JP2016193428A - 触媒担持電極およびそれを用いたガス処理装置 - Google Patents

触媒担持電極およびそれを用いたガス処理装置 Download PDF

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貴紀 松本
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Abstract

【課題】ガスの分解効率を改善できる新規な技術を提供する。
【解決手段】貴金属触媒4が担持される触媒担持電極10は、金属材料からなる電極基材1と、電極基材1の表面に形成され、貴金属触媒4が担持される酸化皮膜2と、酸化皮膜2の表面の少なくとも一部に固定され、貴金属触媒4が担持される無機粒子3と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒担持電極およびそれを用いたガス処理装置に関する。
近年、大気中の揮発性有機化合物、窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素等による大気汚染が問題となり、これら有害ガスの分解方法や分解装置として、低温プラズマを用いた方法や装置が提案されている。低温プラズマは装置が簡単であること、および反応性に富んだ活性種が利用できる化学反応であることから、反応が瞬時に進行するため、効率よくガス中に存在する有害ガスを分解することが期待できる。またプラズマと触媒を併用することで、触媒の種類によってその程度は異なるがプラズマによって触媒表面がクリーニングされるため、被毒による触媒活性の低下を抑制でき、ガス処理効果を持続する効果もある。
また、低温プラズマは、他の技術との複合化が容易であるため、様々な形態の複合プロセスが可能であることも知られている。例えばその1つとして、プラズマ発光光によって光触媒である酸化チタンを励起することにより、この光触媒と接触する有害物質を分解する方法が提案されている(特許文献1)。また、プラズマ発生空間内に金粒子を含む触媒体を配置した燃焼排ガスの分解方法も提案されている(特許文献2)。
特開2002−273208号公報 特開2011−207202号公報
しかしながら、光触媒では分解速度が遅く、また、貴金属触媒を金属材料によって構成される電極の表面に担持しようとすると触媒の担持量が十分でなく、そのためガスの分解効率が十分でないという問題がある。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ガスの分解効率を改善できる新規な技術を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 貴金属触媒が担持される触媒担持電極であって、
金属材料からなる電極基材と、
前記電極基材の表面に形成され、前記貴金属触媒が担持される酸化皮膜と、
前記酸化皮膜の表面の少なくとも一部に固定され、前記貴金属触媒が担持される無機粒子と、を備えることを特徴とする触媒担持電極。
[2] 前記酸化皮膜および前記無機粒子の層のBET比表面積が1m2/g以上、50m2/g以下であることを特徴とする[1]に記載の触媒担持電極。
[3] 前記貴金属触媒が平均粒子径1nm以上、5nm以下の金粒子であることを特徴とする[1]または[2]に記載の触媒担持電極。
[4] 前記酸化皮膜および前記無機粒子に対する前記金粒子の担持量が前記触媒担持電極に対して、0.1質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする[3]に記載の触媒担持電極。
[5] 前記金属材料がバルブ金属であることを特徴とする[1]から[4]のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
[6] 前記無機粒子の平均粒子径が10nm以上、100nm以下であり、前記無機粒子が固定される量が前記電極基材および前記酸化皮膜の100質量部に対して1質量部以上、10質量部以下であることを特徴とする[1]から[5]のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
[7] 前記酸化皮膜および前記電極基材の積層方向における前記無機粒子の層の厚さが10nm以上、1000nm以下であることを特徴とする[1]から[6]のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
[8] 前記酸化皮膜が陽極酸化皮膜であることを特徴とする[1]から[7]のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
[9] 前記触媒担持電極がプラズマ発生用の電極であることを特徴とする[1]から[8]のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
[10] [1]から[9]のいずれか一つに記載の触媒担持電極であって、前記電極基材の両面において、前記酸化皮膜および前記無機粒子を有する第1の電極と、
前記第1の電極の両面のそれぞれに対向する位置に配置される2つの第2の電極と、を備え、
前記第1の電極と前記各第2の電極の間に電圧を印加して放電を起こすことによりプラズマを発生させるとともに、前記第1の電極が有する前記貴金属触媒および前記プラズマに処理対象ガスを接触させて分解することを特徴とするガス処理装置。
本発明によれば、ガスの分解効率を改善できる新規な技術を提供することができる。
本発明の実施形態に係る触媒担持電極の断面模式図である。 本発明の実施形態に係る触媒担持電極を用いたガス処理装置の構成の概要を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
図1は、本実施形態である触媒担持電極10の断面を模式的に表した図である。図1から理解できるように、本実施形態の触媒担持電極10は、貴金属触媒4が担持されている電極であって、金属材料からなる電極基材1と、電極基材1の表面に形成され、貴金属触媒4が担持される酸化皮膜2と、酸化皮膜2の表面の少なくとも一部に固定され、貴金属触媒4が担持される無機粒子3と、を備える。
電極基材1の形状は、本実施形態の触媒担持電極10が電極として機能する形状であれば特に限定されず、当業者が適宜設定できる。具体的な電極基材1の形状としては、格子状や簾状、パンチング加工などによる多孔状やエキスパンドメッシュ状の構造が挙げられ、これらの構造を2種以上組み合わせた構造であってもよい。また、針状、コイル状の構造でもよい。中でも、電極基材1の構造として、処理対象ガスとの接触機会を増やすことができる形状である格子状、簾状、パンチング加工などによる多孔状、エキスパンドメッシュ状などの多孔構造が好ましい。
電極基材1を構成する金属材料は、本実施形態の触媒担持電極10が電極として機能する材料を用いることができ、金属や合金を適宜用いればよい。中でも酸化皮膜2を形成可能な金属やその合金を用いることが好ましい。電極基材1を構成するより好ましい金属材料としては、酸化皮膜2として陽極酸化皮膜を形成しやすい、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、マグネシウム、タングステン、ビスマス、アンチモンなどのバルブ金属を挙げることができる。
酸化皮膜2および電極基材1の積層方向(図1の上下方向)における無機粒子層(無機粒子3の層)3Lの厚さ(以下、単に厚さともいう)は、10nm以上、1000nm以下が好ましい。図1に示すように、無機粒子層3Lは、主に、酸化皮膜2の表面上に並べられた無機粒子3によって構成される。無機粒子層3Lの厚さが10nm未満である場合、上記範囲(10〜1000nm)内にある場合と比べて、酸化皮膜2および無機粒子3の表面に貴金属触媒4を担持し難くなる。また、無機粒子層3Lの厚さが1000nmを超えると、無機粒子層3Lの厚さが厚くなりすぎてしまい、上記範囲内にある場合と比べて、酸化皮膜2から無機粒子層3Lが剥離しやすくなる。
酸化皮膜2としては、特に限定されるものではないが、電極基材1を構成している金属材料に由来する金属酸化物が好ましい。また、酸化皮膜2の形成手段は、特に限定されるものではなく、コーティングによって形成してもよいが、電極基材1からの剥離し難さという点から、陽極酸化による皮膜形成方法が好ましい。陽極酸化皮膜として形成される酸化皮膜2としては、前述のバルブ金属の酸化物により構成される酸化皮膜を挙げることができる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化アンチモンなどにより構成される酸化皮膜2が挙げられる。また、触媒担持電極10をプラズマ発生用の電極として用いる場合、酸化皮膜2は、絶縁体としても働く。
陽極酸化処理の方法は公知の方法を用いることができ、例えば、酸濃度1〜10質量%の溶液中で、酸化皮膜2を形成する金属板を陽極として通電する方法を、電極基材1を構成する金属材料に適用することで、酸化皮膜2を形成することができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、例えば燐酸、クロム酸、蓚酸、硫酸、クエン酸、マロン酸、酒石酸水溶液等を挙げることができる。また、結晶性を制御するためには加熱処理をしてもよい。また、γ-アルミナやα-アルミナなどの結晶性を有する酸化皮膜2を形成する場合は、炭酸ナトリウムや、燐酸ナトリウムを含む水溶液中で火花放電をアルミニウム上に形成させる方法や、硫酸水素ナトリウムと硫酸水素アンモニウムを含む溶融塩中で陽極酸化する方法が用いられる。電極基材1を構成する金属材料によっては、陽極酸化により細孔が形成され、さらに酸化処理における印加電圧、処理温度、処理時間などの条件により、細孔の径、細孔の間隔、膜厚などを調整することができる。
本実施形態においては、酸化皮膜2の表面の少なくとも一部に無機粒子3が固定される。
無機粒子3としては特に限定されるものではないが、金属酸化物、または物理的な吸着性を有する、ゼオライトなどの多孔質の無機化合物からなる粒子を用いることが好ましい。特に、無機粒子3としては、貴金属触媒4に対する吸着能が高く、且つ貴金属触媒4が凝集しにくい物質が好ましく、CeO2、ZrO2、Al2O3、TiO2などのうち1種または2種以上からなる無機粒子が挙げられる。
無機粒子3を固定しない酸化皮膜2のみに貴金属触媒4を担持しても、貴金属触媒4の担持量が少なく触媒担持電極10の触媒活性が低い。一方、本実施形態では、無機粒子3を酸化皮膜2に固定することによって、酸化皮膜2の表面だけでなく、無機粒子3の表面にも貴金属触媒4を担持することができるため、貴金属触媒4を担持可能な量が増え、本実施形態の触媒担持電極10の触媒活性が向上している。そのため、触媒担持電極10をプラズマ発生用電極としてガス分解のためのガス処理装置に用いたときに、ガス分解効率を高めることができる。
無機粒子3の平均粒子径は10nm以上、100nm以下であることが好ましい。無機粒子3の平均粒子径が10nm未満である場合、上記範囲(10〜100nm)内にある場合と比較して、無機粒子3上に貴金属触媒4を担持し難くなる。また、無機粒子3の平均粒子径が100nmを超えると、上記範囲内にある場合と比較して酸化皮膜2から無機粒子3が剥離しやすくなる。なお、ここでいう平均粒子径とは、体積平均粒子径のことをいう。本明細書において、特に記載しない限りは、平均粒子径は体積平均粒子径とする。
無機粒子3の固定量としては、酸化皮膜2および電極基材1を100質量部とするときに1質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは2質量部以上、8質量部以下である。無機粒子3の固定量が1質量部未満である場合、上記範囲(1〜10質量部)内にある場合と比較して、充分な量の貴金属触媒4を担持することができない。また、10質量部を超えて無機粒子3を固定しても貴金属触媒4の担持量を増やす効果があまり高くならないため、無機粒子3の固定量は10質量部以下が好ましい。
本実施形態の触媒担持電極10において、酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積(貴金属触媒4が担持されていない状態での酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積)は、1m2/g以上、50m2/g以下が好ましい。BET比表面積の測定方法は、JIS Z8830に規定されている。
酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積を1m2/g以上とすることで、触媒担持電極10をプラズマ発生用電極としてガス分解のためのガス処理装置に用いたときの、ガス分解効率をさらに高めることができる。なお、ガス分解効率をさらに高めることのできる理由については一概にはいえないが、その理由の1つとして、酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積を1m2/g以上とすることで、酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積が1m2/g未満である場合と比較して、貴金属触媒4が担持可能な量を大きく増やすことができるためと考えられる。
一方、酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積を50m2/gより大きくする場合、酸化皮膜2のBET比表面積にもよるが、無機粒子層3LのBET比表面積を大きくする必要があり、このように無機粒子層3LのBET比表面積を大きくしようとすると、無機粒子層3Lの厚さも大きくなり、無機粒子層3Lの厚さが1000nmを超えるようになる。無機粒子層3Lの当該厚さが1000nmより大きくなると、前述のように無機粒子層3Lが電極基材1から剥離し易くなるため、酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は50m2/g以下が好ましい。
無機粒子3の酸化皮膜2への固定方法は、貴金属触媒4の担持が可能である限り特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、無機粒子3の材料となる固形の無機化合物をメタノールやエタノール、MEK(methyl ethyl ketone)、アセトン、キシレン、トルエンなどの分散媒に分散させる。ここで、無機化合物の分散を促進させる為に、必要に応じて界面活性剤や、塩酸、硫酸などの鉱酸や、酢酸、クエン酸などのカルボン酸などを用いて分散液を調製するようにしてもよい。続いて、ビーズミルやボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、ホモジナイザーなどの装置を用いて無機化合物を分散媒中で解砕・分散させ、無機粒子3を含むスラリーを作製する。
続いて、以上のようにして得られた無機粒子3が分散したスラリーを、酸化皮膜2の表面に塗布する。スラリーの酸化皮膜2表面への塗布方法としては、一般に行われているスピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、キャストコート法、バーコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法を用いればよく、目的に合った塗布ができれば特に限定されない。
本実施形態の触媒担持電極10では、酸化皮膜2および無機粒子3において貴金属触媒4が担持されている。
貴金属触媒4は、酸化分解反応を促進する触媒機能を有すれば、限定されるものではなく、好ましくは酸化触媒能の高い、白金粒子(Pt)、金粒子(Au)、銀粒子(Ag)が挙げられ、中でもAuが好ましい。
貴金属触媒4がAuの場合、その平均粒子径は1nm以上、5nm以下が好ましい。貴金属触媒(Au)4の平均粒子径が5nmを超えると上記範囲(1〜5nm)内である場合と比較して触媒能が低下する。また、貴金属触媒(Au)4の平均粒径が1nm未満では、貴金属触媒(Au)4が物質として非常に不安定となる。
貴金属触媒4の担持量は、貴金属触媒4がAuの場合、本実施形態の触媒担持電極10に対して0.1質量%以上、20質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.25質量%以上、17質量%以下である。貴金属触媒(Au)4の担持量を0.1質量%以上とすることで、触媒担持電極10をプラズマ発生用電極としてガス分解のためのガス処理装置に用いたときのガス分解効率をさらに高めることができる。また、貴金属触媒(Au)4の担持量が20質量%を超えると、貴金属触媒(Au)4同士の凝集により、上記範囲(0.1〜20質量%)内にある場合と比較して触媒活性が低下する。
貴金属触媒4を無機粒子3や酸化皮膜2に担持させる方法については特に限定されず、当業者が適宜選択することができる。具体的には、共沈法、析出沈殿法、析出還元法、含漬法、イオン交換法、ゾル−ゲル法、滴下中和沈殿法、還元剤添加法、pH制御中和沈殿法、混練法、水熱合成法、気相合成法等、カルボン酸金属塩添加法等の公知の方法が挙げられ、これらの方法は酸化皮膜2や無機粒子3を構成する材料等に応じて適宜使い分けることができる。
次に、本実施形態の触媒担持電極10を備えるガス処理装置100について説明する。図2は一例である本実施形態のガス処理装置100の構成の概要を示す図である。
当該一例として示すガス処理装置100において、触媒担持電極10(第1の電極に相当)はシート状の形状を有しており、印加電極として用いられる。ここで、図2に示す印加電極10では、両面(上面および下面)のそれぞれにおいて、酸化皮膜2および無機粒子層3Lが形成されているとともに、酸化皮膜2および無機粒子3に貴金属触媒4が担持されている。また、ガス処理装置100は、さらに、接地電極11、誘電体12、電源13を備える。印加電極10の両面のそれぞれに対向するように2つ接地電極11(第2の電極に相当)が配置され、接地電極11には印加電極10側に誘電体12が積層されている。これらはプラズマを発生させるための装置であり、電源13によって印加電極10と接地電極11の間に電圧が印加されることで、印加電極10と接地電極11と誘電体12によって、印加電極10と誘電体12との間に放電による低温プラズマ反応層が形成される。
図2においては、Aとして示す矢印方向に処理対象ガスを流すことにより、印加電極10と誘電体12の間に処理対象ガスが供給される。電源13によって電圧が印加電極10と接地電極11の間に印加されることでプラズマが発生し、さらに印加電極10には貴金属触媒4が担持されているため、処理対象ガスをこれらプラズマおよび貴金属触媒4に接触させることで、処理対象ガスを加温することなく常温で酸化して二酸化炭素(CO2)等に酸化分解する。貴金属触媒4のみであれば、処理対象ガスとの接触により貴金属触媒4の微粒子表面が被毒し、触媒活性が失われたり、COに酸化分解される前の一酸化炭素やホルムアルデヒドなどの反応中間体が多く生じたりする。しかし、プラズマを併用することにより、貴金属触媒4の表面がクリーニングされて触媒活性が保たれるので、反応中間体の生成量もほとんどなく、処理対象ガスがCO等に酸化分解される。
印加電極10の形態としては、通気性のある形態にすることで、印加電極10に担持された貴金属触媒4と処理対象ガスの接触機会が増え、処理効率が高くなる。通気性を有する印加電極10の形態としては、上述のとおり、格子状や簾状、パンチング加工などによる多孔状やエキスパンドメッシュ状の形態が挙げられ、これらの構造を2種以上組み合わせた構造であってもよい。
接地電極11としては、電極として機能する材料を適宜用いることができる。例えば、接地電極11としてCu、Ag、Au、Ni、Cr、Fe、Al、Ti、W、Ta、Mo、Coなどの金属や、これらの金属を2種以上含む合金を用いることができる。
誘電体12は、絶縁体となる性質を有していればよい。誘電体12の材料としては、例えば、ZrO2、γ-Al2O3、α-Al2O3、θ-Al2O3、η-Al2O3、アモルファスのAl2O3、アルミナナイトライド、ムライト、ステアライト、フォルステライト、コーディエライト、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、SiC、Si3N4、Si-SiC、マイカ、ガラスなどの無機材料や、ポリイミド、液晶ポリマー、PTFE(poly tetra fluoro ethylene)、ETFE(ethylene tetra fluoro ethylene)、PVF(poly vinyl fluoride)、PVDF(poly vinylidene difluoride)、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの高分子材料が挙げられる。耐プラズマ性、耐熱性を考慮すると無機材料がより好ましい。
ガス処理装置100に用いられる電源13は、高電圧を印加可能な電源である。電源13としては、交流高電圧、パルス高電圧などの高電圧電源、DCバイアスに交流あるいはパルスを重畳させた電源などを用いることができる。交流の例としては、正弦波交流、矩形波交流、三角波交流、鋸波交流などが挙げられる。印加電極10と接地電極11と誘電体12によって形成される放電空間にプラズマが発生するように、この電源13により印加電極10と接地電極11に所定の電圧を印加すればよい。プラズマを発生させるために電源13から供給される電力により発生させる放電の種類としては、プラズマを発生させることができれば特に限定されないが、たとえば無声放電や沿面放電やコロナ放電やパルス放電などであればよい。また、これらの放電が2種類以上組み合わされて発生してプラズマを発生させてもよい。
本実施形態におけるガス処理装置100による処理対象ガスの酸化分解処理について説明する。まず、本実施形態のガス処理装置100における処理対象ガスとしては、VOC(揮発性有機化合物:VolatileOrganicCompounds)などの燃料や溶剤などに含まれる揮発性を有する物質、あるいは一酸化炭素などのうち少なくともいずれかを単独で、あるいは2種以上が混合された状態で含むガスを挙げることができる。VOCの具体例としては、芳香族炭化水素、C=Oの二重結合(カルボニル基)を有する化合物、イソプロピルアルコール、メタノールなどのアルコール類、アルカン類などがある。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルなどが挙げられる。カルボニル基を有する化合物としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン、酢酸エチル、フタル酸ジ-n-ブチル等のエステル、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒドが挙げられる。また、アルカン類としては、エチレン、テトラデカン、などが挙げられる。また、その他のVOCとして、有機リン系のクロルピリホス 、ダイアジノン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等が挙げられる。
本実施形態のガス処理装置100は、処理対象ガスをCO2等に酸化分解することで無害化して、常温で大気中に排出できる。本実施形態のガス処理装置100において処理対象ガスに含まれるVOCの具体例としては、工場や事業所で使用される塗料、接着剤、洗浄剤などの有機溶剤から揮発する物質;重油や灯油のほか液化石油ガス(LPG)や都市ガスなどの燃料から揮発する物質、あるいはこれらの燃料を燃焼した際の未燃焼のガス;農産物から発生するエチレン;自動車の内装材、住宅の建材・内装材、家電の筐体・部材などの素材からも揮発する物質などがある。また、処理対象ガスに含まれる一酸化炭素としては、たとえば、工場や厨房の燃焼工程、あるいは家庭用暖房器具などで不完全燃焼により生じる一酸化炭素を挙げることができる。このような処理対象ガスを含むガスを、ガス処理装置100に供給してプラズマを作用させることにより、加温することなく、効率的に処理対象ガスをCO2に酸化分解する。これにより、処理対象ガスを無害化し、大気中へ排出することができる。
なお、処理対象ガスを酸化分解するときの条件については特に限定されず、処理対象ガスの種類や供給される量などに応じて適宜設定することができる。
以上、本実施形態によれば、有害ガス等のより効率の良い分解を可能とする新規な技術を提供することができる。本実施形態の触媒担持電極10では、酸化皮膜2と酸化皮膜2に固定される無機粒子3において貴金属触媒4が担持されるので、より多くの貴金属触媒4が触媒担持電極10に担持されるようにすることができる。触媒担持電極(印加電極)10を備えるガス処理装置100においてプラズマを発生させ、プラズマと貴金属触媒4に処理対象ガスを接触させることで、常温での処理対象ガスの酸化分解が可能となる。
また、本実施形態に係るガス処理装置100では、触媒担持電極10を第1の電極(印加電極)とし、第1の電極の両面側に2つの第2の電極(接地電極11)を備えることにより、第1の電極と第2の電極を各一つずつ備えたガス処理装置よりも、多くのガス量を処理可能なガス処理装置100を提供できる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(金属材料の陽極酸化皮膜の形成)
電極基材1として、チタン(Ti)材のエキスパンドメタルを用い、陽極酸化皮膜2を形成する前処理として、アルカリ処理および酸処理を実施した。その後、浴温25℃で炭酸ナトリウム濃度10質量%の水溶液中で直流により電流密度0.26A/cmで5分間処理することで陽極酸化皮膜2を形成した。その結果、陽極酸化皮膜2では、ルチル型の酸化チタンが生成していることを確認した。
(実施例1)
まず、陽極酸化皮膜2に対する無機粒子3の固定処理を行った。上述の陽極酸化皮膜2が形成されたチタンエキスパンドメタル(電極基材1)を、ビーズミルで平均粒子径20nmに粉砕分散した無機粒子3としての酸化ジルコニウム(ZrO2)微粒子を含む分散液に浸漬させた。エアブロアーで余剰分を除去した後、110℃、2分間乾燥し、500℃で1時間焼成した。陽極酸化皮膜2に固定された無機粒子3の量(固定量)は、固定前と固定後の重量変化を算出することによって得られ、当該固定量は陽極酸化皮膜2が形成されたチタンエキスパンドメタル100質量部に対し、2.8質量部であった。このときの無機粒子3を固定したチタンエキスパンドメタルについて、BET法にて測定した陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積が11m2/gであった。
その後、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を、析出沈殿法により無機粒子3が固定されている陽極酸化皮膜2を有するチタンエキスパンドメタルに担持させた。具体的には、70℃に加温したpH7の塩化金酸水溶液に、無機粒子3が固定されている陽極酸化皮膜2を有するチタンエキスパンドメタルを1時間浸漬させた。水洗後、300℃で2時間加熱し、貴金属触媒(Au)4を担持した触媒担持電極10を得た。金粒子(Au)の担持量をICPで測定したところ、得られた触媒担持電極10に対して0.24質量%であった。また、担持されている貴金属触媒(Au)4の平均粒子径をTEMによる画像解析で分析した結果、4.4nmであった。
また、チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、SEM(日立ハイテクノロジージ製、S−4700)で断面観察し、測定した結果、300nmであった。
(実施例2)
実施例1で用いた酸化ジルコニウム(ZrO2)微粒子(無機粒子3)を酸化チタン(TiO2)微粒子に換えた分散液に、実施例1で用いた陽極酸化皮膜2が形成されたチタンエキスパンドメタルを浸漬させた。無機粒子3が固定された量は、チタンエキスパンドメタル100質量部に対し、1.0質量部にした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は12m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.22質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、187nmであった。
(実施例3)
実施例2で用いた無機粒子3(TiO2微粒子)が固定された量を、チタンエキスパンドメタル100質量部に対し、2.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は15m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.28質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、375nmであった。
(実施例4)
実施例1で用いた酸化ジルコニウム(ZrO2)微粒子(無機粒子3)を酸化セリウム(CeO2)微粒子に換えた分散液に、実施例1で用いた陽極酸化皮膜2が形成されたチタンエキスパンドメタルを浸漬させた。無機粒子3が固定された量は、チタンエキスパンドメタル100質量部に対し、1.0質量部であった。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は15m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.30質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.4nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、101nmであった。
(実施例5)
実施例4で用いた無機粒子3(CeO2微粒子)が固定された量を、チタンエキスパンドメタル100質量部に対し、2.0質量部にした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は20m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.35質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.4nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、202nmであった。
(実施例6)
実施例1で用いたZrO2微粒子(無機粒子3)を酸化アルミニウム(Al2O3)微粒子に換えた分散液に、実施例1で用いた陽極酸化皮膜2が形成されたチタンエキスパンドメタルを浸漬させた。無機粒子3が固定された量は、チタンエキスパンドメタル100質量部に対し、1.0質量部であった。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は20m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.40質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、177nmであった。
(実施例7)
実施例6で用いた無機粒子3(Al2O3微粒子)の固定量を、チタンエキスパンドメタル100質量部に対し、2.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は25m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.51質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、355nmであった。
(金属材料の陽極酸化皮膜の形成)
電極基材1として、アルミニウム(Al)材のエキスパンドメタルを用い、陽極酸化皮膜2を形成する前処理として、アルカリ処理および酸処理を実施した。その後、浴温20℃でシュウ酸濃度4質量%の水溶液中で直流により電流密度0.25A/cmで5分間処理することで陽極酸化皮膜2を形成した。その結果、陽極酸化皮膜2では、非晶質の酸化アルミニウムが生成していることを確認した。
(実施例8)
次に実施例1と同様、陽極酸化皮膜2に対する無機粒子3の固定処理を行った。上述の陽極酸化皮膜2が形成されたアルミニウムエキスパンドメタル(電極基材1)を、ビーズミルで平均粒子径20nmに粉砕分散した無機粒子3としての酸化ジルコニウム(ZrO2)微粒子を含む分散液に浸漬させた。エアブロアーで余剰分を除去した後、110℃、2分間乾燥し、500℃で1時間焼成した。陽極酸化皮膜2に固定された無機粒子3の量(固定量)は、陽極酸化皮膜2が形成されたアルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、1.0質量部であった。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は9m2/gであった。
その後、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を、析出沈殿法により無機粒子3が固定されている陽極酸化皮膜2を有するアルミニウムエキスパンドメタルに担持させた。具体的には、70℃に加温したpH7の塩化金酸水溶液に、無機粒子3が固定されている陽極酸化皮膜2を有するアルミニウムエキスパンドメタルを1時間浸漬させた。水洗後、300℃で2時間加熱し、貴金属触媒(Au)4を担持した触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.24質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.4nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、118nmであった。
(実施例9)
実施例8で用いた無機粒子3(ZrO2微粒子)の固定量を、アルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、2.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は12m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.28質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、235nmであった。
(実施例10)
実施例2で無機粒子3を固定する電極基材1をチタンエキスパンドメタルに換えてアルミニウムエキスパンドメタルにした以外は実施例2と同様の方法で無機粒子(TiO2微粒子)3を固定した。無機粒子3の固定量は、アルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、1.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は10m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.21質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、117nmであった。
(実施例11)
実施例10で用いた無機粒子(TiO2微粒子)3の固定量を、アルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、2.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は13m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.25質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、235nmであった。
(実施例12)
実施例4で無機粒子3を固定する電極基材1をチタンエキスパンドメタルに換えてアルミニウムエキスパンドメタルにした以外は実施例4と同様の方法で無機粒子(CeO2微粒子)3を固定した。無機粒子3の固定量は、アルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、1.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は15m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.28質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、64nmであった。
(実施例13)
実施例12で用いた無機粒子(CeO2微粒子)3の固定量を、アルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、2.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は18m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.30質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、127nmであった。
(実施例14)
実施例6で無機粒子3を固定する電極基材1をアルミニウムエキスパンドメタルに換えてアルミニウムエキスパンドメタルにした以外は実施例6と同様の方法で無機粒子(Al2O3微粒子)3を固定した。無機粒子3の固定量は、アルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、1.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は20m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.33質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、111nmであった。
(実施例15)
実施例14で用いた無機粒子(Al2O3微粒子)3の固定量を、アルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、2.0質量部とした。このときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は22m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、貴金属触媒4としての金粒子(Au)を担持させた触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、得られた触媒担持電極10に対して0.40質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、223nmであった。
(比較例1)
BET法にて測定したBET比表面積が0.6m2/gである陽極酸化皮膜2だけが形成されているチタンエキスパンドメタルに、貴金属触媒4として金粒子(Au)を析出沈殿法により担持させた。具体的には、陽極酸化皮膜2に対する無機粒子3の固定処理を行わずに、上述の陽極酸化皮膜2が形成されているチタンエキスパンドメタルを70℃に加温したpH7の塩化金酸水溶液に1時間浸漬させ、水洗後、300℃で2時間加熱し、貴金属触媒(Au)4が担持された触媒担持電極を得た。金粒子の担持量をICPで測定したところ、得られた触媒担持電極に対して0.02質量%であった。なお、比較例1では、陽極酸化皮膜2に無機粒子3を固定していないため、本実施形態で説明した無機粒子層3Lが形成されていない。
(実施例16)
実施例2において、無機粒子(TiO2微粒子)3の固定量をチタンエキスパンドメタル100質量部に対して0.3質量部とした。無機粒子3を固定したときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は0.4m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、陽極酸化皮膜2が形成されているチタンエキスパンドメタルに、貴金属触媒4として金粒子(Au)を担持させ、触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.05質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、62nmであった。
(実施例17)
実施例2において、無機粒子(TiO2微粒子)3の固定量をチタンエキスパンドメタル100質量部に対して15質量部とした。無機粒子3を固定したときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は65m2/gであった。
その後、実施例1と同様の方法により、陽極酸化皮膜2が形成されているチタンエキスパンドメタルに、貴金属触媒4として金粒子(Au)を担持させて触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して22質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。チタンエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、2820nmであった。
(比較例2)
BET比表面積が0.3m2/gである陽極酸化皮膜2だけが形成されているアルミニウムエキスパンドメタルに、貴金属触媒4として金粒子(Au)を析出沈殿法により担持させて、触媒担持電極を得た。この触媒担持電極では、陽極酸化皮膜2に無機粒子3が固定されていない。金粒子の担持量は、触媒担持電極に対して0.01質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。なお、比較例2では、陽極酸化皮膜2に無機粒子3を固定していないため、本実施形態で説明した無機粒子層3Lが形成されていない。
(実施例18)
実施例10で用いた無機粒子(TiO2微粒子)3の固定量をアルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、0.3質量部とした。無機粒子3を固定したときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は0.6m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、陽極酸化皮膜2が形成されているアルミニウムエキスパンドメタルに、貴金属触媒4として金粒子(Au)が担持された触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して0.03質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、39nmであった。
(実施例19)
実施例10で用いた無機粒子(TiO2微粒子)3の固定量をアルミニウムエキスパンドメタル100質量部に対し、15質量部とした。無機粒子3を固定したときの陽極酸化皮膜2および無機粒子層3LのBET比表面積は55m2/gであった。
その後、実施例8と同様の方法により、陽極酸化皮膜2が形成されているアルミニウムエキスパンドメタルに、金粒子(Au)を担持させて、触媒担持電極10を得た。金粒子の担持量は、触媒担持電極10に対して21.0質量%であった。また、担持されている金粒子の平均粒子径は、4.5nmであった。アルミニウムエキスパンドメタルの表面に形成された無機粒子層3Lの厚さは、1770nmであった。
(低温プラズマ反応器(ガス処理装置))
低温プラズマを発生させる装置として、図2にその概要を示した、低温プラズマ印加手段を備えるガス処理装置100を構成した。印加電極10として実施例1〜19と比較例1〜2で作成した触媒担持電極を用いた。接地電極11はアルミナ板、誘電体12はα−アルミナを用いた。
プラズマの発生には、ファンクションジェネレータと高電圧アンプで構成されたAC高電圧電源を用いた。印加電圧は0〜20kVpk-pkの範囲に設定した。放電出力は、V−Qリサージュ法により求めた。
処理対象ガスとして一酸化炭素を用い酸化反応を評価した。一酸化炭素(濃度1000ppm)と室内空気を混合して反応ガスを調製し、ガス流量をマスフローコントローラーで制御しながら印加電極10と接地電極11の間に供給した。
処理前の反応ガスと処理後のガスの分析は長光路(2.5m)のガスセルを装填した赤外分光光度計(FTIR-6000、日本分光株式会社製)を用いた。反応条件は一酸化炭素濃度1000ppm、酸素濃度20%、相対湿度50%、ガス流量150mL/min、触媒量0.25cm3、空間速度29000h-1、反応温度室温とした。
上述のように一酸化炭素ガス(CO)をガス処理装置100に流通させ、初期のCO濃度と処理後のCO濃度を測定し、以下の式を用いてCO除去率を算出した。
CO除去率(%)={(初期CO濃度 − 反応後CO濃度)/初期CO濃度}×100
実施例1〜19と比較例1〜2の触媒担持電極(印加電極)10を用いたガス処理装置100での一酸化炭素の除去率を表1に示す。
上記の結果から、無機粒子3を固定した実施例1〜19の触媒担持電極10を用いる場合、比較例1、2の触媒担持電極を用いた場合と比較して、貴金属(Au)触媒の担持量を多くすることができ、CO除去率が大幅に改善されていることが確認された。
1:電極基材、2:酸化皮膜、3:無機粒子、4:貴金属触媒、10:触媒担持電極、
11:接地電極、12:誘電体、13:電源

Claims (10)

  1. 貴金属触媒が担持される触媒担持電極であって、
    金属材料からなる電極基材と、
    前記電極基材の表面に形成され、前記貴金属触媒が担持される酸化皮膜と、
    前記酸化皮膜の表面の少なくとも一部に固定され、前記貴金属触媒が担持される無機粒子と、を備えることを特徴とする触媒担持電極。
  2. 前記酸化皮膜および前記無機粒子の層のBET比表面積が1m2/g以上、50m2/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒担持電極。
  3. 前記貴金属触媒が平均粒子径1nm以上、5nm以下の金粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒担持電極。
  4. 前記酸化皮膜および前記無機粒子に対する前記金粒子の担持量が前記触媒担持電極に対して、0.1質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の触媒担持電極。
  5. 前記金属材料がバルブ金属であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
  6. 前記無機粒子の平均粒子径が10nm以上、100nm以下であり、前記無機粒子が固定される量が前記電極基材および前記酸化皮膜の100質量部に対して1質量部以上、10質量部以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
  7. 前記酸化皮膜および前記電極基材の積層方向における前記無機粒子の層の厚さが10nm以上、1000nm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
  8. 前記酸化皮膜が陽極酸化皮膜であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
  9. 前記触媒担持電極がプラズマ発生用の電極であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の触媒担持電極。
  10. 請求項1から9のいずれか一つに記載の触媒担持電極であって、前記電極基材の両面において、前記酸化皮膜および前記無機粒子を有する第1の電極と、
    前記第1の電極の両面のそれぞれに対向する位置に配置した2つの第2の電極と、を備え、
    前記第1の電極と前記各第2の電極の間に電圧を印加して放電を起こすことによりプラズマを発生させるとともに、前記第1の電極が有する前記貴金属触媒および前記プラズマに処理対象ガスを接触させて分解することを特徴とするガス処理装置。
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