JP2019060252A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の吸気ポートおよび単一の排気ポートを有する二弁式の内燃機関において、タンブル流を強化することが可能な内燃機関の提供にある。【解決手段】ピストンが収容されるシリンダボア13と、シリンダボア13内に形成される燃焼室15と、燃焼室15に対して配置される単一の吸気弁18および単一の排気弁19と、吸気ポート16および排気ポート17と、を備え、吸気行程における吸気ポート16からの吸気により燃焼室15にスワール流Sが形成されるエンジン10において、吸気ポート16と排気ポート17との間に設けられ、吸気行程にて燃焼室15におけるボア壁11Aへ向けて圧縮空気を噴射することにより、燃焼室15にタンブル流Tを形成する圧縮空気インジェクタ21を備え、圧縮空気インジェクタ21により噴射された圧縮空気をスワール流Sに干渉させ、スワール流Sをタンブル流Tに引き込む。【選択図】 図3

Description

この発明は、内燃機関に関し、特に、単一の吸気ポートおよび単一の排気ポートを備えた内燃機関に関する。
内燃機関における気筒内の渦流を強める従来技術として、例えば、特許文献1に開示された燃料噴射装置が知られている。特許文献1に開示されたエンジンでは、エアブラストインジェクタは、燃料噴射を行なう第1インジェクタと、加圧空気の噴射を行なう第2インジェクタとを備える。また、エアブラストインジェクタは、エア混合燃料を気筒内に噴射する燃料噴射孔および加圧空気のみを気筒内に噴射する空気噴射孔が形成された噴射孔形成部材を備える。
燃料噴射孔は、タンブル流を強化するよう、シリンダの上側に向けてエア混合燃料の噴射を行なう。空気噴射孔は、タンブル流を強化する方向で、且つタンブル流の外周側に向けて加圧空気を噴射するよう、燃料噴射孔の噴射方向よりも上側に加圧空気の噴射を行なう。これにより、タンブル流の外周にエアカーテンが形成され、また、燃料噴射孔から噴射されたエア混合燃料によって、気筒内に形成されるタンブル流が強化される。
特開2011−99353号公報
ところで、内燃機関では、点火からの初期燃焼の燃焼速度を増大させることにより熱効率を向上させ、燃費の向上を図ることが要請されている。内燃機関では、シリンダの内壁に沿う流れのスワール流とピストンのストローク方向に回転する流れのタンブル流が存在する。スワール流は、点火からの初期燃焼時における燃焼速度の増大に殆ど貢献せず、タンブル流は初期燃焼時における燃焼速度の増大に貢献する。しかしながら、単一の吸気ポートおよび単一の排気ポートを有する二弁式の内燃機関では、吸気ポートおよび排気ポートは、それぞれ、燃焼室の上部にてシリンダボアの中心から偏心した位置に配置されるため、シリンダボア内ではボア壁に沿って形成されるスワール流が支配的となることが避けられない。
因みに、特許文献1に開示された燃料噴射装置は、加圧空気の噴射によりタンブル流を強化するものの、燃料噴射孔から噴射されたエア混合燃料によるシリンダウエットを回避するに過ぎない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、単一の吸気ポートおよび単一の排気ポートを有する二弁式の内燃機関において、タンブル流を強化することが可能な内燃機関の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、往復移動するピストンが収容されるシリンダボアと、前記ピストンにより前記シリンダボア内に形成される燃焼室と、前記燃焼室に対して配置される単一の吸気ポートおよび単一の排気ポートと、前記吸気ポートを開閉する吸気弁および前記排気ポートを開閉する排気弁と、を備え、吸気行程における前記吸気ポートからの吸気により前記燃焼室にスワール流が形成される内燃機関において、前記吸気ポートと前記排気ポートとの間に設けられ、前記吸気行程にて前記燃焼室におけるボア壁へ向けて圧縮空気を噴射することにより、前記燃焼室にタンブル流を形成する圧縮空気インジェクタを備え、前記圧縮空気インジェクタにより噴射された圧縮空気を前記スワール流に干渉させ、前記スワール流をタンブル流に引き込むことを特徴とする。
本発明では、ピストンが下降する吸気行程において混合気が吸気ポートから燃焼室へ吸気されることにより、燃焼室にてスワール流が生じる。圧縮空気インジェクタは、ピストンが下降する吸気行程において圧縮空気を噴射する。圧縮空気の噴射により燃焼室においてタンブル流が形成されるとともに、タンブル流がスワール流に対して交差して干渉することにより、スワール流はタンブル流に引き込まれる。このため、燃焼室における流体エネルギーのうち、タンブル流による流体エネルギーの占める割合がスワール流による流体エネルギーの占める割合よりも高くなる。燃焼室におけるタンブル流を強化することができる。
また、上記の内燃機関において、前記圧縮空気インジェクタから前記ボア壁へ向けて噴射される圧縮空気の前記燃焼室の平面視における噴射方向は、前記圧縮空気インジェクタの噴口を通り、かつ、前記吸気ポートに接続された吸気通路内を流れる吸気の流れに沿う仮想線と、前記圧縮空気インジェクタの噴口を通り、かつ、前記吸気ポートの中心を通る仮想線との間の平面視扇状の範囲に含まれている構成としてもよい。
この場合、吸気ポートと比較的近い位置で圧縮空気をスワール流に干渉させることができ、スワール流を効率的にタンブル流に変換することができる。
また、上記の内燃機関において、前記圧縮空気インジェクタは、吸気行程において、前記ピストンが上死点から下死点の間の中間点まで下降したときに、圧縮空気を噴射する構成としてもよい。
この場合、ピストンが吸気行程における上死点から下死点の間の中間点まで下降したときに圧縮空気を噴射することにより、初期燃焼時における燃焼速度の増大に適したタンブル流を形成することができる。
また、上記の内燃機関において、前記圧縮空気インジェクタは、前記燃焼室の周方向における複数の方向へ圧縮空気を噴射する複数の噴口を備える構成としてもよい。
この場合、圧縮空気がスワール流に対して複数箇所にて交差することから、スワール流をよりタンブル流に引き込み易くなる。
本発明によれば、単一の吸気ポートおよび単一の排気ポートを有する二弁式の内燃機関において、タンブル流を強化することが可能な内燃機関を提供することができる。
第1の実施形態に係るエンジンの概要を示す正面断面図である。 第1の実施形態に係るエンジンの概要を示す側面断面図である。 第1の実施形態に係るエンジンの概略平面図である。 スワール流のタンブル流への引き込みを説明する概略斜視図である。 スワール流のタンブル流への引き込みを説明する概略正面図である。 圧縮空気の噴射制御を示す図である。 (a)スワール流とタンブル流との割合を示す図であり、(b)は本実施形態の熱効率向上を説明する図である。 第1の実施形態の変形例に係るエンジンの概略平面図である。 第2の実施形態に係るエンジンの概略平面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る内燃機関について図面を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、天然ガスを燃料とする火花点火式のガスエンジン(以下、単に「エンジン」と表記する)であり、燃焼室に単一の吸気ポート(吸気弁)および単一の排気ポート(排気弁)を備える二弁式のエンジンである。
図1、図2に示すように、エンジン10は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の上部に接合されるシリンダヘッド12を備えている。シリンダブロック11には、ボア壁11Aによって形成されるシリンダボア13が備えられており、シリンダボア13内には往復移動するピストン14が収容されている。ピストン14は、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12とともにシリンダボア13において燃焼室15を形成する。ピストン14は、コネクティングロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連結されている。ピストン14は、吸気、圧縮、燃焼・膨張および排気の一連の工程において上死点(TDC)と下死点(BCD)との間を往復動する。
シリンダヘッド12には、吸気ポート16および排気ポート17が配設されている。気化された燃料を含む混合気(吸気)は、吸気通路に接続された吸気ポート16より燃焼室15へ導入される。混合気の燃焼により発生した燃焼ガス(排気)は、排気ポート17を介して燃焼室15より排気管(図示せず)へと排出される。吸気ポート16には吸気弁18が備えられており、吸気弁18は吸気ポート16を開閉する。排気ポート17には排気弁19が備えられており、排気弁19は排気ポート17を開閉する。本実施形態では、吸気を効率的に燃焼室15に取り込むために、吸気ポート16の内径を排気ポート17の内径よりも僅かに大きく設定している。
図3に示すように、本実施形態では、燃焼室15の上部に配置される吸気ポート16および排気ポート17は、燃焼室15の平面視において、シリンダボア13の中心Pから偏心した位置に設けられている。吸気ポート16に接続された吸気通路を流れる吸気の流れ方向と排気ポート17に接続された排気通路を流れる排気の流れ方向は平行でかつ逆方向となっている。本実施形態のエンジン10は、吸気ポート16がシリンダボア13の中心Pから偏心する位置に設けられているため、燃焼室15に導入される吸気はボア壁11Aに沿って一方向へ流れ、燃焼室15内でスワール流(横渦流)Sを必然的に形成する。
図2に示すように、シリンダヘッド12には、点火プラグ20と圧縮空気インジェクタ21が備えられている。点火プラグ20は燃焼室15内の混合気に点火するためのものであり、公知の点火プラグである。圧縮空気インジェクタ21は、圧縮空気を燃焼室15へ噴射し、図4に示すように、燃焼室15内にタンブル流(縦渦流)Tを形成するためのものである。図3に示すように、本実施形態では、圧縮空気インジェクタ21は、吸気ポート16と排気ポート17の間を通る仮想線L1の線上に位置する。仮想線L1はシリンダボア13の中心Pを通る線である。図3、図4では、点火プラグ20の図示を省略している。なお、仮想線L2は、吸気ポート16の中心Qを通る線である。
圧縮空気インジェクタ21は、シリンダヘッド12に保持されるインジェクタ本体22を備えている。インジェクタ本体22の先端部には噴口23が設けられている。噴口23は、燃焼室15を臨み、燃焼室15への圧縮空気の噴射を可能とする。本実施形態では、噴口23から噴射される圧縮空気の噴射方向は、図3に示す平面視においては、仮想線L1に沿う方向、即ち、吸気ポート16に接続される吸気通路内を流れる吸気の流れ方向に沿う方向であって、かつ、吸気ポート16と排気ポート17の間から点火プラグ20に近いボア壁11Aへ向かう方向である。
なお、燃焼室15の平面視における圧縮空気の噴射方向は、噴口23を通り、かつ、吸気ポート16に接続された吸気通路を流れる吸気の流れ方向に沿う仮想線L1(仮想線L1の延在方向)と、噴口23を通り、かつ吸気ポート16の中心Qを通過する仮想線L2(仮想線L2の延在方向)までの範囲(「噴射好適範囲」と表記する)であればよい。つまり、噴射好適範囲は、吸気ポート16と排気ポート17との間にて吸気と平行な方向(仮想線L1の延在方向)と、吸気ポート16の吸気と直交方向であって吸気ポート16の中心Qを通る方向(仮想線L2の延在方向)との間の平面視扇状の範囲である。仮想線L1から仮想線L2の間までの噴射好適範囲で燃焼室15内に圧縮空気を噴射することで、吸気が燃焼室15内に導入された際に形成されるスワール流Sをタンブル流Tに効率的に変換することが可能となる。
図2に示す側面視における圧縮空気インジェクタ21の噴射方向は、シリンダボア13の中心P軸線に対して傾斜する方向であり、ボア壁11Aにおいて特定の位置に交差する。ボア壁11Aにおける特定の位置は、具体的には、ピストン14の上死点と下死点との間における中間の高さとなる位置(以下「中間点」と表記する)である。
圧縮空気インジェクタ21は配管25を介してエアコンプレッサ24と接続されている。エアコンプレッサ24は、空気を吸入して圧縮し、配管25を通じて圧縮空気を圧縮空気インジェクタ21へ供給する。圧縮空気インジェクタ21は、図示されないECU(Engine Control Unit)と接続されており、ECUからの指令に基づいて圧縮空気を噴射する。本実施形態では、ピストン14が、上死点から下死点へ変位する過程において上死点と下死点との中間点(1/2の位置)に達したときに、圧縮空気インジェクタ21は圧縮空気を噴射する。ECUは、圧縮空気インジェクタ21を制御するほか、エアコンプレッサ24を制御する。
次に、本実施形態のエンジン10の各行程について説明する。エンジン10の排気行程が終わった直後では、ピストン14は上死点に位置する。排気行程後の吸気行程では、吸気弁18が吸気ポート16を開くとともにピストン14が下降する。吸気弁18が吸気ポート16を開くと吸気ポート16と燃焼室15が連通され、吸気ポート16から燃焼室15に吸気が導入される。燃焼室15に導入された吸気はシリンダボア13のボア壁11Aに当たり、ボア壁11Aに沿って一方向へ流れ、シリンダボア13の中心Pを旋回中心とするように旋回するスワール流(横渦流)Sを形成する。
ピストン14が上死点と下死点との中間点(1/2の位置)に達したときに、圧縮空気インジェクタ21は圧縮空気を噴射する。図4、図5に示すように、圧縮空気インジェクタ21から噴射された圧縮空気は、ボア壁11Aに当たってピストン14へ向かい、ピストン14の頂面に当たる空気の流れを形成する。ピストン14の頂面に当たった空気の流れは再びボア壁11Aに当たり、シリンダヘッド12へ向かう。つまり、ボア壁11Aの周方向と直交する方向に旋回するタンブル流Tを形成する。
圧縮空気インジェクタ21から噴射された圧縮空気は燃焼室15においてタンブル流Tを形成するが、スワール流Sと交差して干渉する。タンブル流Tを形成する圧縮空気がスワール流Sと干渉することにより、スワール流Sがタンブル流Tに引き込まれる。圧縮空気の噴射方向が、仮想線L1から仮想線L2の間までのスワール流Sをタンブル流Tに効率的に変換することが可能な噴射好適範囲に含まれているため、スワール流Sの上流側にタンブル流Tが干渉し、スワール流Sの形成がタンブル流Tにより妨げられる。図3〜図5では、タンブル流Tと干渉する前のスワール流Sを実線により示し、タンブル流Tとの干渉後に存在するスワール流Sを点線により示す。
本実施形態では、図6に示すように、ピストン14が下死点に達するまで圧縮空気を噴射する。このため、タンブル流Tを形成する圧縮空気は、燃焼室15における吸気の流体エネルギーのうち、スワール流Sによる流体エネルギーの割合を低下させてタンブル流Tによる流体エネルギーの割合を高める。このため、燃焼室15ではタンブル流Tが支配的となる。
図7(a)に示すように、圧縮空気の噴射によりスワール流Sをタンブル流Tに引き込むように構成した本実施形態では、圧縮空気の噴射を行わない二弁式のエンジンである比較例と比較するとタンブル流Tが支配的となっている。
燃焼室15においてタンブル流Tが支配的である状態では、圧縮行程にてピストン14が上昇して上死点に接近すると、燃焼室15内のタンブル流Tが解消され、無数の小さな渦が形成される。すなわち、燃焼室15にはタンブル流Tの解消により燃焼を迅速化する乱流エネルギーに支配される。燃焼・膨張行程では、燃焼室15が乱流エネルギーに支配される状態にて、点火プラグ20により火花点火されると、燃焼室15の混合気は、急速に燃焼が拡散する。つまり、燃焼・膨張行程における点火からの初期燃焼における燃焼速度が増大する。
図7(b)に示すように、圧縮空気の噴射によりスワール流Sをタンブル流Tに引き込むように構成した本実施形態では、圧縮空気の噴射を行わない二弁式のエンジンである比較例と比較すると、熱効率が向上する。図7(b)に示すスワール比は、スワール流Sの流速とエンジン回転速度の比であり、タンブル比は、ピストン14が一往復する間に燃焼室15内でタンブル流Tが回転した回数である
燃焼・膨張行程が終了すると排気行程に移行する。排気行程では排気弁19が排気ポート17を開くとともにピストン14が上昇する。ピストン14の上昇とともに、燃焼室15内の混合気の燃焼により形成された燃焼ガスが排気として排気ポート17へ導入される。排気ポート17へ導入された燃焼ガスは、図示されない排気管を通じて排出される。
本実施形態に係るエンジン10は以下の作用効果を奏する。
(1)ピストン14が下降する吸気行程において吸気ポート16から燃焼室15へ吸気されることにより、燃焼室15にてスワール流Sが生じる。圧縮空気インジェクタ21は、ピストン14が下降する吸気行程において圧縮空気を噴射する。圧縮空気の噴射により燃焼室15においてタンブル流Tが形成されるとともに、タンブル流Tがスワール流Sに対して交差して干渉することにより、スワール流Sはタンブル流Tに引き込まれる。このため、燃焼室15における流体エネルギーのうち、タンブル流Tによる流体エネルギーが占める割合がスワール流Sによる流体エネルギーが占める割合よりも高くなる。燃焼室15におけるタンブル流を強化することができる。燃焼室15においてタンブル流Tが支配的となることにより、初期燃焼時の燃焼速度は増大して熱効率は向上する、よって、燃費の向上を図ることができる。
(2)圧縮空気インジェクタ21から噴射される圧縮空気の噴射方向は、吸気ポート16と排気ポート17との間にて吸気と平行な方向(仮想線L1の延在方向)と、吸気ポート16の吸気と直交方向であって吸気ポート16の中心Qを通る方向(仮想線L2の延在方向)との間の平面視扇状の範囲に含まれている。吸気ポート16と比較的近い位置でタンブル流Tを形成する圧縮空気をスワール流Sに干渉させることができ、スワール流Sを効率的にタンブル流Tに引き込むことができる。
(3)圧縮空気インジェクタ21により噴射される圧縮空気の噴射方向が吸気ポート16における吸気と平行であるため、圧縮空気が吸気ポート16から燃焼室15への吸気の導入を妨げずにスワール流Sを効率的にタンブル流Tに引き込むことができる。
(4)ピストン14が吸気行程において上死点から下死点の間の中間点まで下降したとき、圧縮空気インジェクタ21は圧縮空気を噴射する。ピストン14が吸気行程において上死点から下死点の間の中間点まで下降したときに圧縮空気を噴射することにより、初期燃焼時における燃焼速度の増大に適したタンブル流Tを形成することができる。また、吸気行程においてピストン14が下死点に達するまで、圧縮空気インジェクタ21による圧縮空気の噴射が継続されるので、十分にタンブル流Tの割合を高めることができる。
(変形例)
第1の実施形態の変形例について説明する。本実施形態では、圧縮空気インジェクタ21の噴射方向が、平面視において、吸気ポート16の吸気が流れる方向と平行であって、かつ、仮想線L1と一致する方向となるように、圧縮空気インジェクタ21を配置した。圧縮空気インジェクタ21の噴射方向は、例えば、図8に示すように、吸気ポート16側に噴射方向が向かう噴口23を備えた圧縮空気インジェクタ21を配置してもよい。本変形例は第1の実施形態と同等の作用効果を奏する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るエンジンについて説明する。本実施形態は、圧縮空気インジェクタが複数の噴口を備える点で第1の実施形態と相違し、その他の構成は第1の実施形態と同一である。本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については、第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
図9に示すエンジン30では、圧縮空気インジェクタ31のインジェクタ本体32の先端部には、複数の噴口33、34、35が備えられている。具体的には、インジェクタ本体32の先端部は、第1噴口33、第2噴口34、第3噴口35の3個の噴口を備えている。第1噴口33は、平面視において吸気ポート16の吸気と平行な噴射方向を有する。第2噴口34は、第1噴口33の噴射方向に対して吸気ポート側に30°の角度を成す噴射方向を有する。第3噴口35は第2噴口34の噴射方向に対して吸気ポート側に30°の角度を成す噴射方向を有する。第1噴口33〜第3噴口35の噴射方向は、いずれも、ピストン14の上死点と下死点との間における中間点と交差する。第1噴口33、第2噴口34および第3噴口35の孔径は同一である。
本実施形態では、第1の実施形態の作用効果と同等の作用効果を奏する。また、スワール流Sをタンブル流Tに効率的に引き込むことが可能な範囲において複数の噴口33〜35からタンブル流Tを形成する圧縮空気が噴射されるので、圧縮空気によりスワール流Sをタンブル流Tに効率的に引き込むことができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、圧縮空気インジェクタの噴射方向は、シリンダボアの中心を基準とし、吸気ポートの吸気と平行となる方向から吸気ポートの中心を向かう方向までの範囲(角度)でとしたが、この限りではない。例えば、圧縮空気インジェクタの噴射方向は、シリンダボアの中心を基準とし、吸気ポートの吸気と平行となる方向から排気ポート側へ向かう方向としてもよい。つまり、圧縮空気インジェクタの噴射方向は、スワール流をタンブル流に効率的に引き込むことが可能な噴射好適範囲に含まれていればよい。この場合、スワール流のタンブル流への引き込みは、上記の実施形態の場合より弱くなるものの、タンブル流の割合を増大させることができる。
○ 上記の実施形態では、圧縮空気インジェクタの軸方向がシリンダボアの中心軸線に対して傾斜するように、圧縮空気インジェクタをシリンダヘッドに設けたが、この限りではない。例えば、圧縮空気インジェクタの軸方向がシリンダボアの中心軸線と一致するように圧縮空気インジェクタをシリンダヘッドに設けてもよい。
○ 上記の実施形態では、圧縮空気の圧力源としてエアコンプレッサを用いたが、エアコンプレッサに代えて圧縮空気ボンベを用いてもよい。圧縮空気ボンベを用いる場合は、エアコンプレッサを用いる場合と比較して、エンジンの動力損失を低減することができる。
○ 第2の実施形態では、複数の噴口の孔径は同一としたが、互いに異なる孔径としてもよい。噴口の数も3個に限定されず、例えば、2個の噴口を設けるようにしてもよい。
10、30 エンジン
11 シリンダブロック
11A ボア壁
12 シリンダヘッド
13 シリンダボア
14 ピストン
15 燃焼室
16 吸気ポート
17 排気ポート
18 吸気弁
19 排気弁
20 点火プラグ
21、31 圧縮空気インジェクタ
23 噴口
24 エアコンプレッサ
25 配管
33 第1噴口
34 第2噴口
35 第3噴口
L1、L2 仮想線
P シリンダボアの中心
S スワール流
T タンブル流
TDC 上死点
BDC 下死点

Claims (4)

  1. 往復移動するピストンが収容されるシリンダボアと、
    前記ピストンにより前記シリンダボア内に形成される燃焼室と、
    前記燃焼室に対して配置される単一の吸気ポートおよび単一の排気ポートと、
    前記吸気ポートを開閉する吸気弁および前記排気ポートを開閉する排気弁と、を備え、
    吸気行程における前記吸気ポートからの吸気により前記燃焼室にスワール流が形成される内燃機関において、
    前記吸気ポートと前記排気ポートとの間に設けられ、前記吸気行程にて前記燃焼室におけるボア壁へ向けて圧縮空気を噴射することにより、前記燃焼室にタンブル流を形成する圧縮空気インジェクタを備え、
    前記圧縮空気インジェクタにより噴射された圧縮空気を前記スワール流に干渉させ、前記スワール流をタンブル流に引き込むことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記圧縮空気インジェクタから前記ボア壁へ向けて噴射される圧縮空気の前記燃焼室の平面視における噴射方向は、前記圧縮空気インジェクタの噴口を通り、かつ、前記吸気ポートに接続された吸気通路内を流れる吸気の流れに沿う仮想線と、前記圧縮空気インジェクタの噴口を通り、かつ、前記吸気ポートの中心を通る仮想線との間の平面視扇状の範囲に含まれていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記圧縮空気インジェクタは、吸気行程において、前記ピストンが上死点から下死点の間の中間点まで下降したときに、圧縮空気を噴射することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関。
  4. 前記圧縮空気インジェクタは、前記燃焼室の周方向における複数の方向へ圧縮空気を噴射する複数の噴口を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の内燃機関。
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