JP2019059375A - 鉄道車両用連結装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の別の目的は、無人運転で列車同士を連結する自動連結システムと親和性の高い鉄道車両用連結装置を提供することにある。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用連結装置を示している。連結装置は、自動連結システムとして機能するもので、連結器1と、駆動機構2と、制御装置3とを備えている。駆動機構2と制御装置3は、鉄道車両を連結する際に連結器1同士を連結可能な角度に調整する角度調整機構100として働くものである。
図2(a)は、救援列車30と故障列車20の距離が十分に離れている状態を示している。この場合には、故障列車20の連結器21と救援列車30の連結器31の中心軸線CA1,CA2は、各々の列車の長手方向に対して平行(共に不定でも良い)になっており、連結不可能なほど大きくずれている。
ここでは、両列車30,20は、車両の中心点が軌道の曲線状の円弧上を移動し、車両中心点の円弧接線方向を向いているものと仮定する。A点とB点間の距離Δa、B点とC点間の距離Δb、軌道の曲線の半径をR1とすると、A点とC点の角度(両連結器31,21の中心軸線CA2,CA1を調整する場合の制御角度)θはΔa,Δb,R1から計算でき、
θ=α+β
となる。
θ’=2(α+β)
となる。
また、故障列車20が軌道の直線部に停車しており、救援列車30が軌道の曲線部を走行している場合の制御角度θ’’は、
θ’’=α+β
である。
このように、救援列車30における連結器31の中心軸線CA2の角度と、故障列車20における連結器21の中心軸線CA1の角度の両方を調整することで、連結する一対の連結器31,21の中心軸線のずれに対する許容範囲をより広げることができ、曲線半径R1の小さな軌道に故障列車20が停止していた場合にも無人運転で列車同士を併合できる。
また、軌道の曲線半径R1に応じて救援列車30の連結器31のみを制御するのか、救援列車30の連結器31と故障列車20の連結器21の両方を制御するのかを切り替えても良い。
図5は、図1に示した連結装置の第1の変形例について説明するための概略図である。本第1の変形例は、図2(b)及び図4(b)に示した工程において、連結器21,31の中心軸線CA1,CA2の一致を検出する光センサ40,41を連結器31,21の上面(または下面)にそれぞれ設けたものである。光センサ40,41は、一対の連結器31,21が正対したことを検知する正対検知手段として働く。光センサ40,41としては、例えば一方を発光素子で形成し、他方を受光素子で形成し、発光素子からの光ビームを受光素子で検出したときに中心軸線CA1,CA2の一致を検出することができる。また、一方を発光素子と受光素子で形成し、他方を反射部材で形成し、発光素子からの光ビームが反射部材で反射して受光素子に戻ったことを検出したときに中心軸線CA1,CA2が一致したと判定しても良い。
このように、救援列車30と故障列車20の連結器31,21の中心軸線CA2,CA1の一致を光センサで検出することにより、一対の連結器31,21の中心軸線CA2,CA1が一致した状態を確認してから連結できるので、高精度化と高信頼性化が図れる。
図6は、図1に示した連結装置の第2の変形例について説明するための概略図である。
本第2の変形例は、図2(b)及び図4(b)に示した工程において、連結器21,31の中心軸線CA1,CA2の一致を検出するための画像センサ(カメラ)43を、連結器31の上面(または下面)に設けたものである。そして、制御装置3により画像センサ43で撮影して得たデータを画像処理して連結器21,31の中心軸線CA1,CA2の一致を検出する。あるいは、救援列車30から地上の列車集中制御装置などにデータを送信し、地上で連結器21,31の中心軸線CA1,CA2の一致を検出する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る鉄道車両用連結装置を示している。上述した第1の実施形態では、駆動機構2をモータ2aと駆動棹2bで構成したのに対し、駆動機構2をモータ2aと連結器回動機構2cで構成している。
すなわち、連結器回動機構2cは、例えばモータ2aの回転を所定の減速比で減速してトルクを増大させ、連結器1の基端部1bに大きな駆動力を伝達して、破線の矢印ADで示すように回動させるものである。基端部1bの回動により、この基端部1bを支点にして、連結器1の先端部1aが矢印AA方向に回動する。
このような構成によれば、モータ2aと連結器回動機構2cを鉄道車両4内に配置することができるので、連結部に露出する装置や部材が少なくなり、耐久性や信頼性を向上できる。
更に、第2の変形例において画像センサ43を用いて一対の連結器31,21の中心軸線CA2,CA1のずれを確認するようにしたが、画像データからずれ量(水平面上でのずれ角)を検出し、このずれ量に基づき駆動機構2を制御して、連結器31の中心軸線CA2を、故障列車20の連結器21の中心軸線CA1と一致する角度に調整するようにしてもよい。あるいは、連結器31,21の中心軸線CA2,CA1を一致する角度に調整するようにしてもよい。
Claims (8)
- 鉄道車両を連結する際に、連結器同士を連結可能な角度に調整する角度調整機構を有し、前記角度調整機構は、基端部が鉄道車両に揺動自在に支持された連結器の先端部を回動させる駆動機構と、該駆動機構による前記連結器の先端部の回動角度を制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする鉄道車両用連結装置。
- 前記連結される鉄道車両の一方が故障している場合に、故障していない鉄道車両の前記制御装置は、故障している鉄道車両の前記連結器の向きを特定し、前記駆動機構を制御して前記先端部の回動角度を、故障している鉄道車両の連結器と正対する角度に調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用連結装置。
- 前記故障している鉄道車両の連結器の向きの特定は、前記故障している鉄道車両の位置情報に応じた軌道の線形情報を取得し、連結位置での一対の連結器の中心軸線のずれ量を算出するものである、ことを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両用連結装置。
- 前記故障している鉄道車両の位置に応じた軌道の線形情報を記憶したデータベースを更に備え、前記制御装置は、前記故障している鉄道車両または地上装置から前記故障している鉄道車両の位置情報を取得し、前記データベースから前記故障している鉄道車両の位置に対応する軌道の線形情報を取得する、ことを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用連結装置。
- 前記一対の連結器が正対したことを検知する正対検知手段を更に備え、前記制御装置は、前記正対検知手段で一対の連結器の正対が検知されたときに、故障していない鉄道車両に連結を指示する、ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1つの項に記載の鉄道車両用連結装置。
- 前記連結器同士が正対しているか否かを検知する画像センサを更に備え、前記故障している鉄道車両の連結器の向きの特定は、前記画像センサにより連結器を撮影し、画像処理により連結位置での一対の連結器の中心軸線の一致を検出するものである、ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用連結装置。
- 前記連結器は、基端部が鉄道車両に水平面上で揺動自在に支持され、且つ上下の揺動自在に支持される、ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1つの項に記載の鉄道車両用連結装置。
- 前記連結器は、前記先端部の一端に設けられた守腕部と、前記先端部の他端にナックルピンによって支持されるナックル部と、連結時にナックルの揺動を固定する錠とを備える、ことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1つの項に記載の鉄道車両用連結装置。
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