JP2019060724A - 渦電流探傷装置 - Google Patents

渦電流探傷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019060724A
JP2019060724A JP2017185534A JP2017185534A JP2019060724A JP 2019060724 A JP2019060724 A JP 2019060724A JP 2017185534 A JP2017185534 A JP 2017185534A JP 2017185534 A JP2017185534 A JP 2017185534A JP 2019060724 A JP2019060724 A JP 2019060724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
eddy current
inspection object
magnetic field
canister
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017185534A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6782930B2 (ja
Inventor
浩成 荒井
Hiroshige Arai
浩成 荒井
彰宏 秦
Akihiro Shin
彰宏 秦
隆明 山田
Takaaki Yamada
隆明 山田
弘 東
Hiroshi Azuma
弘 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON DENSOKUKI KK
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
NIPPON DENSOKUKI KK
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON DENSOKUKI KK, Hitachi Zosen Corp filed Critical NIPPON DENSOKUKI KK
Priority to JP2017185534A priority Critical patent/JP6782930B2/ja
Priority to PCT/JP2018/019510 priority patent/WO2019064684A1/ja
Priority to US16/650,866 priority patent/US11143621B2/en
Priority to TW107133669A priority patent/TWI789431B/zh
Publication of JP2019060724A publication Critical patent/JP2019060724A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6782930B2 publication Critical patent/JP6782930B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
    • G01N27/82Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws
    • G01N27/90Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents
    • G01N27/9006Details, e.g. in the structure or functioning of sensors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
    • G01N27/82Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws
    • G01N27/90Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents
    • G01N27/9046Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents by analysing electrical signals
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/20Metals
    • G01N33/207Welded or soldered joints; Solderability

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

【課題】渦電流探傷装置による検査の対象となる検査対象物へ磁界をかける磁界形成用磁石について、高い磁力と耐熱性とを両立する。【解決手段】検査対象物30へ磁界をかける磁界形成用磁石60を第1の磁石60aと第2の磁石60bとで構成し、第1の磁石60aは高い磁力を有するものとし、第1の磁石60aの近方端部62(検査対象物30側の端部)に、第1の磁石60aよりも耐熱性が高い第2の磁石60bを取り付ける。【選択図】図3

Description

本発明は、渦電流探傷装置、特に磁気飽和法を用いた渦電流探傷装置に関するものである。
従来、導電性材料からなる構造物表面(被検体、検査対象物)に傷(欠陥)が生じているかどうかを検査するための探傷装置として、特許文献1に記載されているような渦電流探傷装置が用いられることがある。この装置によれば、検査対象物に渦電流を発生させ、その渦電流の強度および流れの形の変化を検出することで、検査対象物に傷が生じているかどうかを調べることができる。また傷がある場合にはその傷の位置、形状、深さを調べることもできる。
検査対象物の表面に透磁率が別々になっている複数の領域がある場合(透磁率が不均一の場合)、例えば検査対象物が非磁性体の材料をベースとし、一部に溶接が施されたものである場合、その表面は基本的には非磁性体であるが、溶接個所付近は不規則な磁界を有する磁性体となっている。このように表面に磁性体の領域と非磁性体の領域が混在して現われているような場合には、これらの領域をまたいで探傷装置による検査を行うと、領域間の透磁率変化が原因となって検査結果にノイズが現れる。このノイズの問題への対策として、磁気飽和を利用する手法がある。この手法では、検査対象物に強力な均一磁界をかけることで、検査領域に生じている不規則な磁界を打ち消し、検査対象物を磁気飽和状態、すなわち磁性体と非磁性体との間で透磁率にほとんど差がなくなる状態とする。この磁気飽和状態であれば、検査対象物の表面の透磁率が不均一であることに起因するノイズが大幅に低減される。このため検査対象物表面に不均一な磁界を有する磁性体を含む領域があっても傷の検知が可能となる。
このような磁気飽和状態を形成するために磁石を用いることができる。ところで磁石には、温度を上昇させた場合、磁力は低下(減磁)し、その磁石に固有のキュリー温度で完全に消磁されるという性質がある。また磁石は、ある程度の高温に達すると、その後冷却しても低下した磁力は元に戻らない非可逆性減磁特性を示す。先に述べた磁気飽和状態を形成するためには強力な磁石が必要となるため、強力な磁力を有するネオジム磁石を用いることが考えられる。しかし、このネオジム磁石の中で温度耐性が高く、150度の高温で用いることが出来るとされているものであっても、そのキュリー温度は摂氏300度程度である。そして標準的なネオジム磁石では、一旦80度以上になると、その後冷却しても元の磁力には回復しない。
特許第4885068号公報
ここで、検査対象物が焼却設備の排気ダクトであったり、使用済み核燃料が封入されたキャニスタ(金属製筒型容器)であったりすると、検査対象物の表面は非常に高温となる。例えば検査対象物の表面が摂氏200度になっていると、前述のネオジム磁石は検査対象物に近づくと磁力が低下してしまい、検査対象物を磁気飽和させることができなくなる。検査対象物30へ確実に磁界をかけるためには磁石を検査対象物へできるだけ近づけることが好ましく、可能であれば検査対象物へ磁石を接触させるべきであるが、ネオジム磁石は高温の検査対象物へ接近させたり接触させたりすることができない。
一方、耐熱性の高い磁石は磁力が低い。例えばサマリウムコバルト磁石(サマコバ磁石)はキュリー温度が摂氏700〜800度程度であり、実用上も摂氏350度程度までの高温下で有効に利用できる。ところがこのサマリウムコバルト磁石の磁力はネオジム磁石ほど強くないため、十分に検査対象物を磁気飽和させることができない。
そこで本発明においては、高い磁力と耐熱性とを両立した磁界形成用磁石を備えた渦電流探傷装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る渦電流探傷装置は、検査対象物に渦電流を発生させ、前記渦電流の変化を検出することにより前記検査対象物の表面の状態を検査する渦電流探傷装置において、前記渦電流の変化を検出するための検出部と、前記検出部の外側に配置され、前記検査対象物に磁界をかける磁界形成用磁石とを備え、前記磁界形成用磁石が、第1の磁石と、前記第1の磁石の前記検査対象物側の端部に取り付けられた第2の磁石とを含み、前記第2の磁石のキュリー温度が、前記第1の磁石よりも高いことを特徴とする。
また好ましくは前記第1の磁石が、ネオジム磁石からなり、前記第2の磁石が、サマリウムコバルト磁石からなるものであるとよい。
また好ましくは、前記第1の磁石の、前記検査対象物から遠方となる端部に、強磁性体からなる端部被覆板が取り付けられているとよい。
また好ましくは、前記第2の磁石が、摂氏200度以上の温度となる前記検査対象物の表面に向けられるとよい。
さらに好ましくは、前記検査対象物が、使用済み核燃料が封入される金属製のキャニスタであり、前記キャニスタがオーステナイト系ステンレス鋼を材料として製造されたものであり、前記キャニスタにはオーステナイト系ステンレス鋼同士の溶接が行われた溶接部があり、渦電流探傷装置は前記溶接部に渦電流を発生させて前記キャニスタの外表面における傷の有無を検査するものであるとよい。
本発明に係る渦電流探傷装置によれば、高い磁力と耐熱性とを両立した磁界形成用磁石を備えた渦電流探傷装置を提供することができる。
本発明の実施形態の一例において渦電流探傷装置による検査の対象となるキャニスタを示す図。 検査プローブの構造の一例を模式的に示す図。 ノイズが含まれる検出信号とノイズが除去された検出信号を示す図。 磁界形成用磁石の構造を示す図。 磁界形成用磁石に端部被覆板が取り付けられた様子を示す図。 検出信号にノイズが含まれている場合を示すグラフ。 検出信号からノイズが除去された場合を示すグラフ。
図1に、本発明の実施形態の一例において渦電流探傷装置によって傷の検査(探傷)が行われる対象(検査対象物)となるキャニスタ20を示す。このキャニスタ20は金属製の筒型容器であり、その内部には使用済み核燃料が封入される。キャニスタ20は図1に示すようにコンクリート製の大型容器(コンクリートキャスク10)内に入れられた状態で、都市部から離れた地域、典型的には沿岸部に保管される。
コンクリートキャスク10の下方には径方向に貫通する空気導入路14が設けられており、上方には径方向に貫通する空気排出路15が設けられている。外部空気が空気導入路14から取り入れられ、空気排出路15から排出される過程で、外部空気がキャニスタ20の側面に触れることにより、封入された使用済み核燃料の崩壊熱によって加熱されるキャニスタ20の冷却が行われる。
ここで、コンクリートキャスク10が沿岸部で保管されている場合、沿岸部の空気には海塩が含まれているため、外部空気に触れるキャニスタ20の表面には塩化物によって錆や腐食が生じるおそれがある。そして、錆や腐食の生じた箇所に引張応力がかかっていると、その箇所に応力腐食割れ(SCC:Stress Corrosion Cracking)が生じることがある。そこで、キャニスタ20は定期的にコンクリートキャスク10から抜き出され、その表面にSCCが生じていないかどうかの検査(探傷)が行われる。
キャニスタ20は図1に示すように、底付きの円筒形状の本体と、その上部開口を閉ざす蓋22とで構成されている。キャニスタ20の本体と蓋22とは、溶接によって固着されており、図1に示すように、その溶接の跡が蓋溶接部26として残る。またキャニスタ20の本体側面は、長方形状の金属板を円筒状に湾曲させ、その金属板の両端同士を溶接することで形成される。この溶接の跡も、図1に示すように側面溶接部24として残る。こうした側面溶接部24や蓋溶接部26には引張応力がかかり易いため、これらの箇所にSCCが発生する可能性が高い。そのため、特にこれら側面溶接部24や蓋溶接部26において探傷を行うことが重要である。
図2に、渦電流探傷装置40を用いた探傷の様子を概略的に示す。渦電流探傷装置40は検出プローブ50を備えている。この検出プローブ50からは交番磁界が発生するようになっており、交番磁界が検査対象物30(ここではキャニスタ20の側壁、蓋、底面など)の表面に接近すると、検査対象物30の外表面を構成する金属(キャニスタ20の場合は一般的にオーステナイト系ステンレス鋼)に渦電流が発生する。この渦電流から発生する磁束は検出プローブ50によって検知され、検知された磁束密度の大きさや波形を基にして検査対象物30表面の状態が判定される。
図2に、渦電流探傷装置40の構造の一例を模式的に示す。渦電流探傷装置40は、検査プローブ50と制御器42を備えている。検査プローブ50は検査対象物30表面に発生する渦電流の変化を検出するための検出部54を有する。また制御器42は、検査プローブ50から受信した検出信号を処理する機能を備えている。
ここでは、検出部54の下端面は検査対象物30の表面と向かい合うように配置されており、この下端面が、検査対象物30に発生する渦電流から生じる磁束を受ける検査プローブ50の検出面55となる。
ここで、検査対象物30の表面がどのように交番磁界に対して反応するかは、検査対象物30の材料自体が持つ性質によって異なる。検査範囲内において材料の性質が均一であれば他の部分に比べて交番磁界に対する反応が異なる部分を探すことで探傷を行うことができるが、材料の性質、特に透磁率が位置によって異なっていると、傷32がなくとも位置によって交番磁界に対する反応が異なることとなり、検査に影響を及ぼすノイズが発生するため、探傷が困難となる。したがってこのようなノイズは可能な限り除去されることが望ましい。
図2では、検査対象物30の表面の一部に、周りと異なる透磁率を持つ異種材料からなる異種材料部35が現れているものとしている。例えば検査対象物30が図1に示すキャニスタ20である場合、側面溶接部24や蓋溶接部26(溶接部)に異種材料が現れることがある。具体的には、キャニスタ20がオーステナイト系ステンレス鋼で構成されている場合、溶接部にはフェライト系の合金が現れる可能性がある。すなわち、溶接の過程でオーステナイト系ステンレス鋼が融解した際、その成分である鉄(Fe),クロム(Cr),ニッケル(Ni),モリブデン(Mo),そして炭素(C)などの原子配列が乱されるため、溶接の完了後、表面にはオーステナイト系ステンレス鋼と異なる原子配列を持つ合金が現れることになり、場合によってはフェライト系合金が現れることもある。このように検査対象物30表面の透磁率が不均一な場合において、検出信号にノイズが現れる様子と、磁界形成用磁石60を用いることによりノイズが除去される様子を、図3に示している。
フェライト系合金が存在する位置では磁界の向きに乱れが生じるため、表面に傷32がなくともフェライト系合金が存在する位置では検査プローブ50が検出する検出信号に変化が現れてしまう。このため、フェライト系合金が表面に現われる溶接部においては、検出信号の変化が傷32に起因するものなのか、フェライト系合金に起因するものなのかを判別することが困難である。具体的には図2に示すように、検査対象物30の表面にフェライト系合金が現れて異種材料部35が形成されている場合、検査プローブ50から発せられる交番磁界の磁束が異種材料部35の位置で乱されることとなり、この位置の上方を検査プローブ50が通過した際、検出信号にノイズが生じる(図3のグラフZ1)。そのため、異種材料部35内に傷32があっても、傷32に起因する検出信号の変化を発見することが困難である。
ここで、図2に仮想線で示すように、磁界形成用磁石60を検査プローブ50の外側に配置しておくと、この磁界形成用磁石60から発せられる磁界を受けた検査対象物30と異種材料部35の透磁率が変化する。磁界形成用磁石60の磁界の強さが適切に設定されていれば、検査対象物30と異種材料部35の透磁率がほぼ等しくなる。そのため、検査プローブ50から発せられる交番磁界に対する反応が異種材料部35とそれ以外とでほぼ等しくなるため、検出信号が強くなるのは傷32の位置のみとなる(図3のグラフZ2)。
このように、磁界形成用磁石60によって強力な磁界を検査対象物30へかけることにより、図3のグラフZ2のようにフェライト系合金に起因する検出信号の変化(ノイズ)を有意に除去することができる。しかしながら、検査対象物30が図1に示すような使用済み核燃料が封入されるキャニスタ20である場合は、キャニスタ20表面は非常に高温、典型的には摂氏200度以上となるため、磁界形成用磁石60はその高温に耐えられるものでなくてはならない。しかし前述の通り、一般的に磁力の強い磁石は耐熱性が低く、耐熱性の高い磁石は磁力が低い。
そこで本実施形態においては、図4に示すように、磁界形成用磁石60を第1の磁石60aと、第2の磁石60bとで構成する。第1の磁石60aは第2の磁石60bに比べ磁力の強いものとし、第2の磁石60bは第1の磁石60aに比べ耐熱性の高いものとする。具体例としては、第1の磁石60aをネオジム磁石とし、第2の磁石60bをサマリウムコバルト磁石とする。
ここで耐熱性というのは、加熱された磁石がその後冷却されても不可逆に磁力が低下したままとなってしまう加熱時の温度上限の高さであり、一般的にキュリー温度が高い物質ほどこの耐熱性も高い。
第2の磁石60bは、第1の磁石60aの磁極が現れる端部に取り付けられる。この第2の磁石60bが取り付けられる端部は図4に示す通り、第1の磁石60aの、検査対象物30に向けられる近方端部62(検査対象物30側の端部)である。第2の磁石60bは第1の磁石60aの磁極に取り付けられるため、第1の磁石60aと第2の磁石60bとはお互いに磁力によって固定される。
このように2つの磁石を直列に接続した場合、磁界形成用磁石60全体としての磁力は2つの磁石の単純な合計にはならない。本実施形態のように第1の磁石60aと第2の磁石60bとの磁力が異なる場合、全体としては第1の磁石60aと第2の磁石60bとの中間程度の磁力となる。具体例として、第1の磁石60aがネオジム磁石で、それ単体では磁極の表面磁束密度が500mTであるとする。そして第2の磁石60bがサマリウムコバルト磁石で、それ単体では表面磁束密度が300mTであるとする。この場合、磁界形成用磁石60全体としての磁極(図4では第2の磁石60bの下端)の表面磁束密度はおよそ450mTとなる。このように、磁界形成用磁石60全体としての磁力は第2の磁石60b単体の磁力よりも強くなる。
そして、第2の磁石60bが第1の磁石60aの近方端部62に取り付けられているため、検査対象物30が高温であっても、その熱を直接受けるのは耐熱性の高い第2の磁石60bであり、第1の磁石60aの耐熱性が低くとも磁界形成用磁石60全体としての磁界発生能力が低下してしまうことはない。具体的には検査対象物30が図1に示すキャニスタ20で、その表面温度が摂氏200度程度になっていたとしても、第2の磁石60bが実用上は摂氏350度まで耐えられるサマリウムコバルト磁石であれば、キャニスタ20の熱によって第2の磁石60bの磁力が低下してしまうことがない。そしてキャニスタ20表面の熱が第1の磁石60a(例えばネオジム磁石)にまで伝わらなければ、磁界形成用磁石60全体の磁力が低下してしまうことはない。
なお、第1の磁石60aが図5に示すような棒状の磁石である場合には、第1の磁石60aの端部に端部被覆板70が取り付けられてもよい。端部被覆板70は、第1の磁石60aの、近方端部62とは別の端部、すなわち検査対象物30から離れた位置の遠方端部64(検査対象物から遠方となる端部)を覆うようにして取付けられる。このようにすることで、遠方端部64の側から出ていく磁束が少なくなり、近方端部62表面における磁束密度が大きくなる。
図4のような、第1の磁石60aと第2の磁石60bとが組み合わされた磁界形成用磁石60が用いられることにより十分にノイズが除去されることを図6、図7を用いて説明する。図6、図7のグラフは、図1に示すキャニスタ20の溶接部(側面溶接部24や蓋溶接部26)で探傷を行う場合の検出信号を示している。正確にはキャニスタ20の材質として用いられるオーステナイト系ステンレス鋼に溶接を施した試験片の表面を検査してどのような検出信号が得られるかを調べた。具体的にはSUS316の試験片同士をTIG溶接して、その溶接部に対して検査を行った。なお、ここでは表面に傷がない場合に得られる検出信号を示している。
図6、図7のどちらも、検査対象物の条件は同じである。図6のグラフZ3は磁界形成用磁石60がサマリウムコバルト磁石のみで構成されている場合に得られる検出信号を示している。グラフZ3では、試験片表面に傷がないにも関わらず、グラフZ3には起伏が多くみられ、溶接部に現われる異種金属(フェライト系合金など)の影響によって検出信号にノイズが混入していることがわかる。そして、そのノイズをサマリウムコバルト磁石単体では十分に除去できていない。
図7のグラフZ4は、図4に示すような、第1の磁石60a(ネオジム磁石)と第2の磁石60b(サマリウムコバルト磁石)とが組み合わされた磁界形成用磁石60が用いられた場合に得られる検出信号を示している。図7のグラフZ4は図6のグラフZ3と比べて明らかに起伏がなくなっており、ネオジム磁石とサマリウムコバルト磁石との組み合わせによってノイズが十分に除去されていることがわかる。
このように、本実施形態においては磁界形成用磁石60を高温の検査対象物30に近づけても磁界形成用磁石60を熱によって損傷してしまうことがなく、その上で十分にノイズを除去することができる。これにより、オーステナイト系ステンレス鋼を材料とする使用済み核燃料用キャニスタの溶接部外表面における傷の有無の検査を良好に行うことができる。
なお本実施形態においては、特に図1に示すキャニスタ20、特にオーステナイト系ステンレス鋼を材料として製造されたものを検査対象物30としているが、検査対象物30はこれに限るものではなく、渦電流探傷装置40は表面に渦電流が発生する物質全般の探傷のために用いることができる。
また渦電流探傷装置40の検出部54は検査対象物30表面に発生する渦電流の変化を検出できるものであればよく、具体的な形態は様々なものが利用可能である。例えば大きな励磁コイルで一様な渦電流を発生させ、その下方に配置され励磁コイルと中心軸が直交する小さな検出コイルで渦電流の変化を検出するものとしてもよい。また一つの励磁コイルを挟むように二つの検出コイルを配置して、二つの検出コイルに流れる電流の差を検出信号として得る形態であったり、インピーダンスの変化に着目することにより励磁コイルと検出コイルの役割を一つのコイルで兼用できる形態であったりしてもよい。
なお本実施形態においては、第2の磁石60bは磁力によって第1の磁石60aに対して固定されるので、第1の磁石60aと第2の磁石60bとを固定するために他の部材を用いる必要はない。しかし、外部からの衝撃を受けた場合にも第1の磁石60aと第2の磁石60bとがズレないようにする必要があるならば、第1の磁石60aと第2の磁石60bとの間に金属の接着に適した接着剤(2液型エポキシ系接着剤など)が塗布されていてもよい。また、第2の磁石60bから第1の磁石60aにまでわたるネジ穴が設けられていて、そのネジ穴にボルトがねじ込まれることで第1の磁石60aと第2の磁石60bとが強固に連結されていてもよい。また第1の磁石60aと第2の磁石60bとがズレないようにするためには、第1の磁石60aと第2の磁石60bとの両者を覆うカバーが磁界形成用磁石60全体に被せられていてもよい。
10 コンクリートキャスク
20 キャニスタ
30 検査対象物
40 渦電流探傷装置
50 検査プローブ
60 磁界形成用磁石
62 近方端部
64 遠方端部
70 端部被覆板

Claims (5)

  1. 検査対象物に渦電流を発生させ、前記渦電流の変化を検出することにより前記検査対象物の表面の状態を検査する渦電流探傷装置において、
    前記渦電流の変化を検出するための検出部と、
    前記検出部の外側に配置され、前記検査対象物に磁界をかける磁界形成用磁石と
    を備え、
    前記磁界形成用磁石が、
    第1の磁石と、前記第1の磁石の前記検査対象物側の端部に取り付けられた第2の磁石とを含み、
    前記第2の磁石のキュリー温度が、前記第1の磁石よりも高いこと
    を特徴とする渦電流探傷装置。
  2. 前記第1の磁石が、ネオジム磁石からなり、
    前記第2の磁石が、サマリウムコバルト磁石からなること
    を特徴とする請求項1に記載の渦電流探傷装置。
  3. 前記第1の磁石の、前記検査対象物から遠方となる端部に、強磁性体からなる端部被覆板が取り付けられていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の渦電流探傷装置。
  4. 前記第2の磁石が、摂氏200度以上の温度となる前記検査対象物の表面に向けられること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の渦電流探傷装置。
  5. 前記検査対象物が、使用済み核燃料が封入される金属製のキャニスタであり、
    前記キャニスタがオーステナイト系ステンレス鋼を材料として製造されたものであり、
    前記キャニスタにはオーステナイト系ステンレス鋼同士の溶接が行われた溶接部があり、前記溶接部に渦電流を発生させて前記キャニスタの外表面における傷の有無を検査すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の渦電流探傷装置。
JP2017185534A 2017-09-27 2017-09-27 渦電流探傷装置 Active JP6782930B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185534A JP6782930B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 渦電流探傷装置
PCT/JP2018/019510 WO2019064684A1 (ja) 2017-09-27 2018-05-21 渦電流探傷装置
US16/650,866 US11143621B2 (en) 2017-09-27 2018-05-21 Eddy current flaw detection device
TW107133669A TWI789431B (zh) 2017-09-27 2018-09-25 渦電流探傷裝置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185534A JP6782930B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 渦電流探傷装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019060724A true JP2019060724A (ja) 2019-04-18
JP6782930B2 JP6782930B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=65901188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017185534A Active JP6782930B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 渦電流探傷装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11143621B2 (ja)
JP (1) JP6782930B2 (ja)
TW (1) TWI789431B (ja)
WO (1) WO2019064684A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021020892A1 (ko) * 2019-07-30 2021-02-04 주식회사 엘지화학 와전류 신호 특성을 이용한 전지의 저항용접 품질 평가 방법

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02147950A (ja) * 1988-11-30 1990-06-06 Hara Denshi Sokki Kk 平面探傷用交流漏洩磁束探傷装置
JPH06331602A (ja) * 1993-05-14 1994-12-02 Ndt Technol Inc 長物磁性材の構造欠陥を非破壊的に検査する方法および装置
JPH07167674A (ja) * 1994-11-11 1995-07-04 Honda Motor Co Ltd 回転角センサ
WO2001002847A1 (fr) * 1999-06-29 2001-01-11 Baoshan Iron & Steel Co., Ltd Procede et dispositif de detection de criques sur la surface et a proximite de la surface de plaques obtenues par laminage continu
US20100148766A1 (en) * 2008-12-17 2010-06-17 Ndt Technologies, Inc. Magnetic inspection device
JP2011047736A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Sumitomo Chemical Co Ltd オーステナイト系ステンレス鋼溶接部の検査方法
JP2017026354A (ja) * 2015-07-16 2017-02-02 住友化学株式会社 欠陥測定方法、欠陥測定装置、および検査プローブ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8606564D0 (en) * 1986-03-17 1986-04-23 Atomic Energy Authority Uk Magnetic discontinuity detection
US5371463A (en) * 1992-09-16 1994-12-06 Collins; Richard M. Magnetic instrument for detecting a poor band between a magnetic layer and a non-magnetic substrate
US20040091076A1 (en) * 2002-11-08 2004-05-13 Pacific Gas & Electric Company Method and system for nondestructive inspection of components
JP4885068B2 (ja) 2007-06-13 2012-02-29 三菱重工業株式会社 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法
JP5124586B2 (ja) * 2007-09-25 2013-01-23 株式会社アルバック 冷却装置、鋳造装置
GB2481482B (en) * 2011-04-27 2012-06-20 Univ Manchester Improvements in sensors

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02147950A (ja) * 1988-11-30 1990-06-06 Hara Denshi Sokki Kk 平面探傷用交流漏洩磁束探傷装置
JPH06331602A (ja) * 1993-05-14 1994-12-02 Ndt Technol Inc 長物磁性材の構造欠陥を非破壊的に検査する方法および装置
JPH07167674A (ja) * 1994-11-11 1995-07-04 Honda Motor Co Ltd 回転角センサ
WO2001002847A1 (fr) * 1999-06-29 2001-01-11 Baoshan Iron & Steel Co., Ltd Procede et dispositif de detection de criques sur la surface et a proximite de la surface de plaques obtenues par laminage continu
US20100148766A1 (en) * 2008-12-17 2010-06-17 Ndt Technologies, Inc. Magnetic inspection device
JP2011047736A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Sumitomo Chemical Co Ltd オーステナイト系ステンレス鋼溶接部の検査方法
JP2017026354A (ja) * 2015-07-16 2017-02-02 住友化学株式会社 欠陥測定方法、欠陥測定装置、および検査プローブ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021020892A1 (ko) * 2019-07-30 2021-02-04 주식회사 엘지화학 와전류 신호 특성을 이용한 전지의 저항용접 품질 평가 방법

Also Published As

Publication number Publication date
TWI789431B (zh) 2023-01-11
JP6782930B2 (ja) 2020-11-11
TW201915485A (zh) 2019-04-16
US20200292500A1 (en) 2020-09-17
WO2019064684A1 (ja) 2019-04-04
US11143621B2 (en) 2021-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190145933A1 (en) Methods of using nondestructive material inspection systems
CN111480072A (zh) 使用无损材料检查系统的方法
US20190145931A1 (en) Methods and systems for nondestructive material inspection
US20120153944A1 (en) Method for inspecting an austenitic stainless steel weld
Lee et al. Estimation of deep defect in ferromagnetic material by low frequency eddy current method
CN111344564A (zh) 用于无损材料检查的方法和系统
JP6782930B2 (ja) 渦電流探傷装置
Novotný et al. A magneto-optic imager for NDT applications
JP7048028B2 (ja) 渦電流探傷システムおよび渦電流探傷方法
JP6782931B2 (ja) 渦電流探傷装置
Mishurova et al. Subsurface and bulk residual stress analysis of S235JRC+ C Steel TIG weld by diffraction and magnetic stray field measurements
JP5643023B2 (ja) Crを含有するフェライト系鋼管の炭素総量測定機及び浸炭深さ評価装置
Dobmann et al. ND-materials characterization of neutron-induced embrittlement in German nuclear reactor pressure vessel material by micromagnetic NDT techniques
JP2616105B2 (ja) 浸炭厚さの測定方法および測定用プローブ
Xie et al. Evaluation of wall thinning defect in magnetic material based on PECT method under magnetic saturation
Dobmann NDT for Characterizing Ageing and Degradation of Nuclear Power Plant Materials-Fatigue and Irradiation
Takagi et al. Development of Eddy Current Probe for Thick‐Walled Plates and Quantitative Evaluation of Cracks
Xu Electromagnetic Inspection Method for Welding Imaging
JPH03123854A (ja) 溶接部の非破壊検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201012

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6782930

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250