JP2019056662A - 流量センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】感度のばらつきを低減しつつ、製造工程の簡略化を図る。【解決手段】製造するセンサチップ10と同じ複数の調整用のセンサチップを用意し、複数のセンサチップから温度と消費電力との温度−消費電力の関係を導出する。そして、製造するセンサチップ10を用意し、ヒータ抵抗体13を所定温度にする電流を決定する電流調整を行う。電流調整を行うことでは、ヒータ抵抗体13に第1調整電流を流して第1消費電力を導出すること、温度−消費電力の関係から第1調整電流に対応する第1温度を推定すること、ヒータ抵抗体13に第2調整電流を流して第2消費電力を導出すること、温度−消費電力の関係から第2調整電流に対応する第2温度を推定すること、第1、第2調整電流に対応する第1、第2温度の関係からに基づき、電流−温度の関係を導出すること、電流−温度の関係に基づき、ヒータ抵抗体13が所定温度になる電流を決定すること、を行う。【選択図】図4
Description
本発明は、ヒータ抵抗体を有する流量センサの製造方法に関するものである。
従来より、ヒータ抵抗体を有するセンサチップを備えた流量センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、センサチップは、薄膜部が形成され、薄膜部に流れる電流に応じて発熱するヒータ抵抗体、および温度に応じて抵抗値が変化する複数の検出抵抗体が形成されている。より詳しくは、ヒータ抵抗体は、薄膜部の略中央部に形成され、複数の検出抵抗体は、薄膜部のうちのヒータ抵抗体より被検出流体の流れ方向における上流側および下流側にそれぞれ形成されている。
このような流量センサでは、所望温度(すなわち、所定温度)となるようにヒータ抵抗体を発熱させた状態で被検出流体の検出が行われる。つまり、所望温度となるようにヒータ抵抗体に所定の電流を流した状態で被検出流体の検出が行われる。そして、被検出流体の流れ方向および流量に応じて熱移動が発生するため、当該熱移動を検出抵抗体で検出することにより、被検出流体の流れ方向および流量が検出される。
ところで、上記のような流量センサでは、ヒータ抵抗体の温度が感度に影響する。このため、上記のような流量センサを製造する場合、各流量センサの感度のばらつきが小さくなるように、各流量センサに対してヒータ抵抗体が所望温度となるようにするヒータ抵抗体に流れる電流を調整する電流調整が行われる。例えば、電流調整では、サーモビューアを用いてヒータ抵抗体の熱画像を取得し、取得した熱画像データを解析することにより、ヒータ抵抗体が所望温度となるようにヒータ抵抗体に流れる電流を決定する方法がある。
しかしながら、このような方法では、各流量センサを製造する際にそれぞれサーモビューアを用いた熱画像データの解析が必要になり、製造工程が複雑化し易い。
本発明は上記点に鑑み、感度のばらつきを低減しつつ、製造工程の簡略化を図ることができる流量センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、電流が流れることで発熱するヒータ抵抗体(13)を有する流量センサの製造方法であって、センサチップと同じヒータ抵抗体が形成された複数の調整用のセンサチップを用意し、複数のセンサチップに対し、ヒータ抵抗体で消費される消費電力と、ヒータ抵抗体の温度との関係を予め実測して温度と消費電力との温度−消費電力の関係を導出することと、ヒータ抵抗体が形成されたセンサチップ(10)を用意することと、ヒータ抵抗体を所定温度にする電流を決定する電流調整を行うことと、を行い、電流調整を行うことでは、ヒータ抵抗体に所定の第1調整電流が流れるようにしてヒータ抵抗体の第1両端電圧を導出すると共に、第1調整電流と第1両端電圧からヒータ抵抗体で消費される第1消費電力を導出することと、温度−消費電力の関係から第1調整電流に対応する第1温度を推定することと、ヒータ抵抗体に所定の第2調整電流が流れるようにしてヒータ抵抗体の第2両端電圧を導出すると共に、第2調整電流と第2両端電圧からヒータ抵抗体で消費される第2消費電力を導出することと、温度−消費電力の関係から第2調整電流に対応する第2温度を推定することと、第1調整電流に対応する第1温度、および第2調整電流に対応する第2温度の関係に基づき、電流−温度の関係を導出することと、電流−温度の関係に基づき、ヒータ抵抗体が所定温度になる電流を決定することと、を行う。
これによれば、ヒータ抵抗体に流れる電流とヒータ温度との関係に基づいて、ヒータ抵抗体が所定温度になる電流を決定している。このため、流量センサを製造する毎にサーモビューアを用いる必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。また、流量センサを製造する毎にサーモビューアを用いた解析処理を実行する必要がないため、製造時間の短縮化を図ることもできる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。まず、本実施形態の流量センサの構成について説明する。図1および図2に示されるように、本実施形態の流量センサは、センサチップ10、センサチップ10と接続されて所定の処理を実行する回路チップ20、センサチップ10および回路チップ20が実装される搭載部材30、および回路チップ20と電気的に接続されるリード40を備えている。また、流量センサは、回路チップ20、センサチップ10と回路チップ20との接続部位、および回路チップ20とリード40との接続部位等を被覆、保護する封止樹脂50を有している。
第1実施形態について説明する。まず、本実施形態の流量センサの構成について説明する。図1および図2に示されるように、本実施形態の流量センサは、センサチップ10、センサチップ10と接続されて所定の処理を実行する回路チップ20、センサチップ10および回路チップ20が実装される搭載部材30、および回路チップ20と電気的に接続されるリード40を備えている。また、流量センサは、回路チップ20、センサチップ10と回路チップ20との接続部位、および回路チップ20とリード40との接続部位等を被覆、保護する封止樹脂50を有している。
センサチップ10は、シリコン基板等の矩形板状の半導体基板を用いて構成され、一端部側に裏面から凹部11が形成されることによって表面側に薄膜部12が形成されている。そして、薄膜部12には、図3に示されるように、電流が流れることで発熱するヒータ抵抗体13、および温度に応じて抵抗値が変化する複数の検出抵抗体14a〜14dが形成されている。具体的には、ヒータ抵抗体13は、薄膜部12の略中央部において、被検出流体の流れ方向と交差する方向に延設されている。複数の検出抵抗体14a〜14dは、ヒータ抵抗体13を挟むように、被検出流体の流れ方向の上流側および下流側にそれぞれ2つずつ、ブリッジ回路を構成するように形成されている。また、センサチップ10には、図1および図2に示されるように、薄膜部12が形成される一端部側と反対側の他端部側に、複数のパッド15が形成されている。なお、ヒータ抵抗体13は、電流が流れることで発熱するが、流れる電流に比例して発熱が大きくなるように構成されている。つまり、ヒータ抵抗体13は、流れる電流に比例して温度が高くなるように構成されている。
回路チップ20は、被検出流体の検出を行うための回路や、センサチップ10のヒータ抵抗体13の温度を調整するための回路等が形成されている。なお、回路チップ20の具体的な回路構成については後述する。また、回路チップ20は、複数のパッド21が形成されている。そして、回路チップ20は、各パッド21がセンサチップ10に形成されたパッド15やリード40等とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。
搭載部材30は、例えば、エポキシ等の樹脂がモールド成形されて構成されており、センサチップ10および回路チップ20を実装する収容凹部31が形成されている。そして、収容凹部31の底面は、リードフレームの一部で構成される支持部材41および樹脂で構成され、支持部材41に、センサチップ10および回路チップ20が接着剤等の接合部材70を介して実装されている。なお、センサチップ10は、他端部側のみが接合部材70を介して支持部材41に搭載されている。つまり、本実施形態では、センサチップ10は、支持部材41に片持ち実装された状態になっている。
リード40は、本実施形態では、上記支持部材41と共通のリードフレームによって構成されている。そして、搭載部材30がモールド成形された後、リード40と支持部材41とを繋ぐ不要部分が切り離されることにより、リード40と支持部材41とが互いに独立した構成とされている。なお、支持部材41は、リードフレームのいわゆるアイランドで構成される。
封止樹脂50は、センサチップ10の一部、回路チップ20、センサチップ10と回路チップ20とを接続するボンディングワイヤ61、回路チップ20とリード40とを接続するボンディングワイヤ61等を封止している。このような封止樹脂50としては、例えば、エポキシ系樹脂等が用いられる。
以上説明したように、本実施形態の流量センサが構成されている。このような流量センサでは、ヒータ抵抗体13が所望温度とされた状態で被検出流体の検出が行われる。そして、センサチップ10が被検出流体に曝されると、被検出流体の流れ方向および流量に応じ、検出抵抗体14a〜14dで構成されるブリッジ回路の中点電位差が変化する。このため、当該中点電位差に基づいて被検出流体の流れ方向、および流量が検出される。つまり、本実施形態の流量センサは、感熱式の流量センサとされている。
次に、上記流量センサの製造方法について説明する。
まず、上記センサチップ10、回路チップ20、および搭載部材30を用意する。次に、接合部材70を介して収容凹部31にセンサチップ10および回路チップ20を実装する。その後、ボンディングワイヤ61を介し、センサチップ10と回路チップ20、回路チップ20とリード40とを電気的に接続する。
続いて、被検出流体の検出時にヒータ抵抗体13が所望温度(すなわち、所定温度)となるように、ヒータ抵抗体13に流れる電流(すなわち、通電量)を決定する電流調整を行う。その後、センサチップ10の一部、回路チップ20、ボンディングワイヤ61等を封止樹脂50で封止することにより、上記流量センサが製造される。
次に、本実施形態の電流調整について具体的に説明する。本実施形態では、図4に示されるように、調整装置100を回路チップ20に接続して電流調整を行う。まず、本実施形態における回路チップ20および調整装置100の構成について、図4を参照しつつ説明する。
回路チップ20は、本実施形態では、記憶部201、制御部202、ヒータ調整値出力部203、トランジスタ制御部204、トランジスタ205、調整抵抗体206等を有している。
記憶部201は、各種メモリ等の非遷移的実体的記憶媒体で構成され、複数のヒータ調整値(すなわち、コード)が記憶されている。例えば、本実施形態では、調整値コード1〜512の512個のヒータ調整値が記憶されている。
制御部202は、CPUおよび記憶部を構成する各種メモリ等を有するマイクロコンピュータ、および周辺機器等を備えて構成されている。そして、制御部202は、各種メモリに記憶された制御プログラムに従って各種処理を実行する。
具体的には、制御部202は、後述する調整装置100の制御部106と接続されると共に、記憶部201およびヒータ調整値出力部203と接続される。そして、制御部202は、調整装置100から調整信号が入力されると、記憶部201から所定の1つのヒータ調整値(すなわち、1つの調整値コード)を取得し、当該ヒータ調整値をヒータ調整値出力部203に入力する。また、制御部202は、調整装置100からヒータ調整値の決定信号が入力されると、当該決定信号に対応するヒータ調整値をヒータ調整値出力部203に入力する。
ヒータ調整値出力部203は、トランジスタ制御部204と接続されている。そして、ヒータ調整値出力部203は、制御部202からヒータ調整値が入力されると、当該ヒータ調整値出力部203に応じたアナログ信号をトランジスタ制御部204に出力する。
トランジスタ制御部204は、トランジスタ205に流れる電流を調整するものであり、トランジスタ205はヒータ抵抗体13と直列に接続される。つまり、トランジスタ制御部204は、ヒータ抵抗体13に流れる電流を調整するものである。そして、トランジスタ制御部204は、ヒータ調整値出力部203から入力されたアナログ信号に基づき、トランジスタ205に流れる電流を調整する。
なお、本実施形態では、ヒータ調整値およびヒータ抵抗体13に流れる電流は、比例関係となるように設定されている。つまり、本実施形態では、ヒータ調整値出力部203に入力されるヒータ調整値としての調整値コードの数が大きいほどヒータ抵抗体13に流れる電流が大きくなる。
調整抵抗体206は、ヒータ抵抗体13に直列に接続されており、本実施形態では、ヒータ抵抗体13を挟んでトランジスタ205と反対側に配置されている。つまり、センサチップ10および回路チップ20は、トランジスタ205、ヒータ抵抗体13、調整抵抗体206の順に直列に接続されるように、ボンディングワイヤ61を介して電気的に接続される。なお、調整抵抗体206は、後述するように、回路チップ20が用意される際に予め抵抗値が実測される。つまり、調整抵抗体206は、抵抗値が既知とされている。また、調整抵抗体206は、ヒータ抵抗体13側と反対側が調整装置100のグランド108と接続される。
以上が本実施形態における回路チップ20の構成である。次に、調整装置100について説明する。
調整装置100は、回路チップ20と接続され、記憶部101、電源部102、第1電圧測定部103、第2電圧測定部104、電流変換部105、制御部106等を有している。
記憶部101は、各種メモリ等で構成されており、回路チップ20に形成された調整抵抗体206の抵抗値が記憶される。また、具体的には後述するが、本実施形態では、図6に示されるように、センサチップ10におけるヒータ抵抗体13の温度と消費電力との関係が予め導出される。そして、記憶部101には、ヒータ抵抗体13の温度と消費電力との関係が記憶される。なお、ヒータ抵抗体13の温度と消費電力との関係は、消費電力をy、ヒータ抵抗体13の温度をx、定数をa、bとすると、y=a・x+bで示されるため、記憶部101には、例えば、この数式が記憶される。
電源部102は、回路チップ20のトランジスタ205における一端子と接続され、トランジスタ205に所定の電圧を印加する。
第1電圧測定部103は、制御部106と接続されると共に、トランジスタ205とヒータ抵抗体13との間およびグランド107に接続されている。そして、ヒータ抵抗体13における電源部102(すなわち、ハイサイド)側の電圧を測定し、測定結果を制御部106に入力する。
第2電圧測定部104は、電流変換部105および制御部106と接続されていると共に、調整抵抗体206の両端と接続されている。そして、第2電圧測定部104は、調整抵抗体206の両端電圧を測定し、測定結果を電流変換部105および制御部106に入力する。なお、調整抵抗体206は、上記のように、一端側がヒータ抵抗体13と接続され、他端側は調整装置100のグランド108と接続される。
電流変換部105は、記憶部101および制御部106と接続されている。そして、電流変換部105は、第2電圧測定部104から調整抵抗体206における両端電圧が入力されると、記憶部101から調整抵抗体206の抵抗値を読み出し、調整抵抗体206に流れる電流を導出して制御部106に入力する。つまり、調整抵抗体206の両端電圧がVs、調整抵抗体206の抵抗値がRsである場合には、Vs/Rsから調整抵抗体206に流れる電流を導出する。なお、調整抵抗体206は、上記のようにヒータ抵抗体13と直列に接続されている。このため、調整抵抗体206に流れる電流が導出されることによってヒータ抵抗体13に流れる電流が導出される。
制御部106は、CPUおよび記憶部を構成する各種メモリ等を有するマイクロコンピュータ、周辺機器、および操作入力部等を備えて構成されている。そして、制御部106は、メモリに記憶された制御プログラムに従って各種処理を実行する。
本実施形態では、制御部106は、回路チップ20の制御部202と接続され、操作入力部に対してヒータ抵抗体13の電流調整を行う操作が実行されると、所定の調整信号を回路チップ20の制御部202に入力する。これにより、回路チップ20の制御部202は、調整信号に応じたヒータ調整値をヒータ調整値出力部203に入力する。
また、制御部106は、第1電圧測定部103から入力された電圧と第2電圧測定部104から入力された電圧との差を演算してヒータ抵抗体13の両端電圧を導出する。つまり、第1電圧測定部103から入力された電圧がVhであり、第2電圧測定部104から入力された電圧がVsである場合、Vh−Vsからヒータ抵抗体13の両端電圧を導出する。
さらに、制御部106は、導出したヒータ抵抗体13の両端電圧と、電流変換部105から入力された電流(すなわち、ヒータ抵抗体13に流れる電流)とを乗算し、ヒータ抵抗体13で消費される消費電力を導出する。そして、記憶部101からヒータ抵抗体13の消費電力と温度との関係(すなわち、図6に示すy=a・x+b)を読み出し、導出した消費電力からヒータ抵抗体13の温度を推定する。
また、制御部106は、電流調整を行う操作が実行されると、異なる消費電力が導出されるように複数の調整信号を回路チップ20の制御部202に入力する。そして、制御部106は、複数の調整信号に対して導出された各消費電力に対してそれぞれヒータ抵抗体13の温度を推定する。その後、制御部106は、推定した複数の温度および複数のヒータ調整値に基づき、ヒータ抵抗体13を所望温度とするためのヒータ調整値を決定する。つまり、ヒータ抵抗体13に流す電流を決定する。そして、制御部106は、決定したヒータ調整値を示す決定信号を回路チップ20の制御部202に入力する。
以上が調整装置100の構成である。次に、ヒータ抵抗体13に流す電流を決定する電流調整について、図5〜図8を参照しつつ説明する。
まず、図5に示されるように、事前準備として、ステップ101において、本実施形態のセンサチップ10と同じ調整用のセンサチップ10を複数(例えば、100個)製造する。次に、ステップ102において、製造した複数のセンサチップ10に対し、各ヒータ抵抗体13を発熱させた状態でサーモビューア等を用い、ヒータ抵抗体13の温度および消費電力を実測する。そして、ステップ103において、実測した複数の温度および消費電力に基づき、図6に示されるようなヒータ抵抗体13の温度と消費電力との温度−消費電力の関係を導出する。続いて、ステップ104において、ヒータ抵抗体13の温度と消費電力との関係を調整装置100の記憶部101に記憶する。
なお、事前準備では、上記ステップ101〜104とは別に、回路チップ20を用意する際に回路チップ20に形成される調整抵抗体206の抵抗値も実測し、調整抵抗体206の抵抗値も調整装置100の記憶部101に記憶する。
次に、調整装置100の制御部106が実行する制御について、図7を参照しつつ説明する。
まず、制御部106は、ステップ201において、第1ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の消費電力を導出する。具体的には、操作入力部に対してヒータ抵抗体13の電流調整を行う操作がされると、回路チップ20の制御部202へ第1調整信号を入力する。これにより、制御部202は、第1調整信号に基づき、記憶部201に記憶されたヒータ調整値から1つのヒータ調整値(例えば、調整値コード10)を選択し、選択したヒータ調整値を第1ヒータ調整値としてヒータ調整値出力部203に入力する。
ヒータ調整値出力部203は、入力された第1ヒータ調整値に基づいたアナログ信号をトランジスタ制御部204に入力し、トランジスタ制御部204は、入力されたアナログ信号に基づいてトランジスタ205に流れる電流を調整する。つまり、第1ヒータ調整値に基づいてヒータ抵抗体13に流れる電流を調整する。これにより、ヒータ抵抗体13には、第1ヒータ調整値に応じた第1調整電流が流れる。そして、ヒータ抵抗体13は、第1ヒータ調整値に応じて発熱する。
制御部106は、第1電圧測定部103から入力される電圧から第2電圧測定部104から入力される電圧を減算し、ヒータ抵抗体13の第1両端電圧を導出する。また、制御部106には、電流変換部105から調整抵抗体206に流れる電流、つまりヒータ抵抗体13に流れる第1調整電流が入力される。このため、制御部106は、ヒータ抵抗体13の第1両端電圧と、ヒータ抵抗体13に流れる第1調整電流とを乗算し、第1ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13で消費される第1消費電力を導出する。
次に、制御部106は、ステップ202において、第1ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の温度を推定する。具体的には、記憶部101に記憶されたヒータ抵抗体13の温度と消費電力との関係(すなわち、図6)を読み出し、ステップ201で導出された第1消費電力から当該第1消費電力におけるヒータ抵抗体13の温度を推定する。なお、本実施形態では、ステップ202で導出される温度が第1温度に相当している。
続いて、制御部106は、ステップ203において、第2ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の消費電力を導出する。具体的には、回路チップ20の制御部202に、第1ヒータ調整値と異なるヒータ調整値を選択させる情報が含まれた第2調整信号を入力する。これにより、制御部202は、第2調整信号に基づき、記憶部201に記憶されたヒータ調整値から第1ヒータ調整値と異なる1つのヒータ調整値(例えば、調整値コード100)を選択し、選択したヒータ調整値を第2ヒータ調整値としてヒータ調整値出力部203に入力する。
ヒータ調整値出力部203は、入力された第2ヒータ調整値に基づいたアナログ信号をトランジスタ制御部204に入力し、トランジスタ制御部204は、入力されたアナログ信号に基づいてトランジスタ205に流れる電流を調整する。つまり、第2ヒータ調整値に基づいてヒータ抵抗体13に流れる電流を調整する。これにより、ヒータ抵抗体13には、第2ヒータ調整値に応じた第2調整電流が流れる。そして、ヒータ抵抗体13は、第2ヒータ調整値に応じて発熱する。
制御部106は、第1電圧測定部103から入力される電圧から第2電圧測定部104から入力される電圧を減算し、ヒータ抵抗体13の第2両端電圧を導出する。また、制御部106は、電流変換部105から調整抵抗体206に流れる電流、つまりヒータ抵抗体13に流れる第2調整電流が入力される。このため、制御部106は、ヒータ抵抗体13の第2両端電圧と、ヒータ抵抗体13に流れる第2調整電流とを乗算し、第2ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13で消費される第2消費電力を導出する。
次に、制御部106は、ステップ204において、第2ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の温度を推定する。すなわち、記憶部101に記憶されたヒータ抵抗体13の消費電力と温度との関係(すなわち、図6)を読み出し、ステップ203で導出された第2消費電力から当該第2消費電力におけるヒータ抵抗体13の温度を推定する。なお、本実施形態では、ステップ204で導出される温度が第2温度に相当している。
続いて、制御部106は、ステップ205において、ヒータ抵抗体13の温度とヒータ調整値との関係を導出する。つまり、ヒータ抵抗体13の温度とヒータ抵抗体13に流れる電流との電流−温度の関係を導出する。具体的には、ヒータ抵抗体13の温度は、図6に示されるように消費電力に比例し、ヒータ抵抗体13で消費される消費電力は、ヒータ抵抗体13に流れる電流に比例する。つまり、ヒータ抵抗体13の温度は、ヒータ抵抗体13に流れる電流を決定するヒータ調整値に比例する。このため、第1ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の温度(すなわち、ステップ202で推定した温度)、および第2ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の温度(すなわち、ステップ204で推定した温度)との関係に基づき、図8に示されるように、ヒータ抵抗体13の温度とヒータ調整値との関係を導出する。
そして、制御部106は、ステップ206において、ヒータ抵抗体13が所望のヒータ温度となるヒータ調整値を決定する。つまり、ヒータ抵抗体13に流す電流を決定する。ここで、上記のように、ヒータ抵抗体13の温度は、ヒータ抵抗体13に流れる電流に比例し、ヒータ抵抗体13に流れる電流は、ヒータ調整値に比例する。このため、例えば、図8に示されるように、所望温度とステップ204で推定した温度の温度差と、ステップ204で推定した温度とステップ202で推定した温度の温度差が等しい場合、決定ヒータ調整値と第2ヒータ調整値とのコード番号の差と、第2ヒータ調整値と第1ヒータ調整値とのコード番号の差が等しくなる。したがって、例えば、第1ヒータ調整値が調整値コード10であり、第2ヒータ調整値が調整値コード100であれば、決定ヒータ調整値は、調整値コード190となる。
そして、制御部106は、ステップ207において、決定ヒータ調整値を示す決定信号を回路チップ20の制御部202に入力する。これにより、回路チップ20では、ステップ206で決定した決定ヒータ調整値がヒータ調整値出力部203に入力された状態となる。このため、被検出流体の検出を行う場合には、ヒータ抵抗体13は、決定ヒータ調整値に対応する電流が流れて所望温度となる。
以上説明したように、本実施形態では、ヒータ抵抗体13に流れる電流を調整する電流調整では、事前準備以外にサーモビューアを用いる必要がない。つまり、流量センサを製造する毎にサーモビューアを用いる必要がない。このため、製造工程の簡略化を図ることができる。また、流量センサを製造する毎にサーモビューアを用いた解析処理を実行する必要がないため、製造時間の短縮化を図ることもできる。なお、本実施形態では、第1電圧測定部103等の測定部が必要になるが、これらは一般的な測定回路等を用いることができ、調整装置100が大幅に複雑化することもない。
また、本実施形態では、調整抵抗体206は回路チップ20に形成されている。このため、センサチップ10に調整抵抗体206を形成する場合と比較して、センサチップ10の面積を有効利用できる。
さらに、本実施形態では、調整装置100は、全て回路チップ20と接続されるようにしている。このため、センサチップ10に調整装置100と接続するためのパッド等を形成する必要がなく、センサチップ10の面積を有効利用できる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態において、調整装置100内の回路構成は適宜変更であり、第2電圧測定部104と電流変換部105は、1つの回路部で構成されていてもよい。同様に、上記第1実施形態において、制御部106とは別に演算部や導出部等を備えるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態において、回路チップ20内の回路構成は適宜変更可能である。例えば、調整抵抗体206は、ヒータ抵抗体13より電源部102側に配置されていてもよい。つまり、ヒータ抵抗体13の両端電圧が導出されるのであれば、調整抵抗体206の配置場所は適宜変更可能である。
さらに、上記第1実施形態において、調整抵抗体206は、センサチップ10に備えられていてもよい。
また、上記第1実施形態において、3つ以上のヒータ調整値でそれぞれヒータ抵抗体13の温度を導出するようにしてもよい。例えば、上記第1実施形態において、ステップ204の後、さらに第3ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の消費電力を導出すると共に第3ヒータ調整値におけるヒータ抵抗体13の温度を推定するようにしてもよい。そして、ステップ205において、3つのヒータ調整値に基づいて、ヒータ抵抗体13の温度とヒータ調整値との関係を導出するようにしてもよい。これによれば、さらに高精度に、ヒータ抵抗体13が所望温度となるヒータ調整値を決定することができる。
そして、上記第1実施形態において、回路チップ20に形成された調整抵抗体206の抵抗値を実測する際、複数の温度条件で抵抗値を実測するようにしてもよい。つまり、調整抵抗体206の温度特性を考慮するようにしてもよい。この場合、回路チップ20に温度センサを形成し、調整装置100は、温度センサで検出された温度に基づいて調整抵抗体206における抵抗値の温度特性を補正し、補正した抵抗値に基づいて調整抵抗体206に流れる電流を導出するようにしてもよい。同様に、上記第1実施形態において、ヒータ抵抗体13自体の温度特性を予め実測しておき、当該温度特性に基づいた補正を行うようにしてもよい。このように温度特性に基づいた補正を行うようにすることにより、さらに高精度に消費電力を導出でき、さらに高精度に電流調整を行うことができる。
また、上記第1実施形態において、第1電圧測定部103および第2電圧測定部104は、増幅回路を有するようにし、増幅回路で増幅された電圧を測定するようにしてもよい。これによれば、より正確に電圧を測定することが可能となる。
10 センサチップ
13 ヒータ抵抗体
20 回路チップ
100 調整装置
13 ヒータ抵抗体
20 回路チップ
100 調整装置
Claims (4)
- 電流が流れることで発熱するヒータ抵抗体(13)を有する流量センサの製造方法であって、
前記センサチップと同じヒータ抵抗体が形成された複数の調整用のセンサチップを用意し、前記複数のセンサチップに対し、前記ヒータ抵抗体で消費される消費電力と、前記ヒータ抵抗体の温度との関係を予め実測して温度と消費電力との温度−消費電力の関係を導出することと、
前記ヒータ抵抗体が形成されたセンサチップ(10)を用意することと、
前記ヒータ抵抗体を所定温度にする電流を決定する電流調整を行うことと、を行い、
前記電流調整を行うことでは、
前記ヒータ抵抗体に所定の第1調整電流が流れるようにして前記ヒータ抵抗体の第1両端電圧を導出すると共に、前記第1調整電流と前記第1両端電圧から前記ヒータ抵抗体で消費される第1消費電力を導出することと、
前記温度−消費電力の関係から前記第1調整電流に対応する第1温度を推定することと、
前記ヒータ抵抗体に所定の第2調整電流が流れるようにして前記ヒータ抵抗体の第2両端電圧を導出すると共に、前記第2調整電流と前記第2両端電圧から前記ヒータ抵抗体で消費される第2消費電力を導出することと、
前記温度−消費電力の関係から前記第2調整電流に対応する第2温度を推定することと、
前記第1調整電流に対応する前記第1温度、および前記第2調整電流に対応する前記第2温度の関係に基づき、電流−温度の関係を導出することと、
前記電流−温度の関係に基づき、前記ヒータ抵抗体が所定温度になる電流を決定することと、を行う流量センサの製造方法。 - 前記電流調整を行うことでは、前記ヒータ抵抗体と直列に接続され、抵抗値が既知とされた調整抵抗体(206)を配置すること、を行い、
前記第1消費電力を導出することでは、前記調整抵抗体の両端電圧を測定することと、前記調整抵抗体の両端電圧を用いて前記第1両端電圧を導出することと、前記調整抵抗体の両端電圧および抵抗値に基づいて前記調整抵抗体に流れる前記第1調整電流を導出することで前記ヒータ抵抗体に流れる前記第1調整電流を導出することと、前記第1調整電流と前記第1両端電圧から前記第1消費電力を導出することと、を行い、
前記第2消費電力を導出することでは、前記調整抵抗体の両端電圧を測定することと、前記調整抵抗体の両端電圧を用いて前記第2両端電圧を導出することと、前記調整抵抗体の両端電圧および抵抗値に基づいて前記調整抵抗体に流れる前記第2調整電流を導出することで前記ヒータ抵抗体に流れる前記第2調整電流を導出することと、前記第2調整電流と前記第2両端電圧から前記第2消費電力を導出することと、を行う請求項1に記載の流量センサの製造方法。 - 前記ヒータ抵抗体にヒータ調整値に応じた電流を流す回路チップ(20)を用意することと、
前記回路チップと前記センサチップとを接続することと、を行い、
前記第1消費電力を導出することでは、前記ヒータ抵抗体に第1ヒータ調整値に応じた前記第1調整電流が流れるようにし、
前記第2消費電力を導出することでは、前記ヒータ抵抗体に第2ヒータ調整値に応じた前記第2調整電流が流れるようにし、
前記電流を決定することでは、前記ヒータ抵抗体を所定温度にする電流に対応するヒータ調整値を決定し、
前記電流を決定することの後は、決定したヒータ調整値に応じた電流が前記ヒータ抵抗体に流れるようにする請求項2に記載の流量センサの製造方法。 - 前記回路チップを用意することでは、前記調整抵抗体が形成された前記回路チップを用意し、
前記回路チップと前記センサチップとを接続することでは、前記ヒータ抵抗体と前記調整抵抗体とが直列となるように前記回路とチップと前記センサチップとを接続する請求項3に記載の流量センサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017182316A JP2019056662A (ja) | 2017-09-22 | 2017-09-22 | 流量センサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017182316A JP2019056662A (ja) | 2017-09-22 | 2017-09-22 | 流量センサの製造方法 |
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JP2019056662A true JP2019056662A (ja) | 2019-04-11 |
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JP2017182316A Pending JP2019056662A (ja) | 2017-09-22 | 2017-09-22 | 流量センサの製造方法 |
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JP (1) | JP2019056662A (ja) |
-
2017
- 2017-09-22 JP JP2017182316A patent/JP2019056662A/ja active Pending
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