JP2019053338A - 電子ペン - Google Patents

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Takayuki Arai
孝幸 新井
航平 田中
Kohei Tanaka
航平 田中
健一 二宮
Kenichi Ninomiya
健一 二宮
金田 剛典
Takenori Kaneda
剛典 金田
浩成 神崎
Hiroshige Kanzaki
浩成 神崎
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Abstract

【課題】操作部材の押下操作によるスイッチのプリント基板からの剥がれを防止する。【解決手段】筒状のケース2の中空部内に、スイッチ77が配設されるプリント基板が配置される。スイッチ77の作動子77aは、プリント基板7の切欠き部7gの空間に電子ペンの軸心方向に交差する方向に突出する。ノック棒10が押下されたとき、ノック棒10と一体的に摺動する摺動部材14の先端部が、切欠き部7gの空間部分に入り込んで、軸心方向に摺動移動する。摺動部材14の軸心方向の摺動移動により、スイッチ77の作動子77aに外力が印加されて、スイッチ77が初期切替状態から切り替えられる。ノック棒10の元の状態への復帰に応じて、摺動部材14が元の位置に復帰すると、スイッチ77の作動子77aへの外力が消失し、スイッチ77は初期切替状態に戻る。【選択図】図1

Description

この発明は、位置検出センサに対して位置指示するための電子ペンに関する。
近年、電子機器の入力具として、電子ペンが用いられるようになってきた。この種の電子機器は、電子ペンによる入力を受け付けるための入力面を有すると共に、当該入力面の下方には位置検出センサを備える。使用者が電子機器の入力面において電子ペンにより位置を指示すると、位置検出センサが当該電子ペンにより指示された位置を検出する。電子機器は、位置検出センサにより検出された電子ペンによる指示位置に応じた処理を行う。
位置検出センサが電子ペンによる指示位置を検出する方式としては、電磁誘導方式、静電容量方式、抵抗検出方式など、種々の方式がある。電子ペンは、いずれの方式のものでも、一般的には、筒状の筐体を有し、当該筒状の筐体の中空部内に、当該電子ペン用の電子回路部品が搭載されるプリント基板が配置されている。
例えば電磁誘導方式の電子ペンの場合には、筒状の筐体のペン先側に設けられる磁性体コアに巻回されているコイルと共に共振回路を構成するようにキャパシタがプリント基板に配設されている。また、アクティブ方式の静電容量方式の電子ペンの場合には、導電性の芯体を通じて位置検出センサに信号を送出するための信号発信回路がプリント基板に配設されている。この場合に、プリント基板は、スイッチなどの電子部品が取り付けられる基板面が、軸心方向に沿う方向となるように配置される。
電子ペンの筐体内のプリント基板上の電子回路には、使用者の操作により切り替え制御されるスイッチが含まれることが多々ある。例えば、電磁誘導方式の電子ペンの場合には、共振回路の共振周波数を、キャパシタを切り替えることで変えるためのスイッチがプリント基板の基板面上に設けられる(例えば特許文献1(特開平5−233126号公報)参照)。また、アクティブ方式の静電容量方式の電子ペンの場合には、駆動電源のオン、オフや、信号発信回路からの信号の発信のオン、オフを切り替えるためのスイッチがプリント基板の基板面上に設けられる。
特開平5−233126号公報
ところで、スイッチをオン、オフするために使用者により操作される操作部材は、電子ペンの筒状の筐体の周側面に設けられる場合と、筒状の筐体のペン先側とは反対側の軸心方向に端部に設けられる場合とがある。スイッチをオン、オフするための押下操作の操作部材が筒状の筐体の周側面に設けられる場合には、操作部材による押下操作により印加される力の方向は、プリント基板に直交する方向となり、プリント基板に設けられたスイッチの筐体をプリント基板の基板面側に押し付けるような力となる。したがって、プリント基板に配設されているスイッチに対して、プリント基板とスイッチとの接続を問題にするような力は印加される恐れはない。
一方、スイッチをオン、オフするために使用者により操作される操作部材が、筒状の筐体のペン先側とは反対側の軸心方向に端部に設けられる場合には、操作部材の押下操作による力は、プリント基板の基板面に取り付けられたスイッチの筐体に対して基板面と平行な方向から印加される状態となる。
このため、操作部材の押下操作による力が、プリント基板の基板面に固定されているスイッチの筐体に対して直接的に印加される場合には、その印加された力は、スイッチの筐体をプリント基板から剥がすような力となり、プリント基板とスイッチとの電気的な接続が不良になる恐れがある。特に、最近の電子ペンは、細型化が進んでおり、プリント基板は細型化されると共に、スイッチは小型となっているので、プリント基板に対してスイッチを強固に固定することが容易ではなくなってきており、プリント基板とスイッチとの電気的な接続の不良が発生しないようにすることが重要となってきている。
この発明は、以上の問題点を解決することができるようにした電子ペンを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、
筒状の筐体と、
前記筒状の筐体の中空部内に配設されるプリント基板と、
スイッチ筐体から突出し前記スイッチ筐体内に収納されるように変位して、スイッチ状態を切り替えるようにするための作動子を有し、前記プリント基板の前記基板面上に配設されたスイッチと、
前記筒状の筐体のペン先側とは反対側の開口部側から突出する突出部と、前記突出部が押下されることにより前記筒状の筐体内を、前記軸心方向に前記ペン先側に移動する摺動部材とを備える操作部材と、
前記操作部材の前記突出部が前記軸心方向に押下される毎に、前記摺動部材を前記ペン先側に移動した状態で保持するロック状態と、前記摺動部材を前記ペン先側に移動する前の状態である復帰状態を繰り返すロック機構と
を備え、
前記摺動部材は、前記筒状の筐体の内壁面に沿って摺動して、前記作動子の変位方向に対して交差する方向の力を前記作動子に印加して前記スイッチの作動子を変位させるスイッチ制御部材を備える
ことを特徴とする電子ペンを提供する。
上述の構成の請求項1の発明による電子ペンにおいては、筒状の筐体のペン先側とは反対側の開口部側から突出する操作部材の突出部が使用者により軸心方向に押下操作されると、操作部材の摺動部材は、ロック機構により、その押下された状態を保持するロック状態にされると共に、スイッチ制御部材により、スイッチの作動子が、その突出方向に交差する方向の力を受けて変位させられて、スイッチ状態が切り替えられる。
このとき、スイッチの作動子には外部からの力が印加され続けて作動子は変位した状態を維持するようになるが、スイッチの作動子に外部から印加される力は、当該作動子の変位方向に交差する方向の力であって、スイッチの筐体には、外部からの力がそのまま印加されることはない。すなわち、操作部材の軸心方向の摺動移動による軸心方向の力をスイッチの筐体がそのまま受ける状態とはならない。このため、この発明による電子ペンにおいては、プリント基板上に固定されているスイッチの筐体に対して、プリント基板とスイッチとの電気的な接続不良の問題が生じるような力の印加が軽減され、あるいは防止される。
この発明によれば、筒状の筐体の中空部内に、基板面が筐体の軸心方向に沿うようにプリント基板が配設されていると共に、このプリント基板の基板面にスイッチが配設され、筒状の筐体のペン先側とは反対側の開口部側から一部が突出するように設けられた操作部材の軸心方向の摺動移動に応じてスイッチをオン状態及びオフ状態に切り替えるようにする電子ペンにおいて、操作部材の軸心方向の摺動移動に基づく、プリント基板とスイッチとの電気的な接続不良の問題を軽減あるいは回避することができる。
この発明による電子ペンの第1の実施形態の全体の概要を説明するための図である。 この発明による電子ペンの第1の実施形態の内部構成を説明するための分解斜視図である。 この発明による電子ペンの第1の実施形態の要部を説明するために用いる図である。 この発明による電子ペンの第1の実施形態を用いる電子機器を説明するための図である。 この発明による電子ペンの第1の実施形態の電子回路構成例と、図4の電子機器が備える位置検出装置の電子回路構成例を示す図である。 この発明による電子ペンの第1の実施形態で用いるスイッチの構成例を説明するための図である。 この発明による電子ペンの第1の実施形態の他の電子回路構成例を示す図である。 この発明による電子ペンの第2の実施形態の電子回路構成例を示す図である。 この発明による電子ペンの第2の実施形態と共に動作する位置検出装置の電子回路構成例を示す図である。 この発明による電子ペンの他の実施形態の電子回路構成例を示す図である。 この発明による電子ペンの他の実施形態の要部の構成を説明するための図である。 この発明による電子ペンの他の実施形態の要部の構成を説明するための図である。 この発明による電子ペンの他の実施形態の要部の構成を説明するための図である。 この発明による電子ペンの他の実施形態の要部の構成を説明するための図である。 この発明による電子ペンの他の実施形態の要部の構成を説明するための図である。
以下、この発明による電子ペンの実施形態を、図を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、この発明を、電磁誘導方式の電子ペンに適用した場合である。図1は、この発明による電子ペンの第1の実施形態の構成例を説明するための図であり、この実施形態の電子ペン1の全体の概要を説明するためのものである。
図1(A)及び(B)は、この実施形態の電子ペン1のケース2(筐体)を破断して、その内部を示したものである。この実施形態の電子ペン1においては、ペン先側(フロント側)とは反対側(リア側)に、電子ペン1のケース2内に設けられるスイッチのオン・オフを切り替えるためのノック式の操作機構が設けられている。図1(A)は、そのノック式の操作機構の一部を構成するノック棒10が押下されていない状態を示す図、図1(B)は、ノック棒10が押下されている状態を示す図である。また、図1(C)は、この実施形態の電子ペン1を、芯体9の先端部側から軸心方向に見た図である。ノック式の操作機構の一部を構成するノック棒10は、操作部材の例を構成する。
図1(A)及び(B)に示すように、電子ペン1は、軸心方向に細長であって、軸心方向の一方及び他方が開口とされる筒状の筐体を構成するケース2を備える。このケース2は、例えば樹脂などからなり、この実施形態では、ペン先側となるフロントケース部3と、ペン先側とは反対側となるリアケース部4とが、軸心方向に結合されて構成されている。この実施形態では、リアケース部4は、フロントケース部3の中空部の内壁面の形状に対応する外周面形状を有する結合筒状部4aを備え、当該結合筒状部4aが、図1(A)及び(B)に示すように、フロントケース部3の中空部内に圧入嵌合されることで、フロントケース部3に対してリアケース部4が軸心方向に結合される。
この実施形態では、ケース2の中心軸に直交する方向の外形形状(ケース2の横断面の輪郭形状に等しい)は、図1(C)に示すように、扁平形状とされている。そして、この例では、ケース2の中心軸に直交する方向の外形形状は、図1(C)に示すように、ケース2の中心軸位置を挟んで対向する互いに平行な2平面21、22を有するものとされている。そして、このケース2を構成するフロントケース部3及びリアケース部4の内部の中空部も、その横断面形状がケース2の外形形状に応じた扁平形状とされている。
[フロントケース部3側の内部構成例]
フロントケース部3の中空部内には、磁心コイル5と、筆圧検出モジュール6と、プリント基板7とが、軸心方向に順次に並べられると共に、軸心方向に順次に結合されて一体的にモジュール化された部品群が収納されている。この場合に、プリント基板7は、扁平のフロントケース部3の中空部内に、当該中空部の横断面において長尺である方向が、プリント基板7の基板面7aの幅方向となるように配置されている。したがって、プリント基板7としては、電子ペン1が小型のものであっても、幅が比較的広い基板を用いることができる。
図2は、電子ペン1のフロントケース部3内に収納される部品群を、部品毎に並べた分解斜視図である。この実施形態では、前述したように、フロントケース部3の横断面の輪郭形状は、扁平形状とされているとともに、フロントケース部3の内部の中空部も、その横断面形状がフロントケース部3の外形形状に応じた扁平形状とされているので、フロントケース部3内に収納される部品も中空部の扁平形状に対応した形状とされている。
図2に示すように、フロントケース部3の中空部内には、ペン先側から順に、軸心方向に、磁心コイル5と、筆圧検出モジュール6と、基板ホルダー8とが配置される。基板ホルダー8の基板載置台部81には、プリント基板7が載置されて係止される。
磁心コイル5は、柱状形状の磁性体コア、この例ではフェライトコア51にコイル52が巻回されて構成されている。フェライトコア51には、軸心方向の貫通孔51aが形成されており、この貫通孔51aを挿通して、芯体9が筆圧検出モジュール6に結合されるように構成される。筆圧検出モジュール6は、芯体9の先端部92に印加される筆圧を検出する。
芯体9、細みの棒状体からなる芯体本体部91と、この芯体本体部91の軸心方向の一端側に形成される先端部92とを備える。芯体本体部91の径は、フェライトコア51の貫通孔51aの内径よりも小さく選定されている。芯体9の先端部92は、フロントケース部3のペン先となる軸心方向の一方の端部に形成された開口31(図1(A),(B)参照)を通じて外部に突出して露呈するようにされる。芯体9の先端部92の外径は、例えば1mm〜2mmであり、この例では、芯体本体部91は、この先端部92の径よりも小径の円柱形の棒状体であり、開口31の径は、芯体本体部91の径よりも大きく選定されている。
この場合に、芯体9は、先端部92に印加される圧力(筆圧)を、筆圧検出モジュール6に伝達することができるように、硬質の非導電性材料の例としての樹脂、例えばポリカーボネート、POM樹脂などの合成樹脂やABS(acrylonitrile−butadiene−styrene)樹脂等からなる。芯体9は、この実施形態では、筆圧検出モジュール6に対して挿脱可能とされることで、電子ペン1に対して、挿脱可能とされている。
フェライトコア51は、この例では、ケース2の中空部の横断面形状に対応した扁平の横断面形状を有し、ペン先側は、先細となるようにテーパ状に構成されたテーパ部とされている。そして、この例の場合、フェライトコア51のテーパ部は保護キャップ53により覆われて保護されるようにされる。そして、フェライトコア51のペン先側を保護するように設けられた保護キャップ53の端面が、図1(A)及び(B)に示すように、フロントケース部3の内壁面の開口31側に形成されている段部32に衝合することにより、モジュール化されて一体的とされた電子ペン部品の軸心方向の移動が規制されるように構成されている。
フェライトコア51に巻回されているコイル52の一端52a及び他端52b(コイル52の巻き始め端及び巻き終わり端)は、ペン先側とは反対側において軸心方向に延伸されて、基板ホルダー8に載置されているプリント基板7に半田付けすることが可能なようにされている。
筆圧検出モジュール6は、この実施形態では、複数個の感圧用部品からなる感圧部61と、ホルダー62と、係合部材63とを備えている。この実施形態の筆圧検出モジュール6では、感圧部61として、例えば特許文献:特開2011−186803号公報に記載されている周知の構成の筆圧検出機構を使用した、筆圧に応じて静電容量が変化する容量可変キャパシタの構成とすることができる。なお、感圧部61としては、これに限らず、例えば、特開2013−161307号公報に開示されているような筆圧に応じて静電容量を可変とする半導体素子を用いた容量可変キャパシタの構成としてもよい。
ホルダー62は、絶縁性材料例えば樹脂からなり、感圧部61を構成する複数個の感圧用部品を保持するための保持部621と、この保持部621に保持されている感圧部61が備える2個の電極(感圧部61により構成される容量可変キャパシタの一端及び他端の電極)を基板ホルダー8に載置されているプリント基板7と電気的に接続するための接続部622とを一体として備える。
係合部材63は、ホルダー62の保持部621と係合することで、感圧部61の複数個の感圧用部品を、ホルダー62の保持部621に保持させるようにする。係合部材63は、また、フェライトコア51を嵌合保持するための嵌合部も備える。係合部材63のフェライトコア51を嵌合保持する嵌合部には、フェライトコア51のテーパ部とは反対側の端部が嵌合されて、筆圧検出モジュール6と、コイル52が巻回されているフェライトコア51とが結合されるように構成されている。
基板ホルダー8は、絶縁性材料例えば樹脂からなり、基板載置台部81と、筆圧検出モジュール6との嵌合部82とを備える。
基板ホルダー8の基板載置台部81は、細長の矩形形状のプリント基板7の基板面7aが軸心方向に沿う方向となるようにすると共に、基板面7aの長辺方向を電子ペン1の軸心方向として載置するようにする載置面81aを備える。そして、基板載置台部81は、載置面81aのケースキャップ側の端部位置に、当該載置面81aとでプリント基板7のケースキャップ側の端部7bを挟持するようにする突部81bを備える。また、基板載置台部81は、プリント基板7の幅方向を係止させるために、載置面81aから上方に突出する突部81c、81d、81e、81fを備える。
一方、プリント基板7のペン先側の端部近傍においては、基板載置台部81の載置面81aの突部81c、81d、81e、81fと係合するように切欠き部7c、7d、7e、7fが形成されている。そして、プリント基板7は、リアケース部4側の端部7bが、基板載置台部81の突部81bと載置面81aとで挟持されるように結合されると共に、切欠き部7c、7d、7e、7fが基板載置台部81の突部81c、81d、81e、81fと係合するように載置されることで、基板載置台部81に係止される。
また、基板ホルダー8の嵌合部82は、この実施形態では、筆圧検出モジュール6のホルダー62の接続部622が挿入される中空部を有する筒状形状を有する。ホルダー62の接続部622には、感圧部61の2個の電極に接続されている2個の端子部材(図示は省略)が、プリント基板7に形成されている導体パターン71,72と接続するように形成されている。
そして、この例では、筆圧検出モジュール6のホルダー62の接続部622は、基板ホルダー8の嵌合部82に挿入されると、基板載置台部81に載置されているプリント基板7を、その板厚方向に挟むように係合する。これにより、筆圧検出モジュール6に保持されている感圧部61の2個の電極と、プリント基板7の基板面7aに形成されている導体パターン71及び72とが、接続部622の2個の端子部材を通じて、電気的に接続される。なお、プリント基板7の基板面7aに形成されている導体パターン71及び72と、接続部622の2個の端子部材とは、電気的な接続をより強固にするために半田付けされる。
この実施形態の電子ペン1は、その指示位置を位置検出装置(位置検出センサ)に伝達するために、フェライトコア51に巻回されているコイル52とキャパシタとからなる共振回路を用いるが、その共振回路を構成するキャパシタ73が、プリント基板7の基板面7aに形成されている。
また、プリント基板7の基板面7aには、押下されたときにオンとなり、押下を停止するとオフに戻るプッシュスイッチ(サイドスイッチ)74が設けられていると共に、コイル52とキャパシタ73とからなる共振回路に対しての接続及び切断が、このサイドスイッチ74により切り替え制御されるキャパシタ75(図2参照)が設けられている。
そして、この例では、電子ペン1のフロントケース部3の側周面の、プリント基板7上のサイドスイッチ74の配設位置に対応する位置には貫通孔(図示は省略)が穿かれており、この貫通孔を通じて、サイドスイッチ74をプリント基板7の基板面7aに直交する方向に押下する押下操作子76(図1において点線で示す)が、サイドスイッチ74を押下することができるように配設されている。
更に、プリント基板7の基板面7aのリアケース部4側の端部近傍には、リアケース部4側からの軸心方向の摺動操作によりオン、オフされるスイッチ77が設けられている。このスイッチ77としては、この実施形態では、サーフェスマウントスイッチと呼ばれるスイッチが用いられている。この実施形態では、このスイッチ77は、コイル52とキャパシタ73とで構成される共振回路の動作、非動作を制御するオン、オフスイッチとされる。
サーフェスマウントスイッチは、周知のように、小型かつ薄型の筐体を備え、通常状態では、そのオン、オフのための作動子が、筐体の厚み部分の端面から外部に突出するようになっている。そして、サーフェスマウントスイッチは、作動子が外部に突出しているときの切替状態をデフォルトの切替状態(初期切替状態)(オン状態またはオフ状態のいずれもある)とする。
そして、作動子に筐体の厚さ方向に直交する方向の力が加わった時には、作動子がスイッチ筐体内に収納されるように変位して、サーフェスマウントスイッチは、初期切替状態とは逆の状態に切り替えられる。そして、作動子に印加されている力が除去されたときには、作動子が外部に突出する状態に復帰し、サーフェスマウントスイッチは、初期切替状態に戻るように動作するものである。
この実施形態では、このサーフェスマウントスイッチからなるスイッチ77は、そのオン、オフの切替制御ための作動子77aが、図1(A)、図2及び後述の図3(A)に示すように、プリント基板7の基板面7aに沿う方向に突出するような状態でプリント基板7の基板面7a上に配設される。すなわち、スイッチ77は、薄型の筐体の厚み方向が、基板面7aと直交するように配設される。
そして、この実施形態では、図1、図2及び図3に示すように、プリント基板7のリアケース部4側の端部には、プリント基板7の幅が他の部分よりも狭くなるように長手方向(電子ペンの軸心方向)に切り欠かれたL字型の切欠き部7gが形成されている。図1及び図3に示すように、プリント基板7の切欠き部7gの部分においては、フロントケース部3の内壁との間に所定の空間が形成されることになる。スイッチ77は、その作動子77aが、この切欠き部7gの空間に突出するようにプリント基板7の基板面7aに配設されている。すなわち、スイッチ77は、その作動子77aが、電子ペンの軸心方向に交差する方向(この例ではプリント基板7の幅方向であって軸心方向に直交する方向)に突出し、かつ、プリント基板7の切欠き部7gの空間に位置するようにプリント基板7の基板面7aに配設されている。
この実施形態では、後述するように、ノック式の機構の一部を構成するノック棒10が押下されたときに、当該ノック棒10と一体的に摺動するように構成されている摺動部材14の先端部が、この切欠き部7cの空間部分に入り込んで、軸心方向に摺動移動することが可能なようにされる(図1(A)及び(B)参照)。そして、摺動部材14の軸心方向の摺動移動により、スイッチ77の作動子77aに外力が印加されて、スイッチ77が初期切替状態から切り替えられるように構成される。そして、摺動部材14が、ノック棒10の元の状態への復帰に応じて元の位置に復帰したときには、スイッチ77の作動子77aへの外力が消失するので、スイッチ77は、初期切替状態に戻るものである。
[リアケース部4側の内部構成例]
次に、この実施形態の電子ペン1のリアケース部4側に設けられているノック式の機構部分に、図3を参照しながら説明する。すなわち、図3は、この実施形態の電子ペンのリアケース部4側に設けられているノック式の機構部分を説明するための図であり、図3(A)は、ノック棒10が押下操作されていない状態の図であり、また、図3(B)は、ノック棒10が押下操作されたときの状態を示す図である。
この実施形態の電子ペン1のノック式機構は、筆記具のノック式ボールペンのノックカム機構と同様の構成とされており、ノック棒10と、回転子11と、カム本体12と、復帰用コイルバネ13とが組み合わされた構成を備え、ロック機構を含む。ノック式ボールペンのノックカム機構の詳細な構成及びその動作は、周知であるので、ここでは、その説明を省略する。
この実施形態の電子ペン1では、ノック棒10は、リアケース部4の中空部の横断面(横断面は軸心方向に直交する方向の断面:以下同じ)に応じた扁平形状の横断面を備えると共に、中空部の横断面よりも僅かに小さい横断面を有する第1の棒状部10aと、この第1の棒状部10aと一体的に形成され、回転子11と連結する部分となる第2の棒状部10bと、第1の棒状部10aの第2の棒状部10bとの結合側とは反対側の端面に形成される鍔部10cとからなる。そして、ノック棒10は、使用者のノック操作(押下操作)を受け付けて、リアケース部4の中空部内で軸心方向に摺動移動することができるように、その一部である第1の棒状部10aの一部と、鍔部10cとが、リアケース部4の開口4bから外部に突出する状態で、リアケース部4内に収納されている。ノック棒10は、突出部を構成する。
鍔部10cは、第1の棒状部10aとの間に段差が生じるように形成されており、この例では、鍔部10cの横断面の形状及び大きさは、リアケース部4の横断面の外周形状及び大きさと同一とされている。この鍔部10cは、この実施形態の電子ペン1を、位置検出センサを備える電子機器の筐体内に設けられた収納用凹部に収納されている状態から取り出す(引き抜く)ときの指がかりとして用いられる。
カム本体12は、リアケース部4の内壁面に形成されており、回転子11とかみ合うように構成されている。回転子11は、ノック棒10が軸心方向に摺動移動するのに伴い、リアケース部4の中空部内を軸心方向に移動すると共に回転して、カム本体12とのかみ合い状態が変化する。これにより、ノック棒10に対するノック操作に応じて、ノック動作がなされる。
そして、この実施形態では、回転子11には、摺動部材14が結合されている。摺動部材14は、棒状体141と押子部材142とからなり、棒状体141の一方の端部側に押子部材142が取り付けられたもので、棒状体141の他方の端部側が、回転子11に設けられている嵌合部(図示は省略)に嵌合されて取り付けられている。押子部材142は、棒状体141に嵌合する嵌合部142aと、スイッチ77の作動子77aに軸心方向の力を印加することで当該スイッチ77を切り替え制御するようにするためのスイッチ制御部材142bとを備える。スイッチ制御部材142bは、この例では棒状片で構成されている。
図3(A)及び(B)に示すように、押子部材142の嵌合部142aは、棒状体141を嵌合する嵌合凹部を備える円柱状部材からなる。押子部材142のスイッチ制御部材142bは、プリント基板7の切欠き部7g内において軸心方向に移動することができるような棒状片で構成されており、押子部材142の嵌合部142aとは、その円柱状側面において一体的に結合されている。この場合に、押子部材142のスイッチ制御部材142bとしての棒状片は、図3(A)に示すように、ノック棒10が押下されていないときには、プリント基板7に配設されているスイッチ77の作動子77aに対して、軸心方向の力を印加せず、かつ、図3(B)に示すように、ノック棒10が押下されたときには、プリント基板7に配設されているスイッチ77の作動子77aに対して、軸心方向の力を印加できるような長さとされている。
そして、ノックカム機構の復帰用コイルバネ13は、摺動部材14の棒状体141に挿通された状態で取り付けられ、回転子11の軸心方向の端面と、リアケース部4内に設けられた復帰用コイルバネ係止部15との間で伸縮することが可能なようにされている。
すなわち、図3(A)の状態において、ノック棒10の鍔部10c側が押下されると、ノック棒10の軸心方向の摺動移動に応じた回転子11とカム本体12とを含むノックカム機構の動作により、ノック棒10の鍔部10cがリアケース部4の開口4bの端部の近傍となる図3(B)の状態でノック棒10がロックされるロック状態となる。
このとき、押子部材142のスイッチ制御部材142bが、プリント基板7の切欠き部7gの空間内に侵入して、スイッチ77の作動子77aに外力を印加し、当該作動子77aをスイッチ77の筐体内に収容する方向に変位させる。この場合に、図3(A)及び(B)に示すように、この例のスイッチ77の作動子77aは、回動支点77bを中心に、回動することで、図3(A)において矢印で示すように、スイッチ77の筐体内に収容する方向に変位する。したがって、スイッチ制御部材142bの摺動移動による軸心方向の力は、スイッチ77の作動子77aの変位方向に交差する方向(この例では直交する方向)に印加される。
これにより、スイッチ77は、初期切替状態であるオン状態またはオフ状態のいずれかの状態から、オフ状態またはオン状態のいずれかに切り替えられる。なお、このとき、リアケース部4の中空部の内壁に形成されている係合突起(図示は省略)に、ノック棒10の第1の棒状部10aに形成されている嵌合穴10dが係合して、ノック棒10は、図3(B)の状態で係止する。
そして、この図3(B)の状態から、ノック棒10の鍔部10c側が再度押下されると、回転子11とカム本体12とを含むノックカム機構により、ロック状態が解除されて、復帰用コイルバネ13により、ノック棒10及び回転子11は、図3(A)の状態に戻るように軸心方向に摺動移動すると共に、この図3(A)の状態で係止する。なお、このとき、リアケース部4の中空部の内壁に形成されている係合突起(図示は省略)に、ノック棒10の第2の棒状部10aに形成されている嵌合穴10eが係合して、ノック棒10は、図3(A)の状態で係止する。
そして、このノック棒10及び回転子11の図3(A)の状態への復帰に応じて、プリント基板7の切欠き部7gの空間内に侵入していた押子部材142のスイッチ制御部材142bは、図3(A)に示すように、スイッチ77の作動子77aに外力を印加しない元の位置に戻り、作動子77aがスイッチ77の筐体から外部に突出する状態に復帰する。これにより、スイッチ77は、オフ状態またはオン状態のいずれかの状態から、オン状態またはオフ状態のいずれかに切り替えられる。
以上のようにして、ノック棒10に対するノック操作に応じて、スイッチ77が切り替え制御される。このスイッチ77の切り替え制御がなされる場合には、この実施形態では、スイッチ77の作動子77aは、押子部材142のスイッチ制御部材142bによる軸心方向の力を受けて変位するが、この軸心方向の力は、当該作動子77aが筐体内に収納されるように変位する方向に対して交差する方向の力であって、スイッチ77の作動子77aに印加される力がそのままスイッチ77の筐体に印加されることはない。すなわち、スイッチ77の筐体に対しては、作動子77aによるその変位方向の力が印加されるが、ノック操作に応じた軸心方向の力が直接的に印加されることはない。そして、作動子77aがスイッチ77の筐体内に変位しようとする力は、ノック操作に応じた軸心方向の力よりも小さい力であることは言うまでもない。
なお、この例では、ノック棒10と、スイッチ制御部材を備える摺動部材14とにより操作部材が構成されている。
このように、この実施形態では、ノック操作に応じてスイッチ77を切り替え制御するように構成するが、ノック操作に応じた軸心方向の力が直接的にスイッチ77の筐体に印加されることはないので、当該スイッチ77がプリント基板7から剥がれるようになることによるプリント基板7とスイッチ77との電気的な接続が不良になる問題を軽減、あるいは回避することができる。
この場合に、電子ペン1のケース2は扁平形状であり、当該ケースの扁平な中空空間の横断面の長尺方向に沿った方向が基板面の幅方向となるようにプリント基板7が、ケース2内に収納されるので、プリント基板7は比較的幅広とすることができる。このため、プリント基板7の端部に長手方向のL字型の切欠き部7gが形成されても、プリント基板7には、スイッチ77を配設するスペースを確保することができると共に、L字型の切欠き部7gの空間部分に、スイッチ77の作動子77aを突出させた状態で、プリント基板7にスイッチ77を配設することが比較的容易にできる。
[位置検出装置を備える電子機器への電子ペン1の収納]
この実施形態の電子ペン1は、位置検出センサを備える位置検出装置を備える電子機器の筐体に収納することができるように構成されている。図4は、この第1の実施形態の電子ペン1を用いる電子機器200の一例を示すものである。この例では、電子機器200は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置の表示画面200Dを備える高機能携帯電話端末であり、表示画面200Dの下部(裏側)に、電磁誘導方式の位置検出装置202を備えている。
電子機器200においては、表示画面200D上で、電子ペン1により位置指示操作がされると、表示画面200Dの裏側に設けられた位置検出装置202が、電子ペン1で操作された位置及び筆圧を検出し、電子機器200の位置検出装置202が備えるマイクロコンピュータが、表示画面200Dでの操作位置及び筆圧に応じた表示処理を施す。
そして、この例の電子機器200の筐体は、電子ペン1を収納する収納凹穴201を備えている。使用者は、必要に応じて、電子ペン1を収納凹穴201に収納すると共に、収納凹穴201に収納されている電子ペン1を、電子機器200から取り出して、表示画面200Dを入力面として位置指示操作を行う。
この実施形態では、電子ペン1は、使用中は、図4(A)に示すように、ノック棒10はロック状態が解除された状態とされ、ノック棒10の第1の棒状部10aの一部がリアケース部4から露出する状態とされる。そして、電子機器200の収納凹穴201に収納する際には、ノック操作して押下したロック状態にしてノック棒10をリアケース部4内に収納した状態とする。これにより、電子ペン1を電子機器200の収納凹穴201に収納したときには、図4(A)に示すように、収納した電子ペン1のノック棒10が、電子機器200の筐体から飛び出さずに、邪魔にならない状態となる。
そして、電子ペン1を電子機器200の収納凹穴201から取り出すときには、まず、電子ペン1に対してノック操作をしてロック状態を解除して、図4(B)に示すように、ノック棒10を、リアケース部4から突出するような状態とする。これにより、使用者は、ノック棒10の鍔部10cを指がかりとして、電子ペン1を電子機器200の収納凹穴201から容易に取り出すことができる。
なお、この例の電子ペン1のケース2の側周面には、前述したように、プリント基板7に配設されているサイドスイッチ74に対応する位置には貫通孔78が穿かれており、サイドスイッチ74の押下操作子76が、この貫通孔78を通じてサイドスイッチ74を押下することができるように露呈するようにされている。
[電子ペン1の電子回路と、電子ペン1と共に使用する位置検出装置の電子回路の例]
次に、この実施形態の電子ペン1の電子回路例と、この電子ペン1によって指示された位置の検出および筆圧の検出を行う位置検出装置における回路構成例について、図5を参照して説明する。
電子ペン1は、位置検出装置202の位置検出センサ210との間で電磁結合するための共振回路1Rを備えるが、この例では、共振回路1Rは、コイル52と、キャパシタ73と、筆圧検出モジュール6で構成される容量可変キャパシタ6Cとが互いに並列に接続されて構成されている。また、この共振回路1Rは、図5に示すように、サイドスイッチ74とチップ部品からなるキャパシタ75との直列回路が、さらに並列に接続されて構成される。使用者による押下操作によりサイドスイッチ74がオン・オフされ、キャパシタ75がコイル52に並列に接続されて共振回路1Rの一部を構成するか否かが制御される。
さらに、この共振回路1Rの動作、非動作を制御するために、スイッチ77がコイル52と並列に接続される。この実施形態では、スイッチ77は、図6(A)の模式図に示すような常開型のスイッチが用いられており、作動子77aに対して当該作動子77aをスイッチ77の筐体内に収納するような力が印加されていない初期切替状態では、接点77cがオフ(開)となっている。そして、この実施形態のスイッチ77は、作動子77aに力が印加されて、当該作動子77aが回動支点77bを中心に回動することで、スイッチ77の筐体内に収納されるように変位したときには、接点77cがオン(閉)となる。
したがって、ノック棒10の一部がリアケース部4から突出している非ロック状態(図1(A)及び図3(A)に示す状態)においては、スイッチ77がオフ(開)であるので、コイル52に対してキャパシタ73、6C及び74の接続が有効となり、共振回路1Rは動作状態となる。また、ノック棒10が押下されてリアケース部4から突出していないロック状態(図1(B)及び図3(B)に示す状態)になると、スイッチ77がオン(閉)となるので、スイッチ77を通じてコイル52の両端が短絡されるために、コイル52に対してキャパシタ73、6C及び74が接続されていないのと同様の状態となり、共振回路1Rは非動作状態となる。
この場合、共振回路1Rが動作状態においては、サイドスイッチ74のオン・オフに応じて、キャパシタ75の、共振回路1Rへの接続が制御され、共振周波数が変化する。また、筆圧検出モジュール6に印加された筆圧に応じて、当該筆圧検出モジュール6で構成されるキャパシタ6Cの静電容量が変化するので、筆圧に応じて、共振周波数が変化する。位置検出装置202では、電子ペン1からの信号の位相変化を検出することより周波数変化を検出して、サイドスイッチ74が押されたか否かと、電子ペン1の芯体9に印加された筆圧を検出するようにする。
位置検出装置202には、X軸方向ループコイル群211と、Y軸方向ループコイル群212とが積層されて位置検出コイル210が形成されている。また、位置検出装置202には、X軸方向ループコイル群211及びY軸方向ループコイル群212が接続される選択回路213が設けられている。この選択回路213は、2つのループコイル群211,212のうちの一のループコイルを順次選択する。
さらに、位置検出装置202には、発振器231と、電流ドライバ232と、切り替え接続回路233と、受信アンプ234と、検波器235と、ローパスフィルタ236と、サンプルホールド回路237と、A/D変換回路238と、同期検波器239と、ローパスフィルタ240と、サンプルホールド回路241と、A/D変換回路242と、処理制御部243とが設けられている。処理制御部243は、マイクロコンピュータにより構成されている。
発振器231は、周波数f0の交流信号を発生する。そして、発振器231は、発生した交流信号を、電流ドライバ232と同期検波器239に供給する。電流ドライバ232は、発振器231から供給された交流信号を電流に変換して切り替え接続回路233へ送出する。切り替え接続回路233は、処理制御部243からの制御により、選択回路213によって選択されたループコイルが接続される接続先(送信側端子T、受信側端子R)を切り替える。この接続先のうち、送信側端子Tには電流ドライバ232が、受信側端子Rには受信アンプ234が、それぞれ接続されている。
選択回路213により選択されたループコイルに発生する誘導電圧は、選択回路213及び切り替え接続回路233を介して受信アンプ234に送られる。受信アンプ234は、ループコイルから供給された誘導電圧を増幅し、検波器235及び同期検波器239へ送出する。
検波器235は、ループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号を検波し、ローパスフィルタ236へ送出する。ローパスフィルタ236は、前述した周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、検波器235の出力信号を直流信号に変換してサンプルホールド回路237へ送出する。サンプルホールド回路237は、ローパスフィルタ236の出力信号の所定のタイミング、具体的には受信期間中の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路238へ送出する。A/D変換回路238は、サンプルホールド回路237のアナログ出力をディジタル信号に変換し、処理制御部243に出力する。
一方、同期検波器239は、受信アンプ234の出力信号を発振器231からの交流信号で同期検波し、それらの間の位相差に応じたレベルの信号をローパスフィルタ240に送出する。このローパスフィルタ240は、周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、同期検波器239の出力信号を直流信号に変換してサンプルホールド回路241に送出する。このサンプルホールド回路241は、ローパスフィルタ240の出力信号の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路242へ送出する。A/D変換回路242は、サンプルホールド回路241のアナログ出力をディジタル信号に変換し、処理制御部243に出力する。
処理制御部243は、位置検出装置202の各部を制御する。すなわち、処理制御部243は、選択回路213におけるループコイルの選択、切り替え接続回路233の切り替え、サンプルホールド回路237、241のタイミングを制御する。処理制御部243は、A/D変換回路238、242からの入力信号に基づき、X軸方向ループコイル群211及びY軸方向ループコイル群212から一定の送信継続時間をもって電波を送信させる。
X軸方向ループコイル群211及びY軸方向ループコイル群212の各ループコイルには、電子ペン1から送信される電波によって誘導電圧が発生する。処理制御部243は、この各ループコイルに発生した誘導電圧の電圧値のレベルに基づいて電子ペン1のX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標値を算出する。また、処理制御部243は、送信した電波と受信した電波との位相差に応じた信号のレベルに基づいて、サイドスイッチ74が押下されたか否かと筆圧を検出する。
このようにして、位置検出装置202では、接近した電子ペン1の位置を処理制御部243で検出することができる。しかも、受信した信号の位相(周波数偏移)を検出することにより、電子ペン1において、サイドスイッチ74の押下操作子76が押下されたか否かを検出することができると共に、電子ペン1の芯体9に印加された筆圧を検出することができる。
なお、電子機器200においては、電子ペン1のサイドスイッチ74のオン、オフ操作に対応した機能として、例えば表示画面200Dでのマウスのクリック操作と同様の機能などが予め登録されており、処理制御部243からのサイドスイッチ74の操作情報により、電子機器200の制御回路(ホストコンピュータ)は、前記登録された機能がなされたと判断するものである。
以上のように、この実施形態の電子ペン1においては、ノック棒10がケース2内に押し込まれてノック機構によりロック状態とされてスイッチ77がオンとされることにより、共振回路1Rが非動作状態となる。この実施形態の電子ペン1は、この状態で、図4(A)に示すように、電子機器200の収納凹穴201に収納される。このため、ノック棒10が外部に突出して邪魔になることがない。
ただし、電子ペン1は、ノック棒10がケース2内に押し込まれた状態でロックされているロック状態となっているので、ノック機構により復帰用コイルバネ13の弾性力に抗して軸心方向の力がプリント基板7のスイッチ77に対して常時印加されている状態となっていることに注意する必要がある。
しかしながら、この実施形態の電子ペン1においては、軸心方向の力がプリント基板7のスイッチ77に対して常時印加されていても、当該軸心方向の力は、スイッチ77の作動子77aをその変位方向に交差する方向に印加されるものとなっており、スイッチ77の筐体に直接的に印加される状態とはなっていない。したがって、プリント基板7のスイッチ77に対して常時印加されていても、スイッチ77がプリント基板7から剥がれてしまうような力は生じないので、プリント基板7とスイッチ77との電気的な接続不良の問題を軽減あるいは回避することができる。
そして、この実施形態の電子ペン1は、使用時には、ノック棒10がケース2から突出している非ロック状態(復帰状態)とされるので、スイッチ77の作動子77aには、力は印加されず、このため、スイッチ77とプリント基板7との電気的な接続が不良となるような力は全く生じない。
また、この実施形態の電子ペン1においては、ケース2の中空部内には、コイル52が巻回されたフェライトコア51から基板ホルダー8に保持されているプリント基板7までが軸心方向に並べられて一体的な構成とされている電子ペン用部品群を構成している。そし、電子ペン1のペン先側のフロントケース部3の開口31側に形成されている段部32にフェライトコア51のペン先側の端部が保護キャップ53を介して衝合することで、電子ペン用部品群の軸心方向の移動が規制されている。
このため、電子ペン1のノック棒10に対するノック操作により電子ペン1の軸心方向に生じる力が、スイッチ77の筐体に対して直接的に印加される構成の場合には、ノック棒10が押下操作される毎に、フロントケース部3の開口31側の段部32に、フェライトコア51のペン先側の端部が保護キャップ53を介して衝合することになる。そして、フェライトコア51に外部から長期間に亘って圧力が加わると、フェライトコア51を貫通する磁束の磁束密度に影響を与え、そのために、共振回路1Rの共振特性に変化(共振周波数の変化)が生じてしまう恐れがある。この共振回路1Rの共振特性の変化は、位置検出装置202では、例えば筆圧の検出やサイドスイッチ74の操作について誤検出を生じさせる恐れがある。
しかしながら、この実施形態の電子ペン1においては、上述したように、電子ペン1のノック棒10に対するノック操作により電子ペン1の軸心方向に生じる力は、スイッチ77の筐体に対して直接的に印加されないように構成されているので、フェライトコア51に、ノック操作に基づいて外部から印加される圧力は殆ど生じず、共振回路1Rの共振特性への影響を軽減あるいは回避することができる。
[電子ペン1の電子回路の他の例]
図5の例では、スイッチ77をコイル52に並列に接続することで共振回路1Rの動作、非動作を制御するようにしたが、共振回路1Rの動作、非動作を制御する構成は、これに限られるものではない。
図7は、電子ペン1の電子回路の他の一例を示すもので、この図7の例においては、コイル52と、キャパシタ73、筆圧検出モジュール6で構成される容量可変キャパシタC6及びサイドスイッチ74とキャパシタ75との直列回路との間にスイッチ77を挿入する。すなわち、コイル52の一端と他の回路素子との間にスイッチ77を挿入する。その他は、図5に示した電子ペン1の電子回路例と同様である。
この図7の例では、スイッチ77は、図6(B)の模式図に示すような常閉型のスイッチが用いられており、作動子77aに対して当該作動子77aをスイッチ77の筐体内に収納するような力が印加されていない初期切替状態では、接点77cがオン(閉)となっている。そして、この実施形態のスイッチ77は、作動子77aに力が印加されて、当該作動子77aが回動支点77bを中心に回動することで、スイッチ77の筐体内に収納されるように変位したときには、接点77cがオフ(開)となる。
したがって、ノック棒10の一部がリアケース部4から突出している非ロック状態(図1(A)及び図3(A)に示す状態)においては、スイッチ77がオン(閉)であるので、コイル52に対してキャパシタ73、6C及び74が並列に接続される状態となり、共振回路1Rは動作状態となる。また、ノック棒10が押下されてリアケース部4から突出していないロック状態(図1(B)及び図3(B)に示す状態)になると、スイッチ77がオフ(開)となるので、スイッチ77により、コイル52に対してキャパシタ73、6C及び74が非接続の状態となり、共振回路1Rは非動作状態となる。
電子ペン1は、図7の電子回路を備える構成においても、図5の電子回路の構成と同様の作用効果を奏する。
なお、上述の実施形態では、電子機器200の収納凹穴201に電子ペン1を収納すると共に、収納時にノック棒10が電子機器200の筐体から飛び出した状態とならないようにするために、電子ペンの非使用時(共振回路1Rの非動作時)には、ノック棒10をケース2内に押し込んだロック状態とするようにした。しかし、この実施形態の電子ペンは、必ずしも、この例のようにする必要はなく、電子ペンの非使用時(共振回路1Rの非動作時)には、ノック棒10をケース2から飛び出した状態とする非ロック状態とするようにしてもよい。
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態は、電磁誘導方式の電子ペンの場合であった。しかし、この発明は、静電容量方式の電子ペンの例であるアクティブ静電ペンにも適用できる。以下に説明する第2の実施形態の電子ペン1Bは、このアクティブ静電ペンの場合である。図8は、この第2の実施形態の電子ペン1Bの電子回路の一例を示す図であり、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の参照記号を用いるものとする。
この第2の実施形態の電子ペン1Bは、信号発信回路101を備えていて、この信号発信回路101から位置検出用信号を、当該電子ペン1Bに対応する静電容量方式の位置検出装置の位置検出センサに対して送出する。位置検出センサでは、この電子ペン1Bからの位置検出用信号を検出することで、当該電子ペン1Bにより指示された位置を検出するようにする。
この第2の実施形態の電子ペン1Bの機械構造的な構成は、図1に示した第1の実施形態の電子ペン1とほぼ同様である。ただし、以下に説明するアクティブ静電ペンの例の電子ペン1Bにおいては、フェライトコア51に巻回されたコイル52は、信号発信回路101の電源を充電する充電回路の一部とされる。
また、この第2の実施形態の電子ペン1Bでは、第1の実施形態の電子ペン1とは、芯体の材料が異なる芯体9Bを備えると共に、プリント基板上に配置される電子部品及びそれらの電子部品で構成される電子回路が異なる。
この第2の実施形態の電子ペン1Bの芯体9Bは、例えば導電性金属や導電性粉末を混入した硬質樹脂などからなる導電性の部材で構成されている。そして、図8に示すように、芯体9Bには信号発信回路101からの位置検出用信号が供給される。信号発信回路101は、プリント基板7上に配設されており、芯体9Bと信号発信回路101の出力端とは、導線や金属導体からなる接続導体102により電気的に接続されている。
この場合、芯体9Bは、フェライトコア51の貫通孔を挿通して、筆圧検出モジュール6の押圧部材(圧力伝達部材)に嵌合されるが、筆圧検出モジュール6の押圧部材に直接に嵌合するのではなく、導電性ゴムなどの導電性弾性部材を介して押圧部材に嵌合するようにすると共に、導電性弾性部材を接続導体102を介して信号発信回路101に電気的に接続するようにする構成とすると良い。これにより、芯体9Bを導電性弾性部材を介して筆圧検出モジュール6の押圧部材に嵌合することで、芯体9Bを信号発信回路101と接続することができる。
この場合に、信号発信回路101は、この例では発振回路で構成されており、この発振回路は、例えば図示を省略したコイルとキャパシタ(第1の実施形態のキャパシタ73に対応)による共振を利用したLC発振回路により構成される。そして、筆圧検出モジュール6により構成される容量可変キャパシタ6Cの両端が、図8に示すように、プリント基板に形成されている信号発信回路101に共振回路の一部を構成するように電気的に接続されている。また、図8に示すように、サイドスイッチ74とキャパシタ75との直列回路も、容量可変キャパシタ6Cと並列に、信号発信回路101に接続されている。信号発信回路101を構成する発振回路は、筆圧検出モジュール6により構成される容量可変キャパシタ6Cの容量に応じて周波数が変化すると共に、サイドスイッチ74のオン、オフに応じて周波数を変化する信号を発生し、その発生した信号を芯体9Bに供給する。
更に、この例では、プリント基板7上に形成されている電子回路は、図8に示すように、信号発信回路101の他に、この信号発信回路101を駆動するための駆動電圧(電源電圧)を発生する駆動電圧発生回路110(電源回路)を備える。この駆動電圧発生回路110は、蓄電素子の例としての電気二重層キャパシタ111と、整流用ダイオード112と、電圧変換回路113と、キャパシタ114と、スイッチ77Bとを含む回路構成を有する。
スイッチ77Bは、電気二重層キャパシタ111に蓄えられた電圧の電圧変換回路113への供給を制御することで、この駆動電圧発生回路110の動作、非動作を制御して、信号発信回路101への駆動電圧の供給を制御する。スイッチ77Bは、第1の実施形態のスイッチ77と同様にして、プリント基板7上に配設される。ただし、この第2の実施形態の電子ペン1Bでは、スイッチ77Bは、図6(B)に示した常閉型のスイッチが用いられる。
この例の電子ペン1Bは、図示しない充電器に装着したときに、充電器が発生する交番磁界によりコイル52には誘導起電力が発生して、ダイオード112を介して電気二重層キャパシタ111を充電する。電圧変換回路113は、電気二重層キャパシタ111に蓄えられた電圧をスイッチ77Bを通じて受けて、一定の電圧に変換して信号発信回路101の電源として供給する。
なお、この例の静電方式スタイラスペンとしての電子ペン1Bが位置検出装置の位置検出センサに対して信号を送出する通常動作をするときは、図8に示すように、コイル52は固定電位(この例では接地電位(GND))となるようにさせており、コイル52は、芯体9Bの周囲に設けたシールド電極として作用する。なお、この実施形態の電子ペン1Bが通常動作するときのコイル52の固定電位は、接地電位に限らず、電源(駆動電圧)のプラス側電位であっても良いし、電源(駆動電圧)のプラス側電位と接地電位との中間の電位であっても良い。
以上のように構成されているため、この第2の実施形態の電子ペン1Bにおいては、ノック棒10が押下されてリアケース部4から突出していないロック状態(図1(B)及び図3(B)に示す状態)になると、スイッチ77Bがオフ(開)となるので、スイッチ77Bにより、電気二重層キャパシタ111に蓄えられた電圧は電圧変換回路113には供給されない。このため、信号発信回路101には、電圧変換回路113から駆動電圧は供給されず、信号発信回路101は非動作状態となり信号を発信しない。
一方、ノック棒10の一部がリアケース部4から突出している非ロック状態(図1(A)及び図3(A)に示す状態)においては、スイッチ77Bがオン(閉)であるので、電気二重層キャパシタ111に蓄えられた電圧がスイッチ77Bを通じて電圧変換回路113に供給される。したがって、電圧変換回路113から駆動電圧が信号発信回路101に供給されて、信号発信回路は動作状態となり、信号を発信する。
以上のようにして、この第2の実施形態の電子ペン1Bにおいては、ノック棒10のノック操作により、信号発信回路101への駆動電圧(電源電圧)の供給を制御することで、信号の発信を制御して、電子ペン1Bの動作、非動作を制御することができる。
信号発信回路(発振回路)101は、筆圧検出モジュール6で構成される容量可変キャパシタ6Cの容量に応じて周波数が変化する信号、また、サイドスイッチ74のオン、オフに応じて周波数が変化する信号を発生し、その発生した信号を芯体9Bに供給する。信号発信回路101からの信号は、芯体9Bよりその信号に基づく電界として放射される。この第2の実施形態の電子ペン1Bにより指示された位置の座標を検出する位置検出装置では、この信号の周波数より芯体9Bに加えられた筆圧を求めることができると共に、サイドスイッチ74のオン、オフ操作を検出することができる。
図9は、アクティブ静電容量方式スタイラスペンの構成である電子ペン1Bからの信号を受け、位置検出センサ上の位置を検出し、さらに、筆圧を検出すると共にサイドスイッチ74のオン、オフ操作を検出するようにする位置検出装置700を説明するためのブロック図である。
この実施形態の位置検出装置700は、図9に示すように、位置検出センサ710と、この位置検出センサ710に接続されるペン検出回路720とからなる。位置検出センサ710は、この例では、断面図は省略するが、下層側から順に、第1の導体群711、絶縁層(図示は省略)、第2の導体群712を積層して形成されたものである。第1の導体群711は、例えば、横方向(X軸方向)に延在した複数の第1の導体711Y、711Y、…、711Y(mは1以上の整数)を互いに所定間隔離して並列に、Y軸方向に配置したものである。
また、第2の導体群712は、第1の導体711Y、711Y、…、711Yの延在方向に対して交差する方向、この例では直交する縦方向(Y軸方向)に延在した複数の第2の導体712X、712X、…、712X(nは1以上の整数)を互いに所定間隔離して並列に、X軸方向に配置したものである。
このように、位置検出装置700の位置検出センサ710では、第1の導体群711と第2の導体群712を交差させて形成したセンサパターンを用いて、電子ペン1Bが指示する位置を検出する構成を備えている。
なお、以下の説明において、第1の導体711Y、711Y、…、711Yについて、それぞれの導体を区別する必要がないときには、その導体を、第1の導体711Yと称する。同様に、第2の導体712X、712X、…、712Xについて、それぞれの導体を区別する必要がないときには、その導体を、第2の導体712Xと称することとする。
ペン検出回路720は、位置検出センサ710との入出力インターフェースとされる選択回路721と、増幅回路722と、バンドパスフィルタ723と、検波回路724と、サンプルホールド回路725と、AD(Analog to Digital)変換回路726と、制御回路727とからなる。
選択回路721は、制御回路727からの制御信号に基づいて、第1の導体群711および第2の導体群712の中から1本の導体711Yまたは712Xを選択する。選択回路721により選択された導体は増幅回路722に接続され、電子ペン1Bからの信号が、選択された導体により検出されて増幅回路722により増幅される。この増幅回路722の出力はバンドパスフィルタ723に供給されて、電子ペン1Bから送信される信号の周波数の成分のみが抽出される。
バンドパスフィルタ723の出力信号は検波回路724によって検波される。この検波回路724の出力信号はサンプルホールド回路725に供給されて、制御回路727からのサンプリング信号により、所定のタイミングでサンプルホールドされた後、AD変換回路726によってデジタル値に変換される。AD変換回路726からのデジタルデータは制御回路727によって読み取られ、処理される。
制御回路727は、内部のROMに格納されたプログラムによって、サンプルホールド回路725、AD変換回路726、および選択回路721に、それぞれ制御信号を送出するように動作する。そして、制御回路727は、AD変換回路726からのデジタルデータから、電子ペン1Bによって指示された位置検出センサ710上の位置座標を算出すると共に、電子ペン1Bの筆圧検出モジュールで検出された筆圧を検出するようにする。
動作の流れとしては、制御回路727は、選択信号を選択回路721に供給し、第2の導体712Xのそれぞれを選択し、AD変換回路726から出力されるデータを信号レベルとして読み取る。
第2の導体712Xのいずれかから所定値以上のレベルの信号が検出された場合には、制御回路727は、最も高い信号レベルが検出された第2の導体712Xの番号とその周辺の複数個の第2の導体712Xを記憶する。同様にして、制御回路727は、選択回路721を制御して、第1の導体711Yのうちの最も大きい信号レベルが検出された第1の導体711Yとその周辺の複数個の第1の導体711Yの番号を記憶する。
そして、制御回路727は、以上のようにして記憶した、第2の導体712Xの番号及び第1の導体711Yの番号から、電子ペン1Bにより指示された位置検出センサ710上の位置を検出する。
制御回路727は、また、AD変換回路726からの信号の周波数を検出し、その検出した周波数から、サイドスイッチ74のオン、オフ操作を検出する。また、制御回路727は、AD変換回路726からの信号の周波数から、電子ペン1Bの筆圧検出モジュールで検出された筆圧値を検出する。制御回路727は、例えば、電子ペン1Bの信号発信回路101を構成する発振回路の発振周波数と筆圧値との対応テーブルの情報を備えており、この対応テーブルの情報から、筆圧値を検出する。
なお、上述の例では、電子ペン1Bは、筆圧検出モジュール6で検出した筆圧を周波数に変換して芯体9Bに供給するようにしたが、筆圧を対応させる信号属性としては周波数に限られるものではなく、信号の位相や信号の断続回数などに筆圧を対応させるようにしても良い。
また、上述の例のアクティブ静電ペンの構成の電子ペン1Bにおいては、フェライトコア51に巻回されたコイル52を、充電用のコイルとしたが、信号発信回路101の電源電圧の供給源として電池(バッテリー)を内蔵するように構成してもよい。その場合には、コイルを巻回したフェライトコアは不要となる。そして、スイッチ77Bは、電池からの電源電圧の信号発信回路101への供給を制御するように設けられる。
また、上述の例のアクティブ静電ペンの構成の電子ペン1Bにおいては、信号発信回路101は、発振回路のみの構成とし、筆圧をその発振周波数の変化として位置検出装置に伝送するようにしたが、信号発信回路を、発振回路と、その発振信号に対して所定の変調を行う回路とで構成し、筆圧情報を、例えば上述したASK信号などとして位置検出装置に伝送するようにしてもよい。
[その他の実施形態又は変形例]
上述の実施形態の電子ペン1,1Bにおいては、ノック棒のノック操作によりスイッチング制御されるスイッチは1個であったが、複数個であってもよい。図10に、ノック棒のノック操作により2個のスイッチを切り替え制御する電子ペンの電子回路例を示す。
この図10の例は、第1の実施形態の電磁誘導方式の電子ペン1において、電子ペン自身の識別情報を無線送出する無線回路を設けると共に、その無線回路用の駆動電圧の生成回路を設け、当該駆動電圧の生成回路からの駆動電圧の供給を、ノック棒のノック操作によりオン、オフされるスイッチにより制御するように構成したものである。
すなわち、図10の例の電子ペン1Cにおいては、スイッチ77により動作、非動作が制御される共振回路1Rを、第1の実施形態の電子ペン1と同様に備えると共に、これに加えて、無線回路121と、IDメモリ122と、駆動電圧発生回路130とを備える。駆動電圧発生回路130は、蓄電素子の例としての電気二重層キャパシタ131と、整流用ダイオード132と、電圧変換回路133と、キャパシタ134と、スイッチ77Cとを含む回路構成を有する。
スイッチ77Cは、この例では、スイッチ77と同様のサーフェスマウントスイッチであり、図6(B)に示した常閉型のスイッチが用いられる。
この例の電子ペン1Cは、図示しない充電器に装着したときに、充電器が発生する交番磁界によりコイル52には誘導起電力が発生して、ダイオード132を介して電気二重層キャパシタ131を充電する。電圧変換回路133は、電気二重層キャパシタ131に蓄えられた電圧をスイッチ77Cを通じて受けて、一定の電圧に変換して、無線回路121及びIDメモリ122の電源として供給する。
IDメモリ122は、不揮発性メモリであって、電子ペン1C自身の識別情報(ID)を記憶保持している。無線回路121は、IDメモリ122に記憶されている識別情報を、例えば一定周期で、外部に無線送信する。この電子ペン1Cと共に使用される位置検出装置は、この電子ペン1Cから無線信号として送られてくる識別情報を受信する機能を備える。
この例の電子ペン1Cにおいては、スイッチ77及びスイッチ77Cは、図11に示すように、プリント基板7のリアケース部4側の端部上に、軸心方向に並べられて配設される。この場合に、スイッチ77及びスイッチ77Cは、それらの作動子77a及び77Caが、プリント基板7の端部に形成されているL字型の切欠き部7g側に突出するようにプリント基板7上に配設されている。すなわち、スイッチ77及びスイッチ77Cは、それらの作動子77a及び77Caが、軸心方向に交差する方向に突出するようにプリント基板7上に配設されている。
そして、この例の電子ペン1Cでは、ノック棒10のノック操作に応じて軸心方向に摺動する押子部材142のスイッチ制御部材142bは、プリント基板7の切欠き部7g内において、軸心方向に並んだ2個のスイッチ77及び77Cの作動子77a及び77Caに対して、それぞれのスイッチ77及びスイッチ77Cの筐体内の方向に変位させるような力を印加することができるように構成されている。すなわち、この例では、ノック操作によるノック棒10の軸心方向の摺動移動距離が、スイッチ制御部材142bが2個のスイッチ77及び77Cの作動子77a及び77Caを、筐体内の方向に変位することができるような距離となるように構成されている。
以上のように構成されているため、この例の電子ペン1Cにおいては、ノック棒10が押下されてリアケース部4から突出していないロック状態(図1(B)及び図3(B)に示す状態)になると、スイッチ制御部材142bの軸心方向の摺動移動により、スイッチ77及び77Cの作動子77a及び77Caが、その筐体内の方向に変位して、スイッチ77がオン(閉)状態、スイッチ77Cがオフ(開)状態となる。
したがって、電子ペン1Cの共振回路1Rが非動作状態となると共に、駆動電圧発生回路130では電気二重層キャパシタ131と電圧変換回路133との間が切断されるために、無線回路121及びIDメモリ122には駆動電圧は供給されず、識別情報の無線送出は行われない。よって、この例の電子ペン1Cも、図4(A)に示したように、ノック棒10を、電子ペン1Cのリアケース部4内に押し込んだ状態で電気機器の収納部に収納することができる。
なお、電気二重層キャパシタ131への充電は、スイッチ77及び77Cのオン状態及びオフ状態のいずれの状態でも可能であるが、識別情報の無線送出が行われない状態(スイッチ77Cがオフ)の状態の方が効率良く充電できる。
一方、ノック棒10の一部がリアケース部4から突出している非ロック状態(図1(A)及び図3(A)に示す状態)においては、スイッチ制御部材142bは、プリント基板7の切欠き部7gには挿入されていない状態となり、スイッチ77及び77Cの作動子77a及び77Caが、その筐体から外方に突出する状態となって、スイッチ77がオフ(開)状態、スイッチ77Cがオン(閉)状態となる。
したがって、電子ペン1Cの共振回路1Rが動作状態となると共に、駆動電圧発生回路130では電気二重層キャパシタ131と電圧変換回路133との間が接続されるために、無線回路121及びIDメモリ122に駆動電圧が供給されて、識別情報が無線送出される。よって、この例の電子ペン1Cも、位置検出装置に対して位置指示するための使用時には、ノック棒10の一部が、電子ペン1Cのリアケース部4から外部に突出する復帰状態となり、スイッチ77及び77Cの作動子77a及び77Caには、外部から力が印加されない状態となる。
以上のようにして、電子ペン1Cにおいては、2個のスイッチ77及び77Cを同時に切り替え制御することができると共に、上述の実施形態の電子ペン1及び1Bと同様に、スイッチ制御部材142bの軸心方向の摺動移動による軸心方向の力が、スイッチ77及び77Cの筐体に直接的に印加されることはないので、これらスイッチ77及び77Cとプリント基板7との間の電気的な接続の不良の問題を軽減または回避することができる。
なお、図11の例は、2個のスイッチ77及び77Cを軸心方向に並べてプリント基板7上に配設しているので、2個のスイッチ77及び77Cの作動子77a及び77Caを制御するスイッチ制御部材142bの軸心方向の摺動移動距離を長くする必要があるという問題がある。これを改善した例を、図12に示す。
この図12の例においては、図12(B)に示すように、スイッチ77は、プリント基板7の表側の基板面に、スイッチ77Cは、プリント基板7の裏側の基板面に配設するようにする。この場合に、図12(A)に示すように、スイッチ77と、スイッチ77Cとは、プリント基板7の長手方向において同一の位置となるようにプリント基板7の表裏の基板面に配設する。
そして、この例の電子ペン1Cでは、ノック棒10のノック操作に応じて軸心方向に摺動する押子部材142Cは、図12(A)に示すように、2個のスイッチ77及びスイッチ77Cに対応して、2個のスイッチ制御部材142b1及び142b2を備えるように構成されている。2個のスイッチ制御部材142b1及び142b2のうち、スイッチ制御部材142b1は、プリント基板7の表面側のスイッチ77の作動子77aを変位させるためのものとされ、スイッチ制御部材142b2は、プリント基板7の裏面側のスイッチ77Cの作動子77Caを変位させるためのものとされる。
この図12の例においても、図11の例と同様にして、ノック棒10のノック操作により、前述したようにスイッチ77及び77Cが切り替え制御されて、前述と同様の作用効果を奏する。ただし、この図12の例の場合には、ノック棒10のノック操作による軸心方向の摺動移動距離は、図11の例の場合よりも短くて済み、前述した第1の実施形態や第2の実施形態の場合と同様で良いという効果がある。
図11及び図12の例では、ノック棒10のノック操作により、2個のスイッチ77及び77Cを連動して切り替え制御するようにしたが、スイッチ77とスイッチ77Cとをそれぞれ独立に切り替え制御するように構成することもできる。図13は、そのように構成した場合の電子ペンの要部の構成例を示す図である。
図13に示すように、プリント基板7の表裏の基板面にスイッチ77とスイッチ77Cとが配設されるのは、図12の例と同様である。この図13の例においては、ノック機構を、スイッチ77とスイッチ77Cとに応じて、第1のノック機構と第2のノック機構とに分けるように構成する。すなわち、スイッチ77に対しては、ノック棒10Aと棒状体141Aと押子部材142Aとからなる第1のノック機構が設けられ、また、スイッチ77Cに対しては、ノック棒10Bと棒状体141Bと押子部材142Bとからなる第2のノック機構が設けられる。例えば、この第1のノック機構と第2のノック機構とは、多色ボールペンのノック機構と同様の構成とされる。
そして、ノック棒10Aがノック操作されることで、第1のノック機構がロック状態と復帰状態とを交互に現出するように構成されると共に、スイッチ77が切り替え制御される。また、ノック棒10Bがノック操作されることで、第2のノック機構がロック状態と復帰状態とを交互に現出するように構成されると共に、スイッチ77Cが切り替え制御される。
なお、2個のスイッチを用いる電子ペンにおいて、それらの2個のスイッチで切替制御する対象機能は、図10の例に限られるものであることはいうまでもない。例えば第1の実施形態の電磁誘導方式の電子ペンにおいて、筆圧検出モジュール6で検出した筆圧情報は、例えばブルートゥース(登録商標)規格の無線通信手段を用いて位置検出装置側に送信するように構成し、2個のスイッチの一方で、共振回路の動作、非動作を制御すると共に、他方で、無線通信手段の動作、非動作を制御するように構成してもよい。
以上の例は、ノック機構により切り替え制御されるスイッチが2個の場合について説明したが、スイッチが3個以上であっても同様に構成することができる。例えば、図11の例であれば、軸心方向に3個以上のスイッチを並べて配設し、ノック棒のノック操作に応じて軸心方向に摺動移動するスイッチ制御部材の移動距離を、スイッチの個数に合わせたものとすればよい。
また、スイッチが3個以上の場合には、図11の例と図12の例とを組み合わせた構成とすることにより、ノック棒のノック操作に応じて軸心方向に摺動移動するスイッチ制御部材の移動距離を、図11の例の場合よりも短くすることができる。
以上の例では、ノック機構により切り替え制御されるスイッチの作動子の突出方向は、スイッチ制御部材が摺動移動する軸心方向に交差(上述の例では直交)する方向とした。しかし、図14に示すように構成することで、スイッチの作動子が、軸心方向に突出する場合であっても、この発明による電子ペンを構成することができる。
すなわち、図14に示す例においては、この例のスイッチ77Dは、図14(A)に示すように、その作動子77Daが軸心方向のリアケース部4側に突出するようにプリント基板7上に配設されている。そして、この例における押子部材142Cは、棒状体141に嵌合する嵌合部142aと、嵌合部142aに一体的に形成されているスイッチ制御部材143とからなるものとされている。
スイッチ制御部材143は、上述の第1の実施形態のスイッチ制御部材142bと同様の棒状片1431と、この棒状片1431に接合されている作動子制御部材1432とからなる。この例では、作動子制御部材1432は、その長手方向の一端1432a側で棒状片1431に接合されていると共に、その長手方向の他端1432b側は、棒状片1431から離反可能なように構成されている。
そして、作動子制御部材1432は、弾性を有する部材、例えば弾性を有する樹脂により構成されていて、その弾性力により、通常は図14(A)に示すように、その全体が棒状片1431に沿って係止するように構成されている。
そして、ノック棒10が押下されて押子部材142のスイッチ制御部材143の棒状片1431がプリント基板7の切欠き部7gに挿入されるように摺動移動すると、当該摺動移動の際に、スイッチ77Dの厚み部分の端面に作動子制御部材1432の先端が衝合して、作動子制御部材1432の他端1432b側が棒状片1431から離反する。そして、離反した作動子制御部材1432の他端1432bは、図14(B)に示すように、スイッチ77Dの作動子77Daを、スイッチ77Dの筐体内に収納する方向に変位させるように作用するので、スイッチ77Dは切り替え制御される。
そして、次のノック操作により、スイッチ制御部材143の棒状片1431が図14(A)に示す状態に復帰すると、作動子制御部材1432は、図14(A)に示すように、棒状片1431に沿って係止する状態に戻り、スイッチ77Dの作動子77Daも外部に突出する状態に復帰する。
こうして、図14の例によれば、スイッチ77Dの作動子77Daが軸心方向に突出している状態でプリント基板7上に配設されている状態においても、作動子77Daに対して、作動子制御部材1432により、当該作動子の変位方向に交差する方向の力が印加されることで、スイッチ77Dが切り替え制御される。この場合には、作動子制御部材1432の弾性力により、スイッチ77Dの筐体には、軸心方向の力が印加されるが、その軸心方向の力は、当該作動子制御部材1432が棒状片1431に沿って係止するだけの小さい力であるので、棒状片1431の軸心方向の摺動移動による軸心方向の力に比べて小さい。
したがって、この図14の例の場合にも、スイッチ77Dの筐体に直接的に印加される軸心方向の力が軽減されるので、当該スイッチ77Dのプリント基板7からの剥がれの問題が軽減されるものである。
[その他の変形例]
なお、上述の実施形態では、筆圧検出モジュール6の感圧部61は、容量可変キャパシタを用いて共振回路の周波数を可変する構成としたが、筆圧に応じて共振回路のインダクタンス値を可変する周知の構成を用いるようにしても勿論よい。
上述の実施形態及び変形例では、ノック操作によりロック状態とされたときに非使用状態として、電子機器に収納されるようにし、ノック操作により復帰状態とされたときに、電子機器の位置検出装置と協働する使用状態とした。しかし、これは、電子機器の収納部への電子ペンの収納時のノック棒の突出を防止すると共に、収納部からの電子ペンの取り出しの容易性を考慮したものである。この発明の電子ペンは、ノック操作により復帰状態とされたときに、非使用状態とし、ノック操作によりロック状態とされたときに、電子機器の位置検出装置と協働する使用状態とするように構成しても勿論よい。
また、上述の実施形態の電子ペンは、筐体の断面形状を扁平のものとしたが、これに限られるものではなく、断面形状が円形のものであっても勿論よい。
また、上述の実施形態の電子ペンは、筆圧検出モジュール及びサイドスイッチを備える構成としたが、これら筆圧検出モジュール及びサイドスイッチは、この発明の電子ペンの必須の構成要素ではなく、これらを備えない構成であっても勿論よい。
[その他の応用例]
第1の実施形態では、ノック棒10が1つの場合であって、そのノック操作によるロック状態と復帰状態とに応じて、共振回路を動作状態にしたり、非動作状態にしたりした。これに限らず、一つのノック棒のノック操作によるロック状態と復帰状態とに応じて、共振回路の共振周波数を変えるようにしてもよい。
例えば図15の(A)に示す例はその一例であり、この例では、コイル52とキャパシタ73とに並列に、ノック操作に応じてオン、オフされるスイッチ77Eとキャパシタ79の直列回路が接続される。この場合、ノック操作によりロック状態になっている場合、例えばスイッチ77Eはオフで、共振回路は、コイル52とキャパシタ73とで構成されて、共振周波数faとされ、また、解除状態である場合には、スイッチ77Eはオンとされて、共振回路は、コイル52とキャパシタ73とキャパシタ79とで構成され、共振周波数fb(≠fa)となる。位置検出装置では、この電子ペンから発信される周波数の信号を検出した場合、例えば、検出した信号の周波数がfaであれば、アプリケーション上で電子ペンによる描画入力を黒色で表現し、また、検出した信号の周波数がfbであれば、アプリケーション上で電子ペンによる描画入力を赤と表現するようする。
なお、位置検出装置では、電子ペンから発信される周波数の違いを、電子ペンの描画の色とするのではなく、線の太さや、実線や破線や鎖線などの線種の違いとして検出するようにしてもよい。
また、図13の例のように第1のノック機構、第2のノック機構を有する電子ペンの場合、図15(B)に示すような回路構成とすることも可能である。すなわち、この例では、コイル52とキャパシタ73とに並列に、第1のノック機構におけるノック操作に応じてオン、オフされるスイッチ77Fとキャパシタ791の直列回路と、第2のノック機構におけるノック操作に応じてオン、オフされるスイッチ77Gとキャパシタ792の直列回路とが接続される。
この図15(B)の例の電子ペンの場合は、第1のノック機構のノック操作と、第2のノック機構のノック操作とに対応するスイッチ77F及びスイッチ77Gのオン、オフ状態の組み合わせから、電子ペンの共振回路は、互いに異なる4通りの共振周波数に切り替えられることができ、電子ペンは、その4通りの周波数の信号を発信することが可能である。したがって、位置検出装置では、そのアプリケーション上で、電子ペンからの4種の周波数の信号のそれぞれに対して、例えば、黒、赤、青、消しゴム等の4通りに、機能を割り付けることが可能である。
更に、上述の例では、操作部材が第1の実施形態や第2の実施形態のように1個の場合、また、図13の例に様に、複数のスイッチとそのスイッチに対応した操作部材が複数個配置されている場合において、各操作部材の突出部は、筒状の筐体2のペン先側とは反対側の端部の開口部から突出するものとしたが、操作部材の突出部は筒状の筐体の軸心方向の端部の開口側から突出するものに限るものではない。例えば、操作部材の突出部が突出する開口部は、筐体2のペン先側とは反対側の周側面に配置されていてもよい。この場合に、筐体の周側面の開口部は軸心方向の長穴であり、突出部を押下げながら軸心方向に摺動移動させることで、突出部が繋がった操作部材の摺動部材が摺動し、この摺動部材の摺動により、対応するスイッチの作動子が変位される構造とされる。
上記と同様にして、この発明による電子ペンのノック機構によるスイッチの切り替えを利用して、位置検出装置のアプリケーション上で、当該電子ペンについての認識状態を変更することも可能である。
1,1B,1C…電子ペン、2…ケース、3…フロントケース部、4…リアケース部、5…磁心コイル、51…フェライトコア、52…コイル、6…筆圧検出モジュール、7…プリント基板、8…基板ホルダー、9,9B…芯体、10…ノック棒、77,77B,77C,77D…スイッチ、14…摺動部材、142…押子部材、142b,143…スイッチ制御部材

Claims (14)

  1. 筒状の筐体と、
    前記筒状の筐体の中空部内に配設されるプリント基板と、
    スイッチ筐体から突出し前記スイッチ筐体内に収納されるように変位して、スイッチ状態を切り替えるようにするための作動子を有し、前記プリント基板の前記基板面上に配設されたスイッチと、
    前記筒状の筐体のペン先側とは反対側の開口部側から突出する突出部と、前記突出部が押下されることにより前記筒状の筐体内を、前記軸心方向に前記ペン先側に移動する摺動部材とを備える操作部材と、
    前記操作部材の前記突出部が前記軸心方向に押下される毎に、前記摺動部材を前記ペン先側に移動した状態で保持するロック状態と、前記摺動部材を前記ペン先側に移動する前の状態である復帰状態を繰り返すロック機構と
    を備え、
    前記摺動部材は、前記筒状の筐体の内壁面に沿って摺動して、前記作動子の変位方向に対して交差する方向の力を前記作動子に印加して前記スイッチの作動子を変位させるスイッチ制御部材を備える
    ことを特徴とする電子ペン。
  2. 前記プリント基板は、前記筒状の筐体の中空部内に、基板面が前記筐体の軸心方向に沿うように配設されており、
    前記スイッチは、前記作動子が、外部から印加される力を受けて前記スイッチの筐体内に収納されるように変位することで、前記変位前の前記オン状態または前記オフ状態の一方の状態から他方の状態に切り替え、前記外部から印加される力がなくなったときには、前記変位前の状態に切り替えるように復帰するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  3. 前記スイッチは、前記作動子が、前記筒状の筐体の軸心方向に交差する方向に突出するように前記プリント基板上に配設されており、
    前記スイッチ制御部材は、前記ロック状態になるときに、前記操作部材の前記摺動部材の前記軸心方向の摺動移動に応じて、前記スイッチの前記作動子に対して、当該作動子の変位方向に対して交差する方向の力を印加させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  4. 前記プリント基板の、前記筐体のペン先側とは反対側の開口部側には、前記軸心方向の切欠き部が形成されていると共に、
    前記スイッチは、前記作動子が前記切欠き部に突出するような状態で前記プリント基板の前記筐体のペン先側とは反対側の開口部側に配置されており、
    前記スイッチ制御部材の前記軸心方向に摺動移動する部位は、前記プリント基板の前記切欠き部を軸心方向に摺動移動するように構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子ペン。
  5. 前記筐体は、扁平の筒状体からなり、前記プリント基板は、扁平の前記筐体の中空部の横断面において長尺である方向が幅方向となるように、前記筐体内に配置されている
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子ペン。
  6. 前記スイッチは、前記作動子が、前記筒状の筐体の軸心方向に突出するように前記プリント基板上に配設されており、
    前記スイッチ制御部材は、前記ロック状態になるときに、前記操作部材の前記摺動部材の前記軸心方向の摺動移動に応じて前記軸心方向に交差する方向に移動する部材を備えており、前記軸心方向に交差する方向に移動する部材により、前記スイッチの前記作動子に対して、当該作動子の変位方向に対して交差する方向の力を印加させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  7. 位置検出センサに対する位置指示を行うときには、前記操作部材の前記摺動部材は前記復帰状態とされ、位置検出センサに対する位置指示を行わないときには、前記操作部材の摺動部材は前記ロック状態とされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  8. 前記筒状の筐体内の前記ペン先側には、前記プリント基板との間において、コイルが巻回された磁性体コアが配設されており、前記磁性体コアの前記ペン先側の端部が、前記筒状の筐体の前記ペン先側の内壁の段部に係合することで、前記プリント基板及び前記磁性体コアの前記筐体内における軸心方向の位置が規制されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  9. 前記プリント基板には、前記コイルと共に共振回路を構成するキャパシタが設けられており、
    前記スイッチが、前記操作部材の摺動部材が前記ロック状態にされたときには、前記共振回路が動作状態となるように切り替えられ、前記操作部材の摺動部材が復帰状態のときには、前記共振回路が非動作状態となるように切り替えられる
    ことを特徴とする請求項7に記載の電子ペン。
  10. 前記筒状の筐体内には電源が配設されていると共に、
    前記プリント基板には、前記電源からの電源電圧により駆動される電子回路が搭載されており、
    前記スイッチが、前記操作部材の摺動部材が前記ロック状態にされたときには、前記電源からの前記電子回路への電源電圧の供給を遮断するように切り替えられ、前記操作部材の摺動部材が復帰状態のときには、前記電源回路から前記電子回路への電源電圧の供給がなされるように切り替えられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  11. 前記電子回路は、信号発信回路を含むと共に、前記筒状の筐体のペン先側には導電性の芯体が設けられており、
    前記信号発信回路からの信号が、前記導電性の芯体から送出される
    ことを特徴とする請求項10に記載の電子ペン。
  12. 前記操作部材によりオン状態とオフ状態とに切り替えられる前記スイッチは、複数個である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  13. 複数個の前記スイッチは、前記プリント基板の表面及び裏面に配設されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の電子ペン。
  14. 2個の前記操作部材を備えると共に、2個の前記スイッチがプリント基板に設けられており、
    前記2個の前記操作部材の一方により、前記2個の前記スイッチの一方がオン状態及びオフ状態に切り替えられると共に、前記2個の前記操作部材の他方により、前記2個の前記スイッチの他方がオン状態及びオフ状態に切り替えられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
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