JP2019059762A - デュアルv領域抗体様タンパク質の使用 - Google Patents

デュアルv領域抗体様タンパク質の使用 Download PDF

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【課題】ヒトでの使用のために非免疫原性で安全な、IL−4を阻害する改善された薬剤、IL−13を阻害する改善された薬剤、並びにIL−4およびIL−13の両方を阻害する単一の薬剤の提供。【解決手段】約433ug・h/ml〜約14200ug・h/mlの時間ゼロから実時間まで台形法を使用して計算した血漿濃度対時間曲線下の面積(AUClast)を有する、ヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量による。【選択図】なし

Description

インターロイキン−4(IL−4)は、リンパ系B細胞およびT細胞、ならびに単球、内皮細胞および線維芽細胞を含む多くの非リンパ系細胞に対して広いスペクトルの生物学的影響を有する多面的なサイトカインである。例えば、IL−4は、いくつかのIL−2依存性細胞株およびIL−3依存性細胞株の増殖を刺激し、休止B細胞上での主要組織適合複合体クラスII分子の発現を誘導し、ヒトB細胞によるIgG4およびIgEの分泌を増強する。IL−4は、Th2型免疫応答と関連し、Th2細胞によって産生され、Th2細胞の分化を促進する。IL−4は、多数の障害、例えばアレルギーおよび喘息に関与している。
IL−13は、活性化後の活性化Tリンパ球、Bリンパ球および肥満細胞によって分泌される、112アミノ酸の最近同定された(非特許文献1および2)サイトカインである。IL−4と共有されるその多数の生物学的特性によって、IL−13はIL−4様サイトカインと記載されてきた。その活性は、B細胞(非特許文献3、4、5)、単球(非特許文献6、7、8、9、10)および他の非造血細胞(非特許文献11および12)に対するIL−4の活性と実に類似している。他方、IL−4とは対照的に、IL−13は、休止T細胞または活性化T細胞に対しては特定の影響を発揮しない(非特許文献13)。
単球/マクロファージ、Bリンパ球および特定の造血前駆体に対するIL−13の種々の生物学的活性は、A.J.Mintyによって、ならびにIL−13に関する総説論文中に詳細に記載されている。さらに、いくつかのデータは、このサイトカインが他の細胞型に対して多面的な影響を有することを示している。IL−13によって直接影響されるこれらの非造血細胞は、内皮細胞およびミクログリア細胞、ケラチノサイトならびに腎臓癌腫および結腸癌腫である。
細胞内の生物学的分子によって伝達されるシグナルの分析における段階の1つは、その膜レセプターを同定することにある。IL−13レセプターについてこの目的を達成するために実施された調査研究は、IL−13およびIL−4が、共通のレセプター、または最低でも共通のレセプター複合体の構成要素のいくつか、ならびに共通のシグナル伝達エレメントを有することを示している(非特許文献14、15、16、17)。このレセプターは、考慮される細胞型によって異なる数で、種々の細胞型の表面に存在する。IL−13レセプターおよびIL−4レセプターの分布比較が、非特許文献18によって示されている。
細胞表面レセプターおよびレセプター複合体は、異なる親和性でIL−4および/またはIL−13に結合する。IL−4および/またはIL−13に結合するレセプターおよびレセプター複合体の素因構成要素は、IL−4Rα、IL−13Rα1およびIL−13Rα2である。これらの鎖は、IL−4Rα/IL−13Rα1(II型IL−4R)またはIL−4Rα/c(I型IL−4R)のモノマーまたはヘテロダイマーとして細胞の表面上に発現される。IL−4RαモノマーおよびIL−4R/cヘテロダイマーはIL−4に結合するが、IL−13には結合しない。IL−13Rα1モノマーおよびIL−13Rα2モノマーはIL−13に結合するが、IL−4には結合しない。IL−4Rα/IL−13Rα1ヘテロダイマーは、IL−4およびIL−13の両方に結合する(非特許文献19)。
Th2型免疫応答は、抗体産生および体液性免疫を促進し、細胞外病原体を撃退するために複雑に構成されている。Th2細胞は、Ig産生(体液性免疫)のメディエーターで
あり、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10およびIL−13を産生する(非特許文献20)。Th2型免疫応答は、特定のサイトカイン(例えば、IL−4、IL−13)および特定の型の抗体(IgE、IgG4)の生成を特徴とし、涙目および喘息症状、例えば、気道炎症および肺における気道筋肉細胞の収縮を生じ得るアレルギー性反応に典型的である。
IL−4およびIL−13は共に、その生物学的機能に基づいて治療上重要なサイトカインであり、喘息を含む多くの疾患において重要な役割を果たす(非特許文献21)。IL−4は、自己免疫疾患を阻害できることが示されており、IL−4およびIL−13は共に、抗腫瘍免疫応答を増強する潜在能力を示している。IL−4およびIL−13ならびにそれらのレセプターの上昇は、特発性肺線維症(IPF)の病理発生に関連付けられている(非特許文献22;23)。文献中の証拠は、TH2サイトカインIL−4およびIL−13が、この肺組織の再構築および線維症のメディエーターとして、IPFの病理発生において複数の役割を果たすことを実証している。肺中のTh2型CD4+t細胞は、IL−4およびIL−13の主な供給源である可能性が高く、細胞外マトリックス再構築の重要なレギュレーターとして暗示されているが(非特許文献24)、肥満細胞、好塩基球、好酸球、マクロファージおよび上皮細胞を含む他の細胞型もまた、これらのサイトカインの潜在的な供給源であり得る(非特許文献25)。IPF患者において、気管支肺胞洗浄液中のIL−13レベルおよびIL−4レベルは、正常コントロールと比較して上昇する。かかる証拠は、これらのサイトカインを抑制または中和できる治療が、IPF患者における線維症の進行を遅延させる潜在能力を有することを示唆している。両方のサイトカインが、アレルギー性疾患または線維性疾患の病理発生に関与するので、これらのサイトカインのインヒビターは、治療上の利益を提供し得る。
WO2009/052081(PCT/US2008/079787)
Minty,A.ら、Nature、1993年、362巻、248〜250頁 McKenzie,A.N.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A、1993年、90巻、3735〜3739頁 Defrance,T.ら、J.Exp.Med.、1994年、179巻、135〜143頁 Punnonen,J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、1993年、90巻、3730〜3734頁 Fior,R.ら、Eur.Cytokine Network、1994年、5巻、593〜600頁 Muzio,M.R.F.ら、Blood、1994年、83巻、1738〜1743頁 De Waal Malefyt,R.ら、J.Immunol、1993年、151巻、6370〜6381頁 Doyle,A.ら、Eur.J.Immunol.1994年、24巻、1441〜1445頁 Montaner,L.J.ら、J.Exp.Med.、1993年、178巻、743〜747頁 Sozzani,P.ら、J.Biol.Chem.、1995年、270巻、5084〜5088頁 Herbert,J.M.ら、Febs Lett.、1993年、328巻、268〜270頁 Derocq,J.M.ら、Febs Lett.1994年、343巻、32〜36頁 Zurawuki,G.ら、Immunol.Today、1994年、15巻、19〜26頁 Zurawski S.M.ら、Embo Journal、1993年、12巻、2663〜2670頁 Aversa,G.ら、J.Exp.Med.、1993年、178巻、2213〜2218頁 Vita,N.ら、Biol.Chem.、1995年、270巻、3512〜3517頁 Lefort,S.ら、Febs Lett.、1995年、366巻、122〜126頁 A.J.Minty、Interleukin−13 for Cytokines in Health and Disease.D.G.RemickおよびJ.S.Frie編、Marcel Decker、N.Y.1996年 Murataら、Int.J.Hematol.、1999年、69巻、13〜20頁 Tanakaら、Cytokine Regulation of Humoral Immunity、251〜272頁、Snapper編、John Wiley and Sons、New York(1996年) Curr Opin Allergy Clin Immunol 2005年、5巻、161〜166頁 Jakubzick C.ら、Am J Pathol.2004年:164巻(6号):1989〜2001頁 Murray LAら Int J Biochem Cell Biol.2008年:40巻(10号):2174〜82頁 Wynn,TA、Naat.Rev.Immunol、4巻:583〜594頁、2004年 Gordon SおよびMartinez FO、Immunity Rev.32巻:593〜604頁、2010年
したがって、ヒトでの使用のために非免疫原性で安全な、IL−4を阻害する改善された薬剤、IL−13を阻害する改善された薬剤、ならびにIL−4およびIL−13の両方を阻害する単一の薬剤が必要とされている。本発明者らは以前に、IL−4およびIL−13に特異的に結合する4つの結合部位を有するデュアルV領域抗体様結合ペプチドについて報告している(参照によってその全体が組み入れられる特許文献1)。
本発明の1実施形態は、約433ug・h/ml〜約14200ug・h/mlの時間ゼロから実時間まで台形法を使用して計算した血漿濃度対時間曲線下の面積(AUClast)を有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番
号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、約459ug・h/ml〜約670014500ug・h/mlの無限に外挿された血漿濃度対時間曲線下の面積(AUC)を有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、約0.717ug/ml〜約28.7ug/mlの観察された最大血漿濃度(Cmax)を有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に
結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、約96時間〜約168時間の最大血漿濃度に達するまでの第1の時間(tmax)を有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合す
るデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、このデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、約1679時間〜約2020時間のtlastを有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号
1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、約244時間〜約536時間のt1/2Zを有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、このペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、約6830ml〜約18770mlのVss/Fを有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、約12.1ml/時間〜約38.4ml/時間のCL/Fを有するヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、ヒト対象に投与された、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の安全治療用量の出現を同定またはモニタリングする方法であって、(a)前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の用量を前記ヒト対象に投与する工程;(b)アレルギー性気管支痙攣についての救急処置室または家庭での集中処置、血液疾患、けいれん、総ビリルビン>2×正常範囲の上限(ULN)と関連するアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>3×ULN、無症候性ALTの増加>10×ULN、薬物依存または薬物乱用の発生、ALTの増加≧2×ULN、≧72時間にわたるh
sCRP>10mg/L、心筋トロポニンI(cTnI)>2×ULN、心電図(ECG)マシンでの心室の脱分極および再分極時間(QT)からなる群より選択される1つまたはそれ以上の事象を測定する工程であって、QTは、QTc≧500msである、ECGマシンによって自動的に補正されたものであり(QTc)、重症皮膚反応は、IP注射の部位に局所的である、工程;および(c)(b)で測定された1つまたはそれ以上の前記事象が出現していないことを決定する工程を含み、前記用量が、前記ヒト対象に投与された前記安全治療用量として同定される、上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、ヒト対象に投与される、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療用量が安全か否かをモニタリングする方法であって、(a)前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の前記治療用量を前記ヒト対象に投与する工程;(b)アレルギー性気管支痙攣についての救急処置室または家庭での集中処置、血液疾患、けいれん、総ビリルビン>2×正常範囲の上限(ULN)と関連するアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>3×ULN、無症候性ALTの増加>10×ULN、薬物依存または薬物乱用の発生、ALTの増加≧2×ULN、≧72時間にわたるhsCRP>10mg/L、心筋トロポニンI(cTnI)>2×ULN、心電図(ECG)マシンでの心室の脱分極および再分極時間(QT)からなる群より選択される1つまたはそれ以上の事象を測定する工程であって、QTは、QTc≧500msである、ECGマシンによって自動的に補正されたものであり(QTc)、重症皮膚反応は、IP注射の部位に局所的である、工程;および(c)(b)で測定された1つまたはそれ以上の前記事象が生じたことを決定する工程を含み、前記治療用量が安全でないと同定され、治療用量が中断または低減される、上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、ヒト対象への、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の安全治療用量を選択するまたは治療用量の安全な使用をモニタリングする方法であって、(a)前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の用量を前記ヒト対象に投与する工程;(b)前記ヒト対象由来の血液サンプル中でC反応性タンパク質(CRP)のレベルを測定する工程;および(c)(b)で測定された前記C反応性タンパク質(CRP)のレベルが20mg/L未満であることを決定する工程を含み、前記用量が、前記ヒト対象に投与される前記安全治療用量として選択される、上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、
配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、ヒト対象への、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の安全治療用量を選択するまたは治療用量の安全な使用をモニタリングする方法であって、(a)前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の用量を前記ヒト対象に投与する工程;(b)心電図(ECG)マシンでの心室の脱分極および再分極時間(QT)を測定する工程であって、前記ヒト対象のQTは、ECGマシンによって自動的に補正される(QTc)、工程;および(c)(b)で測定された前記QTCが500ms未満であることを決定する工程を含み、前記用量が、前記ヒト対象に投与される前記安全治療用量として選択される、上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、このペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、安全治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療用量がヒトへの投与に安全で容認できるか否かを決定する方法であって、(a)非ヒト霊長類において非免疫原性研究を実施する工程;および(b)非ヒト霊長類における非免疫原性研究に基づいて、ヒト患者における安全治療用量を決定する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療用量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、試験サンプル中のヒト抗体の総量を測定する方法であって、(a)モノクローナル抗ヒトκ鎖を用意する工程;(b)モノクローナル抗ヒトκ鎖に試験サンプルを添加する工程;(c)モノクローナル抗ヒトκ鎖およびサンプルに、スルホタグ標識化抗ヒト抗体を添加する工程;および(d)サンプルに結合したタグ標識化抗ヒト抗体の量を定量する工程を含み、試験サンプルに結合したタグ標識化抗ヒト抗体の量が、試験サンプル中のヒト抗体の総量を決定する、方法である。本発明のさらなる実施形態において、抗ヒトκ鎖は捕捉デバイスに付着される。
本発明の1実施形態は、試験サンプル中に存在するIL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体の割合を測定する方法であって、(a)抗ヒトIL−4抗体を用意する工程;(b)抗ヒトIL−4抗体にヒトIL−4を添加する工程;(c)ヒトIL−4
および抗ヒトIL−4抗体に、IL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルを添加する工程;(d)IL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルならびにヒトIL−4および抗ヒトIL−4抗体に、ヒトIL−13を添加する工程;(e)IL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルならびにヒトIL−4および抗ヒトIL−4抗体に、ビオチン化抗ヒトIL−13抗体を添加する工程;および(f)ビオチン化抗ヒトIL−13抗体ならびにIL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルならびにヒトIL−4および抗ヒトIL−4抗体に、タグ標識化ストレプトアビジンを添加する工程;および(g)ビオチン化抗ヒトIL−13抗体に結合したタグ標識化ストレプトアビジンの量を定量する工程を含み、結合したタグ標識化ストレプトアビジンの量が、試験サンプル中に存在するIL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体の割合を決定する、上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、抗ヒトIL−4抗体は捕捉デバイスに付着される。本発明のさらなる実施形態において、二重特異性抗体は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。
本発明の1実施形態は、試験サンプル中に存在するIL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体の割合を測定する方法であって、(a)抗ヒトIL−13抗体を用意する工程;(b)抗ヒトIL−13抗体にヒトIL−13を添加する工程;(c)ヒトIL−13および抗ヒトIL−13抗体に、IL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルを添加する工程;(d)IL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルならびにヒトIL−13および抗ヒトIL−13抗体に、ヒトIL−4を添加する工程;(e)IL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルならびにヒトIL−13および抗ヒトIL−13抗体に、ビオチン化抗ヒトIL−4抗体を添加する工程;および(f)ビオチン化抗ヒトIL−4抗体ならびにIL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体を含む試験サンプルならびにヒトIL−13および抗ヒトIL−13抗体に、タグ標識化ストレプトアビジンを添加する工程;および(g)ビオチン化抗ヒトIL−4抗体に結合したタグ標識化ストレプトアビジンの量を定量する工程を含み、結合したタグ標識化ストレプトアビジンの量が、試験サンプル中に存在するIL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体の割合を決定する、上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、抗ヒトIL−13抗体は捕捉デバイスに付着される。本発明のさらなる実施形態において、二重特異性抗体は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。
本発明の1実施形態は、試験サンプル中の抗薬物抗体を測定する方法であって、(a)試験サンプルを、IL−4およびIL−13に結合できるビオチン化二重特異性抗体ならびにIL−4およびIL−13に結合できるタグ標識化二重特異性抗体と合わせる工程;(b)試験サンプルならびにIL−4およびIL−13に結合できるビオチン化二重特異性抗体ならびにIL−4およびIL−13に結合できるタグ標識化二重特異性抗体に、ストレプトアビジンを添加する工程;および(c)結合したIL−4およびIL−13に結合できるタグ標識化二重特異性抗体の量を定量する工程を含み、結合したIL−4およびIL−13に結合できるタグ標識化二重特異性抗体の量が、試験サンプル中の抗薬物抗体ヒト抗体の量を決定する、上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、ストレ
プトアビジンは捕捉デバイスに付着される。
本発明の1実施形態は、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片である薬物の投与後の、ヒト対象または非ヒト霊長類の血清中の抗薬物抗体の量を定量またはモニタリングする方法であって、(a)前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の用量を、前記ヒト対象または前記非ヒト霊長類に投与する工程;(b)前記ヒト対象または前記非ヒト霊長類から前記血清のサンプルを得る工程;および(c)前記血清サンプル中の抗薬物抗体の量を決定する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。
本発明の1実施形態は、ヒト対象または非ヒト霊長類の血清中の、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の総量を定量またはモニタリングする方法であって、(a)前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の用量を、前記ヒト対象または前記非ヒト霊長類に投与する工程;(b)前記ヒト対象または前記非ヒト霊長類から前記血清のサンプルを得る工程;および(c)前記サンプル中の前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の前記総量を決定する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。
本発明の1実施形態は、ヒト対象または非ヒト霊長類の血清中の、IL−4およびIL−13に結合するのに機能的に利用可能な、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の割合を定量またはモニタリングする方法であって、(a)前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片を、前記ヒト対象または前記非ヒト霊長類に投与する工程;(b)前記ヒト対象または前記非ヒト霊長類から血清のサンプルを得る工程;および(c)前記サンプル中の、IL−4およびIL−13に結合するのに機能的に利用可能な前記デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の割合を決定する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。
本発明の1実施形態は、哺乳動物において喘息を処置する方法であって、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療有効量を、前記哺乳動物に投与する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と
、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療有効量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療有効量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、哺乳動物において特発性肺線維症を処置する方法であって、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療有効量を、前記哺乳動物に投与する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療有効量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療有効量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、哺乳動物において、IL−4もしくはIL−13に媒介される疾患またはIL−4誘導およびIL−13誘導されたSTAT6リン酸化を処置する方法であって、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療有効量を投与する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療有効量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療有効量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、哺乳動物において、IL−4もしくはIL−13に媒介される疾患またはIL−4誘導およびIL−13誘導されたIL−6放出を処置する方法であって、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療有効量を投与する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、この治療有効量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療有効量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、哺乳動物において、IL−4もしくはIL−13に媒介される疾患またはIL−4誘導およびIL−13誘導されたエオタキシン放出を処置する方法であって、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質
またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療有効量を投与する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療有効量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療有効量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、哺乳動物において、IL−4もしくはIL−13に媒介される疾患またはIL−4誘導およびIL−13誘導されたLOX発現を治療する方法であって、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療有効量を投与する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療有効量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療有効量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
本発明の1実施形態は、哺乳動物において、IL−4もしくはIL−13に媒介される疾患またはIL−4誘導およびIL−13誘導された赤血球増殖を処置する方法であって、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療有効量を投与する工程を含む上記方法である。本発明のさらなる実施形態において、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む。さらなる実施形態において、配列番号1および配列番号3はペプチドリンカーで互いに連結され、配列番号2および配列番号4はそのペプチドリンカーで互いに連結される。さらなる実施形態において、ペプチドリンカーは配列番号6からなる。別の実施形態において、治療有効量は約300mg以下である。さらなる実施形態において、治療有効量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。
IL−4刺激またはIL−13刺激された単球におけるIL−4誘導またはIL−13誘導されたStat6リン酸化に対するhuTBTI3_2_1の影響を示す図である。 特発性肺線維症患者由来のヒト肺線維芽細胞からの、IL−4刺激およびIL−13刺激されたIL−6放出およびエオタキシン放出に対するhuTBTI3_2_1の影響を示す図である。 特発性肺線維症の肺線維芽細胞におけるIL−4誘導およびIL−13誘導されたLOX発現に対するhuTBTI3_2_1の影響を示す図である。 カニクイザルにおけるアレルゲン誘導された急性喘息に対する抗原誘導された気道応答性亢進に対するhuTBTI3_2_1の影響を示す図である。データは平均±s.e.m.で示される。コントロール抗体処置群と比較して、*p<0.05、**p<0.01。 カニクイザルにおけるアレルゲン誘導された急性喘息に対する気道における総白血球の抗原誘導された蓄積に対するhuTBTI3_2_1の影響を示す図である。データは平均±s.e.m.で示される。コントロール抗体処置群と比較して、*p<0.05、**p<0.01。 カニクイザルにおけるアレルゲン誘導された急性喘息に対する気道における好酸球の抗原誘導された蓄積に対するhuTBTI3_2_1の影響を示す図である。データは平均±s.e.m.で示される。コントロール抗体処置群と比較して、*p<0.05、**p<0.01。 カニクイザルにおけるアレルゲン誘導された急性喘息からの血清IgE力価に対するhuTBTI3_2_1の影響を示す図である。データは平均±s.e.m.で示される。コントロール抗体処置群と比較して、*p<0.05、**p<0.01。 正常なヒト気管支上皮細胞(NHBE;左のパネル)およびヒト小気道上皮細胞(SAEC;右のパネル)からの、IL−4媒介およびIL−13媒介されたTGFβ放出に対するSAR156597の影響を示す図である。 ヒト軽鎖κの濃度を測定することによって血清中のヒト抗体の総量を測定するための(パネルA);IL−4およびIL−13に対する機能的抗体の割合を測定するための(パネルB);ならびに抗薬物抗体(ADA)を測定するための、アッセイの模式的表示を示す図である。 0日目、14日目、21日目、28日目および35日目における、カニクイザルへの、PBS中のhuTBTI3_2_1(バッチ番号LP08045)2.5mg/kgの単一用量静脈内潅流投与後の、機能的huTBTI3_2_1の平均血清濃度の時間プロット(パネルA)表示を示す図である;表(パネルB)は、サルにおけるPBS中のhuTBTI3_2_1(バッチ番号LP08059)2.5mg/kgの1回目の用量および5回目の用量の後の、薬物動態パラメータをまとめている。 TDU11325からの、10〜300mgの単一皮下用量後の、SAR156597血漿濃度の平均を示す図である。
特に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。
本明細書中で引用される各刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、本開示と不整合にならない程度まで、その全体が参照により組み入れられる。
本明細書中では、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形(「a」、「an」および「the」)には、文脈が明らかに他を示さない限り、複数形の言及が含まれることに留意されたい。
さらに、本発明によれば、当業者の技術範囲内の従来の分子生物学、微生物学および組換えDNA技術が使用され得る。かかる技術は、文献中に充分に記載されている。例えば、Sambrook、FritschおよびManiatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989年)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York(本明細書中で「Sambrookら、1989年」);DNA Cloning:A Practical Approach、第I巻および第II巻(D.N.Glover編 1985年);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編 1984年);Nucleic Acid Hybridization[B.D.HamesおよびS.J.Higgins編(1985年)];Transcription And Translation[B.D.HamesおよびS.J.Higgins、編(1984年)];Animal Cell Culture[R.I.Freshney、編(1986年)];I
mmobilized Cells And Enzymes[IRL Press、(1986年)];B.Perbal、A Practical Guide To Molecular Cloning(1984年);F.M.Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,Inc.(1994年)を参照のこと。
以下のいくつかの用語および語句の非限定的な定義が、当業者を導くために提供される。
「インターロイキン−4」(IL−4)は、天然に存在するまたは内因性の哺乳動物IL−4タンパク質、および天然に存在するまたは内因性の対応する哺乳動物IL−4タンパク質のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有するタンパク質(例えば、組換えタンパク質、合成タンパク質(即ち、合成有機化学の方法を使用して生成されたもの))に関する。したがって、本明細書中で定義する場合、この用語は、成熟IL−4タンパク質、多型バリアントまたは対立遺伝子バリアントおよびIL−4の他のアイソフォームならびにそれらの改変形態または非改変形態(例えば、脂質付加、グリコシル化)を含む。天然に存在するまたは内因性のIL−4には、野生型タンパク質、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類)中に天然に存在する、成熟IL−4、多型バリアントまたは対立遺伝子バリアントならびに他のアイソフォームおよび変異体形態が含まれる。かかるタンパク質は、例えばIL−4を天然に産生する供給源から回収または単離され得る。これらのタンパク質および天然に存在するまたは内因性の対応するIL−4と同じアミノ酸配列を有するタンパク質は、対応する哺乳動物の名称によって言及される。例えば、対応する哺乳動物がヒトである場合、そのタンパク質はヒトIL−4と称される。例えばWO03/038041中に開示されたものなど、いくつかの変異体IL−4タンパク質が当技術分野で公知である。
「インターロイキン−13」(IL−13)とは、天然に存在するまたは内因性の哺乳動物IL−13タンパク質、および天然に存在するまたは内因性の対応する哺乳動物IL−13タンパク質のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有するタンパク質(例えば、組換えタンパク質、合成タンパク質(即ち、合成有機化学の方法を使用して生成されたもの))を指す。したがって、本明細書中で定義する場合、この用語は、成熟IL−13タンパク質、多型または対立遺伝子バリアントおよびIL−13の他のアイソフォーム(例えば、選択的スプライシングまたは他の細胞性プロセスによって産生されたもの)ならびにそれらの改変形態または非改変形態(例えば、脂質付加、グリコシル化)を含む。天然に存在するまたは内因性のIL−13には、野生型タンパク質、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類)中に天然に存在する、成熟IL−13、多型または対立遺伝子バリアントならびに他のアイソフォームおよび変異体形態が含まれる。例えば、本明細書中で使用する場合、IL−13は、喘息(アトピー性および非アトピー性喘息)と関連する、成熟ヒトIL−13の110位におけるArgがGlnで置き換えられた(成熟IL−13の110位は、前駆体タンパク質の130位に対応する)ヒトIL−13バリアント、ならびにIL−13の他のバリアントを包含する(Heinzmannら、Hum Mol Genet.9巻:549〜559頁(2000年))。かかるタンパク質は、例えばIL−13を天然に産生する供給源から回収または単離され得る。これらのタンパク質および天然に存在するまたは内因性の対応するIL−13と同じアミノ酸配列を有するタンパク質は、対応する哺乳動物の名称によって言及される。例えば、対応する哺乳動物がヒトである場合、そのタンパク質はヒトIL−13と称される。例えばWO03/035847中に開示されたものなど、いくつかの変異体IL−13タンパク質が当技術分野で公知である。
抗体鎖のポリペプチド配列に関して、語句「実質的に同一」とは、参照ポリペプチド配
列に対して、少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を示す抗体鎖として解釈され得る。核酸配列に関して、この用語は、参照核酸配列に対して、少なくとも約85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を示すヌクレオチドの配列として解釈され得る。同一性は、当業者に利用可能な任意の生物情報学的ツールを使用して決定され得る。例えば、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)が、配列同一性を決定するために一般に使用される(Altschulら、Journal of Molecular Biology 215巻(3号):403〜410頁、1990年)。
用語「同一性」または「相同性」は、必要に応じて、配列全体について最大のパーセント同一性を達成するために配列をアラインしギャップを導入した後の、および配列同一性の一部としていずれの保存的置換も考慮しない、比較対象の対応する配列の残基と同一な、候補配列中のヌクレオチド塩基またはアミノ酸残基の百分率を意味し得る。N末端もしくはC末端の伸長または挿入のいずれも、同一性または相同性を低下させると解釈すべきではない。アラインメントのための方法およびコンピュータプログラムが利用可能であり、当技術分野で周知である。配列同一性は、配列分析ソフトウェアを使用して測定され得る。
抗体または抗原の、語句および用語「機能的断片、バリアント、誘導体またはアナログ」などならびにそれらの形態は、目的の全長抗体または抗原と共通する質的な生物学的活性を有する化合物または分子である。例えば、抗IL−4抗体の機能的断片またはアナログは、IL−4分子に結合し得るもの、またはリガンドもしくはアゴニスト抗体もしくはアンタゴニスト抗体がIL−4に結合する能力を抑止し得るまたは実質的に低下させ得るものである。
「置換」バリアントは、ネイティブ配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、同じ位置においてその場所に挿入された異なるアミノ酸で置き換えられた、バリアントである。置換は、分子中の1つのアミノ酸だけが置換された単一であり得、または2つもしくはそれ以上のアミノ酸が同じ分子中で置換された複数であり得る。複数の置換が連続した部位に存在し得る。また、1つのアミノ酸が複数の残基で置き換えられ得、この場合、かかるバリアントは、置換および挿入の両方を含む。「挿入」バリアントは、ネイティブ配列中の特定の位置におけるあるアミノ酸に直接隣接して挿入された1つまたはそれ以上のアミノ酸を有するバリアントである。あるアミノ酸に直接隣接するとは、アミノ酸のα−カルボキシル官能基またはα−アミノ官能基のいずれかに接続されていることを意味する。「欠失」バリアントは、ネイティブアミノ酸配列中の1つまたはそれ以上のアミノ酸が除去されたバリアントである。通常、欠失バリアントでは、分子の特定の領域中の1つまたは2つのアミノ酸が欠失される。
用語「抗体」は、その最も広い意味で使用され、具体的には、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体が含まれる)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、抗体断片、またはそのポリペプチドが所望の生物学的活性を示す限り、1つもしくはそれ以上のCDR配列またはCDR由来配列を保有する合成ポリペプチドをカバーする。抗体(Ab)および免疫グロブリン(Ig)は、同じ構造的特徴を有する糖タンパク質である。一般に、抗体は、規定されたまたは認識された特異性を有するIgであるとみなされる。したがって、抗体は、特異的標的に対する結合特異性を示すが、免疫グロブリンは、標的特異性を欠く抗体および他の抗体様分子の両方を含む。本発明の抗体は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAなど)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG2a、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2など)(「タイプ」および「クラス」、ならびに「サブタイプ」および「サブクラス」は、
本明細書中で相互交換可能に使用される)のものであり得る。ネイティブまたは野生型の、即ち、集団の人工的に操作されていないメンバーから得られた抗体および免疫グロブリンは、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロテトラマー糖タンパク質である。各重鎖は、一方の端に可変ドメイン(VH)を有し、その後ろにいくつかの定常ドメインが続く。各軽鎖は、一
方の端に可変ドメイン(VL)を有し、もう一方の端に定常ドメインを有する。「人工的
に操作されていない」とは、外来の抗原結合分子を含むかまたは発現するように処理されていないことを意味する。野生型とは、対立遺伝子もしくは多型または抗原結合分子のアミノ酸を変化させるためのある形態の操作、例えば、変異誘発、組換え法の使用などによって得られたバリアントもしくは誘導体と比較して、集団中で見出される最も関連する対立遺伝子もしくは種、または操作されていない動物から得られた抗体を指し得る。
本明細書中で使用する場合、「抗IL−4抗体」は、本明細書中に規定したようにIL−4に特異的に結合する抗体またはそれに由来するポリペプチド(誘導体)を意味し、IL−4のそのレセプターへの結合を阻害もしくは実質的に低下させるまたはIL−4活性を阻害する分子が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書中で使用する場合、「抗IL−13抗体」は、本明細書中に規定したようにIL−13に特異的に結合する抗体またはそれに由来するポリペプチド(誘導体)を意味し、IL−13のそのレセプターへの結合を阻害もしくは実質的に低下させるまたはIL−13活性を阻害する分子が含まれるが、それらに限定されない。
抗体の可変ドメインの文脈における用語「可変」とは、抗体間で配列が大きく異なっており、その特定の標的に対する特定の抗体の特異的認識および結合において使用される、関連の分子の特定の部分を指す。しかし、可変性は、抗体の可変ドメイン中に均等に分布しているわけではない。可変性は、軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインの両方中の、超可変領域としても知られる、相補性決定領域と呼ばれる3つのセグメント(CDR;即ち、CDR1、CDR2およびCDR3)中に集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)領域またはFR配列と呼ばれる。ネイティブの重鎖および軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、ループ接続を形成し、ある場合にはβシート構造の一部を形成する3つのCDRによって接続された、おおまかにβシート立体配置を取る4つのFR領域を含む。各鎖中のCDRは、FR領域によって近位にまとめられていることが多く、他の鎖由来のCDRと共に、抗体の標的(エピトープまたは決定基)結合部位の形成に寄与する(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、National Institute of Health、Bethesda、MD(1987年)を参照のこと)。本明細書中で使用する場合、免疫グロブリンアミノ酸残基の番号付けは、特に示さない限り、Kabatらの免疫グロブリンアミノ酸残基番号付け体系に従って行われる。1つのCDRが、同族エピトープに特異的に結合する能力を保有し得る。
用語「ヒンジ」または「ヒンジ領域」は、本発明において使用する場合、抗体の第1の定常ドメインと第2の定常ドメインとの間のアミノ酸を含む柔軟性の高いポリペプチドを指す。
用語「抗体断片」とは、インタクトなもしくは全長の鎖または抗体の一部分、一般には、標的結合領域または可変領域を指す。抗体断片の例には、Fab、Fab'、F(ab')2およ
びFv断片が含まれるが、これらに限定されない。「機能的断片」または「抗IL−4抗
体および/または抗IL−13抗体のアナログ」は、レセプターがリガンドに結合する能力またはシグナル伝達を開始する能力を、抑止し得るまたは実質的に低下させ得るものである。本明細書中で使用する場合、機能的断片は一般に、「抗体断片」と同義であり、抗
体に関して、レセプターがリガンドに結合する能力またはシグナル伝達を開始する能力を抑止し得るまたは実質的に低下させ得る、例えばFv、Fab、F(ab')2などの断片を指し
得る。「Fv」断片は、非共有会合した1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ド
メインのダイマーからなる(VH−VLダイマー)。その立体配置において、各可変ドメインの3つのCDRは、相互作用して、インタクトな抗体と同様に、VH−VLダイマーの表面上の標的結合部位を規定する。集合的に、6つのCDRが、インタクトな抗体に標的結合特異性を付与する。しかし、単一の可変ドメイン(または標的に特異的な3つのCDRだけを含むFvの半分)さえ、標的を認識しそれに結合する能力を有し得る。
「単鎖Fv」、「sFv」または「scAb」抗体断片は、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間に、sFvが標的結合のための所望の構造を形成するのを可能にする、しばしば柔軟性の高い分子であるポリペプチドリンカーをさらに含む。
用語「ディアボディ」とは、2つの抗原結合部位を有する抗体断片を指し、この断片は、同じポリペプチド鎖中の軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含み得る。同じ鎖上の2つの可変ドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、ディアボディのドメインは、2つの抗原結合部位を創出するように別の鎖の結合ドメインと対形成するよう強いられる。
ab断片は、軽鎖の可変ドメインおよび定常ドメインと重鎖の可変ドメインおよび第1の定常ドメイン(CH1)とを含む。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つまたはそれ
以上のシステインを含むための、CH1ドメインのカルボキシル末端における数個の残基の付加によって、Fab断片とは異なっている。Fab'断片は、F(ab')2ペプシン消化生成物
のヒンジシステインにおけるジスルフィド結合の切断によって生成される。抗体のさらなる酵素処理および化学的処理により、目的の他の機能的断片が得られ得る。
用語「線状Fab」とは、Millerら(2003年)、J Immunol.170巻:4854〜4861頁によって記載されるような、4価抗体を指す。「線状Fab」は、各CH1−VH位置において同一の軽鎖と対形成した、同じCH1−VHドメインのタンデムから構成される。これらの分子は、結合力の影響を介してその機能的親和性を増強して抗体の結合価を増加させるために開発されたものであるが、単一特異性である。
用語「二重特異性抗体(BsAb)」とは、単一分子内に2つの抗体の抗原結合部位を組み合わせる分子を指す。したがって、二重特異性抗体は、2つの異なる抗原に同時に結合できる。診断目的のための適用に加えて、BsAbは、強力なエフェクター系を罹患領域に再指向させることにより、または抗体の中和活性もしくは刺激活性を増加させることにより、新規治療適用への道を開く。
本明細書中で、モノクローナル抗体は、「キメラ」抗体を具体的に含み、このキメラ抗体では、それらがIL−4および/もしくはIL−13に結合するまたはIL−4および/もしくはIL−13の活性または代謝に影響を与える所望の生物学的活性を示す限り、重鎖および/または軽鎖の一部分が、特定の種に由来するまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラス(タイプまたはサブタイプ)に属する抗体中の対応する配列と同一であるかまたは相同であり、鎖(複数可)の残りの部分は、別の種に由来するまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体ならびにかかる抗体の断片中の対応する配列と同一または相同である(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら、Proc Natl Acad Sci USA 81巻:6851頁(1984年))。したがって、1つのクラスの抗体由来のCDRが、異なるクラスまたはサブクラスの抗体のF
R中に移植され得る。
モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の標的部位、エピトープまたは決定基に対するものである。さらに、抗原の異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、標的上の単一の決定基に対するものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、宿主細胞によって合成され、他の免疫グロブリンによって汚染されず、その鎖の抗体をコードする関連の遺伝子およびmRNAのクローニングを実現する点で有利である。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られた抗体の特徴を示しているのであって、任意の特定の方法による抗体の生成を必要とすると解釈すべきではない。例えば、本発明で使用されるモノクローナル抗体は、周知技術を使用してファージ抗体ライブラリーから単離され得るか、またはポリクローナル調製物から精製され得る。本発明に従って使用される親モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature
256巻:495頁(1975年)に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得るか、または当技術分野で周知の組換え法によって作製され得る。
用語「多価抗体」とは、本発明において使用する場合、2つまたはそれ以上の抗原結合部位を含む抗体、したがって、同じまたは異なる構造を有し得る2つまたはそれ以上の抗原に同時に結合できる抗体を指す。用語「二価」とは、抗体が2つの抗原結合部位を含むことを意味する。用語「四価」とは、抗体が4つの抗原結合部位を含むことを意味する。
用語「抗原結合部位」とは、本発明において使用する場合、抗原の一部または全てに特異的に結合し、かつ相補的である領域を含む抗体の一部を指す。抗原が大きい場合、抗体は、その抗原の特定の一部にのみ結合し得、この一部は、エピトープ上で命名される。抗原結合ドメインは、1つまたはそれ以上の抗体可変ドメインによって提供され得る。好ましくは、抗原結合ドメインは、抗体軽鎖可変ドメイン(VL)と抗体重鎖可変ドメイン(VH)との会合で作製される。
用語「抗原」とは、本発明において使用する場合、本発明の抗体によって結合され得る分子または分子の一部分を指す。抗原は、1つまたは1つより多いエピトープを有し得る。本発明の抗体によって認識される抗原の例には、血清タンパク質、例えば、サイトカイン、例えばIL−4、IL−5、IL−9およびIL−13、生理活性ペプチド、細胞表面分子、例えば、レセプター、トランスポーター、イオンチャネル、ウイルスおよび細菌タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。
用語「単一特異性」とは、本発明において使用する場合、本発明の多価抗体が、1つの抗原だけを認識し、全ての抗原結合部位が同一であることを意味する。
用語「二重特異性」とは、本発明において使用する場合、本発明の多価抗体が、同じまたは2つの異なる抗原上の2つの異なるエピトープを認識することを意味する。
単一の分子内に2つの抗体の抗原結合部位を組み合わせる二重特異性抗体(BsAb)を生成することが目的とされてきた。したがって、かかる分子は、2つの異なる抗原に同時に結合できる。診断目的のための適用に加えて、これらは、例えば、強力なエフェクター系を罹患領域(ここでは、癌性細胞が、抗体依存性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)などの、モノクローナル抗体によって誘発される正常な免疫応答を抑制するための機構をしばしば発達させている)に再指向させることにより、または抗体の中和活性もしくは刺激活性を増加させることにより、新規治療適用への道を開く。治療目的のために異なる標的抗原に対する2つの抗体全体の結合特異性をカップリングさせる最初の試みは、化学的に融合させたヘテロコンジュゲート分子を利用した(Staer
zら(1985年)、Nature 314巻:628〜631頁)。
二重特異性抗体は元々、それぞれが異なる免疫グロブリンを生成し得る2つのハイブリドーマを融合させることによって作製された(MilsteinおよびCuello、1983年、1984年)が、細胞培養物中で生成された種(最大で10の異なる種)の複雑性により、精製は困難で費用がかかる(GeorgeおよびHuston、1997年)。上で引用したように細胞融合物から生成されたヘテロコンジュゲートまたは二重特異性抗体を使用して得られた有望な結果にもかかわらず、いくつかの要因により、大規模な治療適用の実現は困難であった。かかる要因には、以下が含まれる:in vivoでのヘテロコンジュゲートの迅速なクリアランス、いずれかの型の分子を生成するために必要な実験室での集約的技術、ホモコンジュゲートまたは単一特異性抗体からのヘテロコンジュゲートの大掛かりな精製の必要性、および一般に低い収率。
遺伝子操作が、所望のセットの結合特性およびエフェクター機能を有する抗体または抗体誘導体を設計、改変および生成するために、漸増する頻度で使用されている。種々の組換え法が、抗体断片(Carterら(1995年)、J.Hematotherapy
4巻:463〜470頁;Pluckthunら(1997年)Immunotechology 3巻:83〜105頁;Todorovskaら(2001年)J.Immunol.Methods 248巻:47〜66頁)および全長IgGフォーマット(Carter(2001年)J.Immunol.Methods 248巻:7〜15頁)の両方としての、BsAbの効率的な生成のために開発されてきた。
Abbottは、米国特許第7612181号において、Unileverの特許(米国特許第5989830号)に記載されたデュアルFvフォーマットに基づくマウスデュアル可変ドメインIgG(DVD−IgG)二重特異性抗体を記載した。ヒト化二重特異性フォーマットは、その全体が参照により本明細書中に組み入れられるWO2009/052081中に記載された(TBTI)。デュアルFvのそれぞれの鎖への定常ドメインの付加(重鎖へのCH1−Fcおよび軽鎖へのκもしくはλ定常ドメイン)により、機能的二重特異性デュアルV領域抗体様結合タンパク質が得られる。
本発明の1実施形態は、同じまたは2つの異なる抗原上の2つの異なるエピトープに特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはその断片を含むように操作された二重特異性抗体である。本発明の1実施形態は、IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片であり、前記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片は、可変軽鎖ドメインおよび可変重鎖ドメインを含み、前記可変軽鎖ドメインは、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む。本発明のさらなる実施形態は、IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片であり、前記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片は、可変軽鎖ドメインおよび可変重鎖ドメインを含み、前記可変重鎖ドメインは、配列番号2および配列番号5のアミノ酸配列を含む。本発明の別の実施形態は、IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片であり、前記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片は、可変軽鎖ドメインおよび可変重鎖ドメインを含み、前記可変重鎖ドメインは、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む。本発明の1実施形態は、IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片であり、前記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖ドメインと、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖ドメインとを含む。本発明のさらなる実施形態は、IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片であり、前記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片は、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖ドメインと、配列番号2および配列番号4
のアミノ酸配列を含む可変重鎖ドメインとを含み、ペプチドリンカーが配列番号1を配列番号3に連結し、ペプチドリンカーが配列番号2を配列番号4に連結する。本発明の1実施形態は、(a)配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖ドメイン;(b)配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖ドメイン;(c)配列番号1を配列番号3に連結するペプチドリンカーおよび配列番号2を配列番号4に連結するペプチドリンカーであって、ペプチドリンカーは配列番号6からなるアミノ酸配列を有する、ペプチドリンカー;および(d)定常領域ドメイン、を含む、IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体断片を含むhuTBTI3_2_1またはSAR156597である。
用語「多重特異性」とは、本発明において使用する場合、本発明の多価抗体が、同じまたは複数の異なる抗原上の複数の異なるエピトープを認識することを意味する。
用語「リンカー」とは、本発明において使用する場合、本発明の抗体構築物の可変ドメインを接続するために適合されたペプチドを指す。ペプチドリンカーは、任意のアミノ酸を含み得、アミノ酸グリシン(G)およびセリン(S)が好ましい。リンカーは、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドとの間ならびに重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチド内で、互いに等しくても異なってもよい。さらに、リンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20アミノ酸の長さを有し得る。重鎖ドメインに好ましいペプチドリンカー単位は、軽鎖ドメインの場合と同様、GGGGSである。重鎖および軽鎖のリンカー単位の数は、等しくても(対称的な順序)よく、互いに異なってもよい(非対称的な順序)。
ペプチドリンカーは好ましくは、例えば立体障害によって抗体部分が互いの活性を妨害するのを防ぐのに、適切なタンパク質折り畳みを可能にするのに、および必要に応じて同じ細胞上の2つまたはそれ以上の、場合によっては広く間隔をあけたレセプターと抗体分子が相互作用するのを可能にするのに適切な程度の柔軟性を付与するのに充分な長さである;しかし好ましくは、抗体部分が細胞中で安定なままでいることができるように充分に短い。
したがって、ペプチドリンカーの長さ、組成および/またはコンフォメーションは、多価抗体の所望の特性を最適化するために、当業者によって容易に選択され得る。
「ヒト化」形態の非ヒト(例えば、マウス)抗体は、ヒト抗体と比較すると非ヒト免疫グロブリン由来の配列を含む、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらの断片(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab')2または抗体の他の標的結合部分配列)である。一般に、ヒト化抗体は、全てまたは実質的に全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全てまたは実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリン鋳型配列のFR領域である、1つおよび典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的には選択されたヒト免疫グロブリン鋳型の少なくとも一部分もまた含み得る。一般に、その目的は、ヒトにおいて最小限に免疫原性の抗体分子を有することである。したがって、1つまたはそれ以上のCDR中の1つまたはそれ以上のアミノ酸がまた、IL−4および/またはIL−13に対する1つまたはそれ以上のCDRの特異的結合機能を実質的に最小化することなしに、ヒト宿主に対して免疫原性が低いアミノ酸に変化され得ることも可能である。あるいは、FRは非ヒトであり得るが、最も免疫原性のアミノ酸は、免疫原性が低いアミノ酸で置き換えられ得る。それにもかかわらず、上で考察したように、CDR移植は、ヒト化抗体を得るための唯一の方法ではない。CDRループの3次元構造およびそのリガンドへの抗体の全体的親和性を決定することにおいて役割を有することはフレームワーク残基に関して一般的でないわけではないので、例えば、CDR領域だけを改変することは不
充分であり得る。したがたて、非ヒト親抗体分子がヒトに対する免疫原性が低い分子へと改変されるように任意の手段が実施され得、ヒト抗体との全体的な配列同一性が常に必要なわけではない。したがって、ヒト化は、例えば、たった数個の残基、特に、抗体分子上に露出しており分子内に埋まっていない、したがって宿主免疫系には容易にアクセスできない残基の単なる置換によっても、達成され得る。かかる方法は、抗体分子上の「可動性」残基または「柔軟性の高い」残基を置換することに関して本明細書中で教示されており、その目的は、そのエピトープまたは決定基に対する抗体の特異性を含むことなく、得られた分子の免疫原性を低下させるまたは削ぐことである。例えば、Studnickaら、Prot Eng 7巻(6号)805〜814頁、1994年;Mol Imm 44巻:1986〜1988頁、2007年;Simsら、J Immunol 151巻:2296頁(1993年);Chothiaら、J Mol Biol 196巻:901頁(1987年);Carterら、Proc Natl Acad Sci USA 89巻:4285頁(1992年);Prestaら、J Immunol 151巻:2623頁(1993年)、WO2006/042333および米国特許第5,869,619号を参照のこと。
「抗体ホモログ」または「ホモログ」とは、本明細書中に教示されるような、IL−4および/またはIL−13に特異的に結合する任意の分子を指す。したがって、抗体ホモログには、改変されたものであれ改変されていないものであれ、ネイティブ抗体または組換え抗体、例えば、IL−4またはIL−13に結合する、目的の生物学的特性を保持する抗体の一部分、例えば、FabもしくはFv分子、単鎖抗体、1つまたはそれ以上のCD
R領域を保有するポリペプチドなどが含まれる。ホモログのアミノ酸配列は、天然に存在する抗体のアミノ酸配列と同一である必要はないが、増強された特性または他の有益な特性を有するポリペプチドを得るために、置換アミノ酸、挿入アミノ酸、欠失アミノ酸、タンパク質中に通常見出される20種以外のアミノ酸などを保有するように変更または改変され得る。
相同配列を有する抗体は、本発明のIL−4抗体、IL−13抗体または二重特異性IL−4/IL−13抗体のアミノ酸配列との配列相同性を有するアミノ酸配列を有する抗体である。好ましくは、相同性は、本発明の抗体の可変領域のアミノ酸配列を有する。「配列相同性」は、本明細書中でアミノ酸配列に適用される場合、例えば、PearsonおよびLipman、Proc Natl Acad Sci USA 85巻、2444〜2448頁(1988年)に従うFASTA検索法によって決定されるように、別のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列相同性を有する配列として規定される。
キメラ抗体は、異なる供給源、例えば、異なる抗体、異なるクラスの抗体、異なる動物種に由来する抗体、例えば、ヒト免疫グロブリン定常領域と対形成したマウスモノクローナル抗体由来の可変領域を有する抗体などの、異なる部分を有する抗体である。したがって、ヒト化抗体はキメラ抗体の1種である。キメラ抗体を生成するための方法は当技術分野で公知であり、例えば、Morrison、1985年、Science 229巻:1202頁;Oiら、1986年、BioTechniques 4巻:214頁;Gilliesら、1989年、J Immunol Methods 125巻:191〜202頁;ならびに米国特許第5,807,715号、米国特許第4,816,567号および米国特許第4,816,397号を参照のこと。
人工抗体には、scFv断片、キメラ抗体、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびmruが含まれ(WinterおよびMilstein、1991年、Nature 349巻:293〜299頁;ならびにHudson、1999年、Curr Opin Imm 11巻:548〜557頁による総説を参照のこと)、それぞれが抗原
結合能またはエピトープ結合能を有する。単鎖Fv断片(scFv)において、抗体のVH
ドメインおよびVLドメインは、柔軟性の高いペプチドによって連結される。典型的には
、リンカーは、約15アミノ酸のペプチドである。リンカーがかなり小さい場合、例えば5アミノ酸の場合、ディアボディが形成される。抗体の最小の結合単位は、CDR、典型的には、十分な特異的認識および結合能を有する重鎖のCDR2である。かかる断片は、分子認識単位すなわちmruと呼ばれる。いくつかのかかるmruは、短いリンカーペプチドで互いに連結され得、したがって、単一のmruよりも高い結合力を有する人工結合タンパク質を形成し得る。
本発明の範囲内には、目的の抗体の機能的等価物も含まれる。用語「機能的等価物」には、相同配列を有する抗体、抗体ホモログ、キメラ抗体、人工抗体および改変抗体が含まれ、例えば、各機能的等価物は、IL−4および/もしくはIL−13に結合する能力、IL−4および/もしくはIL−13のシグナル伝達能または機能を阻害すること、またはIL−4および/もしくはIL−13のそのレセプターへの結合を阻害することによって、規定される。当業者は、「抗体断片」と称される分子の群と「機能的等価物」と称される群とで重複が存在することを理解する。IL−4および/またはIL−13結合能を保持する機能的等価物を生成する方法は当業者に公知であり、例えば、WO93/21319、欧州特許第239,400号、WO89/09622、欧州特許第338,745号および欧州特許第332,424号に開示される。
本出願の機能的等価物には、改変抗体、例えば、抗体に任意の型の分子を共有結合させることによって改変された抗体もまた含まれる。例えば、改変抗体には、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、脱アミド化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞性リガンドへの連結、毒素もしくは細胞傷害性部分または他のタンパク質への連結などによって改変された抗体が含まれる。共有結合は、抗イディオタイプ応答を生じることからくる免疫である抗体を必ずしも生じない。改変は、特異的な化学的切断、アセチル化、ホルミル化、代謝的合成などが含まれるがこれらに限定されない公知の技術によって、達成され得る。さらに、改変抗体は、1つまたはそれ以上の非典型的アミノ酸を含み得る。
処置の目的としての「哺乳動物」とは、哺乳動物として分類される任意の動物を指し、ヒト、家畜(domestic animal)および家畜(farm animal)、非ヒト霊長類、ならびに動物園動物、競技用動物またはペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシなどが含まれる。
用語「処置」、「治療用量」または「治療有効量を投与する」とは、本発明において使用する場合、治療過程としての、治療的処置および予防的(prophylactic)または予防的(preventative)手段の両方を指す。これは、疾患状態、疾患の進行、疾患の原因因子(例えば、細菌またはウイルス)または他の異常な状態の有害な影響を、予防、治癒、逆転、減弱、軽減、最小化、抑制または停止させることを指す。
本発明の1実施形態は、喘息および特発性肺線維症の処置である。IL−4およびIL−13は、それらの生物学的機能に基づいて治療上重要なサイトカインであり、喘息を含む多数の疾患において重要な役割を果たす(Curr Opin Allergy Clin Immunol 2005年、5巻、161〜166頁)。IL−4は、自己免疫疾患を阻害できることが示されており、IL−4およびIL−13は共に、抗腫瘍免疫応答を増強する潜在能力を示している。IL−4およびIL−13ならびにそれらのレセプターの上昇は、特発性肺線維症(IPF)の病理発生と関連付けられている(Jakubzick C.ら、Am J Pathol.2004年:164巻(6号):1989〜2001頁;Murray LAら Int J Biochem Cell Bio
l.2008年:40巻(10号):2174〜82頁)。文献中の証拠は、TH2サイトカインIL−4およびIL−13が、肺の組織再構築および線維症のメディエーターとしてIPFの病理発生において複数の役割を果たしていること(Wynn,TA、Naat.Rev.Immunol、4巻:583〜594頁、2004年)、ならびに肥満細胞、好塩基球、好酸球、マクロファージおよび上皮細胞を含む他の細胞型もまた、これらのサイトカインの潜在的な供給源であり得ること(Gordon SおよびMartinez FO、Immunity Rev.32巻:593〜604頁、2010年)を実証している。IPF患者において、気管支肺胞洗浄液中のIL−13およびIL−4のレベルは、正常コントロールと比較して上昇する。かかる証拠は、これらのサイトカインを抑制または中和することができる治療が、IPF患者における線維症の進行を遅延させる潜在能力を有することを示唆している。両方のサイトカインが、アレルギー性疾患または線維性疾患の病理発生に関与するので、これらのサイトカインのインヒビターは、治療上の利益を提供し得る。
「単離された」または「精製された」抗体は、そのタンパク質が誘導される細胞もしくは組織供給源または培地由来の細胞性材料または他の汚染タンパク質を実質的に含まないか、または化学合成された場合には化学物質前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。語「細胞性材料を実質的に含まない」には、ポリペプチド/タンパク質が単離または組換え生成される細胞の細胞性構成要素から分離された、抗体の調製物が含まれる。したがって、細胞性材料を実質的に含まない抗体には、約30%、20%、10%、5%、2.5%または1%未満(乾燥重量)の汚染タンパク質を有する、抗体の調製物が含まれる。抗体が組換え生成される場合、培養培地を実質的に含まないこともまた好ましく、即ち、培養培地は、タンパク質調製物の体積の約20%、10%、5%、2.5%または1%未満を占める。抗体が化学合成によって生成される場合、化学物質前駆体または他の化学物質および試薬を実質的に含まないことが好ましく、即ち、目的の抗体は、タンパク質の合成に関与する化学物質前駆体または他の化学物質から分離されている。したがって、かかる抗体の調製物は、約30%、20%、10%、5%または1%未満(乾燥重量)の、目的の抗体以外の化学物質前駆体または化合物を有する。本発明の好ましい実施形態において、抗体は単離または精製されている。
本明細書中で使用する場合、用語「治療剤(単数および複数)」とは、異常なIL−4および/またはIL−13の代謝および活性に関連する疾患、障害、病弊などの処置、管理または寛解において使用され得る任意の薬剤(複数可)を指す。
本明細書中で使用する場合、「治療用量」とは、異常なIL−4および/またはIL−13の代謝および活性に関連する疾患、障害、病弊などの処置、管理または寛解において使用され得る任意の薬剤(複数可)の量を指す。
本明細書中で使用する場合、「安全治療用量」とは、臨床的に許容可能な利益/リスクプロフィールを維持しつつ、異常なIL−4および/またはIL−13の代謝および活性に関連する疾患、障害、病弊などの処置、管理または寛解において使用され得る任意の薬剤(複数可)または任意の薬剤(複数可)の用量を指す。安全治療用量は、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される。安全治療用量の1実施形態は、約10mg〜約300mgである。安全治療用量のさらなる実施形態は、約300mgまたは約300mg未満の任意の用量である。
本発明の1実施形態は、アレルギー性気管支痙攣についての救急処置室または家庭での集中処置、血液疾患、けいれん、総ビリルビン>2×正常範囲の上限(ULN)と関連するアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>3×ULN、無症候性ALTの増加>10×ULN、薬物依存または薬物乱用の発生、ALTの増加≧2×ULN、≧72時間
にわたるhsCRP>10mg/L、心筋トロポニンI(cTnI)>2×ULN、心電図(ECG)マシンでの心室の脱分極および再分極時間(QT)からなる群より選択される1つまたはそれ以上の事象を測定することにより、安全治療用量を同定またはモニタリングすることであって、QTは、QTc≧500msである、ECGマシンによって自動的に補正されたものであり(QTc)、重症皮膚反応は、IP注射の部位に局所的であり、C反応性タンパク質(CRP)のレベルは20mg/L未満である。上記事象を計算するために使用される方法は、以下に示す実施例において詳細に考察する。上記事象を計算するために使用される方法は、当業者に一般に公知である。
IL−4およびIL−13とそれらの細胞表面レセプターとのライゲーションの後の細胞内シグナル伝達は、シグナル伝達分子シグナルトランスデューサーアンドアクチベーターオブトランスクリプション6(signal transducer and activator of transcription 6(Stat6))のリン酸化によって一部媒介される。したがって、Stat6リン酸化(pStat6)の阻害は、IL−4レセプターおよびIL−13レセプターの活性化を阻害する分子の能力を試験するために使用され得る。
IL−4およびIL−13は、ヒト特発性肺線維症の肺線維芽細胞からのIL−6およびエオタキシンの放出を刺激する。したがって、IL−6放出およびエオタキシン放出の阻害は、IL−4レセプターおよびIL−13レセプターの活性化を阻害する分子の能力を試験するために使用され得る。
本発明の1実施形態は、約0.01nM〜約100nMのIC50で、IL−4誘導またはIL−13誘導されたSTAT6リン酸化、IL−6放出またはエオタキシンを阻害する抗体である。さらなる実施形態は、約0.1nM〜約10nMのIC50を包含する。さらなる実施形態は、約0.1nM〜約10nMのIC50を包含する。本発明のさらなる実施形態は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.41.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9または10.0nMのIC50値である。
用語「約」は、数値と合わせて使用する場合、示された数値よりも5%、10%または15%小さい下限を有し、示された数値よりも5%、10%または15%大きい上限を有する範囲内の数値を包含する意味である。
本発明の1実施形態は、総ヒト抗体レベルもしくは特異的抗体(例えば二重特異性抗体)の割合を測定するため、または試験サンプル中の抗薬物抗体を測定するための、検出方法である。試験サンプルは、哺乳動物由来の任意の肉体サンプルであり得る。非限定的な例には、血液サンプル、血清サンプルまたは組織サンプルが含まれる。検出方法は、1つまたはそれ以上の抗体が捕捉デバイスに付着された「捕捉デバイス」を使用することを含み得る。「捕捉デバイス」の非限定的な例には、プレートのウェルが含まれ、そのプレートは、12ウェルプレートまたは96ウェルプレートなどのような、任意の数のウェルを含み得る。しかし、捕捉デバイスはプレートに限定されず、抗体が付着し得る任意の基材
、例えば溶出カラムが含まれ得る。本発明の1実施形態は、タグ標識化抗体を利用する。タグは、検出が可能な任意のタグであり得る。非限定的な例には、ローダミンなどの蛍光タグ、ルシフェラーゼなどの酵素タグ、またはスルホタグが含まれる。
本発明は、本発明の例示である以下の非限定的な実施例を参照してより良く理解され得る。以下に示される実施例は、本発明の広い範囲を限定すると決して解釈すべきではない。
用語「huTBTI3_2_1」および「SAR156597」は、相互交換可能であり、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む同じデュアルV領域抗体様タンパク質を指す。
〔実施例1〕
ヒト化抗IL−4/IL−13二重特異性抗体のクローニングおよび生成
ヒト化抗IL−4/IL−13二重特異性抗体のクローニングおよび生成は、本明細書中でその全体が参照により組み入れるWO2009/052081(PCT/US2008/079787)中に記載されている。参照を容易にするために、短い説明を以下に与える。
二重特異性抗体(BsAb)の発現のために使用したフォーマットは、米国特許第5,989,830号に記載されるデュアルドメインダブルヘッドフォーマットのIgGバリアントである。このフォーマットでは、IgG分子は、第2の抗体のさらなる可変ドメインによって、対応する重鎖および軽鎖上でそのN末端が伸長されている。したがって、得られたIgG分子は、2つの重鎖および2つの軽鎖から構成されるヘテロテトラマーである。重鎖は、10アミノ酸から構成されるリンカー(G4S)2によって互いに接続され
、IgG4定常ドメインに融合された、2つの異なる抗体に由来する2つの可変重ドメイン(VH1−VH2)からなる。軽鎖は、10アミノ酸から構成されるリンカー(G4S)2によって互いに接続され、定常κ領域に融合された、2つの異なる抗体に由来する2
つの可変軽ドメイン(VL1−VL2)からなる。
8D4−8バリアント(8D4−8;Biozol diagnostica Vertrieb GmbH、Eching Germanyのマウス抗IL−4モノクローナル抗体クローン8D4−8;Biozolは、BioLegend、San Diego、CA、USAのドイツ代理店である)の可変重ドメインおよび可変軽ドメインの配列を、そのそれぞれの5’末端において、(G4S)2−(GGA TCC)−8D4−8の
一部をコードするBamHI制限部位(GGA TCC)を導入するPCRによって生成した。8D4−8ヒト化バリアントのVHの3’配列は、IGHG4配列(Q569F4、末端Lysの欠失ならびに二重変異S241PおよびL248Eを有する)への後の融合のための、ApaI制限部位(CH1ドメインの最初のアミノ酸をコードする)で終わっていた。VL8D4−8の3’末端は、IGKC(Gene Bank Accession Number Q502W4)への後の融合のための、定常κ鎖の最初の2つのアミノ酸をコードするBsiWI制限部位で終わっていた。
B−B13バリアント(B−B13;Cell Sciences,Inc.、Canton、MA USAのマウス抗IL−13モノクローナル抗体クローンB−B13)の可変重ドメインおよび可変軽ドメインの配列を、それらのそれぞれの3’末端において、(G4S)2−(B−B13)−(GGA GGC GGA GGG TCC GGA
GGC GGA GGA TCC(配列番号7))の一部をコードするBamHI制限部
位を導入するPCRによって生成した。B−B13バリアントのVHおよびVLの両配列を、それらのそれぞれの5’末端におけるNheI制限部位、その後ろのATG開始コドンおよびリーダーペプチドコード配列を有するように生成した。
B−B13および8D4−8のVHを、(G4S)2リンカー内のBamHI部位を介
して互いに融合させた。B−B13および8D4−8のVLを、(G4S)2リンカー内
のBamHI部位を介して互いに融合させた。したがって、生成された重鎖および軽鎖のタンデムは、以下の組成を有した。
二重特異性抗体重鎖:NheI−リーダーペプチド−VH−B−B13−(G4S)2
−VH8D4−8−ApaI。
二重特異性抗体軽鎖:NheI−リーダーペプチド−VL−B−B13−(G4S)2
−VL8D4−8−BsiWI。
全ての中間体PCR断片を、Invitrogen TOPO TAクローニングキット(カタログ番号:45−0641)を使用してpCR(登録商標)4−TOPO中にクローニングし、M13フォワードプライマーおよびM13リバースプライマーを使用して配列決定した。
配列確証後、重鎖タンデムを、それらのApaI部位を介してIGHG4配列に融合させ、可変軽鎖タンデムを、それらのBsiWI部位を介してIGKCに融合させた。創出されたデュアルドメイン重鎖および軽鎖を、NheIおよびHindIIIで消化し、それぞれエピソーム発現ベクターpXLのNheI/HindIII部位中にライゲーションして、それぞれTBTI−重鎖および軽鎖の哺乳動物発現のためのプラスミドを創出した。
4つのヒト化二重特異性抗IL−4/抗IL−13構築物を、表1に示したB−B13および8D4−8のヒト化VHおよびVLバージョンの以下の組み合わせに基づいて生成した。対応する軽鎖および重鎖の配列を表2に示す。
Figure 2019059762
Figure 2019059762
〔実施例2〕
ヒト全血単球におけるIL−4誘導またはIL−13誘導されたSTAT6リン酸化に対するhuTBTI3_2_1の影響
クエン酸ナトリウムで抗凝固処理したヒト全血を、施設内の正常ドナーパネルから得た。ドナー番号245、217、229および002を使用した。
huTBTI3_2_1は、sanofi−aventisで生成され、バッチ番号は
LP08059であり、リン酸緩衝食塩水(PBS)中5.63mg/mlで供給され、4℃で保存した。
R&D Systemsの組換えヒトIL−13(凍結乾燥)、カタログ番号213−ILを、0.2%ウシ血清アルブミンを含むPBSで10μg/mlに再構成した。アッセイで使用したIL−13の最終濃度は、完全RPMI培地中3ng/mlであった。AMS Biotechnology LTDの組換えヒトIL−4(凍結乾燥)、カタログ番号111−40−134を、0.2%ウシ血清アルブミンを含むPBSで20μg/mlに再構成した。アッセイで使用したIL−4の最終濃度は、完全RPMI培地中1ng/mlであった。
huTBTI3_2_1を完全RPMI培地で連続希釈して10×溶液を作製し、96深型ウェルプレート中で、1ウェル当たり100μlの正常ヒト末梢血と混合して、ドナー番号245、217および002については、100nM、33.33nM、11.11nM、3.70nM、1.24nM、0.41nM、0.14nM、0.05nM、0.02nMおよび0.005nMの最終濃度のhuTBTI3_2_1にした。ドナー番号229については、試験したhuTBTI3_2_1の最終濃度は、100nM、33.33nM、11.11nM、3.70nM、1.24nM、0.41nMおよび0.14nMであった。
プレートを、15〜30分間37℃、5%CO2中でインキュベートした。次いで、組
換えヒトIL−4(1ng/ml)またはIL−13(3ng/ml)を各ウェルに添加し、プレートを、15分間37℃、5%CO2中でさらにインキュベートした。次いで、
血球細胞を、37℃で10分間、溶解/固定緩衝液で溶解/固定し、室温で5分間300×gで遠心分離した。上清を除去し、残った細胞ペレットを、リン酸緩衝食塩水で1回洗浄した。細胞を、予め冷却したメタノールで4℃で30分間透過処理し、次いでFACS染色緩衝液(BD、カタログ番号554656)で1回洗浄した。蛍光標識抗体(1:5の最終希釈での抗ホスホ−Stat6−Alexa Fluor 647および1:10の最終希釈での抗CD33−FITC)を細胞に添加し、暗中にて室温で30分間インキュベートした。FACS染色緩衝液で洗浄した後、細胞を、FACS Calibur(商標)フローサイトメトリーで取得して、FACSデータを生成した。
CellQuestソフトウェア(商標)(BD、バージョン5.2)を使用してFACSデータを分析した。CD33染色(フルオレセインイソチオシアネート)対pStat6染色(Alexa Fluor 647)を使用してドットプロットを創出した(図1を参照のこと)。総単球を、側方散乱対前方散乱に基づいてゲーティングした。CD33+染色、Stat6リン酸化陽性の単球を、ベースラインコントロールとhuTBTI
3_2_1の非存在下でIL−4刺激またはIL−13刺激されたサンプルとの間の蛍光強度に基づいてゲーティングした。総単球中のpStat6陽性単球の%を、CellQuest ソフトウェア(BD、バージョン5.2)に基づいて、領域統計から得た。
IL−4誘導またはIL−13誘導されたStat6リン酸化に対するhuTBTI3_2_1の影響を、IL−4刺激またはIL−13刺激された単球における最大応答(Stat6リン酸化)の%阻害を使用して決定した。
最大応答を、huTBTI3_2_1の非存在下でIL−4刺激またはIL−13刺激によって生成されたpStat6+細胞の%として規定した。非刺激単球から生成された
pStat6+細胞の%をベースラインシグナルとして使用した。最大応答の%を、以下
の式を使用して計算した:
Figure 2019059762
用量応答曲線を、SPEED v2.0−LTSによって、Y:最大応答の%対X:huTBTI3_2_1の濃度(nM)としてプロットして、最大応答の50%を与える濃度(IC50)を計算した。
用量応答曲線を、4パラメータロジスティックモデルによってモデル化した:
Figure 2019059762
パラメータcおよびdは、下限および上限であり、負のbは、e前後での相対的傾きであり、eパラメータはIC50であり、かつ上限dと下限cとの間の応答中間を生じる用量である。4つのパラメータ(b、c、d、e)を、非線形最小二乗法によって概算した。SPEED v2.0−LTS内部ソフトウェアを介したsun社のsolarisのためのSASシステムリリース8.2中のSAS手順NLINを使用した。3つの曲線のそれぞれからIC50概算値を得た後、3つのIC50値の幾何平均を計算した。
huTBTI3_2_1は、それぞれ1.32nM、0.73nMおよび0.78nMのIC50で、ドナー245、229および217においてIL−4誘導されたStat6リン酸化を阻害した。huTBTI3_2_1は、それぞれ2.65nM、3.68nMおよび1.32nMのIC50で、ドナー245、229および002においてIL−13誘導されたStat6リン酸化を阻害した。
3つの別個の実験からの、IL−13誘導またはIL−4誘導されたStat6リン酸化の阻害におけるhuTBTI3_2_1の幾何平均IC50は、それぞれ2.34nMおよび0.91nMであった(表3)。
Figure 2019059762
〔実施例3〕
ヒトIPFの肺線維芽細胞からのIL−4誘導またはIL−13誘導されたIL−6放出およびエオタキシン放出に対するhuTBTI3_2_1の影響
特発性肺線維症(IPF)患者のヒト肺線維芽細胞、記号表示LL97A(AlMy)、項目番号CCL−191、F−12K培地(HamのF−12培地のKaighn改変)および胎仔ウシ血清(FBS)は、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)のものであった。ウシ血清由来のアルブミン(BSA)は、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)のものであった。組換えヒトIL−13(rhIL−13)は、PeproTech(Rocky Hill、NJ)のものであり;組換えヒトIL−4(rhIL−4)は、R&D SYSTEMS(Minneapolis、MN)のものであった。ヒトCCL11/エオタキシンおよびIL−6についてのDuoSet ELISA Development Systemは、共にR&D SYSTEMSのものであった。
継代7代目のLL97A細胞を、96ウェルの細胞培養プレート上に、15%FBS含有F−12K培地中で1ウェル当たり20,000細胞でプレーティングし、加湿インキュベータ中で24時間、37℃、5%CO2でインキュベートした。次いで、培地を0.
1%BSA含有F−12K培地で置き換え、プレートを、血清飢餓のために加湿インキュベータ中で37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。次いで、細胞を、1ウェル当
たり200μlの総体積で、15ng/ml(1.2nM)rhIL−13+5ng/ml(0.36nM)rhIL−4の組み合わせと共に、3倍連続希釈した8つの濃度ポイントのhuTBTI3_2_1によって、加湿インキュベータ中で37℃、5%CO2
一晩処理した。各処理は三連であった。次いで、1ウェル当たり150μlの細胞培養上清を採取し、エオタキシンおよびIL−6のELISAのために、0.1%BSA含有F−12K培地300μl中に希釈した(3倍希釈)。
R&D SYSTEMSのヒトCCL11/エオタキシンおよびIL−6についてのDuoSet ELISA Development Systemの指示に従って、ELISAを実施した。ELISAプレートを、450nmおよび540nmにおいて、光学密度(OD)についてSPECTRAMAX340PCプレートリーダー(Molecul
ar Devices)中で読み取った。540nmでのOD値を、計算の前に450nmでのODから差し引いた。
上清中のCCL11(エオタキシン)およびIL−6のレベルを、SOFTmaxにおいて4パラメータ較正曲線を用いて導出した。rhIL−13/rhIL−4刺激なしのサンプル平均(基底レベル)を各サンプルから差し引き、次いで各サンプルを、%陽性コントロールについてhuTBTI3_2_1なしのrhIL−13/rhIL−4刺激のサンプル平均(100%陽性とする)と比較した。エラーバーは、三連の生物学的サンプルの平均の標準誤差を示す(細胞処理)。huTBTI3_2_1は、IC50=7.8nMでIL−4/IL−13刺激されたIL−6放出を抑制し、IC50=3.8nMでIL−4/IL−13刺激されたエオタキシン放出を抑制した(図2)。
〔実施例4〕
IPFの肺線維芽細胞におけるIL−4誘導またはIL−13誘導されたLOX発現に対するhuTBTI3_2_1の影響
線維化促進性酵素のIL−4刺激およびIL−13刺激された発現に対するhuTBTI3_2_1の影響を評価するために、リジルオキシダーゼ(LOX)のmRNAレベルを、実施例3に示したのと類似の実験で測定した。LOX遺伝子発現をTaqmanによって決定し、ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対して正規化した。
標準的なTaqman法を使用した。簡潔に述べると、細胞溶解物を、Cells−to−Ctキット(ABI、カタログ番号AM1729)を用いて調製した。20×ヒトGAPDH TaqMan内因性コントロールプライマー/プローブセット:Applied Biosystems、品番4310884E、プローブ色素:VIC−TAMRA。20×ヒトプライマープローブセット(5’末端においてFAM色素で、3’末端において非蛍光クエンチャーで標識したプローブ)は、ヒトLOX:Applied BiosystemsのAOD、遺伝子名:リジルオキシダーゼ;アッセイID:Hs00184700_m1であった。逆転写(RT)を、4ブロックのアセンブリを有するMJ RESEARCHのPELTIER THERMAL CYCLER、Model PTC
225で実施した。Taqman機器は、7900HT Fast Real−Time PCR System、Applied Biosystems、品番:4330966;シリアル番号:279001674であった。1サンプル当たり20ulの細胞溶解物(または鋳型なしコントロールの場合には水)を、80ulのRTマスターミックス(50ulの2×RT緩衝液、5ulの20×RT酵素ミックス、25ulのRNase非含有水)に添加した。RTシーケンス:37℃で60分間の逆転写、95℃で5分間のRT不活化、4℃で永久維持。TaqmanリアルタイムPCRについて、PCRカクテルを以下のように調製した:10ulのTaqman遺伝子発現マスターミックス(2×)、1ulのTaqman遺伝子発現アッセイ(20×)、1ulのヒトGAPDH内因性コントロール(20×)、3ulの水、5ulのDNAを添加。Taqmanサイクル条件:UDGインキュベーション維持は、50℃で2分間1反復であり、酵素活性化は、95℃で10分間1反復であり、PCRサイクルは、95℃で15秒間その後60℃で1分間を40反復であった。
LOX活性は、細胞外マトリックスの安定化を生じる、細胞外コラーゲンとエラスチンとの架橋を生じ、その上方制御は、実験的肺線維症に関与している(Rodriguez,C.ら、Drug News Perspect.21巻:218〜224頁、2008年)。
IL−4誘導およびIL−13誘導されたLOX遺伝子発現、ならびにこの発現は、3〜6nMのIC50で、用量依存的様式でhuTBTI3_2_1によって阻害された(
図4)。この効果は、少なくとも3人のIPF患者由来の肺線維芽細胞において観察された。IL−4およびIL−13は、フィブロネクチンおよびインスリン−増殖因子(IGF;データ示さず)の遺伝子を誘導できなかった。このデータは、IPF対象由来の肺線維芽細胞が、機能的IL−4/IL−13レセプターを発現し、IL−4およびIL−13によるその活性化が、直接的および間接的な線維化促進効果を生じることを実証している。サイトカインIL−4およびIL−13による、IPF患者由来の肺線維芽細胞の線維化促進効果の活性化は、huTBTI3_2_1によって阻害された。
〔実施例5〕
カニクイザルにおけるアレルゲン誘導された急性喘息に対するhuTBTI3_2_1の影響
huTBTI3_2_1はげっ歯類のIL−4にもIL−13にも結合しないので、本発明者らは、肺線維症のげっ歯類モデルにおける保護効果について、この分子を試験できなかった。huTBTI3_2_1はカニクイザルのIL−4およびIL−13に結合するが、この種において利用可能な肺線維症のモデルは存在しない。したがって、肺区画におけるIL−4およびIL−13の効果を阻害するhuTBTI3_2_1の能力を試験するために、本発明者らは、非ヒト霊長類種(カニクイザル)における急性喘息のモデルにおいてその保護効果を調査した。この研究では、アスカリス・スーム(Ascaris
suum)アレルゲンに対して天然に感作される雄性カニクイザル(マカカ・ファシクラリス(Macaca fascicularis))を使用した。
気道応答性亢進および気道炎症を誘導するために、サルを、吸入アスカリス・スーム(Ascaris suum)抽出物でチャレンジした。抗原チャレンジの6日前に、サルに、huTBTI3_2_1(2.5mg/kg IV)、または同じ用量の競合抗体(抗IL−13、IMA638)またはコントロール抗体(コントロール抗体はIL−4にもIL−13にも結合しない)を受けさせた。
漸増用量の吸入メタコリンに対する気管支収縮応答(肺抵抗において増加する)を、MI2呼吸分析器を使用して測定した。チャレンジの少なくとも24時間前およびチャレン
ジの24時間後に再び、測定を行った。気道応答性を、肺抵抗における100%の増加(PC100)を引き起こすのに必要なメタコリンの誘発濃度として計算した。気道応答性の
測定直後に、気管支肺胞洗浄を実施して、気道における総白血球および好酸球の計数を可能にした。細胞計数を、洗浄液1ml当たりの細胞数として表した。抗原チャレンジの前および後のメタコリンPC100値および気道細胞数における差異( )を計算した。
血液サンプルを、抗原チャレンジの24時間前に収集し、チャレンジの7日後に再度収集して、総免疫グロブリンE(IgE)力価のアッセイを可能にした。IgE力価の%変化を計算した。
抗原チャレンジは、気道応答性亢進(即ち、減少したメタコリンPC100(図4)ならびに気道における総白血球および好酸球の蓄積(図5および6))を引き起こした。コントロール抗体と比較した場合、huTBTI3_2_1(2.5mg/kg)またはIMA638(2.5mg/kg)のいずれかによる予防的処置は、気道応答性亢進の発生を顕著に抑制した。IMA638は、気道における総白血球の抗原誘導された蓄積を顕著に低下させたが、huTBTI3_2_1は顕著に低下させなかった(図5および6)。huTBTI3_2_1もIMA638も、好酸球の蓄積に対して顕著な影響を有さなかった。huTBTI3_2_1はIgE力価を顕著に低下させたが、IMA638は顕著に低下させなかった(図7)。
〔実施例6〕
組換えヒトおよびカニクイザルのIL−4およびIL−13によってin vitroで誘導されたTF−1細胞増殖に対するhuTBTI3_2_1の影響
IL−4誘導およびIL−13誘導された細胞活性化を阻害するhuTBTI3_2_1の能力のさらなる研究として、組換えヒトIL−4(hIL−4)およびIL−13(hIL−13)によって誘導されたTF−1細胞(ヒト赤血球系統)増殖の阻害に関するIC50値を決定した。IL−4誘導またはIL−13誘導されたTF−1細胞増殖は、これらのサイトカインの生理活性に関するアッセイとして文献中で一般に使用されている。
TF−1細胞を、hIL−4(5ng/ml)、hIL−13(15ng/ml)、cIL−4(5ng/ml)またはcIL−13(30ng/ml)のいずれかと共に、種々の濃度のhuTBTI3_2_1と共に72時間インキュベートした。3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミドを、細胞増殖のマーカーとして最後の3時間にわたり添加した。次いで、490nmでの光学密度値を記録した。
huTBTI3_2_1は、濃度依存的様式で、匹敵する効力で、hIL−4誘導、cIL−4誘導、hIL−13誘導およびcIL−13誘導されたTF−1細胞増殖を顕著に阻害した。幾何平均IC50値は、hIL−4誘導およびcIL−4誘導された増殖に対してそれぞれ2.03nMおよび0.53nMであり、hIL−13誘導およびcIL−13誘導された増殖に対してそれぞれ3.02nMおよび0.45nMを、表4中に示す。
Figure 2019059762
この研究の結果は、IL−4およびIL−13による刺激後のTF−1細胞の細胞増殖の減少によって示されるように、huTBTI3_2_1がこれらのサイトカインの生物学的活性を中和することを実証した。したがって、huTBTI3_2_1を用いてこれらのサイトカインを標的化することは、IPFを有する患者において線維化プロセスを妨げ得る治療アプローチを可能にする。
〔実施例7〕
IL−4媒介およびIL−13媒介されたTGFβ放出に対するSAR156597の影響
IL−4およびIL−13は、ヒト肺上皮細胞からのTGFβ放出を刺激することが示されている。本発明者らは、ヒト小気道上皮細胞(SAEC)およびヒト気管支上皮細胞(NHBE)からのこの線維化促進性サイトカインの放出に対するSAR156597の影響を決定した。SAECを、小気道上皮培養培地(Lonza)中に1ウェル当たり5
0,000細胞で12ウェルプレート上にプレーティングし、3日間培養した。NHBE細胞を、BMEM(Lonza)中で1ウェル当たり75,000細胞で12ウェルプレート中で3日間培養した。細胞を、5μg/mlインスリンおよび5μg/mlトランスフェリンを含む基礎培地で一晩飢餓状態にし、次いで、種々の濃度のSAR156597の存在下で、15ng/ml(1.2nM)rhIL−13+5ng/ml(0.36nM)rhIL−4の組み合わせで処理した。細胞上清中のTGFβ2を、ELISA(E−biosciences、カタログ番号BMS254)によって決定した。SAR156597は、NHBEおよびSAEC細胞からのIL−4刺激およびIL−3刺激されたTGFβ2放出を、用量依存的様式で阻害した(図8)。
〔実施例8〕
カニクイザルへの2.5mg/kgのヒト化二重特異性抗IL−4/IL−13(huTBTI3_2_1)モノクローナル抗体の5分間の反復静脈内注入後の薬物動態研究
この研究では、IL−4/IL−13に対するヒト化二重特異性モノクローナル抗体(BsAb)huTBTI3_2_1の薬物動態特性を、反復用量投与後に測定した。その目的は、経時的なhuTBTI3_2_1の蓄積が存在することを実証すること、および抗薬物抗体の動物産生をモニタリングすることであった。
雄性マカカ・ファシクラリス(Macaca fascicularis)(6〜8kg)は、Charles River、Houston、Txから得た。投与経路は、5分間のi/v灌流によった。5回の投与を連続的に与えた。以下の時点で血液サンプル(1ml)を採取した:(第1の用量)0h、0.5h、2h、4h、8h、24h、48h、72h、96h、120h、144h、168h、240h;(第2、第3および第4の用量)0h、0.5h、2h、24h;(第5の用量)0h、0.5h、2h、4h、8h、24h、48h、72h、96h、120h、144h、168h、240h、336h、504h、672h、840h、1008h(h=時間)。
血清サンプルを、分析まで−20℃で保存した。Meso Scale Discovery(MSD)技術を用いる高感度エレクトロケミルミネッセンス(EECL)アッセイを使用する2つの別個のアッセイを使用して、血清中のhuTBTI3_2_1レベルを決定した(図9)。第3のアッセイを開発して、抗薬物抗体(ADA)、即ち、抗二重特異性サル抗体の応答を評価した。
第1のアッセイ(図9のパネルAに図示した)を設計して、ヒト軽鎖κの濃度を測定することによって血清中のヒト抗体の総量を検出した。このアッセイでは、MSD高結合プレートを、PBS中に希釈したマウスモノクローナル抗ヒトκ鎖(クローン4G7;Abcam;#ab1936)1μg/mLによって一晩被覆した。1:1000希釈および1:5000希釈した血清サンプルと共に4℃で一晩インキュベートした後、1μg/mLの濃度のスルホタグ標識化ヤギ抗ヒト抗体(MSD;#R32AJ−1)を添加し、MSD plate Sector Imager 6000を使用して検出した。
第2のアッセイ(図9のパネルBに図示した)を設計して、血清中のIL−4およびIL−13に結合できる二重特異性抗体の割合を測定した(機能的抗体の量の測定)。このアッセイでは、MSD高結合プレートを、2μg/mLのマウス抗ヒトIL−4(クローン4D9;Ancell;#ANC−396)、次いで200ng/mLの組換えヒトIL−4(eBioscience、#34−8049)ならびに最後に1:1000希釈および1:5000希釈したサル血清と共に、順次4℃で一晩インキュベートした。結合した二重特異性抗体を、200ng/mLの組換えヒトIL−13(eBioscience;#34−8139)、次いで200ng/mLのビオチン化ウサギポリクローナル抗ヒトIL−13抗体(eBioscience;#13−7138)および最後に1μ
g/mLの濃度のスルホタグストレプトアビジン(MSD;#R32AA−1)と共に順次インキュベートすることによって明らかにした。
第3に、ADAを、架橋アッセイ(図8のパネルCに図示した)で検出した。簡潔に述べると、1:10希釈した血清を、ビオチン化およびスルホタグ化huTBTI3_2_1(2μg/mLの各最終)の混合物と共に4℃で一晩インキュベートした。次いで、複合体を、室温で4時間のインキュベーションによって、ストレプトアビジン被覆したプレート(MSD;#L11SA−1)中に捕捉し、MSD plate Sector Imager 6000を使用して明らかにした。
標準サンプル濃度を、以下の表に示すように、0.5%BSAを含むPBS中で調製した。huTBTI3_2_1の総量を検出するためのアッセイについて、較正サンプルを0.5%BSA、0.1%サル血漿を含むPBS中で調製した場合でも0.5%BSAのみを含むPBS中で調製した場合でも、有意な差異は存在しなかった。IL−4およびIL−13に特異的なhuTBTI3_2_1の画分を検出するためのアッセイについて、較正サンプルを0.5%BSA、0.1%サル血漿を含むPBS中で調製した場合でも0.5%BSAのみを含むPBS中で調製した場合でも、有意な差異は存在しなかった。両方の較正曲線は、線形回帰を使用して1/x2重み付けし、全ての較正点内で線形である
ことが示された(R2>0.98)。
Figure 2019059762
血清からのADA測定と平行して、モックADAの希釈物をビオチン化およびスルホタグ化huTBTI3_2_1と混合することによって、データバリデーション曲線を得た。抗体はマウス抗ヒトIgG4(Abcam;#ab1950−1)であり、試験したいくつかの抗体からのノイズ比に対する最良のシグナルを示した。
Figure 2019059762
huTBTI3_2_1の定量下限(LLOQ)は、総アッセイおよび特異的アッセイについてそれぞれ70ng/mLおよび5ng/mLであった。ADA応答の決定は定量的ではないが、モックADA応答と比較して定性的である。
薬物動態パラメータを、プログラムWinNonLin 5.2.、ノンコンパートメントモデル202を使用して、第5の用量後に血清濃度/個々の動物の算術平均から計算した。
Figure 2019059762
Figure 2019059762
Figure 2019059762
Figure 2019059762
Figure 2019059762
Figure 2019059762
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IL−13/IL−4に対する二重特異性抗体huTBTI3_2_1の血清曝露を、雄性カニクイザルにおいて測定して、反復用量薬物動態パラメータを確立した。
2.5mg/kgの用量のhuTBTI3_2_1を、連続サンプリングパラダイムにおいて、静脈内注入を介して、カニクイザルに反復して与えた。この抗体は、第1の用量から第5の用量までの蓄積を示した。Cmaxおよび部分的AUC0336hはそれぞれ、128,000ng/mLから220,000ng/mLに、および18,000,000ng.h/mLから42,000,000ng.h/mLに、増加した。第5の用量後、81,000,000ng.h/mLのAUC0infで、抗体に対する良好な曝露が存在した(図10を参照のこと)。この抗体は、0.000032L/hr−kgの血清クリアランスおよび0.014L/kgの分布体積を示した。最終排出半減期は、330時間であることが見出された。
研究の1匹のサルは、5日目〜7日目にピークに達する一過的な抗薬物抗体(ADA)応答を示した。ADAレベルは、第2の注入の日に背景レベルに戻った。その後ADAレベルの顕著な上昇は見られなかった。他のサルは、どの時点でも顕著なレベルのADAを示さなかった。
特定の臨床的徴候または体重喪失は、投与の間にも後にも観察されなかった。
〔実施例9〕
健康な若い男性対象におけるhuTBTI3_2_1の漸増単一皮下用量の安全性、耐容性および薬物動態の、無作為化二重盲検プラセボ対照研究についての研究設計の概要
これは、ヒトにおけるhuTBTI3_2_1の第1の調査であり、単一皮下(SC)用量の安全性、耐容性および薬物動態(PK)に関する最初の情報を得るために、健康な対象における注意深い用量増大を含んだ。用量増大は、健康な若い男性対象のコホート(18歳〜45歳の年齢、50.0kgと95kgとの間の体重、18.0kg/m2と3
0.0kg/m2との間の肥満度指数;包括的臨床評価によって健康であると認定された
;仰臥位での10分間の安静後の正常な心拍数および血圧:95mmHg<収縮期血圧<140mmHg;45mmHg<拡張期血圧<90mmHg;40bpm<心拍数<100bpm;仰臥位での10分間の安静後の正常な標準的12誘導ECG;120ms<PR<220ms;QRS<120ms;QTc≦430ms;正常範囲内の実験室パラメータ;C反応性タンパク質は、3mg/Lを超えるべきではない(高感度の測定法を使用して);心筋トロポニンIは、実験室標準の上限を超えるべきではない)において実施した。
これは、健康な若い男性対象の4つの連続コホートにおける、単施設無作為化二重盲検プラセボ対照の、漸増する単一SC用量研究であった。各用量コホート/群は、8人の対
象からなるように設計した(6人の対象はhuTBTI3_2_1を受け、2人の対象はプラセボを受けた)。この段階的な用量増大設計は、ヒトへの新たな治療的実体の導入に典型的であった。
約15日間のモノクローナル抗体についての典型的排出半減期を考慮に入れた、処置により発現した有害事象(TEAE)およびPK分析のための投薬後85日間(約12週間)の観察期間が適切であった。投薬の12週間後に測定したADAまたは自己免疫抗体(リウマチ因子[RF]、抗核抗体[ANA]または抗好中球細胞質抗体[ANCA])は、ベースラインから増加し、次いで、さらなる追跡通院を、投薬の6ヶ月後に行い、消散または長期残留を報告した。4つの連続的用量コホートにおける用量増大の最後に、最も高い投与用量を下回る用量でのさらなる情報が必要な場合、8人の対象からなる第5の用量コホートに投薬し、評価する。
huTBTI3_2_1の作用の免疫調節機構を考慮して、炎症に関連するいくつかの特定の実験室試験を企図した。
C反応性タンパク質(CRP):
炎症は、CRPなどの急性期タンパク質の上昇と関連する。高感度の方法論を使用して、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)についての正常の上限(ULN)は現在、心血管リスクを評価する目的で、3mg/Lであると述べられることが多い;しかし、米国の健康な対象の約3分の1は、10mg/Lと15mg/Lとの間の時折の擬似上昇を伴う、3mg/Lと10mg/Lとの間のCRP値を有する(Kushner I.ら、Am J Med 2006年;119巻(2号):166.e17〜28頁;Ridker,PMら、Circulation 2003年:107巻(3号):391〜7頁;Pearson TAら、Circulation 2003年:107巻(3号):499〜511頁;Ridker PMら、2000年:342巻(12号):836〜43頁;Unek,ITら、Clin Med Res.2010年;8巻(2号)89〜95頁)。健康な対象からの連続的サンプリングを使用して、P<0.05で有意な連続的値についての臨界的差異(即ち、分析による変動または正常な対象内の変動に起因する可能性が低い最小の百分率変化)は、118%であると報告されている(Macy EMら、Clin Chem 1997年:43巻(1号):52〜8頁)。C反応性タンパク質値は、典型的には、10mg/Lを上回るレベルで臨床的に有意であるとみなされ、このレベルを上回る持続性の上昇は、心配の種になり得る。急性炎症応答の間、100mg/Lを超える値が観察され得る(Clin BおよびOlshaker JS、J.Emerg Med.1999年:17巻(6号)1019〜25頁)。CRPにおける上昇は、活動性血管炎の状態について一貫して報告されている(Konttinen YTら、Ind J Rheumatol 2007年:2巻(3号):100〜4頁;Hesselink DAら、Scand J Rheumatol 2003年:32巻(3号)151〜5頁)。このプロトコルについて、薬物関連の炎症および起こり得る血管炎の検出のための一次的手段として、臨床的所見と共にhsCRPを使用した。少なくとも72時間にわたり10mg/Lを上回るhsCRPにおける持続性の上昇を、血管炎のあり得る初期証拠とみなした。一般に、薬物誘導された血管炎は、処置の中断の際に可逆的であり、hsCRPなどの炎症のマーカーは、正常またはベースラインの値に戻るはずである(Wiik,A、Curr Opin Rheumatol 2008年:20巻(1号)35〜9頁;Calabrese LHおよびDuna GF、Curr Opin Rheumatol 1996年;8巻(1号)34〜40頁)。さらに、薬物投与後の20mg/Lを上回る連続した上昇は、起こり得る薬物関連の炎症促進刺激の証拠とみなされ得、急性感染症などの炎症の他の原因を排除した後には、さらなる投薬の休止のあり得る理由とみなされ得る。
心筋トロポニンI:
血清心筋トロポニンI(cTnI)を、潜在的な冠血管炎によって引き起こされる心筋傷害を検出するためにモニタリングした(Kim MおよびKim K、Pediatr
Cardiol、1999年:20巻(3号):184〜8頁)。cTnI上昇は、心筋傷害以外の要因(激しい運動を含む)によって引き起こされ得るので(Wu AH、ら
Clin Chem.2007年;53巻(12号):2086〜96頁)、この研究におけるcTnIの解釈を、臨床徴候、症状、ECGおよびhsCRPに関して行った。
血管炎についての補充的試験:
個々の対象におけるhsCRPの持続性の上昇に関連する炎症をさらに特徴付けるために、補体(C3、C4およびCH50)、クリオグロブリン、ANCA(核周囲および細胞質のANCAについての免疫蛍光ならびに抗プロテアーゼ3[PR3]および抗ミエロペルオキシダーゼについての確証的イムノアッセイ)、RFおよびANAについての試験を含む、血管炎に関するさらなる実験室試験を実施した。ベースライン値を、全ての対象について投薬前に確立した;血管炎についてのこれらの補充的試験のさらなるアッセイを、hsCRPにおける持続性の上昇(少なくとも72時間にわたって>10mg/L)を示した個々の対象について実施し、その場合、補充的試験は、直ぐに(実行可能な限り直ぐに)および数回の引き続く通院の際に実施した。
補充的試験の提案されたアレイは、発生した場合には血管炎の機構に関する知見を提供した。ANCAは新たな分類基準である(Sunderkotter CおよびSindrilaru A.Eur J Dermatol.2006年;16巻(2号):114〜24頁;Watts Rら、Ann Rheum Dis.2007年;66巻(2号):222〜7頁;Watts RAら、Rheumatology(Oxford).2010年7月20日:1〜3頁)。ANCAは、それらが正常な好中球上に生成する間接的免疫蛍光(IIF)パターンに従って、およびそれらの標的抗原に従って、分類される(Pollock Wら、J Immunol Methods.2009年;347巻(1〜2号):19〜23頁;De Rosa FGおよびAgnello V.J
Rheumatol.2009年;36巻(9号):1953〜5頁;Clin Sci(Lond).2005年;108巻(2号):101〜12頁)。ミエロペルオキシダーゼ−ANCAが陽性である場合、チャーグ・ストラウス症候群または顕微鏡的多発動脈炎を疑うことができる。PR3−ANCAが陽性である場合、ウェゲナー肉芽腫症の可能性が最も高い。ANCA試験が陰性でありかつクリオグロブリン試験が陽性である場合、クリオグロブリン血管炎を疑うべきであり、その原因となる疾患、特にC型肝炎およびB型肝炎、全身性エリテマトーデス(SLE)ならびにシェーグレン症候群を排除すべきである。血清C3およびC4は、クリオグロブリン血症では消費される場合が多いが、結節性多発動脈炎およびANCA血管炎では通常正常である。ANCAは、感染症、炎症性腸疾患および他の結合組織疾患(例えば、関節リウマチ)を含む他の疾患の存在下で陽性であり得る。これらの場合、ANCAは陽性であるが、PR3およびミエロペルオキシダーゼに関しては陰性である。
血管内皮活性化バイオマーカー:
血管炎性病変の発生は、内皮細胞および好中球の活性化と関連している(Tesfamariam BおよびDeFelice AF.Vascul Pharmacol.2007年;46巻(4号):229〜37頁;Toxicol Appl Pharmacol.2005年;207巻(補遺2):441〜5頁)。e−セレクチンなどの接着分子の発現増強は、内皮と循環炎症細胞との相互作用を促進する。種々の内皮活性化マーカー、例えば、エンドセリン−1およびトロンボモジュリンは、報告によれば血管炎の間に上昇する。血管内皮増殖因子(VEGF)は、血管透過性を変更し得、ベーチェット病、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発動脈炎、巨細胞性動脈炎および全身性血管炎を有する
患者由来の血清において上昇する(Cekmen Mら、Int J Dermatol.2003年;42巻(11号):870〜5頁)。処置により発現した炎症(例えば、持続性のhsCRP上昇)または血管炎と一致する実験室値における変化が複数の対象において見られ、次いでアーカイブ血清サンプルおよび血漿サンプル(薬物投与の前に収集し、薬物投与の後に周期的に収集した)を、血管内皮活性化と関連する種々の探索バイオマーカーについてアッセイして、炎症の性質をさらに特徴付けた。
リンパ球サブセット:
ヒトリンパ球の特定のサブセットがhuTBTI3_2_1によって選択的に影響を受けるわけではないことを保証するために、リンパ球サブセットを、フローサイトメトリーを使用して評価した。これには、絶対数として、および総リンパ球の%として、ならびにCD4/CD8比として表される、総T細胞、Tヘルパー細胞(CD4)、Tサプレッサー細胞(CD8)および総B細胞(CD19)が含まれる。
免疫原性
モノクローナル抗体の全身投与は、治療的抗体のPKおよび/または活性を変更し得るADAの生成と関連している(Hansel TTら、Nat Rev Drug Discov.2010年;9巻(4号):325〜38頁)。免疫原性を、抗huTBTI3_2_1抗体について酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を使用して評価した;huTBTI3_2_1の抗体中和を評価するための機能的アッセイが、さらなる研究の間に使用され得る。
尿中アルブミン:
尿中のタンパク質の出現は、薬物臨床試験の間の腎糸球体の透過性増加の徴候であり、潜在的な腎傷害の証拠である。タンパク質についての標準的な尿試験紙アッセイが、この目的のために典型的に使用される。しかし、尿試験紙方法論は、血管炎の初期段階の間に生じ得る糸球体機能におけるより微妙な変化を検出できない可能性がある。したがって、尿中アルブミンに対するより高感度のアッセイを、huTBTI3_2_1の初期臨床試験の間に使用した。早朝スポット採尿を使用して、微量アルブミン尿症の潜在的な出現をモニタリングし、アルブミン/クレアチニン比として報告して、尿溶質希釈の程度における増減について補正した。微量アルブミン尿症の処置後出現を、真性糖尿病を有する患者のモニタリングのために推奨されるように、3回の連続した採尿のうち2回におけるアルブミン/クレアチニン比>30μg/mgの所見として規定した(American Diabetes Association.Standards of medical
care in diabetes−−2009年.Diabetes Care.2009年;32巻、補遺1:S13〜61頁)。運動は尿中アルブミンを一時的に上昇させ得るので、激しい肉体的運動は採尿前には制限しなくてはならない(Heathcote KLら、Clin Invest Med.2009年;32巻(4号):E261〜5頁)。激しい肉体的運動の24時間以内に得た尿中アルブミン結果は、微量アルブミン尿症を規定する目的のためには、考慮から外さなくてはならない。3回の連続した採尿のうち2回におけるアルブミン/クレアチニン比>300μg/mgの所見を、顕性アルブミン尿症の証拠として評価した(American Diabetes Association.Standards of medical care in diabetes−2009年.Diabetes Care.2009年;32巻、補遺1:S13〜61頁)。
治験薬(IP)注射の部位における耐容性:
存在する疼痛に関する標準的な定性的および定量的評価(言語による尺度)(Melzack R.The McGill Pain Questionnaire:major properties and scoring methods.Pain 19
75年;1巻:277〜299頁)を含め、ならびに紅斑症および腫脹/硬結/浮腫について(Guidance for industry:toxicity grading scale for healthy adult and adolescent
volunteers enrolled in preventive vaccine clinical trials、US Dept of Health and
Human Services、Food and Drug Administration、Center for Biologics Evaluation and
Research、2007年9月)、IP注射の部位における不快感および組織反応の程度を、最大で投薬の2週間後までモニタリングした。
TDU11325についての用量増大工程を表11中に示す。用量増大比率は、各増大工程において2倍である。用量におけるこの連続的増加は、治療的モノクローナル抗体の最初の臨床試験に典型的であり、潜在的な安全性シグナルの注意深いモニタリングによって支持される。
Figure 2019059762
より低い用量の結果に依存して、より高い用量のhuTBTI3_2_1が試験され得る。より高い用量には、300mgコホートよりも低いか、それと等しいか、またはそれより高い任意の用量が含まれ得る。企図されたさらなる用量コホートには、175mg、200mg、225mg、250mg、275mgおよび300mgが含まれるが、それらに限定されない。さらなる用量コホートは、300mg、350mg、400mgまたはそれより高いものであり得る。
huTBTI3_2_1またはプラセボを、臍の右または左に対し4〜10cmの領域中に、かつウエストラインの上で、飢餓条件下で臍周囲SC注射として投与した。安全措置として、TDU11325における用量コホートを、より小さい下位群として義務的に開始した。各用量コホートについて、2人の対象に第1日目に投薬した。コホート中の残りの対象には、2日(約48時間)後直ぐに投薬し、2人以下の対象には各日に投薬した。
用量「n」から次の「n+1」用量に進むという決定は、治験責任医師によって提供された予備的安全性報告に基づいて、治験依頼者および治験責任医師によって合同で行ったが、この報告には、用量レベルコホート「n」の8人の対象のうち少なくとも6人の対象の、投与後少なくとも21日間にわたる(22日目)盲検安全性データが含まれる。した
がって、コホート内の交互の投薬を考慮に入れ、新たな用量コホートを、約4週間毎に開始した。この決定のための適切なデータは、少なくとも、有害事象、血液学、リンパ球サブセット、凝固、尿検査、血清生化学(hsCRPおよびcTnIを含む)、ECG、血圧、心拍数および体温であるべきである。入手可能なPKデータもまた、研究進行の間に検討した。
治験依頼者および治験責任医師による、深刻な有害事象および他の有害事象の出現/重症度の古典的評価に加えて、潜在的な交絡因子を調査した後、以下の基準を、投薬停止の決定のためのガイダンスとみなした:
・治療への関連性が合理的に排除できない1より多い重症強度の有害事象(逐語的に同じ)。有害事象の「重症」強度の定義は、その事象が毎日の活動を阻み、対症的処置を必要とすることである;
・QTc≧500ms;
・≧24時間離れた2回の連続した血液収集にわたり持続したhsCRP>20mg/L
注記:予定した収集時点においてhsCRPが>20mg/Lである場合、さらなる血液サンプルを、再試験のために24時間後に(またはその後可能な限り直ぐに)収集すべきである。
各バイアルが185mgのhuTBTI3_2_1+賦形剤を含有する、SC用量溶液の調製のための凍結乾燥形態の、2℃と8℃との間(華氏36度と華氏46度との間)で保存したhuTBTI3_2_1。1.7mLの無菌で発熱物質を含まない蒸留水によって、室温で、投薬の日の朝に(SC注射の僅か1時間前に)再構成する。注射のための再構成後の溶液中の構成成分の濃度は、以下であった:7.0の最終pHで、6.3mmol/Lリン酸二水素ナトリウム、3.7mmol/Lトロメタミン、5%(重量/体積)スクロース、3%(w/V)プロリンおよび0.2%(w/V)ポリソルベート80中100mg/mLのhuTBTI3_2_1。プラセボについて、各バイアルは、再構成したhuTBTI3_2_1製剤と同じ濃度の同じ賦形剤からなる液体2mLを含む。
Figure 2019059762
推奨される投薬前の飢餓期間は、投薬前少なくとも10時間であり、投薬後2時間継続される。
ベースラインでのおよび研究の間の安全性調査および耐容性調査は、以下からなるものとした:
・肉体的試験(少なくとも以下が含まれる:心臓および呼吸の聴診;両腕および両脚における末梢動脈拍動;瞳孔、膝、アキレス腱および足底反射;末梢リンパ節および腹部試
験;皮膚、手および足の診察);
・体重(kg);
・前後方向胸部x線(投薬後に臨床的に示されない場合に限りスクリーニング);
・体温(口腔または鼓室のいずれかであるが、全ての対象について研究を通じて一貫して同じ方法);
・安静仰臥位で10分間の後におよび起立位で3分間の後に測定した、心拍数ならびに収縮期および拡張期血圧);
・実験室試験(飢餓条件下、即ち、特に示さない限り、少なくとも10時間前に水のみで、朝に収集した全ての血液サンプル):
−血液学:赤血球計数(RBC)、ヘマトクリット(Hct)、ヘモグロビン(Hb)、差示的な(好中球、好酸球、好塩基球、単球およびリンパ球)白血球計数(WBC)、血小板;
−凝固:プロトロンビン時間(PT)、国際標準化比(INR)、フィブリノーゲンおよび活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT);
−血清生化学:
電解質:ナトリウム、カリウム、クロライド、カルシウム;
肝機能:AST、ALT、アルカリホスファターゼ、γ−グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、総ビリルビンおよびコンジュゲート化ビリルビン;
腎機能:尿素、クレアチニン;
代謝:グルコース、アルブミン、総タンパク質、総コレステロール、トリグリセリド;
潜在的筋毒性:クレアチンキナーゼ(CK);
潜在的心毒性:cTnI;
炎症バイオマーカー:高感度CRP(hsCRP);
−リンパ球サブセット:
フローサイトメトリーによる、絶対数として、および総リンパ球の%として、ならびにCD4/CD8比として表される、総T細胞(CD3)、Tヘルパー細胞(CD4)、Tサプレッサー細胞(CD8)および総B細胞(CD19)
−免疫原性:抗huTBTI3_2_1抗体;
−血管炎についての補充的試験(ベースラインにおいて、および次いで≧72時間にわたりhsCRP>10mg/Lを示した対象についてのみ投薬後に):
補体アッセイ:C3、C4、CH50
クリオグロブリン;
リウマチ因子(RF);
抗核自己抗体(ANA):HEp2 IIF(力価およびパターン);
抗好中球細胞質自己抗体(ANCA):核周囲および細胞質ANCAについての免疫蛍光ならびに抗プロテアーゼ3および抗ミエロペルオキシダーゼについての確証的イムノアッセイ。
・血清学的試験:HBsAg、B型肝炎コア抗体、抗HCV抗体、抗HIV1抗体および抗HIV2抗体;
・アーカイブ血液サンプル:血清サンプルおよび血漿サンプルを調製し、安全性評価を支持するのに必要な実験室パラメータのさらなるアッセイのために保存した。特に、複数の対象における持続性炎症の所見(例えば、少なくとも72時間にわたるhsCRP>10mg/L)または血管炎の処置により発現したマーカーの出現は、血管内皮活性化の探索バイオマーカーのアッセイにつながり得る。
血清について、10mLの血液サンプルを、乾燥した上部が赤いチューブ中に収集し、収集の15分以内に、およそ1500gで4℃にて10分間遠心分離した;次いで血清を、ほぼ等しいアリコートで(プラスチックのトランスファーピペットを使用して)3つの保存チューブ中に移し、これを直ぐにキャップし、直立位で−20℃以下で凍結した;
血漿について、10mLのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)血液サンプルを、上部が紫のチューブ中に収集し、収集の15分以内に、およそ1500gで4℃にて10分間
遠心分離した;次いで血漿を、ほぼ等しいアリコートで(プラスチックのトランスファーピペットを使用して)3つの保存チューブ中に移し、これを直ぐにキャップし、直立位で−20℃以下で凍結した;
・尿検査:
−中間尿標本を収集し、以下の分析に供した。
−タンパク質、グルコース、血液(ヘム)、白血球、ケトン体およびpHの検出のための、試薬ストリップ尿試験紙分析。陽性のグルコース結果は、地方臨床実験室標準操作手順に従って、グルコースについての代替的方法論を用いて確認すべきである。対象の尿中のタンパク質、グルコースまたは血液の最初の検出の際に、さらなる尿標本を収集し、確認のために尿検査に供するべきである。
−尿沈渣は、最低でも、以下の形成された要素について試験すべきである:赤血球、変形赤血球、白血球、腎上皮細胞、円柱(硝子、RBC、WBC、顆粒、ロウ状、脂肪、腎細胞)、細菌、酵母およびトリコモナス。これらの要素のそれぞれの豊富さは、地方実験室で使用される標準的な実験室用語法および単位(例えば、高倍率視野当たりの細胞数、僅か、豊富)を使用してスコア付けすべきである。任意のさらなる異常な所見を、報告上に注記すべきである。
−尿微量アルブミン:アルブミンおよびクレアチニンの定量的アッセイならびにアルブミン/クレアチニン比(μg/mg)の計算。
・尿薬物スクリーニング:アンフェタミン/メタンフェタミン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、カンナビノイド、コカイン、オピエート;
・アルコール呼気または血中試験;
・対象によって自発的に報告されたまたは治験責任医師によって観察された有害事象を、有害事象および関連応答の定義のためにモニタリングした;
・標準的12誘導ECG。
バイタルサイン、ECGおよび血液サンプルを、治験薬投与および/または食餌と同じ時間に予定した場合、それらを、IP摂取および/または食餌の前に行った。PKまたは安全性についてバイタルサイン、ECGおよび血液サンプリングの測定が同時期に起きる場合はいつでも、以下の順を尊重した:ECG、バイタルサイン、PKサンプルおよび安全性サンプル。
12誘導ECGを、心電図デバイスを使用して、仰臥位で少なくとも10分間の後に記録した。電極を、研究の間の各ECG記録について同じ位置に配置した(リードの付着部位には、消えないペンでマークをつける)。
各ECGは、12誘導の10秒間の同時記録からなり、以下につながる:
−日付、時間、対象のイニシャルおよび番号、研究医のサイン、ならびに各リードについて少なくとも3つの群を含む、心拍数、PR、QRS、QT、QTc自動補正評価を有する1回の単一12誘導ECG(25mm/s、10mm/mV)プリントアウト。治験責任医師の医学的意見および自動的な値を、eCRFに記録した。このプリントアウトを、施設レベルで保持した。例外として、投薬前1日目に3連で記録を得た。
臍周囲領域周辺の皮膚を、SC注射に対する潜在的な反応について試験した。紅斑症および腫脹(硬結および/または浮腫を含む)の最大直径を、ミリメートル単位で個別に測定し、記録した。紅斑症および腫脹を、ワクチンの評価に関するFDAガイダンスと類似の様式で、以下のように個別に等級分けした。観察の時点で、パラメータにおいて処置により発現した変化が存在しない場合、0の値を記録した。
Figure 2019059762
さらに、そう痒感の程度ならびに丘疹、膿疱および小胞形成の出現を、以下の等級分け尺度を使用してそれぞれスコア付けした:
0=なし;1=殆ど知覚できない;2=軽度;3=中程度;4=重症
中程度の強度またはそれより悪い皮膚反応を、有害事象として記録した。以下の症状または表面的な所見の存在または非存在を、等級分けせずに記録した:びらん、乾燥、鱗屑化、ひび割れ、痂皮化およびグレージング(glazing)。
さらに、この疼痛強度を、McGill Pain Questionnaireのサブセットに基づく、以下の言語的数的評点尺度(研究対象による自己評価)を使用して記録した。対象が評価した疼痛スコアが≧3のとき、有害事象と報告される。
0=疼痛なし;1=軽度;2=不快;3=苦痛;4=ひどい;5=極度な痛み
薬物動態
huTBTI3_2_1 PK分析のための全ての血液収集を、サンプリング時間の±15%以内で行うように予定した。対象による血漿サンプルの数および研究のためのサンプルの総数を、表14に示す。
Figure 2019059762
Figure 2019059762
ELISAを、ヒト血漿中のhuTBTI3_2_1の定量のために使用した。ストレプトアビジンプレート上を被覆したビオチン化IL−4を使用してhuTBTI3_2_1を捕捉し、次いでスルホタグ−IL−13によってこれを検出した。エレクトロケミルミネッセンス検出を使用するこのフォーマットは、IL−4に対する占有されていない1つの結合部位およびIL−13に対する占有されていない1つの結合部位を少なくとも保持するhuTBTI3_2_1を検出することができる。huTBTI3_2_1血漿濃度は典型的に、IL−4およびIL−13の濃度と比較して大モル濃度過剰で存在するので、このアッセイは、huTBTI3_2_1の総濃度を反映した。
臨床サンプルをアッセイする場合、huTBTI3_2_1測定によるADAの潜在的な妨害を考慮に入れた。
Figure 2019059762
ヒト血漿中の潜在的抗huTBTI3_2_1抗体(ADA)の分析のために、エレクトロケミルミネッセンス検出を使用する架橋定性ELISAを使用した。それを上回ると血漿サンプルが抗huTBTI3_2_1抗体に関して潜在的に陽性であるとみなされる5%偽陽性率を示すカットオフを、各スクリーニングアッセイにおいて使用した。
次いで、抗体の存在を実証し、最初のスクリーニングアッセイから生じた偽陽性結果を排除するために、スクリーニングアッセイにおける陽性サンプルを、確証的アッセイ(huTBTI3_2_1との競合)において試験した。ADAアッセイにおけるhuTBTI3_2_1の妨害が報告され、その結果、ADAの検出限界に影響を与えない最も高い
薬物濃度が分かり、免疫原性の解釈はこのパラメータを考慮に入れた。
Figure 2019059762
血漿濃度を使用し、標準的なノンコンパートメント技術を使用して、表18に列挙したhuTBTI3_2_1のPKパラメータを決定した。
Figure 2019059762
Figure 2019059762
max、AUClast、AUCについて、用量の釣り合いを、Goughら、Pharm
acokinetics UK Joint Working Group Drug Infor J 1995年:29巻:1039〜1048頁の推奨に従い、「推定」解釈と共に実験的パワーモデル(PKパラメータ=α×用量β)を使用して評価した。
このパワーモデルは、対数変換尺度上にフィッティングされる:
log(パラメータ)=log(α)+β×log(用量)+誤差。
モデルラックオブフィットを、残差プロットによって、および残差平均平方対純粋誤差残差平均平方のF検定によって評価した。モデルフィットが適切である場合、βについて90%信頼区間と共に推定を得、rをβ推定(「b」)および信頼限界で累乗することによって、用量におけるr倍(r=2およびr=高い用量/低い用量)の増加と関連するPKパラメータの増加について推定および90%信頼区間を得るために、さらに使用した。
b±t×SE(b)
モデルラックオブフィットの証拠が存在する場合、このモデルを低下した用量範囲にフィッティングする試みを行った(例えば、1つの極端な用量レベルを排除する)。他の場合、適切なPKパラメータの対数を使用して、用量について固定した項と共に、固定効果モデル(fixed effect model)を使用した。ペアワイズ用量増加と関連したパラメータ増加について、90%信頼区間と共に、推定を、固定効果モデルのフレームワーク中のペアワイズ用量群間の差異についての信頼区間と共に推定を最初に計算し、次いで真数変換を使用して比率に換算することによって得た。
1/2zについて、線形固定効果モデルを用いて用量効果を評価する。
Log(t1/2z)=用量+誤差
1/2zの幾何平均についての点推定および90%信頼区間を、各用量群について用量レベルを横断して個別にプールして提供した。tmax値の分布を、各用量レベルについてヒ
ストグラムプロットによって示した。
有害事象および深刻な有害事象の定義
有害事象は、医薬製品が投与された、この処置との因果関係を必ずしも有さない対象における、任意の医療上好ましくないことの出現である。
深刻な有害事象は、任意の用量における任意の医療上好ましくないことの出現である:
・死亡という結果を生じる、または
・生命を脅かす、または
−注記:「深刻な」の定義における用語「生命を脅かす」とは、対象がその事象の時点において死亡の危険性がある事象を指す;これは、より重症である場合には仮定としては死亡を引き起こし得る事象を指さない。
・患者の入院もしくは現在の入院の延長を要する、または
・持続性もしくは顕著な能力障害/無能を生じる、または
・先天性異常/先天性欠損症である、または
・医学的に重要な事象である:
−他の状況、例えば、直ぐに生命を脅かさないまたは死亡もしくは入院を生じないかもしれないが、対象を危険にさらし得る、あるいは上記定義において列挙した他の結果のうち1つを予防するための介入を必要とし得る、重要な医学的事象において迅速な報告が適切であるか否かを決定するにあたり、医学的および科学的判断を行使すべきである。
注記:どの状態が医学的に重要な事象であるかを決定するためのガイダンスとして、以下の例が提供されるが、網羅的であることは意図しない:
アレルギー性気管支痙攣についての救急処置室または家庭での集中処置;
血液疾患、例えば、無顆粒球症、再生不良性貧血、骨髄形成不全、骨髄異形成、汎血球減少症;
けいれん;
総ビリルビン>2×正常範囲の上限(ULN)と関連するアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>3×ULN;
無症候性ALTの増加>10×ULN;または
薬物依存または薬物乱用の発生。
直ぐに治験依頼者に報告する必要がある有害事象:
・ALTの増加≧2×ULN
・≧72時間にわたるhsCRP>10mg/L
・心筋トロポニンI(cTnI)>2×ULN
cTnI>2×ULNが観察された場合、cTnI、クレアチンキナーゼ(CK)、お
よびクレアチンキナーゼの心筋B分画(CK−MB)値は、試験結果が正常に戻るまで、さらなるECG記録と共に連続的に追跡すべきである(最低でも、直ぐのさらなる血液収集および次の日の血液収集)。cTnIの上昇が持続する場合、CK−MB/CK比が上昇する場合、および/またはECG記録において処置により発現した異常が観察される場合には、心臓専門医の助言を直ぐに検討すべきである。
・QTc≧500ms
QTを補正するためのFridericia公式を使用して、治験責任医師または治験責任医師に権限委任された医師がマニュアルを読んで確認する、≧500msのQTcの自動的測定の延長が出現した場合、対象を特別な環境で監督下に置くべきである。適切な血液サンプルを収集する(例えば、cTnIについて)。次いで、治験依頼者と同意見の治験責任医師によって決定されるように、QTc間隔が安全な値に戻るまで、一定の臨床的に責任のある方式で、対象の引き続くECGモニタリングを実施すべきである。
・IP注射の部位に局所的な重症皮膚反応
・IPによる症候性の過剰投薬
−IPによる過剰投薬(偶発的または意図的)は、治験責任医師により疑われる事象、または対象によって自発的に告知される(体系的IPバイアル計数に基づかない)事象、および意図した用量の少なくとも2倍と規定される事象である。
実験室での異常には以下が含まれる:
・好中球減少症、
−好中球血球計数<1500/mm3として規定される(ただし、アフリカ系の対象で
は<1000/mm3
・血小板減少症、
−血小板計数<100000/mm3として規定される
・急性腎不全
−150μmol/L(1.7mg/dL)を超える血清クレアチニンの迅速な増加
・横紋筋融解症の疑い
〔実施例10〕
健康な若い男性対象(TDU11325)におけるSAR156597の漸増単一皮下用量の安全性、耐容性および薬物動態の無作為化二重盲検プラセボ対照研究からの結果
以下の表、表20〜35は、TDU11325研究からのデータをまとめている。
Figure 2019059762
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Claims (12)

  1. 約433ug・h/ml〜約14200ug・h/mlの時間ゼロから実時間まで台形法を使用して計算した血漿濃度対時間曲線下の面積(AUClast)を有する、ヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量。
  2. 約459ug・h/ml〜約670014500ug・h/mlの無限に外挿された血漿濃度対時間曲線下の面積(AUC)を有する、ヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量。
  3. 約0.717ug/ml〜約28.7ug/mlの観察された最大血漿濃度(Cmax
    を有する、ヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量。
  4. 約96時間〜約168時間の最大血漿濃度に達するまでの第1の時間(tmax)を有す
    る、ヒト対象に対するIL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の最大安全治療用量。
  5. ヒト対象に投与される、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の治療用量が安全か否かをモニタリングする方法であって、
    (a)該デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の該治療用量を該ヒト対象に投与する工程;
    (b)アレルギー性気管支痙攣についての救急処置室または家庭での集中処置、血液疾患、けいれん、総ビリルビン>2×正常範囲の上限(ULN)と関連するアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>3×ULN、無症候性ALTの増加>10×ULN、薬物依存または薬物乱用の発生、ALTの増加≧2×ULN、≧72時間にわたるhsCRP>10mg/L、心筋トロポニンI(cTnI)>2×ULN、心電図(ECG)マシンでの心室の脱分極および再分極時間(QT)からなる群より選択される1つまたはそれ以上の事象を測定する工程であって、QTは、QTc≧500msである、ECGマシンによって自動的に補正されたものであり(QTc)、重症皮膚反応が、IP注射の部位に限局的である、工程;および
    (c)(b)で測定された1つまたはそれ以上の上記事象が生じたことを決定する工程;
    を含み、上記治療用量が安全でないと同定され、治療用量が中断または低減される、上記方法。
  6. ヒト対象への、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の安全治療用量を選択するまたは治療用量の安全な使用をモニタリングする方法であって、
    (a)該デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の用量を該ヒト対象に投与する工程;
    (b)該ヒト対象由来の血液サンプル中のC反応性タンパク質(CRP)のレベルを測定する工程;および
    (c)(b)で測定された該C反応性タンパク質(CRP)のレベルが20mg/L未満であることを決定する工程;
    を含み、該用量が、該ヒト対象に投与される上記安全治療用量として選択される、上記方法。
  7. ヒト対象への、IL−4およびIL−13に特異的に結合するデュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の安全治療用量を選択するまたは治療用量の安全な使用をモニタリングする方法であって、
    (a)該デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片の用量を該ヒト対象に投与する工程;
    (b)心電図(ECG)マシンでの心室の脱分極および再分極時間(QT)を測定する工程であって、該ヒト対象のQTは、ECGマシンによって自動的に補正される(QTc)、該工程;および
    (c)(b)で測定された該QTCが500ms未満であることを決定する工程;
    を含み、該用量が、該ヒト対象に投与される上記安全治療用量として選択される、上記方法。
  8. デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片が、配列番号1および配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖と、配列番号2および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖とを含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 配列番号1および配列番号3がペプチドリンカーで一緒に連結され、配列番号2および配列番号4がそのペプチドリンカーで一緒に連結されるように、デュアルV領域抗体様タンパク質またはデュアルV領域抗体様領域の断片がそのペプチドリンカーを含む、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ペプチドリンカーが配列番号6からなる、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 治療用量が約300mg以下である、請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 治療用量が、10mg、20mg、40mg、80mg、150mgおよび300mgからなる群より選択される、請求項5〜11のいずれか1項に記載の方法。
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