JP2019064456A - 物体通過検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】列車や自動車等の各種車両その他の物体について、通過を検知することができる物体通過検知装置を提供すること。【解決手段】測距データ処理部を構成する測距データ処理装置200において、測距部100からの測距データを物体の移動方向に関して解析できる。また、測距データ処理装置200は、測距データを解析した結果に基づいて、判定部として、車両通過についての判定をする。以上により、列車や自動車等の各種車両その他の物体について、通過の検知を可能としている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば列車や自動車等の各種車両その他の物体について、通過の検知を行う物体通過検知装置に関する。
距離画像データのような距離情報を持ったデータを用いた車両の検知に関する技術として、距離画像センサーによって取得した距離画像データを利用した車種判別装置であって、距離画像データから得た形状要素(立体形状)に基づいて車種判別を行うものが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、自動車等の駐車場のうち、特に入出場口に車種判別装置を設置して車種情報を取得するものであり、車両の通過に関して検知するものではない。また、特許文献1では、自動車等の車両を判別の対象としており、例えば自動車等以外の車両である列車を構成する車両を対象とするものでもないと考えられる。
特開2017−41214号公報
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、列車や自動車等の各種車両その他の物体について、通過を検知することができる物体通過検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る物体通過検知装置は、検知対象領域における測距データを取得する測距部と、測距部で取得した測距データを物体の移動方向に並ぶ測距データのメッシュについて解析するとともに、物体の移動量を算出する測距データ処理部と、メッシュの解析結果と物体の移動量の算出結果とに基づき、物体の通過判定を行う判定部とを備える。
上記物体通過検知装置では、測距データ処理部において測距データを物体の移動方向に関して解析し、その結果に基づいて判定部において車両通過についての判定をすることで、列車や自動車等の各種車両その他の物体について、通過の検知が可能になる。
本発明の具体的な側面では、測距部における検知対象たる物体は、車両である。この場合、列車や自動車等の各種車両の通過検知が可能になる。
本発明の別の側面では、判定部は、メッシュのうち物体があると検知された検知メッシュのサイズによって車両の有無判定をする。この場合、検知メッシュのサイズに基づいて正確かつ迅速に車両の有無判定ができる。
本発明のさらに別の側面では、測距データ処理部は、検知メッシュの基準位置に関する車両の移動方向についての移動量を集積することで、車両の移動量の算出を行う。この場合、算出された車両の移動量に基づいて車両の通過があったか否かを検知できる。
本発明のさらに別の側面では、判定部は、検知メッシュの基準位置に関するフレーム間での車両の移動方向についての位置関係に基づいて、フレーム間での同一車両を判別する。この場合、判別結果に応じて異なる車両の区別を測距データに基づいて行うことができる。
本発明のさらに別の側面では、測距データ処理部は、検知メッシュについて、隣接するメッシュとの関係での収縮及び膨張によるフィルタ処理を施す。この場合、フィルタ処理により検知対象たる物体を抽出できる。
本発明のさらに別の側面では、測距データ処理部は、フィルタ処理により、検出対象外の物体を除去する。この場合、より正確な検知対象ができる。
本発明のさらに別の側面では、判定部は、車両を複数連結させて1つの列車を構成する連結部を判別し、1つの列車を構成する車両の車両数をカウントする。この場合、列車を構成する車両の車両数を把握できる。
本発明のさらに別の側面では、測距データ処理部は、検知対象領域における測距データの測距不能箇所について、当該測距不能箇所の周囲の測距データに基づいてデータ補間をする。この場合、測距不能箇所のデータを補間することで、測定不能となることを低減できる。
本発明のさらに別の側面では、データ補間は、物体の移動方向を横切る方向についての測距データを利用して行う。この場合、移動方向に基づくデータ補間ができる。
本発明のさらに別の側面では、測距部は、光源から射出された光を、検知対象領域に向けて走査させ反射光として受光するまでの時間に基づいて距離を計測することで、測距データを取得する。この場合、正確かつ迅速に測距データを取得できる。また、例えば装置を屋外に設置した場合に、太陽光の方角や有無による影響に依らず、的確な測距データの取得が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、測距データ処理部は、所定フレーム数以上連続した検知がなされた場合にのみ物体の存在を認める。この場合、例えば降雨時や降雪時における雨滴や雪等の影響で誤検知が生じることを低減できる。
(A)は、第1実施形態に係る物体通過検知装置の一例について説明するための概念的な斜視図であり、(B)は、一構成例についてのブロック図である。 (A)及び(B)は、物体の移動方向に並ぶ測距データのメッシュについて解析する様子を説明するための概念図である。 (A)は、車両の移動方向についての移動量の集積の処理について説明するための概念図であり、(B)は、同一車両の判別の処理について説明するための概念図である。 物体通過検知装置の一連の処理動作の一例を示すフローチャートである。 (A)は、検知対象たる列車について通過検知をする場合の検出範囲について説明するための斜視図であり、(B)及び(C)は、検出範囲の断面の様子を示す図である。 (A)及び(B)は、具体的動作の一例として、1つの列車を構成する車両の車両数をカウントする場合について説明するための図である。 測距部(測距装置)の一例について説明するためのブロック図である。 第2実施形態に係る物体通過検知装置による一連の処理動作の一例を示すフローチャートである。 測距部(測距装置)により取得される画像情報の一例について説明するための画像図である。 (A)は、測距不能箇所のデータ補間をする方法について説明するためのデータ表の一例を示す図であり、(B)は、データ表の他の一例を示す図である。 所定フレーム数以上連続した検知がなされたか否かについての判断処理の一例を説明するための概念的な斜視図である。 隣接するメッシュとの関係での収縮及び膨張によるフィルタ処理について一例を説明するための画像図である。 メッシュ補間処理の一例について説明するための画像図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1を参照して、第1実施形態に係る物体通過検知装置について一例を説明する。図1(A)及び1(B)は、本実施形態に係る物体通過検知装置の一例について説明するための概念的な斜視図及び構成についてのブロック図である。なお、本実施形態の一態様としての物体通過検知装置500は、例えば列車や自動車等の各種車両について、通過の検知を行う装置である。すなわち、物体通過検知装置500は、検知対象たる物体を車両とする検知装置である。
図1(A)に示すように、物体通過検知装置500は、検知対象領域である3次元空間の検出範囲(検知エリア)DAにおける測距データを取得する測距部100と、測距部100で取得した測距データに基づき各種処理を行って車両の通過判定を行う測距データ処理装置200とを備える。
測距部100は、例えば光走査によって距離画像を取得する既知の距離画像装置(測距装置)で構成され、検出範囲(検知エリア)DAに対応する画像の画素ごとに、距離情報を持つデータ(距離画像、ポイントクラウドと呼ばれるデータ)を、測距データとして取得可能となっている。なお、測距部100の具体的な構成の一例については後述する(図7参照)が、ここでは、パルス光PLを検出範囲DAを走査するように射出し物体によって反射された成分である反射光RLを受光することで検知を行っている。また、測距部100は、所定のフレーム数あるいはフレームレート(例えば30fps)の動画の撮像が可能となっている。
本実施形態では、また、測距部100は、例えば道路付近あるいは線路付近に固定設置されており、道路や線路を通過する車両を側方から、あるいは上方に設置されて斜め上方から下方に向けて測距を行うことで、必要な範囲の測距データを取得可能としている。
測距データ処理装置200は、測距部100により取得された測距データから、目的とする物体についての画像検出等を行う装置である。本実施形態では、測距データ処理装置200は、測距データの解析を行って検知対象の物体である車両の移動量を算出する測距データ処理部として機能するとともに、算出結果等に基づき車両の通過判定を行う判定部として機能する。
以下、図1(B)を参照して、測距データ処理装置200の構成について、一例を説明する。図1(B)に示すように、本発明に係る物体通過検知装置500のうち、測距データ処理装置200は、上記機能を果たすべく、CPU210と、画像処理部220と、記憶装置230と、表示装置240と、入力装置250と、測距データ受付部260と、バス270とを備える。
測距データ処理装置200のうち、CPU210は、バス270を介して、画像処理部220、記憶装置230、表示装置240や入力装置250との間で相互にデータの授受が可能になっており、各種演算処理を行う主制御部として機能する。
CPU210は、画像処理に関する各種制御を行う。特に、CPU210は、測距部100から取り込まれた情報すなわち測距データを記憶装置230に格納し、記憶装置230に格納された画像情報に基づいて、画像処理部220により各種画像処理を行う。すなわち、各種処理のための制御を行う制御部である。特に、本実施形態では、測距データ処理装置200は、測距部100で取得された情報から、各部を動作させて、車両の有無や車両の通過判定を行う。
画像処理部220は、CPU210の制御に従って、測距部100によって取得された情報を、例えば画像化可能にするために各種処理を行う。
記憶装置230は、測距データ処理装置200を動作させる各種プログラム等を記憶しているプログラム領域を有するプログラム記憶部と、入力指示、入力データ、処理結果等を一時格納するデータ領域を有するデータ記憶部とを備える。すなわち、記憶装置230は、画像処理部220等の各種情報を記憶するとともに、取得した情報から各種判断を行うためのプログラムを格納している。
上記の他、例えば、表示装置240は、画像表示部等により構成され、CPU210からの指令信号に基づいて必要な表示を行う。また、入力装置250は、キーボード等から構成され、測距データ処理装置200を操作するオペレーターの意思を反映した指令信号をCPU210に出力する。また、測距データ受付部260は、測距部100からの情報を受け付けるインターフェースとして機能する。
以上のような測距データ処理装置200において、CPU210が画像処理部220に各種処理を行わせる、あるいは、これらが協働することで、測距データの解析や車両の移動量の算出を行う測距データ処理部として機能する。また、CPU210が記憶装置230に格納された各種データの一部である算出結果等に基づいて車両の通過判定を行う判定部として機能する。
以上のような測距部100及び測距データ処理装置200を有することにより、物体通過検知装置500は、測距部100で取得された情報を、測距データ処理装置200において各種処理を施すことで、物体たる車両の通過検知を可能にしている。
以下、物体通過検知装置500(特に測距データ処理装置200)による各種処理について、説明をする。
〔2値化処理〕
まず、最初の前提として、物体通過検知装置500では、検出範囲DAを定めるための処理として、2値化処理を行っている。具体的には、図1(A)に例示するような3次元空間の検出範囲DAの範囲を定め、検知物体である車両の通過する可能性のある領域であって物体検出を行うための領域とそれ以外の領域すなわち背景等その他の対象外領域との区別をしている。例えば、検知物体である車両がレール上を走行する列車の場合、レールの設置位置や、列車のサイズ等から想定すべき検出範囲DAを予め定めることが可能である。また、検知物体である車両が道路上を走行する自動車の場合であっても、道路幅や自動車(トラック等の大型のものから軽自動車や二輪車等の小型のものまで)として想定される範囲は有限であるので、これを適宜考慮すれば検出範囲DAを予め定めることが可能である。ここでは、上記のようにして検出範囲DAの中(内)にあるか外にあるかを定める処理を2値化処理と呼ぶ。すなわち、図1Aに示すように、検出範囲DA内にある点IPをオンとし、検出範囲DA外にある点OPをオフとし、検出範囲DA外の領域については、測距部100による測距の可否を問わず、検知対象外としている。なお、本実施形態では、既述のように、距離情報を含む測距データが取得可能であることで、上記のような検出範囲DA内の各所において物体の一部が存在するか否かの検知が可能となっている。
以下、ここでは、一例として、測距部100による測距を車両の側方側すなわち進行する車両の横方向から測定し、2次元の断面に投影することで(図2参照)、検出範囲DA内の各所において物体が存在するか否かの測定をするものとする。
〔メッシュ化処理・車両判定処理〕
次に、図2を参照して、メッシュ化処理及び車両判定処理について説明する。
上記のように、2値化処理において、定めた3次元空間である検出範囲DAに対して、これに対応する範囲を、2次元の画像上の断面画像DGとして投影して定め、これらについて、メッシュ化処理と呼ぶ処理を行うことで、車両判定処理、すなわち検出範囲DAで検知された物体が車両であるか否かの判定の処理を可能にしている。なお、距離画像による位置情報を利用することで、適宜画像変換処理を施し、上記のような断面画像DGの設定とすることが可能となっている。
まず、図2(A)及び2(B)の例示では、断面画像DGを車両の進行方向として想定するX方向(左右方向、水平方向)と、これに垂直なY方向(上下方向、垂直方向)とのX−Y断面において断面画像DGを表現している。なお、図2(A)では、自動車(図示ではトラック)の車両を検知対象とした場合を例示している。
以下、メッシュ化処理について説明する。例えば図2(A)に示すように、X−Y断面における断面画像DGをY方向に長い(X方向に細かく区切った)細長い矩形状の領域に分割する。ここで、細かく分割された各部分(断面)をメッシュ(あるいは矩形メッシュ)MSと呼び、また、メッシュの寸法等を定めて複数のメッシュMSを設ける処理をメッシュ化処理と呼ぶこととする。この場合、各メッシュMSは、車両の移動方向であるX方向に並び、それぞれが占める画像表示範囲(X−Y断面に相当)における画素ごとの測距データの集合体で構成されている。
ここで、各メッシュMSについて、各メッシュMSを構成する画素内に物体(物体の一部)とみなすべき画素が存在すれば、そのメッシュMSを検知メッシュDMとし、存在しなければ非検知メッシュIMとする。すなわち、全てのメッシュMSは、物体(物体の一部)がある検知メッシュDMと、物体がない非検知メッシュIMとのいずれかに峻別される。
次に、車両判定処理について説明する。上記メッシュ化処理によって定められた各メッシュMSのうち、検知メッシュDMとされたものすなわち物体が存在する判断されたものについて、さらに、車両判定処理を行う。具体的に説明すると、例えば、図2(A)に示すように、ある程度以上にわたって検知メッシュDMが連続して存在する場合には、その連続する区間において、車両Va(図示では画像上の車両)が対応する物理的空間に存在していると判断する。一方、図2(B)に示すように、検知メッシュDMが連続してもその数が少ない場合には、物体は存在するものの対象とすべき物体ではないすなわち車両ではないと判断する。なお、図2(B)の例では、人(通行者)HUが測距部100を横切った場合に、これを車両とみなさず、除外することになる。
上記のようにして、車両が存在すると判断する、或いは車両は存在せず別のものであると判断するために、上記連続する検知メッシュDMとされたメッシュMSの個数については、メッシュMSの寸法や、対象とする物体(この例では、自動車或いはトラック)として考えられるサイズ、あるいは除外されるべきものとして想定される対象(図2(B)の例では人HU)のサイズ等により種々設定可能である。ここでは一例として、5つ以上検知メッシュDMが連続する場合には、車両であると判断し、4つ以下の場合には、車両でないと判断するものとする。これにより、物体通過検知装置500(測距データ処理装置200)は、図2(A)の例では、検知メッシュDMが11個続くため、検出された物体が車両であると判断し、図2(B)の例では、検知メッシュDMが3つだけ続くため、車両でないと判断する。以上のように、本実施形態では、検知メッシュDMのサイズ(幅)が一定以上であるか否かによって車両の有無判定を行っている。
〔ペアリング処理・通過判定処理〕
最後に、図3を参照して、ペアリング処理及び通過判定処理について説明する。
まず、上記ペアリング処理等を行うための前提として、上記車両判定処理において車両と判断された連続した検知メッシュDMに関する処理を行う。ここでは、連続した検知メッシュDM(すなわち検知メッシュDMのひとかたまり)を、1つのラベルと呼ぶこととし、また、ラベルを作成することをラベリングと呼ぶこととする。図3(A)は、検知メッシュDMをラベリングしたラベルのフレームごとの変化の様子を概念的に示す図である。なお、図中において、両端の2つ分のメッシュは、それぞれ余白に相当するものである。すなわち、検出範囲に対応する断面画像DGの外側の対象外画像OGである。したがって、断面画像DG内の検知メッシュDMのみが、ラベリングの対象となる。
上記のように、X方向について車両が移動していく場合、図示のように、動画のフレームごとすなわち時間の経過ごとに、ラベルLA,LA,…,LA,LAn+1が、変遷していく。ここでは、さらに、ラベルLA,LA,…,LA,LAn+1ごとに、各ラベルを構成するメッシュMSのうち中心に位置するメッシュを、重心の位置と定め、測距データ処理装置200は、この位置を算出する。例えば図中の1フレームであれば、7つの検知メッシュDMをひとかたまりとするラベルLAが存在するので、+X側から数えて4番目のメッシュMS(検知メッシュDM)が中心にあることになり、このメッシュMSが、ラベルLAの重心Gを示すことになる。各フレームでも同様にして、重心Gの位置が定まる。なお、ラベルを構成する検知メッシュの個数が偶数の場合は、中心のうちのいずれか一方、または、2つの境界位置をもって重心Gを示すことにすればよい。
本実施形態では、上記のようにして定めたラベルの重心Gの位置の変化、すなわち重心Gの移動距離の変化から、各フレーム間での対象物体(車両)の同一性を判断する。具体的には、まず、移動距離についての閾値を予め定めておく。その上で、フレーム1つ分の間における重心Gの移動距離を求め、閾値以下であれば、双方のラベルLA,LAn+1を、同一ラベルとみなす。具体的に一例で説明すると、図示において、例えば、1フレームのラベルLAと2フレームのラベルLAとの間における重心Gから重心Gまでの距離L1が、閾値以下であれば、ラベルLAとラベルLAとは、同一の物体が移動したものであり、距離L1がその際の重心の移動距離であると判断される。同様に、2フレームのラベルLAと3フレームのラベルLAとの間における重心Gから重心Gまでの距離L2が、閾値以下であれば、ラベルLAとラベルLAとは、同一の物体が移動したものであり、距離L2がその際の重心の移動距離であると判断される。すなわち、この場合、距離L1,L2がともに閾値以下であれば、ラベルLA〜LAの全てが同一物体の移動であると判断されることになる。以上の例示のように、ラベルの同一性を定める処理を、ここでは、ペアリングと呼び、ペアリングに関する一連の処理をペアリング処理と呼ぶ。ペアリングされる状況が各フレーム間で続くことで、断面画像DGにおいてX方向を横切る物体(右から左へ通過する車両)の通過を捉えることができる。逆に言うと、上記閾値は、フレーム数(フレームレート)や、対象の物体たる車両の想定速度範囲等によって、適宜定められることになる。
以上のように、ここでは、ペアリング処理によって、連続する検知メッシュDMをまとめた各ラベルについての基準位置である重心に関するフレーム間での車両の移動方向についての位置関係に基づいて、フレーム間での同一車両を判別している。
次に、通過判定処理について説明する。上記ペアリング処理によってペアリングされたラベルLA,LA,…,LA,LAn+1について、1フレームのラベルLAが存在し始めてから、最後となるn+1フレームのラベルLAn+1が消滅するまで(図中最下部のn+2フレームでは既に消滅している)の重心の移動距離L1〜Lnを積算し、その積算した距離(重心の移動距離の総和)が予め定めた閾値以上であれば通過と判定することで、通過判定処理を行う。ここでの閾値については、断面画像DGのX方向についての幅を基準に適宜定めることができる。すなわち、車両が、断面画像DGに相当する検出範囲DA(図1(A)等参照)を+X方向について端から端まで横切った(右から左へ通過した)場合には、重心の移動距離L1〜Lnを積算した値が、断面画像DGのX方向についての幅と同じか同程度となるはずであるため、これに基づいて想定される誤差等を加味して適宜閾値を定めればよい。
以上のように、ここでは、連続する検知メッシュDMをまとめた各ラベルについての基準位置である重心Gに関する車両の移動方向についての移動量を集積することで、車両の移動量の算出を行っている。
さらに、上記のようにして積算する距離の算出については、例えば+X方向を正として、最も−X側の位置を0(ゼロ)とすることで、±(正負)の値まで加味し、この上で通過判定をすることも可能である。この場合、例えば、車両が、X方向について往復する、すなわち右から左へ通過した後左から右へ通過するといった場合の、積算される値は、一端閾値に達した後、ゼロになる。このような測定をすることで、車両のX方向の左右への移動の様子を捉えることができる。
図3(B)は、上記ラベリングの結果、複数のラベルが同一フレーム内に存在した場合、すなわち、検出範囲DA(図1(A)等参照)内に車両が複数台存在すると判断された場合の処理の一例を示している。なお、図3(B)では、2つのラベルが存在する場合を例示しているが、3つ以上存在する場合も、下記処理と同様の処理が可能である。
この場合、n+1フレームにおいて存在する2つのラベルLXn+1とラベルLYn+1とのうち、1つ手前のnフレームにおいて存在する1つのラベルLAと同一であるものはどちらであるかを、重心位置間での距離に基づいて定める。すなわち、nフレームにおけるLAの重心Gからn+1フレームにおけるLXn+1の重心GXn+1までの距離DXと、重心Gからn+1フレームにおけるLYn+1の重心GYn+1までの距離DYとを比較して、重心距離の近いラベルを、ラベルLAと同一の車両を対象とするラベルと判断する。図示の場合、DX<DYとなっている、すなわちラベルLXn+1の方がラベルLAに近いので、ラベルLXn+1をラベルLAと同一の車両を示すもの、すなわちラベルLXn+1が、ラベルLAn+1であるものと判断する。一方、ラベルLYn+1については、ラベルLAに対応する車両に後続する(−X側に位置する)別の車両についての画像であると判断し、例えば、ラベルLYn+1を、最初のラベルLBと定め、ラベルLBについて、別箇ペアリング処理等を施し、後続車両の通過判定を行っていく。以上のようにして、物体通過検知装置500による車両の通過判定が順次なされる。
以下、図4のフローチャートを参照して、上記した物体通過検知装置500における各処理動作について一連の流れを追って説明する。
まず、前提として、物体通過検知装置500を、自動車が通過する道路脇や列車の操車場の出入り口付近等の設置箇所に固定した状態において、測距データ処理装置200のCPU210は、2値化処理を行う(ステップS101)。すなわち、3次元空間の検出範囲DAを定める、すなわち検出範囲DAの中(内)にある場合と外にある場合とを定めて、検出範囲DAの中にあるデータに対応する断面画像DGの範囲を特定する。これにより、検出範囲DAを含むように走査する測距部100から取得した測距データのうち使用する範囲が定められる。
次に、CPU210は、メッシュ化処理を行う(ステップS102)。具体的には、CPU210は、測距部100から取得した情報のうち、ステップS101の2値化処理に基づいて選択される検出範囲DA内の測距データから、画像処理部220によって断面画像DGを形成させるとともに、断面画像DGをメッシュ化し、複数のメッシュMSを抽出する。
さらに、CPU210は、車両判定処理を行う(ステップS103)。具体的には、CPU210は、記憶装置230から必要な情報あるいはプログラムを適宜読み出し、ステップS102において抽出されたメッシュMSのうち、物体(物体の一部)がある検知メッシュDMについて、連続する検知メッシュDMのサイズが一定以上であるか(5つ以上連続するか)否かによって、車両の有無を判定する。
次に、CPU210は、ペアリング処理を行う(ステップS104)。具体的には、CPU210は、記憶装置230から必要な情報あるいはプログラムを適宜読み出し、ステップS103によって車両があると判断された一続きの検知メッシュDMのかたまりを1つのラベルとして纏めるラベリング処理を行い、さらに、各フレーム間でのラベルの同一性を定めるペアリング処理を行う。
最後に、CPU210は、通過判定処理を行う(ステップS105)。具体的には、CPU210は、記憶装置230から必要な情報あるいはプログラムを適宜読み出し、ステップS104によってペアリングされたラベルについて、重心の移動距離を集積し、集積した結果に基づいて、同一性のあるラベルに対応する1つの車両の通過について判定を行う。
以上のようにして、物体通過検知装置500における車両通過検知がなされる。この場合、測距データ処理装置200のうち、CPU210は、画像処理部220や記憶装置230と協働することで、測距部100からの測距データの解析を行って検知対象である車両の移動量を算出する測距データ処理部として機能している。また、CPU210は、記憶装置230に格納された各種情報やプログラムを利用して、算出した車両の移動量の結果等に基づいて、車両の通過判定を行う判定部として機能している。
以下、図5等を参照して、物体通過検知装置500の具体的応用の一例として、複数の車両を連結して1つの列車を構成したものを検知対象たる物体とする場合の通過検知について説明する。
図5(A)は、検知対象たる列車(車両の集合体)TRについて通過検知をする場合の検出範囲(検知エリア)DAについて説明するための斜視図である。また、図5(B)及び5(C)は、検出範囲(検知エリア)DAの断面を示す図である。
図5(A)に示すように、列車TRは、複数の車両V1,V2を連結して構成されている。本実施形態の物体通過検知装置500を利用することで、各車両V1,V2の通過検知を行うことができる。なお、ここでは、一例として、測距部100を上方に設置して、斜め上方から下方に向けて測距を行うことで、必要な範囲の測距データを取得可能としている。
ところで、列車TRにおける検知では、1つの列車TRをもって1つとカウントするのではなく、各車両の個数(台数)を把握する車両の編成数を把握することが非常に重要となる場合がある。ここでは、物体通過検知装置500(あるいは測距部100)において、通過する列車TRを構成する1つ1つの車両を区別してカウントする、すなわち、車両V1と車両V2とを区別できるようにすることで、列車TRが何両編成であるかを(図示の場合、2両編成であることを)捉えられるようにしている。このため、図5(B)及び5(C)に示すように、車両の連結器である連結部CNに対応する領域を、検出範囲DAから除外するような構成となっている。
以下、図5(B)等を参照して、上記の一部範囲除外に関して説明する。まず、既述のように、レール上を走行する列車の場合、車両の通過位置は予め定まっており、さらに、図中破線で示すように、車両V1と車両V2とを繋ぐ連結部CNの通過位置も定まっている。そこで、図5(C)にハッチングで示す断面図のように、物体通過検知装置500(あるいは測距部100)による検出範囲DAに対して、図5(B)に示す連結部CNが通過すると想定される範囲を含む範囲が除外範囲(検知外エリア)OAとなっているように2値化処理において予め設定しておくことで、上記した各種処理の対象から予め外すようにしている。この場合、連結部CNのあたりについては、そもそも検知がなされないことになるので、車両V1と車両V2とは、ラベリング処理において繋がることなく取り扱われ、かつ、ペアリング処理において、図3(B)に例示したように、別の車両と判断されるようにすることができる。
図6(A)及び6(B)は、上記のような場合における具体的動作の一例として、1つの列車TRを構成する車両の車両数をカウントする場合について説明するための図である。図6(A)は、一例として、1つの牽引車両VV1と、2つの貨車車両或いは保守対象の車両VV2,VV3とで構成された列車TRが、+X方向の先にある操車場の車庫GAに向かう様子を物体通過検知装置500によって検知する場合を例示している。また、図6(B)は、図6(A)に示した列車TRのうち、車両VV2,VV3が車庫GAに保管され、牽引車両VV1のみが引き返した様子を物体通過検知装置500によって検知する場合を例示している。このような場合、例えば既述のように、物体通過検知装置500において、±(正負)の値まで加味して通過判定をすれば、3台分の車両が操車場の車庫GAに進入し、1台分の車両が車庫GAから出て行ったことまでを確認できる。すなわち、車庫GAに2台分の車両が残っていることを物体通過検知装置500によって認識できる。
以下、図7を参照して、物体通過検知装置500の測距部100となる距離画像装置の一例について説明する。図7は、測距部(測距装置)の概略構成の一例について説明するためのブロック図である。
図示の測距部100は、例えばレーザパルス等によるパルス光を、検知対象領域である検出範囲DA(図1(A)等参照)を含む範囲でリサジュー走査し、該対象領域内に存在する物体Pによる反射光RLを受光して物体Pまでの距離を計測し、その計測結果に基づく距離画像を生成して出力する。
図7に示すように、距離画像装置である測距部100は、光走査装置50と、パルス光PLを射出する光源部7と、光源部7から射出されたパルス光PLの反射光RLを受光する受光部9と、光源部7から射出されたパルス光PLを反射した物体Pまでの距離を計測する計測部11とを備える。
測距部100のうち、光走査装置50は、光走査によるリサジュー走査を行うための本体部分であり、光源部7からのパルス光PLを、検知対象領域である検出範囲DA(図1(A)等参照)を含む範囲に向けて走査させて走査範囲内に存在する物体Pによる反射光RLを受光部9に受光させる。このため、光走査装置50は、電磁駆動型の光走査部3と、光走査部3の動作全般を制御する駆動制御部として機能する光走査制御部4と、光走査制御部4により制御に従って光走査部3を駆動させる駆動部5と、光走査部3の動作における周波数に関するずれ量を検出して光走査制御部4にフィードバック制御用の情報を送信するずれ量検出部6とを備える。
光源部7は、光走査部3に向かって射出タイミングを制御しつつパルス光PLを射出するものであり、レーザダイオード等で構成される。なお、射出タイミングは、例えば対象領域内の計測位置と関連付けられ、対象領域内の一定の位置(複数位置)にパルス光PLが射出されるように制御されている。
受光部9は、例えばフォトセンサーを用いて構成され、光源部7から射出されたパルス光PLが物体Pによって反射された成分である反射光RLを受光して検知する。なお、受光部9は、反射光RLを直接受光するものであってもよいし、光走査部3を介して受光するものであってもよい。
計測部11は、光源部7によるパルス光PLの射出タイミングと、受光部9による反射光RLの受光タイミングとの時間差(光源部7から射出されたパルス光PLが受光部9で反射光RLとして受光されるまでの時間)に基づいて、パルス光PLを反射した物体Pまでの距離を計測する。計測部11による距離の計測結果が、測距データとして測距データ処理装置200(図1(A)等参照)に出力される。なお、測距データ処理装置200では、例えば表示装置240において、物体Pについての距離や奥行きが反映された3次元的な画像とすることができる。
測距部100は、以上のような構成を有することで、光走査装置50でのリサジュー走査による設置位置から対象領域内にある物体までの距離を計測した計測結果に基づく距離画像の生成のための測距データの取得及び測距データの測距データ処理装置200への出力を可能としている。
また、上記のように、測距部100を、光源部(光源)7から射出されたパルス光PLを、検知対象領域である検出範囲DAに向けて走査させ反射光RLとして受光するまでの時間に基づいて距離を計測することで、測距データを取得する、という構成としたことで、正確かつ迅速に測距データを取得できる。さらに、物体通過検知装置500を、既述のように屋外に設置した場合、既知のいわゆるステレオカメラを利用した距離画像の取得の場合と比べて、太陽光の方角や有無による影響に依らず、的確な測距データの取得が可能になる。なお、設置環境が太陽光の方角や有無による影響に耐えうるような場合には、測距部100を、既知のいわゆるステレオカメラを利用して構成することも考えられる。
以上のように、本実施形態に係る物体通過検知装置500では、測距データ処理部を構成する測距データ処理装置200において、測距部100からの測距データを物体の移動方向に関して解析できる。また、測距データ処理装置200は、測距データを解析した結果に基づいて、判定部として、車両通過についての判定をする。以上により、物体通過検知装置500は、列車や自動車等の各種車両その他の物体について、通過の検知を可能としている。
〔第2実施形態〕
以下、図8等を参照して、第2実施形態に係る物体通過検知装置について一例を説明する。
本実施形態に係る物体通過検知装置は、第1実施形態の物体通過検知装置の変形例であり、画像処理に関する動作を除き同様の構成要素を有するため、全体構成については、図示や説明を省略する。また、共通する構成要素については同じ符号を付し、必要に応じて、第1実施形態で参照した図面を再度参照するものとする。
図8は、本実施形態に係る物体通過検知装置による一連の処理動作の一例を示すフローチャートであり、図4に対応する図である。
物体通過検知装置による物体通過検知においては、設置される環境や、検知対象物の特性等によって、測距不能箇所が生じたり、対象とすべきでないものが誤検知されたりする、といったことが生じ得る。そこで、本実施形態では、第1実施形態において行う処理に対して、必要に応じて選択的に行うことができる各種付加処理について説明する。
図8は、図4のフローチャートのうち、破線の矢印で示す箇所を変形したものであり、図4の場合の一連の処理動作のうち、一部の処理間に新たな処理を付加する場合について示している。
ここでは、ステップS201〜S204に示す4つの処理が選択可能であるものとする。すなわち、2値化処理(ステップS101)を行った後であって、メッシュ化処理(ステップS102)を行う前の処理として、測距不能点補間処理(ステップS201)を必要に応じて行うことができる。さらに、連続フレーム処理(ステップS202)を必要に応じて行うことができる。また、メッシュ化処理(ステップS102)を行った後であって、車両判定処理(ステップS103)を行う前の処理として、収縮・膨張処理(ステップS203)を必要に応じて行うことができる。さらに、メッシュ補間処理(ステップS204)を必要に応じて行うことができる。
以下、図9〜図13を参照して、上記したステップS201〜S204の各処理の内容について具体的に説明する。
〔測距不能点補間処理〕
まず、図9及び図10を参照して、図8のステップS201に示す測距不能点補間処理について説明する。既述のような測距部100における測距動作において、例えば、2値化処理により設定された検出範囲(検知エリア)DAに、ミラー部材が存在することによって、レーザダイオード等から射出されるパルス光PLが意図しない方向に反射されたり、対象物が黒い物体などで吸収されてしまったりすることで、反射光RLが検出されないといった場合には、測定不能となる箇所すなわち測距不能点となってしまう画素が存在することになる。図9は、測距部(測距装置)100により取得される画像情報の一例について説明するための画像図であるが、図示のように、断面画像DGにおいて、もっとも黒い領域で示されているのが、測定不能の箇所である。このような箇所が多く存在すると、その後において適切な処理ができなくなるおそれがある。そこで、ここでは、上記のような測距不能点となる画素について、周辺の画素データに基づいて補間を行う処理である測距不能点補間処理をする。
以下、図10を参照して、測距不能点補間処理の具体的方法の一例について説明する。まず、図10(A)は、測距不能箇所の画素におけるデータのデータ補間をする方法について説明するための図であり、図10(A)は、断面画像DG延いては各メッシュMSを構成する各画素ごとのデータのデータ表の一例を示している。まず、データ表は、X方向すなわち左右方向に一列に並ぶ画素についてのデータを示すものである。データ表のうち、上欄は、測距部100で取得した測距データの現状を示している。具体的には、表中「○(丸)」は、その画素で適切な測距データが取得されたことを意味し、表中「△(三角)」は、その画素で適切な測距データが取得されなかった、すなわち測距不能であったか明らかな異常値であったことを意味する。なお、表中「×(バツ)」は、もともと検出範囲(検知エリア)DA外に相当する画素を示している。
図10(A)に示す例では、各画素について、自身とX方向について前後2つずつの合計5つの画素の状況を考慮して、5つの画素のうち3つ以上の画素において正常なデータ取得ができていれば、その画素も正常なデータ取得ができているようにデータ補間する。例えば矢印A1で示す箇所の画素は、現状において正常な測距データが取得されなかったことを意味する。この画素に対して、自身と前後2つずつの合計5つの画素の状況をみると、5つのうち3つの箇所で正常なデータ取得ができていることが分かる。この場合、データ表の中欄に示すように、カウント値を3とするとともに、このカウント値が3以上であることをもって、矢印A1で示す箇所の画素も、正常なデータ取得ができたとみなすようにデータ補間をする。すなわち、データ表の下欄に示すように、新しい2値化処理後の値としては、矢印A1で示す箇所の画素が正常なデータ取得できた箇所であるものとして取り扱う。データ表の上欄に示す現状の全ての画素について上記のような処理を施すことで、中欄及び下欄に示すようなデータ表が作成される。図示の場合、複数あった測距不能箇所がデータ補間されたことになる。
なお、測距不能であった箇所のデータを、どのようにデータ補間するかについては、種々考えられるが、例えば、3つ以上の正常なデータ取得から多数決で物体が存在していたかいなかったかを決定する等の方法が考えられる。また、図10(B)に示すように、表中「×(バツ)」の箇所、すなわち、もともと検出範囲(検知エリア)DA外に相当する画素を示す箇所は、たとえ上記データ補間によって3つ以上の正常なデータ取得となったとしても、「×(バツ)」のままとする。
〔連続フレーム処理〕
次に、図11を参照して、図8のステップS202に示す連続フレーム処理について説明する。画素レベルでの問題として、上記のような測距不能点に関するもののほか、誤検出に関する事項が考えられる。典型例としては、例えば降雨時や降雪時における雨滴や雪等の影響で誤検知が生じることが考えられる。これに対応すべく、測距データ処理装置200は、所定フレーム数以上連続した検知がなされた場合にのみ物体の存在を認めるようにする連続フレーム処理を行っている。
図11は、連続フレーム処理による上記のような判断処理の一例として、物体通過検知装置500(あるいは測距データ処理装置200)において、3フレーム以上連続した検知がなされたか否かについて判断処理をしている様子を示している。具体的には、図示のように、連続する1フレーム目から3フレーム目の間において、画素PX1のように、3つ全てにおいて同じ画素PX1の位置で検出がなされた場合にのみその位置に物体(あるいは物体の一部)が存在することとし、画素PX2のように、3つのうち1フレーム目と2フレーム目では検出されたが3フレーム目で検出されなかった場合には、雨滴等が一時的に通過したものであって対象とすべき物体(あるいは物体の一部)ではないと判断する。以上のような構成とすることで、誤検出が発生する可能性を低減できる。
〔収縮・膨張処理〕
次に、図12を参照して、図8のステップS203に示す収縮・膨張処理について説明する。図12は、隣接するメッシュとの関係での収縮及び膨張によるフィルタ処理について一例を説明するための画像図である。既述のように、上記では、物体が車両であるか否かの判定の一例として、連続する検知メッシュDMのサイズを特製の1つと捉え、サイズが一定の値以上であるか否かを定めていた。サイズについての特性として、ここでは、上記収縮及び膨張によるフィルタ処理を行っている。
具体的に説明すると、まず、ここでの収縮処理とは、各メッシュMSにおいて、これに隣接するメッシュMSすなわちX方向についての両隣を確認し、両隣ともに検知メッシュDMである場合のみ残し、それ以外すなわち両隣のどちらか一方でも非検知メッシュIMである場合には削除する、という操作を意味する。
一方、ここでの膨張処理とは、各メッシュMSにおいて、これに隣接するメッシュMSすなわちX方向についての両隣を確認し、両隣のどちらか一方でも検知メッシュDMである場合は残し、それ以外すなわち両隣ともに非検知メッシュIMである場合のみ削除する、という操作を意味する。
図12の例では、上記のような収縮処理をまず2回行い、その後、膨張処理を2回行う、という収縮及び膨張によるフィルタ処理を行っている。この場合、例えば図2(A)及び2(B)に例示した検知メッシュDMについて、図2(A)の車両に関するものについては、図中、中欄に示すように、2回の収縮処理で一旦収縮するが、その後の2回の膨張処理で元に戻る。これは、図2(A)の車両に相当する元の検知メッシュDM(最上欄の検知メッシュDM)が十分大きいことに基づく。一方、図2(B)の車両に関するものについては、図中、右欄に示すように、2回の収縮処理ですべて消滅してしまう。このため、その後の2回の膨張処理を施してももはや元には戻らず、消去される。以上のようなフィルタ処理によって、検知対象たる物体を抽出できるとともに、検知(検出)対象外の物体を除外できる。すなわち、より正確な検知対象ができる。
〔メッシュ補間処理〕
最後に、図13を参照して、図8のステップS204に示すメッシュ補間処理について説明する。図13は、メッシュ補間処理の一例について説明するための画像図である。既述のような列車の車両のカウントの場合では、連結された車両を1つずつ個別にカウントできることが望ましい。一方、図13に示すように、対象となる車両が、トレーラーを牽引する牽引自動車の場合のように、連結箇所を有するもののトレーラー及び牽引自動車をまとめて1つとカウントしたい場合もある。このような場合に、設定した条件によっては、図示のように、連結箇所に対応するメッシュMSが非検知メッシュIMと判断されてしまう可能性もある。この場合、一定の要件すなわちトレーラーを牽引する牽引自動車として想定される条件を満たせば、この非検知メッシュIMを検知メッシュDMとして取り扱うメッシュ補間処理を行って、間を埋めて1つの車両として取り扱えるようにできる。
以上のように、本実施形態に係る物体通過検知装置においても、測距データ処理部を構成する測距データ処理装置200において、測距部100からの測距データを物体の移動方向に関して解析できる。また、測距データ処理装置200は、測距データを解析した結果に基づいて、判定部として、車両通過についての判定をする。以上により、物体通過検知装置500は、列車や自動車等の各種車両その他の物体について、通過の検知を可能としている。また、本実施形態では、必要に応じてさらに付加的な処理を施すことで、より確実な検知を行える。
〔その他〕
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
まず、上記では、列車や自動車の車両を検知対象たる物体としているが、その他の各種車両についても対象にでき、また、例えば航空機や船舶等種々の移動体その他の物体の通過も検知可能である。
また、上記した各種寸法や形状等は一例であり、種々の変形が可能である。例えばメッシュの形状については、矩形状に限らず、目的を達成できる範囲で種々の形状を取ることができる。
測距データ処理装置200についても種々の態様が考えられ、物体通過検知装置に専用の制御装置を設ける場合のほか、PCやタブレット端末等に必要なソフトウェアを搭載させることによって構成することも可能である。また、CPU210や画像処理部220等についても種々の変形態様が考えられ、例えばGPU等を適宜組み込んでこれらに相当する機能を有するようにすることもできる。
また、上記実施形態では、測距部100において、光走査部として電磁駆動式の2次元ガルバノミラーを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電磁駆動式、静電方式、圧電方式、熱方式などの各種の駆動方式で光反射面を有する可動部を揺動駆動する構成の光走査部にも適用することができる。
3…光走査部、4…光走査制御部、5…駆動部、6…ずれ量検出部、7…光源部、9…受光部、11…計測部、50…光走査装置、100…測距部、200…測距データ処理装置、220…画像処理部、230…記憶装置、240…表示装置、250…入力装置、260…測距データ受付部、270…バス、500…物体通過検知装置、A1…矢印、CN…連結部、DA…検出範囲、DG…断面画像、DM…検知メッシュ、DX,DY…距離、G,G1,G2,G3,Gn…重心、GA…車庫、GXn,GYn…重心、HU…人、IM…非検知メッシュ、IP…点、L1‐Ln…距離、LA1−LA3,LAn…ラベル、LB1…ラベル、LXn…ラベル、LYn…ラベル、MS…メッシュ、OG…対象外画像、OP…点、P…物体、PL…パルス光、PX1…画素、PX2…画素、RL…反射光、TR…列車、V1,V2,Va,VV1‐VV3…車両、V2…車両

Claims (12)

  1. 検知対象領域における測距データを取得する測距部と、
    前記測距部で取得した測距データを物体の移動方向に並ぶ測距データのメッシュについて解析するとともに、物体の移動量を算出する測距データ処理部と、
    前記メッシュの解析結果と前記物体の移動量の算出結果とに基づき、物体の通過判定を行う判定部と
    を備える物体通過検知装置。
  2. 前記測距部における検知対象たる物体は、車両である、請求項1に記載の物体通過検知装置。
  3. 前記判定部は、前記メッシュのうち物体があると検知された検知メッシュのサイズによって車両の有無判定をする、請求項2に記載の物体通過検知装置。
  4. 前記測距データ処理部は、前記検知メッシュの基準位置に関する車両の移動方向についての移動量を集積することで、車両の移動量の算出を行う、請求項3に記載の物体通過検知装置。
  5. 前記判定部は、前記検知メッシュの基準位置に関するフレーム間での車両の移動方向についての位置関係に基づいて、フレーム間での同一車両を判別する、請求項3及び4のいずれか一項に記載の物体通過検知装置。
  6. 前記測距データ処理部は、前記検知メッシュについて、隣接するメッシュとの関係での収縮及び膨張によるフィルタ処理を施す、請求項3〜5のいずれか一項に記載の物体通過検知装置。
  7. 前記測距データ処理部は、前記フィルタ処理により、検出対象外の物体を除去する、請求項6に記載の物体通過検知装置。
  8. 前記判定部は、車両を複数連結させて1つの列車を構成する連結部を判別し、1つの列車を構成する車両の車両数をカウントする、請求項2〜7のいずれか一項に記載の物体通過検知装置。
  9. 前記測距データ処理部は、前記検知対象領域における測距データの測距不能箇所について、当該測距不能箇所の周囲の測距データに基づいてデータ補間をする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物体通過検知装置。
  10. 前記データ補間は、物体の移動方向を横切る方向についての測距データを利用して行う、請求項9に記載の物体通過検知装置。
  11. 前記測距部は、光源から射出された光を、前記検知対象領域に向けて走査させ反射光として受光するまでの時間に基づいて距離を計測することで、測距データを取得する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物体通過検知装置。
  12. 前記測距データ処理部は、所定フレーム数以上連続した検知がなされた場合にのみ物体の存在を認める、請求項1〜11のいずれか一項に記載の物体通過検知装置。
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