JP2019059737A - Mdm2アンタゴニストを用いた患者のがん治療法をパーソナライズするためのmrnaベースの遺伝子発現 - Google Patents

Mdm2アンタゴニストを用いた患者のがん治療法をパーソナライズするためのmrnaベースの遺伝子発現 Download PDF

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Abstract

【課題】がんを有する患者を治療するためのMDM2阻害剤を含む医薬の提供。【解決手段】患者由来の試料においてMDM2、XPC、BBC3及びCDKN2AのmRNA発現レベルを測定すること、及びMDM2阻害剤に対する患者の応答を予測するためのバイオマーカーとして四遺伝子シグネチャースコアを計算するために、そのmRNA発現レベルを使用することを含み、i)同じがんを有する患者由来の一つ又は一組の標準値と比較して;又はii)治療開始前に同じ患者から採取された一つ又は複数の試料と比較して治療開始後に採取された;又はiii)正常な細胞又は組織由来の一つ又は一組の標準値と比較して;患者由来の試料の高い四遺伝子シグネチャースコアは、MDM2阻害剤による治療に対して感受性であることが予測される方法により、MDM2阻害剤による治療に対して感受性であることが予測されたか又は応答性が示された患者に投与される医薬。【選択図】なし

Description

TP53遺伝子は、がんの発達の間の保護に重要な役割を果たす腫瘍抑制タンパク質をコードする。P53は、P53が細胞周期を制御し、したがってがんの予防に関与する腫瘍抑制因子として働く多細胞生物体において極めて重要である。更に、P53は、アポトーシス、DNA修復及び老化といった細胞周期のコントロールに関与する複数の遺伝子を制御する転写因子である。
非ストレス条件下では、p53タンパク質のレベルは、MDM2の転写がp53によって駆動される負のフィードバックループを介して、MDM2(Murine Double Minute 2)により制御される。MDM2タンパク質はTP53タンパク質に結合し、そのトランス活性化ドメインをブロックする。MDM2は、ユビキチン依存性分解のためのp53をマーキングするp53ユビキチンリガーゼとして機能することもできる。
MDM2を過剰発現する細胞では、P53は活性化されておらず、そのため増殖停止及びアポトーシスが効率よく行われない。P53−MDM2相互作用の遮断は、P53機能を回復させる可能性があり、がん治療の新規アプローチとなりうるものである。MDM2アンタゴニストによる腫瘍細胞の治療は、遺伝子転写の活性化、並びに細胞周期の停止及びアポトーシスの誘導を含め、p53に、その下流の機能を媒介させるはずである。
TP53変異は、急性骨髄性白血病(AML)では稀であり、通常はこれら悪性腫瘍の発生において最も重要であるとは考えられない。しかしながら、MDM2がAMLに頻繁に過剰発現されることが判明しており、MDM2は、p53機能の抑止により腫瘍形成能及びアポトーシスへの抵抗性を増強することができる。野生型p53を含むAML細胞株及び16の一次AML試料が、p53依存性アポトーシスの誘発により、MDM2アンタゴニスト(阻害剤)に応答することが判明している。これら発見は、AMLの治療戦略としてp53−MDM2相互作用を標的とすることの論理的根拠を支持するものである。
提案される薬物の作用機序に基づき、機能性p53タンパク質及び関連する経路エフェクター分子の存在は、このクラスの薬物が有効となるために必要である。すべての患者が機能性p53タンパク質及び関連する経路エフェクター分子を有するわけではない。患者が治療の恩恵を受けることができるかどうか更によく決定するために、治療に最も応答性の高い患者を同定するための予測分子テストを発見する必要がある。MDM2アンタゴニストに対する応答能を評価するための一つの手法は、TP53遺伝子が変異するかどうかを評価することである。しかしながら、これは、がんにおいて多数の変異がTP53に見られるという事実により複雑になっている。これら変異のすべてがp53タンパク質の活性に干渉するわけではないことが、更にTP53変異テストの解釈を複雑にしている。加えて、野生型TP53細胞株及び患者の、MDM2アンタゴニストに対する応答には幅がある。したがって、容易に解釈できる診断ツールに基づいてMDM2アンタゴニストに対する応答性を予測可能にすることは、MDM2アンタゴニストの臨床開発において、未だ満たされていない需要である。このために、p53経路の活性を反映する遺伝子発現シグネチャーの開発が、MDM2アンタゴニスト療法に最も応答性の高い患者を選択する手段を提供するであろう。
一態様では、本発明は、がん患者の、治療法に対する応答を予測する方法に関し、この場合の患者治療法は、MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を用いた治療を含み、前記方法は:
a)対象から前もって取得した試料中のレベルを測定し、このレベルを表す一又は複数の値を得る工程;及び
b)工程a)の一又は複数の値を、一又は一組の基準値と比較する工程
を含む。
MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物(MDM2−阻害剤、MDM2−アンタゴニストは、当技術分野で既知である。MDM2−阻害剤及びその作製方法は、例えば、米国特許第8354444B2号、並びに国際公開第2007/063013号、国際公開第2010/031713号及び国際公開第2011/098398号に開示されており、これらはその全体が本明細書に包含される。更なるMDM2−阻害剤が国際公開第2013/135648号に開示されており、これはその全体が本明細書に包含される。
米国特許第8354444B2号、並びに国際公開第2010/031713号、国際公開第2011/098398号は、例えば、式I、II及びIIaの化合物を開示している。

国際公開第2013/135648号は、例えば式IIIの化合物を開示している。

III
一態様では、本発明は、がん患者の、治療法に対する応答を予測する方法に関し、この場合の患者治療法は、MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物、好ましくは、具体的に米国特許第8354444B2号の実施例、又は国際公開第2007/063013号、国際公開第2010/031713号、国際公開第2011/098398号及び国際公開第2013/135648号に開示されたMDM2−阻害剤を用いた治療を含む。
更なる態様では、本発明は、それを必要とする患者において、腫瘍性疾患、がんを治療する方法に関し、この方法は、患者由来の試料中におけるレベルを測定し、このレベルを表す一又は複数の値を得ること、及び上記に定義された一般式Iの化合物又はその薬学的に許容される誘導体を用いて対象を治療することを含む。
MDM2応答に基づいて治療可能である可能性のある「腫瘍性疾患」は、がんである。一実施態様では、がんは、乳がん、前立腺がん、子宮頸がん、卵巣がん、胃がん、結腸直腸がん(すなわち、結腸がん及び直腸がんを含む)、膵臓がん、肝臓がん、脳腫瘍、神経内分泌がん、肺がん、腎臓がん、血液悪性腫瘍、メラノーマ並びに肉腫からなる群より選択される。別の実施態様では、がんは、血液悪性腫瘍、前立腺がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、結腸直腸がん、メラノーマ及び肺がんからなる群より選択される。また別の実施態様では、がんは、急性骨髄性白血病(AML)、又は骨髄異型性症候群(MDS)、又は骨髄増殖性疾患(MPN)である。
また別の態様では、本発明は、上記に定義された式の化合物又は薬学的に許容されるその誘導体に対する応答を予測するための、試料中のレベルの測定に必要な試薬を含むキットに関する。更に好ましくは、キットは、試料中の応答のレベルの比較対象となる一又は複数の標準値を含む、コンパレーターモジュールも含む。キットは、捕獲性の試薬を含んでもよい。
更に好ましくは、キットは、MDM2阻害剤、好ましくは、具体的に米国特許第8354444B2号、又は国際公開第2007/063013号、国際公開第2010/031713号、国際公開第2011/098398号及び国際公開第2013/135648号に開示されているMDM2−阻害剤;又は式IIa又はIIIによる化合物;又は本明細書に開示される特定のMDM2−阻害剤を含む。
本発明は、MDM2アンタゴニスト療法に最も応答性が高いと思われる患者を同定するインビトロ及び臨床データに基づいて、遺伝子発現シグネチャー(mRNA)パネルを同定する。mRNAシグネチャーは、少なくとも三つの遺伝子、具体的には、MDM2、XPC(色素性乾皮症、相補群C)、BBC3(BCL2結合成分3)の上方制御と、CDKN2A(サイクリン依存性キナーゼ阻害剤2A)の下方制御とを特徴とする。
本発明は、MDM2アンタゴニストに対する応答を同定するための4遺伝子発現シグネチャー(mRNA)を同定する。
本発明は、MDM2アンタゴニストによる患者のがんの治療をモニタリングするための4遺伝子発現シグネチャー(mRNA)も同定する。
MDM2、BBC3、CDKN2A、及びXPCのベースライン発現量は、治療法に抵抗性の患者由来の臨床検体と細胞株を区別する複合スコアを生成し、治療法に感受性(応答性)のものを同定する。
したがって、本発明は、MDM2アンタゴニスト療法に対する感受性を同定するための方法に関する。更に、本発明は、遺伝子シグネチャー(mRNA)パネル、具体的にはMDM2を、更に具体的には4遺伝子発現系含むパネルにより予め患者の感受性をテストすることによって、MDM2アンタゴニストを用いてがん患者を治療するための方法に関する。
本発明は更に、がん、特にAMLに対するMDM2アンタゴニスト療法の有効性を決定するうえでmRNA値を利用する予測シグネチャーを提供する。
本発明は、MDM2アンタゴニストを用いて患者を治療しようとするときの、患者の、疾患、特にがん、具体的には急性骨髄性白血病(AML)に対する患者の応答を決定するための予測メカニズムとしての、少なくともMDM2遺伝子を含む遺伝子パネルの使用に関する。
具体的には、本発明は、MDM2アンタゴニストを用いて患者を治療しようとするときの、疾患、特にAMLに対する患者の応答を決定するための、四遺伝子パネルの使用に関する。
発明を構成する作業の順序を示す概要である。 インビトロでのMDM2アンタゴニスト応答mRNAシグネチャーである。上:最も感受性の高い(IC50<=1)及び抵抗性の高い(IC50>=10)細胞株のMDM2アンタゴニスト応答に関連付けられた、四つの遺伝子mRNAのヒートマップ(オリジナルにおいて、カラー版のグリーンは低発現に、赤は高発現に対応している)。最も感受性の高い細胞株について、MDM2、XPC及びBBC3は高発現を、CDKN2Aは低発現を、それぞれ示す。各細胞株について、TP53変異の特徴はヒートマップの上部にある(白=野生型)。天然のlog IC50値は下部に示されている。下:最も感受性の高い(IC50<=1)及び抵抗性の高い(IC50>=10)細胞株の4遺伝子mRNAシグネチャーの箱ひげ図。 AML治験におけるMDM2アンタゴニスト応答mRNAシグネチャーである。上:評価された28名の患者のMDM2アンタゴニスト応答に関連付けられた、四つの遺伝子mRNAのヒートマップ(オリジナルのカラー版における赤は高発現に対応している)。各患者について、TP53変異の特徴はヒートマップの上部にある(白=野生型)。臨床効果グループは下部に示されている。下:評価された28の患者の4遺伝子mRNAシグネチャーのスコアの箱ひげ図。 AML治験における三つのバイオマーカー/ビオシグネチャーの受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)。四遺伝子mRNAシグネチャーのスコアはAUC0.82を示し、MDM2 mRNAの単一のバイオマーカーはAUC0.5を示し;P53変異状態バイオマーカーはAUC0.52を示した。 AML治験における三つのバイオマーカー/ビオシグネチャーの受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)。四遺伝子mRNAシグネチャーのスコアはAUC0.82を示し、MDM2 mRNAの単一のバイオマーカーはAUC0.5を示し;P53変異状態バイオマーカーはAUC0.52を示した。
一実施態様では、本発明による方法に使用されるMDM2−阻害剤は、いずれかのMDM2−阻害剤、好ましくは、具体的に米国特許第8354444B2号、又は国際公開第2007/063013号、国際公開第2010/031713号、国際公開第2011/098398号及び国際公開第2013/135648号に開示されているMDM2−阻害剤である。
一実施態様では、本発明による方法に使用されるMDM2−阻害剤は、式I


[式中、
Xは、H、F、Cl、Br、I、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、ビニル及びメトキシからなる群より選択され、
Yは、H、F、Cl、Br、I、CN、OH、ニトロ、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ、低級アルケニル、シクロアルケニル、低級アルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、COOR’、OCOR’、CONR’R”、NR’COR”、NR”SOR’、SONR’R”及びNR’R”からなる群より独立して選択される一つ〜四つの基であり、ここで
R’及びR”は、H、低級アルキル、置換低級アルキル、低級シクロアルキル、置換低級シクロアルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、低級シクロアルケニル、置換低級シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、又は置換複素環から独立して選択され、
とRが独立して結合し、置換若しくは無置換シクロアルキル、置換若しくは無置換シクロアルケニル、置換若しくは無置換ヘテロアリール又は置換若しくは無置換複素環から選択される環状構造を形成する場合、
及びRの一方は、低級アルキル、
置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群より選択され、他方は水素又は低級アルキルであり、
は又は低級アルキルであり、
及びRの一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群より選択され、他方は水素であり、
及びRは、(CH−R’、(CH−NR’R”、(CH−NR’COR”、(CH−NR’SOR”、(CH−COOH、(CH−COOR’、(CH−CONR’R”、(CH−OR’、(CH−SR’、(CH−SOR’、(CH−SOR’、(CH−COR’、(CH−SOH、(CH−SONR’R”、(CH−SONR’R”、(CHCHO)−(CH−R’、(CHCHO)−(CH−OH、(CHCHO)−(CH−OR’、(CHCHO)−(CH−NR’R”、(CHCHO)−(CH−NR’COR”、(CHCHO)−(CH−NR’SOR”、(CHCHO)−(CH−COOH、(CHCHO)−(CH−COOR’、(CHCHO)−(CH−CONR’R”、(CHCHO)−(CH−SOR’、(CHCHO)−(CH−COR’、(CHCHO)−(CH−SONR’R”、(CHCHO)−(CH−SONR’R”、(CH−(CHCHO)−(CH−R’、(CH−(CHCHO)−(CH−OH、(CH−(CHCHO)−(CH−OR’、(CH−(CHCHO)−(CH−NR’R”、(CH−(CHCHO)−(CH−NR’COR”、(CH−(CHCHO)−(CH−NR’SOR”、(CH−(CHCHO)−(CH−COOH、(CH−(CHCHO)−(CH−COOR’、(CH−(CHCHO)−(CH−CONR’R”、(CH−(CHCHO)−(CH−SOR’、(CH−(CHCHO)−(CH−COR’、(CH−(CHCHO)−(CH−SONR’R”、(CH−(CHCHO)−(CH−SONR’R”、−COR’、−SOR’及びSOR’からなる群より選択され、ここでR’及びR’’は上記の通りであり、
m、n及びpは、独立して0から6である]
の化合物、並びに
その薬学的に許容される塩及びエステルである。
この実施態様においては、好ましい式Iの化合物は、式IIに示す立体化学構造を有しうる。
II
一実施態様では、本発明による方法に使用されるMDM2−阻害剤は、式IIa

(IIa)、
[式中、
は、−(CH−R’であり、
R’は、シクロヘキシルであるか、又は
1又は2の炭素原子がN、S又はOによって置換されてよく、且つ前述のシクロヘキシル又は芳香族炭化水素が、低級アルキル、低級−アルケニル、低級−アルキニル、ジオキソ−低級−アルキレン(例えば、ベンゾジオキシル基を形成する)、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF、NH、N(H、低級−アルキル)、N(低級−アルキル)、アミノカルボニル、カルボキシ、NO、低級−アルコキシ、チオ−低級−アルコキシ、低級−アルキルスルホニル、アミノスルホニル、低級−アルキルカルボニル、低級−アルキルカルボニルオキシ、低級−アルコキシカルボニル、低級−アルキル−カルボニル−NH、フルオロ−低級−アルキル、フルオロ−低級−アルコキシ、低級−アルコキシ−カルボニル−低級−アルコキシ、カルボキシ−低級−アルコキシ、カルバモイル−低級−アルコキシ、ヒドロキシ−低級−アルコキシ、NH−低級−アルコキシ、N(H、低級−アルキル)−低級−アルコキシ、N(低級−アルキル)−低級−アルコキシ、低級−アルキル−1−オキシラニル−低級−アルコキシ−低級−アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル,(1,1−ジオキソ)−2−イソチアゾリジン、3−低級−アルキル スルフィニル、置換又は無置換複素環式環、置換又は無置換アリール環、置換又は無置換ヘテロアリール環、トリフルオロ−低級−アルキルスルホニルアミノ−アリール、低級−アルキル スルホニルアミノカルボニル、低級−アルキル スルホニルアミノカルボニル−アリール、ヒドロキシカルバモイル−フェニル、ベンジルオキシ−低級−アルコキシ、モノ−又はジ−低級アルキル置換アミノ−スルホニル及びハロゲン、ヒドロキシ、NH、N(H、低級アルキル)又はN(低級アルキル)で置換されてもよい低級−アルキルから独立に選択される基により一度又は二度置換可能である、5〜10員の単環式又は二環式芳香族炭化水素であり;
nは、0又は1である]
の化合物である。
この実施態様においては、
が−(CH−R’であり、
R’が、それぞれ無置換であるか、又はハロゲン、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、ヒドロキシカルボニル、カルボキシ、カルボキシ C1−6アルコキシ、オキソ及びCNから独立して選択される置換基により一度又は二度置換可能であ、フェニル、ピリジニル、ピラジニル又はピリミジニルであり;
nが0である、
式IIaの化合物が好ましい。
別の実施態様では、本発明による方法に使用されるMDM2−阻害剤は、式III
(III)、
[式中、
Xは、H、F、Cl、Br、I、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、ビニル及びメトキシからなる群より選択され、
Yは、H、F、Cl、Br、I、CN、OH、ニトロ、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ、低級アルケニル、シクロアルケニル、低級アルキニルからなる群より独立して選択される一つ〜四つの基であり、
Zは低級アルコキシであり、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、及び置換シクロアルケニルからなる群より選択され、


[上式中、WはF、Cl又はBrであり、
VはH又はFである]
から選択される置換フェニルであり:
は、水素、低級アルキル又は置換低級アルキルから選択され、
は:

からなる群より選択され、
は、低級アルキル、置換低級アルキル、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、天然及び非天然アミノ酸、−(OCHCH−OH、−(OCHCH−OCH、−(NCHCH−OH、−(NCHCH−OCH及び−(OCHCH−OP(O)(ORからなる群より選択され、ここで
nは3から60、好ましくは3から45であり、
は水素又はベンジルである、
化合物;又は
その薬学的に許容される塩又はエステルである。
この実施態様においては、
XがH、F又はClから選択され、
YがH、F又はClから選択され、
が低級アルキル又は置換低級アルキルであり、
が水素又は低級アルキルであり、
が、低級アルキル、置換低級アルキル、天然及び非天然アミノ酸、−(OCHCH−OH、−(OCHCH−OCH、−(NCHCH−OH、−(NCHCH−OCH、−(OCHCH−OP(O)(ORからなる群より選択され、ここで
nは3から60、好ましくは3から45であり、
が水素である式IIIの化合物;
又はその薬学的に許容される塩が好ましい。
更に、この実施態様においては、
XがH、F又はClから選択され;
YがH、F又はClから選択され;
ZがC1−6アルコキシであり;
がC1−6アルキルであり;


[上式中、
WはF、Cl又はBrであり;
VはH又はFである]
であり、
が水素又はC1−6アルキルであり;
が-C(O)−Rであり;ここで
は、−(OCHCH−OH;−(OCHCH−OCH;及び−(OCHCH−OP(O)(OR(nは3から60であり、Rは水素である)からなる群より選択される、
式IIIの化合物;又は
その薬学的に許容される塩が好ましい。
更に具体的には、nは3から55、更に好ましくはnは3から45である。この実施態様においては、Rが−(OCHCH−OCHであり、nが40から60である化合物が特に好ましい。
本明細書では、必要な場合には、種々の基は、低級アルキル、低級−アルケニル、低級−アルキニル、ジオキソ−低級−アルキレン(例えば、ベンゾジオキシル基を形成する)、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF、NH、N(H、低級−アルキル)、N(低級−アルキル)、アミノカルボニル、カルボキシ、NO、低級−アルコキシ、チオ−低級−アルコキシ、低級−アルキルスルホニル、アミノスルホニル、低級−アルキルカルボニル、低級−アルキルカルボニルオキシ、低級−アルコキシカルボニル、低級−アルキル−カルボニル−NH、フルオロ−低級−アルキル、フルオロ−低級−アルコキシ、低級−アルコキシ−カルボニル−低級−アルコキシ、カルボキシ−低級−アルコキシ、カルバモイル−低級−アルコキシ、ヒドロキシ−低級−アルコキシ、NH−低級−アルコキシ、N(H、低級−アルキル)−低級−アルコキシ、N(低級−アルキル)−低級−アルコキシ、低級−アルキル−1−オキシラニル−低級−アルコキシ−低級−アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル,(1,1−ジオキソ)−2−イソチアゾリジン、3−低級−アルキル スルフィニル、置換又は無置換複素環式環、置換又は無置換アリール環、置換又は無置換ヘテロアリール環、トリフルオロ−低級−アルキルスルホニルアミノ−アリール、低級−アルキル スルホニルアミノカルボニル、低級−アルキル スルホニルアミノカルボニル−アリール、ヒドロキシカルバモイル−フェニル、ベンジルオキシ−低級−アルコキシ、モノ−又はジ−低級アルキル置換アミノ−スルホニル、並びにハロゲン、ヒドロキシ、NH、N(H、低級アルキル)又はN(低級アルキル)で置換可能な低級アルキルからなる群より独立に選択される、1〜5の又は、好ましくは1〜3の、置換基で置換される。シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール及び複素環式管に好ましい置換基は、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキル、ヒドロキシカルボニル、カルボキシ、カルボキシ 低級アルコキシ、オキソ及びCNである。アルキルに好ましい置換基は、アルコキシ及びN(低級アルキル)である。
用語「アルキル」は、1から約7の炭素原子を有する基を含み、1から約20の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素基を指す。特定の実施態様においては、アルキル置換基は低級アルキル置換基であってもよい。用語「低級アルキル」は、1から6の炭素原子を有するアルキル基を指し、特定の実施態様においては1から4の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルキル基の例には、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、及びs−ペンチルが含まれる。
本明細書で使用される「シクロアルキル」は、炭素原子のみからなり、いずれの環も飽和されている任意の安定な単環系又は多環系を指すことを意図しており、用語「シクロアルケニル」は、炭素原子のみからなり、その少なくとも一つの環が部分的に不飽和である任意の安定な単環系又は多環系を指すことを意図している。シクロアルキルの例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[2.2.2]ビシクロオクタン又は[3.3.0]ビシクロオクタンなどのビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナンなどのビシクロノナン、及び[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)などのビシクロデカンを含むビシクロアルキル、又はスピロ化合物が含まれる。シクロアルケニルの例には、限定されないが、シクロペンテニル又はシクロヘキセニルが含まれる。
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、一つの二重結合を含み、2から6の、好ましくは2から4の炭素原子を有する、直鎖又は分岐鎖不飽和脂肪族炭化水素基を意味する。このような「アルケニル基」の例として、ビニルエチニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル及び5−ヘキセニルが挙げられる。
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、一つの三重結合を含み、2から6の、好ましくは2から4の炭素原子を有する、直鎖又は分岐鎖不飽和脂肪族炭化水素基を意味する。このような「アルキニル基」の例として、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル及び5−ヘキシニルが挙げられる。
定義において使用される用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素及び塩素を意味する。
「アリール」は、一価の単環又は二環式芳香族炭素環式炭化水素基、好ましくは6から10員の芳香環系を意味する。好ましいアリール基には、限定されないが、フェニル、ナフチル、トリル、及びキシリルが含まれる。アリール基が二環式である場合、好ましい基は1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル基である。
「ヘテロアリール」は、2つ以下の環を含有する芳香族複素環系を意味する。好ましいヘテロアリール基には、限定されないが、チエニル、フリル、インドリル、ピロリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアキソリル(thiaxolyl)、キノリニル、ピリミジニル、イミダゾール、置換又は無置換のトリアゾリル、及び置換又は無置換のテトラゾリルが含まれる。
二環式のアリール又はヘテロアリールの場合、一つの環がアリールであり他方の環がヘテロアリールであり、且つ両方の環が置換又は無置換でありうる。
「ヘテロ環」又は「複素環」は、1から3の炭素原子が窒素、酸素又は硫黄原子から選択されるヘテロ原子により置き換えられている、置換又は無置換の5から8員の単環又は二環式の非芳香族炭化水素を意味する。例には、ピロリジン−2−イル;ピロリジン−3−イル;ピペリジニル;モルホリン−4−イルなどが含まれ、これらは順に置換することができる。「ヘテロ原子」は、N、O及びSから選択される原子を意味する。
「アルコキシ、アルコキシル又は低級アルコキシ」は、酸素原子に結合した上記低級アルキル基のいずれかを指す。典型的な低級アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ又はプロポキシ、ブチルオキシなどが含まれる。アルコキシの意味に更に含まれるものとしては、複数のアルコキシ側鎖、例えばエトキシエトキシ、メトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシなど、及び置換アルコキシ側鎖、例えばジメチルアミノエトキシ、ジエチルアミノエトキシ、ジメトキシ−ホスホリルメトキシなどがある。
本明細書において使用される用語「mPEG」はメトキシポリエチレングリコールを意味し、これは市販されている(例えば、Sigma−Aldrich又はID Biochem(Korea))。mPEGの分子量の分布は、製造者及び/又はバッチによって変動しうる。本発明の一実施態様では、mPEGは、約1500Daから約3000Daの平均分子量(MW)を有する。本発明の別の実施態様では、mPEGは、約2000Daから約2200Daの平均MWを有する。平均MWは、MALDI−TOF質量分析によって決定される。
薬学的に許容される塩及びエステル、担体、賦形剤などの「薬学的に許容される誘導体」は、特定の化合物が投与される対象にとって薬理学的に受容可能であり、実質的に非毒性であることを意味する。
「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的有効性と特性を保持しており、且つ好適な非毒性有機酸若しくは無機酸、又は有機塩基若しくは無機塩基から形成される、一般的な酸付加塩或いは塩基付加塩を指す。酸付加塩の例には、無機酸、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸及び硝酸から誘導されるもの、並びに、有機酸、例えばp?トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸などから誘導されるものが含まれる。塩基付加塩の例には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム及び第4級アンモニウム水酸化物、例えばテトラメチルアンモニウム水酸化物から誘導されるものが含まれる。薬学的化合物(即ち、薬物)の塩への化学的修飾は、化合物の物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性の向上を得るための、薬剤師にとって周知の技法である。例えば、Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (6th Ed. 1995) at pp. 196 and 1456- 1457参照。
一実施態様では、本発明による方法に使用されるMDM2−阻害剤は、式

の4−{[(2R,3S,4R,5S)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸である。
この化合物及びその作製方法は、例えば国際公開第2011/098398号に開示されている。
本発明による別の特定の化合物は、2−((1−(4−((2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−シアノ−5−ネオペンチルピロリジン−2−カルボキシアミド)−3−メトキシベンゾイルオキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)酢酸である。
本発明による別の特定の化合物は、2−(((4−((2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−シアノ−5−ネオペンチルピロリジン−2−カルボキシアミド)−3−メトキシベンゾイルオキシ)メトキシ)−カルボニルアミノ)酢酸である。
本発明による更なる化合物は、3−オキソ−2,4,7,10,13,16,19−ヘプタオキサイコシル 4−((2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−シアノ−5−ネオペンチルピロリジン−2−カルボキシアミド)−3−メトキシベンゾアートである。
本発明による特定の化合物は、4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2000)である。
本発明による特定の化合物は、4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2200)である。
本発明による特定の化合物は、4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−メチルエステル(mPEG、平均MW、〜2000)である。
本発明による特定の化合物は、3−オキソ−2,4,7,10,13−ペンタオキサテトラデシル 4−((2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−シアノ−5−ネオペンチルピロリジン−2−カルボキシアミド)−3−メトキシベンゾアートである。
本発明による特定の化合物は、27−オキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,28−デカオキサトリアコンタン−29−イル 4−((2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−シアノ−5−ネオペンチルピロリジン−2−カルボキシアミド)−3−メトキシベンゾアートである。
本発明による特定の化合物は、4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−[(2R,3R,4R,5S)−2−((R)−1,2−ジヒドロキシ−エチル)−4,5−ジヒドロキシ−テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−エチル エステルである。
本発明による別の特定の化合物は、4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−(2−{2−[2−(2−ジベンジルオキシホスホリルオキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシカルボニルオキシ)−エチル エステルである。
また、本発明による特定の化合物は、4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−(2−{2−[2−(2−ホスホノオキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシカルボニルオキシ)−エチル エステルである。
また、本発明による特定の化合物は、4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2000)である。

平均MW:〜2695
この化合物とその作製方法は、例えば国際公開第2013/135648号に開示されている。
また、本発明による特定の化合物は、
4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2200)である。

平均MW:〜2900
この化合物とその作製方法は、例えば国際公開第2013/135648号に開示されている。
また、本発明による特定の化合物は、化合物A(RG7112)とも呼ばれる、式(A)の化合物である。

(A)
この化合物とその作製方法は、例えば国際公開第2007/063013号に開示されている。
がん細胞株コレクションにおけるMDM2アンタゴニスト療法予測シグネチャーの確立
MDM2アンタゴニスト療法予測シグネチャーを生成するために、遺伝子発現プロファイリングを用いたインビトロでのMDM2アンタゴニスト療法の応答(図1)を組み合わせる。多岐にわたるヒトのがんの腫瘍種類の広範なアレイである、集合的に腫瘍学の細胞株(CELLO)と呼ばれる281のヒトがん細胞株のバンクを、複数のハイスループットゲノム技術プラットフォームを用いて評価する。各細胞株由来の核酸の変異状態を、エキソームシーケンシングにより決定する。ベースラインでのメッセンジャーRNA(mRNA)発現量を、MDM2アンタゴニスト療法に先立って、RNAシーケンシングにより取得する。本明細書で時にRG7112と称するMDM2アンタゴニスト療法の化合物Aの応答を、当業者に既知のアッセイ、例えばRNAシーケンシング及びGene Chip Human Genome U133 Plus2.0アレイを用いたマイクロアレイ測定により取得する。MDM2療法の応答は、ハイスループットスクリーニングアッセイにより取得される。化合物Aに対する応答に応じて、これら細胞株は、IC50<=1と定義される感受性と、IC50>=10と定義される抵抗性に分類される。

化合物A(RG7112)
281の細胞株のうち、210の細胞株は、低質のコール及び生殖系列の変異を除去する注意深い注釈付けの後、TP53に変異を示す。変異TP53を有する細胞株は、MDM2アンタゴニスト療法に対する感受性が極めて低く(P<2.2x10−16)、これは過去文献によるデータと一貫している。しかしながら、化合物Aの予測バイオマーカー候補としてTP53変異状態を使用することには二つの困難性が観察される。理論により限定されることを望むものではないが、最初の複数のTP53変異細胞株は、恐らくは、22Rv1、DU145、KMS−12−BM、KMS−26、LCLC−103H、LN−18、MKN−45、NCI−H2122、NCI−H226、PC−9、SW1463といった非機能性TP53変異を有するために、化合物Aに対する感受性応答を示す。
アッセイの他のいくつかの方法は、限定しないが、a)免疫組織化学(IHC)分析、b)ウェスタンブロット法、c)免疫沈降、d)酵素結合免疫吸着法(ELISA)e)ラジオイムノアッセイ、f)蛍光励起セルソーター(FACS)、g)マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析(MALDI、例えばMALDI−TOF)及びエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−−MS)を含む、質量分析を含む。
MDM2アンタゴニストに応答する可能性を評価するための一つの手法は、TP53遺伝子が変異するかどうかを評価することである。しかしながら、これは、がんにおいて複数の変異がTP53に見られるという事実により複雑になっている。これら変異のすべてがp53タンパク質の活性に干渉するわけではないことが、更にTP53変異テストの解釈を複雑にしている。加えて、野生型TP53細胞株及び患者のMDM2アンタゴニストに対する応答には幅がある。したがって、容易に解釈できる診断ツールに基づいてMDM2アンタゴニストに対する応答性を予測可能にすることは、MDM2アンタゴニストの臨床開発において、未だ満たされていない需要である。このために、p53経路の活性を反映する遺伝子発現シグネチャーの開発は、MDM2アンタゴニスト療法に最も応答性の高い患者を選択する手段を提供する。
この目的のために、ベースラインmRNA発現とMDM2アンタゴニスト療法への応答(IC50)とのゲノム全体の関連付けを行い、2.38x10−47から9.56x10−23にわたるPとの有意な関連を有する13の遺伝子のリストが同定される。
機能注釈は、ゲノム全体の関連付けに基づく13の重要な遺伝子が、−0.47から−0.31(一つの正の相関0.28を含む)にわたる相関係数を有して、細胞周期の停止及びアポトーシスを含め、関連MDM2−p53相互作用又は下流のP53経路における既知の制御因子であることを示す(表2参照)。その中でも、MDM2は、インビトロでの感受性と相関するMDM2の過剰発現を有するナンバー4のトップ遺伝子であり、過去文献と一貫している。
したがって、一実施態様では、本発明は、がん患者の治療法に対する応答性を予測する方法を提供し、前記方法は、少なくとも一つの表2による遺伝子のレベルを検出すること、及びそのレベルを、MDM2−p53相互作用の阻害剤(MDM2−阻害剤)である化合物に対する前記患者の応答を予測するためのバイオマーカーとして使用することを含む。この実施態様においては、本発明は、前記患者の、MDM2−阻害剤を用いた治療に対する応答を予測するための方法にも関し、前記方法は、表2による13の遺伝子のうちの、2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8、又は9、又は10、又は11、又は12の合計レベルの検出、又は13すべての検出を含む。更に、この実施態様においては、表2による前記遺伝子、又は遺伝子の組合せの検出を使用して、前記治療を継続すべきか否かを決定するために、前記MDM2−阻害剤を用いた治療の間の前記患者の応答をモニタリングすることができる。更にこの実施態様において、前記方法は以下の工程を含む:
a)患者から試料を採取する工程;
b)試料中の、表2による少なくとも一つの遺伝子のレベルを測定する工程;
c)患者由来の前記レベルを、標準値、例えば同じがんを有する患者から取得された値と比較する工程;及び
d)MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を投与する工程
を含む。
a)の試料は、本方法が、患者の治療に対する応答の予測方法として適用される場合は治療開始前に取得され、本方法が治療のモニタリングのために適用される場合は治療中に取得される。
本発明による「レベルを検出する(又は測定する)」という表現は、好ましくは、mRNA発現量を検出すること(又は測定すること)を意味する。
別の実施態様では、本発明は、本明細書に定義されるMDM2−阻害剤を用いた治療に対するがん患者の応答を決定するためのバイオマーカーとして使用するための、表2による少なくとも一つの遺伝子、又はその組合せを提供する。用語「がん」は、本明細書に定義されている通りであり、好ましくはAMLである(4頁参照)。
mRNAシグネチャーを更に構築するために、上方モデル選択手順により、13の遺伝子間に、多変異ロジスティック回帰分類指標を構築する。mRNAシグネチャーは、MDM2、XPC(色素性乾皮症、相補群C)、BBC3(BCL2結合成分3)を含む三つの遺伝子の上方制御と、腫瘍抑制遺伝子CDKN2Aサイクリン依存性キナーゼ阻害剤2aの下方制御からなる。
最終シグネチャーは、10分割交差検証から推定される、0.93(95% CI 0.92〜0.95、表3)の受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)により、MDM2アンタゴニスト抵抗性細胞株からMDM2アンタゴニスト感受性細胞株を区別することができる。したがって、MDM2アンタゴニスト感受性細胞株は、MDM2、XPC、及びBBC3のベースラインの上方制御と、CDKN2Aの下方制御とを示し;一方MDM2アンタゴニスト抵抗性細胞株は、MDM2、XPC、BBC3の下方制御と、CDKN2Aの上方制御とを特徴とする。(図2参照)。
標的遺伝子MDM2に加えて、シグネチャーの他の三つの遺伝子はすべて、MDM2−p53相互作用又は顆粒のp53経路の制御因子として生物学的にサポートされる。XPC遺伝子は、損傷DNAの修復に関与する重要な役割を果たし、損傷認識、オープンな複合体形成、及び修復タンパク質複合体形成に貢献する。BBC3のmRNAレベルは、DNA−損傷剤への曝露及びDNA損傷誘導アポトーシスを媒介するp53により誘導される。CDKN2Aの二つの遺伝子産物であるp16及びp14ARFは共に主要な腫瘍抑制因子経路に結合しており、特に核小体中においてMDM2機能を隔離することによりそれを阻害するp14ARFがそうである。mRNAシグネチャーの基礎となる分子メカニズムを調べるために、mRNAシグネチャースコアを、P53の変異状態と、MDM2−p53相互作用及び下流のP53経路に関与する重要な制御遺伝子と相関させる。
図2に示すように、低シグネチャースコアの細胞株は、恐らくはp53変異しており;一方高シグネチャースコアを有する細胞株は恐らくはp53野生型(P<2.2×10−16)である。表4の各細胞株のp53変異状態を参照されたい。更に、野生型TP53を有するがシグネチャースコアの低い抵抗性細胞株の大部分は、MDM2−p53相互作用及び下流のP53経路に関与する重要な制御遺伝子に変異を担持する。これは、シグネチャースコアが、MDM2−P53経路機能の代理的なmRNAレベル指標として働くことができることを示すものである。
試験される腫瘍種類全体のmRNAシグネチャースコアの特異的予測力を調べるため、及びシグネチャースコアに基づく予測が腫瘍系統により交絡していないことを確認するため、CELLOの入手可能な各腫瘍種類内のシグネチャースコアを調べた。
様々な技術プラットフォーム下で測定されたシグネチャー頑健性にアクセスするために、シグネチャーmRNA発現及びRNA−seq定質化とマイクロアレイ定量化との複合スコアを調べる。
MDM2アンタゴニスト予測mRNA応答シグネチャーの性能を、NO21279白血病治験(図1)由来の検体を用いる臨床セッティングで試験する。MTDにおいて治療された28のAML患者が登録されて、前治療及びC1D10(サイクル1、10日)サンプリングを完了した。患者は、年齢中央値が59歳である、男性18名と女性10名から構成されている(表6)。NO21279の臨床エンドポイントは次の4つのカテゴリー:完全寛解(CR)、形態学的に白血病のない状態(MLFS)、血液学的改善(HI)、及び進行性疾患(PD)に分けられた。ベースラインスクリーニング、単回投与(サイクル1、2日目、C1D2)後、及び投与の最終日(サイクル1、10日目、C1D10)において、血液白血病試料及び骨髄生検試料を収集し、MACS(登録商標)分離により単離した11。血液白血病試料中のMDM2拮抗作用の早期薬力学的効果を、ベースラインとC1D10の間の.MDM2 RT PCRの変化を測定することにより評価した。ベースライン、C1D2及びC1D10において取得された末梢血白血病細胞及び骨髄生検試料について、包括的な遺伝子発現プロファイルを生成した。
バイオマーカーパネル測定値手順が以前に報告されている11。TP53変異の分析は、PCRベース及びマイクロアレイベースのAmpliChip TP53テスト(開発中、Roche Molecular Systems、Pleasanton、CA、USA)を用いて、Caris Life Sciences(Irving、TX、USA)により行った。このテストは、エクソン2〜11及びそれらのスプライス部位における単一のヌクレオチド置換又は欠失を報告する11、14。MDM2 mRNAの濃度を、Roche Molecular Systemsにおいて、血液からMAC単離された白血病細胞由来の合計50ngのRNAを用いた定量的リアルタイムPCRにより評価した。TaqMan(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA)プローブは、二つの異なる蛍光性レポーターを同時に使用して、MDM2 mRNA、参照mRNA、ベータ−グルクロニダーゼを検出するように設計された。遺伝子発現プロファイルは、Affymetrix U133 Plus2.0マイクロアレイを用いて生成された。
腫瘍標本の評価に基づくと、28名の患者のうち23名が野生型TP53を、5名の患者がTP53変異を有している(表6)。1日目には、試験した28名の患者の、RG7112の24時間の曲線下面積の平均値(AUC0-24h)は、190,315ng*h/mL(IQR:119,032-242,857ng*h/mL)である。28名の患者の臨床応答は、3のCR、4のMLFS、6のHI及び15のPDを含む。C1D10由来の試料中におけるMDM2 mRNA発現の中央値は、ベースラインの2.46倍に増大し(IQR:1.62-4.59)、これはMDM2転写のp53活性化に起因する薬力学的バイオマーカー応答を実証している。薬物への曝露は、患者の臨床応答と有意な相関を有している(p=0.002)。15名のPD患者のうちの8名が、不十分に曝露されて、150,000ng*h/mL未満のAUC0-24hと定義されるのに対し、他の三つのカテゴリーでは1名の患者だけが不十分に曝露されている。
同定された4遺伝子シグネチャースコアを、28名のAML患者の各々について、ベースラインにおけるMDM2、BBC3、XPCの和からCDKN2A発現量を差し引くことによって計算する。シグネチャースコアと患者のMDM2アンタゴニスト療法に対する臨床応答との間には有意な相関が存在する(PD<Hl<MLFS<CR)(スピアマン相関係数0.58、P=6.6×10−4)。シグネチャースコアは、ベースラインからC1D10までのMDM2 mRNAの変化により測定された、患者の薬力学的バイオマーカー応答とも有意に相関する(スピアマン相関係数0.41、P=0.02)。シグネチャースコアと患者の臨床応答との相関は、150,000ng*h/mLより高いAUC0−24hを有する患者と定義される、十分に高度に曝露した15名の患者のサブセットの場合に更に増強される(スピアマン相関係数0.64、P=5.2x10−3)。
この4遺伝子のシグネチャーパネルは、以下の方式で、MDM2阻害剤による治療に続いて応答カテゴリーにAML患者を区別することができる:0.82のROC曲線のAUCによりPD/Hl患者からCR/MLFS患者を、0.83のAUCによりPD患者からCR/MLFS/Hlを区別する。対照的に、単一のバイオマーカーとしてのMDM2 mRNA発現は、0.51のAUCによりPD/HI患者からCR/MLFS患者を、0.61のAUCによりPD患者からCR/MLFS/Hl患者を区別することしかできなかった。シグネチャースコア15というカットオフポイントを用いて、患者は、MDM2アンタゴニスト療法に先立つベースラインにおいて、それぞれ100%感受性及び71%特異性で、応答すると思われる群と応答しないと思われる群に分類さる。したがって、シグネチャーパネルは、最も応答する可能性が高いと思われるAML患者のサブセットを選択するため;及び応答する可能性が低いと思われるAML患者を曝露することを回避するための、MDM2アンタゴニスト療法に援用される予測バイオマーカーとして用いられる大きな可能性を有する。
したがって、一実施態様では、本発明は、MDM2阻害剤の投与を含む治療法に応答すると思われるがん患者を同定する方法を提供し、この方法は、
a)患者から試料を採取すること;
b)試料中のMDM2 mRNAの発現量を測定すること;
c)患者のMDM2 mRNA発現量を、同じがんを有する患者の標準値と比較すること;及び
d)MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を投与すること
を含む。
「標準値」は、例えば、本明細書に定義される患者のシグネチャースコアのカットオフ値(カットオフポイント又は基準レベル)である。
別の実施態様では、本発明は、MDM2阻害剤を含む治療法に応答すると思われるがん患者を同定するインビトロ法を提供し、この方法は、
a)治療に先立って患者から取得された試料中の、MDM2、XPC、BBC3及びCDKN2AのmRNA発現量を測定すること;
b)a)で取得された発現量を、患者のシグネチャースコアを計算するために数学的方程式に適用すること;
c)b)から得られた前記患者のシグネチャースコアを、基準レベルと比較すること;及び
d)患者のシグネチャースコアが前記基準レベルを上回るとき、前記患者を、前記MDM2阻害剤を含む治療法に対する応答性が高いと同定すること
を含む。
一実施態様では、基準レベルを上回る患者のシグネチャースコアは、MDM2阻害剤を用いた治療に対する患者の応答性が高いことを示し、一方、前記レベルを下回るシグネチャースコアは、このような治療に対する前記患者の応答性が低いことを示す。
一実施態様では、a)で取得される試料は、血液白血病試料、又は骨髄生検試料である。
別の実施態様では、b)での患者のシグネチャースコアは、ベースラインで(即ち、治療前に)測定された、log2変換されたmRNA発現量の和に、観察されたインビトロでの方向を乗じたものから計算され、これはシグネチャースコア=GMDM2+GXPC+GBBC3−GCDKN2Aと定義される。この実施態様において、ベースラインでのmRNA発現量は、好ましくはGeneChip Human Genome U133 Plus2.0アレイを用いることにより、マイクロアレイ測定により測定される。また、この実施態様においては、ベースラインでのmRNA発現量は、RNAシーケンシングによって測定されてもよい。
一実施態様では、GeneChip Human Genome U133 Plus2.0アレイ測定(「マイクロアレイ技術」又は「マイクロアレイ測定値」)を用いて計算された患者のシグネチャースコアの基準レベルは14.0又は14.5である。別の実施態様では、患者のシグネチャースコアの基準レベルは15である。好ましい実施態様では、患者のシグネチャースコアの基準レベルは15.4である(ヨーデン指標により選択)。
別の実施態様では、患者のシグネチャースコアは、RT PCR測定値によって得られるmRNA発現量に基づいて計算される。RT PCRを用いて計算される患者のシグネチャースコアは、マイクロアレイ技術に基づいて計算された値とは異なるかもしれない。しかしながら、本発明によるこの実施態様では、RT PCRに基づく患者のシグネチャースコアは、当業者に周知のように、これら方法間に確立された相関関係によりマイクロアレイ技術を使用するときに得られる値に変換することができる。
別の実施態様では、ベースラインでのmRNA発現量がRT−PCRによって測定されるとき、b)での患者のシグネチャースコアは、アルゴリズム1に基づいて、即ちベースラインで(即ち、治療前に)測定されてlog2変換された相対的発現量(デルタ−CP)の和に、観察されたインビトロでの方向を乗じたものに基づいて計算され、これは、シグネチャースコア=GMDM2+GXPC+GBBC3−GCDKN2A(式中、G=デルタ−CP、したがってデルタ−CPMDM2=CPハウスキーパー−CPMDM2、デルタ−CPXPC=CPハウスキーパー−CPXPC、デルタ−CPBBC3=CPハウスキーパー−CPBBC3、デルタ−CPCDKN2A=CPハウスキーパー−CPCDKN2A)と定義される。「ハウスキーパー」遺伝子はTMEMである。
同じ患者試料の組で測定した場合、RT−PCRに基づくシグネチャースコアの測定値(上記アルゴリズム1の下での)は、GeneChip Human Genome U133 Plus2.0アレイに基づくシグネチャースコアの測定値と、相関関数0.79で相関している。この実施態様において、RT−PCR測定値に基づく患者のシグネチャースコアの基準レベルは約2.0、又は2.10又は2.20である。またこの実施態様において、患者のシグネチャースコアの基準レベルは2.26である(ヨーデン指標により選択)。
また別の実施態様では、ベースラインでのmRNA発現量がRT−PCRによって測定されるとき、b)での患者のシグネチャースコアは、アルゴリズム2に基づいて、即ちベースラインで(即ち、治療前に)測定された相対的発現量(2デルタ−CP)の和に、観察されたインビトロでの方向を乗じたものに基づいて計算することもでき、これは、シグネチャースコア=GMDM2+GXPC+GBBC3−GCDKN2A(式中、G=2デルタ−CP、デルタ−CPはアルゴリズム1で定義された通り)と定義される。「ハウスキーパー」遺伝子はTMEMである。
同じ患者試料の組で測定した場合、RT−PCRに基づくシグネチャースコアの測定値(上記アルゴリズム2の下での)は、GeneChip Human Genome U133 Plus2.0アレイに基づくシグネチャースコアの測定値と、相関関数0.63で相関している。この実施態様において、RT−PCR測定値に基づく患者のシグネチャースコアの基準レベルは約4.10、又は4.20又は4.30である。またこの実施態様において、患者のシグネチャースコアの基準レベルは4.34である(ヨーデン指標により選択)。
一実施態様では、がんは血液学的腫瘍、好ましくはAML、又はMDS、又はMPNである。
別の実施態様では、がんは、例えば肺、前立腺、結腸、頭部、頸部、又は膵臓のがん又は肉腫又はメラノーマといった固形腫瘍である。
一実施態様では、MDM2−阻害剤は、具体的に米国特許第8354444B2号、又は国際公開第2007/063013号、国際公開第2010/031713号、国際公開第2011/098398号及び国際公開第2013/135648号に開示されている化合物;又は式I、II、IIa又はIIIによる化合物、又はそれらの、好ましくは式IIa又はIIIによる化合物の組合せである。
別の実施態様では、MDM2阻害剤は、本明細書に定義される化合物A(RG7112)である。
また別の実施態様では、MDM2阻害剤は、式

の、化合物4−{[(2R,3S,4R,5S)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸である。
また別の実施態様では、MDM2阻害剤は、式:

(平均MW:2695)の化合物4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2000)である。
また別の実施態様では、MDM2阻害剤は、化合物4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2200):

(平均MW:2900)である。
また別の実施様態では、MDM2阻害剤(アンタゴニスト)を用いた治療に対する患者の応答を予測するための、遺伝子発現(mRNA)シグネチャーの使用が提供される。この実施態様においては、「遺伝子発現シグネチャー」は、ベースラインで、即ちMDM2阻害剤(アンタゴニスト)を用いた治療に先立って測定したときの、MDM2、XPC、及びBBC3の発現増大と、CDKN2Aの低発現とから構成される、4遺伝子mRNAシグネチャーである。
シグネチャースコア測定値は、患者の薬力学的バイオマーカー応答(MDM2発現の変化)とも相関する。実施例5に示されるデータは、本発明による4mRNAシグネチャースコアが、MDM2阻害剤を含む癌治療の有効性をモニタリングするための薬力学的バイオマーカーでもあることを示している。したがって、別の実施態様では、上記に定義するような、がんに罹患した患者における、MDM2阻害剤を含む治療法の有効性をモニタリングするためのインビトロ法が提供され、この方法は、
a)治療に先立って患者から取得された試料中における、MDM2、XPC、BBC3及びCDKN2AのmRNA発現量を測定すること;
b)a)で取得された発現量を、治療前の患者のシグネチャースコアを計算するための数学的方程式に適用すること;
c)工程a)及びb)を、前記MDM2阻害剤を用いた治療の開始後に繰り返すこと;及び
d)治療の開始後に取得されたシグネチャースコアを、治療に先立って取得された同スコアと比較すること
を含み、治療後のシグネチャースコアの方が高い場合に治療に対する患者の応答が示され、従って治療の継続が推奨される。
この実施態様において、MDM2阻害剤は上記に定義した通りである。がんは固形腫瘍又はAMLである。a)で取得される試料は、血液白血病試料、又は骨髄生検試料である。また、この実施態様においては、治療中のシグネチャースコアは、好ましくは治療開始後、即ちMDM2阻害剤の初回投与後10日目に取得される。MDM2阻害剤の初回投与後10日目のシグネチャースコアの差異は、ベースラインで、即ち治療前に測定されたスコアの少なくとも1.20倍である。好ましい実施態様では、MDM2阻害剤の初回投与後10日目のシグネチャースコアが治療間に測定されたスコアの約1.23から約1.26倍であることが、患者が治療に応答すること、及び治療を継続すべきことを示す。
式I、II、IIIによる化合物、又はそれらの組合せ、又はその薬学的に許容される誘導体は、特に腫瘍性疾患(がん)を治療するために、ヒト又は動物体(対象)(患者)の予防的又は特に治療的処置のために使用することができる。このようながんの例には、限定されないが、上皮性腫瘍、扁平細胞腫瘍、基底細胞性腫瘍、移行細胞乳頭腫及び癌腫、腺癌(adenoma)及び腺癌(adenocarcinoma)、皮膚付属器腫瘍、粘膜表皮性腫瘍、嚢胞性腫瘍、粘液性及び漿液性腫瘍、腺管、小葉及び髄質性腫瘍、腺房細胞腫瘍、複合上皮性腫瘍、分化性腺腫瘍、傍神経節腫及びグロムス腫瘍、母斑及びメラノーマ、軟組織腫瘍及び肉腫、線維腫性腫瘍、粘液腫性腫瘍、脂肪腫性腫瘍、筋腫性腫瘍、複合混合性及び間質性腫瘍、線維上皮腫瘍、骨液様腫瘍、中皮腫瘍、胚細胞腫瘍、絨毛性腫瘍、中堅腫、血管腫瘍、リンパ管腫瘍、骨及び軟骨性腫瘍、巨細胞腫瘍、種々の骨腫瘍、歯原性腫瘍、神経膠腫、神経上皮性(neuroepitheliomatous)腫瘍、髄膜腫、神経鞘腫瘍、顆粒細胞腫瘍及び胞巣状軟部肉腫、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、他のリンパ網細腫瘍、形質細胞腫瘍、マスト細胞腫瘍、免疫増殖性疾患、白血病、種々の骨髄増殖性疾患、リンパ増殖性疾患及び骨髄異形成症候群が含まれる。
特に好ましくは、本発明による疾患は、腫瘍性疾患、がん、及び特にAMLである。
罹患した身体の器官及び部分の観点から、がんの例には、限定されないが、乳房、子宮頸部、卵巣、結腸、直腸、(結腸及び直腸、即ち結腸直腸がんを含む)、肺(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、大型細胞肺がん及び中皮腫を含む)、骨、内分泌系、副腎、胸腺、肝臓、胃、腸、(胃がんを含む)、膵臓、骨髄、血液悪性腫瘍(例えばリンパ腫、白血病、骨髄腫又はリンパ性悪性腫瘍)、膀胱、尿管、腎臓、皮膚、甲状腺、脳、頭部、頸部、前立腺及び精巣が含まれる。好ましくは、がんは、乳がん、前立腺 がん、子宮頚がん、卵巣がん、胃がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肝臓がん、脳のがん、神経内分泌がん、肺がん、腎臓がん、血液悪性腫瘍、メラノーマ及び肉腫からなる群より選択される。特に好ましくは、がんは、乳がん、子宮頚がん、卵巣がん、結腸直腸がん、メラノーマ及び肺がんからなる群より選択される。更には、特に好ましくは、がんは、肺がん、メラノーマ、卵巣がん及び結腸直腸がんからなる群より選択される。別の好ましい実施態様では、予測される抵抗性が後天性の抵抗性である場合、がんは肺がん又は卵巣がんである。また別の好ましい実施態様では、予測される抵抗性が先天性の抵抗性である場合、がんは、結腸直腸がん、肺がん又はメラノーマからなる群より選択される。
治療の方法
本発明は、まずは感受性に関する患者由来の試料の活性レベルが一又は一組の標準レベル又は治療前開始レベルに対して確立され、次いでMDM2−阻害剤が投与される、治療方法にも関与する。好ましくは、前記MDM2−阻害剤は、上記に定義されたように、一般式I、II、IIIの化合物、又はその薬学的に許容される誘導体であり、更に好ましくは、式IIa又はIIIの化合物、又はその薬学的に許容される誘導体である。前記化合物は、当業者には周知のように、薬学的組成物中において投与されうる。恒温動物、とくにヒトへの、鼻腔、頬側、直腸といった投与、又は特に経口投与のための、及び静脈内、筋肉内又は皮下投与といった非経口投与のための組成物が、特に好ましい。更には、特に静脈内投与のための組成物が好ましい。
一般式I、II又はIII、好ましくはIIa又はIIIの化合物、又はその薬学的に許容される誘導体を、単独で又は一又は複数の他の治療剤と組み合わせて投与することができる。可能な併用療法は、固定の組合せ、又は交互に又は互いに独立して与えられる、本発明の化合物と一又は複数の他の治療剤との投与、又は固定の組合せと一又は複数の治療剤との併用投与の形態をとることができる。
それに代えて又は加えて、一般式I、II又はIII、好ましくはIIa又はIIIの化合物、又はその薬学的に許容される誘導体を、特に腫瘍治療法のために、化学療法(細胞傷害性療法)、標的療法、内分泌療法、放射線療法、免疫療法、外科的処置、又はこれらの組合せと組合わせて投与することができる。上述のように、他の治療戦略という意味でのアジュバント療法と同様に、長期療法が等しく可能である。他の可能な治療は、腫瘍縮小後に患者の状態を維持するための治療法、又は例えば危険な状態の患者のための化学的予防療法である。
キット及びデバイス
本発明は、定義された一般式I、II、III、好ましくはIIa又はIIIの化合物、又はその薬学的に許容される誘導体に対する、好ましくは対象(又は患者)のがんの応答を予測するための、一態様ではキットに、別の態様ではデバイスに関し、このキット又はデバイスはMDM2遺伝子を測定するために必要な試薬を含む。
キット及びデバイスは、好ましくは、試料中のMDM2のレベルの比較対象となる一つ又は一組の標準値を含むコンパレーターモジュールを含みうる。好ましい実施態様では、コンパレーターモジュールは、キットの使用説明書に含まれる。別の好ましい実施態様では、コンパレーターモジュールは、表示装置、例えば、抵抗性レベルを示すために、試料測定値の読み出しに隣接して配置されるように設計された、カラーストリップ又は数値コード材料の形態である。一又は一組の標準値は、上述のように決定される。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであって、限定するものではない。
実施例1
CELLO細胞株のRNAシーケンシング
Next Generation Sequencing(NGS)技術によるRNAシーケンシング(RNA−seq)は、遺伝子発現を測定するための正確で感度の高い手法であり、更には、選択的スプライシング、対立遺伝子に特異的な発現、ノンコーディングRNA、及び変異の様々な形態(SNP、インデル、遺伝子融合)を検出するためのパワーを有する。NGS Illumina HiSeqマシンは、50又は100bp長の読み取りに生のベースコールを生成し、これらは複数のデータ分析工程に供される。RNA−seqは、試料ごとに4000〜5000の読み取りを行うように実行される。この数字は、低発現遺伝子を検出する比較的高い感受性を提供すると共に、費用効率的な試料の多重化を可能にする。RNAは、polyA TruSeq Illuminaキットによる標準キットとRNAライブラリーによって調製される。一つの細胞株につき100ngのmRNAが、各RNA−seq反応のために使用される。複数の品質管理手順が、各試料のRNA−seqデータに適用される。Illumina HiSeqソフトウェアは、各レーンにローディングされるクラスター(DNA断片)の総数、パーセントシーケンシングクオリティフィルター通過(オーバーローディング及びシーケンシング化学に起因するエラーを同定する)、各配列読み取りの各ベースのphredクオリティスコア、各シーケンスサイクルの全体の平均phredスコア、及び全体のパーセントエラー(参照ゲノムに対するアラインメントに基づく)を報告する。各RNA−seq試料について、ミトコンドリア及びリボソームRNAを含む読み出しのパーセンテージが計算される。FASTQCパッケージが、更なるQC測定基準(ベース分布、配列重複、過剰表示配列、及び濃縮kmer)並びに図式的要約を提供するために使用される。最後に、3”バイアスの推定を含む更なるRNA−seq測定基準を提供するPicardツールキットが使用され(試料調製物中のcDNA合成のためのポリ−A捕獲又はプライミングの使用により引き起こされる)、リードのパーセンテージがエクソン、イントロン、及び遺伝子間領域へマッピングされる。
実施例2
CELLO細胞株のExomシーケンシング
化合物Aのインビトロアッセイ
281の細胞をMDM2アンタゴニストで処理し、IC50(治療法への応答)を生成する。細胞株は起源の広範な腫瘍細胞種類にわたる。
281の細胞株の中で、210の細胞株は、低質のコール及び生殖系列の変異を除去する注意深い注釈付けの後、TP53に変異を示す。処理した7のAML細胞株のうち、5がTP53に変異を示した。変異TP53を有する細胞株は、MDM2アンタゴニスト療法に対する感受性が極めて低く(P<2.2x10−16)、これは過去文献によるデータと一貫している。ベースラインmRNA発現とMDM2アンタゴニスト療法への応答(IC50)とのゲノム全体にわたる関連付けにより、2.38x10−47から9.56x10−23にわたるP値と大きな関連を有する13の遺伝子のリストが同定される(補足として表2)。機能注釈は、ゲノム全体の関連に基づく13の重要な遺伝子が、−0.47から−0.31(一つの正の相関0.28を含む)にわたる相関係数を有しており、細胞周期の停止及びアポトーシスを含め、関連するMDM2−p53相互作用又は下流のP53経路における既知の制御因子であることを示した(補足として表2)。その中でも、MDM2は、インビトロでの感受性と相関するMDM2の過剰発現を伴う4番目に高い遺伝子であり、これは過去文献と一貫している。
MDM2、XPC(色素性乾皮症、相補群C)、BBC3(BCL2結合成分3)を含む三つの遺伝子の上方制御と、腫瘍抑制遺伝子CDKN2A(サイクリン依存性キナーゼ阻害剤2A)の下方制御を含む、多変異ロジスティック抗体分類指標が同定される(表2)。最終シグネチャーは、0.93のAUC(95% CI 0.92〜0.95)を有するMDM2アンタゴニスト抵抗性細胞株からMDM2アンタゴニスト感受性細胞株を区別することができる。したがって、MDM2アンタゴニスト感受性細胞株は、MDM2、XPC、及びBBC3のベースラインの上方制御と、CDKN2Aの下方制御とを示し;一方MDM2アンタゴニスト抵抗性細胞株は、MDM2、XPC、BBC3の下方制御と、CDKN2Aの上方制御とを特徴とする(図2)。
標的遺伝子MDM2に加えて、シグネチャーの他の三つの遺伝子はすべて、MDM2−p53相互作用又は下流のp53経路における制御因子として生物学的にサポートされる。XPC遺伝子は、損傷DNAの修復に関与する重要な役割を果たし、損傷認識、オープンな複合体形成、及び修復タンパク質複合体形成に貢献する。アポトーシスのp53上方制御モジュレーター(PUMA)としても知られるBBC3は、DNA−損傷剤への曝露及びDNA損傷誘導アポトーシスを媒介するp53により誘導された。CDKN2Aの二つの遺伝子産物であるp16及びp14ARFは、共に主要な腫瘍抑制因子経路に結合しており、特にMDM2機能を核小体中において隔離することによりそれを阻害するp14ARFがそうである。mRNAシグネチャーの基礎となる分子メカニズムを調べるために、本発明者らは更に、mRNAシグネチャースコアを、p53の変異状態と、MDM2−p53相互作用及び下流のp53経路に関与する重要な制御遺伝子と相関させる(表4)。図2に示すように、低シグネチャースコアを有する細胞株は、恐らくはp53変異していた;一方高シグネチャースコアを有する細胞株は恐らくはp53野生型(P<2.2×10−16)である。更に、本発明者らは、野生型TP53を有するがシグネチャースコアの低い抵抗性細胞株の大部分が、MDM2−p53相互作用及び下流のp53経路に関与する重要な制御遺伝子に変異を有することを同定した。これらの証拠は、シグネチャースコアが、MDM2−P53経路機能の代理的なmRNAレベル指標として働きうるという可能性を示した。
試験される腫瘍種類全体のmRNAシグネチャースコアの特異的予測力を調べるため、及びシグネチャースコアに基づく予測が腫瘍系統により交絡していないことを確認するため、更にCELLOの入手可能な各腫瘍種類内のシグネチャースコアを調べた(表8)。シグネチャースコアの予測力は、AML細胞株に保存されることに注意されたい。
種々のアッセイプラットフォームでのmRNAシグネチャーの頑健な証拠は、バイオマーカーを開発するうえでの臨床において重要である。この試験の場合、シグネチャーは、その感受性とマイクロアレイ技術におけるダイナミックレンジの拡大とを利用する、発現測定値のRNAseq定量化により開発される。表2に示すように、RNAseqにより測定された四つの遺伝子のmRNA発現量は、マイクロアレイにより測定されたものとよく相関している。個体遺伝子の高い差別能力と全体のスコアはマイクロアレイ定量化を通して保存される。
実施例3
インビトロアッセイ遺伝子発現分析法
MDM2アンタゴニスト療法に先立つ、ベースラインでのメッセンジャーRNA(mRNA)発現量は、RNAシーケンシング(RNA−seq)及びGeneChip Human Genome U133 Plus2.0アレイを用いたマイクロアレイ測定により得られる。RNA−seqデータの遺伝子発現分析をここにまとめる。まず、配列読み取りを、参照ヒトゲノム、及び参照ゲノム上の既知のエクソン位置から誘導されるスプライス接合断片の追加的なデータベースにマッピングする(Cufflinksソフトウェア)。次いで、これらマッピングされたデータを組合わせ、遺伝子毎に読み取り(又は配列決定された塩基)の離散的計数を生成する。次いで、これら遺伝子発現の計数を、各試料のRNA計数の総量を均一にするように正規化し、遺伝子/転写長について補正する(RPKM)。すべての細胞株において、RPKM=1を下回る発現値を有する遺伝子をすべて除去する(これは、細胞一つ当たりのRNA分子の一つのコピーより低い発現レベルにほぼ等しい)。次に、正規化した遺伝子計数を、負の二項モデルにより差別的に発現した(DE)遺伝子を見つける統計方法を用いて、応答細胞株と非応答細胞株とで差別的に発現した遺伝子を同定するために統計学的に試験する。実施される負の二項モデルはDEseqソフトウェアである。20355遺伝子は、QC後に差別的発現分析に供される。統計学的有意性を決定するために、ボンフェローニ相関しきい値が使用された。偽発見率も推定して報告される。
4遺伝子シグネチャーの開発
一変量のDE分析に基づく12の重要な遺伝子を、シグネチャー構築の候補と定める。遺伝子を、非応答細胞株に対する応答細胞株の倍率変化によりランク付けする。ポジティブ遺伝子を、1より大きい倍率変化を有するものと定義し、ネガティブ遺伝子を、1より小さい倍率変化を有するものと定義する。次いで、多変量ロジスティック回帰分類指標を、10分割交差検証を用いた受信者動作特性(ROC)曲線下面積を最大化するための上方モデル選択手順により構築する。モデル選択は、Rパッケージbestglmによる実装手順である。最終的な選択モデルは4つの遺伝子から構成される。したがって、各細胞株は、それらの回帰率により重み付けしたそれらの遺伝子発現値(log変換されたRPKM)の線形組合せにより予測され、化合物Aのシグネチャー=1.43GMDM2+1.23GXPC+0.48GBBC3−0.73GCDKN2Aとして定義される。
マイクロアレイ遺伝子発現分析法
マイクロアレイ間の変動を低減するため、各マイクロアレイ中の試料の強度値を、分位点正規化法によりスケール調整する。次いで各強度値をlog2変換する。
化合物Aの臨床治験における4遺伝子シグネチャーの評価
NO21279フェーズ1臨床治験において、再発性/抵抗性白血病を有する患者を、化合物Aの漸増投与により処置する。MTD(1500mg BID×10日)で処置した患者のサブセット由来の標本を、現行の遺伝子発現試験の一部として評価する。血液白血病試料は、ベースライン、サイクル1の2日目(C1D2)及びサイクル1の10日目(C1D10)において収集し、MAC分離により単離する。
治療に先立つベースラインでの4遺伝子のmRNA発現値に基づいて、患者のリスクスコアを計算する。正確且つ先入観を排した検証を確実にするために、試験群に係数は適用しない。しかしながら、プラットフォームの違い及び患者と細胞株との大きな生物学的差異に起因して、患者レベル分類指標のインビトロ係数の組を直接適用することはできない。したがって、患者のシグネチャースコアは、単純に、マイクロアレイ分析によって測定したものに観察されたインビトロでの方向を乗じたシグネチャー遺伝子の発現量の和であり、化合物Aシグネチャー=GMDM2+GXPC+GBBC3−GCDKN2Aと定義される。これが遺伝子発現量の最適な組み合わせでないことに注意されたい。したがって、報告されたスコアの関連付け及び推測力は、スコア成績の控えめな見積である。
実施例4
マイクロアレイ遺伝子発現分析法
マイクロアレイ間の変動を低減するため、各マイクロアレイ中の試料の強度値を、分位点正規化法により置換する。次いで各強度値をlog2変換する。
化合物Aの臨床治験における4遺伝子シグネチャーの検証
NO21279フェーズ1臨床治験において、再発性/難治性白血病を有する患者を、化合物Aの漸増投与により処置する。MTD(1500mg BID×10日)で処置した患者のサブセット由来の標本を、現行の遺伝子発現試験の一部として評価する。白血病試料は、ベースライン、サイクル1の2日目(C1D2)及びサイクル1の10日目(C1D10)において収集し、MAC分離により単離する。
治療に先立つベースラインでの4遺伝子のmRNA発現値に基づいて、患者のリスクスコアを計算する。正確且つ先入観を排した検証を確実にするために、試験群における係数の計算は行わない。しかしながら、プラットフォームの違い及び患者と細胞株との生物学的差異に起因して、患者レベル分類指標のインビトロ係数は適用しない。したがって、患者のシグネチャースコアは、単純に、マイクロアレイ分析によって測定したものに観察されたインビトロでの方向を乗じたシグネチャー遺伝子の発現量の和であり、化合物Aのシグネチャー=GMDM2+GXPC+GBBC3−GCDKN2Aと定義される。これが遺伝子発現量の最適な組み合わせではないこと、したがって報告されるスコアの関連付け及び予測力はスコア成績の控えめな予測であることに注意されたい。
実施例5
インビボ試験
NO21279のフェーズ1臨床治験において、再発性/難治性白血病を有する患者を、RG7112の漸増投与により処置する。MTD(1500mg BID×10日)で処置した患者のサブセット由来の標本を、現行の遺伝子発現試験の一部として評価する。白血病試料は、ベースライン、サイクル1の2日目(C1D2)及びサイクル1の10日目(C1D10)において収集し、MAC分離により単離する。
患者は、年齢中央値が59歳である男性18名と女性10名から構成される。腫瘍標本アセスメントに基づくと、28名の患者のうち23名が野生型TP53を、5名の患者がTP53変異を有する(一名の患者がイントロン7に変異A〜Cを;二名の患者がエクソン5に変異CGC〜CACを;一名の患者がエクソン9フレームシフトに欠失G 323_3−324_1を;一名がエクソン7に変異S240G−−S240、AGT〜GGTを、それぞれ有する)。1日目には、試験した28名の患者の、化合物Aの24時間の曲線下面積(AUC0-24h)は190,315ng*h/mL(IQR:119,032-242,857ng*h/mL)である。臨床応答を評価し、4つのカテゴリー、即ち:完全寛解(CR)、形態学的に白血病のない状態(MLFS)、血液学的改善(HI)、及び進行性疾患(PD)に分ける。3のCR、4のMLFS、6のHI及び15のPDを含む28名の患者において臨床応答を評価する。ベースライン試料のアセスメントに加え、処置試料も評価する(サイクル1、10日目)。C1D10由来の生検中におけるMDM2 mRNA発現の中央値は、ベースラインの2.46倍に増大しており(IQR:1.62-4.59)、このことはMDM2転写のp53活性化に起因する薬力学的バイオマーカー応答を実証している。
MTDで投与された28名の評価可能な患者のベースラインの血液細胞標本を、Affymetrix GeneChip Human Genome U133 Plus 2.0マイクロアレイを用いて評価する。同定された4つの遺伝子シグネチャースコアを、28名の患者の各々について、ベースラインにおけるMDM2、BBC3、XPCの和からCDKN2A発現量を差し引くことによって計算する。シグネチャースコアと患者のMDM2アンタゴニスト療法に対する臨床応答との間には有意な相関が存在する(PD<Hl<MLFS<CR)(スピアマン相関係数0.58、P=6.6×10−4)。シグネチャースコアは、ベースラインからC1D10までのMDM2 mRNAの変化により測定した、患者の薬力学的バイオマーカー応答とも有意に相関する(スピアマン相関係数0.41、P=0.02;図3)。シグネチャースコアと患者の臨床応答との相関は、更に、150,000ng*h/mLより高いAUC0−24hを有する患者と定義される、十分に高度に曝露される15名の患者のサブセットについて増強されている(スピアマン相関係数0.64、P=5.2x10−3)。このパネルは、0.82のROC曲線のAUCによりPD/Hl患者からCR/MLFS患者を(図4、表10)、0.83のAUCによりPD患者からCR/MLFS/Hlを(図4)区別することができた。対照的に、単一のバイオマーカーとしてのMDM2 mRNA発現は、0.51のAUCによりPD/HI患者からCR/MLFS患者を、0.61のAUCによりPD患者からCR/MLFS/Hl患者を区別することしかできなかった。
シグネチャースコア15、又は15.4(ヨーデン指標により選択)というカットオフポイントを用いて、患者は、MDM2アンタゴニスト療法に先立つベースラインにおいて、それぞれ100%感受性及び71%特異性で、応答すると思われる群と応答しないと思われる群に分類される。したがって、シグネチャーパネルは、最も応答する可能性が高いと思われるAML患者のサブセットを選択するため;及び応答する可能性が低いと思われるAML患者を曝露することを回避するための、MDM2アンタゴニスト療法のバイオマーカーとして援用される大きな可能性を有する。
mRNAシグネチャーの基礎となる分子メカニズムを理解するために、mRNAシグネチャースコアをTP53の変異状態と相関させる。低シグネチャースコアを有する患者はTP53変異である可能性が高いと思われ;高シグネチャースコアを有する患者はTP53野生型又は良性変異であることが予測されるTP53変異である可能性が高いと思われる(P=6.86×10−2)。五名のp53変異患者のうち、四名が平均スコア14.2±0.8を有する進行性疾患を示し(一名の患者がイントロン7に変異A〜Cを;2名の患者がエクソン5に変異CGC〜CACを;一名の患者がエクソン9フレームシフトに欠失G 323_3−324_1を有する)、残りの一名はエクソン7に変異S240G− S240、AGT〜GGTを有するMLFSを示し、IARCデータべスによるDNAとの又はDNAと相互作用するアミノ酸残基との直接的でない相互作用、及びスコア15.8を予測する。この証拠は、シグネチャースコアが、MDM2−P53経路機能の代理的なmRNAレベル指標として働きうるという可能性を示す。
mRNAシグネチャーの組織特異性を調べるために、ベースライン骨髄細胞標本を、MTDで投与される18名の患者の利用可能なサブセットから、Affymetrix GeneChip Human Genome U133 Plus2.0マイクロアレイを用いて測定する。血液−シグネチャースコアと骨髄−シグネチャースコアとは、スピアマン相関係数0.50で有意に相関している(P=0.016)。骨髄−シグネチャースコアは、MDM2アンタゴニスト療法に対する患者の臨床応答及び薬力学的バイオマーカー応答と、それぞれスピアマン係数0.46(P=0.052)及び0.42(P=0.069)で有意に相関していた(MDM2発現がサイクル1の1日目からサイクル1の10日目までに変化する)。
mRNAシグネチャーの薬力学的特性を試験するために、血液細胞標本が、C1D10に28名の患者の大部分から測定され、C1D10にシグネチャーが取得される。C1D10の試料におけるMDM2、XPC及びBBC3 mRNA発現の中央値は、ベースラインの2.37倍(IQR:1.71〜5.00)、1.69倍(IQR:1.27〜1.88)、1.45 倍(IQR:1.13〜1.99)であり、このことは、シグネチャー中の正に相関した遺伝子について、MDM2アンタゴニスト療法により刺激したそれぞれの遺伝子の上方制御を実証している。一方で、C1D10の生検中のCDKN2A mRNA発現の中央値は、ベースラインの0.26倍(IQR:0.09〜0.38)に低下しており、このことは、シグネチャー中の負に相関した遺伝子について、MDM2アンタゴニスト療法により刺激された下方制御を示す。したがって、C1D10の生検中の全体的なシグネチャースコアは、ベースラインの3.05倍(IQR:1.88〜4.23)であり、このことは、MDM2アンタゴニスト療法により刺激された全体的スコアの上方制御を示す。要約すれば、シグネチャースコアは、ベースライン(相関係数0.58、P=9x10−4)で、及び治療レジメン中に測定されたとき、患者の臨床応答と一貫して相関している:C1D2(相関係数0.40、P=2.69x10−2)、及びC1D10(相関係数0.65、P=3.5x10−4)。シグネチャースコアの測定値は、ベースライン(相関係数0.41、P=1.92x10−2)、C1D2(相関係数0.64、P=1.07x10−3)、及びC1D10(相関係数0.64、P=3.3x10−4)で測定されたとき、患者の薬力学的バイオマーカー応答(MDM2発現の変化)とも一貫して相関している。C1D2のシグネチャースコアの中央値は、PD、HI、MLFS及びCR患者それぞれについて、ベースラインの1.11倍(IQR:1.05〜1.16)、1.08倍(IQR:1.04〜1.10)、1.17倍(IQR:1.14〜1.19)、及び1.15倍(IQR:1.13〜1.15)である。C1D10の中央値スコアは、PD、HI、MLFS及びCR患者それぞれについて、ベースラインの1.14倍(IQR:1.08〜1.21)、1.25倍(IQR:1.23〜1.30)、1.26倍(IQR:1.23〜1.31)、及び1.23倍(IQR:1.22〜1.24)である。この証拠は、mRNAシグネチャースコアが、MDM2アンタゴニスト療法活量の予測バイオマーカー及び薬力学的バイオマーカーの両方であることを示している。このように、ベースラインのmRNAシグネチャースコアは、MDM2阻害剤に対する患者の応答を予測し、MDM2アンタゴニスト療法は、患者の臨床応答を示す治療サイクル中に様々な度合いで患者を刺激する(図3)。
実施例6
フェーズI形腫瘍治験におけるMDM2アンタゴニスト療法予測シグネチャーのアセスメント
予測mRNAシグネチャーを、更に二つの固形腫瘍治験において評価する(図1)。治験NP21280において、前治療した30名の患者及びC1D5の腫瘍生検試料を評価し;NP22890において、前治療した20名の患者及びC1D8の腫瘍生検試料を評価する(表1)。両臨床治験において、p53経路活性化のアセスメントを可能にしたバイオマーカーパッケージを評価し(p53 IHC、p21 IHC、MDM2 mRNA、及びKi67)、MDM2の阻害がP53経路を活性化し、細胞増殖を低減する。以前に報告されているように、NP22890において、P53及びP21の濃度、及びMDM2 mRNA発現はすべて、ベースラインからC1D8までに有意に増加しており、Ki−67陽性腫瘍細胞はベースラインから減少している。バイオマーカーの応答におけるこのような変化は、MIC−1の変化12を除いて、薬物曝露と有意に相関していない。NP21280では、P53及びP21の濃度、及びMDM2 mRNAの発現はすべて、C1D10でベースラインから増加しており(それぞれp=2.88×10−3、2.32×10−3、1.03×10−5);Ki−67陽性腫瘍細胞はベースラインから減少している(p=2.62×10−2)。また、バイオマーカーの応答におけるこのような変化は、Ki−67陽性腫瘍細胞の数を除いて、薬物曝露と有意に相関している(P53の変化の場合p=4.77x10−3、P21の変化の場合p=5.30×10−2、及びMDM2の変化の場合p=2.5×10−3)。
患者のシグネチャースコアを、ベースラインとC1D5(NO21280)及びC1D8(NP22890)とにおいて同様に取得する。mRNAシグネチャースコアは、化合物Aの薬物動態学的及び薬力学的マーカーパネルとの相関の、二つの治験間での異質な大きさを示す。NP21280では、ベースラインスコアは、患者のMDM2 mRNA発現の変化と、相関係数0.41(p=2.82x10−2)で有意に相関しているが、シグネチャースコアとP21又はKi−67陽性腫瘍細胞数との有意な相関は観察されない。NP22890では、シグネチャースコアとMDM2の変化及びP21の変化との正相関の示唆が観察されるのみである(表9)。固形腫瘍治験標本の臨床結果の評価は実現していない。
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Claims (28)

  1. 治療法に対するがん患者の応答性を予測する方法であって、BAX、RPS27L、EDA2R、XPC、DDB2、FDXR、MDM2、CDKN1A、TRIAP1、BBC3、CCNG1、TNFRSF10B、又はCDKN2Aからなる群より選択される少なくとも一つの遺伝子のレベルを検出すること、及びそのレベルを、MDM2−p53相互作用の阻害剤である化合物に対する患者の応答を予測するためのバイオマーカーとして使用することを含む方法。
  2. バイオマーカーとしてMDM2遺伝子を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 応答が患者のがん治療法に対する応答であり、バイオマーカーが患者から採取された一つ又は複数の試料中においてインビトロで測定される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. a)患者から試料を採取すること;
    b)試料中の、請求項1に記載の前記少なくとも一つの遺伝子のレベルを測定すること;
    c)患者由来のレベルを、同じがんを有する患者由来の標準値と比較すること;及び
    d)MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を投与すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 化合物が、式

    の4−{[2R,3S,4R,5S)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 化合物が、式:

    の4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2000)である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 化合物が、
    (A)
    である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記少なくとも一つの遺伝子のレベルがmRNA発現量である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  9. MDM2を含む四遺伝子シグネチャーが、MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を用いた治療に対するがん患者の応答を予測するためのバイオマーカーとして使用される、請求項2に記載の方法。
  10. 前記四遺伝子シグネチャーが、MDM2、XPC、BBC3及びCDKN2Aからなる、請求項9に記載の方法。
  11. 四遺伝子シグネチャーが、MDM2、XPC、BBC3を含む三つの遺伝子の上方制御と、CDKN2Aの下方制御とからなることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. がんが、乳がん、前立腺がん、子宮頸がん、卵巣がん、胃がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肝臓がん、脳腫瘍、神経内分泌がん、肺がん、腎臓がん、血液悪性腫瘍、メラノーマ及び肉腫からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  13. がんが急性骨髄性白血病(AML)である、請求項12に記載の方法。
  14. 治療に先立って採取された患者由来の試料中のMDM2のレベルが、一つ又は一組の標準値と比較して高い場合に、MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物に対して感受性であることが予測される、請求項2に記載の方法。
  15. i)同じがんを有する患者由来の一つ又は一組の標準値と比較して;又は
    ii)治療開始前に同じ患者から採取された一つ又は一組の試料と比較して治療開始後に採取された;又は
    iii)正常な細胞又は組織由来の一つ又は一組の標準値と比較して;
    一つ又は複数の試料中のより高いMDM2レベルから
    MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を用いた治療に対して感受性であることが予測される、請求項10に記載の方法。
  16. MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を用いた治療に対するがん患者の応答を予測するための方法であって:
    a)患者から前もって取得された試料中の、BAX、RPS27L、EDA2R、XPC、DDB2、FDXR、MDM2、CDKN1A、TRIAP1、BBC3、CCNG1、TNFRSF10B、又はCDKN2Aからなる群より選択される少なくとも一つの遺伝子のレベルを測定し、このレベルを表す一つ又は複数の値を取得する工程;及び
    b)工程a)の一つ又は複数の値を、一つ又は一組の標準値と比較する工程
    を含む方法。
  17. 患者由来の試料中におけるMDM2のレベルを測定してこのレベルを表す一つ又は複数の値を取得すること、及びMDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を用いて患者を治療することを含む、このような治療を必要とする患者においてがんを治療する方法。
  18. 患者由来の試料中の、MDM2、XPC、BBC3及びCDKN2Aのレベルを測定してこれらレベルを表す一つ又は複数の値を取得すること、及びMDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を用いて患者を治療することを更に含む、請求項17に記載の方法。
  19. a)治療に先立って患者から取得された試料中の、MDM2、XPC、BBC3及びCDKN2AのmRNA発現量を測定すること;
    b)a)で取得された発現量を用いて、患者のシグネチャースコアとして表される値を計算すること;
    c)b)から得られた前記患者のシグネチャースコアを、基準レベルと比較すること;及び
    d)患者のシグネチャースコアが前記基準レベルを上回るとき、前記患者を、前記MDM2阻害剤を含む治療法に応答する可能性が高いと同定すること
    を含む、請求項18に記載の方法。
  20. MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する前記化合物が、請求項5に記載の化合物4−{[2R,3S,4R,5S)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸である、請求項17、18又は19に記載の方法。
  21. MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する前記化合物が、請求項6に記載の化合物4−{[(2R,3S,4R,5S)−3−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−シアノ−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メトキシ−安息香酸 1−mPEG−カルボニルオキシ−エチル エステル(mPEG、平均MW、〜2000)である、請求項17、18又は19に記載の方法。
  22. MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する前記化合物が、請求項7に記載の化合物(A)である、請求項17、18又は19に記載の方法。
  23. がんに罹患した患者における、MDM2阻害剤を含む治療法の有効性をモニタリングするためのインビトロ法であって、
    a)治療に先立って患者から取得された試料中の、MDM2、XPC、BBC3及びCDKN2AのmRNA発現量を測定すること;
    b)a)で取得された発現量を用いて、治療に先立つ患者のシグネチャースコアとして表される値を計算すること;
    c)工程a)及びb)を、前記MDM2阻害剤を用いた治療の開始後に繰り返すこと;及び
    d)治療の開始後に取得されたシグネチャースコアを、治療に先立って取得された同スコアと比較すること
    を含み、治療後の方がシグネチャースコアが高い場合に、治療に対する患者の応答性が示され、したがって治療の継続が推奨される、方法。
  24. MDM2阻害剤が、請求項5、6又は7に記載の方法に使用される化合物である、請求項23に記載の方法。
  25. MDM2−p53相互作用の阻害剤として作用する化合物を用いた治療に対する応答を予測するためのキットであって;
    a)試料中の、BAX、RPS27L、EDA2R、XPC、DDB2、FDXR、MDM2、CDKN1A、TRIAP1、BBC3、CCNG1、TNFRSF10B、又はCDKN2Aからなる群より選択される少なくとも一つの遺伝子のレベルを測定するための試薬;及び
    b)コンパレーターモジュール
    を備えるキット。
  26. 前記少なくとも一つの遺伝子のレベルがmRNA発現量である、請求項25に記載のキット。
  27. MDM2阻害剤が、請求項5、6又は7に記載の方法に使用される化合物である、請求項25又は26に記載のキット。
  28. 実質的に本明細書に記載される新規の手順、方法、及び使用。
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