JP2019060720A - 検査装置 - Google Patents
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Abstract
Description
<検査システムの概要>
図1は、本発明の実施の形態1による検査装置1を含む検査システムの一例を示した図である。検査装置1は、2つの配線ケーブル101,102を介して、1つの電気二重層キャパシタ100に接続される。また、検査装置1には、ユーザ端末103が接続されている。この検査システムは、例えば、静電容量3600F、最大電流20Aの電気二重層キャパシタ100を検査対象として想定している。
図2は、電気二重層キャパシタ100の内部抵抗の測定方法の一例を示した図であり、図中の(a)には、電気二重層キャパシタ100に供給される電流の時間変化が示され、(b)には、電気二重層キャパシタ100の素子電圧の時間変化が示されている。この図では、内部抵抗の測定方法として異なる3つの方法が示されている。電気二重層キャパシタ100の検査工程では、これらの測定方法の全てを実施し、3つの測定結果に基づいて検査を行ってもよいし、1又は2つの任意の測定方法のみを実施し、1又は2以上の測定結果に基づいて検査を行ってもよい。
図3は、図1の検査装置1の一構成例を示した図である。検査装置1は、スイッチングレギュレータ(SWR)で構成された複数の電源回路111〜113と、シリーズレギュレータ(SRR)を備えた主回路ユニット114と、制御ユニット115とにより構成される。
電源回路111〜113は、いずれも外部電源を変換し、直流電圧Vs1〜Vs3を出力するスイッチングレギュレータである。第1の電源回路111は、主回路ユニット114に電圧Vs1を出力する可変電源である。出力電圧Vs1は、制御ユニット115からの電圧指令値Cv1により指定される。例えば、第1の電源回路111は、充電動作用の電源として0〜7.5Vを供給することができる。
主回路ユニット114は、主回路を構成する回路基板であり、第1及び第2の電源回路111,112からの出力電圧Vs1,Vs2を変換し、出力端子12を介して出力するシリーズレギュレータを備え、電気二重層キャパシタ100の充放電を制御する。
制御ユニット115は、主回路ユニット114を制御する回路基板であり、マイクロプロセッサを内蔵するとともに、リモート検出端子13及び通信端子14に接続されている。制御ユニット115は、電圧指令値Cv1,Cv2を生成し、電源回路111及び112の出力電圧Vs1,Vs2を制御する。また、電流指令値Irefを生成し、主回路ユニット114の出力を制御する。
図4は、図3の主回路ユニット114の詳細構成の一例を示した図である。主回路ユニット114は、トランジスタTR1〜TR4によって構成されるシリーズレギュレータSRRを備えている。なお、図中に矩形で示され、特段の言及がない素子は抵抗である。
プッシュプル回路PP1は、一対のトランジスタTR1,TR2で構成される相補型エミッタフォロワ回路である。トランジスタTR1,TR2の共通のベース端子がプッシュプル回路PP1の入力端子となり、トランジスタTR1,TR2の共通のエミッタ端子がプッシュプル回路PP1の出力端子となる。トランジスタTR1のコレクタ端子には、第1の電源回路111の出力電圧Vs1が印加され、トランジスタTR2のコレクタ端子には、第2の電源回路112の出力電圧Vs2が印加され、充電時には、トランジスタTR1が電気二重層キャパシタ100に充電電流を供給し、放電時には、トランジスタTR2が電気二重層キャパシタ100から放電電流を引き出す。
プッシュプル回路PP2も、一対のトランジスタTR3,TR4で構成される相補型エミッタフォロワ回路であり、トランジスタTR3,TR4の共通のエミッタ端子がトランジスタTR1,TR2の共通のベース端子に接続されている。2段のプッシュプル回路PP1,PP2を接続することにより、トランジスタTR1,TR3がダーリントン接続され、トランジスタTR2,TR4もダーリントン接続され、充電時及び放電時のいずれの場合も電流増幅率hEFを増大させることができる。このような構成を採用することにより、大電流を出力するトランジスタTR1,TR2であっても、オペアンプOP1で駆動することが可能になる。
出力端子12の正極側は、シャント抵抗SH及び出力リレーRY1を介して、プッシュプル回路PP1の出力端子に接続される。また、出力端子12の負極側は、出力リレーRY2を介して、電源回路111,112のグランドに接続されている。
シャント抵抗SHは、出力電流を検出するための抵抗素子であり、出力リレーRY1よりもプッシュプル回路PP1側に設けられている。シャント抵抗SHの端子間電圧は、電流フィードバック回路2に入力され、当該電圧に基づいて検出電流Idが求められる。
出力リレーRY1,RY2は、シリーズレギュレータSRR及び出力端子12間に設けられ、これらを接続する一対の配線を遮断可能なスイッチング素子である。出力リレーRY1,RY2は、制御ユニット115からのリレー制御信号Cryに基づいて互いに連動して動作し、電気二重層キャパシタ100の充放電時には共に閉状態になり、電気二重層キャパシタ100がプッシュプル回路PP1に接続される一方、それ以外は共に開状態になり、電気二重層キャパシタ100がプッシュプル回路PP1から切り離される。つまり、出力リレーRY1,RY2は、電流指令値Irefがゼロの場合に開状態となり、シリーズレギュレータSRRの出力を遮断する。このような出力リレーRY1,RY2を備えることにより、充放電の休止中における電流入出力を完全に遮断することができ、内部抵抗を高精度で測定することができる。また、スタンバイ時における不用意な電流出力を防止し、安全性を向上させることができる。
電流フィードバック回路2は、シリーズレギュレータSRRを制御対象とするフィードバック制御を行う回路であり、シャント抵抗SHの出力に基づいて検出電流Idを求め、この検出電流Idを電流指令値Irefに一致させるための操作量Uiを求める。検出電流Idは制御対象の出力であり、電流指令値Irefは制御対象の目標値であり、制御ユニット115から与えられる。操作量Uiは、抵抗R2を介してオペアンプOP1に入力される。電流フィードバック回路2の詳細構成については後述する。
出力電圧検出部3は、出力リレーRY1,RY2よりも出力端子12側において、出力端子12間の電圧を測定し、検出電圧Vdとして出力する。この検出電圧Vdは、抵抗R1を介してオペアンプOP1に入力される。
出力制御回路4は、検出電圧Vd及び操作量Uiに基づいて、シリーズレギュレータSRRの出力電圧を制御する制御回路であり、オペアンプOP1及び抵抗R1〜R3により構成される。
図5は、図4の電流フィードバック回路2の詳細構成の一例を示した図である。電流フィードバック回路2は、シャント抵抗SHの端子間電圧から検出電流Idを求め、検出電流Idを出力、電流指令値Irefを目標値とするPI制御の操作量Uiを求めている。図示した電流フィードバック回路2は、差動増幅回路A1、反転増幅回路A2及びPI制御回路A3により構成される。
差動増幅回路A1は、オペアンプOP2及び抵抗素子により構成される電流検出部であり、シャント抵抗SHの端子間電圧を増幅し、検出電流Idを求める。検出電流Idは、反転増幅回路A2へ出力されるとともに、制御ユニット115へも出力される。
反転増幅回路A2は、オペアンプOP3及び抵抗素子により構成され、検出電流Idの符号を反転させた反転信号を生成し、PI制御回路A3に入力する。
PI制御回路A3は、オペアンプOP4、抵抗素子R4〜R6及び容量素子C2により構成されるPI演算回路であり、検出電流Id及び電流指令値Irefの差分に基づいて、PI制御の操作量Uiを求める。オペアンプOP4の反転入力端子には、抵抗R4を介して検出電流Idの反転信号が入力されるとともに、抵抗R5を介して電流指令値Irefが入力される。つまり、検出電流Id及び電流指令値Irefの差がオペアンプOP4に入力される。
図6は、図3の制御ユニット115の詳細構成の一例を示した図である。この制御ユニット115は、電源回路111〜113及び主回路ユニット114を制御する回路ユニットであり、配線特性記憶部40、素子電圧検出部41、電圧制御部42及びシーケンス制御部43により構成される。
配線特性記憶部40は、出力端子12及び電気二重層キャパシタ100を互いに接続する配線ケーブル101の電気的特性を保持する。例えば、配線ケーブル101のインピーダンスが配線特性Czとして配線特性記憶部40に保持される。この配線特性Czは、ユーザ端末103又は検査装置1に対するユーザ操作により電気二重層キャパシタ100の検査開始前に予め入力される。
素子電圧検出部41は、リモート検出端子13に接続され、電気二重層キャパシタ100の素子電圧Vrmを検出する回路である。出力端子12の電圧ではなく、リモート検出端子13の電圧を計測することにより、四端子法を利用して電気二重層キャパシタ100の素子電圧Vrmを正確に検出することができる。また、出力リレーRY1,RY2が開状態であっても、素子電圧Vrmを検出することができる。
電圧制御部42は、配線特性Cz及び素子電圧Vrmに基づいて、電圧指令値Cv1,Cv2を生成し、電源回路111,112の出力電圧Vs1,Vs2を制御する。この電圧制御により、トランジスタTr1,Tr2において発生する熱損失を低減している。
シーケンス制御部43は、検出電流Id及び素子電圧Vrmに基づいて、電流指令値Iref、リレー制御信号Cry及び無効化信号Casを生成し、内部抵抗測定のシーケンス制御を行う。
図7のステップS1〜S5は、検査装置1による内部抵抗の測定シーケンスの一例を示したフローチャートであり、図6のシーケンス制御部43の動作が示されている。このフローチャートは、ユーザ端末103からの測定開始指令により実行される。事前準備として、配線ケーブル101の配線特性Czがユーザ端末103から指定される。また、測定開始前には、無効化スイッチASが閉状態、出力リレーRY1,RY2が開状態になっている。
図8のステップS101〜S104は、図7の定電流充電処理(ステップS1)の詳細動作の一例を示したフローチャートである。測定開始指令が入力されると、シーケンス制御部43は、リレー制御信号Cryをオン信号に変化させる。その結果、出力リレーRY1,RY2が閉状態となり、電流出力が可能になる(ステップS101)。開状態の出力リレーRY1の両端は、検出電圧Vdのフィードフォワード制御により同電位に保持されているため、出力リレーRY1のオン動作により、電気二重層キャパシタ100に突入電流が流れることはない。次に、シーケンス制御部43は、無効化信号Casを非アクティブに変化させる。その結果、無効化スイッチASが開状態となり、PI制御が有効化される(ステップS102)。
図9のステップS201〜S205は、図7の充電休止処理(ステップS2)の詳細動作の一例を示したフローチャートである。定電流充電処理(ステップS1)が終了すれば、シーケンス制御部43は、そのときの検出電流Id及び素子電圧Vrm(Vt1)を測定し(ステップ201)、その後に充電を一旦休止させる。充電の休止は、PI制御を無効化し、出力リレーRY1,RY2をオフすることにより行われる(ステップS202、S203)。
図10のステップS301〜S304は、図7の定電圧充電処理(ステップS3)の詳細動作の一例を示したフローチャートである。充電休止処理(ステップS2)が終了すれば、シーケンス制御部43は、出力リレーRY1,RY2をオンし、PI制御を有効化し、定電圧充電を開始する(ステップS301〜S303)。
図11のステップS401〜S404は、図7の定電流放電処理(ステップS4)の詳細動作の一例を示したフローチャートである。定電圧充電処理(ステップS3)が終了すれば、シーケンス制御部43は、素子電圧Vrm(Vt3)を測定した後、定電流充電を開始する(ステップS401,S402)。
図12のステップS501〜S505は、図7の放電休止処理(ステップS5)の詳細動作の一例を示したフローチャートである。定電流放電処理(ステップS4)が終了すれば、シーケンス制御部43は、そのときの検出電流Id及び素子電圧Vrm(Vt4)を測定し(ステップS501)、その後に放電を休止させる。
実施の形態1では、ユーザが指定した配線特性Czを保持する場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、配線特性Czを予め測定して保持する検査装置1について説明する。
配線特性検出部50は、検出電圧Vd、素子電圧Vrm及び検出電流Idに基づいて配線特性Czを求める。配線特性Czは、配線ケーブル101に流れる電流と、そのときの電圧降下とを取得することができれば、両者の比として求めることができる。配線ケーブル101の電圧降下は、検出電圧Vdと素子電圧Vrmの差として与えられる。つまり、配線特性Czは、検出電圧Vd、素子電圧Vrm及び検出電流Idを用いて、次式で表すことができる。
配線特性判定部51は、配線特性検出部により検出された配線特性Czが異常値であるか否かを判定し、この判定結果に基づいてアラート出力を行う。配線特性判定部51は、配線特性Czを予め定められた閾値と比較する。例えば、配線特性Czが上限閾値Cmaxを越えていた場合、アラート出力を行う。アラート出力は、ユーザ端末103等に対する信号出力であってもよいし、検査装置1における表示出力又は音声出力であってもよい。
2 電流フィードバック回路
3 電圧検出部
4 出力制御部
100 電気二重層キャパシタ
101,102 配線ケーブル
103 ユーザ端末
111〜113 電源回路
114 主回路ユニット
115 制御ユニット
11 電源端子
12 出力端子
13 リモート検出端子
14 通信端子
40 配線特性記憶部
41 素子電圧検出部
42 電圧制御部
43 シーケンス制御部
50 配線特性検出部
51 配線特性判定部
A1 差動増幅回路(電流検出部)
A2 反転増幅回路
A3 PI制御回路
AS 無効化スイッチ
C,C1,C2 容量素子
Cas 無効化信号
Cry リレー制御信号
Cv1,Cv2 電圧指令値
dV1〜dV3 電圧低下幅
Ic 充電電流
Ie 放電電流
Id 検出電流
Iref 電流指令値
OP1〜OP4 オペアンプ
PP1,PP2 プッシュプル回路
R1〜R6 抵抗
Rp 並列内部抵抗
Rs 直列内部抵抗(内部抵抗)
RY1,RY2 出力リレー
SH シャント抵抗
SRR シリーズレギュレータ
SWR スイッチングレギュレータ
TR1〜TR4 トランジスタ
Ui 操作量
Vc 充電目標電圧
Ve 放電終止電圧
Vs1〜Vs3 電源電圧
Vd 検出電圧
Vrm,Vt2,Vt3,Vt5 素子電圧
Claims (5)
- 定電流充電又は定電流放電を行って電気二重層キャパシタの内部抵抗を測定する検査装置において、
上記電気二重層キャパシタが接続される出力端子と、
上記出力端子を介して上記電気二重層キャパシタへ電流を出力する電源回路と、
上記電源回路及び上記出力端子の間において、上記電源回路の出力を遮断する出力リレーと、
上記電源回路の出力電流を検出電流として計測する電流検出部と、
上記検出電流を電流指令値と一致させるための操作量を求める電流フィードバック回路と、
上記操作量に基づいて、上記電源回路の出力を制御する出力制御回路とを備え、
上記電流フィードバック回路は、上記出力リレーが遮断状態の場合に、上記検出電流から求められる上記操作量にかかわらず、上記操作量としてゼロを出力することを特徴とする検査装置。 - 上記電流フィードバック回路は、上記検出電流の上記電流指令値に対する偏差についてPI演算を行って上記操作量を求めるPI演算回路を有し、
上記出力リレーが遮断状態の場合に、上記PI演算が無効化され、上記操作量としてゼロを出力することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。 - 上記PI演算回路は、オペアンプと、上記オペアンプの出力を反転入力端子に帰還する抵抗及び容量素子の直列回路と、上記直列回路に並列接続されたアナログスイッチとを備え、
上記電流指令値がゼロの場合に、上記出力リレーが遮断状態になるとともに、上記アナログスイッチが短絡状態となり、上記操作量としてゼロが出力されることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。 - 電源回路の出力電圧を検出電圧として計測する電圧検出部を備え、
上記出力制御回路は、上記検出電圧及び上記操作量に基づいて、上記電源回路の出力電圧を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の検査装置。 - 上記電圧検出部は、上記出力リレーよりも上記出力端子側において、上記電源回路の出力電圧を計測することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の検査装置。
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