JP2019065894A - 油圧伝達装置のライン圧制御方法及びライン圧制御装置 - Google Patents

油圧伝達装置のライン圧制御方法及びライン圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライバーがバタつき操作派の場合にライン圧不足が発生してしまうことを抑制すること。【解決手段】ライン圧低下制御を実施する車両制御装置10を備えるベルト式無段変速機3のライン圧制御装置において、車両制御装置10は、ドライバー運転嗜好学習制御部11と、ライン圧切り替え制御部12と、を有する。ドライバー運転嗜好学習制御部11は、車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分し、自車に加減速が発生したとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるのかバタつかない操作派であるのかを学習する。ライン圧切り替え制御部12は、走行中、自車の走行シーンの区分を検出し、該当する区分におけるドライバー運転嗜好の学習結果を取得し、ドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつかない操作派である場合はライン圧低下制御を実施し、バタつき操作派である場合はライン圧低下制御を実施しない。【選択図】図1

Description

本開示は、車両の駆動力伝達系に搭載される油圧伝達装置のライン圧制御方法及びライン圧制御装置に関する。
従来、高速道路走行中はドライバー運転嗜好としてアクセルをバタバタさせない定常走行を行うものと判断して、通常時よりライン圧を低下させるライン圧低下制御を実施する無段変速機のライン圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−65585号公報
しかしながら、従来装置にあっては、走行環境の一つである高速道路走行中か否かというだけでドライバー運転嗜好を判断している。このため、ドライバーによっては嗜好が合わず、具体的には、高速道路であってもアクセル操作やブレーキ操作において操作量や操作速度が大きなバタつき操作派であるドライバーの場合は嗜好が合わず、ライン圧低下制御によるライン圧不足が発生する、という問題がある。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、ドライバーがバタつき操作派の場合にライン圧不足が発生してしまうことを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、車両の駆動力伝達系に搭載される油圧伝達装置への供給油圧の元圧であるライン圧を、通常ライン圧よりも低下させるライン圧低下制御を実施する。
このライン圧制御方法において、車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分し、自車に加減速が発生したとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるのかバタつかない操作派であるのかを学習する。
走行中、自車の走行シーンの区分を検出し、該当する区分におけるドライバー運転嗜好の学習結果を取得する。
ドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつかない操作派である場合はライン圧低下制御を実施し、バタつき操作派である場合はライン圧低下制御を実施しない。
このように、区分した走行シーン毎の学習によるドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつき操作派である場合はライン圧低下制御を実施しないことで、ドライバーがバタつき操作派の場合にライン圧不足が発生してしまうことを抑制することができる。
実施例1のライン圧制御方法及びライン圧制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系及び制御系を示す全体システム図である。 実施例1のライン圧制御方法及びライン圧制御装置が適用されたハイブリッド車両のベルト式無段変速機を示す要部構成図である。 実施例1の車両制御装置のドライバー運転嗜好学習制御部にて実行される走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理の流れを示すフローチャートである。 ドライバー運転嗜好学習制御で用いられるドライブスタイル・走行環境(Navi情報)・自車付近の走行状況での各判断項目の一例を示す判断項目例示図である。 ドライバー運転嗜好学習制御で用いられる走行環境の判断項目の組み合わせによる走行シーンの区分例を示す走行シーン区分図である。 実施例1の車両制御装置のライン圧切り替え制御部にて実行されるライン圧切り替え制御処理の流れを示すフローチャートである。 高速道路走行シーンにおいてドライバー運転嗜好がバタつかない操作派であるときの車速・道路種別・ドライバー運転嗜好・ライン圧・燃料消費量の各特性を示すタイムチャートである。 高速道路走行シーンにおいてドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるときの車速・道路種別・ドライバー運転嗜好・ライン圧・燃料消費量の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本開示による油圧伝達装置のライン圧制御方法及びライン圧制御装置を実現する最良の実施形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1のライン圧制御方法及びライン圧制御装置は、駆動力伝達系にベルト式無段変速機(油圧伝達装置の一例)を搭載した自動運転機能付きハイブリッド車両(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理構成」、「ライン圧切り替え制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のライン圧制御方法及びライン圧制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系及び制御系を示す。図2は、実施例1のライン圧制御方法及びライン圧制御装置が適用されたハイブリッド車両のベルト式無段変速機を示す。以下、図1及び図2に基づいて、全体システム構成を説明する。
ハイブリッド車両の駆動系には、図1に示すように、エンジン1と、駆動モータ2と、ベルト式無段変速機3(油圧伝達装置)と、駆動輪4とを備えている。なお、エンジン1と駆動モータ2との間、及び、駆動モータ2と駆動輪4と間には、駆動力の伝達を断接する第1クラッチ及び第2クラッチを設けるのが好ましい。また、これらのクラッチは、少なくともいずれか一方のみを設けてもよい。
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、車両制御装置10からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御等が行われる。
駆動モータ2は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、車両制御装置10からインバータ20への制御指令に基づいて制御される。力行時は、バッテリ30からの直流をインバータ20により三相交流に変換し、これを駆動モータ2のステータコイルに印加することにより回転駆動する電動機として動作する。回生時は、駆動モータ2のロータがエンジン1や駆動輪4から回転エネルギを受け、ステータコイルの両端に起電力を生じさせ、バッテリ30を充電する発電機として動作する。
ベルト式無段変速機3は、図2に示すように、プライマリプーリ101とセカンダリプーリ102とにベルト103を掛け渡して駆動力伝達を行う構成を備えている。そして、ベルト式無段変速機3は、プライマリ圧室へのプライマリ圧Ppriと、セカンダリ圧室へのセカンダリ圧Psecを制御することにより、各プーリ101,102の可動円錐部材を軸方向に移動させる。この軸方向移動により、ベルト103のプライマリプーリ101とセカンダリプーリ102に対する巻き付き径が変化し、変速比を可変とする。このベルト式無段変速機3の入力側には、図外のダブルピニオン式遊星歯車とフォワードクラッチとリバースブレーキとを有して構成される前後進切替機構104が設けられている。Dレンジを選択しての前進走行時には、フォワードクラッチ圧Pfcを供給することでフォワードクラッチが油圧締結される。なお、Rレンジを選択しての後退走行時には、リバースブレーキ圧Prbを供給することでリバースブレーキが油圧締結される。
ベルト式無段変速機3におけるプライマリ圧Ppriやセカンダリ圧Psecやフォワードクラッチ圧Pfcやリバースブレーキ圧Prbの元圧であるライン圧は、図1に示すライン圧制御バルブ41により制御される。すなわち、エンジン1により駆動されるCVTオイルポンプ50からのポンプ吐出油を、油路51を介してライン圧制御バルブ41に供給し、ライン圧制御バルブ41において、ポンプ吐出油を所望のライン圧に調圧するライン圧制御を行う。ライン圧制御では、ベルト式無段変速機3の伝達トルクを要求駆動力により推定し、推定伝達トルクに基づいて目標ライン圧を設定し、実ライン圧が目標ライン圧に一致するようにフィードバック制御する。
油圧制御回路40には、ライン圧制御バルブ41以外に、プライマリプーリ圧制御バルブ42と、セカンダリプーリ圧制御バルブ43と、クラッチ圧制御バルブ43と、が設けられている。
プライマリプーリ圧制御バルブ42は、ライン圧制御バルブ41からのライン圧PLを元圧とし、目標変速比を実現するプライマリ圧Ppriを調圧する。セカンダリプーリ圧制御バルブ43は、ライン圧制御バルブ41からのライン圧PLを元圧とし、目標変速比を実現するセカンダリ圧Psecを調圧する。クラッチ圧制御バルブ43は、ライン圧制御バルブ41からのライン圧PLを元圧とし、前進走行時に締結状態を実現するフォワードクラッチ圧Pfcを調圧し、後退走行時に締結状態を実現するリバースブレーキ圧Prbを調圧する。なお、プライマリ圧Ppri、セカンダリ圧Psec、フォワードクラッチ圧Pfc、リバースブレーキ圧Prbは、これらの最大圧がライン圧PLになる。つまり、ライン圧PLは、ベルト式無段変速機3のプーリ油室やクラッチ/ブレーキ油室への最大圧を規定する。
ハイブリッド車両の駆動系には、図1に示すように、車両制御装置10と、センサ群60と、ナビゲーション装置70と、を備えている。
車両制御装置10は、センサ群60とナビゲーション装置70から必要情報を入力し、エンジン制御機能、モータ制御機能、変速機油圧制御機能、自動運転制御機能、等を発揮する統合制御手段である。
ここで、自動運転制御機能とは、目的地を設定してドライバーが自動運転スイッチ61を投入すると、現在地から目的地までの予定走行経路を設定し、予定走行経路に沿って自車が自動運転モードにて走行するように駆動/制動/舵角を制御する機能をいう。自動運転モードでの走行中に自車の前方に前車が存在しないときは、目標車速を保って定速走行する。定速走行中に自車の前方に前車が割り込んでくるときは、減速して自車と前車の距離を車速に応じた車間距離に保って前車追従走行する。前車追従走行中に自車の前方から前車が抜けるときは、そのときの車速を目標車速まで加速し、定速走行に復帰する。
車両制御装置10には、変速機油圧制御機能に含まれるライン圧制御として、通常ライン圧制御にライン圧低下制御を加える制御を採用したことに伴い、ドライバー運転嗜好学習制御部11と、ライン圧切り替え制御部12と、を有する。
ドライバー運転嗜好学習制御部11は、車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分する。そして、自車の前方に前車が存在するとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるのかバタつかない操作派であるのかを学習する。
ライン圧切り替え制御部12は、走行中、自車の走行シーンの区分を検出し、該当する区分におけるドライバー運転嗜好の学習結果をドライバー運転嗜好学習制御部11から取得する。そして、ドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつかない操作派である場合はライン圧低下制御を実施し、バタつき操作派である場合はライン圧低下制御を実施しない。
センサ群60は、自動運転スイッチ61、アクセル開度センサ62(=アクセル操作量センサ)、車速センサ63、前後Gセンサ64、横Gセンサ65、車載カメラ66、ライダー/レーダー67等を有する。つまり、センサ群60として、車両制御装置10での統合制御に必要な情報を検出するセンサ・スイッチ類が設けられている。なお、センサ群60は、図外のブレーキ操作量センサが設けられ、ブレーキ操作量を検出する。ブレーキ操作速度は、ブレーキ操作量の時間微分演算により得られる。
自動運転スイッチ61は、ドライバーがスイッチ投入すると、走行モードがマニュアル運転モードから自動運転モードに切り替わり、自動運転モードにて走行するように駆動/制動/舵角を制御する自動運転制御機能が発揮される。
アクセル開度センサ62は、ドライバーによるアクセル操作量(=アクセル開度)を検出する。車速センサ63は、自車の車速を検出する。前後Gセンサ64は、加減速時に自車に作用する前後Gを検出する。横Gセンサ65は、旋回時に自車に作用する横Gを検出する。なお、アクセル操作速度は、アクセル操作量の時間微分演算により得られる。
車載カメラ66は、自車に搭載され、自車周囲の画像情報を取得する。例えば、アラウンドビューモニタシステムにおいては、前方認識カメラ・後方認識カメラ・右側方認識カメラ・左側方認識カメラを組み合わせて構成される。この車載カメラ66では、自車走行路上物体・自車走行路外物体(道路構造物、前車=先行車、後続車、対向車、周囲車両、歩行者、自転車、二輪車)・自車走行路(道路白線、道路境界、停止線、横断歩道)・道路標識(制限速度)などが検知される。
ライダー/レーダー67は、自車に搭載された測距センサであり、出力波の反射波を受けることにより自車周囲の物体の存在を検知すると共に、自車周囲の物体までの距離を検知する。例えば、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波レーダー、レーザーレンジファインダーなどを用いることができる。このライダー/レーダー67では、自車走行路上物体・自車走行路外物体(道路構造物、前車=先行車、後続車、対向車、周囲車両、歩行者、自転車、二輪車)などの位置と物体までの距離を検知する。なお、自車と前車との相対車速は、自車と前車との車間距離を時間微分演算することで得られる。
ナビゲーション装置70は、記憶装置71と、演算装置72と、通信装置73と、ディスプレイ74と、を有している。
記憶装置71は、道路曲率半径、勾配、交差点、信号、踏み切り、横断歩道、制限速度、料金所等の道路環境情報や、道路属性情報(高速道路・幹線道路・一般道・住宅街等)を含む地図情報を記憶している。さらに、記憶装置71には、過去の走行区間における自車のドライブスタイルデータ(アクセル操作、前後G、横G等)も保存する。
演算装置72は、GPS衛星からの信号を受信し、この自車両の地球上の絶対位置を検出する。そして、記憶装置71に記憶されている地図を参照し、自車両が現在存在している位置である現在地を特定するとともに、この現在地から目的地までの予定走行経路を設定する。また、この予定走行経路およびその経路上の道路環境情報・道路属性情報は、演算装置72から車両制御装置10に出力される。また、ディスプレイ74は、車室内に設けられ、ドライバーから目視可能となっている。
通信装置73は、図示を省略した無線基地局およびインターネット等の通信ネットワークを介して、交通情報や統計交通データを有するデータセンタ80との無線通信(テレマティクス通信)を行う。この「通信」は双方向であり、通信装置73を介して、車両制御装置10、或いは、ナビゲーション装置70からデータセンタ80へ情報を送信可能であり、逆に、データセンタ80から情報を受信して、走行予定道路の状態(渋滞情報等)を入力することが可能である。なお、通信装置73としては、携帯電話機、DSRC、無線LANなど様々なものを採用することができる。
[走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理構成]
図3は、実施例1の車両制御装置10のドライバー運転嗜好学習制御部11にて実行される走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理の流れを示す。以下、走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理構成をあらわす図3の各ステップについて説明する。なお、走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理は、ドライバー運転嗜好を学習可能なマニュアル運転による走行中であれば常時実行する。
ステップS1では、イグニッションスイッチオンによるスタートに続き、ドライバー運転嗜好学習制御での必要情報を読み込み、ステップS2へ進む。なお、ステップS1で読み込まれるドライバー運転嗜好学習制御での必要情報は、例えば、ドライブスタイル情報(アクセル開度等)と走行環境情報(道路種別・道路勾配・カーブ・渋滞等)と自車付近の走行状況情報(車間距離・相対車速等)である。
ここで、図4は、ドライバー運転嗜好学習制御で用いられるドライブスタイル・走行環境(Navi情報)・自車付近の走行状況での各判断項目の一例を示す。つまり、ドライブスタイルの判断項目としては、アクセル操作、前後G、横Gを有する。走行環境(Navi情報)の判断項目としては、カーブ(距離)、カーブ(曲率)、勾配(勾配)、勾配(位置)、料金所(距離)、交差点(距離)、道路種別、GPS、渋滞情報(平均車速)、交通信号機情報(距離)を有する。自車付近の走行状況の判断項目としては、他車との距離、他車の車速(位置予測/相対車速)、交通信号機情報(色)を有する。このように、ドライバー運転嗜好学習制御での必要情報は、図4に示す判断項目に含まれる。
ステップS2では、ステップS1でのドライバー運転嗜好学習制御での必要情報読み込みに続き、そのときの走行シーンXを、走行環境の判断項目の組み合わせにより決定し、ステップS3へ進む。
ここで、図5は、ドライバー運転嗜好学習制御で用いられる走行環境の判断項目の組み合わせによる走行シーンの区分例を示す。例えば、道路種別・道路勾配・カーブ・渋滞という走行環境の判断項目の組み合わせにより走行シーンの区分を決めるとすると、直線路による高速道路での登坂路走行シーンであって渋滞無しのときは、走行シーンXが区分Aと決定される。また、カーブ路による高速道路での登坂路走行シーンであって渋滞無しのときは、走行シーンXが区分Bと決定される。さらに、カーブ路による高速道路での登坂路走行シーンであって渋滞有りのときは、走行シーンXが区分Cと決定される。
ステップS3では、ステップS2での走行シーンXの決定に続き、自車に加減速が発生しているか否かを判断する。YES(加減速の発生有り)の場合はステップS4へ進み、NO(加減速の発生無し)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、「加減速の発生」は、例えば、前後Gセンサ64からの前後G検出値の絶対値が発生判定閾値以上であれば加速又は減速の発生有りと判断し、前後G検出値の絶対値が発生判定閾値未満であれば加速又は減速の発生無しと判断する。
ステップS4では、ステップS3での加減速の発生有りであるとの判断に続き、加速の発生時、アクセル操作量が所定量以上で、かつ、アクセル操作速度が所定速度以上であるか否かを判断する。一方、減速の発生時、ブレーキ操作量が所定量以上で、かつ、ブレーキ操作速度が所定速度以上であるか否かを判断する。YES(アクセル/ブレーキ操作量≧所定量、かつ、アクセル/ブレーキ操作速度≧所定速度)の場合はステップS6へ進み、NO(アクセル/ブレーキ操作量<所定量、又は、アクセル/ブレーキ操作速度<所定速度)の場合はステップS5へ進む。
ここで、「所定量」は、ドライバー運転嗜好がバタつき操作派かバタつかない操作派を判断するアクセル/ブレーキ操作量閾値に設定する。「所定速度」は、ドライバー運転嗜好がバタつき操作派かバタつかない操作派を判断するアクセル/ブレーキ操作速度閾値に設定する。
ステップS5では、ステップS4でのアクセル/ブレーキ操作量<所定量、又は、アクセル/ブレーキ操作速度<所定速度であるとの判断に続き、バタつき操作経験回数NをN=0にリセットし、ステップS8へ進む。
ステップS6では、ステップS4でのアクセル/ブレーキ操作量≧所定量、かつ、アクセル/ブレーキ操作速度≧所定速度であるとの判断に続き、バタつき操作経験回数Nが、連続経験回数閾値Nthになったか否かを判断する。YES(N≧Nth)の場合はステップS9へ進み、NO(N<Nth)の場合はステップS7へ進む。
ここで、「連続経験回数閾値Nth」は、ドライバーがバタつき操作派と判定するのに必要な連続経験回数値として、例えば、数回程度の値に設定される。
ステップS7では、ステップS6でのN<Nthであるとの判断に続き、バタつき操作経験回数Nを、N=N+1の式により加算し、ステップS8へ進む。
ステップS8では、ステップS5でのN=0、或いは、ステップS7でのN=N+1に続き、ドライバー運転嗜好はバタつかない操作派であると学習し、ステップS10へ進む。
ステップS9では、ステップS6でのN≧Nthであるとの判断に続き、ドライバー運転嗜好はバタつき操作派であると学習し、ステップS10へ進む。
ステップS10では、ステップS8でのバタつかない操作派であるとの学習、或いは、ステップS9でのバタつき操作派であるとの学習に続き、走行シーンXの区分A,B,…毎に学習結果(バタつかない操作派、バタつき操作派)を保存し、エンドへ進む。
ここで、走行シーンXの区分A,B,…毎による学習結果保存では、区分A,B,…毎のバタつき操作経験回数Nも併せて保存する。そして、区分A,B,…毎によるドライバー運転嗜好の学習結果とバタつき操作経験回数Nは、イグニッションスイッチオフ後もそのまま保存し続ける。
[ライン圧切り替え制御処理構成]
ライン圧切り替え制御処理とは、「通常ライン圧制御」と「ライン圧低下制御」との間でのライン圧制御の切り替えを実行する処理であり、先に「通常ライン圧制御」と「ライン圧低下制御」について説明する。
「通常ライン圧制御」とは、ベルト式無段変速機3の伝達トルクが多少変動してもベルト103の滑りを抑え、プライマリプーリ101とセカンダリプーリ102とによってベルトクランプ力を確保する制御である。具体的には、アクセル開度や車速等による要求駆動力から推定されるベルト式無段変速機3の推定伝達トルクに相当するライン圧に、大きな安全係数(例えば、1.3〜1.5程度の値)を掛け合わせて目標ライン圧を設定する。そして、ライン圧制御バルブ41において、実ライン圧を目標ライン圧に一致させることで通常ライン圧PLnorに調圧する制御をいう。
一方、「ライン圧低下制御」とは、ライン圧PLを通常ライン圧PLnorよりも低下させることで、CVTオイルポンプ50のポンプ運転によるエンジン負荷を低減し、トルク変動に対するベルトクランプ力の確保よりもエンジン1の燃料消費量の低減を優先する制御である。具体的には、アクセル開度や車速等による要求駆動力から推定されるベルト式無段変速機3の推定伝達トルクに相当するライン圧に、小さな安全係数(例えば、1.0〜1.1程度の値)を掛け合わせて目標ライン圧を設定する。そして、ライン圧制御バルブ41において、実ライン圧を目標ライン圧に一致させることで最小ライン圧PLminに調圧する制御をいう。
図6は、実施例1の車両制御装置10のライン圧切り替え制御部12にて実行されるライン圧切り替え制御処理の流れを示す。以下、ライン圧切り替え制御処理構成をあらわす図6の各ステップについて説明する。なお、ライン圧切り替え制御処理は、マニュアル運転による走行中だけでなく、自動運転モードによる自動運転走行中においてもドライバーのマニュアル運転介入に備えて実行される。
ステップS21では、ライン圧低下制御の実施中を示すライン圧低下制御フラグFが、F=0(通常ライン圧制御の実施中を示す)であるか否かを判断する。YES(F=0)の場合はステップS22へ進み、NO(F=1)の場合はステップS31へ進む。
ここで、ライン圧低下制御フラグFは、初期状態ではF=0にセットされており、初回の処理ではステップS21→ステップS22へ進む。
ステップS22では、ステップS21でのF=0(通常ライン圧制御の実施中)であるとの判断に続き、自車の予定走行経路において予測される走行負荷が閾値以下であり、かつ、予測される走行負荷変化幅が閾値以下であるか否かを判断する。YES(走行負荷≦閾値、かつ、走行負荷変化幅≦閾値)の場合はステップS23へ進み、NO(走行負荷>閾値、又は、走行負荷変化幅>閾値)の場合はステップS29へ進む。
ここで、「自車の予定走行経路において予測される走行負荷」は、例えば、自車の現在地から所定距離先までの予定走行経路の道路勾配情報を取得し、その間の勾配平均値により求める。「閾値」は、走行負荷小(=駆動力小)の走行になるか、走行負荷大(=駆動力大)の走行になるかを判別する値に設定される。「自車の予定走行経路において予測される走行負荷変化幅」は、例えば、自車の現在地から所定距離先までの予定走行経路の道路勾配情報を取得し、その間の最大勾配値と最小勾配値との差により求める。「閾値」は、走行負荷変化小(=駆動力変化量小)の走行になるか、走行負荷変化幅大(=駆動力変化量大)の走行になるかを判別する値に設定される。
ステップS23では、ステップS22での走行負荷≦閾値、かつ、走行負荷変化幅≦閾値であるとの判断に続き、そのときの走行環境情報を取得し、走行環境情報に基づいて走行シーンの区分を検出し、ステップS24へ進む。
ここで、「走行環境情報」とは、ドライバー運転嗜好学習制御と同様に、走行シーンの区分を判断するのに必要な道路種別・道路勾配・カーブ・渋滞等の情報をいう。
ステップS24では、ステップS23での走行シーンの区分検出に続き、該当する区分の学習結果をドライバー運転嗜好学習制御部11から取得し、ステップS25へ進む。
ここで、「学習結果」とは、ドライバー運転嗜好学習制御処理にて走行シーンの区分毎に保存されている「バタつかない操作派」又は「バタつき操作派」の情報をいう。
ステップS25では、ステップS24での該当区分での学習結果取得に続き、取得された学習結果がバタつかない操作派であるか否かを判断する。YES(バタつかない操作派)の場合はステップS27へ進み、NO(バタつき操作派)の場合はステップS26へ進む。
ステップS26では、ステップS25でのバタつき操作派であるとの判断に続き、バタつかないアクセル操作やブレーキ操作が維持される走行状況であるか否かを判断する。YES(バタつかない走行状況)の場合はステップS27へ進み、NO(バタつく可能性がある走行状況)の場合はステップS29へ進む。
ここで、バタつかないアクセル操作やブレーキ操作が維持される走行状況であるとの予測は、所定時間前から現在までの走行状態が定速走行状態であり、かつ、自車付近の走行環境に変化が無いことにより判断する。例えば、自動運転モードで定速走行中であり、かつ、自車付近の走行環境に変化が無いときは、バタつかない操作が維持される走行状況と判断する。又、マニュアル運転による走行中であっても、定速走行を維持しているときであり、かつ、自車付近の走行環境に変化が無いときは、バタつかない操作が維持される走行状況と判断する。
ステップS27では、ステップS25でのバタつかない操作派であるとの判断、或いは、ステップS26でのバタつかない走行状況であるとの判断に続き、ライン圧低下制御を実施し、ステップS28へ進む。
ステップS28では、ステップS27でのライン圧低下制御の実施に続き、ライン圧低下制御フラグFを、F=0からF=1に書き替え、エンドへ進む。
ステップS29では、ステップS22,S26,S31,S32,S33の何れかのステップでのNOの判断に続き、通常ライン圧制御を実施し、ステップS30へ進む。
ステップS30では、ステップS29での通常ライン圧制御の実施に続き、ライン圧低下制御フラグFを、F=1からF=0に書き替え、エンドへ進む。
ステップS31では、ステップS21でのF=1(ライン圧低下制御の実施中)であるとの判断に続き、自車の予定走行経路において予測される走行負荷が閾値以下、かつ、予測される走行負荷変化幅が閾値以下であるか否かを判断する。YES(走行負荷≦閾値、かつ、走行負荷変化幅≦閾値)の場合はステップS32へ進み、NO(走行負荷>閾値、又は、走行負荷変化幅>閾値)の場合はステップS29へ進む。なお、ステップS31は、ステップS22と同様の判断ステップである。
ステップS32では、ステップS31での走行負荷≦閾値、かつ、走行負荷変化幅≦閾値であるとの判断に続き、直後に加速が予測されないか否かを判断する。YES(加速が予測されない)の場合はステップS33へ進み、NO(加速が予測される)の場合はステップS29へ進む。
ここで、直後に加速が予測される場合とは、例えば、自車から他車や固定の障害物が離れるとき、青信号に切り替わったとき、工事区域を抜けるとき、急カーブを抜けるとき、ETCゲートを抜けるとき、前車追従による自動運転走行中に前車が自車走行レーンから離脱するとき、等である。
ステップS33では、ステップS32での加速が予測されないとの判断に続き、直後に減速が予測されないか否かを判断する。YES(減速が予測されない)の場合はエンドへ進み、NO(減速が予測される)の場合はステップS29へ進む。
ここで、直後に減速が予測される場合とは、例えば、自車が他車や固定の障害物に接近するとき、赤信号に切り替わったとき、工事区域に入るとき、急カーブに入るとき、ETCゲートに入るとき、定速走行による自動運転走行中に前車が自車走行レーンに割り込んできたとき、等である。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理作用」、「ライン圧切り替え制御処理作用」、「ドライバー運転嗜好の学習によるライン圧制御作用」に分けて説明する。
[走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理作用]
ドライバーのタイプは千差万別である。例えば、
(a) 高速道路では運転操作がバタつくが一般道路ではバタつかないタイプ
(b) 高速道路では運転操作がバタつかないが一般道路ではバタつくタイプ
(c) 高速道路と一般道路の両方で運転操作がバタつくタイプ
(d) 高速道路と一般道路の両方で運転操作がバタつかないタイプ
が存在する。
これに対して、のドライバー運転嗜好学習制御は、走行環境の判断項目の組み合わせによる“走行シーン”と“ドライバーのドライブスタイル”を紐付けにして、従来例に比してよりきめ細やかにドライバー運転嗜好を学習し、学習の“引き出し”を多くするのを特徴とする。以下、図3のフローチャートに基づいて走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理作用を説明する。
先ず、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。ステップS1では、ドライバー運転嗜好学習制御での必要情報が読み込まれる。ステップS2では、そのときの走行シーンXが、走行環境の判断項目の組み合わせにより決定される。ステップS3では、自車に加減速が発生したか否かが判断される。ステップS3にて加減速の発生無しと判断されたときは、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む流れが繰り返される。
しかし、ステップS3にて加減速の発生有りと判断されたときは、ステップS3からステップS4へと進む。ステップS4では、加速の発生時、アクセル操作量が所定量以上で、かつ、アクセル操作速度が所定速度以上であるか否かが判断される。又、減速の発生時、ブレーキ操作量が所定量以上で、かつ、ブレーキ操作速度が所定速度以上であるか否かが判断される。
決定された走行シーンXの区分において、ドライバーの運転嗜好がバタつかない操作派であり、大きなアクセル踏み込み操作や大きなブレーキ踏み込み操作を行うことなく、緩やかなアクセル/ブレーキ操作により走行する運転嗜好であるとする。この場合、決定された走行シーンXの区分を何度経験しても、ステップS4からステップS5→ステップS8→ステップS10→エンドへと進むことになる。ステップS5では、バタつき操作経験回数NがN=0に設定される。ステップS8では、ドライバー運転嗜好はバタつかない操作派であると学習される。ステップS10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「バタつかない操作派」であると保存される。
なお、緩やかなアクセル/ブレーキ操作により走行する運転嗜好のドライバーが、決定された走行シーンXの区分において、例外的に大きなアクセル踏み込み操作や大きなブレーキ踏み込み操作を行ったとする。この場合、ステップS4からステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS10→エンドへと進む。つまり、例外的に大きなアクセル踏み込み操作や大きなブレーキ踏み込み操作を行っただけでは、ステップS8では、ドライバー運転嗜好はバタつかない操作派であると学習され、ステップS10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「バタつかない操作派」であると保存される。
一方、決定された走行シーンXの区分において、ドライバーの運転嗜好がバタつき操作派であり、大きなアクセル踏み込み操作や大きなブレーキ踏み込み操作を行ない、急アクセル操作や急ブレーキ操作により走行する運転嗜好であるとする。この場合、決定された走行シーンXの区分を1度経験すると、ステップS4からステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS10→エンドへと進むことになる。ステップS6では、バタつき操作経験回数Nが連続経験回数閾値Nthになっていないと判断され、ステップS7では、バタつき操作経験回数NがN=1とされる。つまり、バタつき操作経験回数Nが1度だけのときは、ステップS8では、ドライバー運転嗜好はバタつかない操作派であると学習され、ステップS10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「バタつかない操作派」であると保存される。
その後、再度、同じ区分の走行シーンに遭遇して2度目の経験をすると、ステップS4からステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS10→エンドへと進む。ステップS6では、バタつき操作経験回数Nが連続経験回数閾値Nthになっていないと判断され、ステップS7では、バタつき操作経験回数Nが、N=2とされる。つまり、バタつき操作経験回数Nが2度であってNth≧3が設定されているとき、ステップS8では、ドライバー運転嗜好はバタつかない操作派であると学習され、ステップS10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「バタつかない操作派」であると保存される。
その後、同じ区分である走行シーンに遭遇する経験が複数回に到達し、ステップS6において、バタつき操作経験回数Nが連続経験回数閾値Nthになったと判断されると、ステップS4からステップS6→ステップS9→ステップS10→エンドへと進む。ステップS10では、ステップS9でのバタつき操作派であるとの学習に続き、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「バタつき操作派」であると保存される。
このように、ドライバー運転嗜好学習制御処理では、ドライバー運転嗜好がバタつかない操作派であることをベースとし、出来る限りライン圧低下制御が選択される機会を増やすようにしている。しかし、道路種別のみにより一律にバタつかない操作派であると推定すると、ドライバー運転嗜好がバタつき操作派の場合、走行シーンによってはライン圧不足が生じることがある点に着目し、走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分した。そして、走行シーンの区分毎にドライバー運転嗜好が「バタつかない操作派」であるか「バタつき操作派」であるかをきめ細かく学習している。
[ライン圧切り替え制御処理作用]
ライン圧切り替え制御は、ドライバー運転嗜好のきめ細かな学習結果をライン圧制御に反映させる機会が増えることに伴って、ドライバー運転嗜好に対応するライン圧制御を確保しながら、ライン圧低下制御が実施可能となる走行シーンを増やすことを特徴とする。以下、図6のフローチャートに基づいてライン圧切り替え制御処理作用を説明する。
先ず、ライン圧低下制御フラグFがF=0(通常ライン圧制御の実施中)、かつ、走行負荷>閾値、又は、走行負荷変化幅>閾値であるときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS29→ステップS30→エンドへと進む。ステップS29では、ステップS22での走行負荷>閾値、又は、走行負荷変化幅>閾値であるとの判断に続いて通常ライン圧制御の実施が維持される。ステップS30では、ステップS29での通常ライン圧制御の実施に続いて、ライン圧低下制御フラグFがF=0のままで維持されてエンドへ進む。
次に、ライン圧低下制御フラグFがF=0、かつ、走行負荷≦閾値、かつ、走行負荷変化幅≦閾値であるときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25へと進む。ステップS23では、そのときの走行環境情報を取得し、走行環境情報に基づいて走行シーンの区分が検出される。次のステップS24では、該当する区分の学習結果がドライバー運転嗜好学習制御部11から取得される。ステップS25では、取得された学習結果がバタつかない操作派であるか否かが判断される。
ステップS25にて取得された学習結果がバタつかない操作派である場合は、ステップS25からステップS27→ステップS28→エンドへと進む。ステップS27では、ステップS25でのバタつかない操作派であるとの判断に続いて、ライン圧低下制御が実施される。ステップS28では、ステップS27でのライン圧低下制御の実施に続いて、ライン圧低下制御フラグFが、F=0からF=1に書き替えられてエンドへ進む。
一方、ステップS25にて取得された学習結果がバタつき操作派である場合は、ステップS25からステップS26へ進み、ステップS26では、ステップS25でのバタつき操作派であるとの判断に続いて、バタつかないアクセル/ブレーキ操作が維持される走行状況であるか否かが予測により判断される。ステップS26にて、学習結果がバタつき操作派であるが、予測されるアクセル/ブレーキ操作がバタつかない走行状況であると判断された場合はステップS27へ進み、ステップS27では、ステップS26でのバタつかない走行状況であるとの判断に続いてライン圧低下制御が実施される。次のステップS28では、ステップS27でのライン圧低下制御の実施に続いて、ライン圧低下制御フラグFが、F=0からF=1に書き替えられてエンドへ進む。
しかし、ステップS26にて、学習結果がバタつき操作派であり、かつ、予測されるアクセル/ブレーキ操作がバタつく可能性のある走行状況であると判断された場合はステップS29へ進み、ステップS29では、ステップS26でのバタつく可能性がある走行状況であるとの判断に続いて通常ライン圧制御が実施される。ステップS30では、ステップS29での通常ライン圧制御の実施に続いて、ライン圧低下制御フラグFがF=0のままで維持されてエンドへ進む。
ステップS27でのライン圧低下制御の実施によりライン圧低下制御フラグFがF=1に書き替えられた後の制御起動周期になると、ステップS21でのF=1であるとの判断に続いてステップS31へ進む。ステップS31では、ステップS21でのF=1(ライン圧低下制御の実施中)であるとの判断に続いて自車の予定走行経路において予測される走行負荷が閾値以下、かつ、予測される走行負荷変化幅が閾値以下であるか否かが判断される。そして、ステップS31にて走行負荷変化幅≦閾値であると判断されると、ステップS31からステップS32へ進む。しかし、ステップS31にて走行負荷>閾値、又は、走行負荷変化幅>閾値であると判断されると、ステップS31からステップS29→ステップS30→エンドへと進む。つまり、走行負荷大、又は、走行負荷変化大との予測判断に基づいて、ライン圧低下制御から通常ライン圧制御に切り替えられ、ライン圧低下制御フラグFがF=1からF=0に書き替えられる。
ライン圧低下制御の実施中であって、ライン圧低下制御フラグFがF=1であるとき、ステップS32へ進むと、ステップS32では、直後に加速が予測されないか否かが判断される。そして、ステップS32にて直後に加速が予測されないと判断されると、ステップS32からステップS33へ進む。しかし、ステップS32にて直後に加速が予測されると、ステップS32からステップS29→ステップS30→エンドへと進む。つまり、直後に加速するとの予測判断に基づいて、ライン圧低下制御から通常ライン圧制御に切り替えられ、ライン圧低下制御フラグFがF=1からF=0に書き替えられる。
ライン圧低下制御の実施中であって、ライン圧低下制御フラグFがF=1であるとき、ステップS33へ進むと、ステップS33では、直後に減速が予測されないか否かが判断される。そして、ステップS33にて直後に減速が予測されないと判断されると、ステップS33からエンドへ進む。しかし、ステップS33にて直後に減速が予測されると、ステップS33からステップS29→ステップS30→エンドへと進む。つまり、直後に減速するとの予測判断に基づいて、ライン圧低下制御から通常ライン圧制御に切り替えられ、ライン圧低下制御フラグFがF=1からF=0に書き替えられる。
このように、ライン圧切り替え制御処理では、自車の予定走行経路の走行負荷及び走行負荷変化の大小をベースとし、走行負荷小、かつ、走行負荷変化幅が小であるときはライン圧低下制御を選択する。そして、走行負荷大、又は、走行変化幅大であるときは通常ライン圧制御を選択する。この基本制御実施中に、ドライバー運転嗜好の学習結果を用いてライン圧切り替え制御を調停することで、ドライバー運転嗜好の学習結果(バタつく操作派、バタつかない操作派)をライン圧制御に反映させている。
[ドライバー運転嗜好の学習によるライン圧制御作用]
図7は、高速道路走行シーンにおいてドライバー運転嗜好がバタつかない操作派であるときの車速・道路種別・ドライバー運転嗜好・ライン圧・燃料消費量の各特性を示す。以下、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつかない操作派であると学習されたときのライン圧制御作用を説明する。
時刻t0から時刻t1までは、高速道路へアプローチする一般道路であり、登り勾配により走行負荷が大である。このため、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS29→ステップS30→エンドへと進む流れが繰り返され、通常ライン圧制御が実施される。
時刻t1になって平坦な高速道路へ入ると、走行負荷小、かつ、走行負荷変化幅が小であり、しかも、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつかない操作派である。このため、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS27→ステップS28→エンドへと進み、通常ライン圧制御からライン圧低下制御へと切り替えられる。
従って、時刻t0から時刻t1までの一般道路走行中においては通常ライン圧PLnorであったのが、時刻t1からのライン圧低下制御によって最小ライン圧PLminに向かって低下する。このため、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつかない操作派であると学習されたとき、高速道路走行中において、図7の矢印Aに示すように、燃料消費量が低下し、その結果、燃費が向上する。
図8は、高速道路走行シーンにおいてドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるときの車速・道路種別・ドライバー運転嗜好・ライン圧・燃料消費量の各特性を示す。以下、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつき操作派であると学習されたときのライン圧制御作用を説明する。
時刻t0から時刻t1までは、高速道路へアプローチする一般道路であり、登り勾配により走行負荷が大である。このため、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS29→ステップS30→エンドへと進む流れが繰り返され、通常ライン圧制御が実施される。
時刻t1になって平坦な高速道路へ入ると、走行負荷小、かつ、走行負荷変化幅が小であるが、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつき操作派である。このため、前車を追い越せる走行状況のときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS29→ステップS30→エンドへと進む。つまり、一般道路を走行中における通常ライン圧制御が、高速道路に入っても維持される。
従って、時刻t0から時刻t1までの一般道路走行中に引き続き、高速道路走行中においても通常ライン圧PLnorが維持される。このため、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつき操作派であると学習されたとき、高速道路走行中において、図8の矢印Bに示すように、ライン圧低下制御による最小ライン圧PLminに比べて高いライン圧PLが維持される。この結果、ドライバーがバタつき操作派の場合にライン圧が不足することが抑制され、図8の車速特性Cに示すように、高速道路走行におけるドライバーの加減速走行要求を満足することができる。
なお、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるが、バタつかないアクセル/ブレーキ操作が維持される走行状況が予測されるときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS27→ステップS28→エンドへと進む。つまり、時刻t1からのライン圧低下制御によって最小ライン圧PLminに向かって低下する。このため、高速道路におけるドライバー運転嗜好がバタつき操作派であると学習されたときであっても、バタつかないアクセル/ブレーキ操作が維持される走行状況が予測されるときは、高速道路走行中において、図8の矢印Dに示すように、燃料消費量が低下し、その結果、燃費が向上する。
次に、効果を説明する。
実施例1におけるベルト式無段変速機3のライン圧制御方法及びライン圧制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 車両の駆動力伝達系に搭載される油圧伝達装置(ベルト式無段変速機3)への供給油圧の元圧であるライン圧PLを、通常ライン圧制御よりも低下させるライン圧低下制御を実施する。
この油圧伝達装置(ベルト式無段変速機3)のライン圧制御方法において、車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分し、自車に加減速が発生したとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるのかバタつかない操作派であるのかを学習する。
走行中、自車の走行シーンの区分を検出し、該当する区分におけるドライバー運転嗜好の学習結果を取得する。
ドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつかない操作派である場合はライン圧低下制御を実施し、バタつき操作派である場合はライン圧低下制御を実施しない(図6)。
このため、ドライバーがバタつき操作派の場合にライン圧不足が発生してしまうことを抑制する油圧伝達装置(ベルト式無段変速機3)のライン圧制御方法を提供することができる。
(2) ドライバー運転嗜好を学習する際、走行環境の一つである道路種別により少なくとも高速道路走行シーンと一般道路走行シーンとに区別して学習する(図5)。
このため、(1)の効果に加え、道路種別による車速ランク数だけドライバー運転嗜好が変わっても、ライン圧低下制御によりライン圧を下げる機会を増やすことができる。
(3) ドライバー運転嗜好を学習する際、学習初期設定をバタつかない操作派とし、自車に加減速が発生したとき、所定のバタつき操作派の学習条件を判断する(図3のS3以降)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、学習初期設定をバタつかない操作派とすることでライン圧を下げる機会を増やすライン圧低下制御をベースとし、自車に加減速が発生することを学習開始条件としてドライバー運転嗜好を学習することができる。
(4) バタつき操作派の学習条件は、加速の発生時、アクセル操作量が所定量以上で、かつ、アクセル操作速度が所定速度以上であるというアクセル操作条件により与え、減速の発生時、ブレーキ操作量が所定量以上で、かつ、ブレーキ操作速度が所定速度以上であるというブレーキ操作条件により与える(図3のS4)。
このため、(3)の効果に加え、バタつき操作派の学習条件にアクセル/ブレーキ操作量とアクセル/ブレーキ操作速度による2つの条件を用いることで、ドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるとき、精度良くバタつき操作派であると判定することができる。
(5) バタつき操作派判定の学習条件の成立を、同じ区分の走行シーンで所定回数連続して経験すると、ドライバー運転嗜好の学習結果を、バタつかない操作派からバタつき操作派に書き替える(図3のS4→S6→S9)。
このため、(4)の効果に加え、例えば、1度の経験で学習結果を書き替えることなく、所定回数連続して経験すると学習結果を書き替えることで、ドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるとの誤判定を防止することができる。
(6) 通常ライン圧制御の実施中、ドライバー運転嗜好の学習結果がバタつき操作派である場合、バタつかない操作が維持される走行状況であると予測されると通常ライン圧制御からライン圧低下制御へ切り替え、バタつく操作の可能性がある走行状況であると予測されると通常ライン圧制御を維持する(図6のS26→S27又はS29)。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、ドライバー運転嗜好の学習結果がバタつき操作派である場合、バタつかない操作が維持される走行状況での燃費向上と、バタつく操作の可能性がある走行状況でのライン圧不足解消との両立を図ることができる。即ち、ドライバー運転嗜好の学習結果がバタつき操作派である場合、一律に通常ライン圧制御を維持すると、バタつかない操作が維持される走行状況であってライン圧不足が発生しないとき、ライン圧低下制御を選択する機会を失ってしまう。
(7) ライン圧低下制御の実施中、直後のタイミングで自車に加速が発生すると予測されると、ライン圧低下制御から通常ライン圧制御へ切り替える(図6のS32→S29)。
このため、(1)〜(6)の効果に加え、自車の加速に備えてライン圧PLを通常ライン圧PLnorに戻しておくことで、自車に加速が発生したとき、ライン圧不足になることを防止することができる。特に、油圧伝達装置がベルト式無段変速機3の場合には、加速に伴うアップシフトにおいてプーリ油室へ供給する油量が不足することを防止できる。
(8) ライン圧低下制御の実施中、直後のタイミングで自車に減速が発生すると予測されると、ライン圧低下制御から通常ライン圧制御へ切り替える(図6のS33→S29)。
このため、(1)〜(7)の効果に加え、自車の減速に備えてライン圧PLを通常ライン圧PLnorに戻しておくことで、自車に減速が発生したとき、ライン圧不足になることを防止することができる。特に、油圧伝達装置がベルト式無段変速機3の場合には、減速に伴うダウンシフトにおいてプーリ油室へ供給する油量が不足することを防止できる。
(9) 車両は、マニュアル運転と自動運転による走行が可能な車両(ハイブリッド車両)である。
マニュアル運転及び自動運転による走行中、ドライバー運転嗜好の学習結果を用い、通常ライン圧制御とライン圧低下制御との間で切り替えるライン圧切り替え制御を実行する(図6)。
このため、(1)〜(8)の効果に加え、マニュアル運転による走行中に限らず、自動運転による走行中におけるドライバーの運転介入時にもドライバーに違和感を与えることなく対応できる上に、燃費も向上させることができる。
(10) 車両の駆動力伝達系に搭載される油圧伝達装置(ベルト式無段変速機3)への供給油圧の元圧であるライン圧PLを、通常ライン圧制御よりも低下させるライン圧低下制御を実施するコントローラ(車両制御装置10)を備える。
この油圧伝達装置(ベルト式無段変速機3)のライン圧制御装置において、コントローラ(車両制御装置10)は、ドライバー運転嗜好学習制御部11と、ライン圧切り替え制御部12と、を有する。
ドライバー運転嗜好学習制御部11は、車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分し、自車に加減速が発生したとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるのかバタつかない操作派であるのかを学習する。
ライン圧切り替え制御部12は、走行中、自車の走行シーンの区分を検出し、該当する区分におけるドライバー運転嗜好の学習結果を取得し、ドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつかない操作派である場合はライン圧低下制御を実施し、バタつき操作派である場合はライン圧低下制御を実施しない(図1)。
このため、ドライバーがバタつき操作派の場合にライン圧不足が発生してしまうことを抑制する油圧伝達装置(ベルト式無段変速機3)のライン圧制御装置を提供することができる。
以上、本開示の油圧伝達装置のライン圧制御方法及びライン圧制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ドライバー運転嗜好学習制御部11として、バタつき操作派の学習条件を、加速の発生時、アクセル操作量が所定量以上で、かつ、アクセル操作速度が所定速度以上であるというアクセル操作条件により与える。減速の発生時、ブレーキ操作量が所定量以上で、かつ、ブレーキ操作速度が所定速度以上であるというブレーキ操作条件により与える例を示した。しかし、ドライバー運転嗜好学習制御部としては、バタつき操作派の学習条件を、アクセル操作条件やブレーキ操作条件に代え、加速の発生時、前後Gセンサからの加速G条件により与え、減速の発生時、前後Gセンサからの減速G条件により与える例であっても良い。この場合、加速G判定値と減速G判定値は、加減速の発生を判断する前後G閾値よりも大きな判定値に設定する。
実施例1では、ドライバー運転嗜好学習制御部11として、バタつき操作派の学習条件の成立を、同じ区分の走行シーンで所定回数連続して経験すると、ドライバー運転嗜好の学習結果を、バタつかない操作派からバタつき操作派に書き替える。そして、学習結果がバタつき操作派であるとき、バタつき操作派判定の学習条件が不成立であると、バタつかない操作派に書き替える例を示した。しかし、ドライバー運転嗜好学習制御部としては、学習結果がバタつき操作派であるとき、バタつき操作派判定の学習条件が不成立であることを、所定回連続して経験すると、バタつかない操作派に書き替える例であっても良い。
実施例1では、ライン圧切り替え制御部12として、ライン圧低下制御の実施中、通常ライン圧制御へ切り替える解除条件として、予測される走行負荷が大のとき、予測される走行負荷変化幅が大のとき、直後に加減速が予測されるときの例を示した。しかし、ライン圧切り替え制御部としては、ライン圧低下制御の実施中、通常ライン圧制御へ切り替える解除条件として、実駆動力が大のとき、実駆動力変化幅が大のとき、等の条件を付加する例であっても良い。
実施例1では、オイルポンプとして、エンジン1により駆動されるCVTオイルポンプ50を用いる例を示した。しかし、オイルポンプとしては、電動オイルポンプを用いても良く、電動オイルポンプの場合、ライン圧低下制御の実施中は、モータ制御により吐出圧をコントロールすることでライン圧を低下させる。
実施例1では、本開示の油圧伝達装置のライン圧制御方法及びライン圧制御装置を、駆動力伝達系にベルト式無段変速機を搭載した自動運転機能付きハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本開示のライン圧制御方法及びライン圧制御装置は、油圧伝達装置としてベルト式無段変速機を搭載した車両に限らず、油圧伝達装置として油圧式の発進クラッチを搭載した車両に対しても適用することができる。さらに、油圧伝達装置として有段階の変速段を油圧制御により切り替える自動変速機を搭載した車両に対しても適用することができる。車両としては、自動運転機能付きハイブリッド車両に限らず、自動運転機能付きエンジン車両や自動運転機能付き電動車両や自動運転機能を持たないハイブリッド車両やエンジン車両や電動車両等に対しても適用できる。
1 エンジン
2 駆動モータ
3 ベルト式無段変速機(油圧伝達装置)
101 プラマリプーリ
102 セカンダリプーリ
103 ベルト
104 前後進切替機構
4 駆動輪
10 車両制御装置
11 ドライバー運転嗜好学習制御部
12 ライン圧切り替え制御部
20 インバータ
30 バッテリ
40 油圧制御回路
41 ライン圧制御バルブ
42 プライマリプーリ圧制御バルブ
43 セカンダリプーリ圧制御バルブ
44 クラッチ圧制御バルブ
50 CVTオイルポンプ
60 センサ群
70 ナビゲーション装置
80 データセンタ

Claims (10)

  1. 車両の駆動力伝達系に搭載される油圧伝達装置への供給油圧の元圧であるライン圧を、通常ライン圧制御よりも低下させるライン圧低下制御を実施する油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分し、自車に加減速が発生したとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるのかバタつかない操作派であるのかを学習し、
    走行中、自車の走行シーンの区分を検出し、該当する区分におけるドライバー運転嗜好の学習結果を取得し、
    前記ドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつかない操作派である場合は前記ライン圧低下制御を実施し、バタつき操作派である場合は前記ライン圧低下制御を実施しない
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  2. 請求項1に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記ドライバー運転嗜好を学習する際、走行環境の一つである道路種別により少なくとも高速道路走行シーンと一般道路走行シーンとに区別して学習する
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記ドライバー運転嗜好を学習する際、学習初期設定をバタつかない操作派とし、自車に加減速が発生したとき、所定のバタつき操作派の学習条件を判断する
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  4. 請求項3に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記バタつき操作派の学習条件は、加速の発生時、アクセル操作量が所定量以上で、かつ、アクセル操作速度が所定速度以上であるというアクセル操作条件により与え、減速の発生時、ブレーキ操作量が所定量以上で、かつ、ブレーキ操作速度が所定速度以上であるというブレーキ操作条件により与える
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  5. 請求項4に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記バタつき操作派の学習条件の成立を、同じ区分の走行シーンで所定回数連続して経験すると、ドライバー運転嗜好の学習結果を、前記バタつかない操作派から前記バタつき操作派に書き替える
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記通常ライン圧制御の実施中、前記ドライバー運転嗜好の学習結果がバタつき操作派である場合、バタつかない操作が維持される走行状況であると予測されると前記通常ライン圧制御から前記ライン圧低下制御へ切り替え、バタつく操作の可能性がある走行状況であると予測されると前記通常ライン圧制御を維持する
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記ライン圧低下制御の実施中、直後のタイミングで自車に加速が発生すると予測されると、前記ライン圧低下制御から前記通常ライン圧制御へ切り替える
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記ライン圧低下制御の実施中、直後のタイミングで自車に減速が発生すると予測されると、前記ライン圧低下制御から前記通常ライン圧制御へ切り替える
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  9. 請求項1から8までの何れか一項に記載された油圧伝達装置のライン圧制御方法において、
    前記車両は、マニュアル運転と自動運転による走行が可能な車両であり、
    前記マニュアル運転及び前記自動運転による走行中、ドライバー運転嗜好の学習結果を用い、前記通常ライン圧制御と前記ライン圧低下制御との間で切り替えるライン圧切り替え制御を実行する
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御方法。
  10. 車両の駆動力伝達系に搭載される油圧伝達装置への供給油圧の元圧であるライン圧を、通常ライン圧制御よりも低下させるライン圧低下制御を実施するコントローラを備える油圧伝達装置のライン圧制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分し、自車に加減速が発生したとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好がバタつき操作派であるのかバタつかない操作派であるのかを学習するドライバー運転嗜好学習制御部と、
    走行中、自車の走行シーンの区分を検出し、該当する区分におけるドライバー運転嗜好の学習結果を取得し、前記ドライバー運転嗜好の学習結果が、バタつかない操作派である場合は前記ライン圧低下制御を実施し、バタつき操作派である場合は前記ライン圧低下制御を実施しないライン圧切り替え制御部と、
    を有する
    ことを特徴とする油圧伝達装置のライン圧制御装置。
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