JP2019063707A - 散気装置の洗浄方法及び散気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を招くことなく散気管の目詰まりおよび閉塞を抑制できる散気装置の洗浄方法を提供する。【解決手段】大気開放弁33が設けられ散気管13の一端側に接続した給気管31と、開閉弁42が設けられ散気管の一端側に接続した排出管41とを準備する工程と、開閉弁を閉塞するとともに給気管からの空気の供給を停止した状態で、大気開放弁を開放して散気管の内部を大気開放し、空気噴出口を介して水槽11内の液体を散気管の内部に充満させる充満工程と、大気開放弁を閉塞するとともに開閉弁を開放した状態で、給気管から空気を供給して散気管の一端側を介して排出管に送出することにより、空気噴出口を介して給気管の内部に流入した液体を排出管を介して排出する排出工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、散気装置の洗浄方法及び散気装置に関するものである。
近年、工業排水や生活排水等の排水の処理として、活性汚泥を含む被処理液が充填された水槽と、該水槽内に配置された膜モジュールと、膜モジュールの下方に配置された散気管を備えた水処理装置を用いた膜分離活性汚泥法(MBR)による処理が種々検討されている。MBRによる処理では、前記被処理液が前記膜モジュールにより固液分離され水質の高い処理水が得られる。
MBRにおいて、膜モジュールにより被処理液の固液分離を継続して行うと、膜モジュールに配設された分離膜の表面が懸濁物質により目詰まりし、膜モジュールの膜間差圧が上昇し、膜モジュールによる固液分離で得られる単位時間当たりの処理水量が低下する。そこで、MBRにおいては、膜モジュールの下方に配置された散気管から気体を散気することによって気泡を生じさせ、該気泡の上昇によって形成される気泡と被処理液との気液混合流を分離膜の表面に接触させることにより、分離膜の表面に付着した汚泥等の懸濁物質を除去する洗浄を行いながら固液分離が行われている。
このようなMBRにおいては、処理が継続されるにしたがって、水槽内の汚泥が散気管内に徐々に入り込んで乾燥し堆積物を生じることがあった。この堆積物は散気管を閉塞して散気を不安定にする原因となる。散気管からの散気が不安定になると、分離膜の表面に対して気泡を含む気液混合流を充分に接触させることが困難となり、分離膜の表面に付着した懸濁物質が充分に除去されなくなる。これにより膜モジュールの膜間差圧が上昇し、膜モジュールによる固液分離で得られる単位時間当たりの処理水量が低下する。
かかる問題に対して、従来、水槽内から散気管を引き上げて、散気管に堆積した堆積物を除去する洗浄が行われていた。しかし、散気管を引き上げて洗浄する洗浄方法は、時間がかかり洗浄コストも高くなる。特に、散気管と膜モジュールが一体化された装置の散気管を洗浄する場合には、該装置自体を水槽内から引き上げる必要があり、散気管の洗浄に要する時間及び洗浄コストが多大となる。
特許文献1には、槽内に浸漬した散気管に基端側から空気を供給し、散気管の下方に設けた複数の空気噴出口から空気を散気する散気装置において、散気管に空気を供給する状態で散気管の先端側に接続した散気ドレン管のドレンバルブを開放し、散気管に供給する空気を散気ドレン管を通して排気し、空気噴出口から散気管内に槽内液を逆流入させて散気管を水洗浄し、散気管内の圧力変化に由来して生じる脈動を利用して断続的に水洗浄を繰り返す技術が開示されている。
特許第3382926号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、散気管のうち空気供給側である基端側は先端側と比較して槽内の液体が流入しづらいため、供給された空気による散気管内の液体の乾燥が進み散気穴の閉塞を生じさせる可能性がある。また、特許文献1に記載された散気装置は、散気管の基端側に空気供給管を配置し、散気管の先端側に散気ドレン管及びドレンバルブを配置しているため、散気ドレン管及びドレンバルブを設置するためのスペースを別途確保する必要が生じ装置の大型化を招いてしまう。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、装置の大型化を招くことなく散気管の目詰まりおよび閉塞を抑制できる散気装置の洗浄方法及び散気装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]水槽内に浸漬した散気管に給気管から空気を供給し、前記散気管の空気噴出口から空気を散気する散気工程が行われる散気装置の洗浄方法であって、
大気開放弁が設けられ前記散気管の一端側に接続した前記給気管と、
開閉弁が設けられ前記散気管の一端側に接続した排出管とを準備する工程と、
前記開閉弁を閉塞するとともに前記給気管からの空気の供給を停止した状態で、前記大気開放弁を開放して前記散気管の内部を大気開放し、前記空気噴出口を介して前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させる充満工程と、
前記大気開放弁を閉塞するとともに前記開閉弁を開放した状態で、前記給気管から空気を供給して前記散気管の一端側を介して前記排出管に送出することにより、前記空気噴出口を介して前記給気管の内部に流入した液体を前記排出管を介して排出する排出工程と、
を含む。
[2]前記充満工程の後に前記散気工程を行う第1モードと、前記充満工程の後に前記排出工程及び前記散気工程を順次行う第2モードとを含む前記[1]記載の散気装置の洗浄方法。
[3]前記第1モードは、前記大気開放弁の開放時間が一回あたり10秒以上であり、一日一回以上、24回以下行われる前記[2]記載の散気装置の洗浄方法。
[4]前記第2モードは、前記開閉弁の開放時間が10秒以上であり、二週間に一回以上、一日一回以下行われる前記[2]または前記[3]記載の散気装置の洗浄方法。
[5]前記排出管の管径は、給気管の管径の1.1倍以上、2倍以下である前記[1]から前記[4]のいずれか一項に記載の散気装置の洗浄方法。
[6]前記散気装置は、鉛直方向に延び間隔をあけて配置された第1配管及び第2配管と、前記第1配管及び前記第2配管の下端同士を接続し前記散気管の一端側が中途に接続された第3配管とを有し、前記第1配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の一方側とは、前記給気管を形成し、前記第2配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の他方側とは、前記排気管を形成する前記[1]から前記[5]のいずれか一項に記載の散気装置の洗浄方法。
[7]水槽内に浸漬され空気噴出口を有する散気管を備えた散気装置であって、大気開放弁が設けられ前記散気管の一端側に接続され前記散気管に空気を供給可能な給気管と、開閉弁が設けられ前記散気管の一端側に接続され前記散気管の内部に流入した液体を排出可能な排出管とを備える散気装置。
[8]鉛直方向に延び間隔をあけて配置された第1配管及び第2配管と、前記第1配管及び前記第2配管の下端同士を接続し前記散気管の一端側が中途に接続された第3配管とを有し、前記第1配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の一方側とは、前記給気管を形成し、前記第2配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の他方側とは、前記排気管を形成する前記[7]記載の散気装置。
[9]前記開閉弁を閉塞するとともに前記給気管からの空気の供給を停止した状態で、前記大気開放弁を開放して前記散気管の内部を大気開放し、前記空気噴出口を介して前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させた後に、前記大気開放弁を閉塞するとともに前記開閉弁を開放した状態で、前記給気管から空気を供給させ前記散気管の一端側を介して前記排出管に送出することにより、前記空気噴出口を介して前記給気管の内部に流入した液体を前記排出管を介して排出させる制御部を有する前記[7]または前記[8]に記載の散気装置。
[10]前記制御部は、前記散気管の内部を大気開放し、前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させた後に、前記散気管に前記給気管から空気を供給させ前記空気噴出口から空気を散気させる第1モードと、前記散気管の内部を大気開放し、前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させた後に、前記給気管から空気を供給させ前記散気管の一端側を介して前記排出管に送出することにより、前記空気噴出口を介して前記給気管の内部に流入した液体を前記排出管を介して排出させ、その後に前記散気管に前記給気管から空気を供給させ前記空気噴出口から空気を散気させる第2モードとを有する前記[9]記載の散気装置。
本発明では、装置の大型化を招くことなく散気管の目詰まりおよび閉塞を抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態の散気装置30を備える水処理装置1の概略構成図である。 散気管13、給気管31及び排出管41の一部を示す正面図である。 図2の右側面図である。 散気装置30の制御に係るブロック図である。
以下、本発明の散気装置の洗浄方法及び散気装置の実施の形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
図1は、本発明の一実施形態の散気装置30を備える水処理装置1の概略構成図である。
水処理装置1は、膜分離活性汚泥法による水処理装置である。
この実施形態の水処理装置1は、水槽11と、水槽11内に配置された膜モジュール12と、膜モジュール12で分離された処理水を排出する処理水排出管15と、膜モジュール11の下方から気泡を散気させる散気装置30と、制御部CONT(図4参照)を備えている。
<水槽11>
水槽11は、一例として、活性汚泥の作用により工業排水等の被処理液が生物処理されて生物処理水とされる槽である。水槽11は、特に限定されないが、例えば直方体状のもので、深さは、被処理液の水深が1m以上となるように、1mを超えることが好ましい。
水槽11には、排水が貯留された原水槽(図示せず)からの排水が供給される排水供給管(図示せず)が接続されている。
水槽11内には、膜モジュール12が配置されている。水槽11内には、活性汚泥を含む被処理液が充填され、散気装置30で生じる散気により活性汚泥処理(生物処理)が行われる。生物処理された処理水は、膜モジュール12により固液分離される。
<膜モジュール12>
膜モジュール12は、水槽11内に配置される。膜モジュール12には、処理水排出管15が接続されている。
処理水排出管15には、その流路の途中に吸引ポンプ17が設けられている。吸引ポンプ17により、膜モジュール12内が減圧され活性汚泥と処理水(透過水)とが固液分離される。さらに処理水が、処理水排出管15を経て水槽11の外側に排出される。
膜モジュール12としては、公知の分離膜(ろ過膜)を備えた公知の膜モジュールを用いることができる。
分離膜の種類としては、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、袋状膜等が挙げられる。これらのうち、容積ベースで比較した場合に膜面積の高度集積が可能であることから、中空糸膜が好ましい。
分離膜の材質としては、有機材料(セルロース、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等)、金属(ステンレス等)、無機材料(セラミック等)が挙げられる。分離膜の材質は、排水の性状等に応じて適宜選択される。
分離膜の孔径は、処理の目的に応じて適宜選択すればよい。MBRにおいて、分離膜の孔径は、0.001〜3μmが好ましい。孔径が0.001μm未満では、膜の抵抗が大きくなりやすい。孔径が3μmを超えると、汚泥を完全に分離することができないため、処理水(透過水)の水質が悪化するおそれがある。分離膜の孔径は、精密ろ過膜の範囲とされる0.04〜1.0μmがより好ましい。
膜モジュール12は、水槽内11内に1つ配備されてもよいし複数配備されてもよい。
<散気装置30>
散気装置30は、散気管13と、散気管13の一端側(図1では右側)に接続された給気管31と、散気管13の一端側に接続された排出管41とを有している。
散気管13としては、特に限定されない。図2及び図3に散気管13の一例を示す。
図2は、散気管13、給気管31及び排出管41の一部を示す正面図である。図3は、図2の右側面図である。
図2及び図3に示すように、散気管13は、給気管31を介して気体が供給される水平方向に延びる主配管2と、主配管2に直接連結して水平方向に延びる複数の枝配管3と、を備える。主配管2は、後述するように、長さ方向の一端側において給気管31及び排出管41に接続されている。主配管2の他端側は、開口することなく、蓋2aが被着されていることによって気密に閉塞されている。
主配管2は、水平に配された状態で、その下部から下方に向かって延びる鉛直管部6が、主配管2内に連通して設けられている。鉛直管部6の下端側には、T字状に形成された三方管7が設けられている。三方管7の両側には、それぞれ枝配管3の一端側が接続されている。枝配管3は、主配管2と直交する方向に延びて配置されている。枝配管3の下側には、空気噴出口8が1つ以上形成されている。また、枝配管3は、その他端の近傍に屈曲部3aが形成されていることにより、主配管2を水平に配した状態で、他端の開口3bが鉛直方向下方に向くよう構成されている。
図1に戻り、給気管31には、その流路の途中にブロワ32が設けられている。また、給気管31における散気管13とブロワ32との間には、大気開放弁33が設けられている。給気管31は、大気開放弁33が開放されたときに大気開放され、大気開放弁33が閉塞したときに大気開放が解除される。
排出管41は、散気管13の内部に流入した液体を排出可能である。排出管41には、その流路の途中に開閉弁42が設けられている。排出管41から排出された液体は、水槽11内に戻される。
図3に示すように、給気管31は、鉛直方向に延びる第1配管51と、第1配管51の下端に接続された第3配管53の一部とを含む。排出管41は、鉛直方向に延びる第2配管52と、第2配管52の下端に接続された第3配管53の一部とを含む。第1配管51及び第2配管52は、散気管13の一端側において主配管2と直交する方向に間隔をあけて配置されている。第3配管53は、第1配管51及び第2配管52の下端同士を接続している。第3配管53は、主配管2と同じ高さに配置されており、主配管2の一端側が中途において接続されている。従って、第1配管51と、第3配管53の主配管2との接続部よりも第1配管51側とは、給気管31を形成している。また、第2配管52と、第3配管53の主配管2との接続部よりも第2配管52側とは、排出管41を形成している。
図4は、散気装置30の制御に係るブロック図である。
制御部CONTは、散気管13の空気噴出口8及び開口3bから空気を散気する散気工程あるいは、散気工程とは別に散気管13を洗浄する洗浄工程に応じて、図4に示すように、ブロワ32による空気供給、大気開放弁33の開閉、吸引ポンプ17の駆動及び開閉弁42の開閉を制御する。
上記の水処理装置1においては、水槽11内に対して膜モジュール12及び散気装置30等を設置(準備)した後に、散気工程及び洗浄工程が順次行われる。
散気工程は、下記の[表1]におけるタイミングT0に示すように、制御部CONTが大気開放弁33及び開閉弁42を閉塞し、吸引ポンプ17及びブロワ32を駆動(ON)することにより行われる。ブロワ32から供給された空気は、給気管31を介して散気管31の主配管2の内部に流入し、空気噴出口8及び開口3bから噴出して散気される。空気噴出口8及び開口3bから空気を噴出すると、噴出した空気は気泡となり、水槽11中を上昇する。上昇した気泡は、水槽11内の被処理液を伴うことで気液混合流を形成する。この気液混合流は、膜モジュール12に当たることによって各膜エレメント(図示せず)の表面に付着した汚泥等の懸濁物質を剥離する。
洗浄工程は、散気管13の内部を大気開放して水槽11内の液体を散気管13の内部に充満させる充満工程と、散気管13の内部に流入した液体を排出管41を介して排出する排出工程とを含む。より詳細には、制御部CONTは、散気工程の後に充満工程を実施させ、その後に散気工程を実施する第1モードと、散気工程の後に充満工程及び排出工程を実施させ、その後に散気工程を実施させる第2モードとを、予め設定された頻度で切り替えて行わせる。以下、充満工程、排出工程、第1モード及び第2モードについて、[表1]及び[表2]を用いて説明する。
Figure 2019063707

<充満工程>
充満工程は、上記の[表1]におけるタイミングT1に示すように、制御部CONTが開閉弁42を閉塞した状態で大気開放弁33を開放し、吸引ポンプ17及びブロワ32の駆動を停止(OFF)することにより行われる。ブロワ32の駆動を停止することにより、給気管31を介して散気管13の内部に空気が供給されることが停止される。また、大気開放弁33を開放することにより、散気管13の内部が大気開放される。これにより、散気管13の内部には、空気噴出口8及び開口3bを介して汚泥を含む水槽11内の液体が流入して充満する。
第1モードにおいては、[表1]に示されるように、上記タイミングT1の充満工程が完了すると、タイミングT2で上述した散気工程を再開させる。タイミングT2の散気工程開始時には、散気管13の内部が液体で充満しているため、主配管2内等に堆積した堆積物を湿潤状態に保つことができる。また、散気を再開した際に、主配管2内の湿潤状態の堆積物をブロア32からの空気によって空気噴出口8から容易に排出できる。
第1モードは、一例として、大気開放弁33の開放時間が一回あたり10秒以上であり、一日一回以上、24回以下行われる。大気開放弁33の開放時間が一回あたり10秒未満の場合は、散気管13の内部への水槽11内の汚泥を含む液体の流入が不十分である可能性があるが一回あたり10秒以上とすることにより、散気管13の内部に汚泥を含む液体を充満させることが可能になる。第1モードが一日一回未満の場合には、散気管13の洗浄が不十分で主配管2内等に堆積した堆積物を十分に排出できない可能性がある。また、第1モードが一日24回を超えて行われる場合には、水処理効率が低下する可能性がある。そのため、第1モードを実施する頻度としては上記の範囲であることが好ましい。
Figure 2019063707
<排出工程>
排出工程は、上記の[表2]におけるタイミングT2に示すように、上述したタイミングT0(散気工程)及びタイミングT1(充満工程)の後に、制御部CONTが大気開放弁33を閉塞した状態で開閉弁42を開放し、吸引ポンプ17を停止させた状態でブロワ32を駆動(ON)することにより行われる。
開閉弁42を開放してブロワ32を駆動すると、タイミングT1における大気開放弁33の開放時に散気管13の内部から給気管31内に浸入した汚泥を含む液体が、ブロワ32から供給され空気の圧力により、排出管41に送出される。給気管31及び排出管41は、第3配管53において散気管13の一端側と接続されているため、給気管31内の汚泥を含む液体が排出管41に送出されるのに伴って散気管13内の汚泥を含む液体は一端側から排出管41に送出されて排出され、水槽11内に戻される。散気管13内の汚泥を含む液体が排出されるのに伴って、水槽11内の汚泥を含む液体が空気噴出口8及び開口3bを介して散気管13内に流入しつつ一端側から排出管41に送出され水槽11内に戻される。
第2モードにおいては、[表2]に示されるように、上記タイミングT2の排出工程が完了すると、タイミングT3で上述した散気工程を再開させる。タイミングT3の散気工程開始時においても、散気管13の内部が汚泥を含む液体で充満しているため、主配管2内等に堆積した堆積物を湿潤状態に保つことができる。また、散気を再開した際に、主配管2内の湿潤状態の堆積物をブロア32からの空気によって空気噴出口8から容易に排出できる。
第2モードは、一例として、開閉弁42の開放時間が一回あたり10秒以上であり、二週間に一回以上、一日一回以下行われる。開閉弁42の開放時間が一回あたり10秒未満の場合は、散気管13の内部の液体の排出が不十分になる可能性があるが一回あたり10秒以上とすることにより、散気管13の内部の汚泥を含む液体を十分に排出することが可能になる。第2モードが二週間に一回未満の場合には、散気管13の洗浄が不十分で主配管2内等に堆積した堆積物を十分に排出できない可能性がある。また、第2モードが一日一回を超えて行われる場合には、水処理効率が低下する可能性がある。そのため、第2モードを実施する頻度としては上記の範囲であることが好ましい。
第2配管52(排出管41)の管径は、第1配管51(給気管31)の管径の1.1倍以上、2倍以下であることが好ましい。第2配管52の管径が第1配管51の管径の1.1倍未満の場合は、第1配管51を介して供給された空気により、散気管13に充満した汚泥を含む液体を第2配管52を介して円滑に排出することが困難になる可能性がある。第2配管52の管径が第1配管51の管径の2倍を超える場合は、装置の大型化を招くことになってしまう。装置の大型化を招くことなく、散気管13に充満した汚泥を含む液体を第2配管52を介して円滑に排出するためには、第2配管52の管径は、第1配管51の管径に対して上記の範囲であることが好ましい。
以上のように、本実施形態では、散気管13の内部を大気開放して内部に液体を充満させた後に、散気管13内部の液体を排出管41を介して排出しているため、散気管13内の液体が乾燥することを抑制できる。そのため、本実施形態では、散気管13の目詰まりおよび閉塞を効果的に抑制することができる。また、本実施形態では、給気管31及び排出管41の双方が散気管13の一方側に配置されているため、給気管31と異なる側に排出管41を配置した場合と比較して設置スペースを小さくでき装置の大型化を抑えることが可能になる。加えて、本実施形態では、排出管41を介して排出した液体を水槽11内に戻して水処理するため、排出した液体を貯溜したり処理するための装置を別途設ける必要がなく一層、装置の大型化及び高価格化を抑えることができる。
また、本実施形態では、給気管31と排出管41とが直結されているため、排出管41内の汚泥を含む液体を、給気管31を介して供給した空気によって効果的に排出することが可能になる。そのため、本実施形態では、汚泥を含む液体の汚泥粘度が高い場合(例えば、MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids:活性汚泥浮遊物質)で12,000mg/L以上)であっても支障なく排出管41を介して排出することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、給気管31と排出管41とが直結され、給気管31と排出管41との接続部に散気管13が接続される構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、散気管13の長さ方向の中途に、当該長さ方向と直交する方向の一方側に給気管31が接続され、他方側に排出管41が接続される構成であってもよい。
また、上記実施形態では、排出管41を介して排出した液体を水槽11内に戻す構成を例示したが、この構成に限定されず、例えば外部に排出する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、水槽11内に膜モジュール12が配置され、汚泥含有水を膜濾過して、汚泥と透過水(処理水)とを膜分離(固液分離)する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、曝気と曝気停止とを繰り返して、活性汚泥の作用により工業排水などの被処理水を生物処理する曝気槽にも適用可能である。
11…水槽、 13…散気管、 30…散気装置、 31…給気管、 33…大気開放弁、 排出管…41、 42…開閉弁、 51…第1配管、 52…第2配管、 53…第3配管

Claims (10)

  1. 水槽内に浸漬した散気管に給気管から空気を供給し、前記散気管の空気噴出口から空気を散気する散気工程が行われる散気装置の洗浄方法であって、
    大気開放弁が設けられ前記散気管の一端側に接続した前記給気管と、
    開閉弁が設けられ前記散気管の一端側に接続した排出管とを準備する工程と、
    前記開閉弁を閉塞するとともに前記給気管からの空気の供給を停止した状態で、前記大気開放弁を開放して前記散気管の内部を大気開放し、前記空気噴出口を介して前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させる充満工程と、
    前記大気開放弁を閉塞するとともに前記開閉弁を開放した状態で、前記給気管から空気を供給して前記散気管の一端側を介して前記排出管に送出することにより、前記空気噴出口を介して前記給気管の内部に流入した液体を前記排出管を介して排出する排出工程と、
    を含む散気装置の洗浄方法。
  2. 前記充満工程の後に前記散気工程を行う第1モードと、
    前記充満工程の後に前記排出工程及び前記散気工程を順次行う第2モードとを含む請求項1記載の散気装置の洗浄方法。
  3. 前記第1モードは、前記大気開放弁の開放時間が一回あたり10秒以上であり、一日一回以上、24回以下行われる請求項2記載の散気装置の洗浄方法。
  4. 前記第2モードは、前記開閉弁の開放時間が10秒以上であり、二週間に一回以上、一日一回以下行われる請求項2または3記載の散気装置の洗浄方法。
  5. 前記排出管の管径は、給気管の管径の1.1倍以上、2倍以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の散気装置の洗浄方法。
  6. 前記散気装置は、鉛直方向に延び間隔をあけて配置された第1配管及び第2配管と、前記第1配管及び前記第2配管の下端同士を接続し前記散気管の一端側が中途に接続された第3配管とを有し、
    前記第1配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の一方側とは、前記給気管を形成し、
    前記第2配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の他方側とは、前記排気管を形成する請求項1から5のいずれか一項に記載の散気装置の洗浄方法。
  7. 水槽内に浸漬され空気噴出口を有する散気管を備えた散気装置であって、
    大気開放弁が設けられ前記散気管の一端側に接続され前記散気管に空気を供給可能な給気管と、
    開閉弁が設けられ前記散気管の一端側に接続され前記散気管の内部に流入した液体を排出可能な排出管とを備える散気装置。
  8. 鉛直方向に延び間隔をあけて配置された第1配管及び第2配管と、
    前記第1配管及び前記第2配管の下端同士を接続し前記散気管の一端側が中途に接続された第3配管とを有し、
    前記第1配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の一方側とは、前記給気管を形成し、
    前記第2配管と、前記第3配管の前記散気管との接続部よりも長さ方向の他方側とは、前記排気管を形成する請求項7記載の散気装置。
  9. 前記開閉弁を閉塞するとともに前記給気管からの空気の供給を停止した状態で、前記大気開放弁を開放して前記散気管の内部を大気開放し、前記空気噴出口を介して前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させた後に、
    前記大気開放弁を閉塞するとともに前記開閉弁を開放した状態で、前記給気管から空気を供給させ前記散気管の一端側を介して前記排出管に送出することにより、前記空気噴出口を介して前記給気管の内部に流入した液体を前記排出管を介して排出させる制御部を有する請求項7または8に記載の散気装置。
  10. 前記制御部は、前記散気管の内部を大気開放し、前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させた後に、前記散気管に前記給気管から空気を供給させ前記空気噴出口から空気を散気させる第1モードと、
    前記散気管の内部を大気開放し、前記水槽内の液体を前記散気管の内部に充満させた後に、前記給気管から空気を供給させ前記散気管の一端側を介して前記排出管に送出することにより、前記空気噴出口を介して前記給気管の内部に流入した液体を前記排出管を介して排出させ、その後に前記散気管に前記給気管から空気を供給させ前記空気噴出口から空気を散気させる第2モードとを有する請求項9記載の散気装置。
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