JP2019053313A - 光学素子モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】半田材に効率良く半田ごての熱を集中させ、光ファイバ素線や被覆、あるいはパッケージ(筐体)内部の光学接着剤や樹脂系接着剤が劣化しないように、製造時の光学素子モジュールの故障を軽減させ、かつ信頼性の高い光学素子モジュールを提供する。【解決手段】光学素子(LN素子)を収納する筐体と、光学素子は、筐体の側壁に設けられた貫通孔を通じて筐体内に導入された光ファイバと光学的に結合しており、光ファイバを導入する貫通孔は半田材で気密封止されており、筐体の外部では貫通孔から導出された光ファイバが筐体に接合された光ファイバ導入部によって保持されている光学素子モジュールにおいて、貫通孔が形成された側壁部分から光学素子を保持している筐体部分への伝熱量を低くするため、側壁部分から筐体部分までの間で、貫通孔が形成された側壁に垂直に接続する側壁の厚さDが、局所的に薄くなる部分d2、d3を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子モジュールに関するものであり、特に、光学素子を筐体内に収容し、該筐体の内部に導入した光ファイバと該光学素子とを光学的に結合すると共に、該光ファイバを筐体内に導入する部分を半田材により気密封止した光学素子モジュールに関する。
光通信分野や光計測分野において、光変調器などの光学素子が多用されている。これらの光学素子の多くは、金属の筐体内に光学素子を収容した光学素子モジュールとして使用される。光学素子モジュールでは、筐体の側壁に設けた貫通穴を通じて光ファイバを導入し、筐体内部にある光学素子と該光ファイバとを光学的に結合すると共に、該貫通穴を半田材で封止するよう構成されている。
特許文献1には、筐体を構成するケースの壁面に設けられた導入孔から光ファイバをケース内に導入し、ケース内部に配置された光デバイス(機能部材)に光ファイバを光学接着剤により接着固定(光接続)する光学素子モジュールが開示されている。
このような光学素子モジュールは、ケース内部に高周波信号を制御するための電極あるいは電子部品などが配置されており高い信頼性が必要となるため、使用するパッケージには高い気密性が要求される。そのため、特許文献1では、光ファイバの導入部として、ケースの壁面の導入孔とそれに連通する導入管材を配置し、透湿性の非常に低い半田材によって気密封止されている。
図1は、従来の光学素子モジュールの概略を示している図であり、(a)は上面図、(b)は側面図であり、各々光ファイバが配置される位置での断面図となっている。従来の光学素子モジュールでは、機械的外力や熱によるパッケージ(ケース)の変形の影響を受け、パッケージ内部に配置した光デバイス(LN素子など)やその他光学部品の位置関係が変化し、光学特性やその変動に影響を及ぼさないよう、出来る限り剛性の高い構造となるように設計されている。具体的には、部品実装部および部品を実装するために必要なスペースのみをマシニングセンタで切削加工し、それ以外の部分(パッケージの側面や底面)は出来る限り肉厚部分(厚みD)を残した剛性の高いパッケージを使用している。
また筐体には、光ファイバを案内・保持し損傷を防止するための光ファイバ導入部が接合されている。光ファイバの先端は、筐体内部に配置された光デバイスに直接接合又は空間光学系により光学的に接続されている。図1では省略しているが、光デバイス(LN素子)を駆動するための電気的な配線又は端子が別途設けられる。
筐体の開口部は図1(b)に記載のようにカバーで覆われ、また、光ファイバを導入する貫通孔は半田材で気密封止される。なお、筐体の側壁(光ファイバを導入する面の側壁やそれに垂直な側壁)又は底面壁の厚みDは、筐体内に収容する光デバイスや中継基板などの形状により変化し、必ずしもすべてが同じ厚さではない。
ところで、従来の筐体形状においては、半田材で気密封止される光ファイバ導入部(導入孔)付近が肉厚であるため、半田ごてによって与えられた熱が光ファイバ導入部(導入孔)以外にも伝わり、光ファイバ導入部(導入孔)に熱が集中し難い構造であった。その結果、光ファイバ導入部(導入孔)に配置した半田材が十分に溶け、気密封止出来るまでの時間が長い(例えば、20〜30秒も要する)ことが問題となっていた。
半田材を溶かして気密封止するためには、200〜300℃の半田ごてを光ファイバ導入部に当て、光ファイバ導入部(導入孔)に配置した半田材を十分に加熱し溶かす必要がある。しかし、パッケージ内部に配置した光デバイス(LN素子など)と光ファイバの接着やその他多くの光学部品の固定には、半田材の融点(低融点のもので120〜150℃)と同等かそれ以下のガラス転移温度(Tg=100〜150℃)である光学接着剤や樹脂系接着剤が使用されている。そのため、高温(200〜300℃)の半田ごてで長時間パッケージを加熱し続けると、硬化した光学接着剤や樹脂系接着剤が熱により劣化(軟化)し、光デバイス(LN素子など)や光学部品の位置ずれや剥離を引き起こす。また、長時間の加熱により、光ファイバ素線やその被覆等の劣化が発生する。これらにより、製造時の光学素子モジュールの故障や、光学素子モジュールの特性劣化の原因となっていた。
このような問題を解決する手段として、特許文献2では、半田材の替わりに融点の低い樹脂系接着剤で気密封止することが提案されているが、樹脂系接着剤は金属を材料とする半田材に比べて透湿性が非常に高いため、光学素子モジュールの信頼性が悪くなる。例えば、パッケージ内部の水分量が多くなると、電極のショートなど故障の原因となる。
特開2004−317840号公報 特許第5086755号公報
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、半田材に効率良く半田ごての熱を集中させ、光ファイバ素線や被覆、あるいはパッケージ(筐体)内部の光学接着剤や樹脂系接着剤が劣化しないように、これらに対する伝熱量を小さくし、製造時の光学素子モジュールの故障を軽減させ、かつ信頼性の高い光学素子モジュールを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の光学素子モジュールは、以下のような技術的特徴を有する。
(1) 光学素子を収納する筐体と、該光学素子は、該筐体の側壁に設けられた貫通孔を通じて該筐体内に導入された光ファイバと光学的に結合しており、該光ファイバを導入する該貫通孔は半田材で気密封止されており、該筐体の外部では、該貫通孔から導出された光ファイバが該筐体に接合された光ファイバ導入部によって保持されている光学素子モジュールにおいて、該貫通孔が形成された側壁部分から該光学素子を保持している筐体部分への伝熱量を低くするため、該側壁部分から該筐体部分までの間で、該貫通孔が形成された側壁に垂直に接続する側壁の厚さが、局所的に薄くなる部分を有していることを特徴とする。
(2) 光学素子を収納する筐体と、該光学素子は、該筐体の側壁に設けられた貫通孔を通じて該筐体内に導入された光ファイバと光学的に結合しており、該光ファイバを導入する該貫通孔は半田材で気密封止されており、該筐体の外部では、該貫通孔から導出された光ファイバが該筐体に接合された光ファイバ導入部によって保持されている光学素子モジュールにおいて、該貫通孔が形成された側壁部分から該光学素子を保持している筐体部分への伝熱量を低くするため、該側壁部分から該筐体部分までの間で、該筐体の壁面の厚さが、該筐体部分の厚さより薄くなる部分を有し、さらに該筐体の底面壁の一部は局所的により厚さの薄い部分を有していることを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光学素子モジュールにおいて、前記光ファイバ導入部を構成する筒の内径が、該貫通孔に向かって徐々に狭くなるテーパー形状に設定されると共に、該筒の肉厚が、該貫通孔に向かって徐々に厚くなるよう設定されていることを特徴とする。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光学素子モジュールにおいて、該貫通孔を形成した該側壁部分の厚みは、該側壁部分の近傍の側壁よりも、厚く設定されていることを特徴する。
本発明により、光学素子を収納する筐体と、該光学素子は、該筐体の側壁に設けられた貫通孔を通じて該筐体内に導入された光ファイバと光学的に結合しており、該光ファイバを導入する該貫通孔は半田材で気密封止されており、該筐体の外部では、該貫通孔から導出された光ファイバが該筐体に接合された光ファイバ導入部によって保持されている光学素子モジュールにおいて、該貫通孔が形成された側壁部分から該光学素子を保持している筐体部分への伝熱量を低くするため、以下の(a)又は(b)の構成により、半田ごての熱を半田材が配置された貫通孔の部分に集中させることができ、短時間で確実に気密封止作業を行うことが可能となる。これにより、製造時の光学素子モジュールの故障を軽減し、信頼性の高い光学素子モジュールを提供することが可能となる。
(a)該側壁部分から該筐体部分までの間で、該筐体の壁面の厚さが、該筐体部分の厚さより薄くなる部分を有し、さらに該筐体の底面壁の一部は局所的により厚さの薄い部分を有していること
(b)該側壁部分から該筐体部分までの間で、該筐体の壁面の厚さが、該筐体部分の厚さより薄くなる部分を有し、さらに該筐体の底面壁の一部は局所的により厚さの薄い部分を有していること
従来の光学素子モジュールの概略を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図を示す。 本発明の光学素子モジュールの第1の実施例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図を示す。 本発明の光学素子モジュールの第2の実施例を示す図である。図2の点線Aの部分の拡大図である。 本発明の光学素子モジュールの第3の実施例を示す図である。 本発明の光学素子モジュールの第4の実施例を示す図である。 本発明の光学素子モジュールの第5の実施例を示す図である。 本発明の光学素子モジュールの第6の実施例を示す図である。 本発明の光学素子モジュールの第7の実施例を示す図である。 本発明の光学素子モジュールにおける「貫通孔が形成された近傍の側壁」を説明する図である。
以下、本発明を好適例を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の光学素子モジュールの実施例を示す。
本発明は、光学素子(LN素子)を収納する筐体と、該光学素子は、該筐体の側壁に設けられた貫通孔を通じて該筐体内に導入された光ファイバと光学的に結合しており、該光ファイバを導入する該貫通孔は半田材で気密封止されており、該筐体の外部では、該貫通孔から導出された光ファイバが該筐体に接合された光ファイバ導入部によって保持されている光学素子モジュールにおいて、該貫通孔が形成された側壁部分から該光学素子を保持している筐体部分への伝熱量を低くするため、以下の(a)又は(b)の構成を有していることを特徴とする。
(a)該側壁部分から該筐体部分までの間で、該筐体の壁面の厚さが、該筐体部分の厚さより薄くなる部分を有し、さらに該筐体の底面壁の一部は局所的により厚さの薄い部分を有していること
(b)該側壁部分から該筐体部分までの間で、該筐体の壁面の厚さが、該筐体部分の厚さより薄くなる部分を有し、さらに該筐体の底面壁の一部は局所的により厚さの薄い部分を有していること
本発明の光学素子モジュールでは、半田こての熱が効率良く半田材に伝達されると共に、半田こての熱が、筐体を伝搬し光学素子等に伝搬すること極力抑制するように構成している。
温度差がある物体の伝熱量Eは、次式で求めることが出来る。
E=(S×C×ΔT)/X
ただし、Eは伝熱量[W]、Cは熱伝導率[W/m・K]、Sは熱伝導方向の物体の断面積[m2]、Xは熱伝導方向の長さ[m]、ΔTは長さX間の温度差[℃]である。
熱伝導率Cは、筐体であるパッケージの材質(SUS303もしくはSUS304の場合、16.7[W/m・K])で決まるため、材質を変えない限り一定である。温度差ΔTは使用する半田ごてなど製造条件に関係するため一定である。また、長さXは、温度差を生じている2点間の間隔であり、半田ごての位置と貫通孔までの長さ、貫通孔又は半田ごてから光学素子が配置されている場所までの長さなどは、予め設定されている一定値となる。よって、伝熱量Eを大きくするためには、熱伝導率の高い材料に代える以外には、物体の断面積Sを大きくする、例えば、厚みを増加することが考えられる。逆に、伝熱量Eを小さくするためには、熱伝導率の小さい材料に代える以外には、断面積Sを小さくするか、例えば、厚みを薄くすることが考えられる。
本発明における「伝熱量を低くする」ことの意味は、熱伝導方向に伝搬する上記伝熱量Eを小さくすることを意味する。
図2に示す第1の実施例では、「伝熱量を低くする構成」として、貫通孔(半田封止部)の近傍の側壁の厚みd1を、光学素子(LN素子)を保持している筐体部分(図2(b)の底面壁)の厚みDより薄く設定している。貫通孔が形成された側壁の厚みd1だけでなく、当該側壁から光学素子を保持している部分までの他の側壁の厚みd2(図2(a)参照)や底面壁の厚みd3(図2(b)参照)についても、同様に、薄く設定することで、光学素子への熱伝導を効果的に抑制することが可能となる。
第1の実施例の説明に使用した図2では、光学接着剤あるいは樹脂系接着剤が使用された接着固定部までのパッケージ本体の側壁および底面壁の肉厚が一様(d1〜d3)となっている。しかしながら、図4に示す第3の実施例ように、一部に凸が形成される場合であっても、光学接着剤あるいは樹脂系接着剤が使用された接着固定部のパッケージ本体の壁面および底面の肉厚(厚さD)に比べて、少なくとも局所的に薄い部分(厚みd1)があれば、一様な肉厚でなくてもよい。また、このような凸部は、光学素子モジュールを固定するためのネジ穴を設けるためなどに利用することも可能である。
図5は第4の実施例であり、図2の応用例を示すものである。底面壁の厚みd3の一部に、更に厚みの薄い部分(図5(b)の厚みd4で示す部分参照)を形成し、局所的に伝熱量をより低くする構成を付加することも可能である。
また、図6に示す第5の実施例のように、伝熱量を低くする構成は、貫通孔の近傍の側壁を形成する材料(筐体B)の熱伝導率が、光学素子を保持する筐体部分(筐体A)を形成する材料の熱伝導率より低くなるよう設定することができる。
上述したように、光学素子などに使用される光学接着剤あるいは樹脂系接着剤が使用された接着固定部への伝熱量Eを小さくするために、パッケージの肉厚を薄くしたが、熱伝導率Cの小さな材料にすることで同じ効果を得ることが出来る。例えば、半田封止部を除いたパッケージ本体の材質を、熱伝導率Cの小さいプラスチック材料(10[W/m・K]以下)としてもよい。
本発明は「貫通孔が形成された近傍の側壁」に着目しており、これは、図9に示すように、貫通孔から光学素子であるLN素子を保持している筐体の保持部(LN素子保持部)までの範囲(例えば、図9(b)の一点鎖線の左側)を意味する。また、本発明では、当該「近傍の側壁」を伝熱量を低くするよう表現したが、これは「近傍の側壁」の全てをこのような状態に設定することのみを意味するのでは無く、「近傍の側壁」の一部に対し伝熱量を低く設定し、その結果、本発明の効果を奏する場合は、本発明の技術的範囲内に含まれる。
次に、本発明の光学素子モジュールの特徴として、光ファイバ導入部は、光ファイバ導入部に接触して配置される半田ごての熱に関し、該貫通孔を設けた側壁に向かって、熱伝導の効率が高くなるように設定されている。
熱伝導の効率を高くする構成としては、図3に示すように、光ファイバ導入部を構成する筒の内径が、貫通孔に向かって徐々に狭くなるテーパー形状に設定されると共に、該筒の肉厚が、該貫通孔に向かって徐々に厚くなるよう設定されている。特に、光ファイバ導入部の溶融前の半田材(図3参照)を配置する部分の肉厚が薄く、半田材にて気密封止される貫通孔付近は肉厚が厚くなるよう、光ファイバ導入部の内部をテーパー形状としている。これにより、半田ごての熱が効率良く半田材に伝わるため、半田材が瞬時に溶けると共に、溶けて流動した(毛細管現象で貫通孔に流れ込む)半田材に対しても効率良く熱が伝わる。
また、光ファイバ導入部に関し熱伝導の効率を高くする他の構成は、図7に示すように、光ファイバ導入部を形成する材料の熱伝導率が、貫通孔を設けた側壁(筐体)を形成する材料の熱伝導率より高くなるように設定されている。光ファイバ導入部(導入孔)に熱伝導率Cの高い材料、例えばアルミ(237[W/m・K])や銅(398[W/m・K])を使用することで、半田材に対する伝熱量Eを大きくし、より短時間で半田材が溶けるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の光学素子モジュールの特徴は、図8に示すように、貫通孔を設けた側壁部分の厚み(d1’)は、該貫通孔の側壁(厚みd1”)よりも厚く設定されている。この構成により、半田ごての熱を貫通孔付近に集中させると共に、熱が蓄積し易くなり、半田材が貫通孔内に円滑に侵入することが可能となる。
本発明の光学素子モジュールの具体例として、光ファイバ導入部の内部形状について、半田ごてを接触させる部分の肉厚が薄く、かつ貫通孔(φ0.5mm)に向けて加工穴が細いテーパー形状(φ1.5がφ0.5mmに減少)となるよう切削加工した。また、光ファイバ導入部の根元形状について、光ファイバ導入部の外径(φ2.5mm)よりも小さな径(φ2mm)となるよう切削加工した。更には、光ファイバ導入部の根元から最も近くにある光学接着剤あるいは樹脂系接着剤が使用された接着固定部までのパッケージ本体の壁面および底面の肉厚は1mm〜1.5mmと薄くし、それ以外の部分(光デバイスや光学部品などが実装される部分)については肉厚部分を残すように切削加工した。
このような光学素子モジュールは、機械的外力や熱によるパッケージの変形が問題となる部分については、従来と同等の高い剛性を維持したまま、半田ごての熱が効率良く半田材に伝わるようになり、またパッケージ内部の光学接着剤あるいは樹脂系接着剤が使用された接着固定部には半田ごての熱が伝わり難くなっているのを確認した。
本発明のように、半田封止部(貫通孔)周辺のパッケージ(筐体)の肉厚を薄くすることにより、半田ごてで光ファイバ導入部を加熱する時間が短縮(従来は20〜30秒であったが5秒程度に短縮)出来るため、生産性が改善する。また、光ファイバ導入部内を通っている光ファイバが、高温(200〜300℃)の半田ごての熱の影響を受ける時間も短くなるため、光ファイバの素線あるいは被覆の熱による損傷リスクも軽減出来る。更には、半田ごてによって与えられた熱が、LN素子と光ファイバの接着部やその他光学部品の接着部に、パッケージあるいは光ファイバによって伝わる伝熱量が軽減されるため、熱により接着剤が劣化するリスクが軽減され、信頼性の高い光モジュールを提供することが出来る。
以上のように、本発明に係る光学素子モジュールによれば、半田材に効率良く半田ごての熱を集中させ、光ファイバ素線や被覆、あるいはパッケージ(筐体)内部の光学接着剤や樹脂系接着剤が劣化しないように、これらに対する伝熱量を小さくし、製造時の光学素子モジュールの故障を軽減させ、かつ信頼性の高い光学素子モジュールを提供することが可能となる。

Claims (4)

  1. 光学素子を収納する筐体と、
    該光学素子は、該筐体の側壁に設けられた貫通孔を通じて該筐体内に導入された光ファイバと光学的に結合しており、
    該光ファイバを導入する該貫通孔は半田材で気密封止されており、
    該筐体の外部では、該貫通孔から導出された光ファイバが該筐体に接合された光ファイバ導入部によって保持されている光学素子モジュールにおいて、
    該貫通孔が形成された側壁部分から該光学素子を保持している筐体部分への伝熱量を低くするため、該側壁部分から該筐体部分までの間で、該貫通孔が形成された側壁に垂直に接続する側壁の厚さが、局所的に薄くなる部分を有していることを特徴とする光学素子モジュール。
  2. 光学素子を収納する筐体と、
    該光学素子は、該筐体の側壁に設けられた貫通孔を通じて該筐体内に導入された光ファイバと光学的に結合しており、
    該光ファイバを導入する該貫通孔は半田材で気密封止されており、
    該筐体の外部では、該貫通孔から導出された光ファイバが該筐体に接合された光ファイバ導入部によって保持されている光学素子モジュールにおいて、
    該貫通孔が形成された側壁部分から該光学素子を保持している筐体部分への伝熱量を低くするため、該側壁部分から該筐体部分までの間で、該筐体の壁面の厚さが、該筐体部分の厚さより薄くなる部分を有し、さらに該筐体の底面壁の一部は局所的により厚さの薄い部分を有していることを特徴とする光学素子モジュール。
  3. 請求項1又は2に記載の光学素子モジュールにおいて、前記光ファイバ導入部を構成する筒の内径が、該貫通孔に向かって徐々に狭くなるテーパー形状に設定されると共に、該筒の肉厚が、該貫通孔に向かって徐々に厚くなるよう設定されていることを特徴とする光学素子モジュール。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光学素子モジュールにおいて、該貫通孔を形成した該側壁部分の厚みは、該側壁部分の近傍の側壁よりも、厚く設定されていることを特徴する光学素子モジュール。
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