JP2019059657A - 車両ドア用のガラス物品 - Google Patents

車両ドア用のガラス物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2019059657A
JP2019059657A JP2017187955A JP2017187955A JP2019059657A JP 2019059657 A JP2019059657 A JP 2019059657A JP 2017187955 A JP2017187955 A JP 2017187955A JP 2017187955 A JP2017187955 A JP 2017187955A JP 2019059657 A JP2019059657 A JP 2019059657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
glass article
mass
glass
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017187955A
Other languages
English (en)
Inventor
晋平 森田
Shinpei Morita
晋平 森田
平社 英之
Hideyuki Hirakoso
英之 平社
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2017187955A priority Critical patent/JP2019059657A/ja
Publication of JP2019059657A publication Critical patent/JP2019059657A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】従来に比べてコーティング膜をより厚くすることが可能な、車両ドア用のガラス物品を提供する。【解決手段】車両ドア用のガラス物品であって、ガラス板と、該ガラス板の第1の表面に設置されたコーティング膜と、を有し、前記コーティング膜は、シロキサンポリマーを主成分とし、前記コーティング膜は、D体のケイ素原子を0.1質量%〜2.5質量%含み、Q体のケイ素原子を5質量%〜30質量%含み、有機樹脂を含まない、ガラス物品。【選択図】図1

Description

本発明は、車両ドア用のガラス物品に関する。
近年、高付加価値を有する車両ドア用のガラス物品が注目されている。
例えば、車内への紫外線の入射を抑制して日焼けを生じ難くするガラス物品、あるいは車内への赤外線の入射を抑制して車内が高温になることを抑制するガラス物品などが提案されている。
例えば、紫外線遮蔽機能を有する車両ドア用のガラス物品は、ガラス板の少なくとも一方の表面に、酸化ケイ素、有機樹脂、および紫外線吸収剤を含むコーティング膜を形成することにより構成される(例えば、特許文献1)。
特許第5700552号明細書
前述のような車両ドア用のガラス物品において、しばしば、厚いコーティング膜が要望される場合がある。例えば、前述のような紫外線遮蔽機能付きガラス物品、および赤外線遮蔽機能付きガラス物品では、コーティング膜が厚いほど、その効果が高くなる。このため、これまで以上の紫外線および/または赤外線に対する遮蔽効果を発揮させようとすると、コーティング膜の厚膜化が必要となる。特に、コート液中やコーティング膜中において、他の成分との親和性が低く、コーティング膜中の許容含有量に制限がある材料を用いる場合、厚膜化が必要となる。
しかしながら、従来のコーティング膜は、厚く成膜すると、割れやクラックが生じる傾向にあり、コーティング膜の厚膜化には限界がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来に比べて、コーティング膜をより厚くすることが可能な、車両ドア用のガラス物品を提供することを目的とする。
本発明では、車両ドア用のガラス物品であって、
ガラス板と、
該ガラス板の第1の表面に設置されたコーティング膜と、
を有し、
前記コーティング膜は、シロキサンポリマーを主成分とし、
前記コーティング膜は、D体のケイ素原子を0.1質量%〜2.5質量%含み、Q体のケイ素原子を5質量%〜30質量%含み、有機樹脂を含まない、ガラス物品が提供される。
本発明では、従来に比べて、コーティング膜をより厚くすることが可能な、車両ドア用のガラス物品を提供することができる。
本発明の一実施形態による車両ドア用のガラス物品の断面を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による車両ドア用のガラス物品の一形態を模式的に示した上面図である。 本発明の一実施形態による別の車両ドア用のガラス物品の断面を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態による車両ドア用のガラス物品)
図1には、本発明の一実施形態による車両ドア用のガラス物品(以下、「第1のガラス物品」と称する)の断面を模式的に示す。
図1に示すように、第1のガラス物品100は、ガラス板120と、コーティング膜130とを備える。
ガラス板120は、第1の表面122および第2の表面124を有し、コーティング膜130は、ガラス板120の第1の表面122上に設置される。
コーティング膜130は、第1のガラス物品100に、紫外線遮蔽機能を付与するために設置される。
コーティング膜130は、シロキサンポリマーを主成分とし、さらに紫外線吸収剤を含む。
本願において、「材料Aを主成分とする」とは、材料Aが50質量%以上含まれることを意味する。
従って、コーティング膜130の場合、シロキサンポリマーは、コーティング膜130の全量に対して、50質量%以上含まれる。特に、シロキサンポリマーは、コーティング膜130の全質量から紫外線吸収剤の含有量を除いた量だけ、コーティング膜130に含まれていても良い。(すなわち、シロキサンポリマーの含有量+紫外線吸収剤の含有量=100質量%。)
ここで、第1のガラス物品100において、コーティング膜130は、D体のケイ素原子を0.1質量%〜2.5質量%含み、Q体のケイ素原子を5質量%〜30質量%含むという特徴を有する。
本願において、「D体のケイ素原子」とは、以下の化学式(1)で表されるように、シロキサン結合を構成するケイ素原子のうち、2方分岐を有するケイ素原子を表す。
Figure 2019059657

なお、R1およびR2は、任意の反応基である。R1とR2は、同一の反応基であっても異なる反応基であっても良い。
これに対して、以降に示す「T体のケイ素原子」とは、以下の化学式(2)で表されるように、シロキサン結合を構成するケイ素原子のうち、3方分岐を有するケイ素原子を表す。
Figure 2019059657

なお、Rは、任意の反応基である。
また、「Q体のケイ素原子」とは、以下の化学式(3)で表されるように、シロキサン結合を構成するケイ素原子のうち、4方分岐を有するケイ素原子を表す。
Figure 2019059657

コーティング膜130中に、D体およびQ体のケイ素原子が上記割合で含まれるように膜組成を調整した場合、以降に示すように、厚膜化しても、割れやクラックが生じ難いコーティング膜130を得ることが可能になる。
従って、第1のガラス物品100では、従来に比べて有意に厚いコーティング膜130を形成することができる。
また、第1のガラス物品100において、コーティング膜130は、実質的に有機樹脂を含まないという特徴を有する。
従来の車両用のドアガラス物品では、コーティング膜は、有機樹脂を含む場合が多い。この場合、コーティング膜を形成するための塗布液に、別途、架橋剤や硬化剤などの成分を添加する必要が生じ得る。しかしながら、このような成分は、ガラス物品に紫外線遮蔽機能を発現する上で、必須なものではない。むしろ、このような「非本質的」な成分を添加すると、紫外線吸収剤などの必須成分のコーティング膜中の含有割合が低下し、有意に良好な紫外線遮蔽性能が得られ難くなると言う弊害が生じ得る。
これに対して、第1のガラス物品100のように、実質的に有機樹脂を含まないコーティング膜130を使用した場合、コーティング膜130にとって「非本質的」な成分を添加する必要がなくなる。
また、これにより、コーティング膜130の組成の選択の自由度が高まり、十分な量のシロキサンポリマーおよび紫外線吸収剤を、コーティング膜130中に含有させることが可能になる。また、その結果、有意に良好な紫外線遮蔽性能を発現させることが可能になる。
(第1のガラス物品の構成部材)
次に、図1に示した第1のガラス物品100を構成する各部材について、より詳しく説明する。
(ガラス板120)
第1のガラス物品100に使用されるガラス板120の組成は、特に限られない。ガラス板120は、例えば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、および石英ガラスなどであっても良い。
(コーティング膜130)
コーティング膜130は、前述のように、シロキサンポリマーを主成分とし、さらに紫外線吸収剤を含む。
また、コーティング膜130は、D体のケイ素原子を0.1質量%〜2.5質量%含み、Q体のケイ素原子を5質量%〜30質量%含む。
D体のケイ素原子の含有量は、0.2質量%〜2.0質量%の範囲であることが好ましく、0.3質量%〜1.5質量%の範囲であることがより好ましい。また、Q体のケイ素原子の含有量は、10質量%〜28質量%の範囲であることが好ましく、15質量%〜25質量%の範囲であることがより好ましい。
(シロキサンポリマー)
コーティング膜130に含有されるシロキサンポリマーの種類は、特に限られない。シロキサンポリマーは、膜硬化時にシランモノマーが縮合して形成されたものでもよく、修飾基を有する、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを含んでも良い。
以下の(4)には、シロキサンポリマーの化学式を示す。
Figure 2019059657

ここで、Ra〜Rhは、任意の反応基である。Ra〜Rhは、相互に異なっていても、一部または全てが等しくても良い。
上記化学式(4)において、反応基Ra〜Rhが全てメチル(CH)基の場合、シロキサンポリマーは、ポリジメチルシロキサンとなる。
シロキサンポリマーの量は、コーティング膜130の50質量%以上であり、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
(紫外線吸収剤)
コーティング膜130に含有される紫外線吸収剤の種類は、特に限られない。紫外線吸収剤は、例えば、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アゾメチン系化合物、インドール系化合物、ベンゾジチオール系化合物、およびオキサゾロン系化合物等であっても良い。
なお、紫外線吸収剤は、コーティング膜130中に、例えば、1質量%〜25質量%の範囲で含有される。紫外線吸収剤の含有量は、5質量%〜20質量%の範囲であることが好ましく、5質量%〜15質量%の範囲であることがより好ましい。
(その他)
必須ではないが、コーティング膜130は、さらに、ビスシランを含んでも良い。
コーティング膜130中にビスシランを添加することにより、コーティング膜130のアルカリ耐性が改善されるとともに、耐湿性が向上する。
ビスシランとしては、例えば、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、および1,8ビス(トリエトキシシリル)オクタンなどが挙げられる。
ビスシランの含有量は、コーティング膜130全体に対して、例えば、1質量%〜30質量%であり、3質量%〜20質量%の範囲であることが好ましく、5質量%〜15質量%であることがより好ましい。
(第1のガラス物品100)
第1のガラス物品100は、例えば、車両のドアの窓部材として使用され得る。
なお、第1のガラス物品100において、コーティング膜130は、必ずしも全体にわたって同様の厚さである必要はない。例えば、コーティング膜130は、少なくとも一つの方向に沿って、厚さが徐々に変化しても良い。
特に、コーティング膜130を、フローコート法で成膜した場合、重力方向に沿って、厚さが徐々に厚くなるコーティング膜が得られやすくなる。
コーティング膜130の最大厚さは、4μm以上であっても良い。例えば、コーティング膜130の最大厚さは、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、またはそれ以上であっても良い。
図2には、自動車のドア用の窓部材として使用され得る、第1のガラス物品100の一形態を模式的に示す。なお、この図2は、第1のガラス物品100をコーティング膜130の側から見た状態を表す。
図2に示した例では、第1のガラス物品100は、略五角形状の形状を有する。より具体的には、第1のガラス物品100は、底辺に当たる第1の辺150から、反時計回りに、第2の辺152、上辺に当たる第3の辺154、第4の辺156、および第5の辺158を有する。なお、各隣接する辺同士の交点は、ラウンドされている。
第1のガラス物品100が実際に自動車のドアに取り付けられる際には、第1のガラス物品100の第1の辺150が下側となり、第3の辺154が上側になるようにして、第1のガラス物品100が配置される。
第1のガラス物品100に含まれるガラス板(コーティング膜130の下側に存在する)には、通常、ガラス板の製造メーカなどを表示するマーク160が刻印される。なお、ガラス板の上には、コーティング膜130が存在する。しかしながら、コーティング膜130は、比較的薄く透過性を有するため、コーティング膜130の側からでも、マーク160を視認することができる。
マーク160の位置は、特に限られない。ただし、通常の場合、マーク160は、第1の辺150と第2の辺152の交差部近傍、または第1の辺150と第5の辺158の交差部近傍に配置される。
ここで、第1のガラス物品100において、コーティング膜130の厚さは、図2に示した矢印F1の方向、すなわち上(第3の辺154)から下(第1の辺150)に向かって、徐々に増加しても良い。また、コーティング膜130は、下側に、厚さが4μm以上の部分、例えば厚さが5μm〜9μmの部分を有しても良い。
前述のように、従来のコーティング膜では、厚く形成すると、クラックが生じるという問題がある。しかしながら、第1のガラス物品100では、前述の特徴により、コーティング膜130を、このように厚くすることができる。
なお、マーク160の近傍にも、コーティング膜130の厚さが4μm以上の部分が存在しても良い。
第1のガラス物品100を、車両のドア用の窓部材として使用した場合、良好な紫外線遮蔽効果が得られる。
以上、図2を参照して、第1のガラス物品100が自動車のドア用の窓部材として使用される際の一態様について説明した。ただし、上記態様は、単なる一例であって、例えば、第1のガラス物品100は、上面視、いかなる形状を有しても良い。また、第1のガラス物品100において、コーティング膜130は、矢印F1以外の方向に沿って、厚さが変化しても良い。
(本発明の一実施形態による別の車両ドア用のガラス物品)
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態による別の車両ドア用のガラス物品について説明する。
図3には、本発明の一実施形態による別の車両ドア用のガラス物品(以下、「第2のガラス物品」と称する)の断面を模式的に示す。
図2に示すように、第2のガラス物品200は、ガラス板220と、コーティング膜230とを備える。
ガラス板220は、第1の表面222および第2の表面224を有し、コーティング膜230は、ガラス板220の第1の表面222上に設置される。
コーティング膜230は、第2のガラス物品200に、赤外線遮蔽機能を付与するために設置される。
コーティング膜230は、シロキサンポリマーを主成分とし、さらに赤外線吸収剤を含む。
例えば、シロキサンポリマーは、コーティング膜230の全質量から赤外線吸収剤の含有量を除いた量だけ、コーティング膜230に含まれていても良い。(すなわち、シロキサンポリマーの含有量+赤外線吸収剤の含有量=100質量%。)
ここで、第2のガラス物品200も、前述の第1のガラス物品100と同様の特徴を有する。
すなわち、第2のガラス物品200において、コーティング膜230は、D体のケイ素原子を0.1質量%〜2.5質量%含み、Q体のケイ素原子を5質量%〜30質量%含むという特徴を有する。
従って、第2のガラス物品200においても、コーティング膜230を厚膜化した際に、割れやクラックが生じるという問題が有意に軽減され、従来に比べて有意に厚いコーティング膜230を形成することができる。
なお、第2のガラス物品200においても、コーティング膜230は、実質的に有機樹脂を含まないという特徴を有する。このため、コーティング膜230の組成の選択の自由度が高まり、十分な量のシロキサンポリマーおよび紫外線吸収剤を、コーティング膜230中に含有させることが可能となる。
(第2のガラス物品の構成部材)
次に、図3に示した第2のガラス物品200を構成する各部材について説明する。
ただし、第2のガラス物品200のほとんどの部材については、前述の第1のガラス物品100の構成部材についての説明が参照できる。そこで、ここでは、コーティング膜230に含まれる赤外線吸収剤について説明する。
(赤外線吸収剤)
コーティング膜230に含有される赤外線吸収剤の種類は、特に限られない。赤外線吸収剤は、例えば、複合タングステン酸化物、アンチモンドープ酸化錫、インジウムドープ酸化錫、およびフッ素ドープ酸化錫等であっても良い。
なお、赤外線吸収剤は、コーティング膜230中に、例えば、1質量%〜25質量%の範囲で含有される。赤外線吸収剤の含有量は、3質量%〜20質量%の範囲であることが好ましく、5質量%〜15質量%の範囲であることがより好ましい。
なお、第2のガラス物品200においても、コーティング膜230は、面内に厚さ分布を有しても良い。
以上、第1のガラス物品100および第2のガラス物品200を例に、本発明の一実施形態について説明した。しかしながら、これらは単なる一例であって、本発明による車両ドア用のガラス物品は、このような構成に限られるものではない。
例えば、本発明による車両ドア用のガラス物品において、コーティング膜は、シロキサンポリマーを主成分とし、紫外線吸収剤および赤外線吸収剤の両方を有しても良い。この場合、コーティング膜中に含まれる紫外線吸収剤の量は、例えば1質量%〜25質量%の範囲であり、および/またはコーティング膜中に含まれる赤外線吸収剤の量は、例えば1質量%〜25質量%の範囲であっても良い。
当業者には、この他にも各種形態が想定される。
(製造方法)
次に、本発明の一実施形態によるガラス物品を製造する方法の一例について説明する。
なお、ここでは、一例として、前述の第1のガラス物品100を例に、その製造方法について説明する。ただし、以下に示す製造方法が、第2のガラス物品200など、その他のガラス物品に対しても適用できることは当業者には明らかである。
本発明の一実施形態によるガラス物品を製造する方法(以下、「第1の製造方法」と称する)は、塗布液の調製工程と、塗布液の塗布工程と、コーティング膜の形成工程とを有する。
以下、各工程について説明する。
(塗布液の調製工程)
まず、シロキサンポリマーのT体源と、UV吸収剤源と、第1の溶媒とを混合することにより、第1の液体が調製される。この際液を加熱してもよい。
シロキサンポリマーのT体源は、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアヌレートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアヌレートプロピルトリエトキシシラン等であっても良い。
UV吸収剤源は、例えば、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アゾメチン系化合物、インドール系化合物、ベンゾジチオール系化合物、およびオキサゾロン系化合物等であっても良い。
上記ベンゾトリアゾール系化合物として、具体的には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(市販品としては、TINUVIN 326(商品名、チバ・ジャパン社製)等)、オクチル−3−[3−tert−4−ヒドロキシ−5−[5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2H−ベンゾチリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等が挙げられる。これらのなかでも好ましくは、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールが用いられる。
上記トリアジン系化合物として、具体的には、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、TINUVIN477(商品名、チバ・ジャパン株式会社製))等が挙げられる。これらのなかでも好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジンが用いられる。
上記ベンゾフェノン系化合物として、具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3(または4、5、6のいずれか)−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−2',4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらのなかでも好ましくは、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノンが用いられる。
アゾメチン系化合物としては、BONASORB UA−3701(商品名、オリエント化学工業株式会社)等が挙げられる。インドール系化合物としては、BONASORB UA−3911(商品名、オリエント化学工業株式会社)等が挙げられる。ベンゾジチオール系化合物としては、2−(4,7−ジヒドロキシ−1,3−ベンゾジチオール−2−イリデン)−4,4−ジメチル−3−オキソペンタニトリル、2−シアノ−2−(4,7−ジヒドロキシ−1,3−ベンゾジチオール−2−イリデン)−2−エチルヘキシルエステル酢酸、2−(4,7−ジヒドロキシ−1,3−ベンゾジチオール−2−イリデン)プロパンジニトリル、1,2−ジブチル−4−(4,7−ジヒドロキシ−1,3−ベンゾジチオール−2−イリデン)−3,5−ピラゾリジンジオン、4−(4,7−ジヒドロキシ−1,3−ベンゾジチール−2−イリデン)−3−(1,1−ジメチルエステル)−5(4H)−イソオキサゾロン、4−(4,7−ジヒドロキシ−1,3−ベンゾジチオール−2−イリデン)−1,2−ジフェニル−3,5−ピラゾリジンジオン、2−(4,7−ジヒドロキシ−5−メチル−1,3−ベンゾジチール−2−イリデン)プロパンジニトリル、2,2'−(4,8−ジヒドロキシベンゾ[1,2−d:4,5−d']ビス[1,3]ジチオール−2,6−ジイリデン)ビス[4,4−ジメチル−3−オキソペンタンニトリル]、2,2'−(4,8−ジヒドロキシベンゾ[1,2−d:4,5−d']ビス[1,3]ジチオール−2,6−ジイリデン)ビス[2−シアノ−1,1'−ビス(2−エチルヘキシル)エスエル酢酸]、4,4'−(4,8−ジヒドロキシベンゾ[1,2−d:4,5−d']ビス[1,3]ジチオール−2,6−ジイリデン)ビス[2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン]、などが挙げられる。より長波長な紫外線を吸収できることから、アゾメチン系、インドール系、ベンゾジチオール系、オキサゾロン系化合物を用いることが好ましい。これらの化合物を用いることで、ISO13837で規定される紫外線透過率が1%以下のガラス物品を作製できる。これらの紫外線吸収剤は、コーティング膜中のシロキサンポリマーとの相溶性が低く、コーティング膜中の含有量を高くしにくいが、本発明におけるコーティング膜組成により厚膜化させることで、より高い紫外線遮蔽性能を実現できる。
第1の溶媒は、例えば、有機溶媒、水溶液、および/または水等であっても良い。
有機溶剤として、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ガソリン、軽油、灯油等の炭化水素類;アセトニトリル、ニトロメタン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、得られた第1の液体に、シロキサンポリマーのD体源と、シロキサンポリマーのQ体源と、第2の溶媒とを混合することにより、塗布液が調製される。塗布液は、さらに、ビスシランおよび/または酸触媒等を含んでも良い。
シロキサンポリマーのD体源は、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フェニル変性ポリジメチルシロキサン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルトリメトキシシラン、フェニルメチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等であっても良い。この際液を加熱してもよい。
シロキサンポリマーのQ体源は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシランオリゴマー等であっても良い。
第2の溶媒は、例えば、有機溶媒、水溶液、および/または水等であっても良い。
有機溶剤として、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ガソリン、軽油、灯油等の炭化水素類;アセトニトリル、ニトロメタン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
このような方法により、コーティング膜用の塗布液を調製することができる。
(塗布液の塗布工程)
次に、前述の方法で調製された塗布液が、ガラス板上に塗布される。前述のように、ガラス板の種類は特に限られない。
ガラス板への塗布液の塗布方法は、塗布液が均一に塗布される方法であれば特に限定されない。例えば、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、およびダイコート法など、公知の方法を用いることができる。
これにより、ガラス板の表面に、塗布液の被膜が形成される。ここで形成される被膜は、上記溶媒を含む被膜である。
(コーティング膜の形成)
次に、以下の方法で、前述の塗布液の被膜から、コーティング膜が形成される。
まず、塗布液の被膜に含まれる溶媒が除去される。
溶媒の除去方法は、特に限られないが、溶媒は、加熱処理および/または減圧乾燥処理により除去されても良い。
なお、この際には、最初にガラス板を室温〜120℃程度の温度下で仮乾燥することが好ましい。これにより、最終的に得られるコーティング膜のレベリング性が向上する。
仮乾燥処理の時間は、塗布液にもよるが、例えば、3秒〜2時間程度である。
その後、必要な場合、溶媒を完全に除去する処理が実施されても良い。
次に、被膜に含まれるシロキサンポリマーが硬化される。
通常、この硬化処理は、常温〜加熱状態で実施される。
硬化処理は、例えば60℃〜230℃の範囲、例えば80℃〜210℃の範囲で実施されても良い。硬化処理の時間は、塗布液にもよるが、例えば、数分〜数時間である。
なお、硬化処理は、前述の溶媒の除去処理と兼ねて実施されても良い。
硬化処理後に、ガラス板上にコーティング膜が形成される。
以上の工程により、本発明の一実施形態によるガラス物品を製造することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。以下の記載において、例1〜例12は、実施例であり、例21〜例22は、比較例である。
(例1)
以下の方法で、ガラス物品を作製した。
(塗布液の調製)
以下のように、コーティング膜用の塗布液を調製した。
まず、1.2gの紫外線吸収剤源と、4.1gのT体源と、溶媒としての3.1gの酢酸ブチルとをフラスコに入れ、還流しながら、105℃で5時間攪拌させた。その後、室温まで冷却させることにより、液体Aを得た。
紫外線吸収剤源には、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(東京化成工業社製)(以下、「UV−1」と称する)を使用した。T体源には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403;信越化学工業社製)を使用した。
次に、この液体Aに、13.4gのQ体源と、1.2gの第1のD体源と、0.06gの第2のD体源と、1.2gのビスシランと、0.1gのマレイン酸(純正化学社製)と、55.7gの2−ブタノン(純正化学社製)と、16.3gの水とを加え、50℃で2時間攪拌した。その後室温まで冷却させることにより、液体Bを得た。
Q体源には、テトラエトキシシラン(関東化学社製)を使用した。第1のD体源には、ポリエーテル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン(BYK377;ビックケミー・ジャパン社製)を使用し、第2のD体源には、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK307;ビックケミー・ジャパン社製)を使用した。ビスシランには、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン(東京化成工業社製)(以下、「BS−1」と称する)を使用した。
次に、この液体Bに、3.8gの赤外線吸収剤源を添加した。赤外線吸収剤源には、ITO超微粒子分散液(三菱マテリアル社製)(以下、「IR−1」と称する)を使用した。
これにより、塗布液が調製された。
(コーティング膜の形成)
次に、前述の方法で調製した塗布液を用いて、ガラス板の表面にコーティング膜を形成した。
ガラス板には、縦10mm×横10mm×厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(旭硝子社製)を使用した。
このガラス板の一方の表面(第1の表面)に、スピンコート法により、塗布液を塗布した。その後、ガラス板を、大気雰囲気において200℃で300分間加熱した。コーティング膜の厚さは、7μmを目標とした。
これにより、コーティング膜を有するガラス物品(以下、「例1に係るガラス物品」と称する)が得られた。
(例2〜例12)
例1と同様の方法により、ガラス物品を作製した。
ただし、これらの例では、塗布液の調製の際に使用する原料および組成を、例1の場合とは変化させた。
得られたガラス物品を、それぞれ、「例2〜例12に係るガラス物品」と称する。
以下の表1には、各例において、塗布液の調製の際に使用した原料をまとめて示す。
Figure 2019059657

なお、表1において、第1のD体源の「BYK331」は、ビックケミー・ジャパン社製のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを表し、「BYK378」は、ビックケミー・ジャパン社製のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを表す。
また、ビスシランの「BS−2」は、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(東京化成工業社製)を表し、「BS−3」は、1,8ビス(トリエトキシシリル)オクタン(Gelest社製)を表す。
(例21および例22)
例1と同様の方法により、ガラス物品を作製した。
ただし、例21および例22では、塗布液の調製の際に使用する原料および組成を、例1の場合とは変化させた。
得られたガラス物品を、それぞれ、「例21および例22に係るガラス物品」と称する。
以下の表2には、例21および例22において、塗布液の調製の際に使用した原料をまとめて示す。
Figure 2019059657

(評価)
各ガラス物品を用いて、コーティング膜についての以下の評価試験を実施した。
(D体およびQ体の評価)
コーティング膜に含まれるD体、Q体、およびT体のケイ素原子のそれぞれの量を評価した。
評価の際には、コーティング膜からサンプルを採取し、X線光電分光(ESCA)法を用いて、このサンプルの分析を行った。分析結果から、コーティング膜中に含まれるケイ素量を算定した。
また、このサンプルを用いてNMR測定を実施した。得られたチャートから、D体、Q体、およびT体のケイ素の存在割合を求めた。
(目視観察)
各ガラス物品におけるコーティング膜について、目視観察を行った。
観察の結果、コーティング膜が健全な状態のものを、○とし、クラックや剥離等が存在する場合を、×と判定した。
(耐湿試験)
各ガラス物品を、湿度95%、温度80℃の環境下に500時間保持し、耐湿試験を実施した。
試験後に、コーティング膜を目視観察した。コーティング膜に劣化が生じていない場合を○とし、劣化が生じている場合を×と判定した。
(耐アルカリ試験)
各ガラス物品を、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に2時間浸漬させ、耐アルカリ試験を実施した。
試験前後のガラス物品の厚さの差を測定し、これを、膜厚減少値とした。
(耐傷試験)
各ガラス物品を用いて、コーティング膜の耐傷試験を実施した。
コーティング膜の表面に、ボールペンを、1kgの荷重かつ60°の角度で押し当て、この状態のまま、ボールペンを水平方向に、15mm以上移動させた。その後、コーティング膜の表面における傷の発生状況を評価した。
傷が生じていない場合を○とし、傷が生じた場合を×と判定した。
以下の表3には、各ガラス物品において得られた評価結果をまとめて示す。
Figure 2019059657

表3に示すように、例1〜例12に係るガラス物品では、コーティング膜中に、約0.2質量%〜約1.7質量%のD体のケイ素原子が含まれ、約10質量%〜約28質量%のQ体のケイ素原子が含まれていることがわかる。
これに対して、例21に係るガラス物品では、Q体のケイ素原子が30質量%よりも多く含まれており、例22に係るガラス物品では、D体のケイ素原子が0.06質量%しか含まれていないことがわかる。
また、例21および例22に係るガラス物品では、作製後のコーティング膜が4μmと薄いにもかかわらず、コーティング膜にクラックが生じていた。これに対して、例1〜例12に係るガラス物品では、いずれの場合も、成膜後のコーティング膜に異常は認められなかった。
このように、例1〜例12に係るガラス物品では、コーティング膜を5μm以上の厚さで形成しても、ワレ等の問題は生じないことが確認された。
なお、例12では、耐湿度試験および耐アルカリ試験の結果が、他の例に係るガラス物品に比べて劣ることがわかった。例12では、ビスシランが添加されていない塗布液を用いて、コーティング膜が形成されている。
このことから、塗布液にビスシランを添加することにより、コーティング膜の耐湿性およびアルカリ耐性が向上するものと予想される。
100 第1のガラス物品
120 ガラス板
122 第1の表面
124 第2の表面
130 コーティング膜
150 第1の辺
152 第2の辺
154 第3の辺
156 第4の辺
158 第5の辺
160 マーク
200 第2のガラス物品
220 ガラス板
222 第1の表面
224 第2の表面
230 コーティング膜

Claims (7)

  1. 車両ドア用のガラス物品であって、
    ガラス板と、
    該ガラス板の第1の表面に設置されたコーティング膜と、
    を有し、
    前記コーティング膜は、シロキサンポリマーを主成分とし、
    前記コーティング膜は、D体のケイ素原子を0.1質量%〜2.5質量%含み、Q体のケイ素原子を5質量%〜30質量%含み、有機樹脂を含まない、ガラス物品。
  2. 前記シロキサンポリマーは、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを含む、請求項1に記載のガラス物品。
  3. 前記コーティング膜は、厚さが4μm以上の部分を有する、請求項1または2に記載のガラス物品。
  4. 前記ガラス板の前記第1の表面の一部には、マークが設置されており、
    前記マークの近傍に、前記厚さが4μm以上の部分が存在する、請求項3に記載のガラス物品。
  5. 前記コーティング膜は、前記第1の表面上の一つの方向に沿って、厚さが増加している、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のガラス物品。
  6. 前記コーティング膜は、一つの端面から、対向する別の端面に沿って厚さが増加しており、前記別の端面の近傍では、厚さが4μm以上である、請求項5に記載のガラス物品。
  7. 前記コーティング膜は、さらに、紫外線吸収剤および赤外線吸収剤の少なくとも一つを有する、請求項1乃至6に記載のいずれか一つに記載のガラス物品。
JP2017187955A 2017-09-28 2017-09-28 車両ドア用のガラス物品 Pending JP2019059657A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017187955A JP2019059657A (ja) 2017-09-28 2017-09-28 車両ドア用のガラス物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017187955A JP2019059657A (ja) 2017-09-28 2017-09-28 車両ドア用のガラス物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019059657A true JP2019059657A (ja) 2019-04-18

Family

ID=66178008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017187955A Pending JP2019059657A (ja) 2017-09-28 2017-09-28 車両ドア用のガラス物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019059657A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7486726B2 (ja) 2020-07-17 2024-05-20 国立大学法人信州大学 シリカ膜付き基板

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7486726B2 (ja) 2020-07-17 2024-05-20 国立大学法人信州大学 シリカ膜付き基板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1783185B1 (en) Coating composition and resin multilayer body
JP6004054B2 (ja) 自動車用紫外線吸収ガラス物品および自動車の摺動窓
JP6986339B2 (ja) 反射防止膜形成用組成物、反射防止膜およびその形成方法
EP2899243B1 (en) Liquid composition and glass article
EP2690145A1 (en) Liquid composition, method for producing same, and glass article
US20090011256A1 (en) Coating composition, hardened film and resin laminate
WO2010082566A1 (ja) コーティング組成物、該組成物の製造方法、およびハードコート層を有する積層体
JPWO2011142463A1 (ja) 紫外線吸収膜形成用塗布液および紫外線吸収ガラス物品
US20160362332A1 (en) Liquid composition, glass article and method of forming coating film
EP2216379B1 (en) Photocurable coating composition, film forming method, and coated article
JPWO2015166858A6 (ja) 液状組成物および抗菌性物品
JPWO2015166858A1 (ja) 液状組成物および抗菌性物品
JP5661844B2 (ja) コーティング組成物、硬化膜及び樹脂積層体
EP1798260A1 (en) Coating compositions and process for production thereof
JP6617699B2 (ja) ガラス物品
WO2017086438A1 (ja) ガラス物品
JP2019059657A (ja) 車両ドア用のガラス物品
JP5337360B2 (ja) コーティング組成物、硬化膜及び樹脂積層体
WO2017183701A1 (ja) 車両用窓ガラス
WO2015166863A1 (ja) 液状組成物およびガラス物品
CN101426869A (zh) 涂布组合物、固化膜及树脂层叠体
CN113167930B (zh) 光学构件、固化性组合物、及光学构件的制造方法
JP2024002168A (ja) 塗料組成物、ハードコート塗膜、及びハードコート塗膜付き基材
US20170217833A1 (en) Transparent substrate with coating film
JP2024030759A (ja) ガラス積層体とその製造方法