JP2019065204A - バイオマス原料及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】コストをかけることなく燃焼時における結晶性シリカの大気中への放出を抑制できるバイオマス原料及びその製造方法を提供する。【解決手段】籾殻のシリカ以外の無機不純物を除去するか、又は、シリカに対して無機不純物を0.1wt%以下に減少させてバイオマス原料を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、バイオコークスを製造する際の原料となるバイオマス原料及びその製造方法に関する。
近年、新たなエネルギー資源として、籾殻等からなるバイオマス原料が注目されている。
バイオマス原料である籾殻は、ケイ酸を多く含むケイ酸植物と呼ばれ、その有機質中に非常に細かな非晶質シリカが分散している(非特許文献1)。詳述すると、籾殻は、その断面観察の結果等より、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンからなる柔組織や表皮下繊維組織からなる中間層と、該中間層の両側に存在する2つの表皮層とを備え、両表皮層の外側に位置するクチクラにおいて非常に細かな非晶質シリカが分散していることが知られている。
また、籾殻には、上述の非晶質シリカと共に肥料を由来とするカリウム成分も含まれていて、800℃以上の温度で燃焼させると、含まれているカリウム成分によってクリストバライト等の結晶性シリカが生成されることが知られている(非特許文献2)。籾殻の燃焼灰に含まれる結晶性シリカは、約90wt%であり、結晶化する際においてその表面が溶融し、燃焼後、凝固する形態が観察される。これは、籾殻に含まれる13.2〜29.0wt%の無機質の中にカリウム成分であるKOが0.58〜2.5wt%含まれていて、そのカリウム成分の作用によってポリケイ酸カリウムKSi2n+1が生成されることにより、800℃以上の温度になると非晶質シリカの表面が溶融し、溶融した状態で非晶質シリカの格子が動き易くなって結晶性シリカへと結晶化するものと考えられている。
また、籾殻は、ガス化することによって蒸気の製造や発電に利用されている。籾殻のガス化は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気において籾殻を加熱することによって行われるか、或いは、空気を燃焼に必要な量より少なくする部分燃焼によって行われ、その温度は、800〜1000℃となっている。したがって、ガス化の残渣であるチャーには、結晶性シリカが生成されることが知られている。
ところで、直径が7μm以下の吸引性粉塵の中に含まれる結晶性シリカは、その粒子が肺胞といった人体の呼吸器深部にまで到達可能な大きさであるため、多量に吸い込むと塵肺や肺癌を引き起こし易くなってしまう(非特許文献3及び非特許文献4)。
一方、乾燥させた籾殻の柔組織や表皮下繊維組織は、薄片状をなしており、各薄片間には、多くの空間が存在している。このような籾殻を燃焼させると、セルロース等からなる有機質の組織やクチクラが焼失し、クチクラ内に分布するシリカが焼け残る。つまり、両表皮層の外側において機械的強度が著しく低いシリカの残る灰の層が形成され、この脆くなった灰の層によってシリカが細かな粒子になり易くなってしまうので、もし仮に、乾燥籾殻を800℃以上の温度で燃焼させると、細かな粒子となった結晶性シリカが浮遊粉塵として大気中に放出されてしまうことになる。したがって、バイオマス原料として籾殻を用いる場合には、籾殻を燃焼させた際において出来るだけ結晶性シリカが大気中に放出されないようにすることが好ましい。
これに対応するために、例えば、非特許文献5乃至7には、籾殻等のケイ酸植物を燃焼させる際、800℃以下の燃焼温度において非晶質シリカの結晶化を抑制してそのまま大気中に放出することが可能な流動床燃焼の技術が開示されている。
しかし、ケイ酸植物の燃焼方法には、非特許文献5乃至7の如き流動床燃焼によるものの他に、火格子燃焼、固定床燃焼、及び、浮遊旋回燃焼などがある。そして、これらの燃焼方法により燃焼させる燃焼炉やガス化炉は、一般的に800〜1000℃になるとともに、局所的には1300℃以上にもなるので、ケイ酸植物の燃焼時において結晶性シリカの発生を抑制する上述の如き流動床燃焼の技術を利用することができない。したがって、ケイ酸植物を燃焼させて生成される結晶性シリカは、集塵機によって除去するしかないという考えが一般的になっている。
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しかし、ケイ酸植物からなる多量のバイオマス原料を燃焼させる場合、生成される結晶性シリカの全てを補足するためには、集塵機を大型化するか、或は、高性能化してその集塵能力を高める必要がある。したがって、集塵機の価格が高騰してしまい、小規模な企業や家庭において籾殻等のバイオマス原料を使用し難いという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コストをかけることなく燃焼時における結晶性シリカの大気中への放出を抑制できるバイオマス原料及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、バイオマス原料となるケイ酸植物に含まれるシリカ以外の無機不純物の量を減らすようにしたことを特徴とする。
具体的には、バイオマス原料において、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明では、シリカ以外の無機不純物を除去するか、又は、シリカに対して無機不純物を0.1wt%以下に減少させたケイ酸植物からなることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記ケイ酸植物には、マグネシウム化合物、アルミニウム成分及び鉄成分の少なくとも1つが添加されていることを特徴とする。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記ケイ酸植物は、イネの籾殻か、或いは、藁であることを特徴とする。
また、本発明は、バイオマス原料の製造方法をも対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第4の発明では、ケイ酸植物を酸溶液に浸すとともに所定時間煮沸してシリカ以外の無機不純物を除去させるか、或いは、シリカに対して無機不純物を0.1wt%以下に減少させてバイオマス原料を得ることを特徴とする。
第5の発明では、第4の発明において、上記ケイ酸植物におけるシリカ以外の無機不純物を除去するか、又は、減少させた後、上記ケイ酸植物に対してマグネシウム化合物、アルミニウム成分及び鉄成分の少なくとも1つを添加することを特徴とする。
第6の発明では、第4又は第5の発明において、上記ケイ酸植物は、イネの籾殻か、或いは、藁であることを特徴とする。
第1及び第4の発明では、製造されたバイオマス原料にカリウム成分が含まれなくなるか、或いは、ごく僅かだけ含まれる状態になると、バイオマス原料が800〜1300℃の温度になった際に、非晶質シリカの結晶化が促進されなくなるという知見を得た。したがって、バイオマス原料を800〜1300℃の温度で燃焼させても、バイオマス原料に含まれる非晶質シリカの表面が溶融するとともに非晶質シリカの格子が動き易くなって結晶性シリカへと結晶化するといった現象が起き難くなり、結晶性シリカが細かな粒子になって大気中に放出するといったことを抑制することができる。
第2及び第5の発明では、カリウム成分が含まれなくなるか、或いは、ごく僅かだけ含まれる状態になったバイオマス原料に対して、マグネシウム化合物、アルミニウム成分及び鉄成分の少なくとも1つを添加すると、マグネシウムイオンやアルミニウムイオンの直径が結晶性シリカ(クリストバライト)における結晶の空隙の寸法よりも小さいので、バイオマス原料が高温になると、マグネシウムイオンやアルミニウムイオンが非晶質シリカの中を激しく動き回って非晶質シリカの結晶化が不安定になる。したがって、バイオマス原料を1300〜1500℃といった温度で燃焼させても結晶性シリカが発生しなくなり、結晶性シリカが細かな粒子になって大気中に放出されるといったことを確実に防ぐことができる。
第3及び第6の発明では、籾殻は資源量が多いので、材料費が安くなり、製造コストを低く抑えることができる。
本発明の実施形態1に係る製造方法の手順を示すフローチャートである。 籾殻シリカの各成分と酸洗浄籾殻シリカの各成分とを比較した表である。 含有するカリウム成分の量が異なる各シリカをそれぞれ燃焼させたときにおける非晶質シリカが結晶化する燃焼温度を示した表である。 本発明の実施形態2に係る製造方法の手順を示すフローチャートである。 酸化マグネシウム、酸化鉄及びアルミナを添加した各酸洗浄籾殻シリカをそれぞれ燃焼させたときにおける非晶質シリカが結晶化する燃焼温度を示した表である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る製造方法の作業手順を示すフローチャートである。本発明の実施形態1に係る製造方法は、例えば、バイオコークスを製造する際の原料となるバイオマス原料を製造する方法であり、3つのステップS1〜S3を順に経ることによってバイオマス原料が製造されるようになっている。
本発明の実施形態1に係るバイオマス原料は、シリカ以外の無機不純物を除去するか、或いは、シリカに対して無機不純物を0.1wt%以下に減少させた籾殻(ケイ酸植物)からなっている。
次に、本発明の実施形態1に係るバイオマス原料を製造する手順について詳述する。
まず、図1に示すように、ステップS1において、蒸留水を用いて籾殻を水洗いしてゴミ等を取り除く。
次に、ステップS2において、水洗いした籾殻を濃度が0.5〜5.0規定の酸溶液、より好ましくは、0.5〜2.0規定の酸溶液に浸して0.5〜5時間、好ましくは、1〜2時間煮沸する。尚、籾殻を浸す酸溶液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、炭酸などの単一酸又は混合酸である。
しかる後、ステップS3において、籾殻を40〜80℃の温水で中性(pH7)になるまで洗浄する。すると、カリウム成分が除去されるか、或いは、カリウム成分がKO換算で0.1wt%以下になったバイオマス原料が得られる。
次に、上述の如き製造したバイオマス原料(籾殻)の燃焼実験について詳述する。
まず初めに、カリウム成分を除去した籾殻を12g分用意し、それを500℃の雰囲気温度で、且つ、100mL/minの窒素気流中において1時間加熱して籾殻炭化物を得た。この籾殻炭化物を構成する成分は、SiO:48.54wt%、KO:0.03wt%、C:51.16wt%であった。
次いで、上述の籾殻炭化物を500℃の雰囲気温度で、且つ、100mL/minの窒素気流中において1時間加熱して酸洗浄籾殻シリカを得た。すると、図2に示すように、酸洗浄を行わなかった籾殻から得た籾殻シリカの化学組織と上述の酸洗浄籾殻シリカとを比較すると、酸洗浄籾殻シリカには、シリカの結晶化に影響を及ぼすカリウム成分がなくなっているのが分かった。
しかる後、籾殻シリカ及び酸洗浄籾殻シリカをそれぞれ空気中において、600〜1500℃の温度で4時間加熱処理を行った後、X線回析を行って結晶相を分析した。
尚、カリウム成分がシリカの結晶化に影響を及ぼすか否かを調べるために、純度が100%の市販非晶質シリカと、SiOに対するカリウム成分の重量%が5wt%となるように市販非晶質シリカに塩化カリウムを添加したものとをそれぞれ用意するとともに、籾殻シリカ及び酸洗浄籾殻シリカと同様の分析を実施した。
また、カリウム成分の添加量がシリカの結晶化に影響を及ぼすか否かを調べるために、酸洗浄シリカに異なる重量%の塩化カリウムを添加したものを用意するとともに、これらにおいても籾殻シリカ及び酸洗浄籾殻シリカと同様の分析を実施した。
すると、図3に示すように、籾殻シリカは、800℃を超えると非晶質シリカからクリストバライト(結晶質シリカ)に結晶化する一方、酸洗浄籾殻シリカは、1300℃を超えると非晶質シリカからクリストバライトに結晶化するのが分かった。また、市販非晶質シリカは、1300℃を超えると非晶質シリカからクリストバライトに結晶化したが、塩化カリウムを添加した市販非晶質シリカは、1000℃を超えたときに非晶質シリカからクリストバライトに結晶化するのが分かった。さらに、酸洗浄籾殻シリカに異なる重量%の塩化カリウムを添加したものは、900℃を超えると非晶質シリカからクリストバライトに結晶化するのが分かった。
したがって、塩化カリウムには、非晶質シリカのクリストバライトへの結晶化の促進作用があることが分かった。また、SiOに対するカリウム成分の重量%が1〜5wt%の非晶質シリカにおいては、クリストバライトに結晶化する温度に差異が無いことが分かった。
以上より、本発明の実施形態1によると、バイオマス原料にカリウム成分が含まれなくなるか、或いは、ごく僅かだけ含まれる状態になると、バイオマス原料が800〜1300℃の温度になった際に、非晶質シリカの結晶化が促進されなくなるという知見を得た。したがって、バイオマス原料を800〜1300℃の温度で燃焼させても、バイオマス原料に含まれる非晶質シリカの表面が溶融するとともに非晶質シリカの格子が動き易くなって結晶性シリカへと結晶化するといった現象が起き難くなり、結晶性シリカが細かな粒子になって大気中に放出するといったことを抑制することができる。
《発明の実施形態2》
図4は、本発明の実施形態2に係る製造方法の作業手順を示すフローチャートである。この実施形態2では、バイオマス原料の製造手順の一部が実施形態1と異なるだけでその他は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分のみを説明する。
本発明の実施形態2に係るバイオマス原料は、実施形態1においてシリカ以外の無機不純物が除去されたか、又は、減少された籾殻に対して、アルミナ、酸化鉄及び酸化マグネシウムの少なくとも1つが5wt%添加されたものになっている。
次に、本発明の実施形態2に係るバイオマス原料を製造する手順について詳述する。尚、ステップS3までは、実施形態1と同じであるため、ステップS4以降のみを説明する。
図4に示すように、ステップS4において、カリウム成分が除去されるか、或いは、SiOに対するカリウム成分がKO換算で0.1wt%以下になった籾殻に対し、SiOに対する重量%が5wt%となるようにマグネシウム化合物(酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム)、アルミニウム成分(α−アルミナ、γ−アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩)、及び、鉄成分(酸化第一鉄、酸化第二鉄、四酸化三鉄、水酸化鉄、炭酸鉄)を少なくとも1つ添加することによってバイオマス原料を得る。
次に、上述の如き製造したバイオマス原料(籾殻)の燃焼実験について詳述する。
まず、実施形態1で調整した酸洗浄籾殻シリカと、当該酸洗浄籾殻シリカに対し、SiOに対するマグネシウム、鉄及びアルミニウムの重量%がそれぞれ5wt%となるように、酸化マグネシウム、酸化鉄、α−アルミナ及びγ−アルミナをそれぞれ添加したものとを用意した。そして、空気中において、600〜1500℃の温度で1時間加熱処理を行った後、X線回析を行って結晶相を分析した。
すると、図5に示すように、酸洗浄籾殻シリカは、1300℃を超えると非晶質シリカからクリストバライトに結晶化するが、酸化マグネシウム、酸化鉄、α−アルミナ及びγ−アルミナをそれぞれ添加した酸洗浄籾殻シリカは、1500℃を超えたときに非晶質シリカからクリストバライトに結晶化するのが分かった。
以上より、本発明の実施形態2によると、カリウム成分が含まれなくなるか、或いは、ごく僅かだけ含まれる状態になったバイオマス原料に対して、マグネシウム化合物、アルミニウム成分及び鉄成分の少なくとも1つを添加すると、バイオマス原料が1500℃の温度になるまで非晶質シリカの結晶化が促進されなくなるという知見を得た。これは、マグネシウムイオンやアルミニウムイオンの直径は、結晶性シリカ(クリストバライト)における結晶の空隙の寸法よりも小さいので、バイオマス原料が高温になると、マグネシウムイオンやアルミニウムイオンが非晶質シリカの中を激しく動き回って非晶質シリカの結晶化が不安定になるからだと考えられる。したがって、本発明の実施形態2で製造したバイオマス原料を1300〜1500℃といった温度で燃焼させても結晶性シリカが発生しなくなり、結晶性シリカが細かな粒子になって大気中に放出されるといったことを確実に防ぐことができる。
尚、本発明の実施形態1、2では、稲の籾殻を用いて本発明のバイオマス原料を製造しているが、これに限らず、小麦、大麦、ライ麦、ハト麦、キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシ及びススキなどを用いて本発明のバイオマス原料を製造してもよい。籾殻を用いてバイオマス原料を製造する場合、籾殻は資源量が多いので、材料費が安くなり、製造コストを低く抑えることができる点において好ましい。
また、本発明の実施形態1、2において、バイオマス原料を燃焼させる際の方法を具体的に記載していないが、火格子法、床燃焼法、浮遊旋回燃焼法、流動床燃焼法など、どのような燃焼法であってもよい。
本発明は、例えば、バイオコークスを製造する際の原料となるバイオマス原料及びその製造方法に適している。

Claims (6)

  1. シリカ以外の無機不純物を除去するか、又は、シリカに対して無機不純物を0.1wt%以下に減少させたケイ酸植物からなることを特徴とするバイオマス原料。
  2. 請求項1に記載のバイオマス原料において、
    上記ケイ酸植物には、マグネシウム化合物、アルミニウム成分及び鉄成分の少なくとも1つが添加されていることを特徴とするバイオマス原料。
  3. 請求項1又は2に記載のバイオマス原料において、
    上記ケイ酸植物は、イネの籾殻か、或いは、藁であることを特徴とするバイオマス原料。
  4. ケイ酸植物を酸溶液に浸すとともに所定時間煮沸してシリカ以外の無機不純物を除去させるか、或いは、シリカに対して無機不純物を0.1wt%以下に減少させてバイオマス原料を得ることを特徴とするバイオマス原料の製造方法。
  5. 請求項4に記載のバイオマス原料の製造方法において、
    上記ケイ酸植物におけるシリカ以外の無機不純物を除去するか、又は、減少させた後、上記ケイ酸植物に対してマグネシウム化合物、アルミニウム成分及び鉄成分の少なくとも1つを添加することを特徴とするバイオマス原料の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載のバイオマス原料の製造方法において、
    上記ケイ酸植物は、イネの籾殻か、或いは、藁であることを特徴とするバイオマス原料の製造方法。
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