JP2019063949A - 指機構、ロボットハンド及びロボットハンドの制御方法 - Google Patents

指機構、ロボットハンド及びロボットハンドの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】指機構、ロボットハンド及びロボットハンドの制御方法提供。【解決手段】第1骨部材及び第2骨部材と、第1及び第2骨部材を長手方向の端部同士で回動可能に連結する第1回動芯と、第2骨部材が第1骨部材に対して伸展する側に配され、第1及び第2骨部材の長手方向に沿って延びる伸展腱と、第1及び第2骨部材の双方に設けられ、伸展腱が第1回動芯の表面の一部に接触するように伸展腱を案内する第1伸展腱ガイドと、伸展腱に接続されており、伸展腱を伸縮させる伸筋と、第1骨部材が第2骨部材に対して屈曲する側に配され、第1及び第2骨部材の長手方向に沿って延びる屈曲腱と、第1及び第2骨部材の双方に設けられ、屈曲腱が第1回動芯の表面の他部に接触するように屈曲腱を案内する第1屈曲腱ガイドと、屈曲腱に接続されており、屈曲腱を伸縮させる屈筋とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、指機構、ロボットハンド及びロボットハンドの制御方法に関する。
近年、対象物を掴んで何らかの作業を行わせるために、人の手の機能を模倣したロボットハンド及びロボットハンドを備えた産業用ロボットが提案されている(例えば、特許文献1〜5を参照)。
特開2008−32140号公報 特開2011−245575号公報 特開2015−221469号公報 特開2011−67936号公報 特開2004−42214号公報
しかしながら、従来のロボットハンド及びロボットハンドを備えた産業用ロボットでは、柔らかい物や形状が固定されていない物などの不定柔軟物を掴んで作業することは困難であった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、柔らかい物や形状が固定されていない物などの不定柔軟物を掴んで作業することが可能な指機構、ロボットハンド及びロボットハンドの制御方法を提供することを目的とする。
一態様に係る指機構は、第1骨部材及び第2骨部材と、前記第1骨部材及び前記第2骨部材を長手方向の端部同士で回動可能に連結する第1回動芯と、前記第2骨部材が前記第1骨部材に対して伸展する側に配され、前記第1骨部材及び前記第2骨部材の長手方向に沿って延びる伸展腱と、前記第1骨部材及び前記第2骨部材の双方に設けられ、前記伸展腱が前記第1回動芯の表面の一部に接触するように前記伸展腱を案内する第1伸展腱ガイドと、前記伸展腱に接続されており、前記伸展腱を伸縮させる伸筋と、前記第1骨部材が前記第2骨部材に対して屈曲する側に配され、前記第1骨部材及び前記第2骨部材の長手方向に沿って延びる屈曲腱と、前記第1骨部材及び前記第2骨部材の双方に設けられ、前記屈曲腱が前記第1回動芯の表面の他部に接触するように前記屈曲腱を案内する第1屈曲腱ガイドと、前記屈曲腱に接続されており、前記屈曲腱を伸縮させる屈筋とを備える。
また、一態様に係るロボットハンドは、前述の指機構と、該指機構が備える伸筋及び屈筋の収縮度合いを制御する制御部とを備える。
また、一態様に係るロボットハンドの制御方法は、前述のロボットハンドの制御方法であって、前記ロボットハンドが備える制御部は、把持対象物を把持する動作の前に前記ロボットハンドの指機構が備える伸展腱及び屈曲腱の牽引力を拮抗させる固化動作、前記把持対象物の形状に倣って前記把持対象物を把持するならい把持動作、把持した状態を保持する保持動作、該保持動作を開放するならい開放動作、及び前記指機構が備える伸筋及び屈筋を弛緩させる弛緩動作を実行すべく、前記伸筋及び前記屈筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁及び減圧電磁弁の開閉制御を行う。
本願によれば、柔らかい物や形状が固定されていない物などの不定柔軟物を掴んで作業することができる。
実施の形態1に係るロボットハンドの概略構成を示す外観図である。 指機構部の外観図である。 指機構部の外観図である。 腱拮抗関節の動作を説明するための説明図である。 指を伸展させた状態を説明する模式的説明図である。 指を屈曲させた状態を説明する模式的説明図である。 母指の機構を示す。 腱の断面図である。 実施の形態1に係るロボットハンドシステムの全体構成を説明するブロック図である。 ロボットハンドの制御系の構成を説明するブロック図である。 指機構部における牽引力の伝達機構を説明する説明図である。 電磁弁I〜IVの制御状態を説明する説明図である。 実施の形態1に係るロボットハンドの制御方法を説明するフローチャートである。 実施の形態2に係るロボットハンドの制御手順を説明するフローチャートである。 囲い形成の制御手順を示すフローチャートである。 把持動作の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係るロボットハンド1000の概略構成を示す外観図である。本実施の形態に係るロボットハンド1000は、指機構部100、前腕骨200、腱300、人工筋400、フランジ500、電磁弁600、及び制御基板700を備える。指機構部100における各指は、人工筋400により伸縮制御される腱300の張力に応じて伸展又は屈曲するように構成されている。本実施の形態では、2種類の腱300(後述する伸展腱300A及び屈曲腱300B,図4を参照)の拮抗制御を行うことにより、自律的に関節角及び力を制御し、把持型、保持力、指関節の硬さなどの制御(コンプライアンス制御)を実現することを特徴の1つとしている。
人工筋400は、前腕骨200の周囲に配されている。前腕骨200は、人の前腕骨に相当し、手首の関節から腕の関節までに相当する部材である。人工筋400は、例えばマッキベン型のエア駆動アクチュエータであり、電磁弁600の開閉動作により制御されるマニホールド650からエアが供給され、その収縮度合いが制御される。すなわち、人工筋400の内部にエアが供給された場合、人工筋400は、その短手方向が膨らみ、長手方向が縮むことによって収縮する。逆に、人工筋400の内部からエアを放出した場合、人工筋400は、その短手方向が縮み、長手方向が伸びることによって弛緩する。
電磁弁600は、制御基板700に実装されるCPU701(図10を参照)によって制御される。制御基板700には、CPU701の他に、CPU701と通信を行う各種インタフェースに用いる入力側コネクタ、出力側コネクタ、電磁弁600のコイルを駆動するコイルドライバ、各種の信号、電圧、電流を処理するオペアンプ、コンパレータ、トランジスタ、ダイオード、抵抗等の各種電子デバイスが実装されていてもよい。
人工筋400の遠位側の端部は腱300に接続されており、近位側の端部は自在継手(ジョイント)520に接続されている。自在継手520は、フランジ500の画定された領域に設けられたリブ510内で自在に摺動するように構成されている。人工筋400に接続された腱300は、人工筋400が収縮することによって伸長し、人工筋400が弛緩することによって短縮する。
なお、本実施の形態では、人工筋400としてマッキベン型のエア駆動アクチュエータを用いる構成としたが、エア駆動アクチュエータに代えて、モータ及びプーリを用いて腱300を巻き取る方式を採用してもよい。また、リニアモータを用いて直接的に腱300を伸縮させる方式、電流が流れることにより伸縮する繊維状のアクチュエータであるバイオメタルを用いて腱300を伸縮させる方式などを採用してもよい。
図2及び図3は指機構部100の外観図である。図の煩雑さを避けるために、図2では主として骨部材の構成を示し、図3では主として関節の構成を示している。指機構部100は、人体と同じ5本の指を備え、第1指THUMB(母指又は親指ともいう)、第2指IF(示指ともいう)、第3指MF(中指ともいう)、第4指RF(環指又は薬指ともいう)、及び第5指LF(小指ともいう)の5つの指で構成される。図2は人体の手の掌側から見た外観図を示している。したがって、図2を正視した正面側が把持対象物OBJ(図9を参照)に接触する部位となる。指機構部100の母指THUMBを除く示指IF、中指MF、環指RF、及び小指LFは、それぞれ末節骨DP、中節骨MIP、基節骨PP、中手骨MEBで構成される。
各指にはそれぞれにも2本の腱300,300が設けられている(図4を参照)。各指に設けられている2本の腱300,300は後述する伸展腱300A及び屈曲腱300Bである。各腱300は、中手骨MEBの長手方向から中手指節関節MPを介して基節骨PPの長手方向に延び、さらに基節骨PPの長手方向から近位指節間関節PIPを介し中節骨MIPの長手方向に延び、さらに中節骨MIPの長手方向から遠位指節間関節DIPを介して末節骨DPの長手方向に向かって延びている。2本の腱300,300の遠位側の端部は、末節骨DPに固定されている。示指IF、中指MF、環指RF及び小指LFは、手根骨CBの端部で一体化され、手根骨CBの他端部は、手根管180を介して手関節190に連結されている。手根管180の厚み方向には複数の穴が貫通して設けられ、これらの穴を通して複数の腱300が所定の方向に向けられ図1に示した人工筋400の一端部に固定される。なお、本実施の形態においては、各骨部材の長手方向の寸法が短手方向の寸法よりも長いことは必須要件ではなく、各骨部材を伸展又は屈曲させる腱300が配される方向を長手方向と称する。
各指の例えば末節骨DP、中節骨MIP、基節骨PP、及び中手骨MEBの少なくとも1つであって把持対象物に接触する部位(すなわち手の掌側)には、把持対象物OBJを保持したときの保持力を検出する力センサ160が設けられていてもよい。また、各関節部には、相連結する部材間の角度(関節角)を検出する角度センサ170が設けられていてもよい。これらの力センサ160及び角度センサ170は、本発明の指機構部100においては必須の構成要件ではない。しかし、把持対象物OBJの形や固さがあらかじめ分かっている場合には、こうしたセンサを取り付けることで各指の動きの範囲を自動制御することができる。
図3は、図2の指機構部100の構造とまったく同じであるが、外観の角度を変えている。図2と同じ部位には同じ符号を付す。図の煩雑さを排除するために、各指の末節骨DP、中節骨MIP、基節骨PP、及び中手骨MEB等には符号は付していない。図3は、母指THUMBの手根中手関節CM(CMX,CMY)の部位をさらに詳しく示すために用意している。
母指THUMBは、他の指と同様に末節骨DP、基節骨PP、及び中手骨MEB(MEB1,MEB2)を備えるが、他の指が有する中節骨MIPは備えていない。中手骨MEBは他の指とは異なり、分割された第1中手骨MEB1及び第2中手骨MEB2で構成される。こうした構成により、母指THUMBの手根中手関節CMは、他の手根中手関節CMとは異なり、第1手根中手関節CMXと第2手根中手関節CMYで構成される。第1手根中手関節CMXは、第1中手骨MEB1と第2中手骨MEB2とを連係し、第2手根中手関節CMYは、第2中手骨MEB2と手根骨CBとを連係する。
母指THUMBのつけ根となる手根中手関節を2つの関節に分けることにより、母指THUMBの自由度が拡大し、特に小指LFと対向できる角度幅が広がるので対象物の把持力が向上する。
なお、図1〜図3では5本の指を備えた指機構部100の例を示したが、指の数は5本に限らず、複数であればよい。例えば、指機構部100を2本の指で構成する場合には、母指THUMBと示指IFとで構成すればよく、3本の指で構成する場合には、さらに中指MFを加えて構成するとよい。さらに、例えば示指IFに相当する指を4本用意して、同じ指で複数の指を構成するようにしてもよい。
図4は腱拮抗関節の動作を説明するための説明図である。腱拮抗関節なる用語に類似する用語として拮抗腱駆動なるものが知られている。両者は伸展腱と屈曲腱の2つの腱を拮抗させるという点ではほぼ同じといえる。しかし、腱拮抗関節は、拮抗腱駆動を実行するに好適な関節の構造に重点を置く点で相違する。換言すれば、本実施の形態に係る腱拮抗関節は、関節の回動の大きさを腱の拮抗によって一義的に決定できるに好適な構造を有する関節であるとも言える。図4に示す腱拮抗関節及びその基本動作は、図2及び図3に示した母指THUMB、示指IF、中指MF、環指RF、及び小指LFの各関節に共通して適用される。
指機構部100は、図4に示すように、第1骨部材1、第2骨部材2、第3骨部材3、及び第4骨部材4を備える。これらの骨部材は、例えばアクリロニトリル−ブダジエン−スチレンの共重合合成樹脂(ABS)で構成される。第1骨部材1の遠位側の端部には腱ガイドG1,G2がそれぞれ設けられている。第1骨部材1及び第2骨部材2は回動芯11により、第2骨部材2及び第3骨部材3は回動芯12により、第3骨部材3及び第4骨部材4は回動芯13によりそれぞれ回動可能に連結されている。回動芯11〜13は、本発明の各関節に相当する。第2骨部材2の近位側の端部には腱ガイドG3,G4が設けられ、遠位側の端部には腱ガイドG5,G6がそれぞれ設けられている。第3骨部材3の近位側の端部には腱ガイドG7,G8、遠位側の端部には腱ガイドG9,G10がそれぞれ設けられている。腱ガイドG1〜G10は、例えば第1乃至第4骨部材1〜4と同じ材料、又はPE(ポリエチレン)、PA(ポリアセタール)等で構成することができる。
図4は、伸展腱300A及び屈曲腱300Bが腱ガイドG1〜G10により案内されて、回動芯11〜13に接触した状態を示している。回動芯11は、断面形状の一部が円形をなす曲面部を有しており、第2骨部材2と一体的に形成されている。また、回動芯12は、断面形状の一部が円形をなす曲面部を有しており、第3骨部材3と一体的に形成されている。更に、回動芯13は、断面形状の一部が円形をなす曲面部を有しており、第4骨部材4と一体的に形成されている。
図4の例では、回動芯11〜13は第2乃至第4骨部材2〜4のいずれかと一対的に形成した構成としたが、第1乃至第4骨部材1〜4から分離して設けてもよい。また、回動芯11〜13の形状は円形に限らず、楕円形であってもよい。もちろん円形と楕円形の組み合わせの形状であってもよい。いずれにしても回動芯11〜13の表面の一部に弧形部を有し、腱ガイドG1〜G10の作用により、回動芯11〜13と伸展腱300A及び屈曲腱300Bとの接触長が変化するものであれば回動芯11〜13の形状は限定されない。
図4は、伸展腱300A及び屈曲腱300Bが近位側から遠位側に向かって、すなわち、第1骨部材1から第4骨部材4に向かい回動芯11〜14の曲面部に接触して延設されている状態を示す。伸展腱300Aは人の手の甲側に、屈曲腱300Bは手の掌側にそれぞれ配設される。伸展腱300Aの一端は指機構部100が備える人工筋400,400,…,400のうちの1つである人工筋400A(図5を参照,以下では伸筋400Aとも称する)に接続される。伸展腱300Aの他端と第4骨部材4との固定部位は、引っ張り応力を受け機械的強度が劣化することが憂慮される。こうした不具合を排除するには両者同士を完全に固着せずに応力を緩和できるように、例えば、伸展腱300Aを第4骨部材4の一部に結んで取り付けるようにするとよい。
屈曲腱300Bの一端は伸展腱300Aが接続される人工筋400Aとは別の人工筋400である人工筋400B(図5を参照,以下では屈筋400Bとも称する)に接続される。屈曲腱300Bの他端と第4骨部材4との固定部位は、伸展腱300Aと同様に引っ張り応力を受け機械的強度が劣化することが憂慮される。こうした不具合を排除するには両者同士を完全に固着せずに応力を緩和できるように、例えば、屈曲腱300Bを第4骨部材4の一部に結んで取り付けるようにするとよい。
腱300は弾性体であり,伸筋の牽引力Feと屈筋の牽引力Ffにより伸長し,伸長量に応じた内部張力を発生させる。牽引力Fe及びFfに対抗する内部張力は腱300の断面積A,腱300の歪みε,腱300のヤング率Eを用いて、A×E×εで与えられる。ここで腱300の歪みεは、腱300の自由長L0と伸長量ΔLよりΕ=ΔL/L0で与えられる。
ここで、屈曲腱300Bの伸長量Lf(DIP) ,Lf(PIP) ,Lf(MP)と、伸展腱300Aの伸長量Le(DIP) ,Le(PIP) ,Le(MP)とは、伸筋の牽引力をFe,屈筋の牽引力をFfとしたとき、
Fe=A×E×(Lf(MP) +Lf(PIP) +Lf(DIP))/Lf0、
Ff=A×E×(Le(MP) +Le(PIP) +Le(DIP))/Le0
で求められる。ただし,断面積A及びヤング率Eは、伸展腱300A及び屈曲腱300Bの双方で同じと仮定している。また,伸展腱300Aの自由長をLe0,屈曲腱300Bの自由長をLf0としている。上記2つの式は、伸筋400Aの牽引力と屈曲腱300Bの内部張力が等しく、屈筋400Bの牽引力と伸展腱300Aの内部張力が等しいことを示している。
本実施の形態では、回動芯11〜13の半径(直径)を遠位側から近位側に向かって徐々に増加させている(以下回動傾斜という)。すなわち、回動芯13、回動芯12、回動芯11の順で半径(直径)が増加するようにしている。回動傾斜の割合は10%〜40%であることが好ましい。特に、回動芯11〜13の半径の比(r(MP):r(PIP) :r(DIP))を1.62:1.27:1とするとよい。こうした回動傾斜をもたせることで、回動順序は中手指節関節MPの回動完了後に近位指節間関節PIPが回動し始め、近位指節間関節PIPの回動完了後に遠位指節間関節DIPが回動し始める。これを把持対象物OBJの把持に適用した場合、基節骨PPが先ず把持対象物OBJに接触することにより、中手指節関節MPの回動が制限された場合、近位指節間関節PIPが回動し、中節骨MIPが把持対象物OBJに接触する。その後,遠位指節間関節DIPが回動し、末節骨DPが把持対象物OBJに接触する。ここで、回動芯11〜13と腱300との接触長は、各関節における回動半径と回動角とにより直接的に求まる。例えば、中手指節関節MPにおける屈曲腱300Bの接触長Lf(MP)は、回動半径r(MP) ×回動角で求まる。他の関節との接触長、及び伸展腱300Aと関節との接触長についても同様である。
図5は指を伸展させた状態を説明する模式的説明図である。図5は、人工筋400Aの短手方向が最大に膨張し、人工筋400Bが最大に弛緩した状態を示している。こうした状態は、伸展腱300Aが最も伸長した状態であり、屈曲腱300Bが最も緩んだ状態となり、末節骨DP、中節骨MIP、基節骨PP、及び中手骨MEBがほぼ一直線上に並ぶ。こうした状態を図4を用いて説明すると、屈曲腱300Bの伸長量Lf(DIP) ,Lf(PIP) ,Lf(MP)が最大であり,伸展腱300Aの伸長量Le(DIP) ,Le(PIP) ,Le(MP)は最小となる。伸展腱300Aの牽引力をFe,屈曲腱300Bの牽引力をFfとしたとき、
Fe=A×E×(Lf(MP) +Lf(PIP) +Lf(DIP))/Lf0、
Ff=A×E×(Le(MP) +Le(PIP) +Le(DIP))/Le0≒0
で求められる。ただし,断面積A及びヤング率Eは、伸展腱300A及び屈曲腱300Bの双方で同じと仮定している。また,伸展腱300Aの自由長をLe0,屈曲腱300Bの自由長をLf0としている。
図6は指を屈曲させた状態を説明する模式的説明図である。図6は人工筋400Bの短手方向が最大に膨張し、人工筋400Aが最大に弛緩した状態を示している。こうした状態は、屈曲腱300Bが最も屈曲した状態であり、伸展腱300Aが最も緩んだ状態となり、末節骨DP、中節骨MIP、基節骨PP、及び中手骨MEBの相隣接する骨同士は例えば60度から90度の角度をもって配置される。こうした状態について図4を用いて説明すると、図6の状態は,屈曲腱300Bの伸長量Lf(DIP) ,Lf(PIP) ,Lf(MP)は最小であり,伸展腱300Aの伸長量Le(DIP) ,Le(PIP) ,Le(MP)は最大になる。伸展腱300Aの牽引力をFe、屈曲腱300Bの牽引力をFfとしたとき、
Fe=A×E×(Lf(MP) +Lf(PIP) +Lf(DIP))/Lf0≒0、
Ff=A×E×(Le(MP) +Le(PIP) +Le(DIP))/Le0
で求められる。ただし,断面積A及びヤング率Eは、伸展腱300A及び屈曲腱300Bの双方で同じと仮定している。また,伸展腱300Aの自由長をLe0,屈曲腱300Bの自由長をLf0としている。
図5及び図6に示すように、人工筋400A,400Bの端部には丸みを持った自在継手520を設けている。これは、人工筋400A及び400Bの膨張度合い(収縮度合い)に関わらず、伸展腱300A及び屈曲腱300Bと、それぞれが接続されている自在継手520の中心Pとを結ぶ線分が人工筋400A及び400Bの短手方向の中心線CL上に重ならせるためである。こうした構成によって、人工筋400A及び400Bの動きを滑らかにする共に、伸展腱300A及び屈曲腱300B並びに人工筋400A,400Bにかかる負荷を緩和している。
図7は母指THUMBの機構を示す。母指THUMBは、他の4つの指の機構とは異なり、4本の腱314,324,334,344とそれらを個々に駆動する4つの人工筋412,422,432,442を備える。
母指THUMBは、末節骨DP、基節骨PP、及び中手骨MEBを備え、中手骨MEBの中間部には第1手根中手関節CMXが設けており、中手骨MEBは第1中手骨MEB1と第2中手骨MEB2とに分割された構成となっている。末節骨DPと基節骨PPとは指節間関節IPを介し、基節骨PPと第1中手骨MEB1とは中手指節関節MPを介し、第1中手骨MEB1と第2中手骨MEB2とは第1手根中手関節CMXを介し、第2中手骨MEB2と手根骨CBとは第2手根中手関節CMYを介してそれぞれ回動可能に連結されている。
母指THUMBに設けた指節間関節IP、中手指節関節MP、及び第1手根中手関節CMXは、腱324,334の張力により回動する。腱324及び334は、それぞれ人工筋422,432の膨らみと縮みで張力が与えられる。腱324は、母指THUMBを伸展させる、いわゆる伸展腱として、腱334は、母指THUMBを屈曲させる、いわゆる屈曲腱としてそれぞれ作用する。腱324,334は第2手根中手関節CMYの回動には関与していない。以下では、腱324を伸展腱324とも記載し、腱334を屈曲腱334とも記載する。
母指THUMBに設けた第2手根中手関節CMYは、他の関節とは異なり、腱314,344の張力により回動する。腱314,344は、それぞれ人工筋412,442の膨らみと縮みで張力が与えられる。腱344は、母指THUMBの内転筋の動作を制御する。内転筋は、母指THUMBを小指LF側の方向に引く筋である。把持対象物OBJの大きさと形状に即応して母指THUMBと他の指との対向距離や相対的距離を制御することは、把持対象物OBJの掴みに安定性と適切な保持強度を与える。腱314は腱344とは反対の作用を有する。すなわち、母指THUMBの位置を小指LF側からより遠ざけようとする外転筋の動きを制御する。これによって、把持対象物OBJの大きさと形状に即応した離す動作の迅速性と安全性を与える。以下では、腱314を外転筋腱314とも記載し、腱344を内転筋腱344とも記載する。
人工筋412,422,432及び442は、図1等に示す電磁弁600で駆動されるマニホールド650側から供給されるエアの加圧、減圧により伸縮制御される。エアはフランジ500、リブ510側に取り付けた人工筋412,422,432及び442の一端側に設けられたエア供給口・吸引口530(図11を参照)からそれぞれ供給される。
図8は腱300の断面図である。腱300は,人工筋400の牽引力により弾性変形を行うコア部310と、コア部310を保護するシース部320とにより構成される複合構造である。コア部310には,ヤング率が例えば0.5GPaから2GPaとなるナイロン,ポリエチレン等の合成樹脂繊維を用いる。コア部310は内部張力FIを腱拮抗関節に働く力に変換する。
シース部320は,コア部310と同じ材料で構成することができる。シース部320は、ビニル等の樹脂組成物を筒状に編まれており、コア部310より小さな力で伸長することができる。シース部320の機能は,コア部310が回動芯11〜13,腱ガイドG1〜G10等の部材に接触することを防止し,摩擦等による牽引力の逸失と、コア部310の摩耗とを防止することである。
図9は実施の形態1に係るロボットハンドシステムの全体構成を説明するブロック図である。実施の形態1に係るロボットハンドシステムは、上述したロボットハンド1000、ロボットハンド1000が装着されるロボットROB、ロボットROBに対して各種指令を与えるコントローラCON、及び把持対象物OBJを含む周辺環境を撮像する撮像装置CAMを備える。
コントローラCONは、いわゆるコンピュータ装置であり、各種の情報を受付ける入力インタフェース、入力インタフェースを通じて受付けた情報を基に各種演算処理や情報処理を行う処理回路、処理回路が生成した情報を外部へ出力する出力インタフェース等(不図示)を備える。コントローラCONは、例えば把持対象物OBJに関する掴みと置きの制御条件であるP&P条件(Pick and Place条件)の入力を受付ける。P&P条件は、把持対象物OBJに応じて、ロボットハンド1000を操作又は管理するユーザにより適宜設定され得る。把持対象物OBJは任意の物体である。例えば、桃、トマト等の果菜類、コロッケ、唐揚等の食材類などの柔らかい物であってもよい。また、サラダ、惣菜等の形状が定められていない物であってもよい。また、把持対象物OBJは、玩具などの比較的小さな物であってもよい。P&P条件は、例えば、把持対象物OBJの重さ、形状、柔らかさ、色、つや等の条件を含み得る。
ロボットROBは、例えばN−JIKU(出願人の登録商標)であり、コントローラCONに接続されると共に、ロボットハンド1000が装着される。ロボットROBには、上述したP&P条件を含む各種条件がコントローラCONを通じて入力される。ロボットROBは、コントローラCONを通じて入力された各種条件を基に、関節角や掴み力などの把持対象物OBJに応じた各種データや各種動作指令をロボットハンド1000に対して与える。
ロボットハンド1000は、把持対象物OBJの把持に係る動作指令を受付けた場合、把持対象物OBJを把持する動作に入る。把持動作の際に把持対象物OBJが置かれた場所の周辺環境の情報が必要となる場合がある。コントローラCONは、例えば、把持対象物OBJが置かれた周辺環境の撮像データを撮像装置CAMから取得し、取得した撮像データを解析することによって、把持対象物OBJが置かれた場所の周辺環境の情報を取得することが可能である。また、コントローラCONは、撮像装置CAMから得られる撮像データを解析することによって、把持対象物OBJの3次元情報を取得し、把持位置、把持姿勢等を決定してもよい。コントローラCONは、入力されたP&P条件、撮像データを解析することによって得られる把持対象物OBJの周辺環境に係る情報や3次元情報などを基に、把持対象物OBJに適合する動作指令を与える。ロボットハンド1000は、コントローラCONから与えられる動作指令に基づき、指機構部100における関節角及び力の自律的制御を行い、把持型、保持力、指関節の硬さなどの制御(コンプライアンス制御)を実現する。
なお、把持対象物OBJの周囲環境に係る情報をコントローラCONに事前に与えることが可能である場合、撮像装置CAMからの撮像データは不要であるから、ロボットハンドシステムには撮像装置CAMが含まれていなくてもよい。
図10はロボットハンド1000の制御系の構成を説明するブロック図である。図10では、ロボットハンド1000を構成する各指機構の関節、人工筋、腱、及び電磁弁の繋がりを示している。作図の便宜上、図10では、母指THUMB及び示指IFのみが把持対象物OBJに対向した状態を示しているが、中指MF、環指RF及び小指LFも示指IFと同じ関節を有し、かつ把持対象物OBJに接触または対向しているものとする。
母指THUMBは、末節骨DP、基節骨PP、及び中手骨MEBを有する。末節骨DPには力センサ160が取り付けられ、基節骨PPには別の力センサ160が取り付けられている。力センサ160は、母指THUMBが把持対象物OBJに与える接触力を検知する。さらにこれまでの説明で明らかなように骨同士は、指節間関節IP、中手指節関節MP、第1手根中手関節CMX、及び第2手根中手関節CMYを介して回動可能に連結されている。指節間関節IP、中手指節関節MP、第1手根中手関節CMX、及び第2手根中手関節CMYのそれぞれには角度センサ170が取り付けられている。角度センサ170は、関節角すなわち、骨同士の相対的な傾きの角度を検知し、CPU701へ出力する。
母指THUMBの基本的な制御は、ロボットハンド1000全体を制御する制御基板700及びこれに実装されたCPU701に対して、各種の動作指令を与えることによって行う。動作指令は、例えば図9に示したコントローラCONより与えることができる。
コントローラCON等の外部入力手段を介して例えば把持対象物OBJを掴むための把持命令が制御基板700に実装されたCPU701に入力されると、CPU701は、各指を屈伸するための制御信号を電磁弁612,622,632及び642に伝える。制御信号を受けた電磁弁612,622,632及び642は、人工筋400(具体的には、外転筋412,伸筋422,屈筋432及び内転筋442)が伸縮するように給排制御を行う。給排制御とは、人工筋400(412,442,432,442)の内部にエアを供給する加圧処理またはエアを抜くための減圧処理である。
人工筋400(412,442,432及び442)の伸縮により、腱314,324,334及び344を引っ張る牽引力が発生し、これによって腱314,324,334及び344に張力が発生する。
外転筋腱314及び内転筋腱344に働く張力は、第2手根中手関節CMYを制御する。図7の説明でも述べたが母指THUMBに設けた第2手根中手関節CMYは他の指には設けていないものである。
伸展腱324に働く張力は、第2手根中手関節CMYを除く他の関節を回動するモーメントとして作用する。したがって、この張力は、指節間関節IP、中手指節関節MP及び第1手根中手関節CMXを回動するモーメントとして作用する。
屈曲腱334に働く張力33は、第2手根中手関節CMYを除く他の関節を回動するモーメントとして作用する。したがって、この張力は、指節間関節IP、中手指節関節MP及び第1手根中手関節CMXを回動するモーメントとして作用する。
以上、母指THUMBの各関節の回動制御について説明した。図7においても述べたが、母指THUMBは、他の指に設けられた腱300に加え、外転筋の動きを制御する外転筋腱314と、内転筋の動きを制御する内転筋腱344とが付け加えられ、母指THUMBの動く範囲を従前よりも広くしたことを特徴の1つとしている。
次に、示指IFの構成について述べる。示指IFは、末節骨DP、中節骨MIP、基節骨PP、及び中手骨MEBを有する。末節骨DP、中節骨MIP及び基節骨PPには力センサ160が取り付けられている。力センサ160は、示指IFが把持対象物OBJに与える接触力を検知する。これまでの説明で明らかなように骨同士は、遠位指節間関節DIP、近位指節間関節PIP、中手指節関節MPを介して回動可能に連結されている。遠位指節間関節DIP、近位指節間関節PIP、及び中手指節関節MPそれぞれには角度センサ170が取り付けられている。角度センサ170は、関節角すなわち、骨同士の相対的な傾きの角度を検知し、CPU701へ出力する。
示指IFの基本的な制御は、母指THUMBと同様に、ロボットハンド1000の制御基板700に実装されたCPU701に各種の動作指令を与えることで行う。動作指令は、例えば図9に示したコントローラCONより与えることができる。
コントローラCON等の外部入力手段を介して例えば把持対象物OBJを掴むための把持命令を入力すると、CPU701は、各指を屈伸するための制御信号を電磁弁652,662に伝える。制御信号を受けた電磁弁652及び662は、人工筋400(具体的には、伸筋400A及び屈筋400B)が伸縮するように給排制御を行う。給排制御とは具体的には人工筋400(400A,400B)の内部にエアを供給する加圧処理またはエアを抜くための減圧処理である。
人工筋400(400A,400B)の伸縮により、伸展腱300A及び屈曲腱300Bを引っ張る牽引力が発生し、これによって伸展腱300A及び屈曲腱300Bに張力が発生する。この張力は各関節を回動するモーメントとなる。すなわち、伸展腱300A及び屈曲腱300Bに働く張力は、遠位指節間関節DIP、近位指節間関節PIP及び中手指節関節MPを回動するモーメントとして作用する。
母指THUMB、示指IF、中指MF、環指RF及び小指LFにそれぞれ取り付けられた力センサ160は、接触力に係るセンサ値をCPU701へ出力する。また、各指の各関節に取り付けられた角度センサ170は、各関節の関節角に係るセンサ値をCPU701へ出力する。これらのセンサ値は、制御基板700を通じて、コントローラCONへ出力されてもよい。ロボットハンド1000のユーザは、力センサ160及び角度センサ170のセンサ値に基づき、P&P条件の現状を維持するか、それとも変更又は修正するかを判断してもよい。
以上に述べたロボットハンド1000及び指機構部100の動作と制御は、それらの把持力及び関節角をフィードバックし、対象物の大きさ、形状、柔らかさ等に合わせて逐次制御条件を調整、制御するものであり、これがロボットハンドのコンプライアンス制御である。
図11は指機構部100における牽引力の伝達機構を説明する説明図である。図11は、指機構部100の関節、人工筋、腱、及び電磁弁の繋がりを示し、把持対象物OBJに母指THUMBと示指IFが接触または近接しているときの状態を表している。なお、図11は作図の便宜上、2つの指の各関節のみを示したが、中指MF、環指RF及び小指LFも示指IFと同じ関節を有し、把持対象物OBJに対向している。
母指THUMBは、指節間関節IP、中手指節関節MP、及び第1手根中手関節CMXを備える。指節間関節IP、中手指節関節MP、第1手根中手関節CMXの曲面部(弧形部)には、伸展腱324と屈曲腱334が懸架され、近位側から遠位側に向かって、すなわち第1手根中手関節CMXから指節間関節IP側に向かって延設されている。伸展腱324及び屈曲腱334の一端はそれぞれ人工筋422及び432の一端に接続し、人工筋422及び432の他端はエア供給口・吸引口530を備える。人工筋422及び432のエア供給口・吸引口530はそれぞれ電磁弁622,632側に繋がっている。
母指THUMBは、更に第2手根中手関節CMYを備える。第2手根中手関節CMYは、母指THUMBの外転筋412と内転筋442の動作を制御する。第2手根中手関節CMYには外転筋腱314と内転筋腱344が懸架される。外転筋腱314及び内転筋腱344の一端はそれぞれ人工筋412及び442の一端に接続し、人工筋412及び442の他端はエア供給口・吸引口530を備える。エア供給口・吸引口530はそれぞれ電磁弁612,642側に繋がっている。
示指IFは、遠位指節間関節DIP、近位指節間関節PIP、中手指節関節MP及び手根中手関節CMを備える。これらの関節の曲面部(弧形部)には、伸展腱300A及び屈曲腱300Bが懸架され、近位側から遠位側に向かって、すなわち、手根中手関節CMから遠位指節間関節DIP側に向かって延設されている。伸展腱300A及び屈曲腱300Bの一端はそれぞれ伸筋400A及び屈筋400Bの一端に接続し、伸筋400A及び屈筋400Bの各他端は、エア供給口・吸引口530の一端に接続する。エア供給口・吸引口530の他端は電磁弁652,662側に繋がっている。
図11には作図と説明の便宜上示指IFを例示したが、中指MF、環指RF、及び小指LFは、示指IFとほぼ同様の構成であるので説明は省略する。
ここで、母指THUMB側を駆動する電磁弁622,632を例に取り上げ、その動作の分担、作用等について説明する。電磁弁622は電磁弁I及び電磁弁IIの2つで構成される。電磁弁Iは、人工筋442を加圧して、人工筋442の短手方向を膨張するように働く。人工筋442の短手方向が膨張すると伸展腱324を人工筋442の長手方向に引っ張る。こうした作用を与える電磁弁Iの弁機能を本書で「伸筋加圧」と称する。
電磁弁IIは、人工筋442を減圧して、人工筋442の短手方向を縮ませ、その長手方向を伸張するように働く。人工筋442の長手方向が伸張すると伸展腱324は第1手根中手関節CMX側に向かって移動する。こうした作用を与える電磁弁IIの弁機能を本書で「伸筋減圧」と称する。
電磁弁IIIは、人工筋432を加圧して、人工筋432の短手方向を膨張するように働く。人工筋432の短手方向が膨張すると屈曲腱334を人工筋432の長手方向に引っ張る。こうした作用を与える電磁弁IIIの弁機能を本書で「屈筋加圧」と称する。
電磁弁IVは、人工筋432を減圧して、人工筋432の短手方向を縮ませ、その長手方向を伸張するように働く。人工筋432の長手方向が伸張すると屈曲腱334は第1手根中手関節CMX側に向かって移動する。こうした作用を与える電磁弁IVの弁機能を本書で「屈筋減圧」と称する。
以上の説明から明かになるように、本実施の形態に係るロボットハンド1000は、母指THUMBの関節を回動するにあたり、伸展腱324及び屈曲腱334を4つの電磁弁I〜IVを用いて制御するので、電磁弁I〜IVのオン・オフの組み合わせにより16通りの制御状態を作り出すことができる。また、他の指についても同様であり、伸展腱300A及び屈曲腱300Bを4つの電磁弁を用いて制御することができ、電磁弁I〜IVのオン・オフの組み合わせにより、それぞれの指について16通りの制御状態を作り出すことができる。
図12は電磁弁I〜IVの制御状態を説明する説明図である。図12は、図11に示した電磁弁I,II,III及びIVのオン、オフ動作、各弁の弁機能、及び指機構部100の動作の関係を示している。
電磁弁Iの弁機能は「伸筋加圧」を有する。「伸筋加圧」は、400A,422にエアを供給して加圧しその短手方向を膨張させ、伸展腱300A,324を人工筋400A,422側に引っ張る動作である。
電磁弁IIの弁機能は「伸筋減圧」を有する。「伸筋減圧」は、人工筋400A,422を減圧しその短手方向を縮め、長手方向を伸ばす、すなわち伸展腱300A,324を中手指節関節MP側に緩める動作である。
電磁弁IIIの弁機能は「屈筋加圧」を有する。「屈筋加圧」は、人工筋400B,432にエアを供給し加圧してその短手方向を膨張させるとともに長手方向を縮め、屈曲腱300B,334を人工筋400A,432側に引っ張る動作である。
電磁弁IVの弁機能は「屈筋減圧」を有する。「屈筋減圧」は、人工筋400B,432を減圧しその短手方向を縮め、長手方向を伸ばす、すなわち屈曲腱300B,332を中手指節関節MP側に緩める動作である。
弁状態(制御状態)は、電磁弁I〜IVのオン、オフの組み合わせで16通り用意される。弁状態0は、電磁弁I〜IVの4つの弁がすべてオフ状態であることを示す。弁状態0では伸展腱300A及び屈曲腱300B(伸展腱324及び屈曲腱334)が拮抗した状態に置かれる。
弁状態1は、電磁弁IVのみをオンにして、残りの3つの電磁弁をオフとした制御状態である。
弁状態2は、電磁弁IIIのみをオンにして、残りの3つの電磁弁I,II,IVをオフとした制御状態である。弁状態2は、人工筋400B,432を短手方向に膨らませて屈曲腱300B,334を人工筋400B,432側に引っ張り、各関節と把持対象物OBJとの接触強度を増加させる、いわゆる「対象物の増締め」を行うときに用いる。
弁状態3は、電磁弁I,IIをオフにして、電磁弁III,IVをオンに設定する。弁状態3は、屈筋加圧と屈筋減圧とを併用することができる。この2つの圧力と制御時間とを組み合わせることで、通常の制御では期待できない過渡制御が実現できる。
弁状態4は、電磁弁IIのみをオンにして、残りの3つの電磁弁I,III,IVをオフとした制御状態である。
弁状態5は、電磁弁II,IVがオンをにして、電磁弁I,IIIをオフに設定する。弁状態5は、各指を接触している把持対象物OBJから離すための、いわゆる指抜きを行うときに採用される。伸筋減圧と屈筋減圧を同時に行うことで人工筋400を緩んだ状態として、各関節と各腱300に加わる不要な力を排除してこれらの劣化を防止する。
弁状態6は、電磁弁II,IIIをオンにして、電磁弁I,IVをオフに設定する。弁状態6は、把持対象物OBJを把持するときに採用する。把持対象物OBJを把持するときの好ましい指の姿は、把持対象物OBJに接触する手掌側の力を強め手の甲側の力を緩めている状態である。したがって伸筋400A,422を減圧し、屈筋400B,432を加圧することになる。
弁状態7は、電磁弁Iをオフにして、残りの電磁弁II〜IVをすべてオンに設定する。弁状態7は、電磁弁III,IVの状態は弁状態3と同じであり、ともにオンに置かれる。
弁状態8は、電磁弁Iをオンにして、残りの電磁弁をすべてオフに設定する。弁状態8は、弁状態7と電磁弁のオン、オフ状態が逆転する。弁状態8では伸筋400A,422(伸展腱300A,324)が張られた状態となり、各関節がほぼ一直線上に並んだ状態となる。弁状態8に制御することにより、把持対象物OBJに対する加圧が解除される。
弁状態9は、電磁弁I,IVをオンにして、電磁弁II,IIIをオフに設定する。弁状態9では伸筋400A,422(伸展腱300A,324)が張られた状態となり、屈筋400B,432(屈曲腱300B,334)は緩んだ状態であり、各指を把持対象物OBJから開放するには最適な状態となる。
弁状態10は、電磁弁I,IIIをオンにして、電磁弁II,IVをオフに設定する。弁状態10では伸筋400A,422(伸展腱300A,324)及び屈筋400B,432(屈曲腱300B,334)がともに張られた状態となり、伸筋400A,422(伸展腱300A,324)と屈筋400B,432(屈曲腱300B,334)が拮抗した状態に置かれる。こうした状態は、各人工筋400の初期状態をチェックする場合や各関節の締め付け、すなわち、関節を硬さを増加するときに採用する。
ロボットハンド1000は、電磁弁I〜IVの組み合わせによって、弁状態11〜15に示す状態を採用することも可能である。例えば、弁状態11に制御し、減圧の大きさと減圧時間との組み合わせにより屈筋400B,432の動作にいろいろな変化をもたせることができる。
弁状態12〜14は、伸筋400A,422(伸展腱300A,324)の加圧と減圧とを同時にオンすることができるので、加圧の大きさ及び加圧時間、さらには減圧の大きさ及び減圧時間の組み合わせにより伸筋400A,422の動作にいろいろな変化をもたせることができる。
弁状態15は、伸筋400A,422(伸展腱300A,324)の加圧と減圧とを同時にオンできることに加え、屈筋400B,432(屈曲腱300B,334)の加圧と減圧とを同時にオンできるので、伸筋400A,422及び屈筋400B,432の動作を併用することが可能となる。本実施の形態に係る指機構の制御においては、1本の指に4つの電磁弁I〜4と2つの人工筋400A,400B(又は422,432)を用いて各関節を回動することで、指に多種多様の動作を行えるという特徴が得られる。なお、母指THUMBについては、外転筋412及び内転筋442の動作制御にもそれぞれ2つの電磁弁612,642を用いて動作の制御を行うようにしたので人体の指と手に類似した振る舞いをすることができるという特徴が得られる。
以下、ロボットハンド1000の制御方法について説明する。
図13は実施の形態1に係るロボットハンド1000の制御方法を説明するフローチャートである。コントローラCONから把持の開始に係る動作指令を受付けた場合、ロボットハンド1000が備える制御基板700に搭載されたCPU701は固化制御を実行する(ステップS101)。ここで、固化制御とは、伸展腱300Aの牽引力と屈曲腱300Bの牽引力とを互いに拮抗させた初期化状態に置くことである。具体的には、CPU701は、前述した弁状態10となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸筋400A及び屈筋400Bを共に加圧状態に制御する。伸筋400A及び屈筋400Bは共に短手方向に膨らみ、長手方向に縮むことによって、伸展腱300A及び屈曲腱300Bを牽引し、牽引力を拮抗させる。母指THUMBが備える伸筋422及び屈筋432についても同様である。
次いで、CPU701は、指機構部100の制御状態をならい把持に遷移させる(ステップS102)。ならい把持とは、把持対象物OBJの形状に倣って、指機構部100の各指を把持対象物OBJに添わせ、ロボットハンド1000が把持対象物OBJを掴みに入る動作をいう。具体的には、CPU701は、前述した弁状態6となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸筋400Aを減圧状態、屈筋400Bを加圧状態に制御する。伸展腱300Aの張力を弱めることにより、把持対象物OBJに指機構部100の各指を添わせる制御が可能となる。母指THUMBが備える伸筋422及び屈筋432についても同様である。なお、ステップS101の固化制御からステップS20のならい把持への遷移は、コントローラCONからの動作指令を受けて実行する構成であってもよく、固化制御に遷移してから設定時間が経過した後に自動的に実行する構成であってもよい。
次いで、CPU701は、指機構部100の制御状態を保持に遷移させる(ステップS103)。保持とは、ロボットハンド1000が掴んだ把持対象物OBJを保持する動作をいう。具体的には、CPU701は、前述した弁状態0となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸展腱300A及び屈曲腱300Bの張力を保持した状態に制御する。母指THUMBが備える伸展腱324及び屈曲腱334についても同様である。なお、ステップS102のならい把持からステップS103の保持への遷移は、コントローラCONからの動作指令を受けて実行する構成であってもよく、ならい把持に遷移してから設定時間が経過した後に自動的に実行する構成であってもよい。
コントローラCONから把持動作の開放を指示する動作指令を受付けた場合、CPU701は、指機構部100の制御状態をならい開放に制御する(ステップS104)。ならい開放とは、ステップS103の保持動作を開放するための動作である。CPU701は、前述した弁状態9となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸筋400Aを加圧状態、屈筋400Bを減圧状態に制御する。伸展腱300Aの張力を増加させ、屈曲腱300Bの張力を弱めることで保持動作を開放することができる。母指THUMBが備える伸筋422及び屈筋432についても同様である。
次いで、CPU701は、把持作業を終了させるか否かを判断する(ステップS105)。コントローラCONから把持作業の終了指示に係る動作指令を受付けた場合、CPU701は、把持作業を終了すると判断する。把持作業を終了しないと判断した場合(S105:NO)、CPU701は、ステップS102へ処理を戻し、他の把持対象物OBJを掴むためにステップS102〜S104の一連の処理を実行する。
一方、把持作業を終了すると判断した場合(S105:YES)、CPU701は、指機構部100の制御状態を弛緩に制御する(ステップS106)。弛緩は、指機構部100と把持対象物OBJや把持対象物OBJを収容する箱又は容器等との接触を避けるための指抜き、並びに、腱300及び人工筋400の保護のための動作である。前述した弁状態5となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸筋400A及び屈筋400Bを共に減圧状態に制御する。母指THUMBが備える伸筋422及び屈筋432についても同様である。
なお、本実施の形態では、弁状態0〜弁状態16の何れかの状態に制御する構成としたが、2つの弁状態を時間的に交互に切り替える構成としてもよい。伸展加圧、伸展減圧、屈筋加圧及び屈筋減圧の状態を時間的に切り替えることにより、通常の制御では期待できない過渡制御を実現することができる。
以上のように、実施の形態1では、伸展腱300Aと屈曲腱300Bの張力によって回動芯11〜13を回動させ、伸展腱300A及び屈曲腱300Bの張力が釣り合った状態で回動を自律的に停止させるようにしたので、不定形柔軟物をつぶさず掴むことができる。
また、実施の形態1では、伸展腱300Aと屈曲腱300Bの物理的な特性で張力を一義的に決めることができる。
更に、本実施の形態では、回動芯11,12,13の順に伸展腱300A及び屈曲腱300Bとの接触長を長くしているので、把持対象物OBJを掴む際に、指の関節を広げた後に把持対象物OBJを包み込むような指の型(把持形)を作り出すことができるので、把持対象物OBJが不定形柔軟物であってとしても適切に把持することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、指機構部100が備える角度センサ及び力センサの出力に基づき、フィードバック制御する構成について説明する。
図14は実施の形態2に係るロボットハンド1000の制御手順を説明するフローチャートである。コントローラCONから把持の開始に係る動作指令を受付けた場合、ロボットハンド1000が備える制御基板700に搭載されたCPU701は固化制御を実行する(ステップS201)。ここで、固化制御とは、伸展腱300Aの牽引力と屈曲腱300Bの牽引力とを互いに拮抗させた初期化状態に置くことである。具体的には、CPU701は、前述した弁状態10となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸筋400A及び屈筋400Bを共に加圧状態に制御する。伸筋400A及び屈筋400Bは共に短手方向に膨らみ、長手方向に縮むことによって、伸展腱300A及び屈曲腱300Bを牽引し、牽引力を拮抗させる。母指THUMBが備える伸筋422及び屈筋432についても同様である。
次いで、CPU701は、指機構部100の制御状態を囲い形成に遷移させる(ステップS202)。囲い形成とは、ロボットハンド1000をロボットROBに装着し、把持対象物OBJを把持及び開放するときの動作の許容範囲、許容領域を決めることである。ロボットハンド1000には、把持対象物OBJの大きさ、形状、さらには把持対象物OBJが置かれている周囲の状態や、把持対象物OBJを収納する周囲の状態に応じた振る舞いが求められる。例えば、箱に桃を収納するとき、または箱から桃を取り出すときには、箱の端と真ん中とでは指機構の角度を変えておく必要があるので、こうした状況を踏まえて囲い形成を設定する。なお、囲い形成における制御手順は、図15に示すフローチャートにて詳述する。
次いで、CPU701は、指機構部100の制御状態を把持に遷移させる(ステップS203)。把持は、実施の形態1で説明したならい把持とほぼ同じ動作であり、把持対象物OBJの形状に倣って、指機構部100の各指を把持対象物OBJに添わせ、ロボットハンド1000が把持対象物OBJを掴みに入る動作をいう。なお、把持における制御手順は、図16に示すフローチャートにて詳述する。
次いで、CPU701は、指機構部100の制御状態を保持に遷移させる(ステップS204)。保持とは、ロボットハンド1000が掴んだ把持対象物OBJを保持する動作をいう。具体的には、CPU701は、前述した弁状態0となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸展腱300A及び屈曲腱300Bの張力を保持した状態に制御する。なお、ステップS203の把持からステップS204の保持への遷移は、コントローラCONからの動作指令を受けて実行する構成であってもよく、把持状態に遷移してから設定時間が経過した後に自動的に実行する構成であってもよい。
コントローラCONから把持動作の開放を指示する動作指令を受付けた場合、CPU701は、指機構部100の制御状態をならい開放に制御する(ステップS205)。ならい開放とは、ステップS204の保持動作を開放するための動作である。CPU701は、前述した弁状態9となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸筋400Aを加圧状態、屈筋400Bを減圧状態に制御する。伸展腱300Aの張力を増加させ、屈曲腱300Bの張力を弱めることで保持動作を開放することができる。母指THUMBが備える伸筋422及び屈筋432についても同様である。
次いで、CPU701は、把持作業を終了させるか否かを判断する(ステップS206)。コントローラCONから把持作業の終了指示に係る動作指令を受付けた場合、CPU701は、把持作業を終了すると判断する。把持作業を終了しないと判断した場合(S206:NO)、CPU701は、ステップS202へ処理を戻し、他の把持対象物OBJを掴むためにステップS202〜S205の一連の処理を実行する。
一方、把持作業を終了すると判断した場合(S206:YES)、CPU701は、指機構部100の制御状態を弛緩に制御する(ステップS207)。弛緩は、指機構部100と把持対象物OBJや把持対象物OBJを収容する箱又は容器等との接触を避けるための指抜き、並びに、腱300及び人工筋400の保護のための動作である。前述した弁状態5となるように電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、伸筋400A及び屈筋400Bを共に減圧状態に制御する。母指THUMBが備える伸筋422及び屈筋432についても同様である。
図15は囲い形成の制御手順を示すフローチャートである。ロボットハンド1000が備える制御基板700に搭載されたCPU701は、コントローラCONを通じて関節角に対する目標角、及び接触力の設定値を受付ける(ステップS211)。
CPU701は、各センサからのセンサ出力を取得した場合(ステップS212)、力センサ160のセンサ値が設定値より大きいか否かを判断する(ステップS213)。力センサ160のセンサ値が設定値よりも大きい場合(S213:YES)、CPU701は、コントローラCONへの完了報告を行い(ステップS215)、本フローチャートによる処理を終了する。
力センサ160のセンサ値が設定値以下と判断した場合(S213:NO)、CPU701は、角度センサ170により計測される関節角が目標角と実質的に等しいか否かを判断する(ステップS214)。角度センサ170により計測される関節角が目標角と実質的に等しいと判断した場合(S214:YES)、CPU701は、ステップS215の完了報告を行って、本フローチャートによる処理を終了する。
角度センサ170のセンサ値が示す関節角が目標角と実質的に異なると判断した場合(S214:NO)、CPU701は、角度センサ170により計測される関節角が目標角より大きいか否かを判断する(ステップS216)。
角度センサ170により計測される関節角が目標角より大きいと判断した場合(S216:YES)、CPU701は、電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、屈筋400B,432を減圧状態、伸筋400A,422を加圧状態に制御する(ステップS217)。ステップS217の処理は、図12の弁状態9に相当し、ならい開放の動作に対応する。すなわち、角度センサ値が目標値よりも高いということは、対向する骨同士の距離が目標値よりも縮まっていることになるので、これらを少し離れる方向に制御することになる。上記制御状態に制御した後、CPU701は、処理をステップS212へ戻す。
一方、角度センサ170により計測される関節角が目標角以下と判断した場合(S216:NO)、CPU701は、電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、屈筋400B,432を加圧状態、伸筋400A,422を減圧状態に制御する(ステップS218)。ステップS218は、図12の弁状態6に相当し、「ならい把持」の動作に対応する。すなわち、角度センサ値が目標値よりも低いということは、対向する骨同士の距離が目標値よりも離れていることであるので、少し近づける方向に制御することになる。上記制御状態に制御した後、CPU701は、処理をステップS212へ戻す。
図16は把持動作の制御手順を示すフローチャートである。ロボットハンド1000が備える制御基板700に搭載されたCPU701は、コントローラCONを通じて関節角に対する目標角、及び接触力の設定値を受付ける(ステップS221)。
CPU701は、各センサからのセンサ出力を取得した場合(ステップS222)、角度センサ170により計測される関節角が目標角より大きいか否かを判断する(ステップS223)。角度センサ170により計測される関節角が目標角より大きいと判断した場合(S223:YES)、CPU701は、コントローラCONへの完了報告を行い(ステップS225)、本フローチャートによる処理を終了する。
角度センサ170により計測される関節角が目標角以下と判断した場合(S223:NO)、CPU701は、力センサ160のセンサ値(すなわち把持力)が設定値と実質的に等しいか否かを判断する(ステップS224)。力センサ160のセンサ値が設定値と実質的に等しいと判断した場合(S224:YES)、CPU701は、ステップS225の完了報告を行い、本フローチャートによる処理を終了する。
力センサ160のセンサ値が設定値と実質的に異なると判断した場合(S224:NO)、力センサ160のセンサ値が設定値より大きいか否かを判断する(ステップS226)。力センサ160のセンサ値が設定値よりも大きい場合(S226:YES)、CPU701は、電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、屈筋400B,432を減圧状態、伸筋400A,422を加圧状態に制御する(ステップS227)。ステップS227は、図12の弁状態9に相当し、ならい開放の動作に対応する。すなわち、力センサ値が目標値よりも高いということは、把持力が大きいことを意味するので、把持力を弱める方向に制御することになる。上記制御状態に制御した後、CPU701は、処理をステップS222へ戻す。
力センサ160のセンサ値が設定値以下と判断した場合(S226:NO)、CPU701は、電磁弁I〜IVのオン・オフを制御し、屈筋400B,432を加圧状態、伸筋400A,422を減圧状態に制御する(ステップS228)。ステップS228は、図12の弁状態6に相当し、ならい把持の動作に等しい。すなわち、力センサ値が目標値よりも低いということは、把持力が弱いことを意味するので、把持力を強くする方向に制御することになる。上記制御状態に制御した後、CPU701は、処理をステップS222へ戻す。
以上のように、実施の形態2では、力センサ160及び角度センサ170のセンサ出力に基づき、フィードバック制御を実行することができるので、把持対象物OBJを把持している把持形、保持力、指関節の硬さなどを自律的に制御するコンプライアンス制御が可能となる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 第1骨部材
2 第2骨部材
3 第3骨部材
4 第4骨部材
11,12,13 回動芯
100 指機構部
160 力センサ
170 角度センサ
180 手根管
190 手関節
200 前腕骨
300 腱
300A 伸展腱
300B 屈曲腱
314 外転筋腱
344 内転筋腱
400,400A,400B 人工筋
500 フランジ
510 リブ
520 自在継手
530 エア供給口・吸引口
600 電磁弁
612,622,632,642,652,662 電磁弁
650 マニホールド
700 制御基板
701 CPU
1000 ロボットハンド
CB 手根骨
CM 手根中手関節
CMX 第1手根中手関節
CMY 第2手根中手関節
DIP 遠位指節間関節
DP 末節骨
G1〜G8 腱ガイド
I,II,III,IV 電磁弁
IF 示指(第2指)
LF 小指(第5指)
MF 中指(第3指)
MEB 中手骨
MEB1 第1中手骨
MEB2 第2中手骨
MIP 中節骨
MP 中手指節関節
PIP 近位指節間関節
PP 基節骨
RF 環指(第4指)
THUMB 母指(第1指)

Claims (33)

  1. 第1骨部材及び第2骨部材と、
    前記第1骨部材及び前記第2骨部材を長手方向の端部同士で回動可能に連結する第1回動芯と、
    前記第2骨部材が前記第1骨部材に対して伸展する側に配され、前記第1骨部材及び前記第2骨部材の長手方向に沿って延びる伸展腱と、
    前記第1骨部材及び前記第2骨部材の双方に設けられ、前記伸展腱が前記第1回動芯の表面の一部に接触するように前記伸展腱を案内する第1伸展腱ガイドと、
    前記伸展腱に接続されており、前記伸展腱を伸縮させる伸筋と、
    前記第1骨部材が前記第2骨部材に対して屈曲する側に配され、前記第1骨部材及び前記第2骨部材の長手方向に沿って延びる屈曲腱と、
    前記第1骨部材及び前記第2骨部材の双方に設けられ、前記屈曲腱が前記第1回動芯の表面の他部に接触するように前記屈曲腱を案内する第1屈曲腱ガイドと、
    前記屈曲腱に接続されており、前記屈曲腱を伸縮させる屈筋と
    を備える指機構。
  2. 第3骨部材と、
    前記第1骨部材が連結された端部とは反対側の前記第2骨部材の端部にて、前記第3骨部材の端部を回動可能に連結する第2回動芯と、
    前記第2骨部材及び前記第3骨部材の双方に設けられ、前記伸展腱が前記第2回動芯の表面の一部に接触するように前記伸展腱を案内する第2伸展腱ガイドと、
    前記第2骨部材及び前記第3骨部材の双方に設けられ、前記屈曲腱が前記第2回動芯の表面の他部に接触するように前記屈曲腱を案内する第2屈曲腱ガイドと
    を備える請求項1に記載の指機構。
  3. 第4骨部材と、
    前記第2骨部材が連結された端部とは反対側の前記第3骨部材の端部にて、前記第4骨部材の端部を回動可能に連結する第3回動芯と、
    前記第3骨部材及び前記第4骨部材の少なくとも一方に設けられ、前記伸展腱が前記第3回動芯の表面の一部に接触するように前記伸展腱を案内する第3伸展腱ガイドと、
    前記第3骨部材及び前記第4骨部材の少なくとも一方に設けられ、前記屈曲腱が前記第3回動芯の表面の他部に接触するように前記屈曲腱を案内する第3屈曲腱ガイドと
    を備える請求項2に記載の指機構。
  4. 前記第1骨部材、前記第2骨部材、前記第3骨部材及び前記第4骨部材は、それぞれ中手骨、基節骨、中節骨及び末節骨である
    請求項3に記載の指機構。
  5. 前記伸展腱及び前記屈曲腱は、それぞれ前記伸筋及び前記屈筋の牽引力により伸長する弾性体であり、
    前記伸展腱及び前記屈曲腱に発生する内部張力Fは、前記伸展腱及び前記屈曲腱の断面積をA、ヤング率をE、歪みをεとした場合、F=A×E×εで与えられ、前記歪みεは、前記伸展腱及び前記屈曲腱の自由長をL0、伸長量をΔLとした場合、ε=ΔL/L0で表される
    請求項1から請求項4の何れか1つに記載の指機構。
  6. 前記伸展腱及び前記屈曲腱は、それぞれ前記伸筋及び前記屈筋の牽引力により伸長する弾性体であり、
    前記伸展腱及び前記屈筋の断面積をA、ヤング率をE、前記伸展腱の自由長をLe0、前記第1回動芯、前記第2回動芯及び前記第3回動芯による前記伸展腱の伸長量をそれぞれLe(MP) 、Le(PIP) 及びLe(DIP)、前記屈曲腱の自由長をLf0、前記第1回動芯、前記第2回動芯、及び前記第3回動芯による前記屈曲腱の伸長量をそれぞれLf(MP) 、Lf(PIP) 及びLf(DIP) とした場合、
    前記伸展腱の牽引力Fe及び前記屈曲腱の牽引力Ffは、それぞれ
    Fe=A×E×(Lf(MP) +Lf(PIP)+Lf(DIP))/Lf0、
    Ff=A×E×(Le(MP) +Le(PIP)+Le(DIP))/Le0
    で表される請求項3に記載の指機構。
  7. 前記伸展腱が最も伸展した場合、前記伸展腱の伸長量の和Le(MP) +Le(PIP) +Le(DIP) は最大となり、前記屈曲腱の伸長量の和Lf(DIP) +Lf(PIP) +Lf(MP)は最小となる
    請求項6に記載の指機構。
  8. 前記屈曲腱が最も伸展した場合、前記屈曲腱の伸長量の和Lf(DIP) +Lf(PIP) +Lf(MP)が最大となり、前記伸展腱の伸長量の和Le(MP) +Le(PIP) +Le(DIP) は最小となる
    請求項6に記載の指機構。
  9. 前記伸展腱及び前記屈曲腱は、コア部と、該コア部を保護するシース部とを有する
    請求項1から請求項8の何れか1つに記載の指機構。
  10. 前記コア部は、ヤング率が0.5GPa〜2.0GPaの合成樹脂繊維である
    請求項9に記載の指機構。
  11. 前記第1回動芯、前記第2回動芯及び前記第3回動芯に対する前記伸展腱及び前記屈曲腱の接触長は、前記第1回動芯、前記第2回動芯、前記第3回動芯の順に長い
    請求項3に記載の指機構。
  12. 前記第1回動芯、前記第2回動芯及び前記第3回動芯は、凸状の曲面部を有し、
    前記曲面部の曲率半径は、前記第1回動芯、前記第2回動芯、前記第3回動芯の順に大きい
    請求項3に記載の指機構。
  13. 前記第1回動芯の曲率半径は、前記第2回動芯の曲率半径よりも10%〜40%大きく、前記第2回動芯の曲率半径は、前記第3回動芯の曲率半径よりも10%〜40%大きい
    請求項12に記載の指機構。
  14. 前記第1回動芯、前記第2回動芯及び前記第3回動芯の曲率半径の比を、1.62:1.27:1としてある
    請求項12に記載の指機構。
  15. 第n回動芯(nは1,2,3の何れか)は、第n骨部材又は第(n+1)骨部材に固定される
    請求項1から請求項14の何れか1つに記載の指機構。
  16. 第n回動芯(nは1,2,3の何れか)は、第n骨部材及び第(n+1)骨部材とは分離して設けられる
    請求項1から請求項14の何れか1つに記載の指機構。
  17. 前記第1乃至第4骨部材、前記第1乃至第3伸展腱ガイド、並びに、前記第1乃至第3屈曲腱ガイドは、同一材料により形成されている
    請求項3に記載の指機構。
  18. 前記第1乃至第4骨部材、前記第1乃至第3伸展腱ガイド、並びに、前記第1乃至第3屈曲腱ガイドは、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂により形成されている
    請求項17に記載の指機構。
  19. 複数の指を備え、
    該複数の指は、第1乃至第m(mは2、3、4の何れか)骨部材、第1乃至第(m−1)回動芯、第1乃至第(m−1)伸展腱ガイド、第1乃至第(m−1)屈曲腱ガイド、伸展腱、屈曲腱、伸筋、並びに、屈筋をそれぞれ備える
    請求項1から請求項18の何れか1つに記載の指機構。
  20. 前記複数の指は、示指、中指、環指、及び小指の少なくとも1つを含む
    請求項19に記載の指機構。
  21. 前記複数の指は、母指を含み、
    該母指は、外転筋腱及び該外転筋腱を伸縮させる外転筋、並びに、内転筋腱及び該内転筋腱を伸縮させる内転筋を更に備える
    請求項19又は請求項20に記載の指機構。
  22. 前記伸筋及び前記屈筋は、マッキベン型のエア駆動アクチュエータである
    請求項1から請求項21の何れか1つに記載の指機構。
  23. 前記伸筋及び前記屈筋は、モータ及びプーリを有し、前記モータの駆動により前記伸展腱及び前記屈曲腱を巻き取る方式の人工筋である
    請求項1から請求項21の何れか1つに記載の指機構。
  24. 前記伸筋及び前記屈筋は、リニアモータ又はバイオメタルを用いた直動方式の人工筋である
    請求項1から請求項21の何れか1つに記載の指機構。
  25. 請求項1から請求項24の何れか1つに記載の指機構と、
    該指機構が備える伸筋及び屈筋の収縮度合いを制御する制御部と
    を備えるロボットハンド。
  26. 請求項22に記載の指機構と、
    該指機構が備えるマッキベン型のエア駆動アクチュエータに対して圧縮空気を供給する供給路に中途に設けられた加圧電磁弁及び減圧電磁弁と、
    前記加圧電磁弁及び前記減圧電磁弁の開閉を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記加圧電磁弁及び前記減圧電磁弁の開閉を制御し、前記エア駆動アクチュエータ内の空気圧を調整することにより、前記指機構が備える伸筋及び屈筋の収縮度合いを制御する
    ロボットハンド。
  27. 請求項26に記載のロボットハンドの制御方法であって、
    前記ロボットハンドが備える制御部は、
    把持対象物を把持する動作の前に前記ロボットハンドの指機構が備える伸展腱及び屈曲腱の牽引力を拮抗させる固化動作、
    前記把持対象物の形状に倣って前記把持対象物を把持するならい把持動作、
    把持した状態を保持する保持動作、
    該保持動作を開放するならい開放動作、及び
    前記指機構が備える伸筋及び屈筋を弛緩させる弛緩動作
    を実行すべく、前記伸筋及び前記屈筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁及び減圧電磁弁の開閉制御を行う
    ロボットハンドの制御方法。
  28. 前記制御部は、
    前記固化動作を実行する場合、前記伸筋及び前記屈筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁をそれぞれ開制御し、減圧電磁弁をそれぞれ閉制御する
    請求項27に記載のロボットハンドの制御方法。
  29. 前記制御部は、
    前記ならい把持動作を実行する場合、前記伸筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁を閉制御し、減圧電磁弁を開制御すると共に、前記屈筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁を開制御し、減圧電磁弁を閉制御する
    請求項27に記載のロボットハンドの制御方法。
  30. 前記制御部は、
    前記保持動作を実行する場合、前記伸筋及び前記屈筋を構成する各エア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁及び減圧電磁弁をそれぞれ閉制御する
    請求項27に記載のロボットハンドの制御方法。
  31. 前記制御部は、
    前記ならい開放動作を実行する場合、前記伸筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁を開制御し、減圧電磁弁を閉制御すると共に、前記屈筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁を閉制御し、減圧電磁弁を開制御する
    請求項27に記載のロボットハンドの制御方法。
  32. 前記制御部は、
    前記弛緩動作を実行する場合、前記伸筋及び前記屈筋を構成するエア駆動アクチュエータ用の加圧電磁弁をそれぞれ閉制御し、減圧電磁弁をそれぞれ開制御する
    請求項27に記載のロボットハンドの制御方法。
  33. 前記ロボットハンドは、
    把持対象物に対する接触力を検知する力センサと、
    各骨部材の回動角を検知する角度センサと
    を更に備えており、
    前記制御部は、前記力センサ及び前記角度センサの出力に基づき、前記加圧電磁弁及び前記減圧電磁弁の開閉を制御し、前記エア駆動アクチュエータ内の空気圧を調整することにより、前記指機構が備える伸筋及び屈筋の収縮度合いを制御する
    請求項27から請求項32の何れか1つに記載のロボットハンドの制御方法。
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