JP2019065962A - 車輌の制御装置 - Google Patents

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伸晃 稲垣
Nobuaki Inagaki
伸晃 稲垣
重和 長谷
Shigekazu Hase
重和 長谷
昭一郎 荒木
Shoichiro Araki
昭一郎 荒木
仁司 浅野
Hitoshi Asano
仁司 浅野
雄丞 馬渕
Yusuke Mabuchi
雄丞 馬渕
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Abstract

【課題】ダウンシフト変速時に生じるショックを低減して良好なシフトフィーリングを提供することができる車輌の制御装置を提供する。【解決手段】トルク制限部は、目標制限値を変速後の要求エンジントルク値(Treq)に向けて復帰させる際に、第1速度比であることに基づいて、目標制限値の復帰勾配を第1の勾配(dTa)に設定する第1モードを実行することができる。また、目標制限値を変速後の要求エンジントルク値に向けて復帰させる際に、速度比が第2速度比であることに基づいて、目標制限値の復帰勾配を、第1の勾配(dTa)よりも緩い第2の勾配(dTx)を含んだ勾配に設定する第2モードを実行することができる。【選択図】図5

Description

本開示は、トルクコンバータを備えた車輌の制御装置に関する。
一般に、ダウンシフト変速において、変速動作の終了時期付近において、出力軸トルクにピークトルクが生じることが知られている。ダウンシフト変速においては、ダウンシフト後の出力軸トルクがダウンシフト前の出力軸トルクよりも高くなるため、変速動作が進行すると、その変速の進行につれて出力軸トルクは比較的に急速に上昇する。ここで、変速の終了時期付近では、出力軸トルクがシフトダウン後のトルク値に収束するまでに急に上昇する傾向にあり、これにより上記ピークトルクが形成されてしまっていた。
このため、従来、上記変速の終了時期付近において発生するピークトルクに合わせて、エンジン出力を低下させ、このピークトルクに起因するショックが車輌に生じることを防止することが案出されている(特許文献1参照)。
特公平7−59904号公報
このように、上記特許文献1記載のようにトルクリダクション制御を実行すると、ピークトルクに起因するショックが生じることを防止することができ、シフトフィーリングを向上させることが出来る。
しかしながら、例えば、惰性走行中にアクセルが踏まれてダウンシフトがなされ、車輌が被駆動状態から駆動状態になるような場合、上述した変速終了時のピークトルクに合わせて単純にトルクリダクションを実行しても車輌にショックが生じてしまうことがあった。
このショックは、従来、動力伝達系のガタが詰まることによる車輌振動(いわゆるチップインショック)が原因と考えらえていたが、今回、本発明者は、その研究によって、トルクコンバータの状態が、ステータが空転してトルクの増幅が行われないカップリングレンジから、カップリングポイントを経てトルク増幅が行われるコンバータレンジへと移行することによって、上記ショックは生じるとの知見を得た。即ち、本発明者は、上記ショックは、トルクコンバータの状態がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行し、トルクコンバータが急激にエンジントルクを伝達することによって、チップインショックのような突き上げショックが生じているとの知見を得た。
そこで本開示は、ダウンシフト変速時に生じるショックを低減して良好なシフトフィーリングを提供することができる車輌の制御装置を提供することを目的とするものである。
本開示に係る車輌の制御装置は、駆動源と、前記駆動源から伝達される回転を変速する自動変速機構と、前記駆動源と前記自動変速機構との間に介在するトルクコンバータと、を備えた車輌の制御装置であって、前記駆動源に対して出力トルクを目標制限値に制限させる制御信号を出力するトルク制限部と、前記トルクコンバータの出力側回転速度と前記トルクコンバータの入力側回転速度との比である速度比が、前記トルクコンバータの出力側トルクと前記トルクコンバータの入力側トルクとの比であるトルク比が1より大きくなる第1速度比か、前記トルク比が1となる第2速度比かを判断する判断部と、を備え、前記トルク制限部は、前記目標制限値を変速後の要求エンジントルク値に向けて復帰させる際に、前記判断部により前記速度比が前記第1速度比であると判断されていることに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を第1の勾配に設定する第1モードと、前記目標制限値を変速後の要求エンジントルク値に向けて復帰させる際に、前記判断部により前記速度比が前記第2速度比であると判断されていることに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を、前記第1の勾配よりも緩い第2の勾配を含んだ勾配に設定する第2モードと、を実行可能である。
本開示によると、トルク制限部は、目標制限値を変速後のエンジン要求トルク値に向けて復帰させる際に、トルクコンバータの速度比が第2速度比であることに基づいて、目標制限値の復帰勾配を、第1の勾配よりも緩い第2の勾配含んだ勾配に設定することができる。このため、例えば、トルクコンバータの状態の変化が生じる場合であっても、目標制限値の復帰勾配を緩く抑えることによって、車輌にショックが生じることを低減することができる。
本開示の実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 本開示の実施の形態に係る自動変速機の係合表。 本開示の実施の形態に係る車輌のブロック図。 ダウンシフト変速時におけるトルクリダクション制御のフローチャート図。 図4のトルクリダクション制御時のトルクリダクション指令値の変化を示すタイムチャート図。 トルクコンバータの性能曲線図。
1.自動変速機の概略
以下、本開示に係る実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。まず、本開示を適用し得る自動変速機3の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車輌100(図3参照)に用いて好適な自動変速機3は、駆動源としてのエンジン(E/G)2に接続し得る自動変速機3の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてロックアップクラッチ7付のトルクコンバータ(流体伝動装置)(T/C)4と、自動変速機構5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、エンジン2と詳しくは後述する自動変速機構5との間に介在されており、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bと、タービンランナ4bからポンプインペラ4aに戻るオイルを整流しつつトルク増大作用を生じさせるステータ4cとを有していると共に、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
なお、ステータ4cは、ワンウェイクラッチFによって、ポンプインペラ4aの回転よりタービンランナ4bの回転が下回る状態で回転が固定されて、オイルの流れの反力を受圧してトルク増大作用を生じさせ、タービンランナ4bの回転が上回る状態になると空転して、オイルの流れが負方向に作用しないように構成されている。また、ポンプインペラ4aには、図示を省略した駆動軸を介してオイルポンプ(O/P)50(図3参照)が接続されており、つまりオイルポンプ50は、エンジン2に連動して駆動されるように構成されている。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、ミッションケース9に一体的に固定されているボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケース9に対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、出力軸と同義となるカウンタギヤ11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪12(図3参照)に接続されている。
上記のように構成された自動変速機3は、図2に示す作動表のように前進1速段〜前進6速段及び後進段において、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2、ワンウェイクラッチF−1が作動することにより、良好なステップ比をもって変速段のギヤ比を形成する。また、これらの複数のクラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2同士を掴み換えすることで各変速制御が実行され、各変速段において前進1速段の駆動時(例えば発進時)を除き、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2のうちの2つが係合されて各変速段が達成される。
2.車輌の制御装置の構成
ついで、本開示に係る車輌100の制御装置1について図3に沿って説明する。図3に示すように、車輌100は制御装置(ECU)1を有しており、この制御装置(ECU)1には、不図示の運転席のアクセルペダルの開度(踏込量)を検出するアクセル開度センサ31、上記カウンタギヤ11(或いはカウンタシャフト等であってもよい)の回転速度を検出することで実質的に車速を検出する出力軸回転速度(車速)センサ32、上記入力軸10の回転速度を検出する入力軸回転速度センサ33、不図示の運転席のブレーキペダルの踏圧を検出するブレーキセンサ34、エンジン2のクランクの回転信号を検出することによってエンジン2の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ35、などが接続されている。
また、制御装置1には、自動変速機構5の各クラッチC−1〜C−3やブレーキB−1〜B−2に対応した不図示のリニアソレノイドバルブを備えた油圧制御装置6に対して、制御信号(油圧指令値)を出力して自動変速機構5を制御する変速制御部21と、駆動源としてのエンジン2を制御するエンジン制御部22と、を備えている。更に、エンジン制御部22は、エンジン2に対してその出力トルクを制限させる制御信号を出力するトルク制限部23と、車輌100が被駆動状態か否かを判断する被駆動判断部(判断部)24と、を備えている。なお、ここで、被駆動状態とは、エンジン2がタービンランナ4bに駆動される状態をいい、駆動状態とは、エンジン2がタービンランナ4bを駆動する状態をいう。
トルク制限部23は、エンジン2に対して出力トルクを目標制限値(以下、トルクリダクション指令値ともいう)に制限させる制御信号を出力することによって、上記エンジン2の出力トルクを制限するトルクリダクション制御を実行可能に構成されている。エンジン2は、上記トルクリダクション指令値が出力されると、エンジン2の点火タイミングが遅延させられることによりその出力が制限され、上記トルクリダクション指令値に出力トルクが制御される。
被駆動判断部24は、トルクコンバータ4の出力側回転速度(Ni)とトルクコンバータ4の入力側回転速度(Ne)との比である速度比e(e=Ni/Ne)が所定の速度比以上であるか否かに基づいて、車輌100が被駆動状態であるか、駆動状態であるかを判断している。なお、本実施の形態においては、被駆動判断部24は、上記入力軸回転速度センサ33の検出値をタービンランナ4bの回転速度(タービン回転速度ともいう)とみなし、上記トルクコンバータ4の出力側回転速度(Ni)として使用している。また、エンジン回転速度センサ35の検出値をポンプインペラ4aの回転速度とみなし、トルクコンバータ4の入力側回転速度(Ne)として使用している。
3.ダウンシフト変速時のトルクリダクション制御
ついで、ダウンシフト変速時のトルクリダクション制御について、図4及び図5に基づいて説明をする。トルク制限部23は、ダウンシフト変速時に変速終期における出力軸トルクの急激な上昇を防止するために上記トルクリダクション制御を実行していると共に、トルクコンバータ4の状態がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行するか否かによって、トルクリダクション指令値の復帰勾配が異なる2つのモードを実行可能に構成されている。なお、図6に示すように、カップリングレンジとは、ステータ4cが空転して、トルクコンバータ4においてトルク増幅が行われない領域であり、コンバータレンジとは、ステータ4cが固定されて、トルクコンバータ4においてトルク増幅が行われる領域である。また、これらカップリングレンジとコンバータレンジとの境界点をカップリングポイントといい、このカップリングポイントを挟んで速度比が大きい領域がカップリングレンジとなり、速度比が小さい領域がコンバータレンジとなり、車輌100が被駆動状態の場合、トルクコンバータ4は、カップリングレンジであることが多い。このため、上記コンバータレンジにおいては、トルクコンバータ4の速度比は、トルク比が1よりも大きくなる第1速度比となり、カップリングレンジでは、トルクコンバータ4の速度比は、トルク比が1となる第2速度比となる。以下の説明においては、まず、トルクコンバータ4の状態がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行しない第1モードについて説明をし、次いで、トルクコンバータ4の状態がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行する第2モードについて説明をする。
図4に示すように、ダウンシフト変速が実行される場合、トルク制限部23は、変速の進行度を監視しており、この変速の進行度が上記ピークトルクが検出される変速終期に対応する所定の進行度に到達したことに基づいて、トルク制限部23は、上述したトルクリダクション制御を開始する(S1、図5のt1)。具体的には、トルク制限部23は、ダウンシフト変速が実行されると、入力軸回転速度をNi、出力軸回転速度をNoとした際に、以下の式(1)に基づいて変速の進行度を演算し、変速の進行度が上記所定の進行度に到達すると、エンジン2のイナーシャトルク分だけエンジン2の出力トルクを減少させるトルクリダクション指令値をエンジン2へと出力して、トルクリダクション制御を開始する。
進行度(%)=(Ni−(No×変速前ギヤ比))/(No×(変速後ギヤ比―変速前ギヤ比))×100 ・・・(1)
ついで、トルク制限部23は、上記入力軸回転速度Niの回転速度が目標回転速度近傍に到達したことに基づいて、上記トルクリダクション指令値を変速後の要求エンジントルク値Treqに向けて復帰させる復帰制御への移行条件が成立したと判断し(S2のYes)、このトルクリダクション指令値を復帰させる勾配である通常復帰勾配(第1の勾配)dTaを演算する(S3)。なお、この通常復帰勾配dTaは、上記復帰制御開始時(図5の時点t2)のトルクリダクション指令値と変速後の要求エンジントルク値Treqとの差分であるTaを、復帰制御開始時からトルクリダクション制御終了時までに要する時間X1にて除算することによって求められる(dTa=Ta/X1)。
上記通常復帰勾配dTaが演算されると、次に被駆動判断部24により車輌100が被駆動状態であるか否かを判断する被駆動判断処理が実行される(S4)。この被駆動判断処理において、被駆動判断部24は、上述した第1モードによってトルクリダクション指令値を復帰させるか、第2モードによってトルクリダクション指令値を復帰させるか、を判断している。
具体的には、被駆動判断部24は、トルクコンバータ4がカップリングレンジにいるか否か、自動変速機構5の入力軸回転速度Niとエンジン回転速度(コンバータ入力側)Neとの差回転が所定量以下か否か、入力軸回転速度Niが所定速度以下か否か、ロックアップクラッチ7が係合していないか否か、エンジントルクが所定の値以下か否か、単一変速であるか否か、信号フェールではないか否かを判断し、これらの条件を全て満たした場合に第2モードにてトルクリダクション指令値の復帰制御を実行する被駆動状態であると判断する。
より詳しくは、コンバータレンジとカップリングレンジとの境界である上記カップリングポイントでは、トルクコンバータ4の出力側トルクTiとトルクコンバータ4の入力側トルクTeとの比であるトルク比(t=Ti/Te)が1となることから、被駆動判断部24は、復帰制御開始時の速度比eが上記トルク比tが1となる速度比(所定の速度比)以上である場合には、トルクコンバータ4がカップリングレンジにいると判断している。即ち、被駆動判断部24は、復帰制御開始時の速度比eが第2速度比である場合には、トルクコンバータ4がカップリングレンジにいると判断し、復帰制御開始時の速度比eが第1速度比である場合には、トルクコンバータ4がコンバータレンジにいると判断している。復帰制御開始時の速度比eがコンバータレンジの領域にある場合には、トルクリダクション指令値の復帰制御中にトルクコンバータ4の状態がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行することが無く、このため、トルクコンバータ4の状態がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行してトルクコンバータ4が急激にエンジントルクを伝達することも無い。従って、トルクコンバータ4が復帰制御開始時にコンバータレンジにいる場合には、被駆動判断部24は、被駆動状態ではないと判断する。
また、ロックアップクラッチ7が係合されている際には、速度比が変化しないため、この場合も被駆動判断部24は、被駆動状態ではないと判断する。更に、車輌100のスリップやシフトフィーリングを考慮して、トルクコンバータ4における差回転が大きい場合や、入力軸回転速度Niが大きすぎる場合には、被駆動状態ではないと判断する。また、エンジントルクが所定の値よりも大きい場合には、惰性走行状態からのダウンシフト変速ではないと判断し、この場合も被駆動状態ではないと判断する。更に、被駆動判断部24は、隣接した変速段に対してダウンシフト変速する単一変速以外の複雑な変速制御の場合や、センサに故障が生じて信号フェールを起こしている場合にも被駆動判断部24は、被駆動状態ではないと判断する。
そして、被駆動判断部24による被駆動判断処理が実行されると、トルクリダクション指令値の復帰制御が開始される(S5、図5のt2)。ここで、上記被駆動判断部24による被駆動判断処理において、被駆動状態ではないと判断されている場合(S6のNo)、トルク制限部23は、上述したように第1モードによりトルクリダクション指令値の復帰制御を実行する(図5の点線参照)。
具体的には、トルク制限部23は、上記ステップS3にて求めた通常復帰勾配dTaにてトルクリダクション指令値を、変速後の要求エンジントルクTreqへと向けて復帰させて行く(S21,S22のNo)。そして、トルクリダクション指令値が変速後の要求エンジントルクTreqに到達すると、復帰制御を終了して(S22のYes)、上記トルクリダクション制御を終了する(S13、図5のt6)。
一方、上述した被駆動判断処理において被駆動状態であると判断された場合には(S6のYes)、トルク制限部23は、第2モードによりトルクリダクション指令値の復帰制御を実行する(図5の実線参照)。具体的には、トルク制限部23は、ガードタイマをセットし(S7)、次いで、トルクコンバータ4の速度比が、上記トルク比t=1となる速度比以上であるか否かを判断する(S8)。即ち、ステップS8において、トルク制限部23は、トルクコンバータ4がカップリングレンジにいるか否かを判断しており、第2モードにおける復帰制御の開始時点においては、トルクコンバータ4の速度比はカップリングレンジの領域にある(S8のYes)。
次に、トルク制限部23は、トルクリダクション指令値が所定のトルク値Tmin以上となったか否かを判断し(S9)、トルクリダクション指令値が所定のトルク値Tminよりも小さい場合には(S9のNo)、低トルク領域であると判断して、上述した通常復帰勾配dTaにてトルクリダクション指令値を復帰させる。そして、このトルクリダクション指令値が上記所定のトルク値Tmin以上となるまで、上記通常復帰勾配dTaにてトルクリダクション指令値を復帰させ(S11,S12のNo,S8のNo,S9のNo)、トルクリダクション指令値が所定のトルク値Tmin以上となると(S9のYes)、トルク制限部23は、トルクリダクション指令値を上述した通常復帰勾配dTaよりも傾斜の緩い緩傾斜勾配(第2の勾配)dTxにて復帰させる(S10、図5の時点t3)。
なお、上記低トルク領域を規定する所定のトルク値Tminは、例え、トルクコンバータ4の状態がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行することによって、エンジントルク及び出力軸トルクに変動が生じても、トルク値が低いため運転者が感じるような大きなショックが生じない低トルク領域を規定する閾値であり、本実施の形態では、予め実験によって求められている。
トルク制限部23は、トルクリダクション指令値の値が上記低トルク領域を抜けて、その復帰勾配が、通常復帰勾配dTaから緩傾斜勾配dTxへと移ると、トルクコンバータ4の速度比eが上述したトルク比tが1となる速度比より小さくなるまで、即ち、速度比が第1速度比となってトルクコンバータ4がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行するまで、上記緩傾斜勾配dTxにてトルクリダクション指令値を復帰させる(S11,S12のNo,S8のNo,S9のYes、図5の時点t4)。なお、トルク制限部23は、ヘジテーション(エンジン2の出力上昇のもたつき)の発生を運転者が感じないように、上述したガードタイマを設定して緩傾斜勾配dTxにてトルクリダクション指令値を復帰させる期間を所定の期間内に制限している。緩傾斜勾配dTxの勾配は、上記ガードタイマの設定時間以下の時間内で速度比eを上記トルク比tが1となる速度比とすることができる勾配の設定の内、出来る限り緩い勾配となるように設定されており、この際のガードタイマの設定時間以下の時間は、運転者がヘジテーションを感じない時間の範囲で任意に設定される。
そして、トルクコンバータ4がコンバータレンジへと移行するもしくはガードタイマの設定時間を経過すると(S8のYes)、トルク制限部23は、上記緩傾斜勾配dTxからの復帰勾配(以下、急傾斜勾配もしくは第3の勾配ともいう)dTbを演算する(S15)。なお、この急傾斜勾配dTbは、上記緩傾斜勾配dTx及び通常復帰勾配dTaよりも傾斜の大きい勾配であり、トルクコンバータ4がコンバータレンジへと移行した時点におけるトルクリダクション指令値と変速後の目標エンジントルクとの値の差分Tbを、その時点からトルクリダクション制御が終了するまでの時間よりも短い時間X2(図5の時点t5)にて除算して求められる。なお、傾斜の大きいとは、傾斜角度がきついことをいい、単位時間当たりのトルクリダクション指令値の値の上昇の割合がより大きいことを意味する。
そして、トルク制限部23は、上記急傾斜勾配dTbを演算すると、最初から通常復帰勾配dTaにてトルクリダクション指令値を復帰させていた場合におけるトルクリダクション指令値と、上記急傾斜勾配dTbにてトルクリダクション指令値を復帰させた場合とを比較して、トルクリダクション指令値が小さい方を選択する(S16)。即ち、トルクリダクション指令値が、最初から通常復帰勾配dTaにてトルクリダクション指令値を復帰させていた場合におけるトルクリダクション指令値に追いつくまでは(S16のNo)、上記急傾斜勾配dTbにてトルクリダクション指令値を復帰させ(S18,S19,S20のNo,S16のNo)、トルクリダクション指令値が、最初から通常復帰勾配dTaにてトルクリダクション指令値を復帰させていた場合におけるトルクリダクション指令値に追いついた後は(S16のYes)、通常復帰勾配dTaにてトルクリダクション指令値を復帰させる(S17)。その後、トルクリダクション指令値が変速後の要求エンジントルクに到達すると、復帰制御を終了して(S20のYes)、上記トルクリダクション制御を終了する(S13、図5の時点t6)。
4.まとめ
本実施の形態に係る車輌(100)の制御装置(1)は、駆動源(2)と、前記駆動源(2)から伝達される回転を変速する自動変速機構(5)と、前記駆動源(2)と前記自動変速機構(5)との間に介在するトルクコンバータ(4)と、を備えた車輌(100)の制御装置(1)であって、
前記駆動源(2)に対して出力トルクを目標制限値に制限させる制御信号を出力するトルク制限部(23)と、
前記トルクコンバータ(4)の出力側回転速度(Ni)と前記トルクコンバータの入力側回転速度(Ne)との比である速度比(e=Ni/Ne)が、前記トルクコンバータの出力側トルクと前記トルクコンバータの入力側トルクとの比であるトルク比が1より大きくなる第1速度比か、前記トルク比が1となる第2速度比かを判断する判断部(24)と、を備え、
前記トルク制限部(23)は、
前記目標制限値を変速後の要求エンジントルク値に向けて復帰させる際に、前記判断部(24)により前記速度比が前記第1速度比であると判断されていることに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を第1の勾配(dTa)に設定する第1モードと、
前記目標制限値を変速後の要求エンジントルク値に向けて復帰させる際に、前記判断部(24)により前記速度比が前記第2の速度比と判断されていることに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を、前記第1の勾配よりも緩い第2の勾配(dTx)を含んだ勾配に設定する第2モードと、を実行可能である。
このように、トルク制限部23は、トルクコンバータ4がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行することによって、出力軸にトルク変動が生じる虞のある場合においては、第1の勾配よりも緩い第2の勾配によって目標制限値を復帰させており、このため、例え、上記トルクコンバータ4がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行することによって、トルク変動が発生したとしても、車輌100にショックが生じることを抑制することができる。
また、前記トルク制限部(23)は、前記目標制限値が所定のトルク値より小さくなる期間については、前記第2モードにおける復帰勾配を、前記第1の勾配(dTa)に設定している。
このため、例え、上記トルクコンバータ4がカップリングレンジからコンバータレンジへと移行することによって、トルク変動が発生した場合であっても、トルク値が低いために大きなショックの生じない低トルク領域においては、第2の勾配よりも傾斜のきつい第1の勾配にて速やかに目標制限値の値を復帰させることができる。
更に、前記トルク制限部(23)は、前記速度比が前記前記第1速度比となる期間において、前記第2モードにおける復帰勾配を、前記第1の勾配(dTa)よりも大きい第3の勾配(dTb)に設定している。
このため、トルクコンバータ4がコンバータレンジへと移行した後は、第2の勾配dTaよりもきつい第3の勾配dTbにて速やかに目標制限値の値を復帰させることができる。
また、前記トルク制限部(23)は、前記速度比が前記第1速度比となる期間において、前記第2モードにおける目標制限値が、最初から前記第1の勾配(dTa)により前記目標制限値を復帰させていた場合の値に到達したことに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を前記第1の勾配(dTa)に設定する。
このため、変速の進行度合いに合わせてバランス良く目標制限値の値を復帰させることができる。
なお、上述した実施の形態では、エンジン2を制御する制御装置と、自動変速機3を制御する制御装置と、を単一の制御装置1によって構成したが、本開示はこれに限られない。例えば、エンジン2を制御する制御装置と自動変速機を制御する制御装置とを別々に設け、これらの制御装置間にて互いに通信するように構成してもよく、この場合であっても、上記トルク制限部23は、自動変速機を制御する側の制御装置に設けられても良い。
また、上述した実施の形態では、入力軸回転速度センサ33を設け、その検出値をタービンランナ4bの回転速度として使用していたが、例えば、自動変速機構5の出力軸回転速度と変速比とから演算によってタービンランナ4bの回転速度を求めても良い。更に、上述した実施の形態では、駆動源としてエンジン2を備え、エンジン2の回転を自動変速機3で変速するものを説明したが、これに限らず、例えば駆動源として回転電機(モータ・ジェネレータ)を用いた電気自動車や、エンジンと回転電機とを組合せたハイブリッド車輌などに搭載される自動変速機であっても良い。加えて上述した実施の形態に記載された発明は、どのように組み合わされても良い。
また、上述した実施の形態では、判断部としての被駆動判断部24が、トルクコンバータ4の状態がカップリングレンジいるか、コンバータレンジにいるかを判断する指標とする所定の速度比を、トルク比が1となる速度比としたが、本発明はこれに限られるものではない。即ち、上記所定の速度比は、例えばトルク比が1となる速度比よりも小さい値に設定し、カップリングポイントを超える際には確実にトルクリダクション指令値が緩傾斜勾配dTxとなっているように構成されても良い。
1:制御装置、2:駆動源、4:トルクコンバータ、5:自動変速機構、23:トルク制限部、24:判断部、100:車輌、Ni:出力側回転速度(入力軸回転速度)、Ne:入力側回転速度(エンジン回転速度)、e:速度比、dTa:第1の勾配、dTx:第2の勾配、dTb:第3の勾配

Claims (4)

  1. 駆動源と、前記駆動源から伝達される回転を変速する自動変速機構と、前記駆動源と前記自動変速機構との間に介在するトルクコンバータと、を備えた車輌の制御装置であって、
    前記駆動源に対して出力トルクを目標制限値に制限させる制御信号を出力するトルク制限部と、
    前記トルクコンバータの出力側回転速度と前記トルクコンバータの入力側回転速度との比である速度比が、前記トルクコンバータの出力側トルクと前記トルクコンバータの入力側トルクとの比であるトルク比が1より大きくなる第1速度比か、前記トルク比が1となる第2速度比かを判断する判断部と、を備え、
    前記トルク制限部は、
    前記目標制限値を変速後の要求エンジントルク値に向けて復帰させる際に、前記判断部により前記速度比が前記第1速度比であると判断されていることに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を第1の勾配に設定する第1モードと、
    前記目標制限値を変速後の要求エンジントルク値に向けて復帰させる際に、前記判断部により前記速度比が前記第2速度比であると判断されていることに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を、前記第1の勾配よりも緩い第2の勾配を含んだ勾配に設定する第2モードと、を実行可能である、
    車輌の制御装置。
  2. 前記トルク制限部は、前記目標制限値が所定のトルク値より小さくなる期間については、前記第2モードにおける復帰勾配を、前記第1の勾配に設定する、
    請求項1記載の車輌の制御装置。
  3. 前記トルク制限部は、前記速度比が前記第1速度比となる期間において、前記第2モードにおける復帰勾配を、前記第1の勾配よりも大きい第3の勾配に設定する、
    請求項1又は2記載の車輌の制御装置。
  4. 前記トルク制限部は、前記速度比が前記第1速度比となる期間において、前記第2モードにおける目標制限値が、最初から前記第1の勾配により前記目標制限値を復帰させていた場合の値に到達したことに基づいて、前記目標制限値の復帰勾配を前記第1の勾配に設定する、
    請求項3に記載の車輌の制御装置。
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