JP2019057363A - 放電リアクタ、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電効率をより向上できる放電リアクタと、その製造方法を提供すること。【解決手段】放電リアクタ1は、一対の電極2と、バリア層3と、多数の導電体微小粒子4とを備える。一対の電極2は、放電が生じる放電空間Sを挟んで互いに対向している。バリア層3は、誘電体からなり、電極2を被覆している。導電体微小粒子4は、導電体からなり、バリア層3の、放電空間S側の表面に付着している。多数の導電体微小粒子4は、互いに絶縁されている。【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体バリア放電によって放電を発生する放電リアクタと、その製造方法に関する。
従来から、誘電体バリア放電によって放電を発生する放電リアクタが知られている(下記特許文献1参照)。この放電リアクタは、放電が発生する放電空間と、該放電空間を挟んで互いに対向する一対の電極と、該電極を被覆するバリア層とを備える。バリア層は誘電体からなる。上記一対の電極は、交流電源に接続される。この交流電源を用いて一対の電極に交流電圧を加え、上記放電空間に放電を発生させている。
上記一対の電極に交流電圧を加えると、該一対の電極間の電界の強さが時間的に変化する。電界の強さが次第に増加し、所定値を超えると、上記放電空間において電荷(電子、イオン)の移動や増殖が繰り返され、これにより放電が形成される。
特開2015−48773号公報
上記放電リアクタでは、放電による目的生成物の生成効率、即ち単位投入電力あたりの目的生成物の生成量は重要である。特に自動車等への搭載を想定(用途として例えば排気ガス浄化など)した場合には、上記効率の低い放電リアクタの使用によって燃費悪化などの問題が生じる恐れがある。勿論、自動車への搭載に限ったことではなく、工業プラント等の非車載用途においても相応の効率確保は重要となる。
上記放電においては、目的生成物の生成促進と同時に、目的外生成物の生成抑制が重要となる。例えば、放電によってオゾンを生成する場合、目的生成物(オゾン)以外の生成物であるイオン種の生成抑制が、効率向上に寄与すると考えられる。イオン種は、放電電界によってエネルギーを供給され、加速してバリア層に衝突するため、供給されたエネルギーが熱エネルギーに変化するからである。
また、上記のオゾン生成の例では、目的生成物と目的外生成物の物理状態の違い(例えばオゾンとイオン種の生成エネルギーの違いやプロセス上の生成タイミングの違いなど)に着目し、オゾンの生成促進に寄与するプロセス導出によって、効率向上を図ることが期待される。また、上記の他にも生成された目的生成物を途中で損失することなく、使用箇所まで送出することも重要となる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、放電効率をより向上できる放電リアクタと、その製造方法を提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、誘電体バリア放電により放電を発生する放電リアクタ(1)であって、
上記放電が生じる放電空間(S)を挟んで互いに対向する一対の電極(2)と、
誘電体からなり、上記電極を被覆するバリア層(3)と、
該バリア層の上記放電空間側の表面に付着し、導電体からなり、互いに絶縁された多数の導電体微小粒子(4)と、を備える放電リアクタにある。
また、本発明の第2の態様は、上記放電リアクタの製造方法であって、
上記電極を形成する電極形成工程と、
上記電極を被覆するように上記バリア層を形成するバリア層形成工程と、
上記バリア層の表面に上記導電体微小粒子を形成する粒子形成工程と、を行い、
該粒子形成工程では、上記導電体からなるターゲットを用いてスパッタリングを行い、上記ターゲットに含まれる上記導電体の原子を上記バリア層の上記表面に付着させることにより、該表面に上記多数の導電体微小粒子を形成する、放電リアクタの製造方法にある。
上記第1の態様における放電リアクタでは、上記バリア層の表面に、導電体からなり互いに絶縁された多数の導電体微小粒子を付着させてある。そのため、放電リアクタの放電効率を高めることができる。
すなわち、上記構成にすると、バリア層の表面に到達した電荷の拡散経路上に、電荷の動きを妨げにくい導体部(すなわち導電体微小粒子)が形成されるため、電荷の移動速度を増加させることができる。したがって、放電ストリーマの放電終了時にバリア層表面に到達した電荷の、バリア層表面上での拡散緩和を促進できる。そのため、次放電を促進でき、放電リアクタの放電効率を高めることができる。
これに対して、バリア層の表面に上記導電体微小粒子を形成しなかった場合、バリア層に到達した電荷の拡散緩和を促進しにくくなる。したがって、電荷がバリア層表面に残留しやすくなり、より強い電界を発生させないと、次放電が発生しにくくなる。また、次放電を発生させるために、より高い電圧を加える必要が生じるため、目的外生成物が生成されやすくなり、効率が低下しやすくなる。
また、導電体微小粒子は微小な突起となっているため、バリア層に導電体微小粒子を形成すると、導電体微小粒子の先端において電界が集中しやすくなる。これによって、次の放電が発生しやすくなるという効果も生じる。
また、上記第2の態様における、放電リアクタの製造方法では、上記導電体微小粒子を、スパッタリングによって形成している。
スパッタリングでは、上記ターゲットから放出された上記導電体の原子が、バリア層の表面に略直角に衝突する。そのため、導電体微小粒子のアスペクト比を高くすることができ、互いに絶縁され接近した多数の導電体微小粒子を、容易に形成することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、放電効率をより向上できる放電リアクタと、その製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、放電リアクタの概念図であって、ストリーマが発生した瞬間を表したもの。 図1に続く図。 図2に続く図。 実施形態1における、電子が拡散する様子を説明するための図。 図4に続く図。 図5に続く図。 図6に続く図。 実施形態1における、放電リアクタの斜視図。 実施形態1における、放電リアクタの断面図。 実施形態1における、導電体微小粒子が形成されていない放電リアクタの、消費電力とオゾン生成効率との関係を表したグラフ。 実施形態1における、導電体微小粒子が形成されていない放電リアクタの、印加電圧とオゾン生成効率との関係を表したグラフ。 実施形態1における、Auスパッタを20秒行って導電体微小粒子を形成した放電リアクタの、消費電力とオゾン生成効率との関係を表したグラフ。 実施形態1における、Auスパッタを20秒行って導電体微小粒子を形成した放電リアクタの、印加電圧とオゾン生成効率との関係を表したグラフ。 実施形態1における、Auスパッタを60秒行った放電リアクタの、消費電力とオゾン生成効率との関係を表したグラフ。 実施形態1における、Auスパッタを60秒行った放電リアクタの、印加電圧とオゾン生成効率との関係を表したグラフ。 図10〜図15のグラフを取得したときに用いた放電リアクタの概念図。 実施形態1における、サンプルAの推定断面図。 実施形態1における、サンプルBの推定断面図。 比較形態における、放電リアクタの概念図。
(実施形態1)
上記放電リアクタに係る実施形態について、図1〜図18を参照して説明する。図1に示すごとく、本形態の放電リアクタ1は、一対の電極2と、バリア層3と、多数の導電体微小粒子4とを備える。一対の電極2は、放電が生じる放電空間Sを挟んで互いに対向している。バリア層3は、誘電体からなり、電極2を被覆している。
導電体微小粒子4は、導電体からなり、バリア層3の、放電空間S側の表面に付着している。多数の導電体微小粒子4は、互いに絶縁されている。
本形態の放電リアクタ1は、放電によって空気中の酸素をオゾンに変化させるための、オゾナイザである。本形態では、このオゾナイザを車両に搭載している。そして、発生したオゾンを車両の排管に導入し、排ガスを浄化している。より詳しくは、生成したオゾンを用いて、排ガス中のNOをNO2に酸化し、このNO2を、排ガスの下流に設けられたLNT(Lean NOx Trap)を用いて吸着し、排ガスから除去している。
図8、図9に示すごとく、本形態の放電リアクタ1は、複数枚の絶縁基板5と、ケース10とを備える。互いに隣り合う2枚の絶縁基板5の間に、放電空間Sが形成されている。この放電空間Sに空気を送り、この空気中の酸素を、放電を用いてオゾンに変化させている。ケース10には、上記電極2を交流電源9(図1参照)に電気接続するための接続端子29が設けられている。
図1に示すごとく、絶縁基板5の表面に、電極2が形成されている。この電極2を、バリア層3によって被覆してある。バリア層3は、アルミナ等のセラミックスからなる。バリア層3の表面には、多数の導電体微小粒子4が形成されている。導電体微小粒子4の平均粒子径は24nmであり、平均粒子間距離は6nmとなっている。
交流電源9を用いて一対の電極2間に交流電圧を加えると、一対の電極2間の電界Eの強さが時間的に変化する。電界Eの強さが0の状態から次第に増加し、所定値を超えると、図1に示すごとく、放電ストリーマ8(電荷束)が成長形成され、バリア層3間での電荷の移動が生じる。
上記ストリーマ8は、図2に示すごとく、バリア層3(正電荷は3b側、負電荷は3a側)へ到達する。このとき、ストリーマ8によって帯電電界Estが発生する。帯電電界Estは、交流電源9によって生じる電源電界Eとは向きが逆になっている。そのため、この帯電電界Estによって電源電界Eが打ち消され、電源電界Eの強度が弱くなる。したがって、強い帯電電界Estが発生している期間は、次のストリーマが放射されにくい。
しかしながら、本形態ではバリア層3に多数の導電体微小粒子4を形成してあるため、図3に示すごとく、ストリーマ8起因のバリア層表面電荷が、短時間で拡散する。そのため、帯電電界Estが短時間で低下し、次のストリーマ(8’)が放射されやすくなる。
ストリーマ8に含まれる電荷(主に電子について説明)が拡散する過程を、図4〜図7を用いて説明する。電子は、隣り合う導電体微小粒子4の間における、バリア層3の露出面39(図4参照)と、導電体微小粒子4(図5参照)とを通って、拡散する。バリア層3は誘電体、すなわち絶縁体によって構成されているため、露出面39における電子の移動速度は遅いと考えられる。しかしながら、本形態では露出面39に、該露出面39よりも電荷が高速で移動できる導電体微小粒子4を多数、形成してある。そのため、電子は導電体微小粒子4と、絶縁体表面を交互に移動する。したがって、電子が導電体微小粒子4を移動する分、拡散性を向上できると考えられる。
この後、図6、図7に示すごとく、電子は、露出面39と導電体微小粒子4とを交互に移動して、拡散する。上述したように、電子は、導電体微小粒子4内を短時間で移動できる。そのため、電子がバリア層3に到達した後、電子は短時間で拡散できる。したがって、帯電電界Est(図3参照)を短時間で低下させることができ、この帯電電界Estによって電源電界Eが打ち消される時間を短くすることができる。そのため、次のストリーマ8’が放出されやすくなり、次放電が発生するまでの印加電圧の増加を抑制でき、目的外生成物の生成を抑制できる。これにより、放電効率を高めることができる。
次に、放電リアクタの製造方法について説明する。本形態では、電極形成工程と、バリア層形成工程と、粒子形成工程とを行う。電極形成工程では、絶縁基板5(図1参照)の表面に電極2を形成する。バリア層形成工程では、電極2を覆うようにバリア層3を形成する。
粒子形成工程では、バリア層3の表面に導電体微小粒子4を形成する。粒子形成工程では、導電体からなるターゲットを用いてスパッタリングを行う。そして、ターゲットに含まれる導電体の原子をバリア層3の表面に付着させる。これにより、多数の導電体微小粒子4を形成する。なお、上記導電体は、Au、Pt、Pd、Ir、Ru、Os、Ag、Rh、Cuから選択されるいずれか一種を用いることが好ましい。
本発明の効果を確認するための実験を行った。まず、図16に示すごとく、放電空間Sを一つだけ備え、線状の電極2を有する、放電リアクトル1のサンプルを形成した。電極2は、図16の紙面に直交する方向に延びている。この電極2を、各導電基板5に2本、形成した。電極2の線幅Wは0.1mmとし、ピッチPは0.5mmとした。この電極2を覆うように、アルミナからなり厚さ0.3mmのバリア層3を形成した。このような構造のサンプルを3個(サンプル1、サンプル2、サンプル3)作成した。
サンプル1には、バリア層3の表面に上記スパッタリングを行わなかった。そのため、サンプル1のバリア層3の表面には導電体微小粒子4は形成されていない。
また、サンプル2では、バリア層3の表面に、Auをターゲットとしたスパッタリングを、所定条件で20s行った。スパッタリングによる狙い膜厚は、10nm未満とした。これにより、バリア層3の表面に、互いに絶縁された多数の導電体微小粒子4を形成した。スパッタリングを行った後、テスターの2つの端子を1cm離して、バリア層3の表面に接触させ、端子間の抵抗を測定した。2端子間の抵抗は0.15〜9.5MΩ/cmであった。この測定により、サンプル2における多数の導電体微小粒子4は、全体として導電性を有しておらず、個々の導電体微小粒子4は互いに絶縁されていることを確認した。
また、サンプル3では、サンプル2と同じ条件のスパッタリングを60s行った。スパッタリングによる狙い膜厚は、100nmとした。また、スパッタリングを行った後、テスターの2つの端子を1cm離して、バリア層3の表面に接触させ、端子間の抵抗を測定した。2端子間の抵抗は10〜70kΩ/cmであった。この測定により、サンプル3におけるバリア層3の表面には、導電性を有する膜が形成されていること、すなわち多数の導電体微小粒子4が互いに絶縁された状態で形成さていないことを確認した。
上記サンプル1の電極2に交流電圧を加え、放電空間Sに放電を発生させた。交流電圧の周波数は、4、8、10、12kHzに条件振りした。また、放電空間Sに空気を送り、上記放電を用いて空気中の酸素をオゾンに変化させた。そして、消費電力とオゾン生成効率との関係を調査した。その結果を図10に示す。また、同じ実験結果を用いて、印加電圧の振幅とオゾン生成効率との関係をグラフにしたものを図11に示す。オゾンの生成効率は、実測での最大性能レベルが概ね120g/kWhであることが確認された。
また、バリア層3の表面に、互いに絶縁した多数の導電体微小粒子4を形成した上記サンプル2を用いて、消費電力とオゾン生成効率との関係を調査した。その結果を図12に示す。また、同じ実験結果を用いて、印加電圧の振幅とオゾン生成効率との関係をグラフにしたものを図13に示す。オゾンの生成効率は、実測での最大性能レベルが概ね150g/kWhであることが確認された。
同様に、バリア層3の表面に導電体膜を形成した上記サンプル3を用いて、消費電力とオゾン生成効率との関係(図14参照)、及び印加電圧の振幅とオゾン生成効率との関係(図15参照)を調査した。オゾンの生成効率は、実測での最大性能レベルが概ね100g/kWhであることが確認された。
上記実験結果から、本発明に係るサンプル2は、バリア層3に導電体微小粒子4を形成していないサンプル1と比較して、オゾン生成効率の約20%以上の向上を期待できることを確認できた。これは、本発明に係るサンプル2では導電体微小粒子4を形成してあるため、放電効率を高めることができ、オゾンを効率的に生成できるからだと考えられる。
また、バリア層3の表面に導電体膜を形成したサンプル3は、サンプル2と比較してオゾンの生成効率が低下することを確認できた。これは、導電体膜が形成された場合、一層の電荷拡散が促進され、バリア層表面上での過渡的な電荷分布が速やかに緩和され、その結果、放電点が不均等化することで、効率低下を引き起こしていると考えられる。すなわち、放電リアクタは、GAP間距離等の僅かなばらつき等の構造起因によって、放電を起こしやすい部位や、起こしにくい部位が存在している。バリア層表面の電荷拡散を緩和しにくいサンプル1のような状態だと、ストリーマ放電後、暫くは電荷残り分布によって次放電が形成されにくくなり、上記放電の位置的集中が緩和される傾向にあると考えられる。一方、サンプル3では導電体膜の形成によって電荷分布の均等化が過剰に促進され、放電を起こしやすい位置で放電が生じやすく、結果として一旦形成された放電生成物を再び破壊する等していると考えられる。
次に、バリア層3の表面の観察結果について説明する。まず、バリア層3の表面にAuスパッタを行い、サンプルA,Bを作成した。サンプルAはAuスパッタを所定条件で20s行い、狙い膜厚を50nmとした。また、サンプルBはサンプルAと同じ条件でAuスパッタを40s行い、狙い膜厚を100nmとした。サンプルAでは、バリア層3の表面に多数の導電体微小粒子4が形成されている。また、サンプルBでは、導電体微小粒子4が互いに接続し、導電体膜が形成されている。
これらのサンプルA,Bの表面を、SPM(走査型プローブ顕微鏡)を用いて観察した。観察装置には、ブルカー・エイエックスエス社製MultiMode8を用いた。コントロールステーションにはNanoscope V型を用いた。また、SPMはPF-QNMモードとし、スキャンサイズは500×500nmとした。観察結果を以下に記す。
Figure 2019057363
サンプルA,Bの最大膜厚は同等であるが、平均粗さは、本発明に係るサンプルAの方が大きい。これから、サンプルAは、バリア層3の表面がAuで覆われる途上にあると推察される。また、偏り度と尖度の値から、サンプルAは、図17のように、互いに絶縁された多数の導電体微小粒子4が形成され、全体の表面粗さが大きく、山と谷の割合が同等であると推察される。また、サンプルBは、図18のように、多数の導電体微小粒子4が互いに接続して導電体膜が形成され、谷の方が鋭い状態になっていると推察される。
また、上記観察結果から、本発明に係るサンプルAは、導電体微小粒子4の平均粒子径が25nm以下であることが確認された。さらに、本発明に係るサンプルAは、多数の導電体微小粒子4を平均化した厚さが、導電体微小粒子4の最大高さの37%であることが確認された。
本形態の作用効果について説明する。本形態では、バリア層3の表面に、導電体からなり互いに絶縁された多数の導電体微小粒子4を付着させてある。そのため、放電リアクタ1の放電効率を高めることができる。
すなわち、上記構成にすると、バリア層3の表面に到達した電荷の拡散経路上に、電荷の動きを妨げにくい導体部(すなわち導電体微小粒子4)が形成されるため、電荷の移動速度を増加させることができる。したがって、放電ストリーマの放電終了時にバリア層表面に到達した電荷の、バリア層表面上での拡散緩和を促進できる。そのため、次放電を促進でき、放電リアクタ1の放電効率を高めることができる。
これに対して、バリア層3の表面に導電体微小粒子4を形成しなかった場合(図19参照)は、バリア層3に到達した電荷の拡散緩和を促進しにくくなる。したがって、電荷がバリア層3の表面に残留しやすくなり、より強い電界を発生させないと、次放電が発生しにくくなる。また、次放電を発生させるために、より高い電圧を加える必要が生じるため、目的外生成物が生成されやすくなり、効率が低下しやすくなる。
また、導電体微小粒子4は微小な突起となっているため、バリア層3に導電体微小粒子4を形成すると、導電体微小粒子4の先端において電界が集中しやすくなる。これによって、次の放電が発生しやすくなるという効果も生じる。
なお、上記多数の導電体微粒子4が絶縁されておらず、互いに接続して導電体膜が形成された状態になると、バリア層3の露出面積が減り、放電効率が低下しやすくなる。
また、本形態では、多数の導電体微小粒子4の平均粒子径を25nm以下としてある。そのため、放電効率をより高くすることができる。平均粒子径が25nmより大きくなると、導電体膜の導電性が発現し、放電効率の低下が引き起こされると考えられる。
また、本形態では、バリア層3の、導電体微小粒子4が形成された表面における2点間の電気抵抗は、0.1〜10MΩ/cmである。
すなわち、多数の導電体微小粒子4からなる膜が、全体として高い電気抵抗を有する状態になっている。この場合は、多数の導電体微小粒子4が互いに離隔しているため、ある程度のバリア層3を露出させることができる。そのため、放電効率を向上できる。
また、導電体微小粒子4を構成する導電体の導電率は104S/m以上であることが好ましい。
この場合には、導電体の導電率が充分に高いため、電子が導電体微小粒子4内を移動しやすくなる。そのため、バリア層3に到達した電子を短時間で拡散でき、放電リアクタ1の放電効率を高めることができる。
また、導電体微小粒子4を構成する導電体は、Au、Pt、Pd、Ir、Ru、Os、Ag、Rh、Cuから選択されることが好ましい。
これらの金属は、放電に対する耐久性が高い。そのため、これらの金属を用いれば、放電によって劣化しにくい導電体微小粒子4を形成することができ、長期間にわたって、放電リアクタ1の放電効率を高めることができる。
なお、導電体は、Au、Pt、Pd、Ir、Ru、Osのいずれかであることが、より好ましい。これらの金属は酸化しにくいため、特に耐久性が高い。さらに好ましくはAu又はPtであり、特に好ましくはAuである。
また、上記多数の導電体微小粒子4は、平坦化したときの厚さが2〜20nmであることが好ましい。
上記厚さが2nm未満の場合は、バリア層3に付着した導電体の量が少なすぎる可能性がある。そのため、バリア層3に到達した電子が短時間で拡散できない可能性が考えられる。また、上記厚さが20nmを超える場合は、バリア層3に付着した導電体の量が多すぎる可能性がある。そのため、バリア層3が露出しにくくなり、放電効率が低下する可能性が考えられる。
また、導電体微小粒子4を平均化したときの厚さは、導電体微小粒子4の最大高さの5〜50%であることが好ましい。
上記値が5%未満の場合は、導電体微小粒子4がバリア層3の表面に殆ど存在せず、バリア層3に到達した電子が短時間で拡散できない可能性がある。また、上記値が50%を超えると、導電体膜の導電性が発現し、放電効率が低下する可能性がある。
また、本形態における放電リアクタ1の製造方法では、上記電極形成工程と、バリア層形成工程と、粒子形成工程とを行う。粒子形成工程では、導電体からなるターゲットを用いてスパッタリングを行い、該ターゲットに含まれる導電体の原子をバリア層3の表面に付着させることにより、該表面に多数の導電体微小粒子4を形成する。
スパッタリングでは、上記ターゲットから放出された導電体の原子が、バリア層3の表面に略直角に衝突する。そのため、導電体微小粒子4のアスペクト比を高くすることができ、互いに絶縁され接近した多数の導電体微小粒子4を、容易に形成することができる。
以上のごとく、本形態によれば、放電効率をより向上できる放電リアクタと、その製造方法を提供することができる。
1 放電リアクタ
2 電極
3 バリア層
4 導電体微小粒子

Claims (8)

  1. 誘電体バリア放電により放電を発生する放電リアクタ(1)であって、
    上記放電が生じる放電空間(S)を挟んで互いに対向する一対の電極(2)と、
    誘電体からなり、上記電極を被覆するバリア層(3)と、
    該バリア層の上記放電空間側の表面に付着し、導電体からなり、互いに絶縁された多数の導電体微小粒子(4)と、を備える放電リアクタ。
  2. 上記導電体微小粒子の平均粒子径は25nm以下である、請求項1に記載の放電リアクタ。
  3. 上記バリア層の、上記導電体微小粒子が形成された表面における2点間の電気抵抗は、0.1〜10MΩ/cmである、請求項1又は2に記載の放電リアクタ。
  4. 上記導電体微小粒子を構成する上記導電体の導電率は104S/m以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の放電リアクタ。
  5. 上記導電体微小粒子を構成する上記導電体は、Au、Pt、Pd、Ir、Ru、Os、Ag、Rh、Cuから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の放電リアクタ。
  6. 上記多数の導電体微小粒子は、平坦化したときの厚さが2〜20nmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の放電リアクタ。
  7. 上記多数の導電体微小粒子を平均化したときの厚さは、該導電体微小粒子の最大高さの5〜50%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の放電リアクタ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の放電リアクタの製造方法であって、
    上記電極を形成する電極形成工程と、
    上記電極を被覆するように上記バリア層を形成するバリア層形成工程と、
    上記バリア層の表面に上記導電体微小粒子を形成する粒子形成工程と、を行い、
    該粒子形成工程では、上記導電体からなるターゲットを用いてスパッタリングを行い、上記ターゲットに含まれる上記導電体の原子を上記バリア層の上記表面に付着させることにより、該表面に上記多数の導電体微小粒子を形成する、放電リアクタの製造方法。
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