、TOT化合物の薄膜の特性やその配向性は、正極活物質がTOT化合物である場合と同様である。負極集電体が基材となり、TOT化合物の薄膜が負極集電体の少なくとも一方の面上に堆積していてもよい。負極集電体の材料としては、例えばステンレススチール、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン及びカーボン等を挙げることができる。また、固体電解質層が基材となり、TOT化合物の薄膜が固体電解質層の少なくとも一方の面上に堆積していてもよい。
一方、TOT化合物が正極活物質である場合、負極活物質として一般的な活物質を用いることができる。この場合、負極活物質として、上述したTOT化合物や正極活物質よりも電位が低い活物質を用いる必要がある。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、リチウム元素を含有する金属酸化物、リチウム元素を含有する金属硫化物、リチウム元素を含有する金属窒化物、リチウムイオンをドープした炭素材料を用いることが好ましい。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からは多いことが好ましく、例えば60質量%〜100質量%の範囲内、中でも70質量%〜100質量%の範囲内であることが好ましい。また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1,000μmの範囲内であることが好ましい。
3.電解質層
本開示における電解質層は、正極及び負極の間に存在する層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質と負極活物質との間のイオン伝導が進行する。
電解質層は、それ自体が基材となっていてもよく、又は基材を備えていてもよい。電解質層自体が基材となる例としては、前記TOT化合物の薄膜が一方の面上に形成された固体電解質層が挙げられる。この場合、当該薄膜は正極活物質層又は負極活物質層として機能する。
電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を含有する。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF等の無機リチウム塩、およびLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの混合物等を挙げることができる。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L〜3mol/Lの範囲内である。
ゲル電解質層は、例えば、非水電解液にポリマーを添加してゲル化することで得ることができる。具体的には、非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加することにより、ゲル化を行うことができる。
固体電解質層は、固体電解質材料を用いてなる層である。固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良い。固体電解質材料としては、例えば、酸化物固体電解質材料および硫化物固体電解質材料を挙げることができる。Liイオン伝導性を有する酸化物固体電解質材料としては、例えば、Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)、Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦2)、LiLaTiO(例えば、Li0.34La0.51TiO)、LiPON(例えば、Li2.9PO3.30.46)、LiLaZrO(例えば、LiLaZr12)等を挙げることができる。一方、Liイオン伝導性を有する硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS−P化合物、LiS−SiS化合物、LiS−GeS化合物等を挙げることができる。
電解質層の厚さは、電解質の種類および電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他
本開示の二次電池は、正極及び負極の間に、セパレータを備えていても良い。より安全性の高い電池を得ることができるからである。
本開示の二次電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、二次電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的な二次電池における製造方法と同様である。
1.HTOT中性ラジカル薄膜の作製
[製造例1]
(1)トリオキソトリアンギュレン中性ラジカルの合成
容器に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(1.61g)、及び溶媒としてジクロロメタン(120mL)を加えた。さらに、この容器に、トリオキソトリアンギュレン(HTOT)のテトラブチルアンモニウム塩(2.00g)をジクロロメタン(120mL)に溶かした溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。容器中の析出物を吸引ろ過し、得られた固体を塩化メチレン及びテトラヒドロフランで洗浄した後、真空乾燥させた結果、トリオキソトリアンギュレン中性ラジカル(上記式(1)中のXがいずれも水素であるラジカル)が得られた(収量:1.00g)。以下、この中性ラジカルをHTOT中性ラジカルという場合がある。
(2)真空蒸着による薄膜の作製
グラファイトシート(厚さ:25μm)をポリイミドテープでガラス板に貼り付け、このグラファイトシートを基材とした。
上記HTOT中性ラジカル(109mg)を、直径10mmのアルミナるつぼに入れ、このアルミナるつぼを真空蒸着機内にセットした。また、グラファイトシート基材を、そのグラファイト面がアルミナるつぼと向かい合い、かつそのグラファイト面が水平となるように設置した。その後、真空蒸着機内を2×10−3Paに減圧し、抵抗加熱によってアルミナるつぼを加熱することにより、HTOT中性ラジカルの薄膜をグラファイトシート基材表面に真空蒸着した。
図2Aは、製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜の走査型電子顕微鏡(SEM)断面像である。図2Aの下部は基材であるグラファイトを示し、その上は全てHTOT中性ラジカル薄膜を示す。図2Aより、HTOT中性ラジカル薄膜の平均膜厚は800nmである。
[比較製造例1]
上記製造例1と同様に、HTOT中性ラジカルを合成した。
アルミ箔表面に酸化インジウムスズ(ITO)を100nmの膜厚でスパッタリング成膜した。このITO薄膜を基材とした。
上記HTOT中性ラジカル(101mg)を、直径10mmのアルミナるつぼに入れ、このアルミナるつぼを真空蒸着機内にセットした。ITO基材を、そのITO面がアルミナるつぼと向かい合い、かつそのITO面が水平となるように設置した。その後、真空蒸着機内を2×10−3Paに減圧し、抵抗加熱によってアルミナるつぼを加熱することにより、HTOT中性ラジカルの薄膜をITO基材表面に真空蒸着した。
図5Aは、比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜の走査型電子顕微鏡(SEM)断面像である。図5Aの下部は基材であるITOを示し、その上は全てHTOT中性ラジカル薄膜を示す。図5Aより、HTOT中性ラジカル薄膜の平均膜厚は800nmである。
[参考製造例1]
上記製造例1で合成したHTOT中性ラジカル(0.66mg)を、直径10mmのアルミナるつぼに入れ、このアルミナるつぼを真空蒸着機内にセットした。また、基材となるガラス基板を、そのガラス基板面がアルミナるつぼと向かい合い、かつそのガラス基板面が水平となるように設置した。その後、真空蒸着機内を2×10−3Paに減圧し、抵抗加熱によってアルミナるつぼを加熱することにより、HTOT中性ラジカルの薄膜をガラス基板表面に真空蒸着した。
このHTOT中性ラジカル薄膜はXRD測定よりedge−on配向を取ることが明らかとなった。すなわち、基板に対してHTOTのπ平面が垂直になるように、HTOTの微結晶が基板上で集合体を形成している。
さらに、HTOT中性ラジカル薄膜上に金を真空蒸着して金電極の櫛形パターンを形成した後、150℃で5時間アニーリングを行った。段差計により測定したHTOT中性ラジカル薄膜の膜厚は237nmであった。薄膜の電気伝導度を櫛形電極で測定したところ、2.5×10−2S/cmであった。
[参考製造例2]
上記製造例1で合成したHTOT中性ラジカル(6.6mg)を、直径10mmのアルミナるつぼに入れ、このアルミナるつぼを真空蒸着機内にセットした。また、ITOが0.2mm幅でパターニングされたガラス基板(基材)を、そのガラス基板面がアルミナるつぼと向かい合い、かつそのガラス基板面が水平となるように設置した。その後、真空蒸着機内を2×10−3Paに減圧し、抵抗加熱によってアルミナるつぼを加熱することにより、HTOT中性ラジカルの薄膜をガラス基板表面に真空蒸着した。
このHTOT中性ラジカル薄膜はXRD測定よりedge−on配向を取ることが明らかとなった。
さらに、HTOT中性ラジカル薄膜上にITOと直角になるように金を0.2mm幅で真空蒸着した後、150℃で5時間アニーリングを行った。段差計により測定したHTOT中性ラジカル薄膜の膜厚は2.15μmであった。ITO−Au電極間の電気伝導度を櫛形電極で測定したところ、6.0×10−5S/cmであった。
2.薄膜のXRD分析
製造例1及び比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜について、Out−of−Plane測定、及びIn−Plane測定による各XRD分析を行い、薄膜の配向性を調べた。
詳細な測定条件は以下の通りである。
X線回折測定装置 SmartLab(リガク製)
測定範囲 2θ=2〜60°
測定間隔 0.02°
走査速度 1°/min
測定電圧 45kV
測定電流 200mA
図2Bは、製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のOut−of−Plane XRDスペクトルである。図2Bには、2θ=26.6°及び27.2°にそれぞれピークが現れている。このうち、2θ=27.2°のピークは、HTOT中性ラジカルのπ平面の積層に由来するピークである。また、2θ=26.6°の大きなピークは、基材のグラファイトシート(0001)面に由来する。図2Bには、2θ=9.5°付近にはピークがほとんど現れていない。
図2Cは、製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のIn−Plane XRDスペクトルである。図2Cには、2θ=9.8°、17.0°、19.5°及び26.0°にそれぞれピークが現れている。これらのピークは、いずれも、HTOT中性ラジカルのπ−πスタッキングにより形成される一次元カラム構造のパッキングにおける、当該一次元カラム構造の延伸方向に対して略垂直な方向の周期構造に由来するピークである。図2Cには、2θ=27.2°のピークもわずかに観測されるが、その強度は極めて小さい。
以上の考察より、製造例1に係る薄膜においては、TOT中性ラジカルのπ平面が、グラファイトシート基材の面方向に対して水平な配向(face−on配向)をとることが分かる。
図5Bは、比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のOut−of−Plane XRDスペクトルである。図5Bには、ピークがほとんど現れていない。
図5Cは、比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜のIn−Plane XRDスペクトルである。図5Cには、2θ=9.8°、17.0°、19.5°、26.0°及び27.2°にそれぞれピークが現れている。このうち、2θ=27.2°のピークは、HTOT中性ラジカルのπ平面の積層に由来するピークである。また、2θ=9.8°、17.0°、19.5°及び26.0°のピークは、いずれも、HTOT中性ラジカルのπ−πスタッキングにより形成される一次元カラム構造のパッキングにおける、当該一次元カラム構造の延伸方向に対して略垂直な方向の周期構造に由来するピークである。
以上の考察より、比較製造例1に係る薄膜においては、TOT中性ラジカルのπ平面が、ITO基材の面方向に対して垂直な配向(edge−on配向)をとることが分かる。
3.薄膜の電気伝導度測定
参考製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜の電気伝導度、及び参考製造例2に係るHTOT中性ラジカル薄膜についてのITO−Au電極間の電気伝導度を測定した。
電気伝導度は二端子法で端子間に−1Vから1Vまでの電圧を掃引した際の電流を測定することにより求めた。電気伝導度の測定にはピコアンメータ(型番6487、ケースレーインスツルメンツ社製)を用いた。
参考製造例2に係るITO−Au電極間の電気伝導度は、6.0×10−5S/cmである。これに対して、参考製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜の電気伝導度は、2.5×10−2S/cmである。したがって、参考製造例1に係る薄膜の電気伝導度は、参考製造例2に係る薄膜の電気伝導度の420倍である。
ここで、参考製造例1の電気伝導の経路においては、基材に対して平行に存在する一次元カラム構造のみならず、抵抗となる粒界が数多く存在すると考えられる。このような粒界は、製造例1のHTOT中性ラジカル薄膜には存在しないと考えられる。したがって、製造例1の電気伝導度は参考製造例1の電気伝導度よりも大きいと予測される。
以上より、face−on配向の薄膜(製造例1)は、edge−on配向の薄膜(比較製造例1)よりも、少なくとも導電性が420倍高いといえる。
XRD分析結果及び電気伝導度測定結果より、以下のことが分かる。
製造例1に係る薄膜は、基材としてグラファイトシートを用いている。そのため、グラファイトシートのπ平面、すなわち(0001)面上に、HTOT中性ラジカルのπ平面が水平配向しながら膜成長し、その結果、得られる薄膜はface−on配向となると考えられる。
その一方、比較製造例1に係る薄膜は、基材としてITOを用いている。そのため、当該薄膜と基材との間にface−on配向を生じさせる相互作用が存在しない結果、得られる薄膜はedge−on配向となると考えられる。他に考えられる理由は以下の通りである。ITO基材中の金属原子(インジウム又はスズ)が、HTOT中性ラジカル中の酸素と相互作用を起こすことにより、ITO基材表面に対しHTOT中性ラジカルのπ平面が垂直に立ち上がり、その状態のHTOT中性ラジカルを起点として膜成長が始まるため、得られる薄膜はedge−on配向となると考えられる。
このように、真空蒸着の際の基材を適切に選択することにより、得られる薄膜の配向性を制御できる結果、膜厚方向の導電性を飛躍的に向上させることができると考えられる。
4.二次電池の製造
[実施例1]
以下の材料を用いて二次電池を製造した。
正極:製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜(face−on配向、平均膜厚:800nm)
負極:Li金属
電解質:1M LiPF、EC/DMC/EMC電解液
セパレータ:ポリオレフィン系(PP/PE/PP)の多孔質膜
評価セル:CR2032型コイン電池
[比較例1]
正極を、比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜(edge−on配向、平均膜厚:800nm)に替えたこと以外は、実施例1と同様の材料を用いて、二次電池を製造した。
5.充放電測定
実施例1及び比較例1の二次電池について、下記条件により充放電測定を行い、電池特性を評価した。各電流密度について、充電と放電を3回ずつ繰り返した。
上下限電圧:4.0V−1.0V
評価温度:25℃
電流密度:10μA/cmと100μA/cm
図3は、実施例1の二次電池の充放電曲線を重ねて示したグラフである。また、図6は、比較例1の二次電池の充放電曲線を重ねて示したグラフである。
まず、電流密度が10μA/cmの場合について検討する。図3から分かるように、電流密度が10μA/cmの場合、実施例1の二次電池は、充電容量及び放電容量がいずれも50μAh近傍である。これに対し、図6から分かるように、電流密度が10μA/cmの場合、比較例1の二次電池は、放電容量が充電容量よりも10μAh程度高い。図6は以下の結果を意味する。比較製造例1に係るHTOT中性ラジカル薄膜(edge−on配向)は、HTOT中性ラジカルの積層方向の導電性が小さいため、充放電時の過電圧が大きい。したがって、当該薄膜を含む比較例1の二次電池は、上限電圧4.0Vに早く到達してしまうため、充電容量が放電容量よりも小さくなる。
次に、電流密度が100μA/cmの場合について検討する。図3から分かるように、電流密度が100μA/cmの場合、実施例1の二次電池は、充電容量及び放電容量がいずれも15μAh近傍である。これに対し、図6から分かるように、電流密度が100μA/cmの場合、比較例1の二次電池の充電容量及び放電容量はいずれも確認できない。これらの結果は、HTOT中性ラジカルがface−on配向することにより、レート特性に優れる二次電池が得られることを示す。
また、図3より、実施例1の二次電池のエネルギー密度は、330mAh/gであることが分かる。これに対し、図6より、比較例1の二次電池のエネルギー密度は、280mAh/gであることが分かる。
6.結論
以上の結果から、HTOT中性ラジカル薄膜を正極活物質層として含む二次電池について、HTOT中性ラジカルが基材に対しface−on配向となる場合(すなわち、HTOT中性ラジカルのπ平面が積層体の積層方向に対し垂直な配向となる場合。実施例1)には、HTOT中性ラジカルが基材に対しedge−on配向となる場合(すなわち、HTOT中性ラジカルのπ平面が積層体の積層方向に対し平行な配向となる場合。比較例1)と比較して、レート特性に優れることが実証された。また、face−on配向を有するHTOT中性ラジカル薄膜の膜厚方向の導電性が、edge−on配向を有するHTOT中性ラジカル薄膜の膜厚方向の導電性よりも優れることが、レート特性向上の理由であることが実証された。
さらに、face−on配向を有するHTOT中性ラジカル薄膜を含む二次電池(実施例1)は、TOT化合物を含む従来の二次電池よりも高いエネルギー密度を有することが証明された。これは、正極活物質層がHTOT中性ラジカル薄膜からなるものであり、導電化材やバインダを含まないためである。
このように、HTOT中性ラジカルのπ平面が積層体の積層方向に対し垂直となる配向を有する薄膜を活物質層として含むことにより、添加剤を含まない活物質のみの電極層を用いて充放電可能な二次電池が得られることが実証された。
1 負極
2,2’ 正極
2A,2A’ 正極活物質層
2a トリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物
2B 正極集電体
3 電解質層
10,20 積層体

Claims (1)

  1. 正極、電解質層及び負極を含む積層体を備える二次電池であって、
    前記正極及び負極のうち少なくともいずれか1つは、下記式(1)に示されるトリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物が、該トリオキソトリアンギュレン中性ラジカル化合物のπ平面が前記積層体の積層方向に対し垂直となる配向を有する薄膜を、活物質層として含むことを特徴とする、二次電池。
    (上記式(1)中、Xは水素、ハロゲンまたは1価の有機基から選ばれ、互いに同一でも異なっていても良い。また、上記式(1)中、実線及び破線からなる二重線は非局在化した二重結合を表しており、黒丸で示される不対電子は、この非局在化した二重結合中に存在する。)
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