JP2019065340A - ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 - Google Patents

ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硫酸等の使用量を大幅に増やさずに、ニッケルの回収率を増やす。【解決手段】高圧酸浸出法を用いてニッケル酸化鉱石からニッケルを浸出処理して回収する湿式製錬方法であって、ニッケル酸化鉱石をスラリー化する鉱石スラリー化工程S1と、該鉱石スラリーを粗粒部と細粒部に分離し、該細粒部を浸出処理に供給する第1分離工程S21と、該粗粒部をスパイラルコンセントレータで重比重部と軽比重部に分離し、該重比重部を浸出処理に供給する第2分離工程S22と、該軽比重部を所定の範囲の大きさの目開きが設けられる振動篩によって篩上と篩下に分離し、該篩下の鉱石スラリーを浸出処理に供給する振動篩工程S23と、篩上で回収された高マグネシウム含有粒子を粉砕する粉砕工程S9と、を有し、粉砕工程で粉砕された高マグネシウム含有粒子を浸出処理で排出される硫酸酸性の浸出スラリーに添加する。【選択図】図1

Description

本発明は、硫酸を用いた高圧酸浸出法によるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関する。
近年、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法として、硫酸を用いた高圧酸浸出法(High Pressure Acid Leach)が注目されている。この方法は、例えば、特許文献1に記載されているように、ニッケル酸化鉱石のスラリーを高温高圧の硫酸に浸して浸出液と浸出残渣からなる浸出スラリーを得る浸出工程、浸出残渣に付着した浸出液を分離する固液分離工程、浸出液を中和する中和工程、中和した浸出液に硫化水素ガスを吹き込んでニッケル硫化物を生成し貧液を分離する硫化工程、貧液を中和する貧液中和工程等からなる。また、この方法は、ニッケル酸化鉱石からニッケル品位50質量%程度のニッケル硫化物を湿式処理のみで得ることができ、還元及び乾燥工程等の乾式処理に頼らずにすむので、エネルギー的及びコスト的に有利である。
浸出工程では、回収対象であるニッケル以外にも、鉄、マグネシウム、マンガン、アルミニウム等の不純物元素も硫酸によって浸出されるために、処理には過剰の硫酸が必要であった。硫酸の使用量を低減するために、例えば、特許文献2では、ニッケル酸化鉱石のスラリーから低ニッケル含有粒子を除去してから浸出工程に供給する方法について開示されている。
特開2013−256691号公報 特開2016−156063号公報
しかしながら、低ニッケル含有粒子にも微量ながらもニッケルを含有しているので、当該低ニッケル含有粒子を除去すると、採掘・搬送したニッケルの全量を生かせないことになる。すなわち、浸出工程で使用する硫酸の使用量を低減させるために行うニッケル酸化鉱石の鉱石スラリーの前処理を施す際に、除去された低ニッケル含有粒子を破棄せずに、当該低ニッケル含有粒子に微量に含まれるニッケルを有効活用してニッケルの回収率を更に向上させることが好ましい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、浸出工程で使用する硫酸等の使用量を大幅に増やさずに、ニッケルの回収率を更に向上させることの可能な、新規かつ改良されたニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、高圧酸浸出法を用いてニッケル酸化鉱石からニッケルを浸出処理して回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法であって、前記ニッケル酸化鉱石をスラリー化する鉱石スラリー化工程と、前記鉱石スラリー化工程を経て得られた鉱石スラリーを粒径45μm未満の粒子の割合が30質量%以下である粗粒部と、粒径45μm未満の粒子の割合が前記粗粒部よりも高い細粒部に分離し、該細粒部を前記浸出処理に供給する第1分離工程と、前記第1分離工程にて分離した前記粗粒部をスパイラルコンセントレータで重比重部と軽比重部に分離し、該重比重部を前記浸出処理に供給する第2分離工程と、前記第2分離工程にて分離した前記軽比重部を所定の範囲の大きさの目開きが設けられる振動篩によって篩上と篩下に分離し、該篩下の鉱石スラリーを前記浸出処理に供給する振動篩工程と、前記篩上で回収された高マグネシウム含有粒子を粉砕する粉砕工程と、を有し、前記粉砕工程で粉砕された前記高マグネシウム含有粒子を前記浸出処理で排出される硫酸酸性の浸出スラリーに添加することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前処理で分別された高マグネシウム含有粒子を粉砕して得られた粉砕粒子を浸出スラリーに添加することによって、浸出スラリーに残留した硫酸で高マグネシウム含有粒子に含まれるニッケルの浸出を追加的に行えるので、この追加的な浸出によって残留硫酸が中和されて中和剤の使用量を抑制しながら、硫酸の使用量を抑制した上で、ニッケルの回収量を更に増加できる。
このとき、本発明の一態様では、前記第1分離工程では、ハイドロサイクロン、デンシティセパレータの少なくとも1つを1〜3段使用することにより、前記鉱石スラリーを前記粗粒部と前記細粒部に分離して、該細粒部を前記浸出処理に供給することとしてもよい。
このようにすれば、鉱石スラリーを粒度に応じてアンダーフローとオーバーフローに精度よく分離できるようになる。
また、本発明の一態様では、前記第1分離工程は、前記鉱石スラリーを前記ハイドロサイクロンに供給して分級分離する分級分離工程と、前記分級分離工程において前記ハイドロサイクロンにより分級されたアンダーフローを前記デンシティセパレータに供給して比重分離する比重分離工程と、を有することとしてもよい。
このようにすれば、多量に鉱石スラリーを処理する前段側で分級分離をしてから、鉱石スラリーの処理量が前段側より減少した後段側で比重分離を行うので、効率的に鉱石スラリーを粗粒部と細粒部に分離できる。
また、本発明の一態様では、前記振動篩の前記目開きが300μm以上500μm以下であることとしてもよい。
このようにすれば、篩上への低マグネシウム含有粒子の残留や、篩下への高マグネシウム含有粒子の混入の増加を抑制できるので、ニッケルの回収率を更に向上させながら、硫酸や中和剤の使用量を抑制できる。
以上説明したように本発明によれば、浸出工程の硫酸使用量を増加させずに、ニッケルの回収量を更に増加させることができる。
本発明の一実施形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法のフローの一例を示す工程図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法のフローについて、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法のフローの一例を示す工程図である。
本発明の一実施形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、高圧酸浸出法(HPAL法)を用いて、ニッケル酸化鉱石からニッケルを浸出させて回収する製錬プロセスである。本発明の一実施形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、図1に示すように、鉱石スラリー化工程S1と、分別工程S2と、鉱石スラリー濃縮工程S3と、浸出工程S4と、固液分離工程S5と、中和工程S6と、硫化工程S7と、最終中和工程S8と、及び粉砕工程S9とを有する。
本実施形態では、鉱石スラリーに対する硫酸による浸出処理を施す前に、スラリー化した鉱石に含まれる高マグネシウム含有粒子を分別する分別工程S2を有すること、及び当該分別工程S2によって分別された高マグネシウム含有粒子を粉砕工程S9で粉砕して、当該粉砕工程S9で得られた粉砕粒子を浸出スラリーに添加することを特徴とする。以下、本発明の一実施形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の各工程について、詳細に説明する。
(1)鉱石スラリー化工程
鉱石スラリー化工程S1は、ニッケル酸化鉱石をスラリー化する。具体的には、本実施形態の鉱石スラリー化工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に対して、所定の分級点で分級してオーバーサイズの鉱石粒子を除去した後に、アンダーサイズの鉱石粒子に水を添加して鉱石スラリーとする。
ここで、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石は、ニッケルやコバルトを含有する鉱石であり、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が用いられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、一般的には0.8質量%〜2.5質量%であり、ニッケルは、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10質量%〜50質量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄がケイ苦土鉱物に含有される。また、このようなラテライト鉱の他に、ニッケル、コバルト、マンガン、銅等の有価金属を含有する酸化鉱石、例えば、深海底に賦存するマンガン瘤等が用いられる。
ニッケル酸化鉱石の分級方法については、所望の粒径に基づいて鉱石を分級できるものであれば特に限定されず、例えば、一般的なグリズリーや振動篩等を用いた篩分けによって行うことができる。また、その分級点についても特に限定されず、鉱石品種に応じて処理速度等で判断して調節することができる。例えば、45μm未満の粒径を有する粒子が固形分中の30質量%以下を占める分級点となるように調節すると、短時間で低ニッケル含有粒子を精度よく分離できる。
(2)分別工程
分別工程S2では、鉱石スラリー化工程S1で生成された鉱石スラリーに対して浸出処理を施すに先立ち、当該鉱石スラリーに前処理を施す。本実施形態では、分別工程S2では、鉱石スラリー化工程S1を経て得られた鉱石スラリーに前処理を施して当該鉱石スラリーから高マグネシウム含有粒子を分別する。
本実施形態では、分別工程S2は、第1分離工程S21と、第2分離工程S22と、振動篩工程S23とを有する。第1分離工程S21は、鉱石スラリー化工程S1を経て得られた鉱石スラリーを45μm未満の粒径を有する粒子が固形分中の30質量%以下である粗粒部と粒径45μm未満の粒子の割合が粗粒部よりも高い細粒部に分離して、その細粒部を浸出工程S4における浸出処理に供給する。第2分離工程S22は、第1分離工程S21にて分離した粗粒部をスパイラルコンセントレータで重比重部と軽比重部に分離し、当該重比重部を浸出処理に供給する。振動篩工程S23は、第2分離工程S22にて分離した粗粒部を振動篩によって篩上と篩下に分離し、その篩下の鉱石スラリーを浸出工程S4における浸出処理に供給する。
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスでは、浸出工程S4の浸出処理にて使用する硫酸量は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる金属元素でニッケルやコバルト以外の鉄、マグネシウム、マンガン、アルミニウム等の元素の存在により増加することが知られている。このような金属元素は、主に脈石成分として、浸出処理に供するニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に混入している。かかる脈石成分は、鉱石スラリー中における粗粒の粒子、例えば、粒径45μm以上の粗粒の粒子であるので分離しておく。これにより浸出工程S4の浸出処理にて使用する硫酸を節約できる。そして、本発明者らは、この粗粒の粒子を粉砕して、浸出工程S4から排出される浸出スラリーに添加することで、当該粗粒の粒子に含まれるニッケルを回収できることを見出した。
また、脈石成分のうちマグネシウム分は、硫酸消費が大きい。そこで、本発明者らは、マグネシウム分が軽比重粒子として存在していることに着目し、マグネシウム分を主眼に置いた分離方法を開発した。具体的には、この軽比重粒子を分離することによって、ニッケル分の大半を浸出工程S4に送りながらも、硫酸が節約できることを見出した。本実施形態では、この軽比重粒子を粉砕して、浸出工程S4から排出される浸出スラリーに添加することで、当該軽比重粒子に含まれるニッケルも回収可能としている。その際に、軽比重粒子に含まれるニッケルによって、未反応の硫酸を中和できる。さらに、それに加えて、軽比重粒子に含まれるマグネシウムによって、未反応の硫酸を効率よく中和できる。
このため、本実施形態では、浸出工程S4における浸出処理に供する鉱石スラリーから高マグネシウム含有粒子の粗粒の鉱石を多めに分離して、その粗粒の鉱石から軽比重粒子を更に分離した上で、振動篩によってその軽比重粒子から粗粒の鉱石を厳選して分離する前処理を施す。そして、この軽比重粒子を粉砕して、浸出工程S4から排出される浸出スラリーに添加する。以下、分別工程S2の各工程について説明する。
第1分離工程S21では、ニッケル酸化鉱石の鉱石スラリーを45μm未満の粒径を有する粒子が固形分中の30質量%以下である「粗粒部」と、粒径45μm未満の粒子の割合が粗粒部よりも高い「細粒部」とに分離する。分離して得られた細粒部は、鉱石スラリー化工程S1で得られた鉱石スラリーから粒径45μm未満の粒子を取り出したものであり、粒径45μm未満の粒子の占める割合は、鉱石スラリー化工程S1で得られた鉱石スラリーよりも高く、例えば、65質量%以上、好ましくは、89質量%以上である。この細粒部は、そのまま、浸出処理に供給する鉱石スラリーとして使用できる。第1分離工程S21では、分級分離設備、又は比重分離設備を使用して、鉱石スラリー中の粒径45μm未満の粒子の割合が30質量%以下である粗粒部と、粒径45μm未満の粒子の割合が粗粒部よりも高い細粒部に分離することができる。
より具体的には、第1分離工程S21における分離処理は、ハイドロサイクロン、デンシティセパレータの少なくとも1つを1〜3段使用して行う。このようなハイドロサイクロンやデンシティセパレータを用いた分離処理では、その鉱石スラリーを粒度によってアンダーフローとオーバーフローとに精度良く分離することができるため好ましい。
特に、この分離処理においては、先ず、鉱石スラリーをハイドロサイクロンに供給して分級分離し(この処理工程を「分級分離工程」ともいう。)、次に、その分級分離工程にてハイドロサイクロンにより分級されたアンダーフローをデンシティセパレータに供給して比重分離する(この処理工程を「比重分離工程」ともいう。)ことがより好ましい。
その理由としては、湿式製錬方法にて処理するニッケル酸化鉱石(鉱石スラリー)は、大量であり、また、その鉱石スラリーの粒子は、例えば、その粒子の80質量%〜95質量%の割合が粒径45μm未満と細かいからである。このため、第1分離工程S21においては、最初に大量の鉱石スラリーの処理に適し、かつ、細粒部からなるオーバーフローへの分配が多い場合の処理に適するハイドロサイクロンによる分級分離処理を施すことが好ましい。そして、続いて処理すべき量が大きく減少した鉱石スラリーを処理量が比較的少なく、アンダーフローとオーバーフローとへの分配の割合がほぼ同じ場合の処理に適するデンシティセパレータによる比重分離処理を施すことが好ましい。
このように、第1分離工程S21において、ハイドロサイクロンによる分級分離処理と、デンシティセパレータによる比重分離処理とによる分離処理を施すことによって、鉱石スラリー中の脈石成分を含む粗粒の粒子、すなわち、低ニッケル含有粒子を効率的に分離することができる。
ここで、第1分離工程S21で得る粗粒部は、固形分として粒径が45μm未満である粒子を含有し、粒径が45μm未満である粒子の割合は、固形分の30質量%以下とする。30質量%を超えると、後述する第2分離工程S22に供給されたときにスパイラルコンセントレータでの分離性が悪化し、比重分離して得られる軽比重部の中に粒径45μm未満の粒子が多く残存することになる。すると、さらに次の工程である振動篩工程S23において、残存した粒径45μm未満の粒子が粗粒に付着してしまい、その粗粒と共に、振動篩の篩上に移行して除去されてしまう。
一方で、振動篩に供給する鉱石中で粒径45μm未満の粒子の割合が小さいほど、第1分離工程S21において粗粒部を分離させた細粒部に粗粒の高マグネシウム含有粒子が混じり易い。例えば、粒径45μm未満の粒子の割合が10質量%では、細粒部に粗粒の高マグネシウム含有粒子が僅かに混じることがある。一方、30質量%では、細粒部に粗粒の高マグネシウム含有粒子が殆ど見られない。このため、本実施形態では、第1分離工程S21における閾値を鉱石スラリーの粗粒部で45μm未満の粒径を有する粒子が固形分中に10質量%以上ある場合でも、30質量%以下に抑えるようにしている。
第2分離工程S22では、第1分離工程S21にて分離した鉱石スラリー中の粒径45μm未満の粒子の割合が30質量%以下である粗粒部をスパイラルコンセントレータに供給して、粗粒部の固形分と比較して比重が大きい重比重粒子(「重比重部」ともいう。)と比重が小さい軽比重粒子(「軽比重部」ともいう。)とに分離する。分離して得られた重比重部は、浸出処理に供給する鉱石スラリーとなる。
具体的に、この第2分離工程S22では、脈石の中から、含有するニッケルが浸出され易い部分を選択的に分別するために、この部分の比重が小さいことを利用して、スパイラルコンセントレータによる比重分離を行う。スパイラルコンセントレータでは、重比重部を回収するための出口幅が軽比重部を回収するための出口幅の3倍〜12倍とすることで、マグネシウムを軽比重部側に選択的に濃縮することができる。その際の比重は、重比重部で4.0〜5.0、軽比重部で2.7〜3.7の範囲となっている。
第2分離工程S22で得た重比重部と軽比重部とを比較すると、重比重部は、ニッケルが少ない。軽比重部は、幾つかの工程を経た上で浸出工程S4ではなく、浸出工程S4から排出される浸出スラリーに添加することで、マグネシウムによる浸出工程S4での酸の消費を抑制し、軽比重部に含まれているニッケルを回収することができる。
振動篩工程S23では、第2分離工程S22で得た軽比重部の鉱石スラリーが振動篩を用いて篩上と篩下に分別される。振動篩工程S23で篩下に振り分けられた鉱石スラリー(篩下)は、浸出工程S4における浸出処理に供給され、篩上に振り分けられた篩目より大きな粒子(篩上)は、その後、粉砕工程S9における粉砕処理に供給され、当該粉砕処理で得られた粉砕粒子を浸出工程S4から排出される硫酸酸性の浸出スラリーに添加して、残留硫酸によりニッケルを液中に浸出回収する。
振動篩処理に用いる振動篩の目開きとしては、特に限定されないが、300μm〜500μm程度とすることが望ましい。振動篩の目開きが300μm未満であると、篩上に残留する鉱石粒の割合が増加し、この鉱石粒に付着して低マグネシウム含有率の微細粒が篩上に多く残留してしまう可能性がある。一方で、振動篩の目開きが500μmを超えると、篩下に高マグネシウム含有粒子となる鉱石粒が混入してしまうことがある。このため、本実施形態では、振動篩の目開きが300μm以上500μm以下となるように構成することによって、篩上への低マグネシウム含有粒子の残留や、篩下への高マグネシウム含有粒子の混入の増加を抑制できるので、ニッケルの回収率が更に向上するようになる。
このように、本実施形態では、振動篩による処理を施すことで、高マグネシウム含有粒子の鉱石粒を効率的に分離すると共に、当該鉱石粒を脱水することができる。この鉱石粒は、篩目より大きいので、粉砕に処することで反応効率を短時間で一気に向上できる。また、この鉱石粒は、脱水されているので、粉砕工程S9では、乾式ミルを使うことができる。なお、乾式ミルの代わりに、水を添加して湿式ミルを使うこともできる。
このように、本実施形態に係る分別工程S2は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の浸出処理に供給する鉱石スラリーに対して、第1分離工程S21、第2分離工程S22、及び振動篩工程S23の3工程を有する。このため、振動篩工程S23を経て得られた振動篩の篩上において、鉄、マグネシウム、マンガン、アルミニウム等の脈石成分を効率的に分離することができる。特に、浸出対象となる鉱石スラリーから高マグネシウム含有粒子を分別することによって、ニッケルの浸出に必要な硫酸がマグネシウム等により消費されなくなるので、浸出工程S4において使用される硫酸使用量を確実に低減できる。
また、硫酸は、消費が低減されて濃度が高く維持できるので、浸出工程S4では、低マグネシウム含有粒子を速やかに浸出して回収することができる。また、本実施形態では、振動篩で篩上に分別された高マグネシウム含有粒子を粉砕工程S9で粉砕処理して浸出スラリーに添加するので、高マグネシウム含有粒子に含まれる微量のニッケルも回収できることとなり、ニッケルの回収率が更に向上する。
分別工程S2では、第1分離工程S21と、第2分離工程S22と、振動篩工程S23とを任意の順番で配置することができる。第1分離工程S21を第2分離工程S22より先に行うことがよく、これによって第2分離工程S22に送る粗粒部の量を鉱石スラリー化工程S1から来る鉱石スラリーの量よりも減らすことができる。特に、第1分離工程S21では、ハイドロサイクロンのような処理能力に優れた装置を用いると、第2分離工程S22の設備費用を抑えつつ、第1分離工程S21の設備費用を抑えることが可能となる。また、第2分離工程S22は、振動篩工程S23より先に行うことがよく、これによって振動篩工程S23で処理する鉱石量が減少して、振動篩への負担が小さくなり、当該振動篩が詰まりにくくなる。
(3)鉱石スラリー濃縮工程
鉱石スラリー濃縮工程S3では、前述した分別工程S2における第1分離工程S21にて分離した細粒部を含む鉱石スラリーと、第2分離工程S22にて分離した重比重部の鉱石スラリーと、振動篩工程S23にて分離した篩下の鉱石粒子を含む鉱石スラリーとを固液分離装置に装入し、その鉱石スラリー中に含まれる水分を分離除去して鉱石成分を濃縮し、濃縮された鉱石スラリーを得る。この濃縮された鉱石スラリーが浸出工程S4における浸出処理に供される鉱石スラリーとなる。
具体的には、鉱石スラリー濃縮工程S3では、例えば、シックナー等の固液分離装置にそれぞれの鉱石スラリーを装入し、固形成分を沈降させて装置の下部から取り出し、一方で上澄みとなった水分を装置の上部からオーバーフローさせる固液分離を行う。この固液分離処理により、鉱石スラリー中の水分を低減させ、スラリー中の鉱石成分を濃縮させることによって、例えば固形分濃度として40質量%程度の鉱石スラリーを得る。第1分離工程S21で分離した細粒部と、第2分離工程S22で分離した重比重部と、振動篩工程S23で分離した篩下の鉱石粒子は、予め混合した上で固液分離装置に装入することができるが、他の方法として、それぞれに専用の固液分離装置を用意して、そこに装入したり、同一の固液分離装置に時間差を設けて装入したりしてもよい。
なお、以上のように、鉱石スラリー化工程S1と、第1分離工程S21、第2分離工程S22、及び振動篩工程S23を含む分別工程S2と、鉱石スラリー濃縮工程S3とを経ることによって、後述する浸出工程S4における浸出処理に供する鉱石スラリーを製造することができ、これらの工程を含む方法を鉱石スラリーの製造方法として定義することができる。
(4)浸出工程
浸出工程S4では、製造した鉱石スラリーに対して、例えば、オートクレーブ等の圧力容器や保温容器を使用して、高圧酸浸出法を用いた浸出処理を施す。具体的には、原料となるニッケル酸化鉱石を含有する鉱石スラリーに硫酸を添加し、220℃〜280℃の高い温度条件下で加圧しながら鉱石スラリーを攪拌し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを生成させる。すなわち、浸出工程S4では、製造された鉱石スラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施す。
浸出工程S4における浸出処理では、下記式(i)〜(iii)で表される浸出反応と下記式(iv)及び(v)で表される高温熱加水分解反応が生じ、ニッケルやコバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。
・浸出反応
a/2O+HSO→Ma/2SO+HO ・・・(i)
(なお、式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表し、aは、価数を表す)
2Fe(OH)+3HSO→Fe(SO+6HO ・・・(ii)
FeO+HSO→FeSO+HO ・・・(iii)
・高温熱加水分解反応
2FeSO+HSO+1/2O→Fe(SO+HO ・・・(iv)
Fe(SO+3HO→Fe+3HSO ・・・(v)
ニッケル酸化鉱石には、ニッケルやコバルト以外にも、鉄、マグネシウム、マンガン、アルミニウム等の不純物も含まれ、これら不純物も硫酸により浸出され、浸出に伴い硫酸を消費する。このため、ニッケルやコバルトの浸出で消費される硫酸に加えて、不純物の浸出で消費される硫酸も必要となる。不純物による硫酸の消費に関して、本実施形態では、浸出工程S4における浸出処理に供する鉱石スラリーに対して、前述した分別工程S2において特定の前処理を施しているので、その鉱石スラリーに含まれるマグネシウム等の不純物濃度を低減させることができる。このため、浸出工程S4におけるマグネシウム等の不純物となる脈石成分による硫酸の消費が抑制されるので、ニッケル等の実収率の低下をより効果的に抑制しながら、浸出処理に用いる硫酸添加量を効果的に低減させることができる。
また、ニッケル酸化鉱石におけるニッケル品位やコバルト品位は、例えば、Niを約1質量%、Coを約0.1質量%含有した乾燥鉱石が流通していることから分かるように低いため、反応速度が遅い。このため、反応速度を高めるために、不純物量を加味した当量を超えて硫酸を添加して高濃度で浸出反応を行う。ここで、本実施形態では、浸出工程S4における浸出処理に供する鉱石スラリーに対して、前述した分別工程S2において特定の前処理を施しているので、その鉱石スラリーに含まれるニッケル濃度を向上させることができる。高濃度の硫酸と高濃度のニッケルを反応させることによって、反応速度が相乗的に向上する。そのため、同じ硫酸添加量では、短時間にニッケルを浸出することができ、同じ量のニッケルを浸出するのに、硫酸添加量を少なく抑えることができる。
さらに、浸出工程S4において未反応で残った硫酸は、分別工程S2で取り分けた高マグネシウム含有粒子の浸出に用いることで有効利用することができる。その際に、分別工程S2で取り分けた高マグネシウム含有粒子の浸出に用いることを見越して浸出工程S4の硫酸添加量を多くして、浸出工程S4を短時間で行うこともできる。分別工程S2で取り分けた高マグネシウム含有粒子は、浸出工程S4において未反応で残った硫酸を含有する浸出スラリーに混合する前に、後述する粉砕工程S9で処理しておくことによって、反応性を高めて効力を高めることができる。
分別工程S2で取り分けた高マグネシウム含有粒子は、マグネシウム等を浸出されることによって未反応の硫酸を消費するので、浸出スラリーの酸性が弱まり、後述する中和工程S6で浸出液の中和に用いる中和剤や最終中和工程S8で浸出残渣の中和に用いる中和剤を節約することができる。換言すると、分別工程S2で取り分けた高マグネシウム含有粒子は、ニッケル源かつ中和剤として活用できる。
(5)固液分離工程
固液分離工程S5では、浸出工程S4を経て得られた浸出スラリーを多段で洗浄しながら、ニッケル及びコバルトと共に不純物元素を含む浸出液と、浸出残渣とを分離する。本実施形態の固液分離工程S5では、例えば、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、シックナー等の固液分離設備により固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。これにより、浸出残渣に付着するニッケル分をその希釈の度合いに応じて減少させることができる。なお、固液分離処理においては、例えば、アニオン系の凝集剤を添加して行うようにしてもよい。
また、固液分離工程S5では、浸出スラリーを多段洗浄しながら固液分離をすることが好ましい。多段洗浄方法としては、例えば、浸出スラリーに対して洗浄液を向流に接触させる連続向流洗浄法を用いることができる。これにより、系内に新たに導入する洗浄液を削減できると共に、ニッケル及びコバルトの回収率を95%以上に向上させることができる。固液分離工程S5で使用する洗浄液(洗浄水)としては、特に限定されないが、ニッケルを含まず、工程に影響を及ぼさないものを用いることが好ましい。例えば、洗浄液として、好ましくは、後工程の硫化工程S7で得られる貧液を繰り返して利用することができる。
さらに、本実施形態では、固液分離工程S5は、粉砕工程S9で高マグネシウム含有粒子を粉砕して得られた粉砕粒子を浸出スラリーに添加してから多段洗浄することを特徴とする。すなわち、本実施形態では、固液分離工程S5は、振動篩工程S23において振動篩で篩上に分別された高マグネシウム含有粒子を粉砕工程S9で粉砕処理して浸出スラリーに添加したものを多段洗浄しながら固液分離することによって、高マグネシウム含有粒子に含まれる微量のニッケルも回収できるので、ニッケルの回収率が更に向上する。
(6)中和工程
中和工程S6では、固液分離工程S5にて分離された浸出液のpHを調整して、不純物元素を含む中和澱物を分離して、ニッケルやコバルトを含む中和終液を得る。具体的には、中和工程S6では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、得られる中和終液のpHが4以下、好ましくは3.0〜3.5、より好ましくは3.1〜3.2になるように、その浸出液に炭酸カルシウム等の中和剤を添加して、中和終液と不純物元素として3価の鉄やアルミニウム等を含む中和澱物とを生成させる。中和工程S6では、このようにして不純物を中和澱物として除去し、ニッケル回収用の母液となる中和終液を生成させる。
(7)硫化工程
硫化工程S7では、ニッケル回収用の母液である中和終液に対して、硫化水素ガス等の硫化剤を吹き込んで硫化反応を生じさせて、ニッケル(及びコバルト)を含む硫化物(以下、単に「ニッケル硫化物」ともいう)と貧液とを生成させる。ニッケル回収用の母液である中和終液は、浸出液から中和工程S6を経て不純物成分が低減された硫酸溶液である。なお、このニッケル回収用母液には、不純物成分として鉄、マグネシウム、マンガン等が数g/L程度含まれている可能性があるが、これら不純物成分は、硫化物としての安定性が低く(回収するニッケル及びコバルトに対して)、生成するニッケル硫化物に含有されることはない。
硫化工程S7における硫化処理は、ニッケル回収設備にて実行される。ニッケル回収設備は、例えば、母液である中和終液に対して硫化水素ガス等を吹き込んで硫化反応を行う硫化反応槽と、硫化反応後液からニッケル硫化物を分離回収する固液分離槽とを備える。固液分離槽は、例えば、シックナー等によって構成され、ニッケル硫化物を含んだ硫化反応後のスラリーに対して沈降分離処理を施すことで、沈殿物であるニッケル硫化物をシックナーの底部より分離回収する。一方、水溶液成分は、オーバーフローさせて貧液として回収する。なお、回収した貧液は、ニッケル等の有価金属濃度の極めて低い溶液であり、硫化されずに残留した鉄、マグネシウム、マンガン等の不純物元素を含む。この貧液は、後述する最終中和工程S8に移送されて無害化処理される。
(8)最終中和工程
最終中和工程S8では、硫化工程S7にて排出された鉄、マグネシウム、マンガン等の不純物元素を含む貧液に対して、排出基準を満たす所定のpH範囲に調整する中和処理による無害化処理を施す。この最終中和工程S8では、固液分離工程S5における固液分離処理から排出された浸出残渣も併せて処理することもできる。
最終中和工程S8における無害化処理の方法、すなわち、pHの調整方法としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム(石灰石)スラリーや水酸化カルシウム(消石灰)スラリー等の中和剤を添加することによって所定の範囲に調整することができる。
最終中和工程S8における最終中和処理では、石灰石を中和剤として用いた第1段階の中和処理(第1最終中和工程S81)と、消石灰を中和剤として用いた第2段階の中和処理(第2最終中和工程S82)とからなる段階的な中和処理を行うようにすることができる。このように段階的な中和処理を行うことによって、効率的にかつ効果的な中和処理を行うことができる。
具体的に、第1最終中和工程S81では、硫化工程S7から排出され回収した貧液や固液分離工程S5にて分離した浸出残渣を中和処理槽に装入し、石灰石スラリーを添加して攪拌処理を施す。この第1最終中和工程S81では、石灰石スラリーを添加することによって、貧液等の処理対象溶液のpHを4〜5に調整する。
次に、第2最終中和工程S82では、石灰石スラリーを添加して第1段階の中和処理を施した溶液に対して、消石灰スラリーを添加して撹拌処理を施す。この第2最終中和工程S82では、消石灰スラリーを添加することによって、処理対象溶液のpHを8〜9に引き上げる。
このような2段階の中和処理を施すことによって、中和処理残渣が生成され、テーリングダムに貯留される(テーリング残渣)。一方、中和処理後の溶液は、排出基準を満たすものとなり、系外に排出される。
ここで、最終中和工程における処理では、貧液中に残留しているマグネシウムイオンやマンガンイオン等の不純物元素イオンの量に応じて、消石灰等の中和剤の量が決定される。本実施形態においては、浸出工程S4における浸出処理に供する鉱石スラリーに対して、前述した分別工程S2において特定の前処理を施すようにしていることにより、その鉱石スラリーに含まれるマグネシウムやマンガン等の不純物元素を低減させることができる。これにより、貧液中に含まれるこれらの元素濃度を減少させることができ、最終中和工程S8における中和処理に用いる中和剤使用量を効果的に低減させることができる。
(9)粉砕工程
粉砕工程S9は、分別工程S2で分別された高マグネシウム含有粒子を粉砕する。本発明者らは、前述した目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、浸出工程S4に供するニッケル酸化鉱石中の高マグネシウム含有粒子を、すなわち、粗粒の鉱石を2段階の比重分離法とそれに続く振動篩によって分別した高マグネシウム含有粒子を粉砕して浸出工程S4から排出される浸出スラリーに添加することによって、硫酸使用量を増加させずに高マグネシウム含有粒子からニッケルを回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
粉砕工程S9では、分別工程S2で分別された高マグネシウム含有粒子を粉砕して、80質量%の粒子の粒径が100μm未満となる粉砕をしている。これによって、粉砕粒子との接触効率が高まるので、高マグネシウム含有粒子に含まれるニッケルの浸出及び浸出スラリーに残留した硫酸の中和が確実に進み、中和剤の使用量を抑制しながら、ニッケルの回収量を更に増加できるようになる。なお、粉砕工程S9での粉砕には、石臼やボールミル、タワーミル等の公知の粉砕装置を用いることができる。
次に、本発明の一実施形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法について、実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、当該実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、下記の表1に示す組成を有するニッケル酸化鉱石を水と混合してスラリー化し(鉱石スラリー化工程)、ハイドロサイクロン(ソルターサイクロン社製,SC1030−P型)へ固形分60t/hの流量で供給して分級分離処理を施し、続いて、ハイドロサイクロンからのアンダーフローをデンシティセパレータ(シーエフエス社製,6×6型)へ供給して比重分離処理を施した。なお、これらの分離処理の工程を第1分離工程とする。この第1分離工程における分離処理により、デンシティセパレータのアンダーフロー固形分中における粒径45μm未満の粒子の含有量が25質量%である鉱石スラリー(粗粒部)を得た。
Figure 2019065340
次に、第1分離工程を経て分離された粗粒部の鉱石スラリーを20質量%の固形分濃度となるように水を添加した上で、スパイラルコンセントレータ(オートテック社製)に供給して比重分離を行い、軽比重部としてニッケル品位が0.86質量%、マグネシウム品位が5.5質量%の固形分を含む鉱石スラリーを得た。なお、この分離処理の工程を第2の分離工程とする。
次に、分離された軽比重部の鉱石スラリーを、目開き300μmの篩を備える振動篩(サイズテック社製,VDS27−6型)に供給して篩分け処理を行った。なお、この篩分け処理の工程を振動篩工程とする。この振動篩により、篩上としてニッケル品位1.1質量%、マグネシウム品位7.8質量%の固形分、すなわち、高マグネシウム含有粒子が得られた。一方で、振動篩工程における振動篩の篩下の鉱石スラリー、上述した第1分離工程で分離された細粒部の鉱石スラリー(各オーバーフロー)、及び第2分離工程で分離された重比重部の鉱石スラリーは、シックナーにより鉱石スラリー濃縮工程を行った上で浸出工程に供給した。振動篩工程で篩上として回収された高マグネシウム含有粒子は、粉砕タワーミル(NIPPON EIRICH社製KW-700MS型)にて粉砕し、固形分濃度30質量%のスラリーとなるように水を添加した上で、浸出工程のオートクレーブから排出された硫酸酸性の浸出スラリーに添加し、混合スラリーを得た。
このとき、鉱石スラリー化工程に供給した鉱石中のニッケルのうち、92%が混合スラリーの液中に浸出回収された。また、浸出工程での硫酸消費量は、278kg/乾燥鉱石トンであった。さらに、最終中和工程の消石灰消費は44kg/乾燥鉱石トンであった。
(実施例2)
デンシティセパレータのアンダーフローとオーバーフローの分配比率を変えた点以外は、実施例1と同様の操作を行った。第1分離工程において、デンシティセパレータのアンダーフロー固形分中における粒径45μm未満の粒子の含有量が30質量%である鉱石スラリー(粗粒部)を得た。
そして、第2分離工程として、得られた粗粒部の鉱石スラリーを20質量%の固形分濃度でスパイラルコンセントレータに供給し、軽比重部としてニッケル品位が1.1質量%、マグネシウム品位が5.6質量%の固形分を含む鉱石スラリーを得た。
さらに、振動篩工程として、得られた軽比重部の鉱石スラリーを目開き300μmの篩を備える振動篩に供給して篩分け処理を行った。この篩分けにより、篩上としてニッケル品位が1.1質量%、マグネシウム品位が7.5質量%の固形分、すなわち、高マグネシウム含有粒子が得られた。一方で、振動篩工程における振動篩の篩下の鉱石スラリー、上述した第1分離工程で分離された細粒部の鉱石スラリー(各オーバーフロー)、及び第2分離工程で分離された重比重部の鉱石スラリーは、シックナーにより鉱石スラリー濃縮工程を行った上で浸出工程に供給した。振動篩工程で篩上として回収された高マグネシウム含有粒子は、粉砕タワーミル(NIPPON EIRICH社製KW-700MS型)にて粉砕し、固形分濃度30質量%のスラリーとなるように水を添加した上で、浸出工程のオートクレーブから排出された硫酸酸性の浸出スラリーに添加し、混合スラリーを得た。
このとき、鉱石スラリー化工程に供給した鉱石中のニッケルのうち92%が混合スラリーの液中に浸出回収された。また、浸出工程での硫酸消費量は、278kg/乾燥鉱石トンであった。さらに、最終中和工程の消石灰消費は、44kg/乾燥鉱石トンであった。
(比較例1)
振動篩で得る篩上の固形分を粉砕する代わりに工程外へ払い出し、粉砕粒子スラリーを浸出スラリーに添加しなかった点以外は、実施例1と同様の操作を行った。振動篩の篩上としてニッケル品位が1.1質量%、マグネシウム品位が7.8質量%の固形分が得られた。振動篩工程における振動篩の篩下の鉱石スラリー、上述した第1分離工程で分離された細粒部の鉱石スラリー(各オーバーフロー)、及び第2分離工程で分離された重比重部の鉱石スラリーは、シックナーにより鉱石スラリー濃縮工程を行った上で浸出工程に供給した。
このとき、鉱石スラリー化工程に供給した鉱石中のニッケルのうち88%が浸出スラリーの液中に浸出回収された。浸出工程での硫酸消費量は、278kg/乾燥鉱石トンであった。また、最終中和工程の消石灰消費は、41kg/乾燥鉱石トンであった。このように、比較例1では、浸出工程における硫酸使用量、及び、最終中和工程における消石灰使用量は低減できたものの、ニッケル回収率が低下した。
(比較例2)
振動篩で得る篩上の固形分を粉砕する代わりに工程外へ払い出し、粉砕粒子スラリーを浸出スラリーに添加しなかった点以外は、実施例2と同様の操作を行った。振動篩の篩上としてニッケル品位が1.1質量%、マグネシウム品位が7.5質量%の固形分が得られた。振動篩工程における振動篩の篩下の鉱石スラリー、上述した第1分離工程で分離された細粒部の鉱石スラリー(各オーバーフロー)、及び第2分離工程で分離された重比重部の鉱石スラリーは、シックナーにより鉱石スラリー濃縮工程を行った上で鉱石に対する浸出処理を施す浸出工程に供給した。
このとき、鉱石スラリー化工程に供給した鉱石中のニッケルのうち88%が浸出スラリーの液中に浸出回収された。浸出工程での硫酸消費量は、278kg/乾燥鉱石トンであった。また、最終中和工程の消石灰消費は、41kg/乾燥鉱石トンであった。このように、比較例2では、浸出工程における硫酸使用量、及び最終中和工程における消石灰使用量は低減できたものの、ニッケル実収率が低下した。
(比較例3)
表1に組成を示したニッケル酸化鉱石をスラリー化し、その鉱石スラリーに対して前処理(第1分離工程、第2分離工程、及び振動篩工程)も粉砕も行わず、浸出工程に供給して浸出処理を行った。このとき、鉱石スラリー化工程に供給した鉱石中のニッケルのうち92%が浸出スラリーの液中に浸出回収された。浸出工程における硫酸消費量は、282kg/乾燥鉱石トンであった。また、最終中和工程の消石灰消費は、44kg/乾燥鉱石トンであった。このように、比較例3では、浸出工程における硫酸使用量、及び、最終中和工程における消石灰使用量が多くなった。
前述した実施例1〜2、及び比較例1〜3の操作におけるスパイラルコンセントレータ及び振動篩に供給した鉱石スラリーの固形分、並びに振動篩による処理により篩上に回収された回収粒子に関して、それぞれニッケル及びマグネシウムの品位と45μm未満の粒子の含有量と流量を下記表2にまとめて示す。
Figure 2019065340
また、前述した実施例1〜2、及び比較例1〜3の操作における浸出工程への供給スラリーの固形分に関する成分と流量、浸出工程での硫酸消費量、最終中和工程での消石灰消費量、並びにニッケル回収率を下記表3にまとめて示す。
Figure 2019065340
表3に示すように、実施例1、2を比較例1、2と比較すると、振動篩上に回収された高マグネシウム含有粒子を粉砕して、浸出スラリーに添加することによって、浸出スラリー(混合スラリー)の液中に4%多くのニッケルを回収できることが分かった。
また、表3に示すように、実施例1、2を比較例3と比較すると、振動篩上に回収された高マグネシウム含有粒子を粉砕して、浸出スラリーに添加することによって、浸出スラリー(混合スラリー)の液中に同量のニッケルを回収した上で、酸消費量を4kg/乾燥鉱石トン低く抑えられることが分かった。
このように、振動篩上に回収された高マグネシウム含有粒子を粉砕して、浸出スラリーに添加することによって、浸出スラリーに残存する酸と高マグネシウム含有粒子に微量に含まれるニッケルとが有効活用される。その結果、高マグネシウム含有粒子の残土としての廃棄量を減少させてニッケルの回収率を維持しつつ、硫酸の使用量を抑制できることが分かった。
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の動作も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
S1 鉱石スラリー化工程、S2 分別工程、S3 鉱石スラリー濃縮工程、S4 浸出工程、S5 固液分離工程、S6 中和工程、S7 硫化工程、S8 最終中和工程、S9 粉砕工程、S21 第1分離工程、S22 第2分離工程、S23 振動篩工程、S81 第1最終中和工程、S82 第2最終中和工程

Claims (4)

  1. 高圧酸浸出法を用いてニッケル酸化鉱石からニッケルを浸出処理して回収するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法であって、
    前記ニッケル酸化鉱石をスラリー化する鉱石スラリー化工程と、
    前記鉱石スラリー化工程を経て得られた鉱石スラリーを粒径45μm未満の粒子の割合が30質量%以下である粗粒部と、粒径45μm未満の粒子の割合が前記粗粒部よりも高い細粒部に分離し、該細粒部を前記浸出処理に供給する第1分離工程と、
    前記第1分離工程にて分離した前記粗粒部をスパイラルコンセントレータで重比重部と軽比重部に分離し、該重比重部を前記浸出処理に供給する第2分離工程と、
    前記第2分離工程にて分離した前記軽比重部を所定の範囲の大きさの目開きが設けられる振動篩によって篩上と篩下に分離し、該篩下の鉱石スラリーを前記浸出処理に供給する振動篩工程と、
    前記篩上で回収された高マグネシウム含有粒子を粉砕する粉砕工程と、を有し、
    前記粉砕工程で粉砕された前記高マグネシウム含有粒子を前記浸出処理で排出される硫酸酸性の浸出スラリーに添加することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  2. 前記第1分離工程では、ハイドロサイクロン、デンシティセパレータの少なくとも1つを1〜3段使用することにより、前記鉱石スラリーを前記粗粒部と前記細粒部に分離して、該細粒部を前記浸出処理に供給することを特徴とする請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  3. 前記第1分離工程は、
    前記鉱石スラリーを前記ハイドロサイクロンに供給して分級分離する分級分離工程と、
    前記分級分離工程において前記ハイドロサイクロンにより分級されたアンダーフローを前記デンシティセパレータに供給して比重分離する比重分離工程と、を有することを特徴とする請求項2に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
  4. 前記振動篩の前記目開きが300μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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