JP2019056821A - 画像形成装置、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】照射光の光量調整を適切に行い、高濃度の測定用画像を高精度に検出することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、画像形成部10により中間転写ベルト27に多階調の第1測定用画像を形成し、センサ41により第1測定用画像の画像濃度を検出する。画像形成装置は、第1測定用画像の画像濃度に応じて、画像形成時の条件を決定する。画像形成装置は、画像形成部10により中間転写ベルト27に単階調の第2測定用画像を形成し、センサ41による第2測定用画像の検出結果である検出電圧を取得する。画像形成装置は、取得した検出電圧に応じて、第1測定用画像を検出する際にセンサ41が第1測定用画像に照射する光の光量を導出する。
【選択図】図1
【解決手段】画像形成装置は、画像形成部10により中間転写ベルト27に多階調の第1測定用画像を形成し、センサ41により第1測定用画像の画像濃度を検出する。画像形成装置は、第1測定用画像の画像濃度に応じて、画像形成時の条件を決定する。画像形成装置は、画像形成部10により中間転写ベルト27に単階調の第2測定用画像を形成し、センサ41による第2測定用画像の検出結果である検出電圧を取得する。画像形成装置は、取得した検出電圧に応じて、第1測定用画像を検出する際にセンサ41が第1測定用画像に照射する光の光量を導出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数色の画像を形成する複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置に関し、特に、画像濃度の制御技術に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、使用環境やプリント枚数等によって、形成する画像の濃度(画像濃度)の変動が起こりやすい。複数色の画像を重ね合わせてカラープリントを行うカラー画像形成装置の場合、各色の画像濃度が変動することで、カラーバランス(いわゆる色味)の変動が生じる。そのために、画像濃度の変動を抑制することは重要である。画像濃度の変動を抑制するために、カラー画像形成装置は、中間転写ベルト(中間転写体)等の像担持体上に、画像濃度を検出するための測定用画像を形成し、測定用画像のトナー量を光学式センサで検出する。カラー画像形成装置は、検出結果に基づいて、露光量、現像バイアス、γ補正テーブル等の画像形成条件を調整する画像濃度制御(画像形成条件の制御)を行い、画像濃度の変動を抑制する。
測定用画像の画像濃度を検出に用いられる光学式センサは、乱反射検出タイプと正反射検出タイプとの2種類に大別される。測定用画像が形成される中間転写ベルトの下地は、一般的に、抵抗値調整のためカーボンブラックが分散されるために、黒色や濃い灰色である。そのために乱反射検出タイプの光学式センサは、中間転写ベルト上に形成される黒色の画像の画像濃度を検出することが困難である。正反射検出タイプの光学式センサは、下地からの反射光量を検出するために、黒色の画像の画像濃度を検出することができる。よって、画像濃度制御では、正反射検出タイプの光学式センサが使用される。正反射検出タイプの光学式センサは、LED(Light Emitting Diode)などの発光部から照射する光(照射光)の測定用画像による正反射光を、受光部で検出する。受光部は検出結果を出力する。
画像濃度を検出する場合、測定用画像が形成される前の段階で、中間転写ベルトの測定用画像が形成される予定位置の濃度(下地濃度)が、光学式センサにより検出される。これは、中間転写ベルトの表面(下地)状態のムラ等で、中間転写ベルトの位置により反射率、すなわち下地濃度が異なるためである。そのために画像形成装置は、中間転写ベルトの特定の位置に位置検出部材を備える。画像形成装置は、位置検出部材を検出した時点からの経過時間に基づいて中間転写ベルト上の測定用画像の形成位置を特定する。これにより、中間転写ベルトの同一の位置において、下地濃度の検出と、測定用画像の画像濃度の検出と、が行われる。
特許文献1は、正反射検出タイプの光学式センサにより、測定用画像の画像濃度を、同一位置における下地濃度との相対濃度から求める手法(以下、「下地補正処理」と称する。)を開示する。下地補正処理を行うことで、画像形成条件の調整を高精度で実行することができる。この場合、下地濃度の検出時と、測定用画像の画像濃度検出時とで、発光部からの照射光の光量は同量である。
画像濃度の検出精度を安定させるためには、照射光の光量を適正に調整することが重要である。照射光量が多過ぎる場合、測定用画像や下地による反射光量が多くなり過ぎる。この場合、受光部の出力が上限に張り付いてしまい、正確な画像濃度検出のための演算が行なえなくなる。照射光量が少な過ぎる場合、測定用画像や下地による反射光量が少なくなり過ぎる。この場合、測定用画像の濃度変化に対して受光部の出力の変化が小さくなり、濃度換算した場合に大きな誤差が生じる。
画像濃度の検出精度を安定させるためには、照射光の光量を適正に調整することが重要である。照射光量が多過ぎる場合、測定用画像や下地による反射光量が多くなり過ぎる。この場合、受光部の出力が上限に張り付いてしまい、正確な画像濃度検出のための演算が行なえなくなる。照射光量が少な過ぎる場合、測定用画像や下地による反射光量が少なくなり過ぎる。この場合、測定用画像の濃度変化に対して受光部の出力の変化が小さくなり、濃度換算した場合に大きな誤差が生じる。
光学式センサの受光部からの出力は、中間転写ベルトの経時変化による反射率変化や、光学式センサの経時汚れ、光学式センサの各構成部品のロットバラツキ等に影響される。受光部からの出力を安定させるために、光学式センサの発光部の適切な光量設定のための校正(光量調整)が定期的に行われる。例えば、特許文献2には、中間転写ベルトの検出結果に対する受光部の出力を確認して、出力が所定範囲となるように、照射光量の設定値を選択する光量調整方法が開示される。
しかしながら、高濃度の測定用画像を高精度に検出するために、測定用画像検出時の照射光量を大きくする場合、下地からの反射光による受光部の出力(下地濃度)が、受光部の出力の上限に張り付いてしまう。そのため、中間転写ベルトの検出結果に対する受光部の出力に応じて、発光部の照射光量の設定値を調整する光量調整が困難である。そのために画像形成装置は、下地からの反射光が受光部の検出範囲外となる高光量までの光量調整制御を行うことが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、照射光の光量調整を適切に行い、高濃度の測定用画像を高精度に検出することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成手段と、転写体と、前記転写体に光を照射する発光部と、前記転写体に形成された測定用画像からの反射光を受光する受光部と、を有し、前記測定用画像を前記受光部の受光結果に基づいて測定する測定手段と、前記画像形成手段を制御して異なる階調を有する複数の第1測定用画像を形成させ、前記測定手段を制御して前記複数の第1測定用画像を測定させ、前記第1測定用画像の測定結果に基づいて前記画像形成手段により形成される画像の濃度を調整するための画像形成条件を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記画像形成手段を制御して第2測定用画像を形成させ、前記発光部を複数の発光光量に基づいて発光させ、前記受光部による前記第2測定用画像の測定結果に基づいて、前記第1測定用画像を測定するための発光光量を決定することを特徴とする。
本発明によれば、照射光の光量調整を適切に行い、高濃度の測定用画像を高精度に検出することができる。
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
(構成)
図1は、本実施形態の画像形成装置が備える画像形成部の構成図である。画像形成装置は、電子写真方式のカラー画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる4色の画像を形成するタンデム方式の画像形成部10を備える。画像形成装置は、画像形成部10の他に、不図示のスキャナ等の原稿読取部を備える。原稿読取部は、原稿から原稿画像を読み取り、原稿画像を表す画像データを出力する。画像形成部10は、感光ドラム22Y、22M、22C、22K、中間転写ベルト27、転写部28、定着器30、給紙部11、及びセンサ41を備える。感光ドラム22Y、22M、22C、22Kは、周辺に、一次帯電器23Y、23M、23C、23K、レーザ光源24Y、24M、24C、24K、現像器26Y、26M、26C、26K、を備える。なお、符号末尾のY、M,C、Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表す。以下の説明において、色を区別する必要が無い場合には、符号末尾のY、M、C、Kを省略して説明を行う。
図1は、本実施形態の画像形成装置が備える画像形成部の構成図である。画像形成装置は、電子写真方式のカラー画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる4色の画像を形成するタンデム方式の画像形成部10を備える。画像形成装置は、画像形成部10の他に、不図示のスキャナ等の原稿読取部を備える。原稿読取部は、原稿から原稿画像を読み取り、原稿画像を表す画像データを出力する。画像形成部10は、感光ドラム22Y、22M、22C、22K、中間転写ベルト27、転写部28、定着器30、給紙部11、及びセンサ41を備える。感光ドラム22Y、22M、22C、22Kは、周辺に、一次帯電器23Y、23M、23C、23K、レーザ光源24Y、24M、24C、24K、現像器26Y、26M、26C、26K、を備える。なお、符号末尾のY、M,C、Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表す。以下の説明において、色を区別する必要が無い場合には、符号末尾のY、M、C、Kを省略して説明を行う。
感光ドラム22は、ドラム型の感光体である。感光ドラム22は、像担持体の一例である。感光ドラム22は、アルミシリンダの外周に有機光伝導層を塗布して構成される。感光ドラム22は、画像形成処理に応じて、不図示の駆動モータからの駆動力により図中反時計回りに回転する。
一次帯電器23は、感光ドラム22の表面を均一に帯電する。レーザ光源24は、原稿読取部から取得する画像データに基づいて発光し、均一に帯電された感光ドラム22に、原稿画像に応じた静電潜像を形成する。感光ドラム22Yには、イエローの画像データに応じた静電潜像が形成される。感光ドラム22Mには、マゼンタの画像データに応じた静電潜像が形成される。感光ドラム22Cには、シアンの画像データに応じた静電潜像が形成される。感光ドラム22Kには、ブラックの画像データに応じた静電潜像が形成される。
現像器26は、感光ドラム22に形成された静電潜像を現像して可視化する。現像器26は、スリーブを備え、スリーブを介して感光ドラム22にトナー等の現像剤を供給する。これにより感光ドラム22の静電潜像に現像剤が付着して、静電潜像が現像される。現像器26Yは、スリーブ26YSにより感光ドラム22Yに形成された静電潜像を現像して、感光ドラム22Yにイエローの画像(トナー像)を形成する。現像器26Mは、スリーブ26MSにより感光ドラム22Yに形成された静電潜像を現像して、感光ドラム22Mにマゼンタの画像(トナー像)を形成する。現像器26Cは、スリーブ26CSにより感光ドラム22Yに形成された静電潜像を現像して、感光ドラム22Cにシアンの画像(トナー像)を形成する。現像器26Kは、スリーブ26KSにより感光ドラム22Yに形成された静電潜像を現像して、感光ドラム22Kにブラックの画像(トナー像)を形成する。
中間転写ベルト27は、各感光ドラム22Y、22M、22C、22Kに形成されたトナー像が転写される中間転写体である。中間転写ベルト27も、像担持体の一例である。中間転写ベルト27は、感光ドラム22Y、22M、22C、22Kの回転に同期して図中時計回りに回転する。中間転写ベルト27は、感光ドラム22Y、22M、22C、22Kに接触しており、接触部において感光ドラム22Y、22M、22C、22Kからトナー像が順次転写される。本実施形態の中間転写ベルト27は、周長895[mm]のポリイミド製の単層樹脂ベルトである。中間転写ベルト27は、ベルトの抵抗調整のために適量のカーボン微粒子が樹脂内に分散されている。中間転写ベルト27の表面は、黒色で平滑性が高く、光沢性を有している。中間転写ベルト27の回転速度は、プロセススピードと同じであり、例えば246[mm/sec]である。
中間転写ベルト27の内面には、HP(ホームポジション)マーク43が設けられる。中間転写ベルト27は、一周毎に中間転写ベルトHP検出センサ44によってHPマーク43が検出される。HPマーク43の検出タイミングからの経過時間により、中間転写ベルト27の位相が特定可能である。後述する画像濃度補正用の第1測定用画像の形成位置と、下地の濃度を検出する位置との位置合わせは、HPマーク43に基づいて行われる。
センサ41は、中間転写ベルト27の下地(表面)の濃度及び中間転写ベルト27に転写されて担持される画像であるトナー像の画像濃度を検出する。センサ41は、中間転写ベルト27の回転方向で感光ドラム22Y、22M、22C、22Kの下流側に配置される。そのためにセンサ41は、中間転写ベルト27に転写された直後のトナー像の画像濃度を検出することができる。
中間転写ベルト27は、転写されたトナー像を担持したまま回転することで、トナー像を転写部28に搬送する。転写部28は、中間転写ベルト27に坦持されたトナー像を、給紙部11から搬送されてきたシート状の記録材21に転写する。記録材21は、中間転写ベルト27と転写部28のローラとで挟持搬送されながら、中間転写ベルト27上からトナー像が転写される。トナー像が転写された記録材21は、転写部28から定着器30へ搬送される。定着器30は、加熱ローラ31及び加圧ローラ32を備える。定着器30は、記録材21に転写されたトナー像に対して加熱ローラ31及び加圧ローラ32により熱定着処理を行うことで、トナー像を記録材21に定着させる。トナー像が定着した記録材21は、加熱ローラ31及び加圧ローラ32により搬送され、排紙センサ42に検出された後に、画像形成部10の外部へ排紙される。以上により記録材21に画像が形成される。
(画像処理部)
原稿読取部の読取結果に対する処理を行う画像処理部について説明する。図2は、画像処理部50を含むコントローラの構成図である。コントローラは、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、及びRAM(Random Access Memory)53を備えるコンピュータシステムである。CPU51は、ROM52に格納されるコンピュータプログラムを、RAM53を作業領域に用いて実行することで、画像形成装置の全体動作の制御を行う。特に、CPU51は、後述する画像濃度補正のための機能、及び光量制御のための機能を有する。CPU51には、画像形成部10、センサ41、画像処理部50、及びタイマ55が接続される。画像処理部50は、原稿読取部による原稿画像の読取結果を、原稿読取部に備えられる読取センサ501から取得する。
原稿読取部の読取結果に対する処理を行う画像処理部について説明する。図2は、画像処理部50を含むコントローラの構成図である。コントローラは、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、及びRAM(Random Access Memory)53を備えるコンピュータシステムである。CPU51は、ROM52に格納されるコンピュータプログラムを、RAM53を作業領域に用いて実行することで、画像形成装置の全体動作の制御を行う。特に、CPU51は、後述する画像濃度補正のための機能、及び光量制御のための機能を有する。CPU51には、画像形成部10、センサ41、画像処理部50、及びタイマ55が接続される。画像処理部50は、原稿読取部による原稿画像の読取結果を、原稿読取部に備えられる読取センサ501から取得する。
読取センサ501は、CCD(Charge Coupled Device)等の受光素子により原稿画像を読み取り、読取結果をアナログ信号である電気信号(画像信号)として出力する。読取センサ501は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3ラインのカラーセンサである。読取センサ501から出力されるR、G、Bの各画像信号は、画像処理部50に入力される。
画像処理部50は、読取センサ501から取得するR、G、Bの各色の画像信号に対して各種の処理を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像データを生成する。画像処理部50は、生成した画像データを画像形成部10へ送信する。画像処理部50が備える各部について説明する。
画像処理部50は、読取センサ501から取得するR、G、Bの各色の画像信号に対して各種の処理を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像データを生成する。画像処理部50は、生成した画像データを画像形成部10へ送信する。画像処理部50が備える各部について説明する。
A/D変換部502は、読取センサ501から取得するゲイン調整、オフセット調整が行われた各色の画像信号を、それぞれ8ビットのデジタル画像信号に変換する。シェーディング補正部503は、各色のデジタル画像信号に対して、読取センサ501の各画素の感度ばらつきや原稿照明ランプの光量のばらつき等を補正するためのシェーディング補正を行う。
入力ガンマ補正部504は、各色のデジタル画像信号に対し、輝度が線形関係になるように、補正を行う1次元のルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)を備える。入力ガンマ補正部504は、LUTを参照して、シェーディング補正後のデジタル画像信号のガンマ補正を行う。入力ダイレクトマッピング部505は、色空間を統一するために、各色のデジタル画像信号をデバイス内のRGB信号に変換する3次元LUTである。三次元LUTは、読取センサ501のRGBフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、sRGB等の標準色空間に変換するために用いられる。この3次元LUTの作成に際しては、読取センサ501の感度特性や、原稿読取部に備えられる照明ランプのスペクトル特性等の諸特性が加味される。
入力ガンマ補正部504は、各色のデジタル画像信号に対し、輝度が線形関係になるように、補正を行う1次元のルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)を備える。入力ガンマ補正部504は、LUTを参照して、シェーディング補正後のデジタル画像信号のガンマ補正を行う。入力ダイレクトマッピング部505は、色空間を統一するために、各色のデジタル画像信号をデバイス内のRGB信号に変換する3次元LUTである。三次元LUTは、読取センサ501のRGBフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、sRGB等の標準色空間に変換するために用いられる。この3次元LUTの作成に際しては、読取センサ501の感度特性や、原稿読取部に備えられる照明ランプのスペクトル特性等の諸特性が加味される。
サンプリング部506は、原稿の下地を検出するために、RGB信号の指定された矩形領域の画素を離散的にサンプリングし、輝度のヒストグラムを作成する。作成したヒストグラムはプリント時の下地除去に利用される。下地除去部507は、RGB信号に対して、サンプリング部506で作成されたヒストグラムに基づいて、下地部を除去するための非線形変換を行う。
出力ダイレクトマッピング部508は、RGB信号をCMYK画像データに変換する。この変換において、出力ダイレクトマッピング部508は、R、G、Bの3次元データから、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4次元データを、LUTを用いて生成する。
出力ガンマ補正部509は、CMYK画像データに対して、画像形成部10に対応した出力画像の濃度補正を行う。出力ガンマ補正部509は、予め記憶されているCMYKの1次元LUTに基づいて、画像形成処理毎に異なる入出力画像データのリニアリティを保つ役割を有する。
後述する画像濃度制御は、CMYK画像データの濃度補正を行うためのCMYKの1次元LUTを作成するために行われる。YMCKの1次元LUTは、画像濃度制御に調整される画像形成条件の一例である。CMYKの1次元LUTは、CPU51が、画像濃度の測定結果から新たに作成された1次元LUTを出力ガンマ補正部509に送信するタイミングで更新される。
後述する画像濃度制御は、CMYK画像データの濃度補正を行うためのCMYKの1次元LUTを作成するために行われる。YMCKの1次元LUTは、画像濃度制御に調整される画像形成条件の一例である。CMYKの1次元LUTは、CPU51が、画像濃度の測定結果から新たに作成された1次元LUTを出力ガンマ補正部509に送信するタイミングで更新される。
ハーフトーン処理部510は、CMYK画像データに対して、機能に応じて異なる種類の画像形成処理(スクリーニング)を択一的に適用する。一般に、複写動作等では、モアレの起きにくい誤差拡散系の画像形成処理が利用される。プリント動作では、階調性や安定性、文字や細線の再現性を考えてディザマトリクスなどを利用した多値スクリーン系の画像形成処理が用いられる。前者は、注目画素とその周辺画素に対して誤差フィルタで重み付けし、階調数を保ちながら多値化の誤差を配分して補正していく処理である。後者は、ディザマトリクスの閾値を多値に設定し、擬似的に中間調を表現する処理である。本実施形態では、CMYK独立に変換が行われ、低線数(荒い線数)と高線数(細かい線数)の切り替えが可能である。CMYK画像データは、ハーフトーン処理部510の処理により、C、M、Y、Kの各色の画像データとして、画像形成部10に入力される。
(画像濃度検出)
画像濃度の検出方法について説明する。中間転写ベルト27に形成される画像(トナー像)の画像濃度検出(トナー量検出)は、センサ41を用いて行われる。画像濃度検出は、センサ41により、中間転写ベルト27に形成される画像濃度補正のための第1測定用画像、及び第1測定用画像が形成される中間転写ベルト27の表面(下地)を検出することで行われる。
画像濃度の検出方法について説明する。中間転写ベルト27に形成される画像(トナー像)の画像濃度検出(トナー量検出)は、センサ41を用いて行われる。画像濃度検出は、センサ41により、中間転写ベルト27に形成される画像濃度補正のための第1測定用画像、及び第1測定用画像が形成される中間転写ベルト27の表面(下地)を検出することで行われる。
図3は、センサ41の説明図である。センサ41は、発光部411と受光部412を備える。発光部411は、例えばLEDである。受光部412は、例えばフォトダイオードである。センサ41は、さらに、発光部411の発光光量(照射光量)を制御するIC413を備える。発光部411は、中間転写ベルト27の法線に対して光軸が45度の角度で設置されており、中間転写ベルト27に光を照射する。受光部412は、中間転写ベルト27からの正反射光を測定する位置に設けられている。受光部412は反射光の受光強度に基づく電圧値を出力する。受光部412から出力される検出電圧の範囲は、例えば0.0[V]〜5.0[V]である。図3は、測定用画像Pがセンサ41の測定領域を通過する場合を示す。センサ41が中間転写体27に形成された測定用画像Pを測定する場合、発光部411が測定用画像Pに光を照射し、受光部412が測定用画像からの反射光を受光する。そして、受光部412は測定用画像Pからの反射光の強度に対応する電圧値を出力する。
図4(a)は、測定用画像Py、Pm、Pc、及びPkが中間転写ベルト27に形成された状態を表す。以降、測定用画像Py、Pm、Pc、及びPkは第1測定用画像Pと称す。第1測定用画像Pのセンサ41による検出結果に応じて階調補正が行われる。図中、矢印は、中間転写ベルト27の搬送方向(回転方向)を示す。測定用画像Pyは、異なる画像信号値に基づいて形成されたイエローの測定用画像Y1〜Y8を含む。測定用画像Pmは、異なる画像信号値に基づいて形成されたマゼンタの測定用画像M1〜M8を含む。測定用画像Pcは、異なる画像信号値に基づいて形成されたシアンの測定用画像C1〜C8を含む。測定用画像Pkは、異なる画像信号値に基づいて形成されたブラックの測定用画像K1〜K8を含む。第1測定用画像Pの形は、例えば、25[mm]×25[mm]の矩形である。同じ色の測定用画像は、画像印字率(濃度階調度)を8段階に変化させている。つまり、第1測定用画像Pは、合計32個形成される。各色の測定用画像は、中間転写ベルト27の回転方向に並んで形成される。測定用画像Y1〜Y8、M1〜M8、C1〜C8、及びK1〜K8と画像印字率(濃度階調度)とは、以下のような対応関係に設定されている。
Y1、M1、C1、K1=12.5%
Y2、M2、C2、K2=25%
Y3、M3、C3、K3=37.5%
Y4、M4、C4、K4=50%
Y5、M5、C5、K5=62.5%
Y6、M6、C6、K6=75%
Y7、M7、C7、K7=87.5%
Y8、M8、C8、K8=100%
Y1、M1、C1、K1=12.5%
Y2、M2、C2、K2=25%
Y3、M3、C3、K3=37.5%
Y4、M4、C4、K4=50%
Y5、M5、C5、K5=62.5%
Y6、M6、C6、K6=75%
Y7、M7、C7、K7=87.5%
Y8、M8、C8、K8=100%
ところで、センサ41は、高濃度の画像を、照射光量を上げて検出することで、画像濃度の変化に対する検出電圧の変化が小さくなる。
図5は、照射光量の変動による検出電圧の変化の説明図である。図5(a)は、照射光量を小、中、大の3段階に変動して第1測定用画像Pを検出したときの検出電圧を例示する。図5(b)は、図5(a)の測定結果を、第1測定用画像Pの各パッチ画像の画像濃度に対する検出電圧の関係として示したものである。図5(b)から、照射光量を上げることで、第1測定用画像Pの画像濃度に対する検出電圧の傾きが大きくなることがわかる。この傾きが大きいほど、検出電圧をパッチ画像の画像濃度に換算した場合の誤差が小さくなる。これは、照射光量が大きいと検出精度が向上することを意味する。
図5は、照射光量の変動による検出電圧の変化の説明図である。図5(a)は、照射光量を小、中、大の3段階に変動して第1測定用画像Pを検出したときの検出電圧を例示する。図5(b)は、図5(a)の測定結果を、第1測定用画像Pの各パッチ画像の画像濃度に対する検出電圧の関係として示したものである。図5(b)から、照射光量を上げることで、第1測定用画像Pの画像濃度に対する検出電圧の傾きが大きくなることがわかる。この傾きが大きいほど、検出電圧をパッチ画像の画像濃度に換算した場合の誤差が小さくなる。これは、照射光量が大きいと検出精度が向上することを意味する。
本実施形態では、CPU51は、第1測定用画像Pを検出したときのセンサ41の検出電圧から信号SIGを取得する。CPU51は、検出電圧をそのまま信号SIGに用いてもよく、また、検出電圧に所定の演算を行って信号SIGを導出してもよい。CPU51は、信号SIGを、濃度変換テーブルを用いて濃度DENSに変換する。ROM52には、色毎の濃度変換テーブルが格納されている。図6は、濃度変換テーブルの説明図である。CPU51は、濃度変換テーブルを参照して、第1測定用画像Pの画像濃度を取得する。なお、濃度変換テーブル520を照射光量毎に用意されてもよい。
本実施形態では、CPU51は、センサ41により同一濃度のパッチ画像を10回検出し、取得した10個の濃度DENSの平均値を該パッチ画像の画像濃度の検出結果とする。このようにしてCPU51は、第1測定用画像Pの画像濃度を導出する。第1測定用画像Pの画像濃度は、中間転写ベルト27の表面状態のムラを考慮して、下地補正処理により高精度に検出される。つまりCPU51は、第1測定用画像Pの検出電圧と第1測定用画像Pが形成される中間転写ベルト27の表面(下地)の検出電圧とに基づいて、下地補正処理により第1測定用画像Pの画像濃度を検出する。CPU51は、検出した測定用画像Pの画像濃度に基づいて、LUTを生成する。この過程の詳細については後述する。CPU51は、生成したLUTを、画像処理部50に設定する。
(画像濃度補正処理)
以上のような構成の画像形成装置は、以下のように画像濃度補正処理を行う。図7は、画像濃度補正処理を伴う画像形成処理を表すフローチャートである。画像濃度補正処理は、積算で所定枚数の記録材21への画像形成を行ったとき、所定枚数連続して記録材21への画像形成を行ったとき、画像比率変化、環境変化等の理由により、CPU51が、濃度安定化制御が必要と判定したときに実行される。本実施形態では、積算で100枚の記録材21への画像形成が行われたときに、画像濃度補正処理が行われる。
以上のような構成の画像形成装置は、以下のように画像濃度補正処理を行う。図7は、画像濃度補正処理を伴う画像形成処理を表すフローチャートである。画像濃度補正処理は、積算で所定枚数の記録材21への画像形成を行ったとき、所定枚数連続して記録材21への画像形成を行ったとき、画像比率変化、環境変化等の理由により、CPU51が、濃度安定化制御が必要と判定したときに実行される。本実施形態では、積算で100枚の記録材21への画像形成が行われたときに、画像濃度補正処理が行われる。
CPU51は、記録材21への画像形成処理が積算で100枚行われたか否かを判定する(S11)。100枚行われた場合(S11:Y)、CPU51は、画像濃度補正を開始する。連続100枚行われていない場合(S11:N)、CPU51は、画像形成部10により通常の画像形成処理を行う(S15)。なお、CPU51は、画像形成処理を所定のカウンタにより常にカウントしており、このカウント値により画像形成処理が積算で100枚行われたか否かを判定する。
画像濃度補正を開始すると、CPU51は、画像形成部10により中間転写ベルト27上に画像濃度補正用の第1測定用画像Pを形成する(S12)。CPU51は、センサ41を用いて第1測定用画像Pの画像濃度を検出する(S13)。CPU51は、画像濃度の検出結果から、画像データを補正するための画像形成条件となる1次元LUTを生成する。CPU51は、この新たに生成した1次元LUTを、出力ガンマ補正部509が用いる、RAM53に記憶された以前の1次元LUTと置き換えることで、1次元LUTを更新する(S14)。この更新により、画像濃度補正処理は終了する。CPU51は、更新された1次元LUTに応じて補正した画像データに従って、画像形成部10に通常の画像形成処理により画像を形成させる(S15)。
S14で行われる1次元LUTの生成処理について、詳細に説明する。CPU51は、第1測定用画像Pの画像濃度の検出結果に基づいて補正データである1次元LUTを生成する。出力ガンマ補正部509は、この補正データである1次元LUTに基づいて画像データを補正する。1次元LUTは、階調補正に用いられる。1次元LUTについて説明する。なお、ここでは、シアンの階調補正についてのみ説明するが、マゼンタ、イエロー、ブラックについても同様の方法で補正が行われる。
図8は、RAM53に記憶される1次元LUTの説明図である。1次元LUTは、画像形成時に入力される画像データが指示する画像濃度と、形成された画像の画像濃度とを比例関係にするために、入力される画像データを補正するための補正データである。図中、横軸は入力される画像データに対応する画像濃度を表し、縦軸は第1測定用画像Pの画像濃度を表す。図中、直線TARGETは、画像濃度制御における目標階調特性を表す。点C1〜C8は、シアンのパッチ画像C1〜C8の検出結果である画像濃度を表す。曲線γは、点C1〜C8をスプライン補間した結果を表す。ここでは、曲線γは画像濃度制御を行う前の状態の階調特性である。
曲線Dは、画像濃度補正処理で算出される1次元LUTを表す。曲線Dは、補正前の曲線γの目標階調特性TARGETに対する対称ポイントにより決定される。検出結果である第1測定用画像Pの画像濃度を曲線Dに基づいて補正することで、例えば、曲線Dの値を入力される画像データの濃度に乗算することで、形成される画像の画像濃度の階調性を目標階調特性TARGETに近づけることができる。
また、1次元LUT(曲線D)は、RAM53に記憶される際、これ以前に作成された1次元LUTに置き換えられる。これにより1次元LUTが更新される。これ以後、画像形成装置は、入力される画像データを、更新された1次元LUTで補正し、この補正された画像データに従って画像を形成する。そのために画像データが指示する目標濃度で、画像形成が行われる。
また、1次元LUT(曲線D)は、RAM53に記憶される際、これ以前に作成された1次元LUTに置き換えられる。これにより1次元LUTが更新される。これ以後、画像形成装置は、入力される画像データを、更新された1次元LUTで補正し、この補正された画像データに従って画像を形成する。そのために画像データが指示する目標濃度で、画像形成が行われる。
(光量調整制御)
センサ41の受光部412から出力される検出電圧は、中間転写ベルト27の経時変化、センサ41のトナー汚れや発光部411の特性変化等によって反射光量が変化することで、同じ画像濃度の画像を検出する場合であっても変化する。また、センサ41の各構成部品のロットバラツキも、このような検出電圧の変化要因となる。そのために画像形成装置は、発光部411の照射光量を適切に調整するための校正(光量調整制御)を定期的に行う必要がある。
センサ41の受光部412から出力される検出電圧は、中間転写ベルト27の経時変化、センサ41のトナー汚れや発光部411の特性変化等によって反射光量が変化することで、同じ画像濃度の画像を検出する場合であっても変化する。また、センサ41の各構成部品のロットバラツキも、このような検出電圧の変化要因となる。そのために画像形成装置は、発光部411の照射光量を適切に調整するための校正(光量調整制御)を定期的に行う必要がある。
画像形成装置は、発光部411の光量を調整するために、第1測定用画像Pとは異なる他の測定用画像Padjを形成する。図4(b)は、測定用画像Padjが中間転写ベルト27に形成された状態を表す。以降、測定用画像Padjは第2測定用画像Padjと称す。図中、矢印は、中間転写ベルト27の搬送方向(回転方向)を示す。第2測定用画像Padjは、所定の画像信号値に基づいて形成されたブラックの測定用画像である。第2測定用画像Padjの形は、例えば、150[mm]×25[mm]の矩形である。中間転写ベルト27の搬送方向における第2測定用画像Padjの長さは、搬送方向における1つの第1測定用画像Pの長さより長い。
図9は、照射光量(発光光量)の光量調整を伴う画像濃度補正処理を表すフローチャートである。CPU51は、光量調整を行った後に、画像濃度補正を行う。
CPU51は、まず、光量調整を行い、第1測定用画像Pの検出時の照射光量が光量Ltとなるように発光部411の照射光量を制御するための入力電圧Vtinを導出する(S1001)。光量調整の詳細は後述する。CPU51は、画像形成部10により中間転写ベルト27に第1測定用画像Pを形成する(S1002)。CPU51は、センサ41の発光部411に入力電圧Vtinを印加することで、光量Ltの照射光により第1測定用画像Pを検出する(S1003)。センサ41は、受光部412から検出電圧を出力する。CPU51は、受光部412から検出電圧を取得して、第1測定用画像Pの画像濃度を算出する(S1004)。CPU51は、第1測定用画像Pの画像濃度に応じて画像データの補正テーブルである1次元LUTを作成し、RAM53の1次元LUTを更新する(S1005)。図7のS12の処理の前にS1001の処理が行われ、図7のS12、S13、S14の処理が、S1002〜S1005の処理に対応する。
S1001の光量調整制御について説明する。照射光の光量Ltは、高濃度のパッチ画像の検出精度を高めるために、反射光を受光した受光部412の検出電圧が範囲外(本実施形態では5.0[V]に張り付く)となるような光量である。そのために、中間転写ベルト27からの反射光量に応じた検出電圧が所定の範囲内になるように発光部411の入力電圧を調整する従来の光量調整では、目標光量となる光量Ltの照射光を照射するための入力電圧が導出されない。本実施形態では、光量調整用の所定の画像濃度で単階調の第2測定用画像Padjを中間転写ベルト27に形成し、第2測定用画像Padjからの反射光量に応じた検出電圧が所定の範囲内になるように、発光部411の入力電圧を調整する。これより、目標光量となる光量Ltの照射光を照射するための入力電圧Vtinが導出される。
図10は、光量調整処理を表すフローチャートである。図10(a)は、従来の中間転写ベルト27の下地部分の反射光量に応じた処理を表す。図10(b)は、本実施形態の第2測定用画像Padjの反射光量に応じた処理を表す。
従来の光量調整処理について説明する。CPU51は、センサ41の発光部411に印加する入力電圧Vinを0[V]として、発光部411の暗電流を測定することで、光量P0を測定する(S1101)。CPU51は、発光部411に印加する入力電圧VinをV1、V2、V3、V4と4段階に変化させて、中間転写ベルト27を4段階の光量の照射光で順次照射する。CPU51は、4段階の光量の照射光の中間転写ベルト27の表面による反射光に応じた検出電圧Base_V1、Base_V2、Base_V3、Base_V4を取得する(S1102〜S1105)。CPU51は、取得した検出電圧Base_V1、Base_V2、Base_V3、Base_V4から、反射光量が目標光量となるような入力電圧Vinを算出する(S1106)。CPU51は、光量調整値を、算出した入力電圧Vinに更新する(S1107)。画像濃度補正時の第1測定用画像Pを検出するための発光部411の入力電圧は、この更新した値となる。
本実施形態の光量調整処理について説明する。センサ41の発光部411に印加する入力電圧Vinを0[V]として、発光部411の暗電流を測定することで、光量P0を測定する(S1201)。CPU51は、画像形成部10により、中間転写ベルト27に光量調整用の第2測定用画像Padjを形成する(S1202)。第2測定用画像Padjの画像濃度は、高濃度ほど濃度ムラに対する影響が小さくなる。本実施形態では、第2測定用画像Padjは、単色(本実施形態では黒単色)で所定の画像濃度よりも高濃度、ここでは画像印字率100%の画像である。また、第2測定用画像Padjは、通常の画像形成時とは異なる画像形成条件で形成することで、通常の画像形成の画像印字率100%よりもトナー載り量(単位面積当たりのトナー量)を多くして形成されてもよい。
CPU51は、発光部411に印加する入力電圧VinをV1、V2、V3、V4と4段階に変化させて、中間転写ベルト27上の第2測定用画像Padjを4段階の光量の照射光で順次照射する。CPU51は、4段階の光量の照射光の第2測定用画像Padjによる反射光に応じた複数の検出電圧Padj_V1、Padj_V2、Padj_V3、Padj_V4を順次取得する(S1203〜S1206)。図11は、発光部411に印加される入力電圧Vinと、受光部412から出力される検出電圧との説明図である。中間転写ベルト27検出時と、第2測定用画像Padj検出時とで、入力電圧Vinと検出電圧とは、いずれも比例関係にある。なお、第2測定用画像Padjを検出する際の照射光量は、複数段階に切り替えられれば、4段階である必要はない。
CPU51は、取得した複数の検出電圧Padj_V1、Padj_V2、Padj_V3、Padj_V4から、反射光量が目標光量となるような(検出電圧が目標値となるような)入力電圧Vinを算出する(S1207)。図11の例では、入力電圧が電圧Vtとなる。本実施形態では、目標値を第2測定用画像Padjからの反射光による検出電圧で4.0±0.1[V]とし、これに対応する入力電圧Vtが図11から求められる。目標値は、センサ41の検出範囲に応じて決定される。CPU51は、光量調整値を、算出した入力電圧Vin(電圧Vt)に更新する(S1208)。画像濃度補正用の第1測定用画像Pの画像濃度を検出する場合には、更新した入力電圧に応じた照射光量で発光部411が光を照射する。
上記のようにして、第2測定用画像Padjの検出電圧に基づいて、発光部411からの照射光量が光量Ltとなる入力電圧が導出される。図11に示すように、中間転写ベルト27に応じた検出電圧から導出される発光部411の入力電圧では、受光部412の検出電圧の範囲である5.0[V]を超えてしまい、高濃度の画像を正確に検出することができないことが分かる。
以上のような本実施形態の画像形成装置は、第2測定用画像Padjの測定結果に応じてセンサ41の発光部411の光量調整制御を行うことで、高濃度の画像濃度補正用の第1測定用画像Pであっても高精度に画像濃度を検出することができる。図12は、発光部411の入力電圧Vinに対する光量調整可能な範囲の説明図である。図12は、従来の中間転写ベルト27の反射光量に応じた光量調整と、第2測定用画像Padjの反射光量に応じた光量調整と、の調整可能な範囲を表す。従来の中間転写ベルト27の反射光量に応じた光量調整の場合、入力電圧が2.0[V]までしか調整できない。本実施形態の第2測定用画像Padjの反射光量に応じた光量調整の場合、入力電圧が4.0[V]まで調整可能である。
図13は、光量調整後の検出電圧の変化の説明図である。第1測定用画像Pの低濃度のパッチ画像から高濃度のパッチ画像まで、検出電圧が段階的に変化している。このように、第1測定用画像Pの各パッチ画像の画像濃度が高精度に検出可能である。
図14は、検出精度の説明図である。ここでは、従来の発光部411への入力電圧Vinを2.0[V]、本実施形態の発光部411への入力電圧Vinを4.0[V]としたときの、第1測定用画像Pの画像濃度の検出結果により、従来と本実施形態との検出精度を比較している。第1測定用画像Pの画像濃度は、0.2〜1.6の範囲である。この図から、本実施形態の検出精度が、従来の約2倍に向上していることがわかる。特に、高濃度(1.6)のパッチ画像の検出精度は、従来の「0.052」から「0.026」と大きく向上している。
また、図3に示す受光部412は、測定用画像からの反射光の受光強度に基づいて電圧値を出力する構成としたが、受光部412は測定用画像からの反射光の受光強度に基づいて電流値を出力する構成であってもよい。この構成とする場合、図6に示す濃度変換テーブルは電流値と濃度との対応関係を示すデータ群から構成されたテーブルとする。
また、図4(a)に示す第1測定用画像Pは、各色8階調の複数の測定用画像を含んでいるが、第1測定用画像Pの階調数は8階調に限定されず、どのような数であってもよい。
また、図4(a)に示す第1測定用画像Pは、各色8階調の複数の測定用画像を含んでいるが、第1測定用画像Pの階調数は8階調に限定されず、どのような数であってもよい。
(変形例)
以上の画像形成装置は、第2測定用画像Padjを検出した検出電圧に基づいて発光部411の照射光の光量調整制御を行うことで、従来はセンサ41の検出範囲外となる高濃度の画像であっても画像濃度補正を可能とする。
第2測定用画像Padjに濃度ムラが生じる場合、この濃度ムラの影響により、光量調整制御に制御誤差が生じることがある。第2測定用画像Padjの画像濃度が小さいほど、画像濃度が変化した際の検出電圧の変化が大きくなるため、光量調整制御の誤差が大きくなる。そのために、複数色の画像を重ね合わせた、画像濃度が高い第2測定用画像Padjを用いて光量調整制御を行ってもよい。
以上の画像形成装置は、第2測定用画像Padjを検出した検出電圧に基づいて発光部411の照射光の光量調整制御を行うことで、従来はセンサ41の検出範囲外となる高濃度の画像であっても画像濃度補正を可能とする。
第2測定用画像Padjに濃度ムラが生じる場合、この濃度ムラの影響により、光量調整制御に制御誤差が生じることがある。第2測定用画像Padjの画像濃度が小さいほど、画像濃度が変化した際の検出電圧の変化が大きくなるため、光量調整制御の誤差が大きくなる。そのために、複数色の画像を重ね合わせた、画像濃度が高い第2測定用画像Padjを用いて光量調整制御を行ってもよい。
図15は、画像濃度(トナー載り量)と検出電圧との関係図である。トナー載り量が十分に多い領域(高濃度の領域)では、トナー載り量の変化に対して検出電圧の変化が小さくなる。そのために、画像濃度が高い領域では、濃度ムラの検出電圧への影響が小さくなる。そのために、画像濃度が高い第2測定用画像Padjを用いることで、濃度ムラの光量調整制御への影響を抑制することができる。
トナー載り量に対してセンサ41の検出電圧の変化が小さくなるように、画像形成部10は、複数色の画像を重ね合わせた第2測定用画像Padjを形成する。例えば、第2測定用画像Padjは、Y(イエロー)=0%、M(マゼンタ)=0%、C(シアン)=100%、K(ブラック)=100%となる画像印字率の画像を重ね合わせて形成される。なお、複数色のトナーを重ね合わせ方は上記の例に限らない。また、通常の画像形成とは異なる画像形成条件で第2測定用画像Padjを形成することで、トナー載り量を多くしてもよい。
複数色の画像を重ね合わせた第2測定用画像Padjを用いて光量調整制御を行うことで、高濃度の画像の画像濃度を高精度に検出することができる。図16は、単色と複数色の第2測定用画像Padjによる光量調整制御の精度の比較図である。光量調整制御の精度は、第2測定用画像Padjの画像濃度のムラ等による変化に対する、センサ41の検出電圧の変化である。単色の第2測定用画像Padjでは、光量調整制御の精度が4.00±0.10Vである。複数色の第2測定用画像Padjでは、光量調整制御の精度が4.00±0.05Vである。単色よりも複数色の方が、光量調整制御の精度が向上する。
Claims (9)
- シートに画像を形成する画像形成手段と、
転写体と、
前記転写体に光を照射する発光部と、前記転写体に形成された測定用画像からの反射光を受光する受光部と、を有し、前記測定用画像を前記受光部の受光結果に基づいて測定する測定手段と、
前記画像形成手段を制御して異なる階調を有する複数の第1測定用画像を形成させ、前記測定手段を制御して前記複数の第1測定用画像を測定させ、前記第1測定用画像の測定結果に基づいて前記画像形成手段により形成される画像の濃度を調整するための画像形成条件を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記画像形成手段を制御して第2測定用画像を形成させ、前記発光部を複数の発光光量に基づいて発光させ、前記受光部による前記第2測定用画像の測定結果に基づいて、前記第1測定用画像を測定するための発光光量を決定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、前記転写体に、所定の画像濃度よりも高濃度の前記第2測定用画像を形成することを特徴とする、
請求項1記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、前記転写体に、複数色の画像を重ね合わせて、前記第2測定用画像を形成することを特徴とする、
請求項1又は2記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、前記転写体に、画像印字率100%よりもトナー載り量を多くして、前記第2測定用画像を形成することを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記転写体は、所定の方向に回転することで、形成された前記画像を前記シートに転写するための転写手段まで搬送し、
前記画像形成手段は、前記転写体に、前記転写体の回転方向に長い矩形の前記第2測定用画像を形成することを特徴とする、
請求項1〜4のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記発光部に複数の光量で前記第2測定用画像を順次照射させ、前記受光部から、順次照射される光の前記第2測定用画像による反射光に応じた複数の検出電圧を順次取得し、取得した前記複数の検出電圧と所定の目標値との関係に応じて、前記第1測定用画像を検出する際に前記発光部が照射する光の光量を導出することを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記目標値を前記検出手段の検出範囲に応じて決定することを特徴とする、
請求項6記載の画像形成装置。 - 前記発光部は、入力される入力電圧に応じた光量で発光し、
前記制御手段は、導出した前記第1測定用画像を検出する際に照射する光の光量に応じた入力電圧を算出することを特徴とする、
請求項1〜7のいずれか1項記載の画像形成装置。 - シートに画像を形成する画像形成手段と、
転写体と、
前記転写体に光を照射する発光部と、前記転写体に形成された測定用画像からの反射光を受光する受光部と、を有し、前記測定用画像を前記受光部の受光結果に基づいて測定する測定手段と、
前記画像形成手段を制御して異なる階調を有する複数の第1測定用画像を形成させ、前記測定手段を制御して前記複数の第1測定用画像を測定させ、前記第1測定用画像の測定結果に基づいて前記画像形成手段により形成される画像の濃度を調整するための画像形成条件を制御する制御手段と、を備える画像形成装置により実行される方法であって、
前記制御手段が、
前記画像形成手段を制御して第2測定用画像を形成し、
前記発光部を複数の発光光量に基づいて発光して、前記受光部による前記第2測定用画像の測定結果に基づいて、前記第1測定用画像を測定するための発光光量を決定することを特徴とする画像形成方法。
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JP2021047329A (ja) * | 2019-09-19 | 2021-03-25 | 株式会社リコー | 画像処理装置 |
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