JP2019058088A - レジオネラ属菌の検査方法 - Google Patents

レジオネラ属菌の検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019058088A
JP2019058088A JP2017184076A JP2017184076A JP2019058088A JP 2019058088 A JP2019058088 A JP 2019058088A JP 2017184076 A JP2017184076 A JP 2017184076A JP 2017184076 A JP2017184076 A JP 2017184076A JP 2019058088 A JP2019058088 A JP 2019058088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
legionella bacteria
legionella
growth
membrane filter
bacteria
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017184076A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7009137B2 (ja
Inventor
浩章 井上
Hiroaki Inoue
浩章 井上
ますみ 馬場
Masumi Baba
ますみ 馬場
幸恵 齊藤
Yukie Saito
幸恵 齊藤
邦雄 縣
Kunio Agata
邦雄 縣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aquas Corp
Original Assignee
Aquas Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aquas Corp filed Critical Aquas Corp
Priority to JP2017184076A priority Critical patent/JP7009137B2/ja
Publication of JP2019058088A publication Critical patent/JP2019058088A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7009137B2 publication Critical patent/JP7009137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】レジオネラ属菌の回収率が高く、検査者の熟練度が塗抹培養法ほど要求されない、検水をろ過したメンブレンフィルターを培地に直接貼付する工程を有するレジオネラ属菌の検査方法において、メンブレンフィルター上でレジオネラ属菌がコロニーを形成しやすく、また、夾雑微生物による検出不能の割合を抑制することが可能なレジオネラ属菌の検査方法を提供する。【解決手段】検水をメンブレンフィルターでろ過する工程、前記メンブレンフィルターのろ過面に、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させた粉末活性炭を重層する工程、前記メンブレンフィルターのろ過面とは反対の面をレジオネラ属菌用の選択培地に貼付する工程、および、前記レジオネラ属菌用の選択培地を培養する工程、を有するレジオネラ属菌の検査方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、レジオネラ属菌の検査方法に関する。
レジオネラ属菌はグラム陰性桿菌であり、レジオネラ症の原因微生物である。レジオネラ属菌は土壌中などに広く生息しており、水利用設備の水に入り込み、大量に増殖してレジオネラ症の感染源となるために大きな杜会問題となっている。したがって、レジオネラ症を防止するためには水利用設備の適切な衛生管理が必要である。たとえば浴場設備の浴槽水では旧厚生省による「公衆浴場における水質基準等に関する指針」において、レジオネラ属菌は不検出(10CFU/100mL(ミリリットル)未満)であることと定められており、このような厳密な衛生管理のために行うレジオネラ属菌の検査には高い精度が求められる。
一般にレジオネラ属菌の検査方法には遠心分離またはメンブレンフィルターろ過により検水(試料水)を100倍に濃縮し、その濃縮液を酸処理または熱処理後に、レジオネラ属菌の選択培地に塗抹して培養することでレジオネラ属菌を検出する塗抹培養法、もしくは酸処理または熱処理した検水をメンブレンフィルターでろ過し、そのメンブレンフィルターを選択培地に貼付して培養するフィルター貼付法がある(非特許文献1)。
塗抹培養法では濃縮操作時および塗抹操作時のレジオネラ属菌の回収率が低いことが知られている。検査の精度向上のためにはこれらの工程で回収率を上げることが求められ、検査者の熟練度が検査結果に影響しやすい。また、100倍濃縮液0.1mLを培地に接種するので、検出下限は10CFU/100mLとなるが、これ以上の高感度でレジオネラ属菌を検出するためには複数枚の培地に接種するなどの作業が必要となり、検査効率が低下する。
一方、フィルター貼付法は検水をメンブレンフィルターでろ過して選択培地に直接貼り付けるため、検査者の熟練度は塗抹培養法ほどは要求されず、高い回収率の検査を行うことができる。また、ろ過する検水の量を調整することで感度調整が自在である。しかし、メンブレンフィルター上にレジオネラ属菌以外の夾雑微生物が発育しやすく、それらのコロニーによりレジオネラ属菌の検出ができなくなる場合(検出不能)があり、この場合には再検査を行うなどの対応が必要となる。また、レジオネラ属菌はメンブレンフィルター上にコロニーを形成しにくく、このため、不検出となる場合がある。
中原俊隆編、「レジオネラ症防止指針」、第4版、公益財団法人日本建築衛生管理教育センター、平成29年7月、p.32〜38,p126,p127
本発明は、レジオネラ属菌の回収率が高く、検査者の熟練度が塗抹培養法ほどは要求されない、検水をろ過したメンブレンフィルターを培地に直接貼付する工程を有するレジオネラ属菌の検査方法において、メンブレンフィルター上でレジオネラ属菌がコロニーを形成しやすく、また、夾雑微生物による検出不能の割合を抑制することが可能なレジオネラ属菌の検査方法を提供することを目的とする。
本発明のレジオネラ属菌の検査方法は上記課題を解決するため、検水をメンブレンフィルターでろ過する工程、前記メンブレンフィルターのろ過面に、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させた粉末活性炭を重層する工程、前記メンブレンフィルターのろ過面とは反対の面をレジオネラ属菌用の選択培地に貼付する工程、および、前記レジオネラ属菌用の選択培地を培養する工程、を有することを特徴とする。
前記レジオネラ属菌の発育に必要な成分が、酵母エキス、可溶性ピロリン酸鉄、L−システインまたはその塩、および、α−ケトグルタル酸から選択される少なくとも1つを含むものとすることができる。
前記レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分を、グリシン、バンコマイシン、ポリミキシンB、チアベンダゾール、シクロヘキシミド、アムホテリシンB、ナタマイシンから選択される少なくとも1つを含むものとすることができる。
前記レジオネラ属菌用の選択培地としては、酵母エキス、可溶性ピロリン酸鉄、L−システインまたはその塩、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、を含む寒天平板培地を用いることができる。
本発明のレジオネラ属菌の検査方法は、検水をメンブレンフィルターでろ過する工程、メンブレンフィルターのろ過面に、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させた粉末活性炭を重層する工程、メンブレンフィルターのろ過面とは反対の面をレジオネラ属菌用の選択培地に貼付する工程、および、レジオネラ属菌用の選択培地を培養する工程、を有する構成により、メンブレンフィルター上でレジオネラ属菌がコロニーを形成しやすく、また、夾雑微生物による検出不能の割合を抑制することができるので、レジオネラ属菌の検査精度の向上が可能となる。
以下に本発明のレジオネラ属菌の検査方法について説明する。
<検水>
本発明のレジオネラ属菌の検査方法において、検査対象となる検水は特に限定されないが、検査方法のベースとなるフィルター貼付法自体に、メンブレンフィルター上にレジオネラ属菌以外の夾雑微生物が発育しやすいと云う性質があるため、たとえば給湯・給水系等の比較的微生物汚染度の低い検水であることが好ましい。
<レジオネラ属菌の発育に必要な成分>
レジオネラ属菌の発育に必要な成分としては、酵母エキス、可溶性ピロリン酸鉄、L−システインまたはその塩、および、α−ケトグルタル酸が挙げられ、本発明では、これらから選択される少なくとも1つをレジオネラ属菌の発育に必要な成分として用いる。なお、必要に応じてpH緩衝成分やその他の栄養素等を併用してもよい。
<レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分>
レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分としては、グリシン、バンコマイシン、ポリミキシンB、チアベンダゾール、シクロヘキシミド、アムホテリシンB、ナタマイシン等が知られており、本発明では、これらから選択される少なくとも1つをレジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分として用いることができる。なお、必要に応じて他の抗菌剤、抗真菌剤、抗生物質等を併用してもよい。
<選択培地>
本発明で用いるレジオネラ属菌用の選択培地としては、レジオネラ属菌の発育に必要な成分のうち、酵母エキス、可溶性ピロリン酸鉄、L−システインまたはその塩、の3成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分の少なくとも1つを必須成分として含有する選択培地を用いる。さらに、必要に応じて、レジオネラ属菌の発育阻害物質を吸着・除去する成分、たとえば粉末活性炭や、pH緩衝成分、その他の栄養素等を含んでいてもよい。
なお、入手が容易な選択培地の例としてはGVPC寒天培地、WYOα寒天培地、CATα寒天培地、MWY寒天培地、CCVC寒天培地、PAC寒天培地、PAV寒天培地、GVPN寒天培地などが挙げられるが、本発明ではこれらに限定されず、これら培地の各成分の配合量を調整した培地であってもよく、および/または、本発明の効果を妨げない範囲で他の成分を添加した培地であってもよい。また、選択培地として必ずしも寒天培地である必要はなく、液体培地をたとえば脱脂綿やガーゼ等に含ませて用いてもよい。
<検水の前処理、および、検水のろ過>
検水の前処理は、たとえば、以下の方法で行う。即ち、20〜100mLの検水に対して等量の酸性緩衝液、たとえば塩酸−塩化カリウム緩衝液(pH2.2)や酸性リン酸緩衝液(pH2.2、たとえば、0.2mol/Lリン酸水溶液と0.2mol/Lリン酸二水素カリウム水溶液とを適宜混合して調製)を同量混合した後、10〜20分間室温下に置く。
その後、滅菌したニトロセルロース、ミックスドセルロースエステル、ポリカーボネート、ポリ四フッ化エチレン、あるいは、ポリフッ化ビニリデン等により構成された、孔径が0.45μmや0.2μmなどのメンブレンフィルターで吸引ろ過する。ろ過後、滅菌脱イオン水でろ過ファネル内を洗浄し、再度吸引ろ過する。後述するように、判定はメンブレンフィルター上に粉末活性炭が重層された状態で行われるので、メンブレンフィルターの色には特に制限がない。なお、本発明におけるメンブレンフィルターのろ過面とは、ろ過時の検水の流れ方向上流の面を云う。
上記では検水と同量の酸性緩衝液を混合して前処理を行ったが、この操作は、検水のpHを2.2付近まで低下させて、レジオネラ属菌以外の微生物を殺菌することを目的とするものであり、検水のpHを2.2付近まで低下させることができれば、混合する酸性緩衝液は必ずしも同量である必要はない。また、先に検水のみをメンブレンフィルターで吸引ろ過し、次いで滅菌脱イオン水によりろ過ファネル内を洗浄したのち、ろ過ファネルに酸性緩衝液を注いで10〜20分、室温で放置した後に吸引ろ過を行ってもよく、この場合には酸性緩衝液の使用量を削減することができる。
<各成分と接触させた粉末活性炭の調製方法>
レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分と、接触させた粉末活性炭は、たとえばレジオネラ属菌用の選択培地の調整方法と同様の方法で調製することができる。
具体的には、まず、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分のうちで、高圧蒸気滅菌が可能な成分と、粉末活性炭と、を水に懸濁、溶解した混合液を調製する。この混合液をたとえば121℃、20分間の条件で滅菌した後、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分のうちで、加熱により分解や析出を起こす成分を少量の水に溶解し、フィルター滅菌して添加する。
このようにして調製された混合液中の粉末活性炭は、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させた状態になっている。
混合液中のレジオネラ属菌の発育に必要な成分、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、および、粉末活性炭の配合比率は特に限定されず、フィルター貼付法による培養の結果、レジオネラ属菌がコロニーを形成しやすく、また、夾雑微生物による検出不能の割合を抑制するために有効な比率をあらかじめ検討して決定するが、たとえば、レジオネラ属菌の選択培地中の各成分の配合比率と同一とすることができる。
レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させた粉末活性炭の別の調製方法としては、各成分を含有する液体を調製しておき、粉末活性炭を充填したカラムに、上記液体を通液する方法、フィルター貼付法で検査に用いるメンブレンフィルターに、予め粉末活性炭を重層しておき、そのメンブレンフィルターで上記液体をろ過する方法等を取ることができるが、本願発明はこれらに限定されず、要は、粉末活性炭をレジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させることができれば、いかなる方法も採用することができる。
<各成分と接触させた粉末活性炭の重層と選択培地への貼付>
レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分と、接触させた粉末活性炭の重層方法としては、たとえばろ過による重層、塗布による重層などが挙げられる。以下、ろ過および塗布による重層について具体的に説明する。
(a)各成分と接触させた粉末活性炭のろ過による重層
まず、ろ過により各成分と接触した粉末活性炭を重層する方法について説明する。この方法では、レジオネラ属菌の発育に必要な成分とレジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分と粉末活性炭とを含む混合液を、検水をろ過したメンブレンフィルターで吸引ろ過することで、これら各成分と接触させた粉末活性炭をメンブレンフィルターのろ過面に捕捉させたのち、ろ過面とは反対の面を選択培地に貼付する。ろ過する混合液の量はあらかじめ検討して決定するが、メンブレンフィルターのろ過面全体を粉末活性炭が覆う程度とすることが好ましい。なお、この重層方法は次に説明する、塗布による粉末活性炭の重層方法よりもより容易にかつ均一に粉末活性炭を重層することができるので好ましい。
(b)各成分と接触させた粉末活性炭の塗布による重層
塗布による重層方法では、各成分と接触した粉末活性炭を検水のろ過面に塗布し、乾燥する。塗布は検水をろ過したメンブレンフィルターの培地への貼付前に行ってもよく、あるいは、貼付後に行ってもよい。
なお、検水をメンブレンフィルターでろ過する工程と、メンブレンフィルターのろ過面に、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させた粉末活性炭を重層する工程と、の順番は特に限定されず、検水をろ過した後に粉末活性炭を重層しても、粉末活性炭を重層したメンブレンフィルターで検水をろ過しても、何れであっても構わない。
<培養、および、判定>
検水をろ過したろ過面に、各成分と接触させた粉末活性炭を重層したメンブレンフィルターが貼付された選択培地を、ろ過面(各成分と接触させた粉末活性炭層側)が下となるようにシャーレを裏返しした状態で36±1℃で5〜10日間程度培養する。培養終了後、従来のフィルター貼付法と同様にして判定を行う。具体的にはメンブレンフィルター上に発育したレジオネラ属菌が疑われる淡黄灰色湿潤コロニーを数える。これらコロニーに対してL−システイン要求性確認試験を実施し、L−システイン要求性のあるコロニーをレジオネラ属菌とする。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のレジオネラ属菌の検査方法は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のレジオネラ属菌の検査方法を適宜改変することができる。このような改変によってもなお、本発明のレジオネラ属菌の検査方法の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明のレジオネラ属菌の検査方法は、この実施例に限定されない。
<実施例:本発明のレジオネラ属菌の検査方法による検討>
各地の浴槽水26試料を検水とした。それぞれの検水20mLに酸性リン酸緩衝液(pH2.2)を等量加えて、室温で10分間酸処理した後に、ミックスドセルロースエステル製(アドバンテック社製)、直径47mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、50mLの滅菌脱イオン水でろ過ファネル内を洗浄したのち、吸引ろ過してメンブレンフィルターに残存する酸性緩衝液成分を除去した。
次に、配合量を表1に示すレジオネラ属菌の発育に必要な成分とレジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分と粉末活性炭とを含む混合液5mLを各メンブレンフィルターでろ過した。この操作により、各メンブレンフィルター上にはレジオネラ属菌の発育に必要な成分およびレジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分と接触した粉末活性炭が重層された状態となった。
Figure 2019058088
各メンブレンフィルターを、ろ過面を上にしてセーフティーキャビネット内の滅菌したろ紙上に置いて余分な水分を除去したのち、レジオネラ属菌用の選択培地であるGVPC寒天培地(直径90mm)にろ過面を上にして貼付した。貼付後、ろ過面が下側となるようにシャーレを裏返しした状態で、37℃のインキュベーター内で8日間培養し、出現した細菌コロニーのうちレジオネラ属菌が疑われるコロニーに対してL−システイン要求性確認試験を実施して、L−システイン要求性のあるコロニーをレジオネラ属菌とした。なお、この手法の検出下限は5CFU/100mLである。
<比較例1:従来のフィルター貼付法による検討>
上記の26の検水について、酸性緩衝液成分の除去後にレジオネラ属菌の発育に必要な成分とレジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分と粉末活性炭とを含む混合液のろ過を行わないこと以外は上記実施例と同様にして培養後、判定を行った。
<比較例2:塗抹培養法による検討>
上記の26の検水について塗抹培養法による検討を行った。各検水400mLを遠心沈殿(6400×g、30分間)して上清を除去した後、4mLの滅菌脱イオン水で再懸濁して100倍濃縮液を調製した。調製したそれぞれの濃縮液0.5mLに酸性リン酸緩衝液(pH2.2)を等量加えて、室温で10分間酸処理した後に、n数を2とするために、2枚のGVPC寒天培地(培地Aおよび培地B)にそれぞれ0.2mLずつ、酸処理を行った濃縮液を塗抹した。その後、実施例と同様に培養したのち、判定を行った。なお、この手法の検出下限は5CFU/100mLである。
<検討結果>
実施例、比較例1および比較例2でのレジオネラ属菌の検査結果を表2に示す。
なお、表2中、「R」はレジオネラ属菌の検出数、「O」はレジオネラ属菌以外の夾雑微生物の検出数、「OG」はレジオネラ属菌以外の夾雑微生物のコロニーにより検出不能となったことを、それぞれ表す。
Figure 2019058088
表2から理解されるように、26の検水について各検査方法でレジオネラ属菌の検査を行った結果、実施例では8サンプルからレジオネラ属菌が検出(検出率31%)し、比較例1の従来のフィルター貼付法では1サンプル(同4%)、および、比較例2の塗抹培養法では3サンプルからレジオネラ属菌が検出された(同12%)。このように、本発明の検査方法による実施例では、従来技術の検査方法による比較例1および比較例2に比して高い検出率が得られ、メンブレンフィルター上でレジオネラ属菌がコロニーを形成しやすいことが理解される。
また、夾雑微生物による汚染状況については、レジオネラ属菌以外の夾雑微生物のコロニーに覆われて、レジオネラ属菌の検査が阻害されたもの、すなわち検出不能となったサンプルは、本発明の実施例の検査方法では2サンプル、比較例1(従来のフィルター貼付法)では6サンプル、比較例2(塗抹培養法)では1サンプルであった。このことから、従来のフィルター貼付法に比べ本発明の実施例の検査方法では検出不能の発生が少ないことが確認された。
また、検出不能となるほどではなかったが夾雑微生物による汚染が観察されたサンプルの数が実施例では8サンプルであり、比較例1の11サンプルに比して少ないことも理解される。

Claims (4)

  1. 検水をメンブレンフィルターでろ過する工程、
    前記メンブレンフィルターのろ過面に、レジオネラ属菌の発育に必要な成分、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、と接触させた粉末活性炭を重層する工程、
    前記メンブレンフィルターのろ過面とは反対の面をレジオネラ属菌用の選択培地に貼付する工程、および、
    前記レジオネラ属菌用の選択培地を培養する工程、
    を有することを特徴とするレジオネラ属菌の検査方法。
  2. 前記レジオネラ属菌の発育に必要な成分が、酵母エキス、可溶性ピロリン酸鉄、L−システインまたはその塩、および、α−ケトグルタル酸から選択される少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項1に記載のレジオネラ属菌の検査方法。
  3. 前記レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分が、グリシン、バンコマイシン、ポリミキシンB、チアベンダゾール、シクロヘキシミド、アムホテリシンB、ナタマイシンから選択される少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレジオネラ属菌の検査方法。
  4. 前記レジオネラ属菌用の選択培地が、酵母エキス、可溶性ピロリン酸鉄、L−システインまたはその塩、および、レジオネラ属菌以外の微生物の発育を抑制する成分、を含む寒天平板培地であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のレジオネラ属菌の検査方法。
JP2017184076A 2017-09-25 2017-09-25 レジオネラ属菌の検査方法 Active JP7009137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184076A JP7009137B2 (ja) 2017-09-25 2017-09-25 レジオネラ属菌の検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184076A JP7009137B2 (ja) 2017-09-25 2017-09-25 レジオネラ属菌の検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019058088A true JP2019058088A (ja) 2019-04-18
JP7009137B2 JP7009137B2 (ja) 2022-01-25

Family

ID=66175628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017184076A Active JP7009137B2 (ja) 2017-09-25 2017-09-25 レジオネラ属菌の検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7009137B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113308422A (zh) * 2021-07-30 2021-08-27 山东格研生物技术有限公司 一种博兹曼军团菌分离培养基及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020174541A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 アクアス株式会社 レジオネラ属菌の検査方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003289899A (ja) * 2002-04-03 2003-10-14 Aquas Corp 試料中のレジオネラ属菌検査方法
JP2006280219A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Aquas Corp レジオネラ検査用選択培地、及び、レジオネラ属菌の培養方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003289899A (ja) * 2002-04-03 2003-10-14 Aquas Corp 試料中のレジオネラ属菌検査方法
JP2006280219A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Aquas Corp レジオネラ検査用選択培地、及び、レジオネラ属菌の培養方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113308422A (zh) * 2021-07-30 2021-08-27 山东格研生物技术有限公司 一种博兹曼军团菌分离培养基及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7009137B2 (ja) 2022-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI63059C (fi) Anordning att anvaendas vid mikrobiologiska arbeten
Hodges et al. National validation study of a swab protocol for the recovery of Bacillus anthracis spores from surfaces
MX2011013562A (es) Deteccion de bacterias que producen acido.
Levin et al. Membrane filter technique for enumeration of Pseudomonas aeruginosa
US9290789B2 (en) Method for measuring cells, and reagent for cell measurement
JP2019058088A (ja) レジオネラ属菌の検査方法
CN101970682A (zh) 检测和/或鉴别艰难梭状芽孢杆菌的方法
CN110205355A (zh) 一种微生物高灵敏检测培养基及其制备方法和应用
Biedunkiewicz et al. Fungi of the genus Exophiala in tap water-potential etiological factors of phaeohyphomycoses
JP2020174541A (ja) レジオネラ属菌の検査方法
CN104789637A (zh) 一种快速检测纺织品中大肠菌群的方法
Ditommaso et al. Failure to eradicate non-tuberculous mycobacteria upon disinfection of heater–cooler units: results of a microbiological investigation in northwestern Italy
CN110819691A (zh) 一种消毒剂灭菌效果的鉴定和评价方法
RU2558293C1 (ru) ШТАММ МИКРОМИЦЕТА Trichoderma hamatum, ОБЛАДАЮЩИЙ АНТИБАКТЕРИАЛЬНОЙ АКТИВНОСТЬЮ В ОТНОШЕНИИ ВОЗБУДИТЕЛЯ СИБИРСКОЙ ЯЗВЫ Bacillus anthracis
RU2296163C2 (ru) Способ оценки специфической активности бактериофагов
CN109988811A (zh) 一种微生物快速检测培养基及其制备方法和应用
Blyth et al. The influence of respiratory bacteria and their biochemical fractions on Aspergillus fumigatus
JP6911660B2 (ja) クロストリジウム属細菌選択分離用培地
RU2337360C1 (ru) Способ определения бактериостатических свойств антител к факторам вирулентности burkholderia pseudomallei
JPH06189739A (ja) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌検査用のスタンプ用培地及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の検査方法
Koenraad et al. Short‐term evidence of Campylobacter in a treatment plant and drain water of a connected poultry abattoir
JP7254698B2 (ja) リステリア属検出用培地
JP2024033564A (ja) レジオネラ属菌の検査方法
CN116445319B (zh) 一株具有抑菌及降解过敏原功效的解淀粉芽孢杆菌及其应用
Rogers et al. The detection of tubercle bacilli in mouth wash specimens by the use of membrane filter cultures

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20171024

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180123

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210330

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7009137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150