JP2019060484A - クランプ装置及びシートワーク加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄液やエアをスムーズに流すことができるクランプ装置を提供すること。【解決手段】シート状のワーク100の外周縁を同ワーク100の張設状態でクランプするための複数のクランパ15が保持枠12上において相互間隔をおくとともに、前記保持枠の内方を指向させて配置される。クランパ15は、第1クランプ片16に対して第2クランプ片17が開閉可能に連結されている。両クランプ片16,17は永久磁石の磁気力により先端部のクランプ歯間においてワーク100をクランプできる。永久磁石には、磁気吸引力を高めるためのヨークが付設されている。第1クランプ片16は第2クランプ片17より幅狭に形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、シート状のワークをクランプするためのクランプ装置及びそのクランプ装置を有するシートワーク加工装置に関するものである。
特許文献1及び特許文献2には、ワークをクランプするための装置が開示されている。
これらの装置は、ワークをクランプするためのクランプ部を先端部に設けた一対のクランプ片が軸によって回動可能に支持され、磁石の磁気力によって両クランプ片間にワークをクランプするためのクランプ力が付与されるようになっている。そして、これらの特許文献1及び特許文献2の装置においては、両クランプ片が同形状に形成されている。
特開平11−105116号公報 特開2013−121884号公報
ところで、この種のクランパを有する装置は、シート状のワークをクランプすることが多く、そのシート状のワークがクランパによるクランプ状態でエッチングされたり、あるいは、エッチング液が水で流されたり、水分を除去するためにエアブローされたりする。この場合、特許文献1及び特許文献2の構成においては、両クランプ片が同形状であるため、両クランプ片間の間隙に対する液体やエアなどの流体の流れが滞りやすく、洗浄や水分除去などを有効に行い得ないおそれがあった。なお、流体を滞りなく流すためには、両クランプ片を幅狭形状にすればよいが、この形状では、クランプ片に対してクランプ力を付与するための磁石を設けた場合、その磁石として大きなものを用いることができず、強いクランプ力を確保できない。
また、特許文献1及び特許文献2の構成においては、一対のクランプ片が同形状である。従って、一方のクランプ片を両クランプ片とは別体の押圧部材によって磁石の磁気力に抗して開放させることは難しい。従って、磁石として強い磁気力を有するものを用いて強力なクランプ力を発揮させることが困難になる。
本発明の目的は、クランプ片間において流体を滞りなく流すことができる構成を提供することにある。
上記の目的を達成するために、クランプ装置に係る発明は、シート状のワークの外周縁を同ワークの張設状態でクランプするための複数のクランパを保持枠上において相互間隔をおくとともに、前記保持枠の内方を指向させて配置し、前記クランパは、第1クランプ片に対して第2クランプ片を軸により開閉可能に連結し、磁石の磁気力により前記第1クランプ片の先端のクランプ部と第2クランプ片の先端のクランプ部との間においてワークをクランプできるように構成し、前記第1クランプ片及び第2クランプ片のうちの一方のクランプ片を他方のクランプ片より幅狭形状にしたことを特徴とする。
ここで、第1クランプ片及び第2クランプ片は、一方が固定位置にあって、他方が回動されるものであっても、双方が回動されるものであってもよい。
以上の構成においては、一方のクランプ片が他方のクランプ片より幅狭であるため、両クランプ片間を通る洗浄液やエアなどの流体の流れが円滑であって、洗浄やエアによる液体除去を滞りなく行うことができる。また、幅の広いクランプ片に幅広の磁石を設けることができるため、磁石によるクランプ力を強くすることができる。そして、以上の構成においては、ワークの外周縁を複数のクランパによってクランプすることができ、ワークが大面積のものであっても、そのワークを適切にクランプすることができる。
シートワーク加工装置に係る発明は、前記クランプ装置の前記クランパによって前記ワークがクランプされて前記保持枠内に保持され、その状態でワークに対して加工を施すための加工部を有するシートワーク加工装置において、前記加工部に対するクランプ装置の搬入側に設けられ、前記クランプ装置を、基準点を基準として前記ワークの張設面と平行な面内において位置決めするためのクランプ装置の位置決め手段を設けたことを特徴とする。
以上の構成においては、クランプ装置をワークの張設面と平行な面内において位置決めできるため、ワークを有するクランプ装置を前記加工部に対して正確な位置関係を保持した状態で供給できて、ワークに対して高精度な加工を施すことができる。
本発明によれば、クランプ片間において流体を滞りなく流すことができて、ワークの洗浄などを適切に行うことができるという効果を奏する。
シートワーク加工装置全体の平面図。 シートワーク加工装置全体の正面図。 クランプ装置の斜視図。 クランプ装置の平面図。 (a)は、クランプ装置と搬入側クランプ位置決め装置のノックピンとの関係を示す側面図、(b)は、搬出側クランプ位置決め装置のノックピンを示す側面図。 クランパとノックピンとの関係を示す簡略正面図。 保持枠の長辺部材と短辺部材との接合部分を示す簡略図。 クランパ部分の斜視図。 クランパ部分の一部破断分解斜視図。 クランパ部分を示す断面図。 クランパ部分の平面図。 フェライトに対する着磁工程を示す断面図。 ワーク搬入ステーションにおけるワーク位置決め装置を示す平面図。 搬入側のワーク位置決め装置を示す断面図。 搬入側のクランプ位置決め装置を示す平面図。 ノックピンとクランパとの関係を示す断面図。 搬入側のワーククランプ装置,クランプ装置及びチャック装置を示す平面図。 (a)は、搬入側のチャック装置を示す平面図、(b)は、ワークチャック部分を示す側面図。 ワークストック装置を示す側面図。 磁気力の検査装置を示す平面図。 磁気力の検査装置を示す側面図。 磁気力の検査状態を示す断面図。 シートワーク加工装置の電気的構成を示すブロック図。 磁気力検査装置の動作を示すフローチャート。 搬出側のワーク位置決め装置を示す平面図。 搬出側のワーク位置決め装置を示す断面図。 搬出側のチャック装置を示す平面図。 第2クランプ片の構成の変更例を示す平面図。 エッジ無し構造の変更例を示す正面図。 エッジ無し構造の別の変更例を示す正面図。
(実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(シートワーク加工装置の概略)
はじめに、実施形態のシートワーク加工装置の概略の構成及び作用を説明する。このシートワーク加工装置は、可撓性を有する銅製などの薄いシート状ワークに対してエッチング及びエッチング後の洗浄を施すものである。
図1及び図2に示すように、シートワーク加工装置には、エッチング加工部71と、そのエッチング加工部71に下流側に位置する洗浄加工部72とを備えた加工部としての加工ライン73が設けられている。そして、図3に示す治具としてのワーククランプ装置(以下、クランプ装置という)11の保持枠12にワーク100が保持され、このクランプ装置11が図1及び図2などに矢印Pで示す一方向に搬送される。そのため、エッチング加工部71においてワーク100に対してエッチングが実行され、次いで、洗浄加工部72においてエッチング液を落とすための洗浄が行われる。図2に示すように、加工ライン73の上側にはワーク加工に使用されたクランプ装置11を矢印P方向の逆方向に戻すための戻りライン70が設けられている。
加工ライン73の上流側には、ワーク搬入ステーション74が設けられるとともに、加工ライン73の下流側には、ワーク100の矢印P方向の搬送方向に沿って、ワークストックステーション75,検査ステーション76及びワーク搬出ステーション77が設けられている。
ワーク搬入ステーション74においては、ワーク100が戻りライン70の搬送コンベア80からのクランプ装置11に合体保持され、その状態でクランプ装置11が加工ライン73の搬送コンベア80上に搬入される。ワーク搬出ステーション77は、加工済みのワーク100をクランプ装置11から分離して、本シートワーク加工装置の次工程に送るとともに、クランプ装置11を戻りライン70に移行させる。ワークストックステーション75は、加工ライン73の次工程においてトラブルが生じた場合など、ワーク100を加工ライン73の次工程に搬送することができない場合に、ワーク100をクランプ装置11とともに一時待機のためにストックするものである。検査ステーション76は、ワーク100の非加工時において、ワーク100を保持していないクランプ装置11の後述の永久磁石281,282、361,362の劣化度合いを検査するためのものである。
図1及び図2に示すように、前記ワーク搬入ステーション74には、ワーク100をその張設位置と平行な面内において基準位置を基準として位置決めするための搬入側ワーク位置決め装置78が配置されている。また、ワーク搬入ステーション74には、クランプ装置11をワーク100の張設面と平行な面内において基準位置を基準として位置決めするためのクランプ装置位置決め手段としての搬入側クランプ位置決め装置79と、図17に示す搬入手段及び図18に示すワーク張設手段としてのチャック装置83とが配置されている。前記ワーク搬出ステーション77には、クランプ装置11を位置決めするための搬出側クランプ位置決め装置81と、ワーク100を位置決めするための搬出側ワーク位置決め装置82と、図27に示すチャック装置83とが配置されている。
そして、ワーク搬入ステーション74の搬入側ワーク位置決め装置78に導入された1枚のワーク100がその搬入側ワーク位置決め装置78において位置決めされる。一方、前記戻りライン70からの空のクランプ装置11が後方に移動された後に下降されて、搬入側クランプ位置決め装置79に載置され、その搬入側クランプ位置決め装置79において位置決めされる。そして、位置決め状態のクランプ装置11に対して、位置決めされたワーク100が前記チャック装置83によって搬入されて、クランプ装置11に保持される。このようにしたクランプ装置11は、加工ライン73の搬送コンベア80を経てエッチング加工部71に搬入される。
エッチング加工部71から洗浄加工部72を経たクランプ装置11は搬送コンベア80を経てワーク搬出ステーション77に搬送され、引き続き、後方の搬出側クランプ位置決め装置81に搬送されて位置決めされる。その位置決め状態において、チャック装置83によりクランプ装置11上のワーク100がクランプ装置11から分離されて、搬出側ワーク位置決め装置82に搬入されて、同装置82によって位置決めされて、ワーク搬出ステーション77の後工程に搬出される。
ワーク100が分離されて空になったクランプ装置11は搬出側クランプ位置決め装置81から上昇されて、戻りライン70に送られ、その戻りライン70を経て前記のワーク搬入ステーション74に搬送される。
なお、搬送コンベア80を除いて、クランプ装置11,前記チャック装置83,87などを搬送するための搬送手段は、図示しない搬送ロボットによって実行される。
以下に、各部の詳細な構成及び作用を説明する。
(クランプ装置11)
前記クランプ装置11について説明する。
図3及び図4に示すように、クランプ装置11は、長四角環状の扁平な保持枠12を備えている。その保持枠12は、長四角形の長辺を形成する一対の長辺部材13と、同じく長四角形の短辺を形成する一対の短辺部材14とを備えている。図5及び図7に示すように、長辺部材13及び短辺部材14はその両端に重合部19,20を備えるとともに、一方の重合部20には突条191が形成され、他方の重合部19には嵌合溝201が形成されている。そして、突条191と嵌合溝201とが嵌合した状態で重合部19,20が重合されて、重合部19,20が図3に示すネジ22により締め付け固定されて、保持枠12が構成されている。なお、上側の重合部19は、長辺部材13及び短辺部材14のいずれに形成してもよく、突条191と嵌合溝201との上下関係は前記の逆でもよい。
図3〜図5に示すように、その保持枠12の長辺及び短辺にはそれぞれ複数のクランパ15が等間隔をおいて設置されている。本実施形態においては、保持枠12及びクランパ15は、耐腐食性材料であるチタンまたはチタン合金によって構成されている。クランパ15は、下側に位置する第1クランプ片16と、上側に位置する第2クランプ片17とを備えている。第1クランプ片16は、長辺部材13及び短辺部材14と一体に形成されている。
図8及び図9に示すように、第1クランプ片16には、先端部側に向かってテーパ状に幅狭となる付け根部25と、その付け根部25の先端部側の幅狭の幅狭部26とが一体形成されている。幅狭部26の先端部上面には、クランプ部としての上方へ向かって突出するクランプ歯27が一体形成されている。
図9及び図10に示すように、前記付け根部25及び幅狭部26には、それぞれ下方に向かって開放されるとともに、連続する凹部251,252が形成されており、凹部251,252の平面形状は付け根部25及び幅狭部26の外形と相似形をなしている。凹部251,252内には、凹部251,252の輪郭形状をなすとともに磁性体よりなり、上面を開放したヨーク32が隙間なく嵌合されている。ヨーク32内には付け根部25及び幅狭部26の外形と相似形をなす永久磁石281,282が隙間なく嵌合されている。凹部251,252の下面開口は蓋板35により閉塞され、その蓋板35は第1クランプ片16の外周壁に隙間なく溶接されている。このため、ヨーク32及び永久磁石281,282は第1クランプ片16内に封入されている。付け根部25は幅狭部26より厚く形成され、それに対応して、付け根部25側の凹部251は幅狭部26側の凹部252より深く形成され、それらの間の内底面、すなわち天井面には段差が形成されている。従って、付け根部25側の永久磁石281は厚く形成されている。付け根部25と幅狭部26との間の上面には斜面162が形成されている。
図9及び図11に示すように、第1クランプ片16の両側において、保持枠12の上面には凹部21が形成され、その凹部21内には第1クランプ片16の一部を構成する軸受部材29がネジ23によって固定されている。この軸受部材29間には軸31により前記第2クランプ片17が基端部において上下方向に回動可能に支持されている。
図8及び図9に示すように、第2クランプ片17は、第1クランプ片16の付け根部25及び幅狭部26より幅広に形成されており、この付け根部25及び幅狭部26と対応する部分の第2クランプ片17の両幅端部が幅広部になっている。
図8〜図11に示すように、第2クランプ片17には、それぞれ上方に向かって開放されるとともに、連続する凹部172,173が形成されており、それらの凹部172,173は、第2クランプ片17の外形と相似形をなしている。その凹部172,173内には磁性体よりなり、凹部172,173の輪郭形状をなすとともに、下面を開放したヨーク39が隙間なく嵌合され、そのヨーク39内には永久磁石361,362が隙間なく嵌合されている。従って、永久磁石361,362は第2クランプ片17の外形と相似形をなしている。凹部172,173の上面開口は蓋板40により閉塞され、その蓋板40は第2クランプ片17の外周壁に隙間なく溶接されている。従って、ヨーク39及び永久磁石361,362は第2クランプ片17内に封入されている。第2クランプ片17の底部基端部は底部前端部より厚く形成され、それに対応して基端部側の凹部172は深く形成され、両凹部172,173間には段差が形成されている。従って、基端部側の永久磁石361は先端側の永久磁石362より厚く形成されている。第2クランプ片17の下面の基端部と先端部との間の上面には斜面175が形成されている。
図8及び図9に示すように、第2クランプ片17の先端部下面には前記クランプ歯27と対向して、そのクランプ歯27に対して接触離間可能なクランプ部としてのクランプ歯34が一体形成されている。クランパ15は、クランプ歯27,34が保持枠12の内側に位置するように、保持枠12の内側を指向する方向を向いて配列されている。そして、下側及び上側の永久磁石281,282、361,362間に磁気吸引力が作用しており、この磁気吸引力により、第2クランプ片17が第1クランプ片16に対して閉じる方向,言い換えれば前記クランプ歯27,34間においてワークをクランプする方向に付勢されている。この場合、永久磁石281,282、361,362の磁束は、それらのヨーク32,39によって整列されて、第1,第2両クランプ片16,17間の磁気吸引力が強化されている。
この場合、両クランプ歯27,34は、クランプ状態においてワーク100が自重で変形したり、移動したりしない程度のクランプ力を有する必要がある。つまり、ワーク100が薄いものであると、ワーク100は自重で中央部側が落ち込むように変形するおそれがある。また、両クランプ歯27,34は、ワーク100に対してクランプに起因した集中応力を抑えてクランプ痕が残らないようにする大きな面積であって、しかも、前記洗浄加工部72の液体洗浄やエアブローを阻害しないように、可能な限り小面積であることが好ましい。
図10に示すように、前記第1クランプ片16と第2クランプ片17との間には、両クランプ歯27,34の部分を除いて、間隙30が形成されている。図6に示すように、第1クランプ片16及び第2クランプ片17の外周の上下両縁部には両クランプ歯27,34の部分を除いてエッジ無し構造18として断面円弧状の面取りが形成されている。なお、図6を除く本実施形態の各図においては、この面取りの図示は省略されている。また、図示はしないが、前記上下両縁部以外にも、保持枠12及びクランパ15の外側面には角ばったコーナ部が形成されないように、そのコーナ部の部分に円弧状または傾斜面状の面取りが施されていてもよい。
次に、永久磁石281,282、361,362の着磁方法について説明する。
図10及び図11に示すように、第1クランプ片16及び第2クランプ片17の各凹部251,252、172,173内には、ヨーク32,39及び永久磁石281,282、361,362となる非着磁状態のハードタイプフェライトが封入されている。すなわち、第1,第2クランプ片16,17は、ヨーク32,39及びフェライトの組み付け後、凹部251,252、172,173の開口が蓋板35,40によって閉塞され、その状態で蓋板35,40が第1,第2クランプ片16,17に溶接される。その後、第2クランプ片17は長辺部材13及び短辺部材14上に軸受部材29及び軸31を介して組み付けられて、相互間隔をおいて配置された複数のクランパ15が構成される。
そして、図12に示すように、クランパ15は着磁装置60内にセットされ、その着磁装置60の一対のコア61を通る強磁束により前記フェライトに対する着磁が実行されて、そのフェライトが下側と上側との間において吸引作用が惹起される永久磁石281,282、361,362となる。このとき、第1クランプ片16の永久磁石281,282は、同一面,例えば下面が同一磁極となるように着磁される。同様に、第2クランプ片17の永久磁石361,362は、同一面,例えば上面が同一磁極となるように着磁される。次いで、クランパ15を有する長辺部材13と短辺部材14とが組み付けられて、長四角環状の保持枠12となる。
(クランプ装置11の作用)
以上のように構成されたクランプ装置11は、以下のように作用する。
すなわち、図9の実線に示すように、ワーク100をクランプしていない空のクランプ装置11は、永久磁石281,282、361,362の吸引作用によって閉じられ、クランプ歯27,34どうしが当接した状態にある。
この状態において、後述の開放手段としてのノックピン42によって、図6及び図16に2点鎖線で示すように、クランパ15の第2クランプ片17が永久磁石281,282、361,362の磁気吸引力に抗して上方へ回動され、クランプ歯27,34間が離間される。従って、この状態においては、第2クランプ片17の先端部が第1クランプ片16の先端部の位置から保持枠12の外側方向に後退する。この状態において、ワーク100が保持枠12の上方から降下され、図5から明らかなように、後退された第2クランプ片17の先端部に接触することなく、その先端部間の領域を通って第1クランプ片16のクランプ歯27上に載置される。
次いで、前記ノックピン42が下方移動する。この下方移動につれて、後述の押圧ピン38の押圧力,永久磁石281,282、361,362の吸引力及び第2クランプ片17の自重によって第2クランプ片17が下方回動され、クランプ歯27,34間にワーク100の外周縁部がクランプされる。
そして、この状態で、クランプ装置11が加工ライン73のエッチング加工部71に搬送されて、ワーク100に対してエッチングが施される。その後、クランプ装置11は洗浄加工部72に移動されて、図4及び図5に示す洗浄液供給管43からの洗浄液によってクランプ装置11及びワーク100が洗浄されて、エッチング液が除去される。さらに、クランプ装置11は洗浄加工部72に送られ、エア供給管45からのエアによってワーク100及びクランプ装置11に付着した洗浄液が除去される。これらの洗浄工程及び洗浄液除去工程において、洗浄液やエアはクランパ15の間隙30内を流れる。
すなわち、図4及び図5に示すように、前記洗浄加工部72において、クランプ装置11の搬送域の上下位置には、洗浄液供給管43がそれぞれ配置されており、これらの洗浄液供給管43の長さ方向に列設された供給口44からワーク100及びクランプ装置11に対して洗浄液が供給される。前記洗浄加工部72において、クランプ装置11の上下位置には、エア供給管45がそれぞれ配置されており、これらのエア供給管45の長さ方向に列設された供給口46からワーク100及びクランプ装置11に対してエアブローにより洗浄液を吹き飛ばして除去するためのエアが噴出される。
以上のように構成されたクランプ装置11においては、以下の効果がある。
(1)クランパ15は、永久磁石281,282、361,362の磁気力によってワーク100のクランプ力を得るようになっているため、クランプ力をスプリングによって得る構成とは異なり、第2クランプ片17の開閉動作における拗れや異音がなくなり、第2クランプ片17の動作が円滑になる。また、バネの破断などのような不都合が突然生じることを回避できる。また、第2クランプ片17の幅が広いため、幅広で大きな永久磁石を用いることができる。従って、強い磁気力に基づく強いクランプ力を得ることができる。
(2)両クランプ片16,17間に間隙30が形成されるとともに、永久磁石281,282、361,362が相互に非接触である。このため、ワーククランプ時などにおいて、永久磁石281,282、361,362に対する機械的な負荷を少なくして、永久磁石281,282、361,362の長寿命化に寄与できる。
(3)両クランプ片16,17の双方に永久磁石281,282、361,362が設けられているため、強力なクランプ力を得ることができる。ちなみに、永久磁石を一方のクランプ片に設けるとともに、他方のクランプ片を磁性体で構成することも考えられるが、この構成においては、強い磁気吸引力,すなわち強いクランプ力を得ることには不利である。
(4)両クランプ片16,17の永久磁石281,282、361,362が分割されているため、永久磁石281,282、361,362を収容するヨーク32,39の形状が複雑であっても、永久磁石281,282、361,362の加工が容易である。その結果、クランプ片16,17の形状を自在に設定できる。
(5)クランパ15の第2クランプ片17が永久磁石361,362を有しているため、その永久磁石361,362の磁気力が劣化した場合は、軸受部材29を着脱することにより、第2クランプ片17を容易に交換することができる。
(6)第1クランプ片16の先端側に幅狭部26が形成され、第2クランプ片17の先端側がテーパ状の先鋭形状をなしているため、クランパ15のワーク100をクランプする部分の投影面積が小さくなる。従って、ワーク100に対する洗浄液やエアブローのエアが滞りなく円滑に流れることになり、洗浄やエアブローを適切に実行できる。
(7)永久磁石281,282、361,362及びヨーク32,39が第1,第2クランプ片16,17内に封入されているため、永久磁石281,282、361,362やヨーク32,39が酸洗いなどによって侵されることを回避できる。
(8)永久磁石281,282、361,362が軸31とクランプ歯27,34との間に配置されているため、特許文献1及び特許文献2の装置とは異なり、両クランプ片16,17の長さを短くできて、クランパ15の全体形状を小形化できるとともに、軽量化できる。このため、クランプ装置11の小形化及び軽量化を達成できる。
(9)第2クランプ片17を第1クランプ片16より幅広に形成しているため、第1クランプ片16の両側方を通り抜けるノックピン42によって第2クランプ片17が第1クランプ片16に対して開放される。従って、ノックピン42の上昇により、第2クランプ片17を円滑に開かせることができる。
(10)第1クランプ片16と第2クランプ片17のクランプ歯27,34の部分を除いて、第1,第2クランプ片16,17間に間隙30を設けたことにより、ワーク100に対して洗浄液を供給し易くなるとともに、洗浄液をエアによって除去し易くなる。従って、ワーク100の洗浄などの作業や洗浄液などの除去を適切に行なうことができる。
(11)下側に位置する第1クランプ片16にテーパ状の付け根部25及び幅狭部26を形成して、第1クランプ片16を第2クランプ片17より幅狭にしたことにより、洗浄液等の液体がエアによって両クランプ片16,17間から円滑に流れる。このため、洗浄液等の液体の除去を適切に行なうことができる。
(12)ヨーク32,39によって永久磁石281,282、361,362から周囲への漏れ磁束を抑制し、磁束が相手方の永久磁石281,282、361,362に対して集中して指向されるようにした。従って、永久磁石281,282、361,362間の吸引力を高めて、クランプ歯27,34によるクランプ力を強くできて、ワーク100をより確実にクランプできる。
(13)永久磁石281,282、361,362の極性が同一向きになるようにした。従って、第1クランプ片16を有する長辺部材13や短辺部材14、あるいは第2クランプ片17を交換する場合、第1,第2クランプ片16,17の磁極の向きの組み合わせを考慮する必要がなく、その交換を容易に行うことができる。
(14)第1,第2クランプ片16,17の凹部251,252、172,173内の天井部あるいは底部に段差部を設けて、厚い永久磁石281,361を使用できるようにするとともに、その磁石281,361を互いに相手方に近づけることができるようにした。従って、第1,第2クランプ片16,17間の磁気吸引力高めることができる。
(15)第1クランプ片16及び第2クランプ片17の外周縁部に円弧状の面取りよりなるエッジ無し構造18を形成して、エッジが立たないように形成されている。このことにより、加工液、洗浄液あるいはエアを流す場合に、両クランプ片16,17の外周縁部によって前記各種の液体やエアの流れに対して乱流や渦の形成などの悪影響が与えられることを抑制できる。従って、各種の液体やエアを円滑に流すことができて、洗浄や洗浄液の除去などの作業を適切に実行できる。
(16)永久磁石281,282、361,362は、フェライトが非着磁状態で組み込まれて、蓋板35,40の溶接後にフェライトに対して着磁が実行される。従って、溶接の際の熱によって永久磁石281,282、361,362の磁気力が低下することを回避できる。
(ワーク搬入ステーション74)
次に、ワーク搬入ステーション74の構成及び作用について説明する。
(搬入側ワーク位置決め装置78)
まず、搬入側ワーク位置決め装置78について説明する。
前記ワーク搬入ステーション74には、前記のように、図13及び図14に示す前記搬入側ワーク位置決め装置78が固定配置されている。この搬入側ワーク位置決め装置78は、ベース板412と、そのベース板412の上方に固定された四角形のテーブル413とを備えている。テーブル413の上面には、図示しないエア供給源に接続された複数のエア噴出ノズル414がほぼ均等な分布で配置されている。エア噴出ノズル414は短い円筒体415と、その円筒体415内に詰められた連泡性の多孔質体416とを備えている。そして、多孔質体416の上端から上方へ向かってエア流が噴出され、このエア流によって、その上部に設置されたワーク100が浮上される。
ベース板412にはテーブル413の四辺と対応して位置するように単軸ロボットよりなるアクチュエータ411が搭載され、その軸の先端には位置決め部材417が取り付けられている。そして、アクチュエータ411の作動により、位置決め部材417が浮上位置にあるワーク100を位置決めする実線位置と、ワーク100の位置から外側方に離間する2点鎖線位置との間を移動される。位置決め部材417には、投光器419と受光器420とよりなる端縁センサ410が取り付けられている。そして、位置決め部材417のワーク100側への移動によって、ワーク100の端縁が位置決め部材417の内側面に当接してワーク100が位置決めされたとき、端縁センサ410によってワーク100の端縁が検出される。そして、センサ410によってワーク100が検出されたとき、この検出したセンサ410側のアクチュエータ411の駆動が停止されて、位置決め部材417のワーク100側への移動が停止される。これによって、ワーク100の位置決めが実行される。
この場合、対角線αを挟んで隣接する2辺の位置決め部材417を通る直角な基準線β,γ上にワーク100の2辺が位置するように位置決めされる。ワーク100のコーナが基準線β,γの交点である基準点ε上に位置する。そして、各アクチュエータ411の停止位置、すなわち、ワーク100の各辺の位置のデータは、本ワークシート加工装置の図23に示すメイン制御装置84における記憶装置85に記憶される。
なお、前記投光器419及び受光器420の上下の位置は限定されない。
(搬入側クランプ位置決め装置79)
搬入側クランプ位置決め装置79について説明する。
図1に示すように、前記ワーク位置決め装置78の後方には図15及び図16に示す前記搬入側クランプ位置決め装置79が設置されている。この搬入側クランプ位置決め装置79は、ベース板422と、その上方に位置する長四角枠状の位置決め枠423とを備えている。この場合、基準線β1,γ1側の位置の辺には、位置決めのための各一対の基準ローラ425が固定位置において支持されている。つまり、各一対の基準ローラ425の外周面は、直交する基準線β1,γ1上に位置している。
位置決め枠423の他の一対の辺には各一対のシリンダ426が搭載され、そのピストンロッドに押さえローラ427が支持されている。この押さえローラ427は、シリンダ426の作動により、対向する基準ローラ425に対して位置決め枠423上に設置された保持枠12を押し出す。これによって、保持枠12が基準線β1,γ1及びその基準線β1,γ1の交点である対角線α1上の基準点ε1を基準として位置決めされる。
図16に示すように、前記位置決め枠423の四辺と対応する位置において、ベース板422にはシリンダ428が搭載され、そのピストンロッドには昇降枠41が取り付けられている。図5(a)及び図16に示す昇降枠41には、保持枠12が前記位置決め枠423上に位置決めされた状態で、前記クランパ15の両側と対応する複数対のノックピン42が上方へ向かって突出されている。従って、各ノックピン42は、位置決め枠423の四辺と対応して配列されるとともに、前記基準線β1,γ1に沿って配列されている。各ノックピン42の先端部は半球状に形成されている。そして、図6及び図16に示すように、昇降枠41が上昇されることにより、ノックピン42が第1クランプ片16の幅狭部26の両側方を通って第2クランプ片17の下面に当接し、その第2クランプ片17がノックピン42の上昇移動とともに上方へ回動される。これによって、第2クランプ片17が永久磁石281,282、361,362の吸引力に抗して開放動作される。
図16に示すように、前記シリンダ428は、その軸線が傾斜するように設置されている。この傾斜により、ノックピン42も傾斜され、その傾斜方向は、ノックピン42が第2クランプ片17の先端側下方から基端側上方に向かって上昇する方向である。このため、第2クランプ片17が先端側に向かって幅狭になっていても、ノックピン42は第2クランプ片17を適切に開放させることができる。
図5(a)に示すように、各対のノックピン42は、基準線β1,γ1の交点である基準点ε1に近い対のものほど低く形成されている。
図16に示すように、前記ベース板422にはステー(図示しない)を介して各クランパ15に対応する複数のシリンダ429が設置され、そのシリンダ429のピストンロッドには前記押圧ピン38が支持されている。そして、シリンダ429の作動により、押圧ピン38が前進後退され、前進時には、開放状態の第2クランプ片17を閉鎖方向に押すようになっている。
そして、戻りライン70からの空のクランプ装置11がワーク搬入ステーション74に戻されると、クランプ装置11は、後方へ移動された後、降下されて、搬入側クランプ位置決め装置79の位置決め枠423上に載置される。この状態において、クランプ装置11は、位置決め枠423の基準ローラ425と押さえローラ427とで囲まれる領域内に位置する。そして、この状態で、シリンダ426の作用により、押さえローラ427が基準ローラ425側に移動されて、クランプ装置11が基準ローラ425によって位置決めされる。このため、クランプ装置11の隣接する2辺が基準線β1,γ1上に位置し、対向する2つのコーナが基準点ε1を有する対角線α1上に位置して、クランプ装置11の位置決めが行われる。
(チャック装置83)
チャック装置83について説明する。
図17及び図18に示すように、前記ワーク搬入ステーション74には、図17において太い矢印で示すように、前記搬入側ワーク位置決め装置78の近傍位置,前記搬入側ワーク位置決め装置78の位置及び搬入側クランプ位置決め装置79を往復すように移動されるチャック装置83が設けられている。
図18(a),(b)に示すように、このチャック装置83のフレーム432には第1〜第4チャック433〜436が支持されている。各チャック433〜436は、第1チャック片430と、第2チャック片431とを有している。第1チャック片430はシリンダ437の作動によってワーク100側に前進するとともに、ワーク100から離間する位置に後退される。第2チャック片431はシリンダ438の作動によって昇降され、下降することにより前進位置の第1チャック片430との間でワーク100の周縁部をチャック可能である。
前記第1チャック433は、固定位置に配置され、第2チャック434は、シリンダ439により一方向(矢印P方向と直交する方向)に移動可能であり、第3チャック435はシリンダ440により前記一方向とは直交する他方向(反矢印P方向)に移動可能である。第4チャック436は、シリンダ439,440により前記一方向及び他方向に移動可能である。このため、第1〜第4チャック433〜436がワーク100の周縁部をチャックした状態において、第1〜第4チャック433〜436がそれぞれ前記各方向の外方に移動されることにより、第1〜第4チャック433〜436にチャックされたワーク100が基準点εから離れる方向に緊張される。従って、同ワーク100に張設力が作用する。
(ワーク搬入ステーション74の作用)
次に、ワーク搬入ステーション74における作用を説明する。
前記戻りライン70からの空のクランプ装置11は、図15に示す搬入側クランプ位置決め装置79の位置決め枠423上に移送されて、その位置決め枠423上に載置される。ここで、位置決め枠423は、後述の搬入側ワーク位置決め装置78において位置決めされるワーク100と平行な面内に位置する。このため、位置決め枠423上のクランプ装置11は、ワーク100の張設平面と平行な面内に位置する。そして、位置決め枠423上のシリンダ426の動作により、押さえローラ427が移動されて、クランプ装置11の保持枠12が基準ローラ425に押圧されて、対角線α1上の基準位置を基準にして位置決めされる。この状態で、図16に示すノックピン42が上昇されて、そのノックピン42により各クランパ15の第2クランプ片17がノックピン42によって開放され、その開放状態が維持される。
一方、未加工のワーク100が本実施形態のシートワーク加工装置の前段の工程からワーク搬入ステーション74に搬入されて、チャック装置83の各チャック433〜436の第1,第2チャック片430,431によってチャックされる。そして、ワーク100はチャック装置83の移動により、位置決め部材417が退避位置にある図13及び図14に示す搬入側ワーク位置決め装置78上に搬送される。ここで、ワーク100はチャック装置83の第1〜第4チャック433〜436によるチャックから解放される。そして、ワーク100はエア噴出ノズル414からのエアによって浮上される。これと同時に、搬入側ワーク位置決め装置78のアクチュエータ411の動作によって位置決め部材417がワーク100側に移動されて、その位置決め部材417によって浮上状態のワーク100の隣接する2辺が基準線β,γと一致するように位置決めされる。従って、ワーク100の2つのコーナは対角線α上に位置する。このとき、基準線β,γの位置に対応する2辺側の位置決め部材417は、基準線β,γの位置で停止される。一方、他の2辺の位置決め部材417は、ワーク100を前記2辺側の位置決め部材417に向かって押し出す。そしてワーク100の端縁がセンサ410によって検出されると、アクチュエータ411の作動が停止されて、位置決め部材417の移動が停止される。この状態で、ワーク100のコーナが基準点ε上に位置する。
アクチュエータ411の停止位置、言い換えれば、ワーク100の停止及びワーク100の姿勢を示すアクチュエータ411の位置データはメイン制御装置84の記憶装置85に記憶される。
次いで、位置決めされたワーク100が、その姿勢を変更することなく、チャック装置83によって再度チャックされて、チャック装置83の移動により、位置決め状態にあるクランプ装置11の開放された第1クランプ片16上に定置される。従って、クランプ装置11及びワーク100の双方の対角線が一致するように、その双方が相互に位置決めされて、後続の加工ライン73における加工に備えられる。
次いで、ノックピン42が下方に後退して第2クランプ片17が自重及び永久磁石281,282,361,362の磁気力によって閉鎖される。このとき、押圧ピン38の突出により、第2クランプ片17の閉鎖がより確実になるように助勢される。
また、このとき、ノックピン42の高さが異なるために、第2クランプ片17は基準点εに近いものから順に時間差をおいて閉じられる。
一方、このとき、チャック装置83の第1チャック433は固定位置を保持するが、第2チャック434はシリンダ439により矢印P方向と直交する方向に移動力が付与され、第3チャック435はシリンダ440により、反矢印P方向に移動力が付与される。また、第4チャック436はシリンダ439,440により反矢印P方向及び矢印P方向と直交する方向に移動力が付与される。このため、ワーク100にはチャック装置83によって基準点εから離れる方向に張力が付与される。そして、前記のように、ワーク100のチャックに時間差が設けられるため、張力付与が有効化されて、ワーク100は弛みが生じることなく、基準点εを基準にした位置において緊張を維持した状態でクランプされる。
以上のように、クランプ装置11及びワーク100が位置決めされるとともに、ワーク100が張設された状態で加工ライン73に送られて、ワーク100に対して高精度な加工が実行される。
従って、以上のように構成されたワーク搬入ステーション74においては、以下の効果を得ることができる。
(17)ワーク100が搬入側ワーク位置決め装置78において位置決めされる。このとき、ワーク100はエア噴出ノズル414からのエアによって浮上状態に維持されるため、ワーク100が薄く、撓みやすいものであっても、ワーク100はほとんど抵抗なく位置決め動作され、正確に位置決めされる。
(18)クランプ装置11は搬入側クランプ位置決め装置79上において位置決めされ、その状態でクランプ装置11に対して搬入側ワーク位置決め装置78において位置決めされたワーク100が合体される。そして、その位置決め状態で保持枠12が加工ライン73内に搬送されて、ワーク100に対してエッチングなどの加工が施される。従って、ワーク100の所定位置に対して正確な加工を施すことができる。
(19)搬入側クランプ位置決め装置79において、クランパ15によってワーク100をクランプする際、ワーク100は基準点εを基準とした張設状態に維持される。そして、クランパ15は基準点εに近いものから順にクランプ動作を行う。このため、ワーク100は基準点ε側から引っ張られた状態で順次クランプされるため、すべてのクランパ15によってクランプが終了した状態において、ワーク100は基準点εを基準とした位置決め状態で弛みなく張設される。従って、ワーク100に対する加工を高精度に行うことが可能になる。
(20)ノックピン42はクランパ15の基端側、つまり第2クランプ片17の回転中心側に向かって上昇するように斜めになっているため、ノックピン42の上昇ストロークが小さくても、第2クランプ片17が適切に開放動作される。
(21)第2クランプ片17の閉鎖動作を押圧して助勢する押圧ピン38が設けられているため、その第2クランプ片17の閉鎖動作を阻害する要因が存在しても、あるいは、永久磁石281,282,361,362の磁気力が弱くなっても、その第2クランプ片17を適切に閉鎖動作させることができる。
(ワークストックステーション75)
次に、ワークストックステーション75について説明する。
図19に示すように、ワーク100の搬送コンベア80の後方には、ストック手段としてのストック装置86が設置されている。このストック装置86は、昇降ロボット442によって昇降可能にしたストッカ443を備えている。ストッカ443には、クランプ装置11を載置可能にした上下方向に複数段(実施形態では10段)の棚444が設けられている。ストッカ443は、この棚444の配列ピッチごとに昇降される。この棚444の段数は、加工ライン73内におけるクランプ装置11の滞在個数と等しい。加工ライン73の搬送コンベア80上のクランプ装置11は、搬送コンベア80側と棚444との間において搬送される。
(ワークストックステーション75の作用)
ワークストックステーション75は以下のように作用する。
通常、クランプ装置11をストックしていない空のストッカ443は図19に実線で示す下方位置に配置されている。この状態において、加工ライン73の後工程に何らかの問題が生じて、加工ライン73からのワーク100の搬出が不都合になった場合は、搬送コンベア80は稼働を継続するが、加工ライン73に対するワーク搬入ステーション74からのクランプ装置11の搬入が停止される。これと同時に、加工ライン73の末端位置において、リフタ446の作動により、搬送コンベア80上のクランプ装置11がストッカ443の上端位置まで上昇される。次いで、上昇されたクランプ装置11が上端の棚444内に引き込まれ、その棚444上に載置される。そして、リフタ446及び搬送ロボットが原位置に復帰する。
次いで、昇降ロボット442によりストッカ443が棚444の一段分上昇されて、すでにクランプ装置11が搬入された棚444の下段の棚444が搬送コンベア80からのワーク搬入位置に配置される。以後、同様にして、搬送コンベア80上のクランプ装置11が棚444に搬入されて載置される。
このようにして、加工ライン73の後工程に問題が生じた場合、加工ライン73内のクランプ装置11がストッカ443内にストックされて、一時的に待機される。
そして、加工ライン73の後工程の問題が解消された場合には、加工ライン73に対するワーク搬入ステーション74からのクランプ装置11の搬入が再開される。また、ストッカ443が一旦図19に実線で示す下降位置に配置されて、その下降位置から所定ピッチごとに間欠的に上昇しながら、ストッカ443内のクランプ装置11が棚444への搬入時と同じ順序で、つまり上側の棚444から順に搬送コンベア80に戻される。従って、搬送コンベア80上のクランプ装置11はワーク搬出ステーション77に送られる。
従って、ワークストックステーション75においては、以下の効果がある。
(22)ワーク100を保持したクランプ装置11をストッカ443に一時的にストックできるため、加工ライン73の後工程に問題が生じた場合、その後工程にワーク100を送ることなく、ワーク100を一時的に待機できる。このため、加工ライン73内にワーク100が所定時間以上停止されることはなく、ワーク100に対する過度のエッチングなどを回避できて、ワーク100の加工不良が発生することを防止できる。
(23)待機状態のクランプ装置11がストッカ443から搬送コンベア80に戻される際には、棚444に先行して搬入されたクランプ装置11から順に棚444から搬送コンベア80に戻される。このため、先行して棚444に搬入されたクランプ装置11が過度に長時間棚444上に置かれることを防止できる。従って、待機されたクランプ装置11上のワーク100の状態変化に差ができることを抑制できる。
(検査ステーション76)
次に、前記検査ステーション76について説明する。
図1,図20及び図21に示すように、検査ステーション76において、前記搬送コンベア80の後方位置には、検査手段としての検査装置51が配置されている。この検査装置51は、基枠451が固定位置に配置された下部検査ユニット452と、下部検査ユニット452の上方においてシリンダなどの昇降装置(図示しない)により昇降可能にした基枠454を備えた上部検査ユニット455とが設けられている。
下部検査ユニット452の基枠451の上面及び上部検査ユニット455の基枠454の下面には、クランプ装置11のクランパ15と対応するようにそれぞれ複数の検出部材460が設けられている。下部検査ユニット452の検出部材460は同様にクランパ15と対応するように基枠451の上面に固定されている。
図22に示すように、前記各検出部材460は、ケース体50を備え、ケース体50の内部には、各1枚の基板52と、それらの両基板52に搭載されたホール素子ユニット53とが備えられている。そして、下部検査ユニット452の検出部材460のホール素子ユニット53は基板52の上面に設けられ、上部検査ユニット455の検出部材460のホール素子ユニット53は基板52の下面に設けられている。
図23に示すように、前記メイン制御装置84内は検査制御装置54を備えている。検査制御装置54は検査装置51の制御のために設けられている。その検査制御装置54は、中央処理装置55と記憶装置56とを有している。中央処理装置55は、検査装置51全体の動作を制御する。記憶装置56には、検査装置51を動作させるプログラムや一時的なデータが記憶される。
そして、クランプ装置11が所定回数使用されると、クランプ装置11は、搬送ワーク100を保持していない空の状態で前記搬送コンベア80上から外されて、検査工程を構成する図20〜図23に示す検査装置51に送られ、その検査装置51によって永久磁石281,282、361,362の磁気力の強弱が検査される。
(検査装置51の作用)
すなわち、検査装置51は、以下のように作用する。図24は、前記記憶装置56に記憶されたプログラムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示す動作は中央処理装置55の制御のもとで進行するものであって、ひとつの永久磁石281,282、361,362ごとに磁気力検査のための動作が実行される。
図21に2点鎖線で示すように、上部検査ユニット455が上方の退避位置から下降されて、検査対象のクランプ装置11は、そのクランパ15の永久磁石281,282、361,362の部分が上下の検出部材460の上下一対の基板52のホール素子ユニット53間に配置される。
この状態で、図24のステップS(以下、単にSという)1において、ホール素子ユニット53によってクランパ15のそれぞれひとつの永久磁石281,282、361,362の磁気力が検出される。そして、S2において、検出された磁気力の強弱に従って下側及び上側のひとつの永久磁石281,282、361,362における残留磁気力の強弱レベルが算出される。ちなみに、永久磁石281,282、361,362の磁気力は、その永久磁石281,282、361,362に加えられる振動などの機械的負荷や温度上昇などによって減衰する。そして、S3において、下側及び上側のそれぞれひとつの永久磁石281,282、361,362の残留磁気力の個別の強弱レベルがあらかじめ定められた磁気力のしきい値未満であるか、否かが判別される。
このS3におけるしきい値判別において、残留磁気力がしきい値レベルを勝っていると判別された場合は、S4において、残留磁気力がしきい値以上の強弱レベルを維持した状態において、永久磁石281,282、361,362の使用可能な回数が演算される。言い換えれば、残留磁気力がしきい値を下回るまでのクランパ15の加工使用回数が演算される。ここで、使用可能な状態とは、ワーク100を適切にクランプするための磁気力が発揮される状態をいう。そして、次のS5において、前記の使用可能回数が所定回数以上、例えば、次回の検査工程に至るまでの加工回数以上であるか否かが判断される。使用可能回数が次回の磁気力検出を実行する検査工程までの所定回数以上である場合は、S6において、その使用可能回数と、このルーチンにおける検査対象の永久磁石281,282、361,362の保持枠12上の位置とが記憶装置56に記憶される。そして、S7において、次回の磁気力を検出する検査工程までの加工回数、言い換えれば次回の検査工程の検出タイミングが記憶される。
前記S3における判別において、残留磁気力がしきい値未満であると認定された場合は、S8において、図示しないディスプレイにおいて、検査された永久磁石281,282、361,362の残留磁気力の状態がしきい値未満である旨の表示が実行される。次いで、S9において使用可能回数がゼロであると判別され、つまり、残留磁気力のレベルが使用に適さないために、S10において前記ディスプレイ及び図示しない音響発生装置によってそれぞれ画面表示及び音響表示による警報が表示される。そして、S11のルーチンのストップ処理を経て、検査工程の処理が終了する。
前記S5における判別において、使用可能回数が所定回数未満とされた場合は、S8においてその旨が表示され、S9の判断を経て、前記S7において、使用可能回数分の加工が終了するタイミングを次回の磁気力を検出する検出タイミングであると記憶して、処理が終了する。
このようにして、クランパ15の永久磁石281,282、361,362の検査工程が終了される。
そして、クランプ装置11の少なくともひとつの永久磁石281,282、361,362が使用不可能状態であると判断された場合、そのクランプ装置11は、検査工程の終了後、補修工程に移行される。補修工程では、状況に応じて、永久磁石281,282、361,362の再着磁が行われたり、使用不可能な永久磁石281,282、361,362を有する第2クランプ片17や、長辺部材13あるいは短辺部材14の交換などが行なわれたりする。
本実施形態においては、以下の効果がある。
(24)検査工程において永久磁石281,282、361,362の残留磁気力を検出することにより、クランパ15が適正に使用可能であるか否かを判別できる。このため、磁気力が弱くなったクランパ15の使用を避けることができて、ワーク100の加工においてワーククランプミスなどの不都合な事態が生じることを未然に防止できる。
(ワーク搬出ステーション77)
次に、ワーク搬出ステーション77の構成及び作用について説明する。
(搬出側クランプ位置決め装置81)
前記ワーク搬出ステーション77の搬出側クランプ位置決め装置81は、ノックピン42の高さの構成を除いて、前記ワーク搬入ステーション74のクランプ位置決め装置79と同じ構成である。
すなわち、図5(b)に示すように、搬出側クランプ位置決め装置81の各ノックピン42は同一高さに形成されている。
(下流側チャック装置87)
また、チャック装置87は、図27に示すように、基本的にワーク搬入ステーション74のチャック装置83と類似の構成であるが、このワーク搬出ステーション77のチャック装置87の第1〜第4チャック433〜436は、チャックフレーム432の固定位置に配置され、シリンダによってワーク100を緊張させる機能は有していない。
(搬出側ワーク位置決め装置82)
図25及び図26に示すように、ワーク搬出ステーション77の搬出側ワーク位置決め装置82は、ベース板512と四角形のテーブル513とを備え、テーブル513の上面には平面「田」字状の突条514が設けられている。突条514間には複数の凹部515が形成されている。突条514の上面には図示しないエア供給・吸引源と接続された通気孔516が形成され、この通気孔516を介して、突条514の上面において吸引のためのエア流と噴出のためのエア流とが生じる。突条514は、加工後のワーク100のエッチング部を避けて、エッチング部が存在しない部分と対応する配置パターンとなっている。
ベース板512にはテーブル513の四辺と対応して単軸ロボットよりなるアクチュエータ517が搭載され、その作動子の先端には位置決め部材518が支持されている。そして、アクチュエータ517の作動により、位置決め部材518が浮上位置にあるワーク100を位置決めする位置と、ワーク100から離間する位置との間を移動される。この場合、位置決め部材518の位置決め位置は、前記メイン制御装置84の記憶装置85に記憶されたワーク100の大きさ及び姿勢などに基づいてアクチュエータ517が動作されることによって決定される。
(ワーク搬入ステーション74の作用)
次に、ワーク搬入ステーション74の作用を説明する。
加工ライン73からの加工後のワーク100を保持したクランプ装置11は、搬送コンベア80上から搬出側クランプ位置決め装置81の位置決め枠423上に移送されて、その位置決め枠423上に載置される。そして、位置決め枠423上のシリンダ426の動作により、押さえローラ427が移動されて、クランプ装置11の保持枠12が押さえローラ427によって押圧され、基準ローラ425によって基準線β1,γ1を基準として位置決めされる。そして、第2クランプ片17がノックピン42によって開放され、その開放状態が維持される。
次いで、クランプ装置11上のワーク100がチャック装置87によってチャックされ、位置決め部材518が退避位置にある搬出側ワーク位置決め装置82上に搬送され、チャック装置87によるチャックが解放される。そして、ワーク100は通気孔516からの噴出エアによって浮上される。この浮上状態において、位置決め部材518が位置決め位置に移動されて、その位置決め部材518によってワーク100が位置決めされる。
次いで、突条514の通気孔516からのエアが吸引に切り換えられ、位置決めされたワーク100は、その吸引エアによって突条514の上面に吸着されて一時的に保持される。そして、位置決め部材518が退避し、ワーク100は後続の工程の搬送装置(図示しない)によってピックアップされて、後工程に送られる。
ワーク100が離脱されたクランプ装置11は、クランプ位置決め装置81から戻りライン70の上流位置に搬送される。
以上のように構成されたワーク搬入ステーション74においては、以下の効果を得ることができる。
(25)ワーク100が搬出側ワーク位置決め装置82によって位置決めされた状態で後工程に搬出される。従って、後工程におけるワーク100のチャックミスなどの不都合な事態を回避できる。
(変更例)
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様で具体化することも可能である。
・永久磁石を一方のクランプ片に設け、他方のクランプ片は鉄などの磁性体によって構成すること。クランプ片を鉄などの磁性体とした場合は、そのクランプ片が酸によって腐食することを回避するために、クランプ片の外側面に耐食性の被覆を設けることが好ましい。
・少なくとも一方のクランプ片16,17の永久磁石281,282、361,362を分割することなく一体化すること。
・少なくとも一方のクランプ片16,17のヨーク32,39を省略すること。
・永久磁石281,282、361,362を覆う蓋板35,40を省略し、永久磁石281,282、361,362を外部に露出させること。この場合、永久磁石281,282、361,362の外周を耐腐食性のコーティングで覆う必要がある。また、永久磁石281,282、361,362やヨーク32,39は接着剤でクランプ片16,17に固定することが好ましい。
・第1クランプ片16を長辺部材13及び短辺部材14と別体に構成し、その第1クランプ片16を長辺部材13及び短辺部材14にネジなどによって固定すること。このように構成すれば、クランパ15の交換が容易になる。
・前記実施形態では、保持枠12やクランパ15をチタンやチタン合金によって構成したが、それ以外に耐腐食性を有する材料として、ステンレススチールや、スチールベースにクロームメッキを施したものを使用すること。つまり、保持枠12やクランパ15の少なくとも表面が耐腐食性を有すればよい。クロームメッキを施した構成においては、第1クランプ片16及び第2クランプ片17として鉄のように腐食しやすい材質のものを用いてもよい。また、クランプ片16,17としてスチールベースのものを用いた場合は、クランプ片16,17にヨーク機能を付与することも可能になる。
・図28に示すように第2クランプ片17を第1クランプ片16とほぼ同様に幅狭に形成して、その第2クランプ片17の一部にノックピン42が当接される幅広部37を形成すること。このようにすれば、第2クランプ片17、ひいてはクランパ15の軽量化が可能になるとともに、第2クランプ片17が幅広部37の部分を除いて幅狭に形成されるため、洗浄液やエアの流れが円滑になる。
・前記実施形態では、第1クランプ片16及び第2クランプ片17の上下の外周縁部に円弧状の面取りを形成してエッジ無し構造18を設けるようにしたが、そのエッジ無し構造18として、図29に示すように、上下の外周縁部に傾斜平面状の面取りを形成すること。
・エッジ無し構造18としての円弧状や平面状の面取りを第1クランプ片16及び第2クランプ片17の少なくとも一方の間隙30側のみの外周縁部に設けること。
図30に示すように、第1クランプ片16及び第2クランプ片17の外周端面を間隙30側に向かって後退する斜面とすること。
・クランプ歯27,34の先端部を鋸刃状,半球状あるいは先鋭状にすること。
・クランプ歯27,34の先端部にワーク100を保護するための柔軟性を有する緩衝材を設けること。
・第1クランプ片16を幅広に形成した場合、その第1クランプ片16にノックピン42が通る孔または切り込み部を設けること。
・第1クランプ片16と第2クランプ片17との上下関係を逆にして、下向きのノックピン42が上方から降りてきて下側に位置する第2クランプ片17を下側に開放させるように構成すること。
・ワーク搬入ステーション74の前工程及びワーク搬出ステーション77の後工程においてワーク100の位置決めが行われる場合は、ワーク搬入ステーション74及びワーク搬出ステーション77におけるワーク100の位置決めを不要にできる。
・前記実施形態においては、ワーク100をその隣接する2辺において位置決めしたが、ワーク100をその中心を基準にして位置決めすること。
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握される技術的思想は以下の通りである。
(A)第1クランプ片に対して第2クランプ片を軸により開閉可能に連結し、磁石の磁気力により前記第1クランプ片の先端のクランプ部と第2クランプ片の先端のクランプ部との間においてワークをクランプできるようにしたクランパにおいて、
前記第1クランプ片及び第2クランプ片のうちの一方のクランプ片を他方のクランプ片より幅狭形状にしたクランパ。
(B)前記磁石を前記軸と前記クランプ部との間に配置した前記技術的思想(A)項に記載のクランパ。
(C)前記第1クランプ片及び第2クランプ片を耐腐食性材料によって構成するとともに、その両クランプ片内に前記磁石を封入した前記技術的思想(A)項または(B)項に記載のクランパ。
(D)前記磁石には、前記第1クランプ片と前記第2クランプ片との間の吸引磁気力を高めるためのヨークを付設した前記技術的思想(C)項に記載のクランパ。
(E)前記磁石の磁極の向きを同方向に揃えた前記技術的思想(A)〜(D)のうちのいずれか一項に記載のクランパ。
(F)前記加工部の搬出側には、搬出されるワークを位置決めするための搬出側ワーク位置決め手段を設けた請求項6〜12のうちのいずれか一項に記載のシートワーク加工装置。
(G)前記搬入側ワーク位置決め手段は、位置決めに際してワークをエアによって浮上させるためのエア浮上手段を設けた請求項13に記載のシートワーク加工装置。
(H)請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のクランパの磁石の磁気力をホール素子が用いられた磁気力検査装置によって検査する検査方法。
この方法によれば、ホール素子によりクランパの磁石の磁気力の強弱レベルを検出できて、その強弱レベルを正確に判別できる。
(I)検出された磁気力をあらかじめ定められた磁気力のしきい値と比較して、クランパの使用適格性を判断する前記技術的思想(H)項に記載の検査方法。
この方法によれば、しきい値との比較により、クランパとしての使用適格性を適切に認識できる。
(J)前記技術的思想(A)〜(E)のうちのいずれか一項に記載のクランパにおいて、非着磁状態のフェライトをクランパに組み込み、そのフェライトの近傍位置の溶接をともなう工程後にフェライトを着磁するクランパの製造方法。
この製造方法によれば、溶接の際の熱によって永久磁石の磁気力が弱くなることを回避できる。
11…クランプ装置、12…保持枠、15…クランパ、16…第1クランプ片、17…第2クランプ片、18…エッジ無し構造、27…クランプ歯、30…間隙、31…軸、32…ヨーク、34…クランプ歯、39…ヨーク、51…検査装置、53…ホール素子ユニット、281…永久磁石、282…永久磁石、361…永久磁石、362…永久磁石、ε…基準点、ε1…基準点。

Claims (12)

  1. シート状のワークの外周縁を同ワークの張設状態でクランプするための複数のクランパを保持枠上において相互間隔をおくとともに、前記保持枠の内方を指向させて配置し、
    前記クランパは、
    第1クランプ片に対して第2クランプ片を軸により開閉可能に連結し、磁石の磁気力により前記第1クランプ片の先端のクランプ部と第2クランプ片の先端のクランプ部との間においてワークをクランプできるように構成し、前記第1クランプ片及び第2クランプ片のうちの一方のクランプ片を他方のクランプ片より幅狭形状にしたクランプ装置。
  2. 前記保持枠は環状をなす請求項1に記載のクランプ装置。
  3. 前記保持枠,前記第1クランプ片及び第2クランプ片を耐腐食性材料によって構成するとともに、その両クランプ片内に前記磁石を封入した請求項1または2に記載のクランプ装置。
  4. 前記磁石には、前記第1クランプ片と前記第2クランプ片との間の吸引磁気力を高めるためのヨークを付設した請求項3に記載のクランプ装置。
  5. 前記第1クランプ片と第2クランプ片との間に間隙を形成し、その第1クランプ片及び第2クランプ片の少なくとも一方の前記間隙側の縁部には、エッジ無し構造が施されている請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のクランプ装置。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のクランプ装置の前記クランパによってワークをクランプして、前記保持枠内に保持し、その状態でワークに対して加工を施すための加工部を有するシートワーク加工装置において、
    前記加工部に対するクランプ装置の搬入側に設けられ、前記クランプ装置を、基準点を基準として前記ワークの張設面と平行な面内において位置決めするためのクランプ装置位置決め手段を設けたシートワーク加工装置。
  7. 前記クランプ装置に対してワークを搬入するための搬入手段を設け、その搬入手段には、前記ワークを前記基準位置を基準として位置決めするための搬入側ワーク位置決め手段を設けた請求項6に記載のシートワーク加工装置。
  8. 前記搬入手段には、ワークの周縁部をクランプしてそのワークを張設させるためのワーク張設手段を設けた請求項7に記載のシートワーク加工装置。
  9. 前記搬入側ワーク位置決め手段は、位置決めに際してワークをエアによって浮上させるためのエア浮上手段を設けた請求項7または8に記載のシートワーク加工装置。
  10. 前記加工部の搬入側には、前記第2クランプ片にそれぞれ係合可能にした複数の開放手段を前進後退可能に設け、前記開放手段が前進することにより、前記磁石の磁気力に抗して第2クランプ片を開放させるとともに、開放手段が後退することにより、前記磁石の磁気力によって前記第2クランプ片が閉鎖されるように構成し、前記開放手段は、前記基準点を離れるところに位置するものほど前記第2クランプ片の閉鎖が遅れるように構成されている請求項8または9に記載のシートワーク加工装置。
  11. 前記加工部の搬出側には、前記クランプ装置を出し入れ可能に一時的にストックするためのストック手段を設けた請求項6〜10のうちのいずれか一項に記載のシートワーク加工装置。
  12. 前記加工部の搬出側には、前記磁石の磁気力を検出するための検査手段を設けた請求項6〜11のうちのいずれか一項に記載のシートワーク加工装置。
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