JP2019066668A - 染色眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
従来の浸漬染色法によれば、製品ロット毎のばらつきを抑えるため、染色液の各成分の濃度、溶液内の均一性、温度条件、時間等を正確に調整する必要があり、これらの各項目を管理するために、熟練した高度な技能が必要であった。また、昇華染色法では、染料を昇華させるために、高度な真空設備が必要となり、眼鏡レンズの生産のコストの観点から、更なる改善が求められていた。
転写フィルムの色材層を眼鏡レンズに密着させる工程と、
転写フィルム及び眼鏡レンズを加熱して、転写フィルムから眼鏡レンズへと色材を転写する工程と、を備える。
このような構成とすると、転写フィルムを用いて眼鏡レンズを染色することができるので、染色の工程を簡略化できる。
このような構成とすれば、袋型転写フィルム内を減圧することで、眼鏡レンズの両主面側からの圧力を均一にすることができ、転写工程の際に、眼鏡レンズを高温条件下に晒しても、眼鏡レンズの変形を防止できる。
図1を参照して、まず、実施の形態1における染色眼鏡レンズの製造方法の概略フローを説明する。図1は、実施の形態1における染色眼鏡レンズの製造方法の概略フロー図である。
まず、配置工程(S101)にて、色材層を有する転写フィルムを、眼鏡レンズに色材層が対向するように配置する。次に、軟化工程(S102)にて、転写フィルムを加熱して軟化させる。続いて、密着工程(S103)にて、転写フィルムの色材層を眼鏡レンズに密着させる。次に、転写工程(S104)にて、転写フィルム及び眼鏡レンズを加熱して、転写フィルムから眼鏡レンズへと色材を転写する。続いて、剥離工程(S105)にて、密着させた転写フィルムを眼鏡レンズから剥離する。
染色眼鏡レンズは、基材と機能層とを備える。
機能層としては、ハードコート層、プライマー層、干渉縞抑制層、偏光層、フォトクロミック層等を挙げることができる。ハードコート層の上に、更に必要に応じて、反射防止層、撥水層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、フォトクロミック層、帯電防止層、防曇層等を有していてもよい。これらの機能層については、眼鏡レンズに関する公知技術を適用することができる。
染色を行う眼鏡レンズは、少なくともレンズ基材を有し、ハードコート層とレンズ基材を有していてもよい。
レンズ基材としては、フィニッシュレンズ、セミフィニッシュレンズのいずれであってもよい。
レンズ基材の表面形状は特に限定されず、平面、凸面、凹面等のいずれであってもよい。
レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等のいずれであってもよい。例えば、一例として、累進屈折力レンズについては、通常、近用部領域(近用部)及び累進部領域(中間領域)が、前述の下方領域に含まれ、遠用部領域(遠用部)が上方領域に含まれる。
レンズ基材の材質としては、例えば、ポリチオウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等のポリウレタン系材料;ポリスルフィド樹脂等のエピチオ系材料;ポリカーボネート系材料;ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系材料;等が挙げられる。
レンズ基材の屈折率neは、好ましくは1.53以上、より好ましくは1.55以上、より好ましくは1.58以上、更に好ましくは1.60以上、更に好ましくは1.67以上、更に好ましくは1.70以上であり、好ましくは1.80以下である。
実施の形態1で用いられる転写フィルムは、例えば、色材層及びフィルム基材を有する。転写フィルムは、色材層の転写性を高めるため、好ましくは、色材層、受容層及びフィルム基材を有し、受容層は、フィルム基材及び色材層の間に配置される。
昇華性染料としては、例えば、市販品として、FSP-Blue AUL−s(双葉産業株式会社製)、FSP-Blue BRF(双葉産業株式会社製)、FSP-Blue FBL(双葉産業株式会社製)、FSPRed E−A(双葉産業株式会社製)、FSPRed Brown SN(双葉産業株式会社製)、カヤセットブルー906(日本化薬株式会社製)、カヤセットブラウン939(日本化薬株式会社製)、カヤセットレッド130(日本化薬株式会社製)、Kayalon Microester Red C−LS conc(日本化薬株式会社製)、Kayalon Microester Red AQ―LE(日本化薬株式会社製)、Kayalon Microester Red DX―LS(日本化薬株式会社製)、Dianix Blue AC―E(ダイスタージャパン株式会社製)、Dianix Red AC―E 01(ダイスタージャパン株式会社製)、Dianix Yellow AC−E new(ダイスタージャパン株式会社製)、Kayalon Microester Yellow C−LS(日本化薬株式会社製)、Kayalon Microester YellowAQ−LE(日本化薬株式会社製)、Kayalon Microester Blue C−LS conc(日本化薬株式会社製)、Kayalon Microester Blue AQ−LE(日本化薬株式会社製)、Kayalon Microester Blue DX―LS conc(日本化薬株式会社製)が挙げられる。
受容層は、好ましくは、顔料又は染料を含むインク等の色材を受容し易い樹脂材料である。受容層は、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン、プロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー又はセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。これらの中でも、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、又はウレタン樹脂が好ましい。
空隙型のインク受容層は、例えば、無機粒子、及び上述の樹脂を含有する。
無機粒子は、受容層の空隙を形成するために用いられる。
無機粒子を構成する無機材料としては、例えば、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ケイソウ土、アルミナ、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト構造のアルミナ水和物、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物、リトポン(硫酸バリウムと硫化亜鉛の混合物)、ゼオライトが挙げられる。
無機粒子の体積平均粒子径は、例えば、1μm以上100μm以下、好ましくは1μm以上10μm以下である。
本明細書にいう体積平均粒子径は、動的光散乱法によって測定された体積平均粒子径である。
樹脂の量は、無機粒子100質量部に対して、好ましくは70質量部以上、より好ましくは80質量部以上、更に好ましくは90質量部以上であり、そして、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは110質量部以下である。
受容層は、上述の材料の中から選択された単独又は複数の材料及び必要に応じて各種添加剤等を加え、水又は有機溶媒等の適当な媒体に溶解又は分散させて受容層用コート液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法又はグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは50μm以上であり、そして、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下ある。
受容層形成用コート液は、上述の無機粒子、樹脂及び水を含む。
受容層形成用コート液中、無機粒子の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
受容層形成用コート液中、樹脂の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
受容層形成用コート液中、無機粒子、樹脂の合計含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
受容層形成用コート液は、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素溶媒、1−プロパノール等のアルコール溶媒等の有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
受容層形成用コート液の市販品としては、例えば、膨潤型受容層形成用コート液「NS−310A」、「NS−310X」、「NS−625XC」(高松油脂株式会社製)、空隙型受容層形成用コート液「MZ−480」、「MZ−477」、「MZ−477A」(高松油脂株式会社製)が挙げられる。
インクとしては、例えば、市販品として、HANAE−D(株式会社サンリュウ製)、HANAE−III(株式会社サンリュウ製)、HANAE−F(株式会社サンリュウ製)、HANAE−A(株式会社サンリュウ製)、Texstyluse‐Za DSIB 01LC(株式会社システムグラフィー製)が挙げられる。
次に、図2を参照して、実施の形態1で使用する圧着熱転写染色装置1について説明する。図2は、実施の形態1において使用する圧着熱転写染色装置1の概略断面図である。
圧着熱転写染色装置1は、第1チャンバ部材11、第2チャンバ部材12、ヒータ13、及び眼鏡レンズを載せるステージ14を備える。
第1チャンバ部材11及び第2チャンバ部材12は、転写フィルムF1を介して、密閉されたチャンバを形成するように形成されている。
第1チャンバ部材11は、外部空間へと通じる第1空気孔111を有する。また、第1チャンバ部材11には、ヒータ13を有する。
第2チャンバ部材12は、外部空間へと通じる第2空気孔121を有する。第2空気孔121には、真空ポンプ等の外部の減圧装置に接続される(図示せず)。第2チャンバ部材12は、ステージ14を有する。
ステージ14は、ステージ14と転写フィルムF1との相対距離を調製する移動機構15に支持される。
加熱温度は、色材の転写性の観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは160℃以下である。
加熱時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは20分以上、更に好ましくは30分以上であり、そして、好ましくは10時間以下、より好ましくは3時間以下である。
実施の形態2Aに係る染色眼鏡レンズの製造方法では、袋型転写フィルムを用いる。
図4を参照して、実施の形態2Aにおける染色眼鏡レンズの製造方法の概略フローを説明する。図4は、実施の形態2Aにおける染色眼鏡レンズの製造方法の概略フロー図である。
まず、配置工程(S201)にて、袋型転写フィルム内に眼鏡レンズを入れ、眼鏡レンズに色材層が対向するように配置する。次に、軟化工程(S202)にて、袋型転写フィルムを加熱して軟化させる。続いて、密着工程(S203)にて、袋型転写フィルム内を減圧にして袋型転写フィルムの色材層を眼鏡レンズに密着させ、密封する。次に、転写工程(S204)にて、袋型転写フィルム及び眼鏡レンズを加熱して、袋型転写フィルムから眼鏡レンズへと色材を転写する。続いて、剥離工程(S205)にて、袋型転写フィルムを開封し密着させた袋型転写フィルムを眼鏡レンズから剥離する。
次に、図5を参照して、実施の形態2Aで使用する袋型転写フィルムF2の構成について説明する。図5は、実施の形態2Aにおいて使用する袋型転写フィルムF2の概略断面図である。
袋型転写フィルムF2は、第1転写フィルム部材31と、第2フィルム部材32とを有する。
第1転写フィルム部材31は、フィルム基材311、受容層312、及び色材層313を有し、各層はこの順に積層されている。第2フィルム部材32は、フィルム基材321を有する。
第1転写フィルム部材31と第2フィルム部材32とは、色材層313を内側にして、その外周部を接合し、外周部の一部に眼鏡レンズを袋内に入れるための開口部(図示せず)が形成されている。
続いて、図6を参照して、実施の形態2Aで使用する減圧密封装置2Aの構成について説明する。図6は、実施の形態2Aにおいて使用する減圧密封装置2Aの概略断面構成図である。
減圧密封装置2Aは、ヒータ21、ステージ22、及びヒートシーラ23を有する。
ヒータ21は、袋型転写フィルムF2内の眼鏡レンズLの第1主面に対向して配置される。
ステージ22は、眼鏡レンズLを載せるために設けられ、眼鏡レンズLの凹面に沿った曲面形状を有する。ステージ22は、ステージ22の位置を調整する移動機構24に支持されている。フィルムを介してステージ22に眼鏡レンズLを載せることで、フィルムのしわの発生を防止する。
ヒートシーラ23は、第1シーラ部231及び第2シーラ部232を有し、袋型転写フィルムF2の開口部を第1シーラ部231及び第2シーラ部232により熱融着して密封する。
実施の形態2Bに係る染色眼鏡レンズの製造方法では、色材層を有する転写フィルムと、フィルムとの間に眼鏡レンズを配置して、周囲の一部を接合して袋型転写フィルムを形成することで、眼鏡レンズと色材層とを密着させる。
まず、配置工程(S201−1)にて、色材層を有する転写フィルムと、フィルムとの間に眼鏡レンズを配置する。次に、接合工程(S201−2)にて、開口部を設けて転写フィルム及びフィルムの周囲の一部を接合して袋型転写フィルムを形成する。それ以降の各工程は、上述の実施の形態2Aの軟化工程(S202)、密着工程(S203)、転写工程(S204)、剥離工程(S205)と共通する。
続いて、図9を参照して、実施の形態2Bで使用する減圧密封装置2Bの構成について説明する。図9は、実施の形態2Bにおいて使用する減圧密封装置2Bの概略断面構成図である。
減圧密封装置2Bにおいて、ヒートシーラ23は、転写フィルムF1及びフィルムF3の周囲を接合するように形成されている。その他の構成は、減圧密封装置1Bと共通するため説明を省略する。
その後の、S204、S205は上述の実施の形態2Aと共通するため説明は省略する。
〔視感透過率〕
視感透過率は、JIS T7333:2005に従って測定する。
バイアル瓶に、ジルコニアビース80質量部、染料「FSP Blue AUL−s」(双葉産業株式会社製)8.0質量部、エチレングリコール20質量部、界面活性剤「ニッカサンソルト7000」(日華化学株式会社製)0.4質量部、純水51.6質量部を入れ、ミックスロータで24時間撹拌し、インク1を得た。
染料を下記の染料に変更した以外は、調製例1と同様の方法で、インク2〜3を得た。
なお、表1中には、実施例で使用した市販品のインクも併せて示す。
a−1:染料「FSP Blue AUL−s」(双葉産業株式会社製)
a−2:染料「FSP Blue BRF」(双葉産業株式会社製)
a−3:染料「FSP Blue FBL」(双葉産業株式会社製)
Texstylus e‐ZaDSIB 01LC:インク「Texstyluse‐Za DSIB 01LC」(株式会社システムグラフィー製)
HANAE−D シアン:インク「HANAE−Dシアン」(株式会社サンリュウ製)
表2に示したインクを、ポリプロピレンフィルムに、スピンコート法にて800rpm 4秒の条件にて、塗布した後、110℃、1時間の条件で加熱乾燥し、色材層を有する転写フィルムを得た。上記加熱乾燥にて、軟化した転写フィルムの色材層に、眼鏡用のレンズ基材「EYNOA」(HOYA株式会社製)を押し当てて密着させ、表2に示す温度及び時間で加熱し、レンズ基材に色材を転写した。転写して得られた眼鏡レンズの視感透過率を測定した。なお、本実施例で使用したポリプロピレンフィルムを基材とする転写フィルムによれば、加熱後の破れは観測されず耐熱性に優れており、レンズ基材へ密着し加熱した後には、レンズ基材の表面に、皺なく、密着し優れた形状追従性を示し、更にはレンズ基材への色材の転写性に優れていた。
表3に示したインクをポリプロピレンフィルムにピエゾ式オンデマンドインクジェットプリンタ「MMP813BT」(株式会社マスターマインド製)にて、解像度1440×1440dpiの条件により塗布した後、風乾5分の条件で乾燥し、色材層を有する転写フィルムを得た。
上記加熱乾燥にて、軟化した転写フィルムの色材層に、眼鏡用のレンズ基材「EYNOA」(HOYA株式会社製)を押し当てて密着させ、150℃1時間の条件で加熱し、レンズ基材に色材を転写した。転写して得られた眼鏡レンズの視感透過率を測定した。
図11は、実施例7の眼鏡レンズの透過スペクトルである。図12は、実施例8の眼鏡レンズの透過スペクトルである。図13は、実施例9の眼鏡レンズの透過スペクトルである。図14は、実施例10の眼鏡レンズの透過スペクトルである。図15は、実施例11の眼鏡レンズの透過スペクトルである。
実施例12
コート液「NS−310A」(高松油脂株式会社製)を、210×297mmサイズのポリプロピレンフィルムに、バーコータ「065−2−150」(オールグッド株式会社製)を使用して、乾燥後の膜厚150μmとなるように塗布し、80℃で10分間乾燥させることで、膨潤型受容層を有する転写フィルムを得た。
調製例1で得られたインク1を、上記ポリプロピレンフィルムに、スピンコート法にて800rpm 4秒の条件にて、塗布した後、110℃、1時間の条件で加熱乾燥し、色材層を有する転写フィルムを得た。上記加熱乾燥にて、軟化した転写フィルムの色材層に、眼鏡用のレンズ基材「EYNOA」(HOYA株式会社製)を押し当てて密着させ、150℃、1時間の条件で加熱し、レンズ基材に色材を転写した。転写して得られた眼鏡レンズの視感透過率を測定し、表4に示した。
コート液を、表4のコート液「MZ−480」(高松油脂株式会社製)、「MZ−477」(高松油脂株式会社製)にそれぞれ変更した以外は、実施例12と同様にして、空隙型インク受容層を有する転写フィルムを得たこと以外は、実施例12と同様の方法で眼鏡レンズを得た。転写して得られた眼鏡レンズの視感透過率を測定し、表4に示した。
NS−310A:膨潤型受容層形成用コート液(変性ポリウレタン樹脂:13.5質量%、1−プロパノール:2.7質量%、水:83.8質量%)(高松油脂株式会社製)
MZ−480:(無機粒子(非晶質二酸化ケイ素):9.0質量%、樹脂(合成樹脂):9.3質量%、N−メチル−2−ピロリドン:0.2質量%、1−プロパノール:2.0質量%、水:79.5質量%)(高松油脂株式会社製)
MZ−477:空隙型受容層形成用コート液(無機粒子(非晶質二酸化ケイ素):12.0質量%、ポリウレタン及びビニル系樹脂の混合物:11.4質量%、N−メチル−2−ピロリドン:0.6質量%、1−プロパノール:1.4質量%、水:74.6質量%)(高松油脂株式会社製)
HANAE−D シアン:インク「HANAE−Dシアン」(株式会社サンリュウ製)
図1〜図3に示されるように、本開示の実施の形態1は、
転写フィルムF1の色材層Cを眼鏡レンズLに密着させる工程(S103)と、
転写フィルムF1及び眼鏡レンズLを加熱して、転写フィルムF1から眼鏡レンズLへと色材を転写する工程(S104)と、を備える、染色眼鏡レンズの製造方法に関する。
このような構成とすると、転写フィルムを用いて眼鏡レンズを染色することができるので、染色の工程を簡略化できる。
色材層Cを内側に有する袋型転写フィルムF2内に眼鏡レンズLが配置される工程(S201)と、
転写フィルムF2の色材層Cを眼鏡レンズLに密着させる工程(S203)と、
転写フィルムF2及び眼鏡レンズLを加熱して、転写フィルムF2から眼鏡レンズLへと色材を転写する工程(S204)と、を更に備え、
密着させる工程(S203)において、袋型転写フィルムF2内の圧力を低下させて、色材層Cを眼鏡レンズLに密着させ、密封する、染色眼鏡レンズの製造方法に関する。
このような構成とすると、袋型フィルムF2内を減圧することで、眼鏡レンズLの両主面側からの圧力を均一にすることができ、転写工程(S204)の際に、眼鏡レンズを高温条件下に晒しても、眼鏡レンズLの変形を防止できる。
色材層Cを有する転写フィルムF1と、フィルムFとの間に眼鏡レンズLを配置する工程(S201−1)と、
転写フィルムF1とフィルムFとの周囲の一部を接合して袋型転写フィルムを形成する工程(S201−2)と
転写フィルムF1の色材層Cを眼鏡レンズLに密着させる工程(S203)と、
転写フィルムF1及び眼鏡レンズLを加熱して、転写フィルムF1から眼鏡レンズLへと色材を転写する工程(S204)と、を備え、
密着させる工程(S203)において、袋型転写フィルム内の圧力を低下させて、色材層Cを眼鏡レンズLに密着させ、密封する、染色眼鏡レンズの製造方法に関する。
以上の構成により、シート状の転写フィルムを用いて袋型転写フィルムを形成することができるので、あらかじめ袋型転写フィルムを準備する必要がない。このため、例えば、転写フィルムの色材層をインクジェット法により形成することで、エンドユーザの要望に応じた色調の色材層を有する転写フィルムを、受注に応じて迅速に作成し、染色眼鏡レンズを製造することができる。
11:第1チャンバ部材
111:第1空気孔
12:第2チャンバ部材
121:第2空気孔
13:ヒータ
14:ステージ
15:移動機構
2A:減圧密封装置
2B:減圧密封装置
21:ヒータ
22:ステージ
23:ヒートシーラ
231:第1シーラ部
232:第2シーラ部
24:移動機構
L:眼鏡レンズ
C:色材層
F1:転写フィルム
F2:袋型転写フィルム
F3:フィルム
Claims (9)
- 転写フィルムの色材層を眼鏡レンズに密着させる工程と、
前記転写フィルム及び前記眼鏡レンズを加熱して、前記転写フィルムから前記眼鏡レンズへと色材を転写する工程と、を備える、染色眼鏡レンズの製造方法。 - 前記転写フィルムが、前記色材層を内側に有する袋型転写フィルムである、請求項1に記載の染色眼鏡レンズの製造方法。
- 前記袋型転写フィルム内に前記眼鏡レンズが配置される工程を更に備え、
前記密着させる工程において、前記袋型転写フィルム内の圧力を低下させて、前記色材層を前記眼鏡レンズに密着させ、密封する、請求項2に記載の染色眼鏡レンズの製造方法。 - 色材層を有する転写フィルムと、フィルムとの間に前記眼鏡レンズを配置する工程と、
前記転写フィルムと前記フィルムとの周囲の一部を接合して袋型転写フィルムを形成する工程とを更に備え、
前記密着させる工程において、袋型転写フィルム内の圧力を低下させて、前記色材層を前記眼鏡レンズに密着させ、密封する、請求項2に記載の染色眼鏡レンズの製造方法。 - 前記転写する工程において、加熱温度が80℃以上200℃以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の染色眼鏡レンズの製造方法。
- 前記色材層は、インクジェット法、バーコート法、スピンコート法、及びスプレーコート法から選ばれる少なくとも1種の方法により形成された層である、請求項1〜5のいずれかに記載の染色眼鏡レンズの製造方法。
- 前記転写フィルムは、前記色材層、受容層、及びフィルム基材を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の染色眼鏡レンズの製造方法。
- 前記受容層が、空隙型インク受容層である、請求項7に記載の染色眼鏡レンズの製造方法。
- 前記転写フィルムを加熱して軟化させる工程を、前記密着させる工程の前に更に備える、請求項1〜8のいずれかに記載の染色眼鏡レンズの製造方法。
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