JP2019055412A - 鋳造方法および鋳造装置 - Google Patents

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【課題】健全な鋳造組織を有するAl系鋳物が得られる鋳造方法を提供する。
【解決手段】本発明の鋳造方法は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳型に注湯する注湯工程と、鋳型内の溶湯を凝固させて鋳物を得る凝固工程とを備え、さらに、注湯工程前の溶湯へマイクロバブルを導入する導入工程を備える。マイクロバブルを導入した溶湯を用いて鋳造することにより、鋳型内における溶湯の湯回りの向上を図れ、また粗大な鋳巣等の発生を抑制できる。マイクロバブルの導入は、超音波加振された中空超音波ホーンの先端部を溶湯へ浸漬、その先端開孔から窒素ガス等を放出することにより行える。先端開孔は、孔径が1.5mm以下、孔深さが0.5mm以上であり、導入するガス流量は3〜1000cc/minであると好ましい。
【選択図】図5A

Description

本発明は、アルミニウム系鋳物の鋳造方法とそれに適した鋳造装置に関する。
部材等の軽量化を図るため、純アルミニウム(単に「純Al」という。)やアルミニウム合金(単に「Al合金」という。)からなるアルミニウム系鋳物(単に「Al系鋳物」という。)が多用されている。Al系鋳物に求められる特性(仕様)は様々であるが、いずれの場合でも、欠陥等のない健全な鋳造組織からなることが好ましい。このため各Al系鋳物に応じた適切な鋳造方法、(鋳型)方案、溶湯処理等が採用されている。
もっとも、鋳造方法や方案には様々あるが、溶湯処理としては、主に脱水素処理がなされている程度であった。これに関連する記載が、例えば、下記の非特許文献1にある。
軽金属(1994)、vol.44、No.8 PP461-471
非特許文献1にあるような従来の脱水素処理は、少なくとも数mm以上の大きな気泡を溶湯中でバブリングさせ、水素を取り込んだ気泡を溶湯から排出することによりなされていた。なお、溶湯へ導入された大きな気泡は、溶湯中に残存することがなく、極短時間内に、ほぼ全てが溶湯外へ排出される。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、従来とは異なる溶湯処理を用いた鋳造方法等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、Al系溶湯中へマイクロバブルを導入する溶湯処理を行うことにより、健全な鋳造組織からなるAl系鋳物を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《鋳造方法》
(1)本発明の鋳造方法は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳型に注湯する注湯工程と、該鋳型内の溶湯を凝固させて鋳物を得る凝固工程とを備え、さらに、前記注湯工程前の溶湯へマイクロバブルを導入する導入工程を備える。
(2)本発明の鋳造方法によれば、鋳造欠陥(集中引け巣等の鋳巣、湯回り不良等)の発生を抑制でき、健全な鋳造組織を有するAl系鋳物を得ることができる。また、溶湯中へのマイクロバブルの導入量を増加させることにより、Al系鋳物の軽量化も併せて可能となる。本発明の鋳造方法により健全なAl系鋳物が得られる理由は次のように考えられる。
先ず、溶湯中に導入されたマイクロバブルは、従来のバブリングにより導入する大きな気泡とは異なり、浮上速度が非常に遅く、溶湯中に分散して長時間残存する。このようなマイクロバブルが混在した溶湯は、みかけの熱伝導率が小さくなり、鋳型からの抜熱により生じる温度低下も少ない。このため、鋳型内の溶湯は、湯回り不良等を発生し難くなると共に、凝固も緩やかとなって集中引け等も低減される。
溶湯中に導入されたマイクロバブルは、Al系鋳物(鋳造組織)内で微細分散した気孔となるが、そのサイズ(粒径)は、概ね200μm以下である。このような微細な気孔の存在は、Al系鋳物の機械的特性(例えば疲労強度等)へ及ぼす影響が小さい。
また、マイクロバブルの導入量に応じてAl系鋳物のみかけ密度は低下するため、本発明の鋳造方法によれば、機械的特性の確保と軽量化の両立も可能となる。
《鋳造装置》
本発明は鋳造装置としても把握できる。すなわち本発明は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯へマイクロバブルを導入する導入手段を備える鋳造装置でもよい。
《その他》
(1)本明細書でいう「マイクロバブル」とは、サイズ(単に「気泡径」ともいう。)が200μm以下の気泡をいう。気泡径は、その最大長とする。なお、気泡径は、次の手順で測定して特定した。アルミニウム溶湯と動粘性係数が近い水(0.0100cm/S)を用いて水中にホーンを浸漬し、所定条件で超音波ホーンからガスを導入し、ホーンから水中へのガスの排出状態を写真撮影した。撮影した写真から気泡径の測定を行った。気泡径は100μm以下さらには50μm以下であると好ましい。その下限値は問わないが、敢えていうと、1μm以上さらには5μm以上とするとよい。
導入工程で溶湯へ導入される気泡中には、マイクロバブルでない大きい気泡が少量混在してもよい。大きな気泡は溶湯外へ短時間内に排出され、マイクロバブルだけが溶湯中に滞留する。
(2)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
中空超音波ホーンの先端開孔径(d)と溶湯の差込み深さ(h)の関係を示すグラフである。 中空超音波ホーンの先端部内における溶湯表面の盛り上がりを模式的に示す図である。 中空超音波ホーン(孔径:0.9mm)からガスが放出される様子を示す写真である。 中空超音波ホーン(孔径:3.5mm)からガスが放出される様子を示す写真である。 中空超音波ホーン(孔径:0.9mm)から放出されるマイクロバブルの様子をガス流量毎に示す写真である。 中空超音波ホーン(孔径:0.9mm)から放出されるマイクロバブルの気泡径(最大径および最小径)とガス流量の関係を示す散布図である。 Al合金溶湯中へ中空超音波ホーン(孔径:0.9mm)からマイクロバブルを導入する様子を示す写真である。 マイクロバブルを導入した溶湯を凝固させた鋳物(試料1)の鋳造組織を示す写真である。 マイクロバブルを導入しない溶湯を凝固させた鋳物(試料C1)の鋳造組織を示す写真である。 マイクロバブルを導入した溶湯を用いてダイカスト鋳造したときの固相率と充填率の関係を示す散布図である。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の鋳造方法のみならず、鋳造装置やその鋳造方法により得られたAl系鋳物にも適宜該当する。製造方法に関する構成要素は「物」に関する構成要素ともなり得る。
《導入工程/マイクロバブル》
(1)原料ガス
マイクロバブルとなる原料ガスは、溶湯への固溶量が少ないものが好ましい。例えば、窒素ガス、炭酸ガス等をマイクロバブルの原料ガスとして用いるとよい。ちなみに、700℃のAl溶湯100gあたりの固溶量は、水素:1.2cc、窒素ガス:0cc、炭酸ガス:0ccである。水素のように溶湯中への固溶量が大きいガスを用いると、溶湯中にマイクロバブルとして分散、浮遊させることが難しくなる。従って、700℃の溶湯100gあたりの固溶量が0.1cc以下さらには0.01cc以下の原料ガスを用いてマイクロバブルを発生させると好ましい。
ちなみに、溶湯中に導入されたマイクロバブルは、その溶湯中に長時間存在すると共に気液界面の面積が大きい。このためマイクロバブルの少なくとも一部は、溶湯(特にAl)と反応して、微細な化合物を生成し得る。化合物は、原料ガスの種類と溶湯の成分組成により種々あり得るが、例えば、AlN、Al等である。このような化合物は、通常、高剛性または硬質である。このため、そのような化合物が分散したAl系鋳物は剛性や強度の向上が図られる。なお、Al系鋳物中の化合物は、通常、マイクロバブルによりできた微細な気孔の外周囲(外郭)に分布することが多くなる。
(2)原料ガスの流量
導入工程で、溶湯へ放出するマイクロバブルとなる原料ガスの流量は3〜1000cc/min、10〜500cc/minさらには50〜300cc/minであると好ましい。流量が小さいとマイクロバブルの溶湯への導入に時間を要し、流量が大きいと溶湯への導入される気泡のサイズが不均一になり易い。
(3)溶湯の固相率
マイクロバブルを導入された溶湯は、注湯前の固相率が0.5以下、0.4以下さらには0.3以下であると好ましい。固相率が高くなると、溶湯中におけるマイクロバブルの分散性が低下し、マイクロバブルを導入する効果が低くなる。特に、固相率が高くなると、マイクロバブルを導入した溶湯でも、鋳型内における湯回り性が低下して、鋳型内に溶湯を高充填することが困難となる。
《導入手段/中空超音波ホーン》
溶湯へマイクロバブルを導入する導入手段は、例えば、中空超音波ホーン(単に「ホーン」という。)により実現される。ホーンは、内部を原料ガスが流動する中空状の超音波振動子である。マイクロバブルは、加振源により超音波振動しているホーン内へ、原料ガスを導入することにより発生させることができる。
なお、加振源によるホーンの振動周波数は、例えば、20kHz〜100kHz以上さらには25kHz〜50kHzとするとよい。またホーンの振幅は、例えば、1〜100μmさらには30〜70μmとするとよい。なお、ホーンを用いたマイクロバブルの発生自体については、特開2011−50832号公報の記載を参照できる。
溶湯へ浸漬されるホーンの先端開孔は、孔径が1.5mm以下さらには1mm以下であると好ましい。その孔径が大きくなると、溶湯が先端開孔へ侵入して、開孔が閉塞され易くなり、マイクロバブルの溶湯への放出性が低下する。孔径の下限値は問わないが、マイクロバブルを安定的に放出するために0.4mm以上さらには0.6mm以上であると好ましい。
また先端開孔は、孔深さが少なくとも0.5mm以上さらには1mm以上あると好ましい。孔径を上述のように小さくしても、溶湯は孔内部へ0.5mm程度盛り上がる。孔深さが小さいと、マイクロバブルの溶湯への放出性が低下し得る。なお、ホーン一つあたり先端開孔は複数あってもよい。
《その他》
(1)本発明の鋳造方法は、重力鋳造、低圧鋳造またはダイカスト鋳造等のいずれにも適用可能である。
(2)溶湯は、純Alの他、Al−Si系合金、Al−Si−Mg系合金、Al−Si−Cu系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Mg系合金等を用いるとよい。
(3)本発明の鋳造方法により得られるAl系鋳物は、様々な用途や形態をとり得る。例えば、エンジンブロック、シリンダヘッド、ロードホイール、キャリア、ナックル、アーム、メンバー、燃料電池(FC)のケース等の部材に利用されると好ましい。
種々の実験を通じて、マイクロバブルの溶湯への導入条件を検討した。また、マイクロバブルの導入の有無が鋳造組織へ及ぼす影響も評価した。このような具体例を挙げつつ、以下に本発明をさらに詳しく説明する。
《基礎実験》
[実験1]
先端側が細いパイプ状となっている中空超音波ホーン(単に「ホーン」という。)を用意した。ホーンには、市販品(精電舎電子工業株式会社製 工具ホーン)またはその市販品を加工した改造品を用いた。
ホーンの先端側を700℃のAl―Si―Mg系合金溶湯(JIS AC4C合金/Al―6.5〜7.5%Si−0.2〜0.4%Mg)中へ、湯面から5cm浸漬した。先端開孔径(d)が異なる各ホーンについて、その先端からホーン内部へ差し込む溶湯の高さ(差込み深さ:h)をそれぞれ次のように測定した。浸透後、溶湯より上のホーン上部を冷却した。取り出し後、ホーンの孔部(中空部)を中心に切断し、アルミニウムが浸漬した部位の高さをノギスで測定した。これにより、図1Aに示すような、孔径(d)と差込み深さ(h)との関係を得た。その結果を図1Aに示した。
図1Aから明らかなように、孔径が1mm以下では溶湯が先端開孔へ差し込まないことがわかる。差込み深さが大きくなると、ホーンの先端開孔に浸透した溶湯が凝固して、ガスの放出が困難となる。従って、ホーンの先端部の孔径は、1.5mm以下さらには1mm以下が好ましいことがわかる。
また、図1Bに示すように、ホーンの先端部内では、溶湯の表面張力により、溶湯の表面中央部が最低でも0.5mm程度盛り上がった状態となる。そこでホーンの先端開孔は、孔深さが0.5mm以上さらには1mm以上であると好ましい。なお、孔深さとは、開孔先端から、上述した孔径が維持されている長さである。
[実験2]
実験1の結果を踏まえて、孔径が0.9mmと3.5mmのホーンを用意した。各ホーンの先端開孔をビーカーの水中へ浸漬すると共に、超音波加振(振幅:32μm、発振周波数:28.5kHz)した状態で各先端開孔からN(100cc/min)を放出した。なお、超音波加振には精電舎電子工業株式会社製 SONOPET 625Dを用いた。
各ホーンの先端開孔から発生する気泡の様子を図2Aおよび図2Bにそれぞれ示した。なお、いずれの孔径のホーンも超音波加振しなければ、先端開孔から粗大な気泡が単に連続的に放出されるだけであった。
図2Aから明らかなように、孔径:0.9mmのホーンを用いた場合、その先端開孔からマイクロバブルが放出され、水中に長時間残存して分散していくことがわかった。一方、図2Bから明らかなように、孔径:3.5mmのホーンを用いた場合、その先端開孔から放出された気泡は、すぐに凝集して数mmサイズまで成長し、浮上して水面から大気中へ排出されることがわかった。
[実験3]
実験2の結果を踏まえて、孔径が0.9mmのホーンを用いて、ホーンへ導入するガス流量を変化させたときの様子を図3Aに示した。なお、超音波加振は実験2の場合と同様に行った。
図3Aから明らかなように、ガス流量が少ないとき、マイクロバブルは水中に直ちに分散して、水面の乱れもなかった。一方、ガス流量が多いとき、気泡径のバラツキや水面の乱れが少し観られるようになった。
ガス流量を種々変更したときに生じる各気泡径の最小値と最大値を図3Bに示した。図3Bから明らかなように、ガス流量が多くなるほど、気泡径のバラツキが大きくなることがわかった。この結果、ガス流量は3〜1000cc/minさらには10〜500cc/minであると好ましい。なお、各気泡径は、既述したように、写真撮影を行い、観察された気泡幅の最大値とした。
《実施例》
[実施例1]
(1)試料1
図4に示すように、坩堝に保持した700℃のAl―Cu―Mg系合金溶湯(JIS AC2B合金/Al−2〜4%Cu―5〜7%Si)中へ、超音波加振(振幅:32μm、発振周波数:28.5kHz)したホーン(孔径:0.9mm)から、N(ガス流量:300cc/min)からなるマイクロバブルを導入した。
このマイクロバブルを導入した溶湯(700℃)を熱分析用の鋳型(砂型/キャビティ:φ25mm×50mm)へ注湯した(注湯工程)。注湯後の溶湯を大気雰囲気中で自然冷却して凝固させて、円柱状のAl合金鋳物を得た(凝固工程)。このAl合金鋳物を鋳造組織の観察に供した(試料1)。
(2)試料C1
比較試料として、マイクロバブルを導入しない同温度の溶湯を用いて、同様に鋳造したAl合金鋳物も用意し、それも鋳造組織の観察に供した(試料C1)。
(3)鋳造組織
各試料の中央断面を観察した鋳造組織(マクロ組織)を図5Aと図5Bに示した。
先ず、図5Bから明らかなように、試料C1の場合、鋳物外周部には鋳巣は発生しないが、鋳物中央部にザク巣状の欠陥が集中して発生することがわかる。
一方、図5Aから明らかなように、試料1の鋳造組織には、試料C1とは異なり、集中した鋳巣は観察されなかった。試料1の鋳造組織には、図5A中に白色矢印で示すように、最大長が200μm以下の小さな空孔が均一的に分散していることが確認できた。
また、試料1の鋳造組織では、試料C1の鋳造組織よりも結晶粒サイズが均一的で大きくなっていた。これは、試料1の溶湯がマイクロバブルの導入によりみかけの熱伝導率が低下して、凝固速度が全体的に遅くなったためと推察される。
[実施例2]
マイクロバブルを導入した700℃のAl―Si―Mg系合金溶湯(既述)を、鋳型(金型/キャビティ:厚さ5mm×幅60mm×長さ120mm)へ射出して(注湯工程)、ダイカスト鋳造した(凝固工程)。この際、射出時の固相率を種々変化させた。こうして得られた各鋳物の充填率と固相率の関係を図6に示した。なお充填率は、キャビティ内に得られた鋳物の体積を、そのキャビティの総体積で除して求めた。また固相率の調整は、φ40mmの断熱材で保温した射出スリーブに溶湯を注湯した後、その射出スリーブ内の溶湯の温度を調整して、所定の固相率になった溶湯を射出して行った。
図6から明らかなように、マイクロバブルを導入した溶湯を用いても、固相率が過大になると、充填率は低下する。マイクロバブルが均一的に分散した状態の鋳造組織を得るためには、鋳造時(注湯工程時)の固相率が0.4以下さらには0.3以下であると好ましいことがわかった。

Claims (8)

  1. 純アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳型に注湯する注湯工程と、
    該鋳型内の溶湯を凝固させて鋳物を得る凝固工程とを備え、
    さらに、前記注湯工程前の溶湯へマイクロバブルを導入する導入工程を備える鋳造方法。
  2. 前記導入工程は、前記マイクロバブルとなる原料ガスを前記溶湯へ放出する流量が3〜1000cc/minである請求項1に記載の鋳造方法。
  3. 前記原料ガスは、窒素ガス、炭酸ガスまたは塩素ガスである請求項2に記載の鋳造方法。
  4. 前記マイクロバブルは、前記溶湯へ浸漬した中空超音波ホーンの先端開孔から放出され、
    該先端開孔は、孔径が1.5mm以下であると共に孔深さが0.5mm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の鋳造方法。
  5. 前記導入工程後で前記注湯工程前の溶湯は、固相率が0.5以下である請求項1〜4のいずれかに記載の鋳造方法。
  6. 重力鋳造、低圧鋳造またはダイカスト鋳造のいずれかである請求項1〜5のいずれかに記載の鋳造方法。
  7. 純アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯へマイクロバブルを導入する導入手段を備える鋳造装置。
  8. 前記導入手段は中空超音波ホーンであり、
    該中空超音波ホーンは、前記溶湯へ浸漬される先端開孔を有し、
    該先端開孔は、孔径が1.5mm以下であると共に孔深さが0.5mm以上である請求項7に記載の鋳造装置。
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