JP2019060021A - 亜鉛コーティングを備えた塗装鋼板 - Google Patents

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セルジョ・パーチェ
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ブルーノ・シュミッツ
Schmitz Bruno
ザビエル・ファンデン・エインデ
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Abstract

【課題】真空蒸着により亜鉛で、および良好な表面外観を有する塗料の層でコーティングされた、鋼板を利用可能にする製造方法の提供。【解決手段】亜鉛の少なくとも1つの層、電気泳動により適用された塗料の最上層を有するコーティングを備え、亜鉛の層が、6・10−2ミリバールから2・10−1ミリバールの間の圧力に維持された蒸着室2内でジェット蒸着法によって蒸着された鋼板3、ならびに関連する製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、特に自動車部品の製造(但し、自動車部品の用途に限定されない)のために意図されている塗料で被覆された亜鉛層を含むコーティングを備えた鋼板に関する。
本質的に亜鉛を含む亜鉛めっきコーティングは、例えば、自動車部門であろうと建築業界であろうと、従来、腐食に対してこのコーティングが与えるその有効な保護のために使用される。
以下の本文では、亜鉛コーティングは、生産中に生じる微量で存在する不可避的不純物を潜在的に含む、純亜鉛コーティングを意味する。
このようにコーティングされたシートは、次いで、コーティングの最上層に塗膜を形成するために塗装することができる部品を形成するために、切断され、例えば、スタンピング、曲げまたは成形によって成形することができる。この塗膜は、一般に、電気泳動により適用される。
鋼板の表面に亜鉛コーティングを堆積するために最も頻繁に使用される方法は、亜鉛めっきまたは電気亜鉛めっきである。しかし、これらの従来の方法では、新たなコーティング方法、特にジェット蒸着(JVD)等のような真空蒸着技術の開発につながった、高濃度のSi、Mn、Al、P、CrまたはB等の酸化性元素を含む等級の鋼をコーティングすることができない。
それにもかかわらず、これらの真空蒸着の方法(電気泳動による塗装工程に続く)に従ってコーティングされた鋼板の表面は、成形品の美観に悪影響を及ぼす表面欠陥を示す。
従って、本発明の目的は、真空蒸着により亜鉛で、および良好な表面外観を有する塗料の層でコーティングされた、鋼板を利用可能にすることによって、従来技術の方法を使用してコーティングされた鋼の欠点を除去することである。
この目的のため、本発明の第1の目的は、請求項1に記載の鋼板である。
この鋼板は、個々にまたは組み合わせて考慮される、請求項2から5の特徴を有することもできる。
本発明のさらなる目的は、請求項6に記載の方法である。
この方法は、個々にまたは組み合わせて考慮される、請求項7から8の特徴を有することもできる。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下に、より詳細に記載される。
本発明を例示するために、複数の試験が行われ、特に添付の図面を参照しながら、非限定的な実施例により説明される。
本発明により請求された方法を実施するために使用できるジェット蒸着装置を示す。 従来技術によりコーティングされた板の×4の拡大写真である。 本発明によりコーティングされた板の×4の拡大写真である。
本発明に従ってコーティングされた鋼板は、まず、自動車の車体部品の製造に使用できるように、好ましくは熱間圧延され、次いで冷間圧延された鋼の基材を含む。しかし、本発明はこの分野に限定されるものではなく、その意図された最終用途にかかわらず、あらゆる鋼部品に使用できる。
鋼基材は、特に、高濃度の酸化性元素を含む、VHS(非常に高強度な鋼、一般に450から900MPaの間)またはUHS(超高強度、一般に900MPa超過)鋼の以下のグレードの1つとすることができる:
− 0.1重量%までのTiを含むことができる、侵入型元素のない鋼(IF、侵入型元素フリー);
− DP500鋼のような、DP1200鋼までの、1重量%までのSi、Crおよび/またはAlに関連して3重量%までのMnを含有することができる二相鋼;
− TRIP780鋼のような、例えば、約1.6重量%のMnおよび1.5重量%のSiを含むTRIP(変態誘起塑性)鋼;
− リンを含有するTRIP鋼または二相鋼;
− 高含有率(一般には17から25重量%)のMnを有するTWIP(トワイニング誘起塑性)鋼;
− Fe−Al鋼のような、例えば、10重量%までのAlを含むことができる低密度鋼;
− 他の合金元素(Si、Mn、Al等.)に関連して高濃度(一般には13から35重量%)のクロムを有するステンレス鋼。
鋼板は、場合により、最終製品の所望の特性に適切な方式で、亜鉛層の他に1つ以上の追加の層でコーティングしてもよい。亜鉛層は、好ましくは、コーティングの最上層である。
本発明に係る鋼板の製造方法は図1により具体的に示され、図1は真空蒸着室2を含む設備1を示す。この室は入口ロックおよび出口ロック(図示せず)を含み、これらの間をコーティングされるべき鋼板3が循環する。鋼板3は、任意の適切な手段、例えば、その上にストリップを支持することが可能な回転支持体ローラによって移動させることができる。
コーティングすべきストリップの表面に対向するようにスロット8を装備した吐出室7が位置し、スロット8の上部は、例えば、コーティングされるべきストリップの表面から20から60mmの間の距離dだけ離れて位置している。この室7は、鋼ストリップ3の表面に蒸着されるべき液体亜鉛9を含む蒸発るつぼ4上に載せられている。蒸発るつぼ4は、有利には、蒸気の形成を可能にする誘導加熱装置5を装備する。次いで蒸気は、それを吐出室7およびスロット8(好ましくは、コーティングされるべき基材の表面に向けて噴流を形成するように調整される)に案内する導管10を介して、るつぼから出る。スロット8の存在により、均一な蒸着を達成するという利点を有するスロット(ソニックスロート)に沿って一定の音速での蒸気の質量流量の調節が可能になる。この技術は頭字語「JVD」(ジェット蒸着)を使用して後で参照される。この技術の追加の情報については、特許EP07447056号に記載されている。
図示しない別の実施形態では、るつぼおよび吐出室は一つの同じ部分であり、コーティングされるべき基材の表面に向けられたスロットを含む。この実施形態では、亜鉛を加熱することによって作成された蒸気は、スロットに向けて直接上り、コーティングされる基板の表面に向けられた噴流を形成する。
蒸着室2の圧力Pchamberは、6・10−2ミリバールから2・10−1ミリバールの間の圧力に維持される。
蒸着室2の圧力Pchamberおよび吐出室7の圧力Pejectは、これらのコーティングの一時的保護の改善を可能にするために、場合によりPejectに対するPchamberの比が2・10−3から5.5・10−2の間になるように維持される。
最終製品に送達または変換される前に鋼板を湿ったおよび/または塩水環境で貯蔵する場合の一時的な保護を提供するために、このようにコーティングされた鋼板の表面に、油層が場合により塗布される。
鋼板1は、スキンパス(skin−pass)工程に供することができ、あるいは供することができなかったが、次いで、切断され、例えば、スタンピング、曲げ、成形により成形されて、コーティング上に塗膜を形成するために塗装することができる部品を形成する。
自動車用途のために、リン酸塩処理後、それぞれのピースは、電気泳動浴中で急冷し、プライマー塗料層、ベース塗料層、および任意に仕上げワニス層が順次適用される。
部品に電気泳動層を適用する前に、部品をまず脱脂し、次いでリン酸塩化して、電気泳動層の密着性を確保する。
電気泳動層は部品に、腐食に対する追加の保護を提供する。通常、スプレーガンによって塗布されたプライマー塗料の層は、部品の最終的な外観を調製し、砂粒から、および紫外線照射からそれを保護する。ベース塗料の層は、部品にその色およびその最終的な外観を与える。ワニス層は、部品の表面に良好な機械的強度、攻撃的な化学物質に対する耐性および良好な表面外観を与える。
一般的に、リン酸塩層の重量は1.5から5g/mの間である。
部品の最適な表面外観を保護し、保証するために使用される塗膜は、例えば、厚さ15から25μmの電気泳動層、厚さ35から45μmのプライマー塗料の層および厚さ40から50μmのベース塗料の層を含む。
塗膜がワニス層も含む場合には、塗料の異なる層の厚さは一般に次のとおりである:
− 電気泳動層:15から25μmの間、好ましくは20μm未満、
− プライマー塗料の層:45μm未満、
− ベース塗料の層:20μm未満、および
− ワニス層:55μm未満。
塗膜は電気泳動層を含まないで、1つのプライマー塗料の層および1つのベース塗料の層、および任意にワニスの層を含むこともできる。
好ましくは、塗膜の全厚さは120μm未満、または100μm未満ですらある。
時折電気泳動層の適用後の鋼板の表面上に、鋼板上に腐食の端緒のための特別部位であり、鋼板の表面の外観を著しく低下させるクレーター型欠陥が観察される。これらのクレーターは、電気泳動層の表面に現れ、場合により鋼の基材の表面に到達するようコーティングを通って伸びるおそれのある切頂円錐孔の形態である。それらは一般に基部で100から500μmの間の直径を、頂部で5から20μmの間の直径を有する。
本発明は、限定的ではない実施例によって実行された試験に基づいて、以下に説明される。
試験
受け入れ基準
クレーター型欠陥の外観のリスクに対する製品の感度を評価するために、鋼板を研磨に供した後、コーティングした鋼板10cm×15cm上に存在する欠陥の数について基準がある。コーティングした鋼板が受け入れられるためには、それは10×15cm当たり4個より少ない欠陥を有していなければならず、これは平方デシメートル当たり2.7個未満の欠陥に相当する。
試験
7.5μmの厚さの亜鉛コーティングを有する、アルセロールミタルによって販売されている種類のタイプDC06の3シリーズの冷間圧延IF鋼板試料を製造した。
両方の試料に対し、蒸着室の異なる圧力で、JVD蒸着によってコーティングを適用し、このとき抽出(吐出)室のスロットの上部とコーティングされるべき同一のストリップの表面との間の距離dは約35mmに等しかった。
Figure 2019060021
次いで、1.2g/m±0.3g/mでQuaker Ferrocoat油 N 6130で試料をコーティングし、次いでリン酸塩工程、次に電気泳動工程に供した。次いで、市販のTalySurf CLI 2000のような画像取り込み処理装置によって、コーティングされたストリップの表面上に存在する前述のように定義したクレーター型欠陥の数を計算することを可能になった。これらのクレーターは、電気泳動層の表面に現れ、そして鋼の基材の表面に到達するようコーティングを通って伸びるおそれのある切頂円錐孔の形態をしている。
Figure 2019060021
従って、本発明による試料No.2は、試料No.1とは対照的に、受け入れ基準を満たす。
図2は、電気泳動方法を使用して塗料のコートを塗布した、従来技術の鋼板の×4の拡大写真である。DC06の冷間圧延IF鋼板であるこの鋼板を、蒸着室の圧力が10−2ミリバール未満の圧力に維持され、距離dが35mmに等しいJVD法を使用して7.5μmのZnでコーティングした。表面の一時的な保護を提供するために、このようにコーティングした鋼板を1.2g/m±0.3g/mでQuaker Ferrocoat油 N 6130の層でコーティングし、次いで電気泳動−塗装工程に供した。前述のように定義したクレーター型の欠陥11が、この鋼板の表面で観察された。これらの欠陥は鋼板の表面の外観を大幅に悪化させる。
図3は、本発明による鋼板の×4の拡大写真である。DC06の冷間圧延IF鋼板のこの板を、蒸着室の圧力が1.1・10−1ミリバールの圧力に維持され、距離dが35mmに等しいJVD法を使用して7.5μmのZnでコーティングした。表面の一時的な保護を提供するために、このようにコーティングした鋼板を1.2g/m±0.3g/mでQuaker Ferrocoat油 N 6130の層でコーティングし、次いで電気泳動−塗装工程に供した。この鋼板の表面にはクレーター型欠陥が存在しないことが明らかである。図に現れるグレーの影は、鋼板の表面の粗さに関連しており、上記の意味での欠陥には関連していない。
Quaker Ferrocoatの代わりに1.2g/mでFuchs Anticorite油 RP 4107sを用いても、同様の結果を観察することができる。
本発明者はまた、蒸着室内の圧力の変化が鋼板の表面上のコーティングの蒸着速度に影響を与えないことを指摘する。

Claims (9)

  1. 生産中に生じる微量で存在する不可避的不純物を潜在的に含む、純粋な亜鉛の少なくとも1つの層、および電気泳動により適用された塗料の最上層を含むコーティングを備え、前記亜鉛の層が、6・10−2ミリバールから2・10−1ミリバールの間の圧力Pchamberに維持された蒸着室内でジェット蒸着法によって蒸着された鋼板。
  2. 蒸着室内部の圧力Pchamberおよび亜鉛吐出室内部の圧力Pejectの間の比が、2・10−3から5.5・10−2の間である方法により得られた、請求項1に記載の鋼板。
  3. 吐出室7のスロット8の上部とコーティングされるべき鋼板との間の距離dが、20から60mmの間である方法により得られた、請求項1または2に記載の鋼板。
  4. 亜鉛の層が、塗料の層の適用前にコーティングの最上層である方法により得られた、請求項1から3のいずれか一項に記載の鋼板。
  5. 前記鋼板の表面が、平方デシメートル当たり2.7個以下のクレーター型欠陥を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼板。
  6. コーティングされた鋼が、非常に高強度な鋼である、請求項1から5のいずれか一項に記載の鋼板。
  7. 6・10−2ミリバールから2・10−1ミリバールの間の圧力Pchamberに維持された蒸着室内で亜鉛の音速蒸気噴流によって鋼板をコーティングすることを含む、コーティングされ塗装された鋼板の製造方法。
  8. 蒸着室内部の圧力Pchamberと吐出室内部との圧力Pejectの間の比が、2・10−3から5.5・10−2との間である、請求項7に記載の方法。
  9. 吐出室7のスロット8の上部とコーティングされるべき鋼板との間の距離dが、20から60mmの間である、請求項7に記載の方法。
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