JP2019064887A - 酸化物焼結体、スパッタリングターゲット、酸化物半導体薄膜、および薄膜トランジスタ - Google Patents

酸化物焼結体、スパッタリングターゲット、酸化物半導体薄膜、および薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜トランジスタに用いたときに優れた特性を有する酸化物半導体薄膜を形成でき、かつ成膜時の割れやノジュールの生成を抑制できる酸化物焼結体の提供。【解決手段】Ga、Sn、In、および重希土類元素を含み、Ga2+xIn6−xSn2O16(0≦x≦1)を主成分とする酸化物焼結体。ただし、重希土類元素とは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化物焼結体、スパッタリングターゲット、酸化物半導体薄膜、および薄膜トランジスタに関する。
薄膜トランジスタ(Tin Film Transistor、以下TFTとも略す)に用いられる非晶質酸化物半導体は、汎用の非晶質シリコン(a−Si)に比べて高いキャリヤ移動度を有し、光学バンドギャップが大きく、低温で成膜できる。そのため大型・高解像度・高速駆動が要求される次世代ディスプレイや、耐熱性の低い樹脂基板等への適用が期待されている。
酸化物半導体薄膜の形成には、スパッタリング法が好適に用いられる。これは、スパッタリング法で形成された薄膜は、イオンプレーティング法、真空蒸着法、または電子ビーム蒸着法で形成された薄膜に比べ、組成、膜厚等の均一性に優れるからである。また、スパッタリングターゲットと同じ成分組成の薄膜を形成できるためである。
酸化物半導体のなかでも、インジウム、ガリウム、スズ、および酸素からなるアモルファス酸化物半導体(In−Ga−Sn−O、以下「IGTO」と略記する)は、高いキャリヤ移動度と有機酸による優れたエッチングレートとリン酸・酢酸・硝酸の混酸に対する耐薬品性を有するため、注目されている。
特許文献1には、In23およびGa23を添加したSnO2透明導電膜の形成に用いられるスパッタリングターゲットが例示されている。特許文献1では、スパッタリングターゲット中のGa含有量を0.1モル%以上、30モル%以下に規定している。
特許文献2、3には、インジウム、ガリウムおよびスズを含む酸化物焼結体の製造方法が記載されている。特許文献2、3には、酸化インジウムおよびGa3In5Sn216化合物を含有するスパッタリングターゲットを用い、酸素を含む雰囲気で成膜することにより、酸素欠損を抑制して、IGTO系半導体薄膜を得る技術も例示されている。
特許文献4には、インジウム、ガリウムおよびスズを含む酸化物焼結体のホットプレス法での製造方法が記載されている。酸化インジウムおよびInGaO3化合物を含有するスパッタリングターゲットが例示されている。InGaO3化合物の濃度は、3モル%以上、23モル%以下が示されており、10モル%以上、18モル%以下が良好な組成であることが示されている。
特許文献5には、インジウム、ガリウムおよびスズを含む酸化物焼結体の二段焼成法(一時保持温度にて保持した後に昇温して本焼成を行う)での製造方法が記載されている。酸化インジウムを含有するGa3InSn516化合物およびGa2In6Sn216化合物も例示されている。
特許文献6には、酸化物半導体を光電変換素子と組み合わせた固体撮像装置やイメージセンサーについても開示されている。
特開2000−077358号公報 国際公開第2011/105047号 国際公開第2013/027391号 国際公開第2015/080271号 国際公開第2015/122417号 特開2017−135410号公報
酸化物半導体には、保護膜または絶縁膜を化学蒸着法(CVD)で形成する際の加熱等での半導体特性の劣化(CVD耐性)が小さく、高パワー成膜やスパッタリング装置の大型化にも対応できる特性が求められる。
しかしながら、特許文献1から特許文献5に記載の技術には、以下の問題があり、このような特性に対応し難かった。
具体的には、特許文献1に記載の技術は、導電体膜に係る技術であり、半導体薄膜が得られないという問題があった。理由の1つは、Gaの含有量が少なすぎて酸化インジウムの酸素欠損が多くなり過ぎるためである。
特許文献2、3に記載の技術は、酸素を含む雰囲気で成膜することにより、酸素欠損を抑制して半導体薄膜を得ている。しかしながら、酸素を多量に含む雰囲気で成膜すると、ノジュールまたはイエローフレークと呼ばれる、酸化物系の異物が成膜時にターゲット表面に生成し、異常放電や割れの原因になるという問題があった。
特許文献4に記載の技術は、製造したターゲットを用いて半導体薄膜を成膜した旨が記載されておらず、当該文献記載の条件で、割れ、およびクラックの発生が抑制できるのか不明であった。
特許文献5に記載の技術では、Ga3InSn516化合物およびGa2In6Sn216化合物のような、比較的強度が低い化合物が焼結体中に生成する。そのため、ボンディング中に割れが発生する場合があった。また、高パワーでスパッタリングした場合に、ターゲットにヘアーラインクラックと呼ばれる微細なクラックが入る場合があり、薄膜の生産性を低下さたり、特性や歩留を低下させる場合があった。
特許文献5では、割れ、およびクラックの問題を解決するために、二段焼成法でGa2In6Sn216化合物の成長を抑制したスパッタリングターゲットを製造しているが、このような製法は、コストと工数を要するという問題があった。
特許文献6には、CMOSイメージセンサーの転送トランジスタやキャンセルトランジスタに酸化物半導体を用いる例が示されており、オフ電流の小さなトランジスタが求められている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、薄膜トランジスタに用いたときに優れた特性を有する酸化物半導体薄膜を形成でき、かつ成膜時の割れやノジュールの生成を抑制できる酸化物焼結体、および当該焼結体を有するスパッタリングターゲットの提供を目的とする。薄膜トランジスタに用いたときに優れた特性を有する酸化物半導体薄膜、および当該薄膜を備える薄膜トランジスタを提供することも目的とする。
本発明によれば、以下の酸化物焼結体が提供される。
1.Ga、Sn、In、および重希土類元素を含むことを特徴とする酸化物焼結体。
ただし、前記重希土類元素とは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素を意味する。
2.Ga2+XIn6-XSn216(Xは0以上、1以下)を主成分とすることを特徴とする、1に記載の酸化物焼結体。
3.前記Ga2+XIn6-XSn216の格子定数が、純物質の格子定数より大きいことを特徴とする2に記載の酸化物焼結体。
4.原子組成比が下記式(1)から式(4)を満たすことを特徴とする、1から3のいずれか一つに記載の酸化物焼結体。
0.01≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.40 ・・・(1)
0.01≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.50 ・・・(2)
0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.98 ・・・(3)
0.01≦X/(In+Ga+Sn+X)≦0.20 ・・・(4)
ただし、Xは前記重希土類元素を意味する。
5.Ga、Sn、In、および前記重希土類元素を含み、残部が酸素と不可避不純物からなることを特徴とする、1から4のいずれか一つに記載の酸化物焼結体。
6.In23で表されるビッグスバイト構造を含むことを特徴とする、1から5のいずれか一つに記載の酸化物焼結体。
7.相対密度が95%以上、バルク抵抗が20mΩcm以下であることを特徴とする1から6のいずれか一つに記載の酸化物焼結体。
本発明によれば、以下のスパッタリングターゲットが提供される。
8.1から7のいずれか一つに記載の酸化物焼結体を備えることを特徴とするスパッタリングターゲット。
本発明によれば、以下の酸化物半導体薄膜が提供される。
9.Ga、Sn、In、および重希土類元素Xを含み、原子組成比が下記式(5)から式(8)を満たすことを特徴とする、酸化物半導体薄膜。
0.01≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.40 ・・・(5)
0.01≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.50 ・・・(6)
0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.98 ・・・(7)
0.01≦X/(In+Ga+Sn+X)≦0.20 ・・・(8)
ただし、前記重希土類元素Xは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素を意味する。
10.Ga、Sn、In、および前記重希土類元素Xを含み、残部が酸素と不可避不純物からなることを特徴とする、9に記載の酸化物半導体薄膜。
本発明によれば、以下の薄膜トランジスタが提供される。
11.9または10に記載の酸化物半導体薄膜を備えることを特徴とする薄膜トランジスタ。
本発明によれば、薄膜トランジスタに用いたときに優れた特性を有する酸化物半導体薄膜を形成でき、かつ成膜時の割れやノジュールの生成を抑制できる酸化物焼結体、および当該焼結体を有するスパッタリングターゲットを提供できる。薄膜トランジスタに用いたときに優れた特性を有する酸化物半導体薄膜、および当該薄膜を備える薄膜トランジスタも提供できる。
本実施形態に係るターゲットの形状を示す斜視図。 本実施形態に係る薄膜トランジスタを示す概略断面図。 本実施形態に係る薄膜トランジスタを示す概略断面図。 実施形態に係る薄膜トランジスタを用いた表示装置を示す図であって、(A)は上面図、(B)はVA型液晶表示装置の画素に適用することができる画素部の回路を示す図、(C)は有機EL素子を用いた表示装置の画素部の回路を示す図。 実施形態に係る薄膜トランジスタを用いた固体撮像素子の画素部の回路を示す図。 実施例1の酸化物焼結体のXRD回折パターンを示す図であって、上段は実測値、中段および下段は、純物質(ICDD、International Centre for Diffraction Dataに収録された標準物質)の値。 実施例2の酸化物焼結体のXRD回折パターンを示す図であって、上段は実測値、中段および下段は、純物質(ICDDに収録された標準物質)の値。 実施例3の酸化物焼結体のXRD回折パターンを示す図であって、上段は実測値、中段および下段は、純物質(ICDDに収録された標準物質)の値。 比較例1の酸化物焼結体のXRD回折パターンを示す図であって、上段は実測値、中段および下段は、純物質(ICDDに収録された標準物質)の値。 (A)はガラス基板上に酸化物膜を形成した状態を示す概略断面図、(B)は、(A)に、さらにSiO2膜を形成した状態を示す概略断面図。
<本発明の背景>
まず、本発明の背景を簡単に説明する。
IGTO酸化物焼結体において、Ga2+XIn6-XSn216等が、ボンディングやスパッタ時の強度低下の原因となることは公知である。
強度を向上するためには、強度の高い原料を添加することが考えられるが、添加元素は、スパッタにより成膜した膜にも含まれるため、単に強度が高いだけでなく、半導体薄膜の特性を悪化させないようにする必要がある。
本発明者らは、IGTOに添加元素として、重希土類元素を添加することを考えた。これは、重希土類元素は、希土類の中では原子番号が大きく、ランタノイド収縮によりイオン半径が小さくなる効果が大きいため、Ga2+XIn6-XSn216等の結晶格子に侵入することにより、固溶強化できるのではないかと考えたためである。また、重希土類元素はGaと同様に酸素欠損を抑制する効果があるため、添加しても半導体薄膜の特性に悪影響を与えず、逆に特性を制御できると考えたためである。
そこで、本発明者らはIGTOに重希土類元素を添加したところ、焼結体の強度が向上した。半導体特性は悪化せず、むしろ、熱処理後の飽和移動度のような、一部の特性が向上することを確認したため、本発明を創出するに至った。
以上が本発明の背景である。
<酸化物焼結体の構造>
次に、本実施形態に係る酸化物焼結体の構造について説明する。
本実施形態に係る酸化物焼結体は、Ga(ガリウム)、Sn(スズ)、In(インジウム)、および重希土類元素を含む。重希土類元素とは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素を意味する。
ガリウムは、酸化インジウムの結晶化を抑えたり、酸素欠損の発生を抑える効果と、得られる酸化物半導体薄膜のバンドギャップを大きくする効果を有する。
スズは、耐薬品性を有する。また、導電膜にも使用されることから、半導体薄膜の移動度に影響を及ぼすことは少なく、高価なインジウムの添加量を減らす効果も有する。
インジウムは、半導体薄膜の移動度を担う酸化物である。
重希土類元素は、焼結体の強度を上昇させる効果を有する。半導体薄膜を非晶質化することと、酸素欠損によるキャリヤの発生を抑える効果も有する。さらに、重希土類元素は、半導体の移動度を高める効果も有すると考えられる。これは、インジウムの最外殻電子が5s軌道にあるのに対し、重希土類元素の最外殻電子は6s軌道にあるため、6s軌道の電子が移動しやすく、移動度に寄与すると考えられるためである。
このように重希土類元素は、酸化物焼結体の状態で、強度の向上に寄与するのみならず、半導体薄膜の状態で、移動度の向上や酸素欠損の抑制にも寄与する重要な元素である。
重希土類元素のなかでもYbを用いるのが好ましい。これは、Ybは天然の存在量が重希土類元素の中では多く、天然資源として豊富に存在するためである。
本実施形態に係る酸化物焼結体は、Ga2+XIn6-XSn216(Xは0以上、1以下)を主成分とするものが例示できる。Ga2+XIn6-XSn216は、スパッタ時のクラックの原因となることが知られているが、本実施形態では、重希土類元素を添加して、Ga2+XIn6-XSn216の強度を向上させている。そのため、Ga2+XIn6-XSn216を主成分として含有できる。
ここでいう主成分とは、酸化物焼結体中で、Ga2+XIn6-XSn216の質量%が50%超であることを意味する。Ga2+XIn6-XSn216の質量%は70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
本実施形態に係る酸化物焼結体は、In23で表されるビッグスバイト構造を含んでもよい。ビッグスバイト構造を含むことにより、膜の導電性が向上する。
酸化物焼結体中のGa2+XIn6-XSn216の格子定数は、純物質のGa2+XIn6-XSn216の格子定数より大きくなっている。これは、GaおよびInサイトにイオン半径の大きな重希土類元素が固溶したためと考えられる。イオン半径の大きな元素が固溶したことにより、焼結体の強度が高くなる理由は明確ではないが、割れなくなる(クラックが発生しなくなる)理由としては、以下の理由が考えられる。
スパッタ時には、焼結体の表面は加熱され、一方裏面は冷却されているために熱膨張の差から焼結体内部に内部応力が発生する。この応力が焼結体の強度を超えると焼結体が割れると考えられる。また、Ga2+XIn6-XSn216は、結晶方位にa、b軸とc軸を有するため、スパッタ時に焼結体の表面温度が上下動すると、結晶方位の軸方向に熱膨張の異方性が生じ、内部応力の異方性が発生する。原子間ポテンシャル・エネルギーの非調和部分が熱膨張を発生させていることは、一般的に知られている。In、Ga、Snに比べてイオン半径が大きく、原子番号が大きく、かつ結合力の高い元素を固溶させ、原子間ポテンシャル・エネルギーの非調和部分を抑制することにより、内部応力そのものを低下させたり、内部応力の異方性を低下させたりすることにより、割れにくくなると考えられる。
重希土類元素を添加しないIGTO焼結体は、結晶構造が純物質の格子定数のGa2+XIn6-XSn216を生成する。重希土類元素の添加により、Ga2+XIn6-XSn216の格子定数が純物質の格子定数より大きくなることにより、原子間のエネルギー・ポテンシャルの非調和部分の形状が変化すると考えられる。重希土類元素が強度を向上させる理由は、このように、Ga2+XIn6-XSn216の格子定数に影響するためと考えられる。
ここでいう純物質とは、ICDD(International Centre for Diffraction Data)が収録したデータベースに記載の標準物質を意味する。
Ga2+XIn6-XSn216の格子定数の具体的な値は、a=11.21×10-10m以上、c=10.11×10-10m以上が好ましい。これは、Ga2In6Sn216の純物質の格子定数がa=11.20×10-10m程度、c=10.10×10-10m程度だからである。
より好ましくは、a=11.22×10-10m以上、c=10.12×10-10m以上である。
酸化物焼結体が、In23で表されるビッグスバイト構造を含む場合、In23の格子定数は、a=10.121×10-10m以上が好ましい。
なお、b軸とa軸は同様であり、格子定数も同様である。
<酸化物焼結体の組成>
本実施形態に係る酸化物焼結体の組成は、スパッタ時の熱応力で割れることなく、かつ成膜した酸化物半導体薄膜の特性が優れたものであれば、限定しない。具体的な原子組成比としては、以下の範囲を例示できる。
0.01≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.40 ・・・(1)
0.01≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.50 ・・・(2)
0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.98 ・・・(3)
0.01≦X/(In+Ga+Sn+X)≦0.20 ・・・(4)
Xは重希土類元素を意味する。
原子組成比を式(1)から式(4)に規定する範囲にすることにより、Ga2+XIn6-XSn216の格子定数が純物質の格子定数より大きくなり、ヘアーラインクラックなどが発生しないターゲットが得られる。また、当該ターゲットを用いて生成した半導体薄膜の特性も優れる。
式(1)において、ガリウムの含有量を0.01以上とすることにより酸素欠損を抑える効果が発現し、スパッタした膜が半導体薄膜になる。0.40以下とすることにより、酸素欠損が少なくなり過ぎて、膜が絶縁体化するのを防げる。より好ましくは、0.02≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.35、さらに好ましくは、0.03≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.30である。
式(2)において、スズの含有量を0.01以上とすることにより、耐薬品性が発現する。0.50以下とすることにより、エッチングによる半導体薄膜のアイランド形成ができる。より好ましくは、0.02≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.45、さらに好ましくは0.03≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.40、さらにより好ましくは、0.03≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.30である。
式(3)において、インジウムの含有量を0.30以上とすることにより、移動度の低下を防ぐことができる。0.98以下とすることにより、スパッタで成膜した膜が結晶化したり、酸素欠損の量が増えすぎて、導体になるのを防げる。より好ましくは、0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.96、さらに好ましくは、0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.94、さらにより好ましくは、0.40≦In/(In+Ga+Sn)≦0.94である。
式(4)において、重希土類元素の含有量を0.01以上とすることにより、成膜した半導体薄膜の結晶化を防止でき、結晶化による酸化スズのドーパント効果によるキャリヤの増大や、アモルファス状態での酸素欠損によるキャリヤの増大を抑えることができる。0.20以下とすることにより、酸化物半導体の移動度が低くなり過ぎることを防げる。
また、式(4)において、重希土類元素の含有量を0.01以上とすることにより、Ga2+XIn6-XSn216の格子定数を純物質よりも大きくすることができ、成膜時のクラックの生成を防止できる。Ga2+XIn6-XSn216の格子定数を大きくするという観点からは、式(4)において、重希土類元素の含有量を0.02以上とすることが好ましく、0.04以上とすることが、より好ましい。
好ましい重希土類元素の含有量は、インジウムの含有量にも影響を受ける。具体的には、インジウムの含有量が多くなるほど、重希土類元素の含有量を多くした方が、成膜した膜の絶縁化、移動度の低下を防止できる。よって、インジウムの含有量に応じて重希土類元素の含有量を調整するのが好ましい。
例えば、式(3)において、インジウムの含有量が0.90以上の場合には、式(4)における重希土類元素の範囲は、0.10以上、好ましくは、0.12以上が好ましく、上限は0.20以下が好ましい。インジウムが0.80以上では、結晶化しやすくなる場合があり、その結晶化を抑えるために重希土類元素を増量するのが好ましい。また、酸化インジウムの酸素欠損量もインジウムの量の増大により増大するので、キャリヤ発生を抑えるためにも重希土類元素を増大するのが好ましい。
また、式(3)において、インジウムの含有量が0.55以下の場合は、式(4)における重希土類元素の範囲は、0.10以下、好ましくは0.08以下にするのが好ましい。下限は0.01以上が好ましく、より好ましくは0.02以上、さらに好ましくは0.04以上である。重希土類元素は、酸素欠損によるキャリヤの発生を抑える効果を有する。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)処理等により、層間絶縁膜やゲート絶縁膜の形成時に半導体薄膜に発生するキャリヤを、後アニール時に正常なキャリヤ濃度に戻す能力を有しており、これにより、TFT特性を回復することができる。
式(3)において、インジウムの含有量が0.55超、0.80未満の場合は、重希土類元素の添加量は、インジウムの含有量が0.55以下の場合よりは多く、0.90以上の場合よりは少ない量となり、成膜の条件(酸素濃度、基板温度、成膜圧力、背圧等)を考慮して、式(4)における重希土類元素の添加量を適宜選択する。ガリウムの量が0.10を超える場合は、ガリウムのアモルファス化効果、およびキャリヤの制御効果が出るので、インジウム含有量が0.90以上の場合ほど多量に重希土類元素を添加する必要はない。ただし、用途によりCVD耐性などを出したい場合や、耐久性をより向上させたい場合には、酸化インジウムが0.90以上の場合と同じ程度の量の重希土類元素を添加すればよい。スズの含有量が0.10を超える場合は、耐薬品性が非常に高くなるので、エッチングプロセス等に耐性のある半導体薄膜が得られる。さらにCVD耐性や、薄膜トランジスタの耐久性を考慮して重希土類元素の添加量を適宜選択する。一方で、移動度の高い薄膜トランジスタを製造する場合は、重希土類元素の添加量を、酸化インジウムが0.55以下の場合の添加量程度に減らすことができる。
また、ガリウムおよび重希土類元素は、酸化物半導体薄膜のバンドギャップを向上させる効果が有り、光耐性の高い酸化物半導体薄膜および薄膜トランジスタを得やすくなる。ガリウムとイッテルビウムの量は、酸素欠損量とも密接に関係しているので、式(1)と式(4)の条件に加え、要求される耐久性に合わせて適宜選択すればよい。
Ga、Sn、In、および重希土類元素以外の元素は特に限定しない。
ただし、本実施形態に係る酸化物焼結体は、Ga、Sn、In、および重希土類元素を含み、残部(Ga、Sn、Inを除いた元素)が酸素と不可避不純物からなるものが好ましい。残部が酸素と不可避不純物であることにより、Ga、Sn、In、および重希土類元素以外の元素が酸化物焼結体や、当該酸化物焼結体を用いて製造された半導体薄膜の特性に与える影響を最小限にできる。
不可避不純物とは、意図的に添加しない元素であって、原料や製造工程で混入する元素を意味する。以下の説明でも同様である。
<酸化物焼結体の物性>
本実施形態に係る酸化物焼結体は、相対密度が95%以上であることが好ましい。
相対密度が95%以上とすることにより、成膜時のクラック発生やノジュール生成を抑制でき、得られる薄膜トランジスタの性能の低下や、歩留の低下、膜密度の低下を防ぐことができる。また、CVD装置での成膜温度を上げることができる。相対密度は、好ましくは、96%以上であり、より好ましくは、97%以上である。
相対密度は、例えば、アルキメデス法で測定した酸化物焼結体の実測密度を、酸化物焼結体の理論密度で除した値を、百分率にして、算出することができる。
例えば、酸化物焼結体の原料粉末として酸化物A、酸化物B、酸化物C、酸化物Dを用いた場合において、酸化物A、酸化物B、酸化物C、酸化物Dの使用量(仕込量)をそれぞれa(g)、b(g)、c(g)、d(g)とすると、理論密度は、以下のように当てはめることで算出できる。
理論密度=(a+b+c+d)/((a/酸化物Aの密度)+(b/酸化物Bの密度)+(c/酸化物Cの密度)+(d/酸化物Dの密度))
なお、各酸化物の密度は、密度と比重はほぼ同等であることから、化学便覧 基礎編I日本化学編 改定2版(丸善株式会社)に記載されている酸化物の比重の値を用いるとよい。なお、理論密度は、各酸化物の重量比を用いて以下のように算出することもできる。
理論密度=1/((酸化物Aの重量比/酸化物Aの密度)+(酸化物Bの重量比/酸化物Bの密度)+(酸化物Cの重量比/酸化物Cの密度)+(酸化物Dの重量比/酸化物Dの密度))
本実施形態に係る酸化物焼結体は、バルク抵抗が20mΩcm以下であることが好ましい。
より好ましくは10mΩcm以下、特に好ましくは5mΩcm以下である。バルク抵抗を20mΩcm以下とすることにより、直流スパッタで安定した成膜を行うことができる。バルク抵抗の下限値は特に規定しないが、例えば1mΩcm以上である。
バルク抵抗値は、公知の抵抗率計を使用して四探針法(JIS R 1637)に基づき測定できる。測定箇所は5箇所程度であり、平均値をバルク抵抗値とするのが好ましい。
測定箇所は、酸化物焼結体の平面形状が四角形の場合には、中心および四隅と中心の中間点の4点の計5箇所とするのが好ましい。
なお、酸化物焼結体の平面形状が円形の場合は、円に内接する正方形の中心および正方形の四隅と、中心の中間点の4点の計5箇所とするのが好ましい。
以上が、本実施形態に係る酸化物焼結体の説明である。
<酸化物焼結体の製造方法>
次に、本実施形態に係る酸化物焼結体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る酸化物焼結体が製造できるものであれば、製造方法は特に限定しないが、以下の(a)から(c)の工程を含む製法を例示できる。
(a)原料化合物粉末を混合して混合物を調製する工程。
(b)混合物を成型して成型体を調製する工程。
(c)成型体を焼結する工程。
(1)工程(a):配合工程
配合工程は、酸化物焼結体の原料を混合する工程である。
原料としては、インジウム化合物の粉末、ガリウム化合物の粉末、スズ化合物の粉末、および重希土類化合物の粉末を用いる。インジウム、スズおよびガリウムの化合物としては、例えば、酸化物、水酸化物が挙げられる。重希土類元素の化合物としては、酸化物が挙げられる。焼結のしやすさ、副生成物の残存のし難さから、酸化物が好ましい。
原料の純度は、通常2N(99質量%)以上、好ましくは3N(99.9質量%)以上、特に好ましくは4N(99.99質量%)以上である。純度が2N以上とすることにより、耐久性が確保でき、液晶ディスプレイに用いた際に液晶側に不純物が入り、焼き付けが起こる可能性を低減できる。
金属酸化物等のターゲットの製造に用いる原料は、通常の混合粉砕機、例えば、湿式ボールミルやビーズミルまたは超音波装置を用いて、均一に混合および粉砕することが好ましい。
配合した原料は仮焼してもよい。仮焼は、スパッタリングターゲットの原料である化合物の混合物を得た後、必要に応じて設けられる工程である。
仮焼により、得られる焼結体の密度を上げることが容易になり好ましいが、コストアップになるおそれがある。そのため、仮焼を行わずに密度を上げることがより好ましい。
仮焼では、原料混合物を500℃以上、1200℃以下で、1時間以上、100時間以下、熱処理することが好ましい。500℃以上で1時間以上、熱処理することにより、インジウム化合物、ガリウム化合物、スズ化合物の熱分解が十分となる。一方、熱処理条件が、1200℃以下、100時間以下とすることにより粒子の粗大化を防止できる。
仮焼は、800℃以上、1200℃以下の温度範囲で、2時間以上、50時間以下、実施することが好ましい。
得られた仮焼物は、下記の成型工程および焼成工程の前に粉砕するのが好ましい。
(2)工程(b):成型工程
成型工程は、原料混合物(上記仮焼工程を設けた場合には仮焼物)を加圧成型して成型体とする工程である。この工程により、ターゲットとして好適な形状に成型する。仮焼工程を設けた場合には、得られた仮焼物の微粉末を造粒した後、プレス成型により所望の形状に成型することができる。
成型体の平均厚みは5.5mm以上が好ましく、6mm以上がより好ましく、8mm以上がさらに好ましく、12mm以上が特に好ましい。5.5mm以上だと、成型体の厚さ方向の温度勾配が減少し、表面と深部の結晶型の組合せの変動が生じにくくなることが期待できる。
本工程で用いることができる成型処理としては、例えば、プレス成型(一軸プレス)、金型成型、鋳込み成型、射出成型等も挙げられる。焼結密度の高い焼結体(ターゲット)を得るためには、冷間静水圧(CIP)等で成型するのが好ましい。
また、プレス成型(一軸プレス)後に、冷間静水圧(CIP)、熱間静水圧(HIP)等で成型するように、2段階以上の成型工程を設けてもよい。
冷間静水圧、または静水圧加圧装置を用いる場合、面圧78.5MPa(800kgf/cm2をSI単位に換算)以上、392.4MPa(4000kgf/cm2をSI単位に換算)で0.5分以上、60分以下保持することが好ましく、面圧196.2MPa以上、294.3MPa以下で、2分以上、30分以下保持することがより好ましい。前記範囲内であると、成型体内部の組成むら等が減り、均一化されることが期待される。面圧を78.5MPa以上とすることによりで、焼結後の密度が低くなり、バルク抵抗も低くなる。面圧392.4MPa以下とすることにより、装置を大型化せずに成形できる。保持時間が0.5分以上であると、焼結後の密度と抵抗が高くなるのを防止できる。60分以下であると時間が掛かりすぎ不経済となるのを防げる。
成型処理では、ポリビニルアルコールやメチルセルロース、ポリワックス、オレイン酸等の成型助剤を用いてもよい。
(3)工程(c):焼結工程
焼結工程は、上記成型工程で得られた成型体を焼成する必須の工程である。
焼結工程は、酸素ガス雰囲気または酸素ガス加圧下で行うことが好ましい。酸素ガスを含有する雰囲気で焼結すると、得られるターゲットの密度を十分に向上させることができ、スパッタリング時の異常放電の発生を十分に抑制できる。
焼結温度までの昇温速度は3℃/分以下が好ましく、2.5℃/分以下がより好ましく、1.5℃/分以下が特に好ましい。昇温速度が3℃/分以下だと、表面と深部の結晶型の組合せが変動する可能性が低くなる。
昇温の途中で一度昇温を止め所定の温度で保持し、2段階以上で焼結を行っても良い。
焼結温度は、1280℃以上1520℃以下が好ましく、1300℃以上1500℃以下がより好ましく、1320℃以上1480℃以下がさらに好ましい。
焼結時間は、2時間以上96時間以下が好ましく、4時間以上48時間以下がより好ましく、6時間以上24時間以下が特に好ましい。
冷却時の降温速度は、通常4℃/分以下、好ましくは2℃/分以下、より好ましくは1℃/分以下、さらに好ましくは0.8℃/分以下、特に好ましくは0.5℃/分以下である。4℃/分以下であると本実施形態に係る結晶型が得られやすい。また、降温時にクラックが発生しにくい。
焼結工程で得られた焼結体のバルク抵抗を全体として低減するために、還元処理工程を設けてもよい。還元方法としては、例えば、還元性ガスによる方法、真空焼成、または不活性ガスによる還元等が挙げられる。
還元性ガスによる還元処理の場合、水素、メタン、一酸化炭素や、これらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。
不活性ガス中での焼成による還元処理の場合、窒素、アルゴンや、これらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。
還元処理を行うと、表面部と深部の抵抗値の違いを発生、または増幅させる場合があるため、還元処理は行わなくてもよい。
<スパッタリングターゲット>
次に、本実施形態に係るスパッタリングターゲットについて、図1を参照して説明する。
本実施形態に係るスパッタリングターゲットは、本実施形態に係る酸化物焼結体を備える。
具体的には、スパッタリングターゲットは、酸化物焼結体と、必要に応じて酸化物焼結体に設けられる、バッキングプレート等の冷却および保持用の部材を備える。
酸化物焼結体は、スパッタリングで成膜する膜原料である。形状は特に限定されないが、図1(A)の符号1に示すような板状でもよく、図1(B)の符号1Aに示すように円筒状でもよい。板状の場合、平面形状は図1(A)の符号1に示すような矩形でもよく、図1(C)の符号1Bに示すような円形でもよい。酸化物焼結体は一体成型でもよく、図1(D)に示すように、複数に分割した酸化物焼結体(符号1C)をバッキングプレート(符号3)に各々固定した多分割式でもよい。
バッキングプレートは、酸化物焼結体の保持や冷却用の部材である。材料は銅等の熱伝導性に優れた材料が好ましい。
スパッタリングターゲットは、例えば以下の工程で製造される。
(d)酸化物焼結体の表面を研削する工程。
(e)酸化物焼結体をバッキングプレートにボンディングする工程。
以下、各工程を具体的に説明する。
(4)工程(d):研削工程
研削(加工)工程は、焼結体を、スパッタリング装置への装着に適した形状に切削加工する工程である。
焼結体の表面は0.3mm以上研削するのが好ましい。研削する深さは、0.5mm以上研削するのが好ましく、2mm以上が特に好ましい。0.3mm以上研削することにより、表面付近の結晶構造の変動部分を除去できる。
酸化物焼結体を例えば、平面研削盤で研削して平均表面粗さRaが5μm以下の素材とするのが好ましい。さらにスパッタリングターゲットのスパッタ面に鏡面加工を施して、平均表面粗さRaが1000×10-10m以下としてもよい。この鏡面加工(研磨)は機械的な研磨、化学研磨、メカノケミカル研磨(機械的な研磨と化学研磨の併用)等の、公知の研磨技術を用いることができる。例えば、固定砥粒ポリッシャー(ポリッシュ液は水)で#2000以上にポリッシングしてもよく、遊離砥粒ラップ(研磨材はSiCペースト等)にてラッピング後、研磨材をダイヤモンドペーストに換えて、ラッピングしてもよい。研磨方法はこれらの方法に限定されない。
研削工程後の酸化物焼結体は、エアーブローや流水洗浄等で清浄するのが好ましい。エアーブローで異物を除去する際には、ノズルの向い側から集塵機で吸気を行なうとより有効に除去できる。なお、エアーブローや流水洗浄では限界があるので、さらに超音波洗浄等を行なうこともできる。超音波洗浄は、周波数が25kHz以上、300kHz以下の間で、多重発振させて行なう方法が有効である。例えば周波数が25kHz以上、300kHzの間で、25kHz刻みに12種類の周波数を多重発振させて、超音波洗浄を行なうのが良い。
(5)工程(e):ボンディング工程
工程(e)は、研削後の焼結体を、金属インジウムなどの低融点金属で、バッキングプレートにボンディングする工程である。
以上がスパッタリングターゲットの説明である。
<酸化物半導体薄膜>
次に、本実施形態に係る酸化物半導体薄膜について、説明する。
本実施形態に係る酸化物半導体薄膜は、Ga、Sn、In、および重希土類元素Xを含み、原子組成比が下記式(5)から式(8)を満たす。
0.01≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.40 ・・・(5)
0.01≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.50 ・・・(6)
0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.98 ・・・(7)
0.01≦X/(In+Ga+Sn+X)≦0.20 ・・・(8)
ただし、重希土類元素は、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素を意味する。
式(5)から式(8)に示す組成範囲外では、薄膜トランジスタを形成する工程で使用されるCVD成膜装置での処理の際に、薄膜トランジスタの半導体部分のキャリヤ濃度が上昇し、その後のアニール処理によってもキャリヤ濃度が低下しない場合がある。この場合、トランジスタとして作動しない可能性がある。その場合、CVD装置の成膜温度を低下させて、キャリヤ濃度の上昇を抑え、TFT特性の発現を行っていたが、CVD装置の成膜温度を低減させたことにより、耐久性の乏しいTFT特性しか得られない場合がある。
式(5)から式(8)の上下限の具体的な根拠、および、より好ましい範囲は、式(1)から式(4)の上下限の具体的な根拠、および、より好ましい範囲と同じである。
Ga、Sn、In、および重希土類元素以外の元素は特に限定しない。
ただし、本実施形態に係る酸化物半導体薄膜は、Ga、Sn、In、および重希土類元素を含み、残部が酸素と不可避不純物からなるものが好ましい。残部が酸素と不可避不純物であることにより、Ga、Sn、In、および重希土類元素以外の元素が酸化物半導体薄膜の特性に与える影響を最小限にできる。
酸化物半導体薄膜のキャリヤ密度は、通常1×1018(cm-3)以下が好ましく、より好ましくは1×1014(cm-3)以上、1×1017(cm-3)以下であり、さらに好ましくは1×1015(cm-3)以上、1×1017(cm-3)以下である。
酸化物半導体薄膜のキャリヤ密度が1×1018(cm-3)以下であると、薄膜トランジスタ等の素子を構成した際の漏れ電流、ノーマリーオンや、on−off比の低下を防ぐことができ、良好なトランジスタ性能が発揮できる。キャリヤ濃度が1×1014(cm-3)以上であると、トランジスタとして問題なく駆動する。
酸化物半導体薄膜のキャリヤ密度は、ホール効果測定方法により測定することができる。
酸化物半導体薄膜の移動度は1.0cm2/V・s以上、50.0m2/V・s以下が好ましい。1.0cm2/V・s以上とすることにより、液晶ディスプレイを駆動できる。50.0cm2/V・s以下とすることにより、オフ電流を10-12A以下にでき、オンオフ比を108以上にできる。また、これにより、CMOSイメージセンサーの転送トランジスタやリセットトランジスタを駆動できる。
移動度はホール効果・比抵抗測定装置で求められる。
酸化物半導体薄膜はアモルファス構造であることが好ましい。アモルファス構造であるか否かは、XRDのピークが現れるか否かで判断できる。
バンドギャップは3.2eV以上、3.3eV以下が好ましい。3.2eV以上とすることにより、透明性に優れ、光に対する安定性の高い薄膜トランジスタができる。
バンドギャップは、試料の透過スペクトルを測定し、吸収が立ち上がる部分にフィッティングし、スペクトルがベースラインと交わるところのエネルギー(eV)値を、バンドギャップとすることで、求められる。
酸化物半導体薄膜は非晶質であることが好ましい。非晶質にすることにより、スズを添加する効果が強くなり過ぎるのを防ぐことができ、薄膜が導体化するのを防止できる。また、表面粗さを小さく出来るので、高移動度のトップゲート型薄膜トランジスタを作製するのに有利になる。
<酸化物半導体薄膜の製造方法>
次に、本実施形態に係る酸化物半導体薄膜の製造方法について、説明する。
本実施形態に係る酸化物半導体薄膜が製造できるのであれば、製造方法は、特に限定しない。具体的には以下の製造方法を例示できる。
酸化物半導体薄膜の形成には、スパッタリング法が好適に用いられる。これは、イオンプレーティング法、真空蒸着法、または電子ビーム蒸着法で形成された薄膜に比べ、組成、膜厚等の均一性に優れるからである。また、スパッタリングターゲットと同じ成分組成の薄膜を形成できるためである。
スパッタリング法のなかでも、大面積の成膜が可能で、成膜速度が速いDCスパッタリング法が好ましい。RFスパッタリング法等の、他のスパッタリング法でもよい。
スパッタリングターゲットとして、本実施形態に係るスパッタリングターゲットを用いることにより、式(5)から式(8)に示す条件を満たす酸化物半導体薄膜が得られる。
スパッタリングの雰囲気は、酸化性雰囲気が好ましい。酸化性雰囲気でスパッタリングすることにより、酸化性ガスが半導体薄膜中の酸素欠損を減少させるため、キャリヤ濃度を調整できるためである。酸化性雰囲気とは酸化性ガスを含む雰囲気である。酸化性ガスとは、O2、H2O、CO、CO2などの酸素原子含有ガスを意味する。酸化性ガスの濃度は装置、基板温度、スパッタリング圧力などの使用する条件で、最適化する。
一般的なIGTO半導体薄膜の成膜では、酸化性ガスの酸素分圧は20%から30%程度である。一方で、本実施形態に係るスパッタリングターゲットを用いた成膜では、成膜時の酸素分圧は1%程度でもよい。これは、重希土類元素が、酸素欠損の発生を抑える効果が高いため、成膜時に酸素を付加する必要性が低いためである。酸化性ガスの酸素分圧が低いほど、スパッタリング時のノジュール等の発生が抑制されるため、この点でも、本実施形態に係るスパッタリングターゲットは有用である。
スパッタリング時の電力密度(投入電力をターゲットの面の面積で割った値)は、1.0W/cm2以上、5.0W/cm2以下であることが好ましい。1.0W/cm2以上とすることにより、放電が安定し、所望のスパッタレートも得られる。5.0W/cm2以下とすることにより、ターゲットが発生した熱で割れるのを防ぐことができる。
気体雰囲気の圧力(スパッタ圧力)は、プラズマが安定して放電できる範囲であれば特に限定されないが、0.05Pa以上、5Pa以下が好ましい。
成膜される基体としては、シリコンウェハ、ガラス、セラミックス、プラスチックス、金属などが挙げられる。成膜中の基体温度は、特に制約されないが、非晶質膜を得られやすいという点で、300℃以下であることが好ましい。また、基体温度は、特に意図的な加熱をしない場合は室温程度でもよい。
成膜後、基体を後加熱(熱処理)することもできる。熱処理により、膜が緻密化し、抵抗値が低くなる。
熱処理は、大気中で60℃以上、400℃以下で行うことが好ましい。60℃以上とすることにより、熱処理による効果が発現する。400℃以下とすることにより、逆に抵抗値が高くなるのを防止できる。
以上が酸化物半導体薄膜の製造方法の説明である。
<薄膜トランジスタ>
次に、本実施形態に係る薄膜トランジスタの構造について説明する。
本実施形態に係る薄膜トランジスタは、本実施形態に係る酸化物半導体薄膜を備え、トランジスタとして機能するものであれば、特に構造は限定しない。
具体的な薄膜トランジスタの形状としては、バックチャンネルエッチ型トランジスタ、エッチストッパー型トランジスタ、トップゲート型トランジスタ、などが挙げられる。
具体的な薄膜トランジスタの例を図2および図3に示す。
図2に示すように、薄膜トランジスタ100は、シリコンウェハ20、ゲート絶縁膜30、酸化物半導体薄膜40、ソース電極50、ドレイン電極60、および層間絶縁膜70、70Aを備える。
シリコンウェハ20はゲート電極である。ゲート絶縁膜30はゲート電極と酸化物半導体薄膜40の導通を遮断する絶縁膜であり、シリコンウェハ20上に設けられる。
酸化物半導体薄膜40はチャネル層であり、ゲート絶縁膜30上に設けられる。酸化物半導体薄膜40は本実施形態に係る酸化物半導体薄膜が用いられる。
ソース電極50およびドレイン電極60は、ソース電流およびドレイン電流を酸化物半導体薄膜40に流すための導電端子であり、酸化物半導体薄膜40の両端近傍に接触するように、各々設けられる。
層間絶縁膜70は、ソース電極50およびドレイン電極60と、酸化物半導体薄膜40の間の接触部分以外の導通を遮断する絶縁膜である。
層間絶縁膜70Aは、ソース電極50およびドレイン電極60と、酸化物半導体薄膜40の間の接触部分以外の導通を遮断する絶縁膜である。ソース電極50とドレイン電極60の間の導通を遮断する絶縁膜でもある。チャネル層保護層でもある。
図3に示すように、薄膜トランジスタ100Aの構造は、薄膜トランジスタ100と同様であるが、ソース電極50およびドレイン電極60を、ゲート絶縁膜30と酸化物半導体薄膜40の両方に接触するように設けている点が異なる。ゲート絶縁膜30、酸化物半導体薄膜40、ソース電極50、およびドレイン電極60を覆うように、層間絶縁膜70Bが一体に設けられている点も異なる。
薄膜トランジスタは、以下の特性を有するのが好ましい。
薄膜トランジスタの移動度は1.0cm2/V・s以上、50.0cm2/V・s以下が好ましい。1.0cm2/V・s以上とすることにより、液晶ディスプレイを駆動できる。50.0cm2/V・s以下とすることにより、オフ電流を10-12A以下にでき、オンオフ比を108以上にできる。また、これにより、CMOSイメージセンサーの転送トランジスタやリセットトランジスタに適用できる。
飽和移動度は、ドレイン電圧を20V印加した場合の伝達特性から求められる。具体的に、伝達特性Id−Vgのグラフを作成し、各Vgのトランスコンダクタンス(Gm)を算出し、飽和領域の式により飽和移動度を求めることにより、算出できる。Idはソース・ドレイン電極間の電流、Vgはソース・ドレイン電極間に電圧Vdを印加したときのゲート電圧である。
閾値電圧(Vth)は、−3.0V以上、3.0V以下が好ましく、−2.0V以上、2.0V以下がより好ましく、−1.0V以上、1.0V以下がさらに好ましい。−3.0V以上であると、高移動度の薄膜トランジスタができる。3.0V以下であると、オフ電流が小さく、オンオフ比の大きな薄膜トランジスタができる。
閾値電圧(Vth)は、伝達特性のグラフよりId=10-9AでのVgで定義できる。
on−off比は106以上、1012以下が好ましく、107以上、1011以下がより好ましく、108以上、1010以下がさらに好ましい。106以上であると、液晶ディスプレイの駆動ができる。1012以下であると、コントラストの大きな有機ELの駆動ができる。また、CMOSイメージセンサーの転送トランジスタやリセットトランジスタに用いた場合、画像の保持時間を長くしたり、感度を向上させたりすることができる。
on−off比は、Vg=−10VのIdの値をOff電流値とし、Vg=20VのIdの値をOn電流値として、比[On電流値/Off電流値]を決めることにより、求められる。
Off電流値は、10-10A以下が好ましく、10-11A以下がより好ましく、10-12A以下がさらに好ましい。10-10A以下であると、コントラストの大きな有機ELの駆動ができる。また、CMOSイメージセンサーの転送トランジスタやリセットトランジスタに用いた場合、画像の保持時間を長くしたり、感度を向上させたりすることができる。
また、TFTに保護膜(SiO膜)を形成する場合、SiOをスパッタリング法で成膜を行えば、オフ電流を増加させることなくTFTが得られ、その方法で得られたTFTは、CMOSセンサーのCMOSイメージセンサーの転送トランジスタや、リセットトランジスタに適用できる。
薄膜トランジスタの半導体層に用いられる、本実施形態に係る非晶質酸化物半導体薄膜の欠陥密度は、5.0×1016cm−3以下が好ましく、1.0×1016cm−3以下がより好ましい。欠陥密度の減少により、薄膜トランジスタの移動度がさらに高くなり、光照射時の安定性、熱に対する安定性が高くなり、TFTが安定して作動するようになる。
<薄膜トランジスタの用途>
本実施形態に係る薄膜トランジスタは、電界効果型トランジスタ、論理回路、メモリ回路、差動増幅回路等各種の集積回路にも適用できる。さらに、電界効果型トランジスタ以外にも静電誘起型トランジスタ、ショットキー障壁型トランジスタ、ショットキーダイオード、抵抗素子にも適応できる。また、CMOSイメージセンサーの転送トランジスタやリセットトランジスタにも適応できる。
本実施形態に係る薄膜トランジスタは、表示装置および固体撮像素子等に好適に用いることができる。以下、本実施形態に係る薄膜トランジスタを表示装置および固体撮像素子に用いる場合について、説明する。
まず、本実施形態に係る薄膜トランジスタを表示装置に用いる場合について、図4を参照して説明する。
図4(A)は、本発明の一態様の表示装置の上面図である。図4(B)は、本発明の一態様の表示装置の画素部に、液晶素子を適用する場合の画素部の回路を説明するための回路図である。また、図4(C)は、本発明の一態様の表示装置の画素部に、有機EL素子を適用する場合の画素部の回路を説明するための回路図である。
画素部に配置するトランジスタは、本実施形態に係る薄膜トランジスタを用いることができる。本実施形態に係る薄膜トランジスタはnチャネル型とすることが容易なので、nチャネル型トランジスタで構成できる駆動回路の一部を、画素部のトランジスタと同一基板上に形成する。画素部や駆動回路に本実施の形態に示す薄膜トランジスタを用いることにより、信頼性の高い表示装置を提供できる。
アクティブマトリクス型表示装置の上面図の一例を図4(A)に示す。表示装置の基板300上には、画素部301、第1の走査線駆動回路302、第2の走査線駆動回路303、信号線駆動回路304が形成される。画素部301には、複数の信号線が信号線駆動回路304から延伸して配置され、複数の走査線が第1の走査線駆動回路302、および第2の走査線駆動回路303から延伸して配置される。走査線と信号線との交差領域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス状に設けられる。表示装置の基板300は、FPC(Flexible Printed Circuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路(コントローラ、制御ICともいう)に接続される。
図4(A)では、第1の走査線駆動回路302、第2の走査線駆動回路303、信号線駆動回路304は、画素部301と同じ基板300上に形成される。そのため、外部に設ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。また、基板300外部に駆動回路を設けた場合、配線を延伸させる必要が生じ、配線間の接続数が増える。同じ基板300上に駆動回路を設けた場合、その配線間の接続数を減らすことができ、信頼性の向上、または歩留まりの向上を図ることができる。
また、画素の回路構成の一例を図4(B)に示す。ここでは、VA型液晶表示装置の画素部に適用することができる画素部の回路を示す。
この画素部の回路は、一つの画素に複数の画素電極を有する構成に適用できる。それぞれの画素電極は異なるトランジスタに接続され、各トランジスタは異なるゲート信号で駆動できるように構成されている。これにより、マルチドメイン設計された画素の個々の画素電極に印加する信号を、独立して制御できる。
トランジスタ316のゲート配線312と、トランジスタ317のゲート配線313には、異なるゲート信号を与えられるように分離されている。一方、データ線として機能するソース電極またはドレイン電極314は、トランジスタ316とトランジスタ317で共通に用いられる。トランジスタ316とトランジスタ317は、本実施形態に係るトランジスタを用いることができる。これにより、信頼性の高い液晶表示装置を提供できる。
トランジスタ316には、第1の画素電極が電気的に接続され、トランジスタ317には、第2の画素電極が電気的に接続される。第1の画素電極と第2の画素電極とは分離されている。第1の画素電極と第2の画素電極の形状は、特に限定しない。例えば、第1の画素電極は、V字状とすればよい。
トランジスタ316のゲート電極はゲート配線312と接続され、トランジスタ317のゲート電極はゲート配線313と接続されている。ゲート配線312とゲート配線313に異なるゲート信号を与えて、トランジスタ316とトランジスタ317の動作タイミングを異ならせ、液晶の配向を制御できる。
また、容量配線310と、誘電体として機能するゲート絶縁膜と、第1の画素電極または第2の画素電極と電気的に接続する容量電極とで、保持容量を形成してもよい。
マルチドメイン構造は、一画素に第1の液晶素子318と第2の液晶素子319を備える。第1の液晶素子318は第1の画素電極と対向電極とその間の液晶層とで構成され、第2の液晶素子319は第2の画素電極と対向電極とその間の液晶層とで構成される。
画素部は、図4(B)に示す構成に限定されない。図4(B)に示す画素部にスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ、センサー、または論理回路を追加してもよい。
画素の回路構成の他の一例を図4(C)に示す。ここでは、有機EL素子を用いた表示装置の画素部の構造を示す。
図4(C)は、適用可能な画素部320の回路の一例を示す図である。ここではnチャネル型のトランジスタを1つの画素に2つ用いる例を示す。本実施形態の酸化物半導体膜は、nチャネル型のトランジスタのチャネル形成領域に用いることができる。当該画素部の回路は、デジタル時間階調駆動を適用できる。
スイッチング用トランジスタ321および駆動用トランジスタ322は、本実施形態に係る薄膜トランジスタを用いることができる。これにより、信頼性の高い有機EL表示装置を提供することができる。
画素部の回路の構成は、図4(C)に示す構成に限定されない。図4(C)に示す画素部の回路にスイッチ、抵抗素子、容量素子、センサー、トランジスタまたは論理回路を追加してもよい。
以上が本実施形態に係る薄膜トランジスタを表示装置に用いる場合の説明である。
次に、本実施形態に係る薄膜トランジスタを固体撮像素子に用いる場合について、図5を参照して説明する。
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーは、信号電荷蓄積部に電位を保持し、その電位を増幅トランジスタを介して、垂直出力線に出力する固体撮像素子である。CMOSイメージセンサーに含まれるリセットトランジスタ、および/または転送トランジスタにリーク電流があると、そのリーク電流によって充電または放電が起こり、信号電荷蓄積部の電位が変化する。信号電荷蓄積部の電位が変化すると、増幅トランジスタの電位も変わってしまい、本来の電位からずれた値となり、撮像された映像が劣化してしまう。
本実施形態に係る薄膜トランジスタをCMOSイメージセンサのリセットトランジスタ、および転送トランジスタに適用した場合の動作の効果を説明する。増幅トランジスタは、薄膜トランジスタまたはバルクトランジスタのどちらを適用しても良い。
図5は、CMOSイメージセンサーの画素構成の一例を示す図である。画素は光電変換素子であるフォトダイオード3002、転送トランジスタ3004、リセットトランジスタ3006、増幅トランジスタ3008および各種配線で構成されており、マトリクス状に複数が配置されてセンサーを構成する。増幅トランジスタ3008と電気的に接続される選択トランジスタを設けても良い。トランジスタ記号に記してある「OS」は酸化物半導体(Oxide Semiconductor)を、「Si」はシリコンを示しており、それぞれのトランジスタに適用すると好ましい材料を表している。以降の図面についても同様である。
フォトダイオード3002は、転送トランジスタ3004のソース側に接続されており、転送トランジスタ3004のドレイン側には信号電荷蓄積部3010(FD:フローティングディフュージョンとも呼ぶ)が形成される。信号電荷蓄積部3010にはリセットトランジスタ3006のソース、および増幅トランジスタ3008のゲートが接続されている。別の構成として、リセット電源線3110を削除することもできる。例えば、リセットトランジスタ3006のドレインをリセット電源線3110ではなく、電源線3100または垂直出力線3120につなぐ方法がある。
以上が、本実施形態に係る薄膜トランジスタを固体撮像素子に用いる場合の説明である。
このように、本実施形態の酸化物焼結体は、薄膜トランジスタに用いたときに優れた特性を有する酸化物半導体薄膜を形成でき、かつ成膜時の割れやノジュールの生成を抑制できる。
以下、実施例に基づき、本発明に好適な実施形態を、より詳細に説明するが、本発明は実施例には限定されない。
<焼結体およびターゲットの強度試験>
まず、本実施形態の条件を満たす酸化物焼結体を製造してターゲットに加工し、スパッタリング成膜の際の割れやノジュール発生の有無を試験した。具体的な手順は以下の通りである。
まず、実施例1から実施例3として、ガリウム、インジウム、スズ、および重希土類元素としてのイッテルビウムを含む組成の試料を用意した。さらに、比較例1として、ガリウム、インジウム、スズを含むがイッテルビウムを含まない組成の試料も用意した。
各元素の原料は、以下の組成を有し、純度99.99質量%の酸化物粉末を用いた。
ガリウム:Ga23
インジウム:In23
スズ:SnO2
イッテルビウム:Yb23
各元素の重量比は以下のように求めた。
ガリウム重量比 :Ga23/(In23+Ga23+SnO2+Yb23
スズ重量比 :SnO2/(In23+Ga23+SnO2+Yb23
インジウム重量比 :In23/(In23+Ga23+SnO2+Yb23
イッテルビウム重量比 :Yb23/(In23+Ga23+SnO2+Yb23
各元素の原子比は式(1)から式(4)の不等号で挟まれる中段の式を用いて求めた。
次に、原料粉末を秤量し、ポリエチレン製のポットに入れて、乾式ボールミルにより72時間混合粉砕し、混合粉末を作製した。
この混合粉末を金型に入れ、49MPa(500kg/cm2を換算)の圧力でプレス成型体とした。この成型体を196MPa(2000kg/cm2を換算)の圧力でCIP(Cold Isostatic Pressing)により緻密化を行った。次に、この成型体を常圧焼成炉に設置して、大気雰囲気下で、350℃で3時間保持した後に、100℃/時間にて昇温し、1430℃にて、48時間焼結し、その後、放置して冷却した。
次に、得られた焼結体の結晶構造、結晶構造の格子定数、相対密度、およびバルク抵抗を求めた。さらに、焼結体をスパッタリングターゲットして成膜試験を行った。
具体的な条件は以下の通りである。
<結晶構造>
得られた焼結体について、X線回折測定装置Smartlabにより、以下の条件でX線回折(XRD)を測定した。得られたXRDチャートをJADE6により分析し、焼結体の結晶構造を求めた。さらに、ピーク強度比から、組成を質量%で求めた。
装置:Smartlab株式会社リガク製
X線:Cu−Kα線(波長1.5418×10-10m)
2θ―θ反射法 連続スキャン(2.0°/分)
サンプリング間隔:0.02°
スリットDS(発散スリット)、SS(発散スリット)、RS(受光スリット):1mm
<格子定数>
得られたXRDパターンを、JADE6を用いて全パターンフィッティング(WPF)解析し、XRDパターンに含まれる各結晶成分を特定し、得られた酸化物焼結体中のIn結晶構造の格子定数を算出した。
<相対密度>
得られた酸化物焼結体について、アルキメデス法で測定した実測密度を、各構成元素の酸化物の密度および重量比から算出される理論密度で除した値を、百分率にして、相対密度を算出した。なお、各原料粉末の密度は、密度と比重はほぼ同等であることから、化学便覧 基礎編I日本化学編 改定2版(丸善株式会社)に記載されている酸化物の比重の値を用いた。
<バルク抵抗>
得られた酸化物焼結体のバルク抵抗(mΩcm)を、抵抗率計ロレスタ(三菱化学株式会社製、ロレスタAX MCP-T370)を使用して、四探針法(JIS R 1637)に基づき測定した。
測定箇所は酸化物焼結体の中心および酸化物焼結体の四隅と中心との中間点の4点、計5箇所とし、5箇所の平均値をバルク抵抗値とした。
<成膜耐久評価試験>
まず、酸化物焼結体を、研削研磨して、4インチφ×厚さ5mmのスパッタリングターゲットに加工し、インジウムろうを用いて銅製のバッキングプレートにボンディングした。
次に、バッキングプレートをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付け、400WのDCスパッタリングを連続5時間実施した。DCスパッタリング後のターゲット表面の状態、具体的にはクラックの有無と黒色異物(ノジュール)の有無を目視で確認した。
以上の結果を表1に示す。得られたXRDチャートを図6から図9に示す。図6から図9には、所定のピークに対応する結晶構造の角度も示す。
表1および図6から図9に示すように、実施例1から実施例3、および比較例1は、Ga2In6Sn216が主成分であり、In23で表されるビッグスバイト構造を含んでいた。相対密度は95%以上、バルク抵抗は20mΩcm以下であった。
一方で、実施例1から実施例3は、比較例1よりもGa2In6Sn216の格子定数が大きかった。
実施例1から実施例3は、成膜後のターゲットにクラックやノジュールは見られなかった。比較例は、成膜後のターゲットにクラックやノジュールが観察された。
この結果から、実施例1から実施例3の構成のように、Ybを含有するIGTOは、Ybを含有しない場合と比べて、焼結体およびスパッタリングターゲットの強度が高いことが分かった。
<半導体薄膜の評価試験>
次に、実施例1から実施例3、および比較例1のスパッタリングターゲットを用いて、以下の条件で半導体薄膜を製造し、特性を評価した。具体的な手順は以下の通りである。
なお、半導体薄膜の製造は、スパッタリングターゲットの成膜耐久評価を行う前に実施した。
(1)成膜工程
実施例1から実施例3、および比較例1で製造した酸化物焼結体を研削研磨して、4インチφ×5mmtのスパッタリングターゲットを製造した。作製したスパッタリングターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングによって、図10(A)に示すように、ガラス基板81(日本電気硝子株式会社製ABC−G)上に、膜厚50nmの酸化物半導体薄膜83のみを成膜したサンプルを製造した。
成膜条件は以下の通りである。
雰囲気ガス:ArおよびO2
成膜前の背圧:5×10-4Pa
成膜時のスパッタ圧:0.5Pa
成膜時の酸素分圧:1%
(2)熱処理工程
次に、得られたサンプルを大気中にて350℃で、昇温速度10℃/分で30分間加熱処理した。
次に、製造した半導体薄膜について下記評価を行った。
<ホール効果測定>
まず、ガラス基板81および酸化物半導体薄膜83からなるサンプルから、平面形状が1cm角の正方形となるように試料を切り出した。次に、切り出した試料の4隅に金(Au)を、2mm×2mm以下の大きさ位になるように、メタルマスクを用いてイオンコーターで成膜した。次にAu金属上にインジウムはんだを乗せて、接触を良くしてホール効果測定用サンプルとした。
ホール効果測定用サンプルをホール効果・比抵抗測定装置(ResiTest8300型、東陽テクニカ社製)にセットし、室温においてホール効果を評価し、キャリヤ密度および移動度を求めた。
また、得られたサンプルの酸化物半導体層について、誘導プラズマ発光分析装置(ICP−AES、島津製作所社製)で分析した結果、得られた酸化物半導体薄膜の原子比が、酸化物半導体薄膜の製造に用いた焼結体の原子比と同じであることを確認した。
また、誘導プラズマ発光分析装置で測定した金属元素の原子比が既知の標準酸化物薄膜の上面に、ソース・ドレイン電極をTFT素子と同様の材料をチャネル長で形成したものを標準材料とし、セクタ型ダイナミック二次イオン質量分析計SIMS(IMS 7f−Auto、AMETEK社製)により酸化物半導体層の分析により各元素の質量スペクトル強度を得、既知の元素濃度と質量スペクトル強度の検量線を作製した。次に、実TFT素子の酸化物半導体膜部分を、セクタ型ダイナミック二次イオン質量分析計SIMS分析によるスペクトル強度から、前述の検量線を用いて、原子比を算出した。算出された原子比は、別途誘導プラズマ発光分析装置で測定された酸化物半導体膜の原子比の2原子%以内であり、セクタ型ダイナミック二次イオン質量分析計SIMS分析で誘導プラズマ発光分析と同等の精度で分析できることを確認した。
また、これはXRF(X−ray Fluorescence)測定により求めた酸化物半導体薄膜中の各金属元素の含有量(原子比)と、セクタ型ダイナミック二次イオン質量分析計SIMSにより求めた酸化物半導体薄膜中の各金属元素の含有量(原子比)とでも同様のことが言えると考える。XRF測定は薄膜蛍光X線分析装置(AZX400、リガク社製)を用いることができる。
上記ホール効果測定用サンプルの酸化物半導体薄膜83上にさらに、CVD装置により基板温度250℃で、図10(B)に示すようにSiO2膜85を成膜したのち、上記と同じホール測定を実施した。また、表2に示す条件でSiO2膜を成膜したサンプルをさらに加熱処理し、得られたサンプルの半導体薄膜について上記と同じホール測定を行った。この際、SiO2膜に測定用針を金の層まで突き刺し、コンタクトを取った。
<半導体薄膜の結晶特性>
ガラス基板および酸化物半導体層からなるサンプルについて、スパッタ後(膜堆積直後)の加熱していない膜、および表2の成膜後の加熱処理をした後の膜の結晶性をX線回折(XRD)測定によって評価した。その結果、加熱前は非晶質であり、加熱後も非晶質であった。
<半導体薄膜のバンドギャップ>
ガラス基板81および酸化物半導体薄膜83からなるサンプルについて、表2に示す加熱処理条件で熱処理したサンプルの透過スペクトルを測定し、横軸の波長をエネルギー(eV)に、縦軸の透過率を以下の式(10)に変換した。
透過率=(αhν)2 ・・・(10)
ここで、α、h、νは以下の通りである。
α:吸収係数
h:プランク定数
ν:振動数
変換したグラフにおいて、吸収が立ち上がる部分にフィッティングし、グラフがベースラインと交わるところのエネルギー値(eV)を、バンドギャップとして算出した。
<薄膜トランジスタの製造>
さらに、半導体薄膜を用いた、図3に示す薄膜トランジスタを以下の手順で製造した。
(1)成膜工程
熱酸化膜(ゲート絶縁膜30)付きのゲート電極としてのシリコンウェハ20上に、メタルマスクを介して50nmの酸化物半導体薄膜40を形成した。その他の条件は、ガラス基板上に半導体薄膜を形成した場合と同様とした。
(2)ソース・ドレイン電極の形成
次に、ソース・ドレインのコンタクトホール形状のメタルマスクを用いて、チタン金属をスパッタリングし、ソース電極50およびドレイン電極60としてチタン電極を成膜した。得られた積層体を大気中にて350℃で30分間加熱処理し、保護絶縁膜形成前の薄膜トランジスタを製造した。
(3)保護絶縁膜の形成
(2)で得られた保護絶縁膜形成前の薄膜トランジスタの半導体薄膜の上に、基板温度300℃で化学蒸着法(CVD)により、SiO2膜(保護絶縁膜;層間絶縁膜70B)を形成した。SiO2膜形成後、大気中にて350℃で1時間加熱処理し、保護絶縁膜を備える薄膜トランジスタを製造した。その後、ソース電極50およびドレイン電極60に、装置のプローブピンにてコンタクトホールを形成してコンタクトを取り、薄膜トランジスタを製造した。
<薄膜トランジスタの評価>
製造した薄膜トランジスタについて、保護絶縁膜(SiO2膜)形成前の薄膜トランジスタ、および保護絶縁膜(SiO2膜)を形成し加熱処理した後の薄膜トランジスタの特性について、SiO2膜に測定用針を金属チタンの層まで突き刺し評価を行った。
<飽和移動度>
飽和移動度は、ドレイン電圧を20V印加した場合の伝達特性から求めた。具体的に、伝達特性Id−Vgのグラフを作成し、各Vgのトランスコンダクタンス(Gm)を算出し、飽和領域の式により飽和移動度を導いた。なお、Gmは∂(Id)/∂(Vg)によって表され、Vgは−15Vから25Vまで印加し、その範囲での最大移動度を飽和移動度と定義した。本発明において特に断らない限り、飽和移動度はこの方法で評価した。上記Idはソース・ドレイン電極間の電流、Vgはソース・ドレイン電極間に電圧Vdを印加したときのゲート電圧である。
<閾値電圧(Vth)>
閾値電圧(Vth)は、伝達特性のグラフよりId=10-9AでのVgと定義した。
<on−off比、Off電流値>
on−off比は、Vg=−10VのIdの値をOff電流値とし、Vg=20VのIdの値をOn電流値として比[On/Off]を決めた。
以上の結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例Aでは薄膜、薄膜トランジスタ(TFT)のいずれも、薄膜が導電体になってしまい、半導体としての特性が得られなかった。
一方で、実施例Aから実施例Cでは、薄膜、薄膜トランジスタのいずれも、半導体としての特性が得られていた。特に、薄膜トランジスタでは、SiO2成膜後に熱処理を行うと、SiO2成膜前(加熱処理後)よりも飽和移動度が向上していた。
以上の結果から、本実施形態に係る組成範囲の酸化物焼結体を用いて成膜した酸化物半導体薄膜は、従来は導体化するガリウム、インジウム、およびスズの組成範囲であっても、重希土類元素を添加することにより、半導体化することが分かった。さらに、SiO2成膜後に熱処理を行っても飽和移動度が向上するため、CVD耐性等の半導体特性に優れていることが分かった。
20…シリコンウェハ(ゲート電極)、30…ゲート絶縁膜、40…酸化物半導体薄膜、50…ソース電極、60…ドレイン電極、70…層間絶縁膜、70A…層間絶縁膜、70B…層間絶縁膜、81…ガラス基板、83…酸化物半導体薄膜、85…SiO2膜、100…薄膜トランジスタ、100A…薄膜トランジスタ。

Claims (11)

  1. Ga、Sn、In、および重希土類元素を含むことを特徴とする酸化物焼結体。
    ただし、前記重希土類元素とは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素を意味する。
  2. Ga2+XIn6-XSn216(Xは0以上、1以下)を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の酸化物焼結体。
  3. 前記Ga2+XIn6-XSn216の格子定数が、純物質の格子定数より大きいことを特徴とする請求項2に記載の酸化物焼結体。
  4. 原子組成比が下記式(1)から式(4)を満たすことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の酸化物焼結体。
    0.01≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.40 ・・・(1)
    0.01≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.50 ・・・(2)
    0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.98 ・・・(3)
    0.01≦X/(In+Ga+Sn+X)≦0.20 ・・・(4)
    ただし、Xは前記重希土類元素を意味する。
  5. Ga、Sn、In、および前記重希土類元素を含み、残部が酸素と不可避不純物からなることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の酸化物焼結体。
  6. In23で表されるビッグスバイト構造を含むことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の酸化物焼結体。
  7. 相対密度が95%以上、バルク抵抗が20mΩcm以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の酸化物焼結体。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の酸化物焼結体を備えることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  9. Ga、Sn、In、および重希土類元素Xを含み、原子組成比が下記式(5)から式(8)を満たすことを特徴とする、酸化物半導体薄膜。
    0.01≦Ga/(In+Ga+Sn)≦0.40 ・・・(5)
    0.01≦Sn/(In+Ga+Sn)≦0.50 ・・・(6)
    0.30≦In/(In+Ga+Sn)≦0.98 ・・・(7)
    0.01≦X/(In+Ga+Sn+X)≦0.20 ・・・(8)
    ただし、前記重希土類元素Xは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1種以上の元素を意味する。
  10. Ga、Sn、In、および前記重希土類元素Xを含み、残部が酸素と不可避不純物からなることを特徴とする、請求項9に記載の酸化物半導体薄膜。
  11. 請求項9または請求項10に記載の酸化物半導体薄膜を備えることを特徴とする薄膜トランジスタ。
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