JP6956153B2 - シューズのアッパー及びシューズ - Google Patents

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Description

本発明は、シューズのアッパー及びシューズに関し、具体的には、足の甲側とのフィット性が良好であり、接地時の踵の落ち込みを抑制することができるシューズのアッパー及びシューズに関する。
通常、スポーツシューズのアッパーにおいては、アッパー本体と舌革部が分かれており、材料の重なりがある状態で甲部を覆っているが、近年、足当たりを良好にするために、甲側を一体的に覆うアッパーが提案されている。例えば、特許文献1には、一体のニットウェアとして製造された、弾性の異なる第1の部分領域及び第2の部分領域を備え、第1の部分領域及び第2の部分領域が、長手方向軸に対して基本的に直交方向に延在しているシューズのアッパーが記載されている。特許文献2には、編み過程で機械的に操作された少なくとも1本の糸から形成された編み要素を含み、第1の層及び第1の層と少なくとも部分的に同一の広がりを持つ第2の層を有する領域を有し、第1の層が第2の層と平編み過程で一体のワンピースの構成で形成され、第2の層が第2の層の両側で該平編み過程で第1の層と縫い目無く編まれたアッパーが記載されている。
一方、近年、長距離を速く走る上で、足の前足部から着地するフォアフット走法や、中足部から着地するミッドフット走法が、主流になってきている。これらの走法は、膝への負担が少なく、効率よく速く走れる利点があるものの、一定レベル以上のスキルが要求されるため、初級ランナーにとってこれらの走法の習得は容易ではない。
特開2014−210179号公報 特許2014−131772号公報
フォアフット走法又はミッドフット走法では、前足部又は中足部での接地後、踵が落込み、すなわち重心が踵側へ一度戻り、爪先へ抜ける経路をたどる。本出願の発明者は、シューズのアッパーの中央部の足長方向の伸長を抑制することで、前足部又は中足部での接地後の踵の落ち込みを防ぐと、この接地後の経路が短くなり、フォアフット走法又はミッドフット走法を容易に実現し得ることを見出した。
特許文献1に記載のシューズのアッパーの場合、弾性の異なる第1の部分領域及び第2の部分領域を備えることで、様々なサイズの足に対して柔軟にフィット性を発揮することができるが、足長方向へ過剰に伸長することから、前足部又は中足部での接地後に踵が落ち込むことを抑制することができない。特許文献2に記載のシューズのアッパーの場合、平編みは伸長性に富んでいることから、足長方向にも伸長しやすく、前足部又は中足部での接地後に踵が落ち込むことを抑制することができない。
本発明は、前記の問題を解決するため、足の甲側とのフィット性が良好であり、接地時の踵の落ち込みを抑制することができるシューズのアッパー及びシューズを提供する。
本発明は、1以上の実施態様において、シューズのアッパーであって、前記アッパーは足の甲側を覆う足甲カバーを含み、前記足甲カバーは舌革部が足甲カバー本体と一体化した構造を有し、前記足甲カバーの幅方向の中央部は、足長方向に伸長しないことを特徴とするシューズのアッパーに関する。
本発明は、1以上の実施態様において、前記のシューズのアッパーがソールと一体化されているシューズに関する。
本発明の1以上の実施態様によれば、足甲カバーにおいて舌革部を足甲カバー本体と一体化し、足甲カバー幅方向における中央部を足長方向に伸長させないことで、足の甲側とのフィット性が良好であり、接地時の踵の落ち込みを抑制するシューズのアッパーを提供することができる。また、本発明の他の1以上の実施態様によれば、足甲カバーにおいて舌革部を足甲カバー本体と一体化し、足甲カバー中央部を足長方向に伸長させないことで、足の甲側とのフィット性が良好であり、接地時の踵の落ち込みを抑制するシューズを提供することができる。
図1は、本発明の1以上の実施態様のアッパー(左足)の模式的表面展開図である。 図2は、本発明の1以上の実施態様のシューズ(左足)の模式的表面図である。 図3は、本発明の1以上の実施態様のアッパー(左足)の模式的裏面図である。 図4は、本発明の1以上の実施態様のシューズ(左足)の模式的斜視図である。 図5は、本発明の1以上の実施態様のシューズ(左足)の模式的表面図である。 図6は、本発明の1以上の実施態様のアッパー(左足)の模式的表面展開図である。 図7は、本発明の1以上の実施態様のアッパー(左足)の模式的表面展開図である。 図8は、本発明の1以上の実施態様のシューズ(左足)の模式的表面図である。 図9は、本発明の1以上の実施態様のシューズ(左足)で用いるソールの模式的説明図である。 図10は、本発明の1以上の実施態様のシューズ(右足)を着用して走行した際のシューズの状態を説明する模式図であり、路面に対するシューズの動きを(a)〜(d)の順で時系列的に示す。 図11はMP関節が屈曲伸展した際の右足の状態を示す模式的説明図であり、(a)はMP関節が屈曲した際の足の状態を、(b)はMP関節が伸展した際の足の状態を説明する。
本出願の発明者は、シューズのアッパーの構造を改良することで、フォアフット走法又はミッドフット走法のスキルが低い初級ランナーを含む走者のフォアフット走法又はミッドフット走法をサポートすることについて検討を重ねた。フォアフット走法又はミッドフット走法では、前足部又は中足部での接地後、踵が落込み、すなわち重心が踵側へ一度戻り、爪先へ抜ける経路をたどる。そこで、シューズの足甲カバーの幅方向における中央部の足長方向の伸長を抑制することで、前足部又は中足部での接地後の経路を短くすることができ、それゆえ、フォアフット走法又はミッドフット走法を容易に実現し得ることを見出した。また、足甲カバーにおいて舌革部を足甲カバー本体と一体化することで、足の甲側とシューズのフィット性が良好になり、長期間着用した場合でも、着用感が良好である。
本発明の1以上の実施態様において、「前記足甲カバーにおいて、幅方向の中央部は、足長方向に伸長しない」とは、足甲カバーの中央部を足長方向に10%伸長した際の引張強度が50N/mm2以上であることを意味する。本発明の1以上の実施態様において、足甲カバーの幅方向の中央部の足長方向に10%伸長した際の引張強度は、下記の条件で測定することができる。
試験片:足甲カバーから足甲カバーを幅方向の中央部を中心に左右20mmずつ幅が計40mmとなるように足甲カバーの足長方向の全長に亘る試験片を切り出す。
チャック間距離:無荷重状態の試験片の第一ハトメから先芯までとする。
無荷重状態の長さは、試験片を切り取り平置きして、中央部を平坦にして測定する
引張速度:100mm/min
測定条件:無荷重状態の長さから10%伸長した際の引張強度を測定する。
図11は、MP関節が屈曲伸展した際の足の状態を説明する模式図であり、図11(a)はMP関節が屈曲した際の足の状態を説明する模式図であり、図11(b)は、MP関節が伸展した際の足の状態を説明する模式図である。22〜29歳までの4名の男性健常者及び26〜26歳までの1名の女性健常者において、MP関節が屈曲した際の足先から足首までの距離Lb及びMP関節が伸展した際の足先から足首までの距離Leを測定し、それぞれの平均値に基づいて、MP関節の屈曲伸展に伴う足の変形率(=(Le−Lb)/Lb×100%)を調べたところ、約10%程度変化していた。本発明では、足甲カバーにおいて、幅方向の中央部を足長方向に伸長させない、すなわち足甲カバーの中央部を足長方向に10%伸長させた際の引張強度が50N/mm2以上であることで、吊り上げ効果を発生し、ランニングの際に前足部又は中足部で接地した後の踵の落ち込みが抑制され、足が前に進みやすくなる。
本発明の1以上の好ましい実施態様において、前足部又は中足部で接地した後の踵の落ち込みを効果的に防ぐ観点から、前記足甲カバーの幅方向における中央部は、足長方向に10%伸長した際の引張強度が55N/mm2以上であることが好ましく、60N/mm2以上であることがより好ましく、65N/mm2以上であることがさらに好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、特に限定されないが、例えば、長期間着用時の着用性を向上する観点から、前記足甲カバーは、足幅方向に伸長することが好ましい。足甲カバーが足幅方向に伸長するとは、足甲カバーが足幅方向に10%伸長した際の引張強度が10N/m 2 下であることを意味し、5N/m 2 下であることが好ましく、1N/mm2以下であることがより好ましい。前記足甲カバーの足幅方向に10%伸長した際の引張強度は、JIS L 1096に準じて測定することができる。
本発明の1以上の実施態様において、舌革部は足甲カバー本体と一体化されている。これにより、足当たりが良く、フィット性及び長期間着用性が良好になる。足甲カバーにおいて、本体及び舌革部は、軽量性及び通気性の観点から、メッシュ生地を用いることができる。メッシュ生地としては、特に限定されず、シングルラッセル、ダブルラッセル、トリコット等の経編地、平編み、丸編み等の緯編地を用いることができる。上述した所定の引張強度を有するように、弾性糸及び非弾性糸を適宜に組み合わせて用いることができる。
本発明の1以上の実施態様において、特に限定されないが、弾性糸は、例えば、破断伸度が20%以上であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましい。本発明の1以上の実施態様において、弾性糸は、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系弾性繊維(スパンデックスとも称される。)、ポリエーテルエステル系弾性繊維、ナイロン繊維等で構成された弾性糸等が挙げられる。弾性糸は、弾性繊維のみで構成されてもよく、弾性繊維と後述する非弾性繊維を組み合わせた糸でもよい。
本発明の1以上の実施態様において、特に限定されないが、非弾性糸は、例えば、破断伸度が20%未満であることが好ましい。非弾性糸としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維;ポリアミド系繊維;ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;キュプラ、レーヨン、綿、竹繊維等のセルロース系繊維;羊毛等の獣毛系繊維等の非弾性繊維で構成された非弾性糸等が挙げられる。
本発明の1以上の実施態様において、足甲カバーの幅方向の中央部が足長方向に伸長しないが、足甲カバーが足幅方向に伸長する構造にしやすい観点から、舌革部を非弾性糸及び弾性糸を含む経編地で構成することが好ましく、より好ましくは前記経編地が非弾性糸を85〜95質量%、及び弾性糸を5〜15質量%含み、さらに好ましくは非弾性糸を90〜95質量%、及び弾性糸を5〜10質量%含む。前記経編地は、弾性糸の長手方向(糸長方向)が足甲カバーの足幅方向に沿うように配置される。弾性糸は、挿入糸として用いてもよく、非弾性糸をカバーリングしたカバーリング糸として用いてもよい。
本発明の1以上の実施態様において、足甲カバーの幅方向の中央部が足長方向に伸長しないが、足甲カバーが足幅方向に伸長する構造にしやすい観点から、舌革部を構成する経編地は、目付(単位面積当たりの質量)が300g/m2以上であることが好ましく、300g/m2以上550g/m2以下であることがより好ましく、300g/m2以上410g/m2以下であることがさらに好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、舌革部は、爪先まで延びていることが好ましい。これにより、足甲カバーの幅方向の中央部が足長方向に伸長せず、足甲カバーが足幅方向に伸長する構造にしやすい。
本発明の1以上の実施態様において、足甲カバー本体は、足甲カバーの幅方向の中央部を足長方向に伸長しない構造にしやすい観点から、非弾性糸からなる経編地で構成されていることが好ましい。また、軽量性及び通気性の観点から、足甲カバー本体を構成する経編地は、目付(単位面積当たりの質量)が300g/m2以上であることが好ましく、300g/m2以上550g/m2以下であることがより好ましく、300g/m2以上410g/m2以下であることがさらに好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、足カバー本体及び舌革部を伸縮性を有する生地で構成しつつ、足長方向の伸長を制御する複数の規制部を設けることで、足甲カバーの少なくとも幅方向の中央部が足長方向に伸長しないが、足甲カバーが足幅方向に伸長する構造にしてもよい。
本発明の1以上の実施態様において、前記足甲カバーにおける異なる部材は、例えば、舌革部及び足甲カバー本体は、縫製することで一体化されてもよい。縫製で一体化した場合、端部の破損、端部のほつれ防止及び美観を高めるために、ホットメルトシート(フィルムを含む)等による端部処理が行われることが好ましい。ホットメルトシートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタンエラストマーシート等を用いることができる。
本発明の1以上の実施態様において、前記足甲カバーにおける異なる部材は、少なくとも一方の部材の端部を覆っている刺繍によって接合していることが好ましい。例えば、舌革部と足甲カバー本体が異なる素材で構成されている場合、舌革部と足甲カバー本体は、舌革部及び/又は足甲カバー本体の端部を覆っている刺繍によって接合していることが好ましい。これにより足当たりが良く、足の甲側とシューズのフィット性が良好になる。刺繍箇所には、補強不織布が配置されており、接合強度も高い。前記補強不織布は、特に限定されず、一般的に刺繍の際に用いられる不織布でよい。前記刺繍は、サテン刺繍であってもよく、タタミ刺繍でもよい。
本発明の1以上の実施態様において、前記アッパーは、さらに、足の裏側の全体を覆う足裏カバーを含んでもよい。この場合、アッパーは、履き口を有する袋状の形状を有する。これにより、アッパーとソールの一体性がより高まり、フィット性が向上する。
本発明の1以上の実施態様のシューズにおいて、前記のシューズのアッパーがソールと一体化されている。足の甲側とのフィット性が良好であり、接地時の踵の落ち込みを抑制することができるシューズを得ることができる。アッパーとソールとを一体化する方法も、特に制限されず、例えば通常のセメンテッド式製法などによる一体化が挙げられる。
本発明の1以上の実施態様において、前記ソールの接地面は前足部において下に凸の湾曲形状を有し、前記ソールの足裏当接面において、前記足裏当接面の最後端の位置を原点とし、前記足裏当接面に沿って測定した爪先の最先端までの道程をLとし、前記足裏当接面における踵底面を水平面と平行に配置した状態で、前記足裏当接面の最後端の位置からの道程が0.16×Lの位置Shのソール厚みをh、(0.3〜0.5)×Lの位置Sm2のソール厚みをm2、(0.4〜0.6)×Lの位置Sm1(ただしSm1はSm2よりも前方に配置)のソール厚みをm1、0.7×Lの位置Sfのソール厚みをfとするとき、下記関係式(1)〜(3)を満たすともとに、
(1)m2≧m1
(2)m1≧f
(3)m1≧h
位置Sm1と位置Shを結ぶ線が水平面となす角度をθ1とし、位置Sm1から引いた
鉛直線が前記ソールの接地面と交わる位置をSm1’、位置Shから引いた鉛直線が前記ソールの接地面と交わる位置をSh’として、位置Sm1’と位置Sh’を結ぶ線が水平面となす角度をθ2とするとき、θ2≧θ1であることが好ましい。
本発明の1以上の実施態様において、原点から0.16×Lの位置(つまり踵中心)Shのソール厚みhが、原点から(0.4〜0.6)×Lの位置Sm1のソール厚みm1と同じか小さくなっており、かつ、位置Sm1’と位置Sh’を結ぶ線が水平面となす角度θ2が、位置Sm1と位置Shを結ぶ線が水平面となす角度θ1と同じか大きくなっていることが好ましい。これにより、着地時に踵が接地せず、ヒールストライクを生じさせないので、着地時に前足部または中足部での接地を促進できる。また、位置Sm2のソール厚みm2が位置Sm1のソール厚みm1と同じが大きくなっており、これにより、ソール接地面上の位置Sm1’で初期接地したとき、ソールが後方に傾こうとして踵が下方に落ち込むのを規制でき、その結果、初期接地後に速やかにソールの前方への転がりに移行することができる。さらに、原点から0.7×Lの位置(つまり拇趾球部中心)Sfのソール厚みfが、位置Sm1のソール厚みm1と同じが小さくなっており、かつ、ソール接地面が前足部において下に凸の湾曲形状を有する。これにより、ソールの前方への転がりがスムーズに行われる。このようにして、フォアフット走法やミッドフット走法を容易に実現できるようになる。
本発明の1以上の実施態様において、初期接地後の踵の落ち込みをより効果的に抑制し、前方への転がりをより効果的に促す観点から、m2はm1より大きく、m1はh及びfのいずれよりも大きいことがより好ましい。本発明の1以上の実施態様において、特に限定されないが、ソール厚みm1、m2、h、fの具体的な値としては、好ましくは、以下のような値を採用することができる。
m1≧15[mm]
m2≧16[mm]
h≧10[mm]
f≧10[mm]
本発明の1以上の実施態様において、θ2+θ1は40度以上であることが好ましく、40度以上55度以下であることがより好ましい。これにより、足甲カバーにおける中央部が伸長しないことによる吊り上げ効果が促進される。
本発明の1以上の実施態様において、爪先先端のソール厚みtがt≦f/2になっていることが好ましい。これにより、爪先先端に向かってソール前方への転がりをよりスムーズに行えるようになる。
本発明の1以上の実施態様において、ソールは、前後方向に延びるプレートを内部に有しており、プレートの前端が前足部においてソール厚み中心線より接地面側に配置され、プレートの後端が踵部においてソール厚み中心線より足裏当接側の面の側に配置され、プレートの中央部分が中足部においてソール厚み中心線を斜めに横切っていることが好ましい。これにより、初期接地後にプレートの前端側に荷重が移動したとき、ソールが後方に傾いて踵が落ち込もうとするのをプレートによって確実に規制でき、その結果、より速やかにソールの前方への転がりに移行することができる。
本発明の1以上の実施態様において、前記プレートが、位置Sm2から位置Sfにかけての領域の少なくとも一部の領域において、上下方向の隆起部を有している。この場合には、隆起部によってプレートの曲げ剛性を向上でき、その結果、初期接地後の踵の落ち込みをより確実に規制できるようになる。
本発明の1以上の実施態様において、シューズの爪先部、踵部、ハトメ部(靴紐通し部とも称する。)は、それぞれ人工皮革を用いて補強した方が好ましい。補強することによって、シューズの形状を保ち、ホールド性を保つことができる。このうち踵部分は、真に軽量化を求める場合は、補強はしなくてもよい。また、必要に応じて、シューズのアッパーの表面に装飾を施してもよい。本発明の1以上の実施態様において、シューズは靴紐を備えてもよい。
本発明の1以上の実施態様において、特に限定されないが、例えば軽量性の観点から、シューズ1足あたりの質量は170g以下であることが好ましく、90g以上170g以下であることがより好ましい。
以下、本発明の実施態様を図面に基づいて詳細に説明する。各図面において、同一符号は同一部分を示す。なお、本発明は、下記の図面に示した実施態様に限定されない。
図1〜図10では、中長距離用のランニングシューズ、及びそれに用いるアッパーやソールを説明する。なお、ソールの説明中、上方(上側/上)及び下方(下側/下)とは、シューズの上下方向の位置関係を表し、前方(前側/前)及び後方(後側/後)とは、シューズの前後方向の位置関係を表しており、幅方向とはシューズの左右方向を指すものとする。すなわち、上方及び下方は、図9を例にとった場合、同図の上方及び下方をそれぞれ指しており、前方及び後方は、同図の左方及び右方をそれぞれ指しており、幅方向は、同図の紙面奥行方向を指している。
図1は、本発明の1実施態様のアッパー(左足)の模式的表面展開図である。図2は同アッパーを用いたシューズの模式的表面図、図3は同アッパーの模式的裏面図、図4は同アッパーを用いたシューズの模式的斜視図である。図1〜4に示されているように、該実施態様において、アッパー1は、足甲カバー2、及び足裏カバー3を含む。
足甲カバー2において、舌革部4は足甲カバー本体5と一体化されている。これにより、足当たりが良く、フィット性及び長期間着用性が良好になる。舌革部4は、爪先まで延びていることが好ましい。これにより、足甲カバー2の幅方向の中央部が足長方向には伸長せず、足甲カバー2が足幅方向には伸長する構造にしやすい。該実施態様において、舌革部4は、足首側から爪先に向かって、徐々に幅が狭くなっている。舌革部4は、足首側から爪先に至るまで同じ幅であってもよい。また、舌革部4と足甲カバー本体5は、足甲カバー本体5の端部を覆っている刺繍6により接合している。これにより、足当たりが良く、フィット性及び長期間着用性が良好になる。内側の足甲カバー2と内側の足裏カバー3は一枚生地で構成されており、外側の足甲カバー2と外側の足裏カバー3が一枚生地で構成されている。刺繍6は、サテン刺繍でもよく、タタミ刺繍でもよい。
アッパー1では、伸長制御部7を設けることで、足長方向及び足幅方向の伸長を適宜調整してもよい。伸長制御部7は、補強及び美観の観点から、刺繍を施すことで設けることができる。
足甲カバー2は、靴紐9を通す靴紐通し部10及び11を備えている。靴紐通し部10は、伸長制御部7を構成する刺繍により所定の太さの紐等を所定の大きさの靴紐通し部を構成するよう足甲カバー本体5と部分的に一体化することで設けることができる。靴紐通し部11は、舌革部4に所定の大きさの孔を構成するよう孔の周囲に刺繍を施すことで設けることができる。
内側の足裏カバー3と外側の足裏カバー3は、縫製8により一体化されており、アッパー1は、履き口20を有する袋状の形状を有する。これにより、アッパーとソールの一体性がより高まり、フィット性が向上する。
シューズ100において、アッパー1とソール500が一体化されている。シューズ100は、爪先補強部12と、ヒールカウンター13を備えている。爪先補強部12は、例えば、人工皮革で構成することができる。ヒールカウンター13は、樹脂で構成することができる。ヒールカウンター13には、ライニング材が備えられている。ソール500の詳細については、後述する。
足甲カバー2は、足幅方向の中央部が足長方向に伸長しない。好ましくは、足甲カバー2は足幅方向に伸長する。ランニングに前足部又は中足部で接地した後の踵の落ち込みが抑制され、足が前に進みやすくなる。
舌革部は、例えば、弾性繊維(弾性糸)5〜15質量%、非弾性繊維(非弾性糸)85〜95質量%を含み、弾性繊維(弾性糸)の長手方向が足幅方向に沿うように配置され、目付が300g/m2以上550g/m2以下であり、厚みが1mm以上5mm以下のシングルラッセル生地で構成することができる。弾性糸としては、例えば、スパンデックス(モノフィラメント、140dtex)を用いることができる。非弾性糸としては、例えば、ポリエステル系非弾性糸(マルチフィラメント、48本、150dtex)を用いることができる。
足甲カバー本体及び足裏カバーは、例えば、非弾性繊維(非弾性糸)で構成され、目付が300g/m2以上550g/m2以下であり、厚みが1mm以上5mm以下のシングルラッセル生地で構成することができる。非弾性繊維(非弾性糸)としては、例えば、ポリエステル系非弾性糸(マルチフィラメント、48本、150dtex)を用いることができる。
上述した用いた場合、足甲カバーの幅方向における中央部を足長方向に10%伸長した際の引張強度を50〜70N/mm2の範囲になるように調整しやすい。また、足甲カバーを足長方向に10%伸長した際の引張強度を10〜70N/mm2の範囲になるように調整しつつ、足甲カバーを足幅方向に10%伸長した際の引張強度を0.01〜10N/mm2の範囲になるように調整しやすい。
図5は、本発明の他の1実施態様のシューズの模式的表面図である。該実施態様のシューズ200は、アッパー31を有する。アッパー31の足甲カバー32において、舌革部34と足甲カバー本体35は、縫製(図示なし)で一体化されており、足甲カバー本体35の端部は、ホットメルトシート50等によって端部処理されている。ホットメルトシート50で端部処理された箇所に所定の大きさの孔を設けることで、靴紐通し部40及び41を構成している。上記で説明した足甲カバー32以外は、シューズ100と同様の構成にすることができる。例えば、シューズ200は、爪先補強部42と、ヒールカウンター43、及び履き口44を備えている。シューズ100と同様、アッパー31とソール(図示なし)が一体化されている。
足甲カバー32は、足幅方向の中央部が足長方向に伸長しない。好ましくは、足甲カバー32は足幅方向に伸長する。ランニングに前足部又は中足部で接地した後の踵の落ち込みが抑制され、足が前に進みやすくなる。
図6は、本発明の他の1実施態様のアッパーの模式的正面展開図である。該実施態様のアッパー61は、足甲カバー62及び足裏カバー63を含む。足甲カバー62と足裏カバー63は、1枚生地で構成されている。足甲カバー62が1枚生地で構成されていることにより、舌革部64と足甲カバー本体65は一体化されている。舌革部64は、爪先まで延びている。舌革部64に対応する足甲カバーの足幅方向の中央部には、伸長制御部66がその長手方向が足長方向に沿うように配置され、足甲カバー65の足幅方向の中央部が足長方向に伸長しないように制御する。伸長制御部66は、補強及び美観の観点から、刺繍を施すことで設けることができる。図6には、アッパー61と接合している爪先補強部72及びヒールカウンター73、74も示している。なお、該実施態様のアッパー61において、舌革部64と足甲カバー本体65は厳格に区別されなくてもよい。
足甲カバー62は、足幅方向の中央部が足長方向に伸長しない。好ましくは、足甲カバー62は足幅方向に伸長する。ランニングに前足部又は中足部で接地した後の踵の落ち込みが抑制され、足が前に進みやすくなる。
図7は、本発明の他の1実施態様のアッパーの模式的表面展開図であり、図8は同アッパーを用いたシューズの模式的表面図である。該実施態様のアッパー81は、足甲カバー82及び足裏カバー83を含む。足甲カバー82と足裏カバー83は、1枚生地で構成されている。足甲カバー82が1枚生地で構成されていることにより、舌革部84と足甲カバー本体85は一体化されている。舌革部84は、爪先まで延びている。舌革部84に対応する足甲カバーの足幅方向の中央部を含むアッパー81には、漁網形状の伸長制御部86が配置されており、足甲カバー82を足幅方向には伸長するが、足長方向に伸長しないように制御する。伸長制御部86は、補強及び美観の観点から、刺繍を施すことで設けることができる。該実施態様のアッパー81において、舌革部84と足甲カバー本体85は厳格に区別されなくてもよい。
シューズ300は、靴紐通し部90を有しており、靴紐通し部90は、伸長制御部86を構成する刺繍により所定の太さの紐等を所定の大きさの通し部を構成するよう足甲カバー82と部分的に一体化することで設けることができる。シューズ300は、爪先補強部92と、ヒールカウンター93、94、及び履き口95を備えている。シューズ100と同様、アッパー81とソール(図示なし)が一体化されている。
足甲カバー82は、足幅方向の中央部が足長方向に伸長しない。好ましくは、足甲カバー82は足幅方向に伸長する。ランニングに前足部又は中足部で接地した後の踵の落ち込みが抑制され、足が前に進みやすくなる。
図9は、本発明の1以上の実施態様のシューズで用いるソールの模式的説明図である。シューズ100(200及び300も同様)では、該実施態様のソールを用いることができる。図9は、図4に示すシューズ100において、ソール500の前後方向中心線に沿った縦断面図であるが、ここでは、図示の便宜上、アッパー及びアウトソール以外のハッチングを省略している。また、図9には、アッパー1の内部にラスト(靴型)1000が挿入された状態が示されている。ラスト1000の底面は、ソール500の上面を構成する、上部ミッドソール501の足裏当接面501Aと接触している。なお、シューズがインソールを備えている場合は、501Aは、実際には足裏には当接しないが、本願明細書では、この場合を含めて、足裏当接面と記す。
図9に示すように、ソール500は、上側に配置される上部ミッドソール501と、下側に配置される下部ミッドソール502と、下部ミッドソール502の下面に装着され、路面と接地する接地面503Bを底面側に有するアウトソール503とを有する。
上部ミッドソール501は、ソール500の踵部から爪先部まで前後方向に延設されている。下部ミッドソール502は、ソール500の主に後足部領域(つまり踵部及び中足部を含む領域)に配設されており、前足部の爪先部には設けられていない。
上部ミッドソール501と下部ミッドソール502間には、プレート504が設けられていることが好ましい。プレート504は、薄肉のシート状部材であって、ソール500の踵部から爪先部まで前後方向に延設されていることが好ましい。プレート504の厚みは、例えば1〜2mm程度である。プレート504は、ソール500の踵部及び中足部においては、上部ミッドソール501の下面と下部ミッドソール502の上面との間で挟持されており、ソール500の前足部においては、上部ミッドソール501の下面とアウトソール503の上面との間で挟持されている。
プレート504は、ソール500の中足部において、上方に山状に隆起する隆起部510を有することが好ましい。隆起部510の左右両側は谷状に凹んでおり、隆起部510とともに波形状を形成している。この波形状は、稜線及び谷線がソール500の中足部において前後方向に延びている。プレート504は、ソール500の前足部及び踵部においては、概ね平坦状に形成されていてもよい。
上部ミッドソール501と下部ミッドソール502はいずれも軟質弾性部材から構成されていることが好ましい。軟質弾性部材としては、特に限定されないが、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合成樹脂やその発泡体、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂やその発泡体、またはブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材やその発泡体が挙げられる。プレート504は、特に限定されないが、例えば比較的弾性に富む素材である熱可塑性ポリウレタン(TPU)やポリアミドエラストマー(PAE)、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂あるいはエポキシ樹脂等や不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂で構成することが好ましい。また、プレート504の素材としては、例えば繊維強化プラスチック(FRP)を用いてもよい。繊維強化プラスチックとしては、例えば炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を強化用繊維とし、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とした繊維強化プラスチックを用いることができる。アウトソール503は硬質弾性部材から構成することが好ましい。硬質弾性部材としては、特に限定されないが、具体的には、熱可塑性ポリウレタン(TPU)やポリアミドエラストマー(PAE)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、またはラバー等が挙げられる。
図9に示すように、ソールの接地面、すなわちアウトソール503の接地面503Bは、前足部において下に凸の湾曲形状を有する。
上部ミッドソール501の足裏当接面501Aの最後端の位置Seを原点とし、足裏当接面501Aに沿って測った爪先先端の位置Stまでの道程(これはラスト底面に沿った道程に相当)をLとし、踵部における足裏当接面(つまり踵底面に対応する面)501Aを水平面Hpと平行に配置した状態で、原点から0.16×Lの位置(つまり踵中心の位置)Shのソール厚みをh、0.3〜0.5×Lの位置Sm2のソール厚みをm2、0.4〜0.6×Lの位置Sm1(ただしSm1はSm2よりも前方に配置)のソール厚みをm1、0.7×Lの位置(つまり拇趾球部中心)Sfのソール厚みをfとするとき、下記関係式(1)〜(3)を満たす。
(1)m2≧m1
(2)m1≧f
(3)m1≧h
ソール500が上部ミッドソール501、下部ミッドソール502及びアウトソール503により構成されているので、各部位におけるソール厚みとは、上部ミッドソール501、下部ミッドソール502及びアウトソール503を含んだソール総厚を指している。
位置Sm1は、前足部又は中足部で着地した際の走行中のシューズ着地時の初期接地位置に対応している。上記不等式(1)におけるm2≧m1は、初期接地位置よりも後方側のソール厚みを初期接地位置のソール厚みに対して少なくとも同じかそれよりも厚くするということを意味している。これは、初期接地後にソール500の踵部の落ち込みを防止するためにある。位置Sm2でのソール厚みm2は、位置Sm1で初期接地した後、位置Sm2で荷重を支えるといった「支え台」効果を発揮する。これにより、初期接地後にソール500が踵方向に倒れようとして後方側への重心移動が生じようとしたときに、このような重心移動を規制して、後方側への重心移動の時間をできるだけ短くすることができ、その結果、初期接地後に速やかに前方への荷重移動を行えるようになる。
上記関係式m1≧f(2)を満たすことにより、初期接地後に前方への重心移動に移行しやすくして、前方への転がりを促すことができる。上記関係式m1≧h(3)を満たすことにより、ソール着地時にソール500の踵部が接地するのを回避して踵部を路面から浮かせるようにし、前足部での接地を促すことができる。
また、図9に示すように、位置Sm1と位置Shを結ぶ線が水平面となす角度をθ1とし、位置Sm1から引いた鉛直線が前記ソールの接地面と交わる位置をSm1’、位置Shから引いた鉛直線が前記ソールの接地面と交わる位置をSh’として、位置Sm1’と位置Sh’を結ぶ線が水平面となす角度をθ2とするとき、θ2≧θ1であることが好ましい。これにより、ソール着地時にソール500の踵部が接地するのを回避して踵部を路面から浮かせるようにし、前足部での接地を促すことができる。
ソール500の前足部において、接地面503Bは、下に凸の湾曲形状(たとえば緩やかなラウンド形状)を有している。これにより、初期接地後に前方への転がりを促すことができる。また、爪先先端の位置Stにおけるソール厚みtは、好ましくは、t≦f/2になっている。これにより、初期接地後に爪先先端に向かって前方への転がりを促すことができる。
プレート504は、図9に示すように、プレート前端側部分は、前足部においてソール厚み中心線Scより接地面503B側に配置され、プレート後端側部分は、後足部領域においてソール厚み中心線Scより足裏当接面501Aの側に配置されており、プレート中央部分は、中足部においてソール厚み中心線Scを斜めに横切っている。なお、厚み中心線Scとは、同図中に示すように、ソール2の総厚の中心を前後方向に結んでできる線のことを指している。また、プレート504の隆起部510は、位置Sm2から位置Sfにかけての領域(つまり原点から0.30〜0.7Lの領域)の少なくとも一部の領域に設けられている。
図10は、本発明の1以上の実施態様のシューズ(右足)を着用して走行した際のシューズの状態を説明する模式図であり、路面に対するシューズの動きを(a)〜(d)の順で時系列的に示す。
図10(a)は、ソール500の接地直前のシューズ100の状態を示しており、図中の矢印Fはソール500の移動方向を示している。このとき、同図に示すように、ソール500の踵部は路面Rから浮いており、ソール500は厚みm1の部位から路面Rと接地しようとしている。これは、上述したように、ソール500において、m1≧h、θ2≧θ1となっているために、シューズ100の着地時には、ソール500の踵部からは接地せずに、中足部から接地しようとするからである。
図10(b)は、ソール500の厚みm1の部位で初期接地する際のシューズ100の状態を示している。このとき、上述したように、ソール500において、m2≧m1となっており、初期接地位置よりも後方側のソール厚みm2が初期接地位置のソール厚みm1に対して少なくとも同じかそれよりも厚くなっている。これにより、初期接地直後にソール500の踵部が下方に落ち込もうとする動きが厚みm1の部位よりも厚みがある厚みm2の部位で支えられるので、このような後方側への動きを規制できる。その結果、初期接地後にソール500が踵方向に倒れようとして後方側への重心移動が生じようとしたときに、このような後方側への重心移動の時間をできるだけ短くすることができ、初期接地後に速やかに前方への体重移動を行えるようになる。
図10(c)は、ソール500の前足部が接地する際のシューズ100の状態を示している。このとき、上述したように、m1≧fとなっているので、初期接地後は前方への体重移動に移行しやすくなっており、これにより、前方への転がりが促進される。しかも、この場合には、接地面503Bが下に凸の湾曲形状を有していることで、初期接地後に前方に転がりやすくなっている。また、この場合には、体重が前足部に移動したときに、プレート504の前端側部分が下方に押え付けられることで、プレート504の中央部及び踵部で着用者の体重をしっかりと支えることができ、ソール500の中足部及び踵部での落ち込みを防止でき、これにより、前足部側への体重移動がスムーズに行われる。さらに、この場合には、プレート504の中央部に隆起部510が形成されているので、中央部の曲げ剛性が高くなっており、これにより、ソール500の中足部及び踵部での落ち込みを一層確実に防止でき、これにより、前足部側への体重移動が一層スムーズに行われる。特に、アッパー1における足甲カバー2の足幅方向の中央部が足長方向に伸長しないことにより、足が吊り上げられ、踵部の落ち込みが抑制され、足が前方へ進みやすくなる。
図10(d)は、爪先での蹴り出しの局面を示している。このとき、爪先先端の位置Stでのソール厚みtがt≦f/2になっているので、爪先先端に向かって前方への転がりが促進されている。また、この場合には、足の中足部及び踵部がプレート504で支えられているので、爪先での蹴り出し時には、プレート504の弾性反発力の作用により、力強く路面Rを蹴って推進力を得ることができる。
上述した実施態様はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神及び本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の実施態様を構築し得る。
本発明の1以上の実施態様のアッパーは、スポーツシューズ、具体的にはランニングシューズ、特に中長距離用のランニングシューズのアッパーとして好適に用いることができる。また、本発明の1以上の実施態様のシューズは、スポーツシューズ、具体的にはランニングシューズ、特に中長距離用のランニングシューズとして好適に用いることができる。
1、31、61、81 アッパー
2、32、62、82 足甲カバー
3、63、83 足裏カバー
4、34、64、84 舌革部
5、35、65、85 足甲カバー本体
6 刺繍(接合部)
7、66、86 伸長制御部
8 縫製(接合部)
9 靴紐
10、11、40、41、90 靴紐通し部(ハトメ)
12、42、72、92 爪先補強部
13、43、73、74、93、94 ヒールカウンター
20、44、95 履き口
50 ホットメルトシート
100、200、300 シューズ(ランニングシューズ)
500 ソール
501 上部ミッドソール
502 下部ミッドソール
503 アウトソール
501A 足裏当接面
503B 接地面
504 プレート
510 隆起部
1000 ラスト

Claims (9)

  1. シューズのアッパーであって、
    前記アッパーは、足の甲側を覆う足甲カバーを含み、
    前記足甲カバーは舌革部が足甲カバー本体と一体化した構造を有し、
    前記足甲カバーの中央部は、足長方向に伸長せず、
    前記足甲カバーの中央部は、足長方向に10%伸長時の引張強度が50N/mm2以上であり、
    前記舌革部は、非弾性糸及び弾性糸を含む経編地で構成され、前記経編地は、弾性糸の長手方向が足甲カバーの足幅方向に沿うように配置されることを特徴とするシューズのアッパー。
  2. シューズのアッパーであって、
    前記アッパーは、足の甲側を覆う足甲カバーを含み、
    前記足甲カバーは舌革部が足甲カバー本体と一体化した構造を有し、
    前記足甲カバーの中央部は、足長方向に伸長せず(但し、シューズ長手方向およびシューズ幅方向に区画された複数の開孔を有する補強材が足甲カバーの中央部の表面に固着されている場合を除く)
    前記足甲カバーの中央部は、足長方向に10%伸長時の引張強度が50N/mm 2 以上であることを特徴とするシューズのアッパー。
  3. 前記足甲カバーは足幅方向に伸長する請求項1又は2に記載のシューズのアッパー。
  4. 前記舌革部は足先まで延びている請求項1〜のいずれか1項に記載のシューズのアッパー。
  5. 前記足甲カバーにおいて、異なる部材は、少なくとも一方の部材の端部を覆っている刺繍によって接合している請求項1〜のいずれか1項に記載のシューズのアッパー。
  6. 前記アッパーは、さらに、足の裏側の全体を覆う足裏カバーを含む請求項1〜のいずれか1項に記載のシューズのアッパー。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のシューズのアッパーがソールと一体化されているシューズ。
  8. 前記ソールの接地面は前足部において下に凸の湾曲形状を有し、前記ソールの足裏当接面において、前記足裏当接面の最後端の位置を原点とし、前記足裏当接面に沿って測定した爪先の最先端までの道程をLとし、前記足裏当接面における踵底面を水平面と平行に配置した状態で、前記足裏当接面の最後端の位置からの道程が0.16×Lの位置Shのソール厚みをh、(0.3〜0.5)×Lの位置Sm2のソール厚みをm2、(0.4〜0.6)×Lの位置Sm1(ただしSm1はSm2よりも前方に配置)のソール厚みをm1、0.7×Lの位置Sfのソール厚みをfとするとき、下記関係式(1)〜(3)を満たすともとに、
    (1)m2≧m1
    (2)m1≧f
    (3)m1≧h
    位置Sm1と位置Shを結ぶ線が水平面となす角度をθ1とし、位置Sm1から引いた鉛直線が前記ソールの接地面と交わる位置をSm1’、位置Shから引いた鉛直線が前記ソールの接地面と交わる位置をSh’として、位置Sm1’と位置Sh’を結ぶ線が水平面となす角度をθ2とするとき、θ2≧θ1である請求項に記載のシューズ。
  9. 前記θ2及びθ1の合計が40度以上である請求項に記載のシューズ。
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