JP2019061812A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温保存特性を改善することが可能なリチウムイオン二次電池を提供すること。【解決手段】正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に位置するセパレータと、電解液とを備えるリチウムイオン二次電池であって、前記正極がリチウムバナジウム化合物を含み、前記電解液がカルボン酸エステルおよび、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、携帯電話やパソコン等の電子機器の小型化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。また、このような状況下において、充放電容量が大きく、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウムイオン二次電池用の電解液は、電解質であるリチウム塩と非水系の有機溶媒とから構成される。非水系の有機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現させること、及び電池中で安定であることが要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成することは困難であるので、通常はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等に代表される高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の低粘度溶媒とを組み合わせて使用するのが一般的である。
リチウムイオン二次電池の高出力化においては、電解液を低粘度化させることは非常に有用である。例えば、低粘度溶媒の一つにカルボン酸エステルという溶媒があり、これを用いた場合に特に低温の出力特性の改善を図る技術が報告されている。(特許文献1)
しかしながら、従来技術の方法では未だ諸特性は満足されず、特にラミネート電池で問題となる、高温保存試験時に発生するガスの抑制が求められている。
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温保存特性を改善することが可能なリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、上記正極と上記負極の間に位置するセパレータと、電解液とを備えるリチウムイオン二次電池であって、上記正極がリチウムバナジウム化合物を含み、上記電解液がカルボン酸エステルおよび、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤を含むことを特徴とする。
これによれば、炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤がリチウムバナジウム化合物中のバナジウムイオンに配位し、触媒的に重合反応が促進され、分子量の高く化学的に安定な皮膜が形成される。これにより、正極表面と電解液との反応が抑制され、高温保存特性が改善する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池はさらに、上記添加剤の分子量が、150g/mol以下であることが好ましい。
これによれば、添加剤の分子量として好適であり、より強くリチウムバナジウム化合物中のバナジウムイオンに配位するため、高温保存特性が更に改善する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池はさらに、上記添加剤が、ビニレンカーボネートまたはビニルエチレンカーボネートであることが好ましい。
これによれば、添加剤として好適であり、高温保存特性が更に改善する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池はさらに、上記カルボン酸エステルが、下記化学式(1)で表されることが好ましい。
(ここで、R1およびR2は炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基または置換アルキル基であり、R1とR2の炭素数の合計が5以下である。)
(ここで、R1およびR2は炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基または置換アルキル基であり、R1とR2の炭素数の合計が5以下である。)
これによれば、カルボン酸エステルとして好適であり、高温保存特性が更に改善する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池はさらに、上記カルボン酸エステルが、プロピオン酸エステルまたは酢酸エステルであることが好ましい。
これによれば、カルボン酸エステルとして好適であり、高温保存特性が更に改善する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池はさらに、上記カルボン酸エステルが、前記電解液中に50体積%以上90体積%以下含まれることが好ましい。
これによれば、カルボン酸エステルの比率として好適であり、高温保存特性が更に改善する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池はさらに、上記リチウムバナジウム化合物がLiVOPO4であることが好ましい。
本発明によれば、高温保存特性を改善することが可能なリチウムイオン二次電池が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
<リチウムイオン二次電池>
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える積層体30と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード60とを備える。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える積層体30と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード60とを備える。
正極10は、正極集電体12と、正極集電体12上に形成された正極活物質層14と、を有する。また、負極20は、負極集電体22と、負極集電体22上に形成された負極活物質層24と、を有する。セパレータ18は、負極活物質層24と正極活物質層14との間に位置している。
<正極>
本発明に係る正極は、リチウムバナジウム化合物を含むものである。
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
本発明に係る正極は、リチウムバナジウム化合物を含むものである。
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層14は、正極活物質、正極用バインダー、および正極用導電助剤から主に構成されるものである。
正極活物質層14は、正極活物質、正極用バインダー、および正極用導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
本実施形態に係る正極活物質は、リチウムバナジウム化合物を含む。
本実施形態に係る正極活物質は、リチウムバナジウム化合物を含む。
上記正極活物質はバナジウムイオンを含むため、本実施形態に係る電解液中の炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤に配位し、触媒的に重合反応を促す。このため、分子量の高く化学的に安定な皮膜が正極活物質上に形成され、これがカルボン酸エステルとの反応を抑制するため、高温保存特性の改善効果が得られる。
本実施形態に係る正極活物質はさらに、Lia(M)b(PO4)c(ただし、M=VOまたはV、かつ、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)であることが好ましく、LiVOPO4であることがより好ましい。
上記正極活物質を使用した正極の場合、本実施形態に係る電解液と組み合わせた際に、より高温保存特性の改善効果が得られる。
(正極用バインダー)
正極用バインダーは正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質層14と正極用集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等が挙げられる。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物と、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩とを複合化させたもの等が挙げられる。
正極用バインダーは正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質層14と正極用集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等が挙げられる。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物と、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩とを複合化させたもの等が挙げられる。
正極活物質層14中のバインダーの含有量は特に限定されないが、添加する場合には正極活物質の質量に対して0.5〜5質量部であることが好ましい。
(正極用導電助剤)
正極用導電助剤としては、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
正極用導電助剤としては、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
<負極>
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層24は、負極活物質、負極用バインダー、および負極用導電助剤から主に構成されるものである。
負極活物質層24は、負極活物質、負極用バインダー、および負極用導電助剤から主に構成されるものである。
(負極活物質)
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)を可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、グラファイト、ハードカーボン等の炭素系材料、酸化シリコン(SiOx)金属シリコン(Si)等の珪素系材料、チタン酸リチウム(LTO)等の金属酸化物、リチウム、スズ、亜鉛等の金属材料が挙げられる。
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)を可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、グラファイト、ハードカーボン等の炭素系材料、酸化シリコン(SiOx)金属シリコン(Si)等の珪素系材料、チタン酸リチウム(LTO)等の金属酸化物、リチウム、スズ、亜鉛等の金属材料が挙げられる。
負極活物質として金属材料を用いない場合、負極活物質層24は更に、負極用バインダーおよび負極用導電助剤を含んでいてもよい。
(負極用バインダー)
負極用バインダーとしては特に限定は無く、上記で記載した正極用バインダーと同様のものを用いることができる。
負極用バインダーとしては特に限定は無く、上記で記載した正極用バインダーと同様のものを用いることができる。
(負極用導電助剤)
負極用導電助剤としては特に限定は無く、上記で記載した正極用導電助剤と同様のものを用いることができる。
負極用導電助剤としては特に限定は無く、上記で記載した正極用導電助剤と同様のものを用いることができる。
<電解液>
本実施形態に係る電解液は、カルボン酸エステルおよび、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤を含むものである。
本実施形態に係る電解液は、カルボン酸エステルおよび、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤を含むものである。
これによれば、炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤がバナジウムイオンに配位し、触媒的に重合反応が促進され、分子量の高く化学的に安定な皮膜が形成される。これにより、正極表面とカルボン酸エステルとの反応が抑制され、高温保存特性が改善する。
本実施形態に係る電解液はさらに、上記添加剤の分子量が、150g/mol以下であることが好ましい。上記範囲であれば添加剤として特に限定はないが、アルカン、アルケンのような非芳香族不飽和炭素−炭素結合を有する構造であることがより好ましい。
これによれば、添加剤の分子量として好適であり、より強くリチウムバナジウム化合物中のバナジウムイオンに配位するため、高温保存特性が更に改善する。
本実施形態に係る電解液はさらに、上記添加剤が、ビニレンカーボネートまたはビニルエチレンカーボネートであることが好ましい。
これによれば、添加剤として好適であり、高温保存特性が更に改善する。
本実施形態に係る電解液はさらに、上記カルボン酸エステルが、化学式(1)で表されることが好ましく、プロピオン酸エステルまたは酢酸エステルであることがより好ましい。
(ここで、R1およびR2は炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基または置換アルキル基であり、R1とR2の炭素数の合計が5以下である。)
(ここで、R1およびR2は炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基または置換アルキル基であり、R1とR2の炭素数の合計が5以下である。)
これによれば、カルボン酸エステルとして好適であり、高温保存特性が更に改善する。
本実施形態に係る電解液はさらに、カルボン酸エステルが、前記電解液中に50体積%以上90体積%以下含まれることが好ましい。
これによれば、カルボン酸エステルの比率として好適であり、高温保存特性が更に改善する。
(その他の溶媒)
本実施形態に係る電解液は、上記カルボン酸エステル以外にも一般にリチウムイオン二次電池に用いられている溶媒を用いることが出来る。上記溶媒としては特に限定はなく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート化合物、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネート化合物、等を任意の割合で混合して用いることができる。
本実施形態に係る電解液は、上記カルボン酸エステル以外にも一般にリチウムイオン二次電池に用いられている溶媒を用いることが出来る。上記溶媒としては特に限定はなく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート化合物、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネート化合物、等を任意の割合で混合して用いることができる。
(電解質)
電解質は、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩であれば特に限定は無く、例えば、LiPF6、LiBF4、リチウムビスオキサレートボラート等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
電解質は、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩であれば特に限定は無く、例えば、LiPF6、LiBF4、リチウムビスオキサレートボラート等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(正極の作製)
リチウムバナジウム化合物としてLiVOPO485質量部、カーボンブラック5質量部、PVDF10質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、正極活物質層形成用のスラリーを調整した。このスラリーを、厚さ20μmのアルミ金属箔の一面に、正極活物質の塗布量が9.0mg/cm2となるように塗布し、100℃で乾燥することで正極活物質層を形成した。その後、ローラープレスによって加圧成形し、正極を作製した。
(正極の作製)
リチウムバナジウム化合物としてLiVOPO485質量部、カーボンブラック5質量部、PVDF10質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、正極活物質層形成用のスラリーを調整した。このスラリーを、厚さ20μmのアルミ金属箔の一面に、正極活物質の塗布量が9.0mg/cm2となるように塗布し、100℃で乾燥することで正極活物質層を形成した。その後、ローラープレスによって加圧成形し、正極を作製した。
(負極の作製)
天然黒鉛90質量部、カーボンブラック5質量部、PVDF5質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、負極活物質層形成用のスラリーを調整した。上記スラリーを、厚さ20μmの銅箔の一面に、負極活物質の塗布量が6.0mg/cm2となるように塗布し、100℃で乾燥することで負極活物質層を形成した。その後、ローラープレスによって加圧成形し、負極を作製した。
天然黒鉛90質量部、カーボンブラック5質量部、PVDF5質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、負極活物質層形成用のスラリーを調整した。上記スラリーを、厚さ20μmの銅箔の一面に、負極活物質の塗布量が6.0mg/cm2となるように塗布し、100℃で乾燥することで負極活物質層を形成した。その後、ローラープレスによって加圧成形し、負極を作製した。
(電解液の作製)
カルボン酸エステルとしてプロピオン酸エチルを用い、体積比でEC:プロピオン酸エチル=30:70の組成比となるように調整し、これに1.0mol/Lの濃度となるようにLiPF6を溶解させた。その後、添加剤としてビニレンカーボネートを2.0wt%添加し、電解液を作製した。
カルボン酸エステルとしてプロピオン酸エチルを用い、体積比でEC:プロピオン酸エチル=30:70の組成比となるように調整し、これに1.0mol/Lの濃度となるようにLiPF6を溶解させた。その後、添加剤としてビニレンカーボネートを2.0wt%添加し、電解液を作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した正極および負極と、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んでアルミラミネートパックに入れた。このアルミラミネートパックに、上記で作製した電解液を注入した後、真空シールし、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
上記で作製した正極および負極と、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んでアルミラミネートパックに入れた。このアルミラミネートパックに、上記で作製した電解液を注入した後、真空シールし、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
(高温保存試験時ガス量の測定)
上記で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、充電レート0.5C(25℃で定電流充電を行ったときに2時間で充電終了となる電流値)の定電流充電で、電池電圧が4.2Vとなるまで充電を行った。充電終了後、アルミラミネートパックの一部に切れ込みを入れてガス抜きを行い、再び真空シールした。この電池の体積をアルキメデス法にて測定し、高温保存試験前の電池体積V1を求めた。
上記で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、充電レート0.5C(25℃で定電流充電を行ったときに2時間で充電終了となる電流値)の定電流充電で、電池電圧が4.2Vとなるまで充電を行った。充電終了後、アルミラミネートパックの一部に切れ込みを入れてガス抜きを行い、再び真空シールした。この電池の体積をアルキメデス法にて測定し、高温保存試験前の電池体積V1を求めた。
上記で電池体積V1を求めた電池を、温度を85℃に設定した恒温槽(エスペック株式会社製)内で4時間静置させた。4時間後、電池を取り出して室温で15分間放熱させた後、再びアルキメデス法にて電池体積を測定し、高温保存試験後の電池体積V2を求めた。
上記で求めた高温保存試験前後の体積V1、V2から、式(2)に従い、高温保存試験時のガス発生量Vを求めた。得られた結果を表1に示す。
V=V2−V1 ・・・(2)
V=V2−V1 ・・・(2)
[実施例2]
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例2の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例2の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例3]
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例3の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例3の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例4]
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例4の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例4の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例5]
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例5の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例5の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例6]
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例6の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例6の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例7]
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例7の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例7の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例8]
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例8の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例8の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例9]
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例9の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いた添加剤の添加量を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例9の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例10]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例10の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例10の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例11]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例11の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例11の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例12]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例12の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例12の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例13]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例13の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例13の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例14]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例14の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例14の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例15]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例15の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例15の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例16]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例16の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例16の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例17]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例17の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例17の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例18]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例18の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例18の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例19]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例19の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例19の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例20]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例20の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例20の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例21]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例21の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例21の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例22]
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例22の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、表1に示した通りに変更した以外は実施例16と同様として、実施例22の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例23]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例23の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例23の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例24]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例24の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例24の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例25]
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例25の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたカルボン酸エステルを、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例25の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例26]
正極の作製で用いたリチウムバナジウム化合物を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例26の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
正極の作製で用いたリチウムバナジウム化合物を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例26の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例27]
正極の作製で用いたリチウムバナジウム化合物を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例27の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
正極の作製で用いたリチウムバナジウム化合物を、表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、実施例27の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例1]
電解液の組成比を、カルボン酸エステルを用いず表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、比較例1の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、カルボン酸エステルを用いず表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様として、比較例1の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例2]
電解液の作製において添加剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較例2の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製において添加剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較例2の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例3]
電解液の組成比を、カルボン酸エステルを用いず表1に示した通りに変更した以外は実施例26と同様として、比較例3の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、カルボン酸エステルを用いず表1に示した通りに変更した以外は実施例26と同様として、比較例3の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例4]
電解液の組成比を、カルボン酸エステルを用いず表1に示した通りに変更した以外は実施例27と同様として、比較例4の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の組成比を、カルボン酸エステルを用いず表1に示した通りに変更した以外は実施例27と同様として、比較例4の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例5]
正極の作製で作製した正極活物質層形成用のスラリーの組成を、LiCoO285質量部、カーボンブラック5質量部、PVDF10質量部とし、正極を作製した。それ以外は実施例1と同様として、比較例5の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
正極の作製で作製した正極活物質層形成用のスラリーの組成を、LiCoO285質量部、カーボンブラック5質量部、PVDF10質量部とし、正極を作製した。それ以外は実施例1と同様として、比較例5の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例2〜27、および比較例1〜5で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、実施例1と同様に、高温保存試験時ガス量の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜27はいずれも、カルボン酸エステル用いなかった比較例1に対し、高温保存試験時ガス量が減少した。同様に、添加剤を用いなかった比較例2に対しても、高温保存試験時ガス量が減少した。
実施例1〜5の結果から、添加剤の分子量が150g/mol以下とすることで、高温保存試験時ガス量がより低減することが確認された。また、添加剤として、ビニレンカーボネートまたはビニルエチレンカーボネートを用いることで、高温保存試験時ガス量がより低減することが確認された。
実施例6〜9の結果から、添加剤の添加量を最適化することで、高温保存試験時ガス量がより低減することが確認された。
実施例10〜11、および実施例16〜18の結果から、カルボン酸の総炭素数を5以下とすることで、高温保存試験時ガス量がより低減することが確認された。
実施例23〜25の結果から、カルボン酸エステルとしてプロピオン酸または酢酸エステルを用いることで、高温保存試験時ガス量がより低減することが確認された。
実施例12〜15、および実施例19〜22の結果から、電解液の組成を最適化することで、高温保存試験時ガス量がより低減することが確認された。
実施例26および27と、比較例3および4の結果から、リチウムバナジウム化合物としてLiVOPO4を用いた場合、高温保存試験時ガス量がより低減することが確認された。
本発明により、高温保存特性を改善することが可能なリチウムイオン二次電池が提供される。
10…正極、12…正極集電体、14…正極活物質層、18…セパレータ、20…負極、22…負極集電体、24…負極活物質層、30…積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池。
Claims (7)
- 正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に位置するセパレータと、電解液とを備えるリチウムイオン二次電池であって、
前記正極がリチウムバナジウム化合物を含み、
前記電解液がカルボン酸エステルおよび、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する添加剤を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 前記添加剤の分子量が、150g/mol以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記添加剤が、ビニレンカーボネートまたはビニルエチレンカーボネートであることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記カルボン酸エステルが、プロピオン酸エステルまたは酢酸エステルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記カルボン酸エステルが、前記電解液中に50体積%以上90体積%以下含まれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記リチウムバナジウム化合物がLiVOPO4であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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- 2017-09-26 JP JP2017184258A patent/JP2019061812A/ja active Pending
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