JP2019062967A - アッパー部材、及び、靴 - Google Patents

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玄 宮崎
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慎介 中島
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誠 野村
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Kohei Yamada
紘平 山田
一憲 井内
Kazunori Inai
一憲 井内
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】伸縮部と一体編成された補強部における浮編組織を編成する糸の伸度を、当該浮編組織以外の部分を編成する糸より低くして、使用者の足に対する「フィット性」と「ホールド性」を同時に向上させる。【解決手段】使用者が履く靴のアッパー部材1である。アッパー部材1は、前記使用者の足を覆い、且つ、立体的に一体編成された無縫製の緯編地2であり、緯編地2は、所定方向に伸縮する伸縮部21と、伸縮部21を補強する補強部22を有し、補強部22には浮編組織5が設けられ、浮編組織5を編成する糸は、浮編組織5以外の部分を編成する糸より伸度が低い。浮編組織5を編成する糸は、その少なくとも一部が、平面視で使用者の足の足幅方向に対して斜めに配置されていても良く、浮編組織5は、その配置される足長方向位置によって、当該浮編組織5の足囲方向長さが異なっていても構わない。【選択図】図8

Description

本発明は、使用者が履く靴のアッパー部材、及び、靴に関する。
従来、ソールとアッパーを含むシューズが知られている(特許文献1参照)。
このシューズにおけるアッパーは、ニット組織からなる生地により構成されており、前記アッパーの所定の位置に繊維補強部を一体的に含み、前記繊維補強部は、複数本の浮き編糸による浮き編みである。
特開2015−66280号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたシューズは、複数本の浮き編糸による浮き編みである繊維補強部を編成する糸が、当該繊維補強部以外の部分の糸と同じであるため、シューズのアッパーが大きく引き伸ばされる時(例えば、シューズのソールが地面についた状態で足の力の方向を急激に変更させる時など)に、使用者の足にシューズをフィットさせつつ、使用者の足とシューズのズレを抑えるには限界があった。
本発明は、このような点に鑑み、伸縮部と一体編成された補強部における浮編組織を編成する糸の伸度を、当該浮編組織以外の部分を編成する糸より低くすることで、使用者の足に対する「フィット性」と「ホールド性」を同時に向上させたアッパー部材、及び、靴を提供することを目的とする。
本発明に係るアッパー部材1は、使用者が履く靴のアッパー部材であって、当該アッパー部材は、前記使用者の足を覆い、且つ、立体的に一体編成された無縫製の緯編地であり、前記緯編地は、所定方向に伸縮する伸縮部と、この伸縮部を補強する補強部を有し、前記補強部には、浮編組織が設けられ、前記浮編組織を編成する糸は、当該浮編組織以外の部分を編成する糸より伸度が低いことを第1の特徴とする。
本発明に係るアッパー部材1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記浮編組織を編成する糸は、その少なくとも一部が、平面視で前記使用者の足の足幅方向に対して斜めに配置されている点にある。
本発明に係るアッパー部材1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記浮編組織は、当該浮編組織が配置される足長方向位置によって、当該浮編組織の足囲方向長さが異なる点にある。
本発明に係るアッパー部材1の第4の特徴は、上記第1〜3の特徴に加えて、前記浮編組織は、少なくとも前記使用者の足におけるMP関節の近傍を覆う位置で、当該浮編組織の足囲方向長さが最も短い点にある。
本発明に係るアッパー部材1の第5の特徴は、上記第1〜4の特徴に加えて、前記浮編組織を編成する糸は、前記使用者の足におけるリスフラン関節とショパール関節のうち少なくとも1つの関節の近傍に、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置されている点にある。
これらの特徴により、伸縮部21を補強する補強部22における浮編組織5を編成する糸の伸度Dを、当該浮編組織5以外の部分を編成する糸より低くすることよって、使用者Uがアッパー部材1に足Fを挿入した(使用者Uが靴100を履いた)際には、補強部22の浮編組織5が適度に伸張し、アッパー部材1を使用者Uの足Fに対して適度にフィットさせることができる。その一方で、使用者Uがアッパー部材1に足を挿入した後、運動を行った際(例えば、靴100のソール部材30が地面についた状態で、使用者Uの足Fの力の方向を急激に変更させる時など)には、伸縮部21を編成する糸と同じ糸を用いて浮編組織5を編成する場合とは異なり、糸の伸度Dが低い分、補強部22の浮編組織5が限界まで伸張し、これにより、補強部22がそれ以上に伸び難くなるので、使用者Uの足Fを効果的にホールドすることが可能となる。その結果、靴100のアッパー部材1が大きく引き伸ばされる時であっても、使用者Uの足Fに靴100(アッパー部材1)をフィットさせつつ、使用者Uの足Fとアッパー部材1のズレを更に低減できる(使用者Uの足Fに対する「フィット性」と「ホールド性」の両立(同時向上))。
又、浮編組織5を編成する糸の少なくとも一部を、平面視で使用者Uの足Fの足幅方向Sに対して斜めに配置することによって、斜め方向に移動する足Fの動きを効果的にホールドすることができるので、使用者Uの足Fとアッパー部材1のズレをより抑えられる。
更に、浮編組織5で、当該浮編組織5が配置される足長方向位置によって、その足囲方向長さ(編成長さとも言える)を変える(異ならせる)ことによって、例えば、ホールド性が重要な箇所では浮編組織5の編成長さを長く、フィット性が重要な箇所では浮編組織5の編成長さを短くするなどし、使用者Uの足Fの部位に応じた「フィット性」と「ホールド性」の同時向上が可能になる。
これらに加えて、浮編組織5を、使用者Uの足FにおけるMP関節の近傍を覆う位置で、その足囲方向長さを最も短くすることによって、使用者Uの足FのMP関節と当接する部分でのホールド性を和らげることが出来るので、拘束されるとフィット感が著しく低下するMP関節のフィット性を維持することが出来、使用者UのMP関節に対する「フィット性」と「ホールド性」がより向上する。
又、浮編組織5を編成する糸を、使用者Uの足Fにおけるリスフラン関節とショパール関節のうち少なくとも1つの関節の近傍に、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置しても良い。ところで、使用者Uの足FのMP関節が屈曲して踵Hが上方に移動した場合に、アッパー部材1に取り付けられているソール部材30も屈曲するものの、アッパー部材1の踵部分1hは、ソール部材30の反力により、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びる方向に引っ張られる。この場合において、浮編組織5を編成する糸を、使用者Uの足Fにおけるリスフラン関節とショパール関節のうち少なくとも1つの関節の近傍に、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置することにより、上述のごとくアッパー部材1の踵部分1hがソール部材30により引っ張られた場合にも、斜め方向に延びる浮編組織5の糸によりアッパー部材1が伸びるのを抑制できるので、アッパー部材1が使用者Uの足Fを十分にホールドすることが可能である。
本発明に係る靴100は、上記第1〜5の特徴を有したアッパー部材と、このアッパー部材を取り付けるソール部材を備え、前記アッパー部材の足長方向長さは、前記ソール部材の足長方向長さより短いことを第1の特徴とする。
この特徴により、アッパー部材1の足長方向長さ1Lを、ソール部材30の足長方向長さ30Lより短くすることによって、アッパー部材1をソール部材30に取り付けた際に、アッパー部材1全体で、使用者Uの足Fを緩やかに拘束でき、使用者Uが靴100を履いた際に、使用者Uの足Fの皮膚に、アッパー部材1を更に追従させ易くなる。
尚、本発明における「アッパー部材1の足長方向長さ1L」とは、アッパー部材1をソール部材30に取り付ける前(アッパー部材1が単独で存在している時(一旦、アッパー部材1をソール部材30に取り付けた後に、敢えてソール部材30から取り外した時も含む))の当該アッパー部材1の足長方向長さ1Lを意味する。
同様に、本発明における「ソール部材30の足長方向長さ30L」とは、アッパー部材1をソール部材30に取り付ける前(アッパー部材1が単独で存在している時(一旦、アッパー部材1をソール部材30に取り付けた後に、敢えてソール部材30から取り外した時も含む))の当該ソール部材30の足長方向長さ30Lを意味する。
本発明に係るアッパー部材、及び、靴によると、伸縮部と一体編成された補強部における浮編組織を編成する糸の伸度を、当該浮編組織以外の部分を編成する糸より低くすることで、使用者の足に対する「フィット性」と「ホールド性」を同時に向上させたアッパー部材、及び、靴を実現できる。
本発明に係るアッパー部材(緯編地)の外観を示す図面代用写真である。 アッパー部材(緯編地)を示す平面図である。 アッパー部材(緯編地)を示す側面図である。 アッパー部材(緯編地)を示す正面図である。 アッパー部材における伸縮部と補強部の平面を示す図面代用写真である。 アッパー部材における伸縮部と補強部の底面を示す図面代用写真である。 裏返したアッパー部材における伸縮部と補強部の平面を示す図面代用写真である。 裏返したアッパー部材における伸縮部と補強部の側面を示す図面代用写真である。 裏返したアッパー部材における伸縮部と補強部の底面を示す図面代用写真である。 アッパー部材をソール部材に取り付けた靴を示す側面図である。
<アッパー部材1の全体構成>
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜10には、本発明に係るアッパー部材1が示されており、このアッパー部材1は、使用者Uが履く靴100の一部である。
アッパー部材1は、後述する緯編地2であり、後述するソール部材30に取り付けられて靴100を構成する。
この靴100におけるアッパー部材1は、使用者Uの足Fを覆う部分であることから、まずは、靴100を履く使用者Uの足Fについて、以下に詳解する。
<使用者Uの足F>
図2、3に示したように、使用者Uの足Fは、爪先Tから踵(かかと)Hに向かって順番に、指骨、中足骨、足根骨を有している。
使用者Uの足Fにおける指骨は、人差し指(第2趾)・中指(第3趾)・薬指(第4趾)・小指(第5趾)においては、爪先Tから踵Hに向かって順番に、末節骨と中節骨と基節骨で構成されているものの、親指(第1趾)においてだけは、中節骨がなく、末節骨と基節骨で構成されている。
足Fの指骨における関節は、人差し指・中指・薬指・小指については、爪先Tから踵Hに向かって順番に、末節骨と中節骨の間にある遠位趾節間関節(Distal InterPhalangeal joint(DIP関節))と、中節骨と基節骨の間にある近位趾節間関節(Proximal InterPhalangeal joint(PIP関節))を有している。
尚、上述したように、親指は、末節骨と基節骨で構成されるため、これらの間にある趾節間関節(InterPhalangeal joint (IP関節))のみを有している。
使用者Uの足Fは、指骨と中足骨の間にあるMP関節(中足趾節間関節(MetaTarsoPharangeal joint ))を有している。
尚、足FにおけるMP関節は、詳解すれば、親指の基節骨(第1基節骨)と親指に対応する中足骨(第1中足骨)の間にある関節と、人差し指の基節骨(第2基節骨)と人差し指に対応する中足骨(第2中足骨)の間にある関節と、中指の基節骨(第3基節骨)と中指に対応する中足骨(第3中足骨)の間にある関節と、薬指の基節骨(第4基節骨)と薬指に対応する中足骨(第4中足骨)の間にある関節と、小指の基節骨(第5基節骨)と小指に対応する中足骨(第5中足骨)の間にある関節を合わせた関節であると言え、手におけるMP関節(中手指節間関節(MetaCarpoPhalangeal joint (MCP関節))と区別するためMTP関節とも言う。
又、MP関節は、足Fにおいて、平面視で最も左右幅が広い(足幅方向の長さが長い)とも言える。
ここで、足Fにおける後述する足幅方向(左右方向)とは、後述する足Fの足長方向Lに対して、当該足長方向Lが略沿う水平面内で、略直交する方向であるとも言える。
一方、足Fにおける足厚方向(上下方向、鉛直方向)とは、後述する足Fの足長方向Lに対して、当該足長方向Lが略沿う鉛直平面内で、略直交する方向であるとも言える。
使用者Uの足Fにおける足根骨は、爪先T寄りから踵(かかと)H寄りに向かって順番に、内側楔状骨、中間楔状骨、外側楔状骨、立方骨、舟状骨、距骨、踵骨で構成されている。
足Fの足根骨における関節は、爪先Tから踵Hに向かって順番に、中足骨(親指・人差し指・中指・薬指・小指に対応する5本の中足骨)と足根骨(内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨・立方骨)の間にあるリスフラン関節や、足根骨内における(立方骨及び舟状骨と距骨及び踵骨の間にある)ショパール関節などを有している。
尚、上述したリスフラン関節は、親指に対応する中足骨(第1中足骨)と内側楔状骨の間にある関節と、人差し指に対応する中足骨(第2中足骨)と中側楔状骨の間にある関節と、中指に対応する中足骨(第3中足骨)と外側楔状骨の間にある関節と、薬指に対応する中足骨(第4中足骨)及び小指に対応する中足骨(第5中足骨)と立方骨の間にある関節を合わせた関節であると言え、足根中足関節とも言う。
又、ショパール関節は、舟状骨と距骨の間にある距舟関節と、立方骨と踵骨の間にある踵立方関節を合わせた関節であると言え、横足根関節とも言う。
その他、使用者Uの足Fの足根骨における関節は、上述したリスフラン関節やショパール関節以外にも、外側楔状骨と立方骨の間にある楔立方関節や、楔状骨(内側楔状骨・中側楔状骨・外側楔状骨)と舟状骨の間にある楔舟関節、距骨と踵骨の間にある距骨下関節などを有している。
<使用者Uの足Fの足長方向L>
図2、3に示したように、本発明における使用者Uの足Fの「足長方向(前後方向)L」とは、使用者Uの足Fにおける爪先T(親指・人差し指・中指・薬指・小指のうち、最も前方へ突出した指の先端)と踵H(踵Hにおいて最も後方へ突出した先端)を結ぶ方向を意味する。
よって、使用者Uの足Fは、足長方向Lに沿って前から順番に(爪先Tから踵Hに向かって順番に)、MP関節、リスフラン関節、ショパール関節を有していると言える。
又、本発明では、このような使用者Uの足Fについて、その一方の側部をFS1とし、足Fの底部をFB、他方の側部をFS2とすると共に、使用者Uの足Fにおいて、その前部分(爪先Tからショパール関節まで)をFF、後部分(ショパール関節から踵Hまで)をFRとし、更に、前部分FFにおける甲部をFKとする。
尚、使用者Uの足Fのうち、その前部分FFは、甲部FKやその下方の底部FBの他、各指(親指・人差し指・中指・薬指・小指)を含む一方で、後部分FRは足首下方部分であるとも言える。
特に、使用者Uの足Fのうち、前部分FFの甲部FK(上面)と各指の上面(各指の上部)を合わせて、甲部FK側、又は、上面FJであると言える。
又、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1とは、前部分FFの一方の側部(例えば、親指の一方側の側部(内甲側の側部)を含む)と後部分FRの一方の側部を合わせたものであり、足Fにおける他方の側部FS2とは、前部分FFの他方の側部と後部分FRの他方の側部を合わせたものであり、足Fにおける底部FBとは、前部分FFの底部と後部分FRの底部を合わせたものであると言える。
<使用者Uの足Fの足幅方向S>
図2、3に示したように、本発明における使用者Uの足Fの「足幅方向S」とは、上述したように、使用者Uの足Fの上述した足長方向Lに対して、当該足長方向Lが略沿う水平面内で、略直交する方向であって、一方の側部FS1から他方の側部FS2までを少なくとも含む方向を意味する。
詳解すれば、足Fの足幅方向Sは、上述した使用者Uの足Fの足長方向Lの各位置に応じており、例えば、足Fの爪先T近傍(爪先TからMP関節まで)における足幅方向Sとは、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の一方の側部FS1(親指の一方側の側部(内甲側の側部))から、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の他方の側部FS2(小指の他方側の側部(外甲側の側部))までを少なくとも含み、足長方向Lが略沿う水平面内で、略直交する方向であると言える。
又、足Fにおける爪先T近傍を除いた前部分FF(MP関節からショパール関節まで)の足幅方向Sとは、当該前部分FFの一方の側部FS1から、前部分FFの他方の側部FS2までを少なくとも含み、足長方向Lが略沿う水平面内で、略直交する方向であると言える。
一方、足Fの後部分FR(ショパール関節から踵Hまで)における足幅方向Sとは、後部分FRの一方の側部FS1から、後部分FRの他方の側部FS2までを少なくとも含み、足長方向Lが略沿う水平面内で、略直交する方向であると言える。
<使用者Uの足Fの足囲W、足囲方向C>
図1、2、4に示したように、本発明における使用者Uの足Fの「足囲(足胴回り)W」とは、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から底部FBを経由して他方の側部FS2までを少なくとも含む部分を意味し、更に、甲部FK側を含んでいても良い。
詳解すれば、足囲Wは、上述した使用者Uの足Fの足長方向Lの各位置に応じており、例えば、足Fの爪先T近傍(爪先TからMP関節まで)における足囲Wとは、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の一方の側部FS1(親指の一方側の側部(内甲側の側部))から、親指・人差し指・中指・薬指・小指の底部FBを経由して、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の他方の側部FS2(小指の他方側の側部(外甲側の側部))も経由して、親指・人差し指・中指・薬指・小指の上面FJ(甲部FK側)も含み、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の一方の側部FS1まで1周して戻ってくるまでを含む部分であると言える。
又、足Fにおける爪先T近傍を除いた前部分FF(MP関節からショパール関節まで)の足囲Wとは、当該前部分FFの一方の側部FS1から、前部分FFにおける底部分(底部FB)を経由して、前部分FFの他方の側部FS2も経由して、前部分FFの甲部FK(上面FJ又は甲部FK側)も含み、前部分FFの一方の側部FS1まで1周して戻ってくるまでを含む部分であると言える。
一方、足Fの後部分FRから踵Hまで(ショパール関節から踵Hまで)における足囲Wとは、後部分FRの一方の側部FS1から、後部分FRの底部FBを経由して、後部分FRの他方の側部FS2までを含む部分と言え、後部分FRの上面は当然含まない(つまり、1周して戻ってはこない)。
よって、本発明における使用者Uの足Fの「足囲方向C」は、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から底部FBを経由して他方の側部FS2までの各表面は少なくとも略沿う周方向(上述の足長方向Lを略中心として囲む周方向)であるとも言える。
詳解すれば、足Fの爪先T近傍における足囲方向Cとは、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の一方の側部FS1から、親指・人差し指・中指・薬指・小指の底部FBと、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の他方の側部FS2と、親指・人差し指・中指・薬指・小指の上面FJ(甲部FK側)を経由して、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の一方の側部FS1の各表面まで略沿って戻る(1周回る)周方向であると言える。
又、足Fにおける爪先T近傍を除いた前部分FFの足囲方向Cとは、当該前部分FFの一方の側部FS1から、前部分FFの底部FBと、前部分FFの他方の側部FS2と、前部分FFの甲部FK(上面FJ等)を経由して、前部分FFの一方の側部FS1の各表面まで略沿って戻る(1周回る)周方向であると言える。
一方、足Fの後部分FRおける足囲方向Cとは、後部分FRの一方の側部FS1から、後部分FRの底部FBを経由して、後部分FRの他方の側部FS2までの各表面に略沿う周方向であり、後部分FRの上部は当然略沿わない(つまり、1周回る周方向ではない)。
<アッパー部材1の足長方向L’、足長方向長さ1Lなど>
図3、10に示すように、アッパー部材1の足長方向L’は、当該アッパー部材1が足Fを覆った際、その足Fの足長方向Lに略沿う方向であると言えると共に、アッパー部材1のうち後述の爪先部分1t(爪先部分1t(緯編地2の爪先部分2t)において最も前方へ突出した部分の先端)と踵部分1h(踵部分1h(緯編地2の踵部分2h)において最も後方へ突出した部分の先端)を結ぶ方向であるとも言える。
又、アッパー部材1の足長方向長さ(前後長さ)1Lは、当該アッパー部材1が足Fを覆った際、当該アッパー部材1における足Fの足長方向Lに略沿った長さであるとも言えると共に、アッパー部材1における爪先部分1t(爪先部分1tにおいて最も前方へ突出した部分の先端)から踵部分1h(踵部分1hにおいて最も後方へ突出した部分の先端)までの長さとも言える。
ここで、本発明における「アッパー部材1の足長方向長さ1L」とは、アッパー部材1をソール部材30に取り付ける前(アッパー部材1が単独で存在している時(一旦、アッパー部材1をソール部材30に取り付けた後に、敢えてソール部材30から取り外した時も含む))の当該アッパー部材1の足長方向長さ1Lを意味し、当該アッパー部材1に後述する加熱成形をした後におけるアッパー部材1の足長方向長さ1Lであっても、当該加熱成形をする前におけるアッパー部材1の足長方向長さ1Lであっても良い。
尚、アッパー部材1である一体編成された緯編地2の足長方向L’が緯編組織のコース方向であり、アッパー部材1(緯編地2)の足長方向長さ1Lが緯編組織のコース方向長さである。
<アッパー部材1の足幅方向S’など>
図1、2、4に示すように、アッパー部材1の足幅方向S’は、当該アッパー部材1が足Fを覆った際、その足Fの足幅方向Sに略沿う方向であると言えると共に、アッパー部材1の上述した足長方向L’に対して、当該足長方向L’が略沿う水平面内で、略直交する方向であるとも言える。
尚、アッパー部材1である一体編成された緯編地2の足幅方向S’が緯編組織のウェール方向である。
<アッパー部材1の足囲方向C’、足囲W’>
図1、2、4に示すように、アッパー部材1の足囲方向C’は、当該アッパー部材1が足Fを覆った際、その足Fの足囲方向Cに略沿う方向であり、アッパー部材1の足囲W’は、当該アッパー部材1が足Fを覆った際、その足Fの足囲方向Cに略沿った長さであるとも言える。
尚、アッパー部材1である一体編成された緯編地2の足囲方向C’がウェール方向であり、アッパー部材1(緯編地2)の足囲W’がウェール方向長さである。
<緯編地2>
図1〜10に示されたように、緯編地2は、アッパー部材1として立体的に一体編成され、且つ、無縫製であり、この緯編地1枚で、上述した使用者Uの足Fの全体を覆っている。
つまり、緯編地2は、使用者Uの足Fの足長方向Lにおける全ての位置で、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から底部FBを経由して他方の側部FS2までを少なくとも含む足胴回りWを覆っていると言える。
詳解すれば、緯編地2は、使用者Uの足Fの爪先T近傍(爪先TからMP関節まで)に対しては、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の一方の側部FS1から、親指・人差し指・中指・薬指・小指の底部FBと、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の他方の側部FS2と、親指・人差し指・中指・薬指・小指の上面FJ(甲部FK側)を経由して、親指・人差し指・中指・薬指・小指を纏めた部分の一方の側部FS1までを、1周回る部分(有底状で略筒状の前筒部分2a)で覆っていると言える。
緯編地2は、足Fにおける爪先T近傍を除いた前部分FF(MP関節からショパール関節まで)に対しては、当該前部分FFの一方の側部FS1から、前部分FFの他方の側部FS2と、前部分FFの甲部FK(上面FJ)を経由して、前部分FFの一方の側部FS1の各表面までを、1周回る部分(略筒状の中筒部分2b)で覆っていると言える。
一方、緯編地2は、足Fの後部分FRに対しては、後部分FRの一方の側部FS1から、後部分FRの底部FBを経由して、後部分FRの他方の側部FS2までを覆い、後部分FRの上部は当然覆わない(つまり、足Fの後部分FRから踵Hまでを、1周回らず、上方開口した(履き口2gが上方に形成された)有底状の後開口部分2cで覆っている)。
このようにアッパー部材1を緯編地2で一体編成し、この緯編地2で、使用者Uの足Fの足長方向Lにおける全ての位置で、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から底部FBを経由して他方の側部FS2までを少なくとも含む足胴回りWを覆っている。
ここまで述べたように、使用者Uの足Fを覆う緯編地2は、一体編成されているのであれば、何れの緯編組織でも良いが、例えば、天竺編(平編)やスムース編(両面編、二重ゴム編)の他、ゴム編、パール編、タック編、浮き編、レース編、両畦編、片畦編、ペレリン編、アイレット編、多衝程両面編、ダブル・ジャージー編、振り編、針抜き編、パイル編、フリース編、添え糸編、からみ添え糸編、ラーベン編、ひねり編、アーガイル編などの緯編組織(丸編組織)であっても良く、この緯編組織は、後述するように、部分的に異なっていても構わず、2種類以上の緯編組織で、1つの緯編地2を編成しても良い(例えば、2種類など)。
又、緯編地2は、上述した緯編組織を複数重ねて、一部又は全部を構成しても(2重緯編地や3重緯編地などでも)良いが、上述した緯編組織1重で構成して、軽量化を図っても構わない。
このように、1つの緯編地2が一体編成されているため、多種の材料を積層せず、又、接着剤も使用しないことから、常に外気を取り入れ易く、靴100内部の湿気を放出し易く、蒸れを抑制できる。更には、緯編地2は、複数種の糸で一体編成されていることから、交編素材であるとも言え、靴100内の汗を発散し易く、水に濡れても排水性が良いため、乾燥も速いに優れているため、靴100内を快適に保ち易いとも言える。
緯編地2は、上述した前筒部分2aや中筒部分2b、後開口部分2c、履き口2gを有し、その他、後述する爪先部分2t、後開口部分2cにおける最も後方に位置する部分(踵部分)2hを有している。
尚、緯編地2の重量も、特に限定はないが、例えば、15g以上35g以下、好ましくは18g以上32g以下、更に好ましくは20g以上30g以下(25gなど)であっても良い。
<緯編地2の爪先部分2t・踵部分2hなど>
その他、緯編地2は、使用者Uの足Fの爪先T側を覆う爪先部分2tや、使用者Uの足Fの踵Hを覆う踵部分2hなどを有していても良い。
尚、緯編地2において、上述した爪先部分2tと前筒部分2aと中筒部分2bは、合わせて前部分2fであり、上述した踵部分2hと後開口部分2c、履き口2gは、合わせて後部分2rであるとも言える。
上述した爪先部分2tは、上述した使用者Uの足Fの爪先TからMP関節までを覆う緯編地2の有底状の前筒部分2aにおいて、足Fの爪先T前方側の略中央位置(足幅方向且つ足厚方向における略中央位置)を覆う部分であり、緯編地2において最も前方へ突出した部分である一方、踵部分2hは、緯編地2において最も後方へ突出した部分である。
尚、緯編地2における一方の側部分2s1とは、緯編地2の前部分2fの一方の側部分と後部分2rの一方の側部分を合わせたものであり、緯編地2における他方の側部分2s2とは、前部分2fの他方の側部分と後部分2rの他方の側部を合わせたものであり、緯編地2における足裏部分2uとは、前部分2fの底部と後部分2rの底部を合わせたものであると言える。
<伸縮部21と、補強部22>
図1〜10に示されたように、伸縮部21は、緯編地2の一部であって、所定方向に伸縮する部分であり、又、補強部22も、緯編地2の一部であって、上述した伸縮部21を補強する部分である。
これら伸縮部21と補強部22は、何れも緯編地2の一部として一体編成されている。
伸縮部21は、所定方向に伸縮することから、当然に、所定の伸度Dを有している。
このような伸縮部21を補強するのであれば、補強部22は、その構成に特に限定はないが、例えば、補強部22は、伸縮部21を編成する糸より伸度Dが低い糸で編成されていても良い。
これは、換言すると、伸縮部21は、補強部22を編成する糸より伸度Dが高い糸で編成されているとも言える。
又、伸縮部21は、平面視で、上述した使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ又は他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて配置されると共に、補強部22は、伸縮部21の隙間に配置されていても良い。
これは、補強部22も、平面視で、上述した使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ又は他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて配置されると共に、伸縮部21は、補強部22の隙間に配置されているとも言える。
つまり、伸縮部21と補強部22それぞれが、使用者Uの足Fの足幅方向S(足囲方向C)に略沿いながら、又は、足幅方向S(足囲方向C)に対して若干の角度をつけながら、当該使用者Uの足Fを覆っているとも言える。これと同時に、伸縮部21と補強部22それぞれが、使用者Uの足Fにおける足長方向Lに沿って略交互に(略縞状に)配置されているとも言える。
尚、伸縮部21と補強部22の少なくとも一方は、使用者Uの足Fを1周回って覆っていても良いが、当該足Fの足囲方向Cの途中で、途切れていても良い。
これら伸縮部21と補強部22のうち、補強部22には、浮編組織5が設けられ、この浮編組織5を編成する糸は、当該浮編組織5以外の部分を編成する糸より伸度Dが低い。
このような伸縮部21、補強部22は、編成される糸の伸度Dによって特徴づけられるとも言えるが、ここで、この伸度D自体について述べる。
<伸度D>
本発明において「伸度D」とは、緯編地2を編成する糸を、当該糸の長手方向に引っ張った際の伸び易さ(逆に言えば、伸び難さ)を意味する。
尚、この伸度Dは、伸縮部21、補強部22それぞれを編成する糸そのものの伸度であるため、「糸伸度D」とも言える。
例えば、後に詳解する熱融着糸4等が使用される糸に含まれていれば、熱処理(加熱成形など)をすることで、緯編地2(例えば、補強部22)の手触りが硬くなり、硬くなれば当然に緯編地2(補強部22等)自体は伸び難くなることから、伸度Dは、硬さを表すとも言える。
又、伸度Dは、伸び易さを表現できるのであれば何れでも良いが、例えば、JIS−K−6900:1994に規定された応力−ひずみ曲線(stress-strain curve 、SSカーブ)で表しても良い。
尚、実際に緯編地2に使われる糸においては、伸張する時に必要とされる応力(伸張時のSSカーブの形状)と、収縮する時に自然に生じる応力(収縮時のSSカーブの形状)が異なる(ヒステリシスループ(履歴曲線)となる)。
よって、このSSカーブにあれば、緯編地2に使われる糸において、伸張時に必要な応力と共に、収縮時に生じる応力も把握でき、使用者Uが靴100を履いて緯編地2を伸張する時に必要な応力だけでなく、靴100を履いた後に、緯編地2が収縮して使用者Uの足Fを拘束する様子が明確になり、アッパー部材1の伸度Dを表すものとして適切であると言える。
ここで、この応力−ひずみ曲線(SSカーブ)は、JIS−K−6900:1994では「応力とひずみの対応する数値を互いに対照させて曲線で表した図表。注−通常応力の数値は縦軸(垂直)に、ひずみの数値は横軸(水平)にプロットされる」と規定されている。
伸度Dを示す応力−ひずみ曲線を、例えば、縦軸に応力(単位:N(ニュートン))とし、横軸に、伸張割合(単位:%)又は伸張長さ(単位:m)としたり、その他、伸度Dの単位として、所定の伸張割合(%)又は伸張長さ(m)だけ長手方向に伸張した時における応力(N(ニュートン))であっても良い。
尚、伸張割合とは、(伸張した時の長さ−伸張前の元の長さ)/(伸張前の元の長さ)で求められる。
又、上述した「ヒステリシスループ(履歴曲線)」は、JIS−K−6900:1994では「材料の周期的変形の間に作り出されるひずみに対する応力(又はこれらの関数)の閉鎖曲線図」と規定されている。
このようなヒステリシスループとなる応力−ひずみ曲線(SSカーブ)で伸度Dを表した場合、その高低(大小)関係については、例えば、収縮時の傾き平均値(収縮時の区間におけるSSカーブ全体の傾き(例えば、単位はN/m)を平均した値)で高低を比較したり、その他、伸張時の傾き平均値(伸張時の区間におけるSSカーブ全体の傾きを平均した値)や、収縮時の傾き平均値と伸張時の傾き平均値を足して2で割った値などで高低を比較しても良い。
その他、伸度Dを表すものとして、同じくJIS−K−6900:1994で規定されたヤング率(引張弾性率)を用いても良い。
ここで、このヤング率は、JIS−K−6900:1994では「応力とひずみの商(割線弾性率)E=σ/ε、又は、応力−ひずみ曲線に対する接線(接線弾性率)E=dσ/dε」と規定されている。
尚、上記式中の「σ」とは、JIS−K−6900:1994において「応力(stress)」と規定され、「物体内部のある一点を通る一定の平面の単位面積に作用する内力又は内力の成分のその点における強さ」を意味しており、又、上記式中の「ε」とは、JIS−K−6900:1994において「ひずみ(strain)」と規定され、「物体のもとの寸法又は形状と比べた外力に基づく長さの寸法又は形状における変化」を意味する。
このヤング率の単位は、N(ニュートン)/m2 (平方メートル)などとなる。
このようなヤング率は、上述した応力−ひずみ曲線(SSカーブ)において言えば、例えば、収縮時や伸張時におけるSSカーブの傾きや、ヒステリシスループとなるSSカーブ上の任意の点における接線の傾きを意味することとなり、何れの区間や何れの点とするかで値が違ってくる。
従って、ヤング率で伸度Dを表した場合、その高低関係についても、例えば、ヒステリシスループの収縮時の傾き平均値を表すヤング率同士で高低を比較したり、伸張時の傾き平均値を表すヤング率同士や、収縮時の傾き平均値と伸張時の傾き平均値を表す各ヤング率を足して2で割った値同士、ヒステリシスループ上の所定の点における接線の傾きを表すヤング率同士などで高低を比較することとなる。
このような伸度(糸伸度)Dについて、伸縮部21、補強部22が伸度Dが異なる糸で編成されている場合には、当該伸縮部21、補強部22のうち、より伸度Dが高い糸で編成された伸縮部21は「高伸度部21」であるとも言え、より伸度Dが低い糸で編成された補強部22は「低伸度部22」であるとも言える。
尚、伸縮部(高伸度部)21や、補強部(低伸度部)22のような部分そのものとしての伸度は、「部分伸度D’」であるとも言える。
この「部分伸度D’」は、伸縮部21や補強部22のような緯編地2の一部分を、所定方向(緯編地2の足長方向L’(コース方向)又は足囲方向C’(ウェール方向))に引っ張った際の伸び易さ(逆に言えば、伸び難さ)を意味するとも言え、上述した応力−ひずみ曲線(stress-strain curve 、SSカーブ)や、ヤング率(引張弾性率)を用いて表したり、その他、部分伸度D’の単位として、所定の伸張割合(%)又は伸張長さ(m)だけ所定の方向(例えば、足囲方向C’(ウェール方向))に伸張した時における所定の幅(例えば、50mm)当りの応力(例えば、N(ニュートン)/50mm)であっても良い。
このような「部分伸度D’」は、それぞれを編成する糸自体の糸伸度Dが異なることによって生じるが、この糸伸度D以外に、伸縮部21、補強部22それぞれとしての構成(形状・配置・緯編組織や、各部分を編成する編目(ループ)の大きさ・数等)が異なることによっても生じるとも言え、伸縮部21、補強部22ごとに機能を持たせることも出来る。
そこで、伸縮部21や、補強部22のそれぞれの構成について、以下に詳解する。
<伸縮部21>
図1〜10に示したり、上述したように、伸縮部21は、所定の伸度D(糸伸度Dや、部分伸度D’)を有して所定方向に伸縮する部分であり、これは、アッパー部材1(緯編地2)を所定方向に引っ張った際に、補強部22より伸び易いからとも言える。
つまり、この伸び易さを換言すれば、伸縮部21を編成する糸の糸伸度D(伸縮部21としての部分伸度D’)が、補強部22を編成する糸の糸伸度D(補強部22としての部分伸度D’)より高いとも言える。
ここで、伸縮部21が、伸縮する「所定方向」とは、使用者Uの足Fの少なくとも足長方向L(アッパー部材1の足長方向L’)を含み、この他、足幅方向S(足幅方向S’)や、足厚方向や、平面視や側面視における斜め方向(バイアス方向)を含んでも良い。
尚、伸縮部21の伸度Dの具体的な値は、伸縮する(又は、補強部22の伸度Dより高い)のであれば、何れの値でも良い。
伸縮部21の配置も、特に限定はないが、例えば、平面視で、上述した使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ、又は、他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて配置(換言すれば、伸縮部21は、後述する補強部22の隙間(複数の補強部22に挟まれていたり、補強部22のそば)に配置)されていても良い。
つまり、伸縮部21は、緯編地2の足幅方向S’のうち何れかの方向に略沿う方向、又は、足幅方向S’に対して若干の角度をつけた方向に向いて配置されているとも言える。
伸縮部21は、その形状も、特に限定はなく、例えば、略帯状(略線状や略筋(すじ)状)であったり、先細り状(略三角形状)や略矩形状などであっても良い。
伸縮部21が略帯状である場合、その伸縮部21は途中で屈曲していても良い。
伸縮部21が略帯状である場合、その伸縮部21の幅(緯編地2としてのコース方向である足長方向長さ)も、特に限定はないが、後述する補強部22より幅狭であっても良く、例えば、補強部22と比べて、伸縮部21を編成する糸(伸縮糸)の本数(コースの数)がより少なかったり、伸縮糸の本数(コースの数)に関わらず、各伸縮糸の繊度(太さ)が細い等によって、補強部22より幅狭となっても構わない。
又、伸縮部21が略帯状である場合、その伸縮部21の幅は、例えば、当該伸縮部21を編成する伸縮糸が、1本(緯編地2としての1コース)以上、7本(緯編地2としての7コース)以下であっても良い。
以下、伸縮部21は、略帯状であるとして述べる。
伸縮部21は、緯編地2の足幅方向S’に略沿って、又は、足幅方向S’に対して若干の角度をつけて、所定の足幅方向範囲に配置されることとなる。
ここで、「所定の足幅方向範囲」とは、伸縮部21の一方端から他方端まで(又は他方端から一方端まで)の足幅方向S’に亘る範囲とも言えるが、伸縮部21が、使用者Uの足Fを1周回って覆っている場合(つまり、緯編地2の上面部分2j(甲部分2k)側と足裏部分2uに亘って伸縮部21が配置されている場合)には、この足幅方向範囲は、緯編地2全体となり、伸縮部21の足幅方向範囲における一方端や他方端は存在しなくなる。
伸縮部21は、1つの緯編地2に対して複数あり、当該足Fの足長方向L(緯編地2の足長方向L’)に略沿って、繰り返し配置される。
又、伸縮部21は、当該足Fの足長方向L(緯編地2の足長方向L’)に略沿って、所定の足長方向範囲に配置されることとなる。
ここで、「所定の足長方向範囲」とは、最も前(爪先部分2t)側に配置された伸縮部21の前端から、最も後(踵部分2h)側に配置された伸縮部21の後端までの足長方向L’に略沿った範囲となる。
又、伸縮部21の前端位置や後端位置は、特に限定はないが、例えば、その前端位置は、緯編地2の先端(爪先部分2tの先端)から所定の足長方向長さだけ後方寄り離れた位置などであっても良く、後端位置は、緯編地2における前部分2f(中筒部分2b)の後端や、後部分2rにかかる位置などであっても構わない。
尚、伸縮部21における足幅方向範囲や足長方向範囲は、後述する補強部22における足幅方向範囲や足長方向範囲と略同一であるとも言える。
伸縮部21は、その一部に、上面FJ側及び底部FB側において、伸度D(部分伸度D’)が異なる部分を有していても良い。
このような伸縮部21中の伸度Dが異なる部分は、伸縮部21を編成する糸(伸縮糸)の各編目(ループ)の数・大きさを、他の部分と異なるようにしたり、後述する補強部22内の浮編組織5が、伸縮部21に跨ることによって設けられても良い。
<伸縮糸>
ここまで述べた伸縮部(高伸度部)21を編成する糸(謂わば、伸縮糸又は高伸度糸)については、後述する補強部(低伸度部)22を編成する糸より伸度(糸伸度)Dが高ければ、その他は特に限定はないが、例えば、ポリウレタン(PU)樹脂製の糸とゴム製の糸の少なくとも一方を含んでいても良い。
又、伸縮糸は、芯糸に対して鞘糸を巻き付けたカバリング構造であっても良い。
尚、伸縮糸がカバリング構造である場合、芯糸が、ポリウレタン樹脂製の糸やゴム製の糸であって、鞘糸が、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂など)の熱融着糸であっても良い。
更に、伸縮部21を編成する伸縮糸としては、後述する熱融着性部分を有した熱融着糸を含んでいたり、その他の素材の糸を含んでいても良い。
伸縮糸(高伸度糸)の伸度(糸伸度)Dは、後述する補強部(低伸度部)22を編成する糸(補強糸、又は、低伸度糸)より、糸伸度Dが高ければ、その具体的な値に、特に限定はないが、例えば、伸縮糸が長手方向に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン))が、0.01N以上5.00N以下、好ましくは0.02N以上3.00N以下、更に好ましくは0.03N以上2.00N以下であっても良い。
又、この伸縮糸で編成された伸縮部21としての部分伸度D’も、その具体的な値に、特に限定はないが、例えば、幅(生地幅)50mmの伸縮部21が足囲方向C’(ウェール方向)に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン)/50mm)が、1.00N/50mmm以上30.00N/50mm以下、好ましくは3.00N/50mm以上20.00N/50mm以下、更に好ましくは5.00N/50mm以上15.00N/50mm以下であっても良い。
<補強部22>
図1〜10に示したり、上述したように、補強部22は、上述した伸縮部21を補強する部分であるが、ここで、「補強部22が伸縮部21を補強する」とは、補強部22で伸縮部21を支える(又は、アッパー部材1全体としての過度の伸びを抑えて、当該アッパー部材1の形状を保つ(型崩れを抑える))ことを意味するとも言える。
そのため、補強部22は、伸縮部21より伸び難く、換言すれば、補強部22を編成する糸の糸伸度D(補強部22としての部分伸度D’)が、伸縮部21を編成する糸の糸伸度D(伸縮部21としての部分伸度D’)より高いとも言える。
尚、補強部22の伸度Dの具体的な値は、伸縮部21を補強する(伸縮部21の伸度Dより低い)のであれば、何れの値でも良い。
補強部22の配置も、特に限定はないが、例えば、平面視で、上述した使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ、又は、他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて配置されていても良い。
これを換言すれば、補強部22は、上述した伸縮部21の隙間(伸縮部21のそばに、又は、複数の補強部22で伸縮部21を挟んで)配置されている。
つまり、補強部22も、緯編地2の足幅方向S’のうち何れかの方向に略沿う方向、又は、足幅方向S’に対して若干の角度をつけた方向に向いて配置されているとも言える。
補強部22も、その形状は、特に限定はなく、例えば、略帯状(略線状や略筋(すじ)状)であったり、先細り状(略三角形状)や略矩形状などであっても良い。
補強部22が略帯状である場合、その補強部22は途中で屈曲していても良い。
補強部22が略帯状である場合、その補強部22の幅(緯編地2としてのコース方向である足長方向長さ)も、特に限定はないが、上述した伸縮部21より幅広であっても良く、例えば、伸縮部21と比べて、補強部22を編成する糸(補強糸)の本数(コースの数)がより多かったり、補強糸の本数(コースの数)に関わらず、各補強糸の繊度(太さ)が太い等によって、伸縮部21より幅広となっても構わない。
又、補強部22が略帯状である場合、その補強部22の幅は、例えば、当該補強部22を編成する補強糸が、1本(緯編地2としての1コース)以上、7本(緯編地2としての7コース)以下であっても良い。
以下、補強部22も、略帯状であるとして述べる。
補強部22は、緯編地2の足幅方向S’に略沿って、又は、足幅方向S’に対して若干の角度をつけて、所定の足幅方向範囲に配置されることとなる。
ここで、「所定の足幅方向範囲」とは、補強部22の一方端から他方端まで(又は他方端から一方端まで)の足幅方向S’に亘る範囲とも言えるが、補強部22が、使用者Uの足Fを1周回って覆っている場合(つまり、緯編地2の上面部分2j(甲部分2k)側と足裏部分2uに亘って補強部22が配置されている場合)には、この足幅方向範囲は、緯編地2全体となり、補強部22の足幅方向範囲における一方端や他方端も存在しなくなる。
補強部22も、1つの緯編地2に対して複数あり、当該足Fの足長方向L(緯編地2の足長方向L’)に略沿って、繰り返し配置されている。
又、補強部22も、当該足Fの足長方向L(緯編地2の足長方向L’)に略沿って、所定の足長方向範囲に配置される。
ここで、「所定の足長方向範囲」とは、最も前(爪先部分2t)側に配置された補強部22の前端から、最も後(踵部分2h)側に配置された補強部22の後端までの足長方向L’に略沿った範囲となる。
又、補強部22の前端位置や後端位置も、特に限定はないが、例えば、その前端位置は、緯編地2の先端(爪先部分2tの先端)から所定の足長方向長さだけ後方寄り離れた位置などであっても良く、後端位置は、緯編地2における前部分2f(中筒部分2b)の後端や、後部分2rにかかる位置などであっても構わない。
尚、補強部22における足幅方向範囲や足長方向範囲も、上述した伸縮部21における足幅方向範囲や足長方向範囲と略同一であるとも言える。
補強部22も、その一部に、上面FJ側及び底部FB側において、伸度D(部分伸度D’)が異なる部分を有していても良い。
このような補強部22中の伸度Dが異なる部分は、補強部22を編成する糸(低伸度糸)の各編目(ループ)の数・大きさを、他の部分と異なるようにしても良く、又、後述する補強部22において、浮編組織5がある位置に設けられるとも言える。
<補強糸>
ここまで述べた補強部22は、アッパー部材1(又は、靴100)としての補強材を構成しているとも言える。
又、補強部(低伸度部)22を編成する糸(謂わば、補強糸又は低伸度糸)としては、熱融着性部分を有した熱融着糸を含んでいても良い(この熱融着糸を含むことで、補強部22がまさしく補強材になれるとも言える)。
熱融着糸は、少なくとも上述した補強部22に使われる糸の1種であって(つまり、熱融着糸は、補強部22を編成する補強糸に含まれていて)、熱融着性部分を有している。
この熱融着性部分は、熱処理をすることで溶融する部分であって、熱融着糸が非熱融着性部分も有している場合には、熱融着性部分は、当然、非熱融着性部分より融点が低くなる。
この熱融着性部分や非熱融着性部分の素材は、特に限定はないが、例えば、熱融着性部分と非熱融着性部分が、ポリエチレン(PE)樹脂とポリプロピレン(PP)樹脂であっても良い。この他の素材としては、熱融着性部分と非熱融着性部分が、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂など)とポリエチレン(PE)樹脂やポリアミド(ナイロン)樹脂であったり、通常のポリエステル樹脂(高融点ポリエステル樹脂)と低融点ポリエステル樹脂などであっても構わない。
熱融着糸は、例えば、融点がより高い非熱融着性部分を芯とし、融点がより低い熱融着性部分を鞘とした芯鞘構造や、融点がより高い非熱融着性部分の芯糸に対して、融点がより低い熱融着性部分の鞘糸を巻き付けたカバリング構造などでも良い。
補強糸(低伸度糸)の伸度(糸伸度)Dは、上述した伸縮部(高伸度部)21を編成する糸(伸縮糸、又は、高伸度糸)より、糸伸度Dが低ければ、その具体的な値に、特に限定はないが、例えば、補強糸が長手方向に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン))が、0.01N以上10.00N以下、好ましくは0.05N以上7.00N以下、更に好ましくは0.07N以上5.00N以下であっても良い。
又、この補強糸で編成された補強部22としての部分伸度D’も、その具体的な値に、特に限定はないが、例えば、幅(生地幅)50mmの補強部22が足囲方向C’(ウェール方向)に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン)/50mm)が、3.00N/50mm以上50.00N/50mm以下、好ましくは7.00N/50mm以上30.00N/50mm以下、更に好ましくは10.00N/50mm以上20.00N/50mm以下であっても良い。
更に、伸縮糸(高伸度糸)の糸伸度Dから、補強糸(低伸度糸)の糸伸度Dを引いた値(つまり、伸縮部(高伸度部)21と補強部(低伸度部)22との糸伸度Dの差(糸伸度差)ΔD)も、0より大きければ、その具体的な値に、特に限定はないが、例えば、各糸が長手方向に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン))の糸伸度差ΔDが、0.01N以上5.00N以下、好ましくは0.03N以上4.00N以下、更に好ましくは0.04N以上3.00N以下であっても良い。
又、伸縮部(高伸度部)21の部分伸度D’から、補強部(低伸度部)22の部分伸度D’を引いた値(つまり、伸縮部(高伸度部)21と補強部(低伸度部)22との部分伸度D’の差(部分伸度差)ΔD’)も、0より大きければ、その具体的な値に、特に限定はないが、例えば、幅(生地幅)50mmの各部分(各生地)が足囲方向C’(ウェール方向)に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン)/50mm)の部分伸度差ΔD’が、2.00N/50mm以上20.00N/50mm以下、好ましくは4.00N/50mm以上10.00N/50mm以下、更に好ましくは5.00N/50mm以上8.00N/50mm以下であっても良い。
<シューホール3>
上述した補強部22には、シューホール3が形成されていても良い。
このシューホール3について、以下に詳解する。
図1〜10に示されたように、シューホール3は、緯編地2(アッパー部材1)を貫通して当該アッパー部材1の外側とその内側(使用者Uの足F側)を繋げる孔であって、靴100のシューレース(靴紐)101を挿通する。
このシューホール3を有する場合には、補強部22に形成されていれば、その他、何れの箇所に設けられていても良い。
シューホール3は、緯編地2を貫通するのであれば、その形状・大きさ・構成・数に限定はないが、例えば、形状については、丸孔状(略真円形状)や長孔状(略楕円形状)であっても良い。
特に、シューホール3が長孔状である場合、その長軸の方向も、特に限定はないが、例えば、使用者Uの足Fの足囲方向C(緯編地2の足囲方向C’)や、補強部(低伸度部)22の延びる方向に沿略っていても良い。又、シューホール3が長孔状である場合、後述するシューレース101を1本だけでなく複数本、挿通することが出来るとも言える。
シューホール3の大きさも、特に限定はないが、例えば、シューホール3が丸孔状であれば、その直径は3mm以上6mm以下であったり、シューホール3が長孔状であれば、その長径は3mm以上10mm以下、短径は3mm以上6mm以下であっても良い。
又、シューホール3の大きさは、足囲方向C’の長さが、当該シューホール3を構成する編目(ループ)の数によって決まり、足長方向L’の長さが、緯編地2におけるコース数によって決まるとも言え、それらの数も特に限定はないが、例えば、編目の数であれば3個以上10個以下、コース数であれば3コース以上6コース以下であっても良い。
シューホール3の構成(緯編組織)も、特に限定はないが、例えば、当該シューホール3を伏せ目によって編成しても良い。
尚、シューホール3を伏せ目で編成した場合には、当該シューホール3において、この伏せ目と対向する側は、掛け目となるとも言える。
この他、シューホール3は、寄せ目によって編成されていたり、パンチングによって設けられていても良い。
又、シューホール3は、その孔の周縁を樹脂で補強していたり、ハトメ(鳩目)その他の樹脂製、金属製等の部材を嵌め込んでいても良い。
シューホール3は、1つの緯編地2に対して、左右一対に複数が足長方向L’に略沿って列を成すように設けられていても良く、シューホール3の個数も、特に限定はないが、左右の例でそれぞれ3個以上15個以下(10個など)であっても良い。
<浮編組織5>
図6〜9に示したように、浮編組織5は、上述した補強部22に設けられた組織であって、浮編組織5は、補強部22に含まれるとも言える。
この浮編組織5を編成する糸(浮糸)5aは、当該浮編組織5以外の部分を編成する糸より伸度Dが低い。
浮編組織5の配置も、特に限定はないが、例えば、その少なくとも一部が、上述した補強部22内において、平面視で、上述した使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ、又は、他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて配置されていても良い。
この場合、浮編組織5の少なくとも一部も、補強部22と同様に、平面視で、緯編地2の足幅方向S’(足囲方向C’)のうち何れかの方向に略沿う方向、又は、足幅方向S’(足囲方向C’)に対して若干の角度をつけた方向に向いて(換言すれば、使用者Uの足Fの足幅方向S(足囲方向C)に対して斜めに)配置されているとも言える。
尚、浮編組織5は、補強部22や上述の伸縮部21とは異なり、緯編地2の足長方向L’に略沿って配置されている部分を有していても良く、このような足長方向L’に略沿った部分が、例えば、アッパー部材1(緯編地2)の底部FB(裏面部分2u)側における左右方向S’略中央の外側に、略線状に設けられていても良い(図6参照)。
浮編組織5の形状も、補強部22内において、特に限定はなく、例えば、略線状(略帯状や略筋(すじ)状)であったり、先細り状(略三角形状)や略矩形状などであっても良い。
浮編組織5が略線状である場合、その浮編組織5は途中で屈曲していても良い。
浮編組織5が略線状である場合、その浮編組織5の幅(緯編地2としてのコース方向である足長方向長さ)も、特に限定はないが、上述した補強部22内に設けられることから、当該補強部22より幅狭であっても良く、例えば、補強部22と比べて、浮編組織5を編成する浮糸5aの本数(コースの数)がより少なかったり、浮糸5aの本数(コースの数)に関わらず、各浮糸5aの繊度(太さ)が細い等によって、補強部22より幅狭となっても構わない。
又、浮編組織5が略線状である場合、その浮編組織5の幅は、例えば、当該浮編組織5の浮糸5aが、1本(緯編地2としての1コース)以上、3本(緯編地2としての7コース)以下であっていたり、部分的に異なっていても良い。
以下、浮編組織5も、略線状であるとして述べる。
浮編組織5は、平面視で、緯編地2の足幅方向S’に略沿って、又は、足幅方向S’に対して若干の角度をつけて、所定の足幅方向範囲に配置されることとなる。
ここで、「所定の足幅方向範囲」とは、浮編組織5の一方端から他方端まで(又は他方端から一方端まで)の足幅方向S’に亘る範囲とも言えるが、当然に、上述した補強部22内に設けられるため、当該補強部22の足幅方向範囲と略同じか、より狭いこととなる。
浮編組織5の足幅方向範囲としては、例えば、使用者Uの足FにおけるMP関節・リスフラン関節・ショパール関節等の部位に応じて、部分的に異なっていても良く、緯編地2の前筒部分2aの前側では、一方の側部分2s1と他方の側部分2s2に、浮編組織5がそれぞれ配置されていても良く、又、浮編組織5の足幅方向範囲として、前筒部分2aの後側では、足裏部分2uの足幅方向S’の略中央以外は、ほぼ使用者Uの足Fを1周回って覆って(緯編地2の上面部分2j(甲部分2k)側の一部と足裏部分2uに亘って浮編組織5が配置されて)いても構わない。
浮編組織5の足幅方向範囲として、中筒部分2bにおいては、甲部分2kにおける上述した左右一対のシューホール3の略間以外は、ほぼ使用者Uの足Fを1周回って覆って(緯編地2の上面部分2j(甲部分2k)側の一部と足裏部分2uに亘って浮編組織5が配置されて)いても良い。
特に、中筒部分2bにおける浮編組織5の足幅方向範囲を詳解すれば、中筒部分2bの前側では、側面視で、シューホール3に届かない位置(シューホール3よりも下方位置)が、足幅方向範囲の一方端や他方端となっていても良い。又、これらの一方端と他方端は、平面視で、左右対称でなくとも構わない。
更に、中筒部分2bの足長方向L’の略中央から後側では、側面視で、シューホール3と略同じ位置(詳解すれば、シューホール3の位置まで、又は、シューホール3を越える位置(シューホール3よりも上方位置)が、足幅方向範囲の一方端や他方端となっていても良い。又、これらの一方端と他方端も、平面視で、左右対称でなくとも構わない。尚、浮編組織5の足幅方向長さとは、平面視で、当該浮編組織5における足幅方向S’に略沿った一方端から他方端までの長さであり、浮編組織5の足囲方向長さとは、当該浮編組織5における足囲方向C’に略沿って使用者Uの足Fをぐるっと回る一方端から他方端までの長さであるとも言える。
つまり、浮編組織5の足幅方向範囲は、緯編地2における位置(使用者Uの足FにおけるMP関節・リスフラン関節・ショパール関節等の部位)によって、変化している(異なっている、又は、グラデーション状に配置しているとも言える)。
このように、浮編組織5の足幅方向範囲を変化させることで、浮編組織5を、使用者Uの足FにおけるMP関節とリスフラン関節とショパール関節のうち少なくとも1つの関節を避ける位置に配置しても良い。
尚、ここまで述べた浮編組織5の足幅方向範囲は、当該浮編組織5を編成する浮糸5aの引き返しの距離・数・位置や、各編目(ループ)の数・大きさ等によって決まると言える。
浮編組織5も、1つの緯編地2に対して複数あり、当該足Fの足長方向L(緯編地2の足長方向L’)に略沿って、繰り返し配置されている。
又、浮編組織5も、当該足Fの足長方向L(緯編地2の足長方向L’)に略沿って、所定の足長方向範囲に配置される。
ここで、「所定の足長方向範囲」とは、最も前(爪先部分2t)側に配置された浮編組織5の前端から、最も後(踵部分2h)側に配置された浮編組織5の後端までの足長方向L’に略沿った範囲となる。尚、浮編組織5の足長方向長さとは、浮編組織5における足長方向L’に略沿った前端から後端までの長さであるとも言える。
又、浮編組織5は、当該浮編組織5が配置される足長方向位置によって、当該浮編組織5の足囲方向長さが異なったり、少なくとも使用者Uの足FにおけるMP関節の近傍を覆う位置で、当該浮編組織5の足囲方向長さが最も短くても良い。
又、浮編組織5の前端位置や後端位置も、特に限定はないが、例えば、その前端位置は、緯編地2の先端(爪先部分2tの先端)から所定の足長方向長さだけ後方寄り離れた位置などであっても良く、後端位置は、緯編地2における前部分2f(中筒部分2b)の後端や、後部分2rにかかる位置などであっても構わない。
尚、浮編組織5は、全ての補強部22に設けられていなくとも良く、例えば、緯編地2の足長方向L’に略沿って繰り返される複数の補強部22のうち、所定数ごとの補強部22には浮編組織5を設けない(3つの補強部22のうち、1つの補強部22には浮編組織5を設けない)など、間引いても構わない。
更に、この間引きの割合は、緯編地2における補強部22の位置によって変化しても良く、例えば、前筒部分2aの前側や、MP関節近傍を覆う緯編地2においては、2つの補強部22のうち、1つの補強部22には浮編組織5を設けないが、その他の部分においては、3つの補強部22のうち、1つの補強部22には浮編組織5を設けなくても構わない。
浮編組織5も、その一部に、上面FJ側及び底部FB側において、伸度D(部分伸度D’)が異なる部分を有していても良い。
このような浮編組織5中の伸度Dが異なる部分は、浮編組織5を編成する浮糸5aの各編目(ループ)の数・大きさを、他の部分と異なるようにしても良い。
<浮糸5a>
図6〜9に示したり、上述したように、浮編組織5を編成する浮糸5aは、当該浮編組織5以外の部分を編成する糸より伸度Dが低いが、これを換言すれば、浮糸5aは、アッパー部材1(緯編地2)を編成する糸の中で、最も伸度(糸伸度)Dが低いとも言える。
尚、浮編組織5の浮糸5aの伸度Dも、その具体的な値は、伸縮部21を補強する(伸縮部21の伸度Dより低い)のであれば、何れの値でも良い。
上述した浮編組織5の少なくとも一部が、緯編地2の足幅方向S’(使用者Uの足Fの足幅方向S)に対して、略沿って、又は、斜めに配置されても良かったように、浮糸5aも、その少なくとも一部が、緯編地2の足幅方向S’(使用者Uの足Fの足幅方向S)に対して、略沿って、又は、斜めに配置されていても構わない。
更に、上述した浮編組織5の足幅方向範囲が部分的に異なっていても良かったことから、緯編地2の足幅方向S’に略沿う又は斜めに配置される浮糸5aも、当該浮編組織5が配置される位置によって長さが異なって(変化して、又は、グラデーション状になって)も良い。
又、浮編組織5の浮糸5aは、使用者Uの足Fにおけるリスフラン関節とショパール関節のうち少なくとも1つの関節の近傍に、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置されていても良い。
このような浮糸5aの素材は、その伸度Dが、当該浮編組織5以外の部分を編成する糸より低くなるのであれば、特に限定はないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等のポリエステル樹脂などであっても構わない。
又、浮糸5aは、ウーリー加工によって、特に、浮いている部分が、嵩高糸(ウーリー糸)状となっていても良い。
尚、同じ浮糸5aである糸でも、浮編とならず、上述した補強部22の一部を編成する糸の1種として用いられていても良い。
尚、ここまで述べた浮編組織5(特に、浮糸5a)が補強部22に挿入される割合(挿入割合)は、浮編組織5を含む補強部22の伸度D(特に、部分伸度D’)に関係するとも言える。又、補強部22が緯編地2の足囲方向C’に略沿って配置されている場合には、この補強部22に対する浮糸5a(浮編組織の足)の挿入した長さは、当該浮編組織5の足囲方向長さであるとも言える。
以下は、靴100について述べる。
<靴100の全体構成>
図10には、本発明に係る靴100が示されている。
この靴100は、使用者Uが履くものであり、当該使用者Uの足Fを覆うこととなる。
靴100は、上述したアッパー部材1と、このアッパー部材1を取り付けるソール部材30を備えており、その他、シューレース101等を備えていても良い。
又、靴100全体としての重量も、特に限定はないが、例えば、80g以上170g以下、好ましくは100g以上150g以下、更に好ましくは110g以上140g以下(125gなど)であっても良い。
尚、図1〜9におけるアッパー部材1では、伸縮部21及び補強部22が、使用者Uの足Fの足幅方向Sに略沿って、又は、足幅方向Sに対して斜めに配置されているが、図10におけるアッパー部材1では、伸縮部21は、平面視で、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ又は他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて先細り状に配置され、補強部22は、平面視で、使用者Uの足Fの足幅方向Sに蛇行して配置されている。
尚、靴100においても、浮編組織5を編成する糸を、リスフラン関節やショパール関節の近傍に、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置することとなっても良く、この場合、アッパー部材1をソール部材30に取り付ける前後両方において、浮編組織5を編成する糸が、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置される場合だけでなく、アッパー部材1をソール部材30に取り付ける前は、浮編組織5を編成する糸が、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置されていなくとも、アッパー部材1をソール部材30に取り付けた後は、アッパー部材1が変形して、浮編組織5を編成する糸が、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置されることとなった場合も含む。
<ソール部材30>
図11に示すように、ソール部材30は、靴100において、上述のアッパー部材1の下方から取り付けられる(貼り付けられる)部材である。
ソール部材30は、その素材について、特に限定はないが、例えば、合成ゴムや、エチレン・酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂などの合成樹脂、又は、合成ゴムや、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂などの合成樹脂を発泡させたもの、天然ゴム、天然皮革などであっても良い。
ソール部材30は、その硬さ(例えば、上述した伸度D)についても、特に限定はないが、例えば、アッパー部材1より硬く(アッパー部材1より伸度Dが低く)構成されていても良い(アッパー部材1のみでは靴100を使用し難いため)。
ソール部材30の形状などは、靴100の使用用途に応じて、特に限定はない。
ソール部材30の重量も、特に限定はないが、例えば、70g以上130g以下、好ましくは80g以上120g以下、更に好ましくは90g以上110g以下(100gなど)であっても良い。
<ソール部材30の足長方向長さ30L>
ソール部材30の足長方向長さ30Lは、特に限定はないが、例えば、上述したアッパー部材1の足長方向長さ1Lより長くても構わない。
このように、ソール部材30の足長方向長さ30Lを、アッパー部材1の足長方向長さ1Lより長くすることによって、アッパー部材1をソール部材30に取り付けた際に、アッパー部材1全体で、使用者Uの足Fを緩やかに拘束でき、使用者Uが靴100を履いた際に、使用者Uの足Fの皮膚に、アッパー部材1を更に追従させ易くなる。
ここで、本発明における「ソール部材30の足長方向長さ30L」とは、アッパー部材1をソール部材30に取り付ける前(アッパー部材1が単独で存在している時(一旦、アッパー部材1をソール部材30に取り付けた後に、敢えてソール部材30から取り外した時も含む))の当該ソール部材30の足長方向長さ30Lを意味する。
<シューレース101>
図10に示すように、シューレース(靴紐)101は、アッパー部材1において、上述したシューホール3に挿通する紐状の部材である。
シューレース101は、シューホール3に挿通することが出来るのであれば、何れの色・素材・幅(太さ)・長さ・断面形状・構成(平紐等)であっても良い。
シューレース101のシューホール3への挿通には、特に限定はないが、例えば、1つのシューホール3に対して、シューレース101を1本だけ挿通したり、複数本、挿通しても良い。
又、複数のシューホール3に対するシューレース101の挿通についても、隣接するシューホール3それぞれに(飛ばさずに)挿通したり、隣接するシューホール3のうち1つ又は複数だけ飛ばして挿通しても良い。
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。アッパー部材1、靴100等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
アッパー部材1(緯編地2)は、左右の区別なく編成されて、同一形状の2つのアッパー部材1に対して、左右何れのソール部材30を取り付けても良く、同一形状の2つのアッパー部材1を、左右何れの靴100に対して用いても構わない。
アッパー部材1には、撥水防汚などの機能性樹脂を塗布しても良い。
アッパー部材1には、プリントを施したり、シールを張り付ける等をしても良い。
アッパー部材1は、その甲部FK側に舌片状のタン部分や、左右一対の羽根部分を有し、この羽根部分にシューホール3が設けられていても良い。
逆に、アッパー部材1は、シューホール3自体を有さなくとも良く、又、靴100は、シューレース101を用いなくとも構わない。
尚、アッパー部材1は、伸縮部21と補強部22の他に、例えば、緯編地2の爪先部分2tや、踵部分2h、後開口部分2c、履き口2gなどの後部分2rに、伸縮部21や補強部22を編成する糸以外の糸等で編成された部分を有していても良い。
伸縮部21や補強部22、その他の部分の色は、任意である。
伸縮部21と補強部22は、何れか一方が他方に対して隆起又は陥没するなど、伸縮部21と補強部22で凹凸を形成していても良い。
伸縮部21は、平面視で、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ又は他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて先細り状に配置されていても良く、ここで、「平面視で、使用者Uの足Fにおける一方の側部FS1から他方の側部FS2へ又は他方の側部FS2から一方の側部FS1へ向いて先細り状に配置されている」とは、伸縮部21は、緯編地2を上から視た平面視(上面部分2j(甲部分2k)側)で、足Fにおける一方の側部FS1(緯編地2の一方の側部分2s1)から他方の側部FS2(緯編地2の他方の側部分2s2)へ、又は、他方の側部FS2(緯編地2の他方の側部分2s2)から一方の側部FS1(緯編地2の一方の側部分2s1)へ向いて先細ることを意味する。
補強部22は、平面視で、使用者Uの足Fの足幅方向Sに蛇行して配置されていても良い、ここで、「蛇行して配置されている」とは、補強部22が、緯編地2(アッパー部材1)を上から視た平面視(上面部分2j(甲部分2k)側)で、使用者Uの足Fにおいて、一方の側部FS1から他方の側部FS2に向いて延びた後に他方の側部FS2から一方の側部FS1に向いて延び、又は、他方の側部FS2から一方の側部FS1に向いて延びた後に一方の側部FS1から他方の側部FS2に向いて延びる(換言すれば、ジグザク状になる)部分が、当該足Fの足長方向Lに沿って、所定の足長方向範囲(所定回数)だけ繰り返すことを意味する。
緯編地2の履き口2gは、ウーリー糸を含む糸で編成されていたり、履き口2gの後部に上方突出した舌片が設けられていても良い。
シューホール3は、補強部22に設けられる以外に、伸縮部21に設けられていても良い。
浮編組織5は、使用者Uの足Fを1周回って覆って(つまり、緯編地2の上面部分2j(甲部分2k)側と足裏部分2uに亘って浮編組織5が配置されて)いても良く、この場合には、その足幅方向範囲は、緯編地2全体となり、浮編組織5は、一方端や他方端も存在しなくなる。
浮編組織5は、緯編地2の足長方向L’に略沿って配置されている部分を有していても良かったが、上述したアッパー部材1(緯編地2)の底部FB(裏面部分2u)側における足幅方向S’略中央の外側に設けられた略線状の部分の他、アッパー部材1(緯編地2)の甲部分2k側(使用者Uの足Fの上面FJ)に設けられていても良い。
浮編組織5は、経編地2のうち、使用者Uの足FにおけるMP関節の近傍を覆う位置以外に設けられていても良く、例えば、リスフラン関節やショパール関節の近傍を覆う位置や、各指を覆う前筒部分2aなどに設けられていても構わない。
尚、本発明における「関節の近傍」とは、当該関節を含む近辺を意味し、その範囲は、当該関節を中心に足長方向(前後)に所定幅(例えば、前後に5mmや10mmなど)であっても良い。
<加熱成形>
上述した緯編地2は、加熱(熱処理)によって成形(加熱成形)されても良く、この加熱成形では、緯編地2を、人の平均的な足型である「ラスト(Last)」に履かせた(被せた)状態で熱処理する。
このような加熱成形によって、緯編地2における補強部(低伸度部)22を、使用者Uの足Fの足長方向Lや足厚方向に対して斜めに位置するMP関節・リスフラン関節・ショパール関節に寄り添うように、緯編地2の足長方向L’や足厚方向に対して斜めに配置させた状態を保持しても良い。
尚、上述した伸度D(糸伸度D、編部伸度D’)は、加熱成形する前に測定した伸度D及び加熱成形した後に測定した伸度Dの何れをも含む。
本発明に係るアッパー部材、及び、靴は、競技会に出場するアスリート用だけでなく、市民ランナー用やリハビリ用など、老若男女を問わず何れの使用者にも利用可能である。
1 アッパー部材
1L アッパー部材の足長方向長さ
2 緯編地
21 伸縮部
22 補強部
5 浮編組織
30 ソール部材
30L ソール部材の足長方向長さ
100 靴
U 使用者
F 使用者の足
S 使用者の足の足幅方向
D 糸の伸度

Claims (6)

  1. 使用者が履く靴のアッパー部材であって、
    当該アッパー部材は、前記使用者の足を覆い、且つ、立体的に一体編成された無縫製の緯編地であり、
    前記緯編地は、所定方向に伸縮する伸縮部と、この伸縮部を補強する補強部を有し、
    前記補強部には、浮編組織が設けられ、
    前記浮編組織を編成する糸は、当該浮編組織以外の部分を編成する糸より伸度が低いことを特徴とするアッパー部材。
  2. 前記浮編組織を編成する糸は、その少なくとも一部が、平面視で前記使用者の足の足幅方向に対して斜めに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のアッパー部材。
  3. 前記浮編組織は、当該浮編組織が配置される足長方向位置によって、当該浮編組織の足囲方向長さが異なることを特徴とする請求項1又は2に記載のアッパー部材。
  4. 前記浮編組織は、少なくとも前記使用者の足におけるMP関節の近傍を覆う位置で、当該浮編組織の足囲方向長さが最も短いことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアッパー部材。
  5. 前記浮編組織を編成する糸は、前記使用者の足におけるリスフラン関節とショパール関節のうち少なくとも1つの関節の近傍に、側面視で後方に向かうにつれて斜め下方に延びるように配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のアッパー部材。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のアッパー部材と、このアッパー部材を取り付けるソール部材を備え、
    前記アッパー部材の足長方向長さは、前記ソール部材の足長方向長さより短いことを特徴とする靴。
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