JP2019062107A - 樹脂膜形成用複合シート - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の樹脂膜形成用複合シートにおいては、前記支持シートが粘着剤層を有し、前記樹脂膜形成用フィルムと前記粘着剤層とが直接接触していることが好ましい。
本発明の樹脂膜形成用複合シートにおいては、前記樹脂膜が保護膜であることが好ましい。
本発明の樹脂膜形成用複合シートは、支持シート上に前記支持シートよりもサイズの小さい樹脂膜形成用フィルムを備えてなり、前記支持シートの幅(TD方向の最大長さ)に対する前記樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)の比が0.55以上0.92以下である。換言すると、支持シートの流れ方向と直行する向き(幅方向)において、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)よりも樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)が小さく、前記支持シートの幅(TD方向の最大長さ)に対する前記樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)の比が0.55以上0.92以下である。
なお、本明細書において、「樹脂膜形成用フィルム」とは半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に貼付前のものを意味し、「樹脂膜」とは、樹脂膜形成用フィルムを半導体ウエハ又は半導体チップの裏面に貼付したものを意味する。また、樹脂膜形成用フィルムが硬化性を有する場合には、樹脂膜形成用フィルムを硬化させたものを「樹脂膜」と称する。
MD方向は、フィルム又はシートの加工時における、フィルム又はシートの流れに平行な方向であり、TD方向は、このようなフィルム又はシートの流れに直交する方向であるともいえる。フィルム又はシートを延伸加工する場合には、MD方向は、フィルム又はシートの延伸方向であり、TD方向は、このようなフィルム又はシートの延伸方向に直交する方向である。
支持シートのMD方向及びTD方向は、例えば、X線2次元回析画像の分析等、光学的な分析によって、互いに区別できる。
また、エキスパンド後のピックアップの際に、半導体ウエハ又は半導体チップの貼付していない樹脂膜がほとんどないので、樹脂膜の飛散を防止することができる。
本発明の樹脂膜形成用複合シートの使用対象である半導体ウエハのサイズが5インチ(幅:125mm)である場合、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は190mmであることが好ましく、樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)は125mm以上165mm以下であることが好ましい。
また、本発明の樹脂膜形成用複合シートの使用対象である半導体ウエハのサイズが6インチ(幅:150mm)である場合、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は207mmであることが好ましく、樹脂膜形成用フィルムの幅は150mm以上190mm以下であることが好ましい。
また、本発明の樹脂膜形成用複合シートの使用対象である半導体ウエハのサイズが8インチ(幅:200mm)である場合、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は270mmであることが好ましく、樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)は200mm以上240mm以下であることが好ましい。
また、本発明の樹脂膜形成用複合シートの使用対象である半導体ウエハのサイズが12インチ(幅:300mm)である場合、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は370mmであることが好ましく、樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)は300mm以上340mm以下であることが好ましい。
また、本発明の樹脂膜形成用複合シートの使用対象である半導体ウエハのサイズが16インチ(幅:450mm)である場合、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は520mmであることが好ましく、樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)は450mm以上490mm以下であることが好ましい。
以下、本発明の構成について、詳細に説明する。
前記支持シートは、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。支持シートが複数層からなる場合、これら複数層の構成材料及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、支持シートの場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
ここに示す樹脂膜形成用複合シート1Aは、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上に樹脂膜形成用フィルム13を備えてなるものである。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、樹脂膜形成用複合シート1Aは、換言すると、支持シート10の一方の表面10a上に樹脂膜形成用フィルム13が積層された構成を有する。また、樹脂膜形成用複合シート1Aは、さらに樹脂膜形成用フィルム13上に剥離フィルム15を備えている。
なお、樹脂膜形成用フィルム13の平面形状は円形であり、図1の断面は、樹脂膜形成用フィルム13の中心を含む。また、図1では平面形状が円形である樹脂膜形成用フィルムが示されているが、平面形状はこれに限定されず、例えば、楕円形、多角形等の他の形状であってもよい。
なお、樹脂膜形成用フィルム13の平面形状は円形であり、図2の断面は、樹脂膜形成用フィルム13の中心を含む。
ここに示す樹脂膜形成用複合シート1Cは、粘着剤層12を備えていない点以外は、図1に示す樹脂膜形成用複合シート1Aと同じものである。すなわち、樹脂膜形成用複合シート1Cにおいては、支持シート10が基材11のみからなる。そして、基材11の一方の表面11a(支持シート10の一方の表面10a)の中央側の一部の領域、すなわち、半導体ウエハ貼付領域に樹脂膜形成用フィルム13が積層され、基材11の一方の表面11a(支持シート10の一方の表面10a)の一部、すなわち、周縁部近傍の領域に治具用接着剤層16が積層され、樹脂膜形成用フィルム13の表面13aと、治具用接着剤層16の表面16a(上面)とに、剥離フィルム15が積層されている。
なお、樹脂膜形成用フィルム13の平面形状は円形であり、図3の断面は、樹脂膜形成用フィルム13の中心を含む。
ここに示す樹脂膜形成用複合シート1Dは、治具用接着剤層16を備えていない点以外は、図3に示す樹脂膜形成用複合シート1Cと同じものである。すなわち、樹脂膜形成用複合シート1Dにおいては、基材11の一方の表面11a(支持シート10の一方の表面10a)の中央側の一部の領域、すなわち、半導体ウエハ貼付領域に樹脂膜形成用フィルム13が積層され、樹脂膜形成用フィルム13の表面13aの全面(上面及び側面)に剥離フィルム15が積層されている。
なお、樹脂膜形成用フィルム13の平面形状は円形であり、図4の断面は、樹脂膜形成用フィルム13の中心を含む。
また、図1及び2に示す樹脂膜形成用複合シートにおいては、基材11と粘着剤層12との間に中間層が設けられていてもよい。すなわち、本発明の樹脂膜形成用複合シートにおいて、支持シートは、基材、中間層、及び粘着剤層がこの順に積層されてなるものでもよい。ここで中間層とは、図3及び4に示す樹脂膜形成用複合シートにおいて設けられていてもよい中間層と同じものである。
また、図1〜4に示す樹脂膜形成用複合シートは、前記中間層以外の層が、任意の箇所に設けられていてもよい。
また、本発明の樹脂膜形成用複合シートにおいては、剥離フィルムと、この剥離フィルムと直接接触している層との間に、一部隙間が生じていてもよい。
また、本発明の樹脂膜形成用複合シートにおいては、各層の大きさや形状は、目的に応じて任意に調節できる。
なお、本発明において、「非硬化性」とは、加熱又はエネルギー線の照射等により硬化しない性質を意味し、「熱硬化性」とは、加熱することにより硬化する性質を意味し、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味する。
本発明において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。
紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
樹脂膜形成用フィルムがエネルギー線硬化性を有する場合は、支持シートはエネルギー線を透過させるものが好ましい。
一方、支持シートにおいて、波長375nmの光の透過率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%とすることが可能である。
一方、支持シートにおいて、波長532nmの光の透過率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%とすることが可能である。
一方、支持シートにおいて、波長1064nmの光の透過率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%とすることが可能である。
次に、支持シートを構成する各層について、さらに詳細に説明する。
前記基材は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料としては、例えば、各種樹脂が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂等のポリエチレン以外のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体等のエチレン系共重合体(モノマーとしてエチレンを用いて得られた共重合体);ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂(モノマーとして塩化ビニルを用いて得られた樹脂);ポリスチレン;ポリシクロオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、すべての構成単位が芳香族環式基を有する全芳香族ポリエステル等のポリエステル;2種以上の前記ポリエステルの共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポリウレタン;ポリウレタンアクリレート;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;フッ素樹脂;ポリアセタール;変性ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルホン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。
また、前記樹脂としては、例えば、前記ポリエステルとそれ以外の樹脂との混合物等のポリマーアロイも挙げられる。前記ポリエステルとそれ以外の樹脂とのポリマーアロイは、ポリエステル以外の樹脂の量が比較的少量であるものが好ましい。
また、前記樹脂としては、例えば、ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上が架橋した架橋樹脂;ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上を用いたアイオノマー等の変性樹脂も挙げられる。
ここで、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材の厚さとは、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
そして、樹脂膜形成用フィルムがエネルギー線硬化性を有する場合においては、基材はエネルギー線を透過させるものが好ましい。
また、基材は、表面がプライマー処理を施されたものであってもよい。
また、基材は、帯電防止コート層、樹脂膜形成用複合シートを重ね合わせて保存する際に、基材が他のシートに接着することや、基材が吸着テーブルに接着することを防止する層等を有するものであってもよい。
これらの中でも基材は、ダイシング時のブレードの摩擦による基材の断片の発生が抑制される点から、特に表面が電子線照射処理を施されたものが好ましい。
前記粘着剤層は、シート状又はフィルム状であり、粘着剤を含有する。
前記粘着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、エステル系樹脂等の粘着性樹脂が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
ここで、「粘着剤層の厚さ」とは、粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる粘着剤層の厚さとは、粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
そして、樹脂膜形成用フィルムがエネルギー線硬化性を有する場合においては、粘着剤層はエネルギー線を透過させるものが好ましい。
粘着剤層は、粘着剤を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。例えば、粘着剤層の形成対象面に粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に粘着剤層を形成できる。粘着剤層のより具体的な形成方法は、他の層の形成方法とともに、後ほど詳細に説明する。粘着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15℃以上30℃以下の温度等が挙げられる。
前記粘着剤組成物(I−1)は、上述の様に、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する。
前記粘着性樹脂(I−1a)は、アクリル系樹脂であることが好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を有するアクリル系重合体が挙げられる。
前記アクリル系樹脂が有する構成単位は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル等が挙げられる。
前記官能基含有モノマーとしては、例えば、前記官能基が後述する架橋剤と反応することで架橋の起点となったり、前記官能基が後述する不飽和基含有化合物中の不飽和基と反応することで、アクリル系重合体の側鎖に不飽和基の導入を可能とするものが挙げられる。
すなわち、官能基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられる。
前記他のモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等と共重合可能なものであれば特に限定されない。
前記他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
一方、前記アクリル系重合体中の官能基に、エネルギー線重合性不飽和基(エネルギー線重合性基)を有する不飽和基含有化合物を反応させたものは、上述のエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−2a)として使用できる。
粘着剤組成物(I−1)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物としては、エネルギー線重合性不飽和基を有し、エネルギー線の照射により硬化可能なモノマー又はオリゴマーが挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物のうち、モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオール(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエステル(メタ)アクリレート;ポリエーテル(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物のうち、オリゴマーとしては、例えば、上記で例示したモノマーが重合してなるオリゴマー等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物は、分子量が比較的大きく、粘着剤層の貯蔵弾性率を低下させにくいという点では、ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
粘着性樹脂(I−1a)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位以外に、さらに、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、粘着剤組成物(I−1)は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらジイソシアネートのアダクト体等のイソシアネート系架橋剤(イソシアネート基を有する架橋剤);エチレングリコールグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤(グリシジル基を有する架橋剤);ヘキサ[1−(2−メチル)−アジリジニル]トリフオスファトリアジン等のアジリジン系架橋剤(アジリジニル基を有する架橋剤);アルミニウムキレート等の金属キレート系架橋剤(金属キレート構造を有する架橋剤);イソシアヌレート系架橋剤(イソシアヌル酸骨格を有する架橋剤)等が挙げられる。
粘着剤の凝集力を向上させて粘着剤層の粘着力を向上させる点、及び入手が容易である等の点から、架橋剤はイソシアネート系架橋剤であることが好ましい。
粘着剤組成物(I−1)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する粘着剤組成物(I−1)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
また、前記光重合開始剤としては、例えば、1−クロロアントラキノン等のキノン化合物;アミン等の光増感剤等を用いることもできる。
粘着剤組成物(I−1)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、充填材(フィラー)、防錆剤、着色剤(顔料、染料)、増感剤、粘着付与剤、反応遅延剤、架橋促進剤(触媒)等の公知の添加剤が挙げられる。
なお、反応遅延剤とは、例えば、粘着剤組成物(I−1)中に混入している触媒の作用によって、保存中の粘着剤組成物(I−1)において、目的としない架橋反応が進行するのを抑制するものである。反応遅延剤としては、例えば、触媒に対するキレートによってキレート錯体を形成するものが挙げられ、より具体的には、1分子中にカルボニル基(−C(=O)−)を2個以上有するものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−1)は、溶媒を含有していてもよい。粘着剤組成物(I−1)は、溶媒を含有していることで、塗工対象面への塗工適性が向上する。
前記粘着剤組成物(I−2)は、上述の様に、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)の側鎖に不飽和基が導入されたエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−2a)を含有する。
前記粘着性樹脂(I−2a)は、例えば、粘着性樹脂(I−1a)中の官能基に、エネルギー線重合性不飽和基を有する不飽和基含有化合物を反応させることで得られる。
前記エネルギー線重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2−プロペニル基)等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
粘着性樹脂(I−1a)中の官能基と結合可能な基としては、例えば、水酸基又はアミノ基と結合可能なイソシアネート基及びグリシジル基、並びにカルボキシ基又はエポキシ基と結合可能な水酸基及びアミノ基等が挙げられる。
粘着性樹脂(I−2a)として、例えば、粘着性樹脂(I−1a)におけるものと同様の、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、粘着剤組成物(I−2)は、さらに架橋剤を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I−2)が含有する架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−2)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する粘着剤組成物(I−2)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
粘着剤組成物(I−2)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−2)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I−2)における前記その他の添加剤としては、粘着剤組成物(I−1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−2)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−2)は、粘着剤組成物(I−1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I−2)における前記溶媒としては、粘着剤組成物(I−1)における溶媒と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−2)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−2)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
前記粘着剤組成物(I−3)は、上述の様に、前記粘着性樹脂(I−2a)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する。
粘着剤組成物(I−3)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物としては、エネルギー線重合性不飽和基を有し、エネルギー線の照射により硬化可能なモノマー及びオリゴマーが挙げられ、粘着剤組成物(I−1)が含有するエネルギー線硬化性化合物と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−3)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−3)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する粘着剤組成物(I−3)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
粘着剤組成物(I−3)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−3)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、粘着剤組成物(I−1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−3)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−3)は、粘着剤組成物(I−1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I−3)における前記溶媒としては、粘着剤組成物(I−1)における溶媒と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−3)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−3)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
ここまでは、粘着剤組成物(I−1)、粘着剤組成物(I−2)、及び粘着剤組成物(I−3)について主に説明したが、これらの含有成分として説明したものは、これら3種の粘着剤組成物以外の全般的な粘着剤組成物(本明細書においては、「粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)以外の粘着剤組成物」と称する)でも、同様に用いることができる。
非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、エステル系樹脂等の、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)を含有する粘着剤組成物(I−4)が挙げられ、アクリル系樹脂を含有するものが好ましい。
粘着剤組成物(I−4)で好ましいものとしては、例えば、前記粘着性樹脂(I−1a)と、架橋剤と、を含有するものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−4)における粘着性樹脂(I−1a)としては、粘着剤組成物(I−1)における粘着性樹脂(I−1a)と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−4)が含有する粘着性樹脂(I−1a)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着性樹脂(I−1a)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位以外に、さらに、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、粘着剤組成物(I−4)は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
粘着剤組成物(I−4)が含有する架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−4)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、粘着剤組成物(I−1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−4)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−4)は、粘着剤組成物(I−1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I−4)における前記溶媒としては、粘着剤組成物(I−1)における溶媒と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I−4)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I−4)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)や、粘着剤組成物(I−4)等の粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)以外の粘着剤組成物は、前記粘着剤と、必要に応じて前記粘着剤以外の成分等の、粘着剤組成物を構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
本発明において、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)に対する樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)の比が0.55以上0.92以下である。比が上記範囲内であることにより、半導体ウエハを樹脂膜形成用複合シートごとダイシングブレードによってダイシングした後に、エキスパンド装置でシート全体をエキスパンドした際に、樹脂膜のない部分が存在するため、充分なカーフ幅が得られ、さらに、エキスパンド装置におけるトルクオーバーの発生を防ぐことができる。
また、エキスパンド後のピックアップの際に、半導体ウエハ外周に存在する樹脂膜が少ないため、樹脂膜の飛散を防止することができる。
また、樹脂膜形成用フィルムが硬化性を有する場合、熱硬化性及びエネルギー線硬化性のいずれでもよい。
好ましい熱硬化性樹脂膜形成用フィルムとしては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有するものが挙げられる。重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分である。また、熱硬化性成分(B)は、熱を反応のトリガーとして、硬化(重合)反応し得る成分である。なお、本発明において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
ここで、「熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの厚さ」とは、熱硬化性樹脂膜形成用フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの厚さとは、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
例えば、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの硬化時の加熱温度は、100℃以上200℃以下であることが好ましく、110℃以上180℃以下であることがより好ましく、120℃以上170℃以下であることが特に好ましい。そして、前記硬化時の加熱時間は、0.5時間以上5時間以下であることが好ましく、0.5時間以上3時間以下であることがより好ましく、1時間以上2時間以下であることが特に好ましい。
熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、その構成材料を含有する熱硬化性樹脂膜形成用組成物を用いて形成できる。例えば、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの形成対象面に熱硬化性樹脂膜形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に熱硬化性保護膜形成用フィルムを形成できる。熱硬化性樹脂膜形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、先に説明したとおりである。
熱硬化性樹脂膜形成用組成物としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有する熱硬化性樹脂膜形成用組成物(III−1)(本明細書においては、単に「組成物(III−1)」と略記することがある)等が挙げられる。
重合体成分(A)は、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムに造膜性や可撓性等を付与するための重合体化合物である。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムが含有する重合体成分(A)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000以上2000000以下であることが好ましく、100000以上1500000以下であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの形状安定性(保管時の経時安定性)が向上する。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へ熱硬化性樹脂膜形成用フィルムが追従し易くなり、被着体と熱硬化性樹脂膜形成用フィルムとの間でボイド等の発生がより抑制される。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
熱硬化性成分(B)は、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムを硬化させて、硬質の樹脂膜を形成するための成分である。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムが含有する熱硬化性成分(B)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムが含有するエポキシ系熱硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エポキシ樹脂(B1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
エポキシ樹脂(B1)のエポキシ当量は、100g/eq以上1000g/eq以下であることが好ましく、150g/eq以上950g/eq以下であることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)は、エポキシ樹脂(B1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(B2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(以下、「DICY」と略記することがある)等が挙げられる。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(B2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
熱硬化剤(B2)のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60以上500以下であることが好ましい。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、硬化促進剤(C)を含有していてもよい。硬化促進剤(C)は、組成物(III−1)の硬化速度を調整するための成分である。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、充填材(D)を含有していてもよい。熱硬化性樹脂膜形成用フィルムが充填材(D)を含有することにより、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムを硬化して得られた樹脂膜は、熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数を樹脂膜の形成対象物に対して最適化することで、樹脂膜形成用複合シートを用いて得られた樹脂膜付き半導体チップの信頼性がより向上する。また、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムが充填材(D)を含有することにより、樹脂膜の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましい。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、カップリング剤(E)を含有していてもよい。カップリング剤(E)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを用いることにより、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(E)を用いることで、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムを硬化して得られた膜は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
重合体成分(A)として、上述のアクリル系樹脂等の、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための架橋剤(F)を含有していてもよい。架橋剤(F)を用いて架橋することにより、熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの初期接着力及び凝集力を調節できる。
組成物(III−1)は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していてもよい。熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していることにより、エネルギー線の照射によって特性を変化させることができる。
前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
組成物(III−1)は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有する場合、エネルギー線硬化性樹脂(G)の重合反応を効率よく進めるために、光重合開始剤(H)を含有していてもよい。
また、前記光重合開始剤としては、例えば、1−クロロアントラキノン等のキノン化合物;アミン等の光増感剤等も挙げられる。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、着色剤(I)を含有していてもよい。
着色剤(I)としては、例えば、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料等、公知のものが挙げられる。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内において、汎用添加剤(J)を含有していてもよい。
汎用添加剤(J)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ゲッタリング剤等が挙げられる。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂膜形成用フィルムの汎用添加剤(J)の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
組成物(III−1)は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する組成物(III−1)は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
組成物(III−1)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
組成物(III−1)等の熱硬化性樹脂膜形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15℃以上30℃以下であることが好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムは、エネルギー線硬化性成分(a)を含有する。
エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムにおいて、エネルギー線硬化性成分(a)は、未硬化であることが好ましく、粘着性を有することが好ましく、未硬化でかつ粘着性を有することがより好ましい。ここで、「エネルギー線」及び「エネルギー線硬化性」とは、先に説明したとおりである。
ここで、「エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムの厚さ」とは、エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるエネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムの厚さとは、エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
例えば、エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムの硬化時における、エネルギー線の照度は、120mW/cm2以上280mW/cm2以下であることが好ましい。そして、前記硬化時における、エネルギー線の光量は、200mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下であることが好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムは、その構成材料を含有するエネルギー線硬化性樹脂膜形成用組成物を用いて形成できる。例えば、エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムの形成対象面にエネルギー線硬化性樹脂膜形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位にエネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムを形成できる。エネルギー線硬化性樹脂膜形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムの前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、先に説明したとおりである。
エネルギー線硬化性樹脂膜形成用組成物としては、例えば、前記エネルギー線硬化性成分(a)を含有するエネルギー線硬化性樹脂膜形成用組成物(IV−1)(本明細書においては、単に「組成物(IV−1)」と略記することがある)等が挙げられる。
エネルギー線硬化性成分(a)は、エネルギー線の照射によって硬化する成分であり、エネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムに造膜性や、可撓性等を付与するとともに、硬化後に硬質の樹脂膜を形成するための成分でもある。
エネルギー線硬化性成分(a)としては、例えば、エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000以上2000000以下の重合体(a1)、及びエネルギー線硬化性基を有する、分子量が100以上80000以下の化合物(a2)が挙げられる。前記重合体(a1)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000以上2000000以下の重合体(a1)としては、例えば、他の化合物が有する基と反応可能な官能基を有するアクリル系重合体(a11)と、前記官能基と反応する基、及びエネルギー線硬化性二重結合等のエネルギー線硬化性基を有するエネルギー線硬化性化合物(a12)と、が反応してなるアクリル系樹脂(a1−1)が挙げられる。
これらの中でも、前記官能基は、水酸基であることが好ましい。
前記官能基を有するアクリル系重合体(a11)としては、例えば、前記官能基を有するアクリル系モノマーと、前記官能基を有しないアクリル系モノマーと、が共重合してなるものが挙げられ、これらモノマー以外に、さらにアクリル系モノマー以外のモノマー(非アクリル系モノマー)が共重合したものであってもよい。
また、前記アクリル系重合体(a11)は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよく、重合方法についても公知の方法を採用できる。
前記アクリル系重合体(a11)を構成する前記非アクリル系モノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、前記アクリル系重合体(a11)が有する官能基と反応可能な基として、イソシアネート基、エポキシ基、及びカルボキシ基からなる群より選択される1種又は2種以上を有するものが好ましく、前記基としてイソシアネート基を有するものがより好ましい。前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、例えば、前記基としてイソシアネート基を有する場合、このイソシアネート基が、前記官能基として水酸基を有するアクリル系重合体(a11)のこの水酸基と容易に反応する。
ジイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;
ジイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物等が挙げられる。
これらの中でも、前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートであることが好ましい。
ここで、「重量平均分子量」とは、先に説明したとおりである。
エネルギー線硬化性基を有する、分子量が100以上80000以下の化合物(a2)が有するエネルギー線硬化性基としては、エネルギー線硬化性二重結合を含む基が挙げられ、好ましいものとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル]プロパン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン等の2官能(メタ)アクリレート;
トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等の多官能(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
組成物(IV−1)及びエネルギー線硬化性樹脂膜形成用フィルムは、前記エネルギー線硬化性成分(a)として前記化合物(a2)を含有する場合、さらにエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)も含有することが好ましい。
前記重合体(b)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
これらの中でも、前記重合体(b)は、アクリル系重合体(以下、「アクリル系重合体(b−1)」と略記することがある)であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル等が挙げられる。
前記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
前記置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等が挙げられる。
前記反応性官能基は、架橋剤の種類等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、架橋剤がポリイソシアネート化合物である場合には、前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられ、これらの中でも、イソシアネート基との反応性が高い水酸基が好ましい。また、架橋剤がエポキシ系化合物である場合には、前記反応性官能基としては、カルボキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられ、これらの中でもエポキシ基との反応性が高いカルボキシ基が好ましい。ただし、半導体ウエハや半導体チップの回路の腐食を防止するという点では、前記反応性官能基はカルボキシ基以外の基であることが好ましい。
組成物(IV−1)における前記熱硬化性成分、充填材、カップリング剤、架橋剤、光重合開始剤、着色剤、及び汎用添加剤の含有量は、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
組成物(IV−1)が含有する溶媒としては、例えば、組成物(III−1)における溶媒と同じものが挙げられる。
組成物(IV−1)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
組成物(IV−1)等のエネルギー線硬化性樹脂膜形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15℃以上30℃以下であることが好ましい。
好ましい非硬化性樹脂膜形成用フィルムとしては、例えば、非硬化性成分(c)を含有する。非硬化性樹脂膜形成用フィルムにおいて、非硬化性成分(c)は、硬化性を有さず、支持シートへの粘着性、及び半導体ウエハ又はチップを保護するために適度な硬度を有することが好ましい。ここで、「非硬化性」とは、先に説明したとおりである。
ここで、「非硬化性樹脂膜形成用フィルムの厚さ」とは、非硬化性樹脂膜形成用フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる非硬化性樹脂膜形成用フィルムの厚さとは、非硬化性樹脂膜形成用フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
非硬化性樹脂膜形成用フィルムは、その構成材料を含有する非硬化性樹脂膜形成用組成物を用いて形成できる。例えば、非硬化性樹脂膜形成用フィルムの形成対象面に非硬化性樹脂膜形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に非硬化性樹脂膜形成用フィルムを形成できる。非硬化性樹脂膜形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、非硬化性樹脂膜形成用フィルムの前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、先に説明したとおりである。
非硬化性樹脂膜形成用組成物としては、例えば、前記非硬化性成分(c)を含有する非硬化性樹脂膜形成用組成物(V−1)(本明細書においては、単に「組成物(V−1)」と略記することがある)等が挙げられる。
組成物(V−1)における前記充填材、カップリング剤、架橋剤、着色剤、及び汎用添加剤の含有量は、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
組成物(V−1)が含有する溶媒としては、例えば、組成物(III−1)における溶媒と同じものが挙げられる。
組成物(V−1)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
組成物(V−1)等の非硬化性樹脂膜形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15℃以上30℃以下であることが好ましい。
前記樹脂膜形成用複合シートは、上述の各層を対応する位置関係及び上述の支持シートの幅(TD方向の最大長さ)に対する樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)の比となるように順次積層することで製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
いずれの方法においても、剥離フィルムは目的とする積層構造を形成後の任意のタイミングで取り除けばよい。
本発明の樹脂膜形成用複合シートは、例えば、樹脂膜形成用フィルムを保護膜として使用する場合、以下に示す方法で使用できる。
すなわち、半導体ウエハの裏面(電極形成面とは反対側の面)に、樹脂膜形成用複合シートをその樹脂膜形成用フィルムによって貼付する。このとき、樹脂膜形成用フィルムの表面に対して平行な方向において、半導体ウエハよりも外側であって、0mm以上20mm以下程度内側の領域の樹脂膜形成用フィルムが露出するように、樹脂膜形成用複合シートを半導体ウエハに貼付することが好ましい。これにより、良好なエキスパンド性が得られる。
次いで、ダイシングによって、半導体ウエハを保護膜ごと分割して半導体チップとする。そして、半導体チップを、この保護膜が貼付された状態のまま(すなわち、保護膜付き半導体チップとして)、基材側から力を加えてエキスパンドして、半導体チップ間のカーフ幅を広げた後、支持シートから引き離してピックアップする。
以降は従来法と同様の方法で、得られた保護膜付き半導体チップを基板の回路面にフリップチップ接続した後、半導体パッケージとする。そして、この半導体パッケージを用いて、目的とする半導体装置を作製すればよい。
なお、樹脂膜形成用フィルムを加熱又はエネルギー線を照射して硬化させる場合、そのタイミングは、上述のとおり、ダイシングの前であってもよく、ダイシングの後であってもよい。中でも、樹脂膜形成用フィルムを加熱又はエネルギー線を照射して硬化させるタイミングは、ダイシングの前であることが好ましい。
・重合体成分
(A)−1:メチルアクリレート85質量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部を共重合してなるアクリル系重合体(重量平均分子量:37万、ガラス転移温度:6℃)
・熱硬化性成分
(B1)−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学製jER828、エポキシ当量184〜194g/eq)
(B1)−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学製jER1055、エポキシ当量800〜900g/eq)
(B1)−3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製エピクロンHP−7200HH、エポキシ当量255〜260g/eq)
(B2)−1:熱活性潜在性エポキシ樹脂硬化剤(ジシアンジアミド(ADEKA製アデカハードナーEH−3636AS、活性水素量21g/eq))
・エネルギー線硬化性成分
(a2)−1:トリシクロデカンジメチロールジアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD R−684」、2官能紫外線硬化性化合物、分子量304)
・エネルギー線硬化性基を有しない重合体
(b)−1:アクリル酸ブチル(以下、「BA」と略記する)(10質量部)、アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(70質量部)、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」と略記する)(5質量部)、及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(15質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂
・硬化促進剤
(C)−1:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製キュアゾール2PHZ)
・充填剤
(D)−1:シリカフィラー(アドマテックス製SC2050MA、平均粒子径0.5μm)
(D)−2:シリカフィラー(溶融石英フィラー、平均粒子径8μm)
・カップリング剤
(E)−1:シランカップリング剤(日本ユニカー製A−1110)
(E)−2:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−503」)
・光重合開始剤
(H)−1:2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン(BASF社製「Irgacure(登録商標)369」)
・着色剤
(I)−1:カーボンブラック(三菱化学社製 #MA650、平均粒径28nm)
(I)−2:フタロシアニン系青色色素(Pigment Blue 15:3)32質量部(固形分)と、イソインドリノン系黄色色素(Pigment Yellow 139)18質量部(固形分)と、アントラキノン系赤色色素(Pigment Red 177)50質量部(固形分)とを混合し、前記3種の色素の合計量/スチレンアクリル樹脂量=1/3(質量比)となるように顔料化して得られた顔料。
<樹脂膜形成用複合シートの製造>
(樹脂膜形成用組成物(III−1)の製造)
固形重量比で、重合体成分(A)−1(150質量部)、熱硬化性成分(B1)−1(60質量部)、(B1)−2(10質量部)、(B1)−3(30質量部)、(B2)−1(2質量部)、硬化促進剤 (C)−1(2質量部)、充填剤(D)−1(320質量部)、カップリング剤(E)−1(2質量部)、及び着色剤(I)−1(1.2質量部)をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、熱硬化性の樹脂膜形成用組成物(III−1)を得た。
アクリル系重合体(100質量部、固形分)、3官能キシリレンジイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製「タケネートD110N」)(6.6質量部、固形分)、及び光重合開始剤(BASF製、商品名「イルガキュア127」)(3.0質量部(固形分)))を含有し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを含有する、固形分濃度が30質量%のエネルギー線硬化性の粘着剤組成物(I−2)を調製した。前記アクリル系重合体は、アクリル酸−2−エチルヘキシル(以下、「2EHA」と略記する)(80質量部)、及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(20質量部)を共重合してなるプレ共重合体に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(21.4質量部、HEA中の水酸基100モル%に対してイソシアネート基が80モル%となる量)を反応させて得られた、重量平均分子量900000のエネルギー線硬化性アクリル系重合体である。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理されてなる剥離フィルムの、前記剥離処理面に、上記で得られた粘着剤組成物(I−2)を塗工し、120℃で2分加熱乾燥させることにより、厚さ10μmのエネルギー線硬化性の粘着剤層を形成した。
次いで、この粘着剤層の露出面に、柔軟性ポリプロピレン製フィルム(厚さ80μm)を貼り合わせることで、支持シート(10)−1を製造した。支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は270mmであった。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた樹脂膜形成用組成物(III−1)をナイフコーターにより塗工し、100℃で2分乾燥させることにより、厚さ25μmの熱硬化性の樹脂膜形成用フィルム(13)−1を作製した。
(ピックアップ工程(エキスパンド時)のチップ間隔の評価)
8インチの半導体ウエハ(厚み:200μm)に、作製した樹脂膜形成用複合シート及びリングフレームをテープマウンター(リンテック社製「Adwill RAD2700」)を用いて貼付し、ダイシングにより2mm×2mmの半導体チップに個片化した後
、紫外線照射装置(リンテック社製、RAD2000m/8、照射条件:照度195mW/cm2、光量170mJ/cm2)を用いて、支持シート側から紫外線を照射した。次いで、エキスパンドを行った。エキスパンド量(突き上げ量)は、10mmを目標に設定した。また、エキスパンドした際のチップ間隔(ワーク中心部間の距離)を測定した。トルクオーバーで10mmまで突き上げられない場合は、突き上げられる量までエキスパンドを行い、そのチップ間隔を測定した。結果を以下の表1に示す。表1において、「D/W」とは、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)Wに対する樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)Dの比を意味する。また、「MD」とは、樹脂の流れ方向(Machine Direction)におけるチップ間隔を意味し、「TD」とは、樹脂の流れ方向(MD方向)に直交する方向(Transverse Direction)におけるチップ間隔を意味する。
なお、チップ間隔の評価基準は以下のように設定した。
A・・・60mm以上 評価OK
B・・・50mm以上60mm未満 評価OK
C・・・40mm以上50mm未満 評価NG
D・・・40mmより下 評価NG
また、樹脂膜飛散は、ウエハ外周に樹脂膜が飛散しているか否かを目視で判定した。
<樹脂膜形成用複合シートの製造>
(樹脂膜形成用組成物(III−1)の製造)
実施例1と同様の方法を用いて、熱硬化性の樹脂膜形成用組成物(III−1)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、粘着剤組成物(I−2)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、支持シート(10)−1を得た。支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は、290mmであった。
樹脂膜形成用フィルムを、その外径が200mm、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)が270mm、治具用粘着剤層の内径が250mmとなるように貼付した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、樹脂膜形成用複合シートを作製した。
(ピックアップ工程(エキスパンド時)のチップ間隔の評価)
実施例1と同様の方法を用いて、チップ間隔を評価した。結果を以下の表1に示す。
<樹脂膜形成用複合シートの製造>
(樹脂膜形成用組成物(III−1)の製造)
実施例1と同様の方法を用いて、熱硬化性の樹脂膜形成用組成物(III−1)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、粘着剤組成物(I−2)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、支持シート(10)−1を得た。支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は、290mmであった。
樹脂膜形成用フィルムを、その外径が160mm、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)が270mm、治具用粘着剤層の内径が245mmとなるように貼付した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、樹脂膜形成用複合シートを作製した。
(ピックアップ工程(エキスパンド時)のチップ間隔の評価)
6インチの半導体ウエハを用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、チップ間隔を評価した。結果を以下の表1に示す。
<樹脂膜形成用複合シートの製造>
(樹脂膜形成用組成物(IV−1)の製造)
エネルギー線硬化性成分(a2)−1(20質量部(固形分))、エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)−1(22質量部(固形分))、充填剤(D)−2(60質量部)、カップリング剤(E)−2(0.5質量部(固形分))、光重合開始剤(H)−1(0.6質量部)、及び着色剤(I)−2(1.5質量部(固形分))をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が50質量%であるエネルギー線硬化性の樹脂膜形成用組成物(IV−1)を得た。
アクリル系重合体(100質量部、固形分)、及び3官能キシリレンジイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製「タケネートD110N」)(30質量部(固形分))を含有し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを含有する、固形分濃度が30質量%の非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(I−4)を調製した。前記アクリル系重合体は、2EHA(80質量部)、及びHEA(20質量部)を共重合してなる重量平均分子量900000のプレ共重合体である。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理されてなる剥離フィルムの、前記剥離処理面に、上記で得られた粘着剤組成物(I−4)を塗工し、120℃で2分加熱乾燥させることにより、厚さ10μmの非エネルギー線硬化性の粘着剤層を形成した。
次いで、この粘着剤層の露出面に、柔軟性ポリプロピレン製フィルム(厚さ80μm)を貼り合わせることで、支持シート(10)−2を製造した。支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は270mmであった。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた樹脂膜形成用組成物(IV−1)をナイフコーターにより塗工し、100℃で2分乾燥させることにより、厚さ25μmの熱硬化性の樹脂膜形成用フィルム(13)−2を作製した。
(ピックアップ工程(エキスパンド時)のチップ間隔の評価)
実施例1と同様の方法を用いて、チップ間隔を評価した。結果を以下の表1に示す。
<樹脂膜形成用複合シートの製造>
(樹脂膜形成用組成物(III−1)の製造)
実施例1と同様の方法を用いて、熱硬化性の樹脂膜形成用組成物(III−1)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、粘着剤組成物(I−2)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、支持シート(10)−1を得た。支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は、270mmであった。
支持シートの流れ方向(幅方向)において、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)(270mm)と同じ大きさの樹脂膜形成用フィルム(幅(TD方向の最大長さ):270mm)を用いて、治具用粘着剤層の内径が245mmとなるように貼付した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、樹脂膜形成用複合シートを作製した。
(ピックアップ工程(エキスパンド時)のチップ間隔の評価)
実施例1と同様の方法を用いて、チップ間隔を評価した。結果を以下の表1に示す。
<樹脂膜形成用複合シートの製造>
(樹脂膜形成用組成物(III−1)の製造)
実施例1と同様の方法を用いて、熱硬化性の樹脂膜形成用組成物(III−1)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、粘着剤組成物(I−2)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、支持シート(10)−1を得た。支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は、270mmであった。
樹脂膜形成用フィルムを、その外径が250mm、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)が270mm、治具用粘着剤層の内径が245mmとなるように貼付した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、樹脂膜形成用複合シートを作製した。
(ピックアップ工程(エキスパンド時)のチップ間隔の評価)
実施例1と同様の方法を用いて、チップ間隔を評価した。結果を以下の表1に示す。
<樹脂膜形成用複合シートの製造>
(樹脂膜形成用組成物(III−1)の製造)
実施例1と同様の方法を用いて、熱硬化性の樹脂膜形成用組成物(III−1)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、粘着剤組成物(I−2)を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、支持シート(10)−1を得た。支持シートの幅(TD方向の最大長さ)は、270mmであった。
樹脂膜形成用フィルムを、その外径が260mm、支持シートの幅(TD方向の最大長さ)が270mm、治具用粘着剤層の内径が245mmとなるように貼付した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、樹脂膜形成用複合シートを作製した。
(ピックアップ工程(エキスパンド時)のチップ間隔の評価)
実施例1と同様の方法を用いて、チップ間隔を評価した。結果を以下の表1に示す。
Claims (3)
- 支持シート上に前記支持シートよりもサイズの小さい樹脂膜形成用フィルムを備えてなり、
前記支持シートの幅(TD方向の最大長さ)に対する前記樹脂膜形成用フィルムの幅(TD方向の最大長さ)の比が0.55以上0.92以下である、樹脂膜形成用複合シート。 - 前記支持シートが粘着剤層を有し、前記樹脂膜形成用フィルムと前記粘着剤層とが直接接触している、請求項1に記載の樹脂膜形成用複合シート。
- 前記樹脂膜が保護膜である、請求項1又は2に記載の樹脂膜形成用複合シート。
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