JP2019053025A - 高周波磁場発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 3次元的に広い範囲でほぼ均一な高周波磁場を生成し光検出磁気共鳴などの検出感度を高めることができる高周波磁場生成装置を得る。【解決手段】 2つのコイルL1,L2は、電子スピン共鳴材料を挟んで所定の間隔で互いに平行に配置されている。高周波電源1は、その2つのコイルL1,L2に導通するマイクロ波の電流を生成する。2つの線路体S1,S2は、その2つのコイルL1,L2にそれぞれ接続され、その2つのコイルL1,L2が定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する。【選択図】 図2

Description

本発明は、高周波磁場発生装置に関するものである。
光検出磁気共鳴(ODMR:Optically Detected Magnetic Resonance)では、サブレベルの準位と光学遷移準位とをもつ媒質に高周波磁場(マイクロ波)と光を同時に照射することで、サブレベル間の磁気共鳴による占有数の変化などが光信号により高感度で検出される。
通常、基底状態の電子が緑光で励起された後、基底状態に戻る際に赤光を発する。一方、例えば、ダイヤモンド構造中の窒素と格子欠陥(NVC:Nitrogen Vacancy Center)中の電子は、2.87GHz前後の高周波磁場の照射により、基底状態中の3つのサブレベルの中で一番低いレベル(m=0)から、基底状態中のそれより高いエネルギー軌道のレベル(m=±1)に遷移する。その状態の電子が緑光で励起されると、無輻射で基底状態中の3つのサブレベルの中で一番低いレベル(m=0)に戻るため発光量が減少し、この光検出より、高周波磁場により磁気共鳴が起こったかどうかを知ることができる。ODMRでは、このような、NVCといった光検出磁気共鳴材料が使用される。
ある測定系では、ダイヤモンドサンプルの下に、スプリットリング式の共振器、あるいは、コイルまたはワイヤ式アンテナが設置され、その共振器からサンプルに対して、2.87GHz前後のマイクロ波領域の高周波磁場が照射され、高周波磁場および励起光を掃引して、検出装置により電子からの赤色光の減少点を検出することにより、上述のダイヤモンド構造の近くにある細胞の情報を獲得している(例えば非特許文献1参照)。
また、ある磁気計測装置は、電子スピン共鳴を利用したODMRで磁気計測を行っている(例えば特許文献1参照)。この磁気計測装置においても1つのコイルでマイクロ波の磁場を生じさせている。
特開2012−110489号公報
Kento Sasaki, et. al., 「Broadband, large-area microwave antenna for optically-detected magnetic resonance of nitrogen-vacancy centers in diamode」REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS 87, 053904 (2016)
しかしながら、上述のコイルやアンテナでは、非常に狭い範囲でしか3次元的に均一な高周波磁場を生成することができず、ODMRの検出感度を高めることが困難である。例えば非特許文献1の場合では、図20に示すように、半径がR(約7mm)である円形銅板のリングアンテナ式共振器が使用され、その中心にスリットが形成されており、さらに、そのスリットの先端に、半径r(約0.5mm)の貫通穴が形成されている。そして、高周波電源から約2.87GHzの電流を流すと、図21に示すように、その円心から半径約1mmの領域においては、均一の磁場が発生できるが、それ以外の領域、すなわち、この銅板面積の98%の領域においては、磁場の強度がコイルの中心から徐々に下がり、ODMRの検出に使用できない領域になる。なお、電気的検出磁気共鳴(EDMR:Electrically Detected Magnetic Resonance)など、電子スピン共鳴を利用した他の計測においても同様の問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、3次元的に広い範囲でほぼ均一な高周波磁場を生成し、電子スピン共鳴を利用した計測での検出感度を高めることができる高周波磁場生成装置を得ることを目的とする。
本発明に係る高周波磁場発生装置は、電子スピン共鳴材料を挟むように、もしくは電子スピン共鳴材料の一方側において、所定の間隔で互いに平行に配置された2つのコイルと、その2つのコイルに導通するマイクロ波の電流を生成する高周波電源と、その2つのコイルに接続され、その2つのコイルが定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する伝送線路部とを備える。
また、本発明に係る高周波磁場発生装置は、高周波電源と、少なくとも2対のコイルと、その2対のコイルのそれぞれ一方のコイルの間の伝送線路とその2対のコイルのそれぞれ他方のコイルの間の伝送線路とを含む少なくとも2つの伝送線路とを備える。高周波電源は、その少なくとも2対のコイルのそれぞれの対となる2つのコイルに導通するマイクロ波の電流を生成する。そして、上述の少なくとも2対のコイルのそれぞれの対は、電子スピン共鳴材料を挟むように、もしくは電子スピン共鳴材料の一方側において、所定の間隔で互いに平行に配置され、また、上述の少なくとも2つの伝送線路は、上述の少なくとも2対のコイルのそれぞれのコイルが定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する。
また、本発明に係る高周波磁場発生装置は、基板と、基板における貫通孔と、貫通孔内に配置された板状コイルと、板状コイルに導通するマイクロ波の電流を生成する高周波電源と、板状コイルに接続され、板状コイルが定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する伝送線路部とを備える。板状コイルの断面の長手方向は、基板の垂直方向であり、板状コイルの4本のエッジ部分のうちの上端側の1本および下端側の1本は、電子スピン共鳴材料を挟むように、もしくは電子スピン共鳴材料の一方側において、所定の間隔で互いに平行に配置された2つのコイルとして機能する。
本発明によれば、3次元的に広い範囲でほぼ均一な高周波磁場を生成し、電子スピン共鳴を利用した計測での検出感度を高めることができる高周波磁場生成装置が得られる。
図1は、本発明の実施の形態に係る高周波磁場発生装置におけるコイルの配置を説明する斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図3は、本発明の実施の形態2に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図4は、本発明の実施の形態3に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図5は、本発明の実施の形態4に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図6は、本発明の実施の形態4に係る高周波磁場発生装置におけるコイルの配置の一例を説明する斜視図である。 図7は、本発明の実施の形態5に係る高周波磁場発生装置におけるコイルおよび線路体を説明する斜視図である。 図8は、本発明の実施の形態6に係る高周波磁場発生装置におけるコイルおよび線路体を説明する斜視図である。 図9は、本発明の実施の形態6に係る高周波磁場発生装置における線路体の別の例を示す斜視図である。 図10は、本発明の実施の形態7に係る高周波磁場発生装置におけるコイルおよび線路体を説明する斜視図である。 図11は、本発明の実施の形態8に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図12は、本発明の実施の形態8の変形例1に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図13は、本発明の実施の形態8の変形例2に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図14は、本発明の実施の形態9に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図15は、本発明の実施の形態10に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。 図16は、本発明の実施の形態11に係る高周波磁場発生装置の構成を示す図である。 図17は、本発明の実施の形態12に係る高周波磁場発生装置の構成を示す図である。 図18は、本発明の実施の形態13に係る高周波磁場発生装置の構成を示す図である。 図19は、本発明の実施の形態6に係る高周波磁場発生装置から発する磁場のシミュレーション結果を示す図である。 図20は、従来のコイル型高周波発生装置の構成を示す回路図である。 図21は、従来のコイル型高周波発生装置から発する磁場を示す図である。
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る高周波磁場発生装置におけるコイルの配置を説明する斜視図である。
本発明の実施の形態に係る高周波磁場発生装置は、少なくとも2つのコイルL1,L2を備える。2つのコイルL1,L2は、図1に示すように、所定の間隔(例えば、各コイルL1,L2の直径程度)で互いに平行に配置される。また、試料101は、光検出磁気共鳴材料(以下、ODMR材料という)としてのNVCを有するダイヤモンドなどの板材102上に配置され、さらに、板材102は、試料板103に固定されている。そして、2つのコイルL1,L2は、ODMR材料としてのNVCを有する板材102を挟んで配置されている。なお、ODMR材料は、電子スピン共鳴材料の一種である。
2つのコイルL1,L2は、互いに同一の形状を有し、互いに同一の中心軸を有するように配置されている。また、ここでは、各コイルL1,L2の巻数は、ほぼ1ターン(1ターン未満)とされる。2つのコイルL1,L2には、マイクロ波の電流が導通し、2つのコイルL1,L2は、それぞれ、同相で(つまり、各時点で同じ向きに)、マイクロ波としての交番磁場を生成する。この交番磁場がODMR材料に印加されるとともに、コイルL1,L2により生成される交番磁場とは別に、図示せぬ静磁場が印加される。そして、図示せぬ光学系によって、所定波長のレーザ光などの測定光がODMR材料に照射され、例えば特定波長の輻射光を観測することで、光検出磁気共鳴に基づく測定(磁気測定、NVCなどの方位、NVCなどの温度など)が行われる。
図2は、本発明の実施の形態1に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。
図2に示すように、実施の形態1に係る高周波磁場発生装置は、さらに、高周波電源1と、2つの線路体S1,S2とを備える。
高周波電源1は、2つのコイルL1,L2に導通するマイクロ波の電流を生成する。具体的には、高周波電源1は、光検出磁気共鳴に必要な帯域(ここでは2.87GHz程度)のマイクロ波の電流を生成する。
2つの線路体S1,S2は、2つのコイルL1,L2にそれぞれ接続された伝送線路部であって、2つのコイルL1,L2が定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する。
なお、各線路体S1,S2は、1本の導電体の線路として構成されていてもよいし、抵抗素子、コンデンサ素子などを使用した分布定数回路として構成されていてもよい。
具体的には、実施の形態1では、図2に示すように、2つの線路体S1,S2のそれぞれの一端が開放されており、2つの線路体S1,S2のそれぞれの他端が2つのコイルL1,L2のそれぞれの一端に接続されている。また、2つのコイルL1,L2のそれぞれの他端は電気的に互いに接続されており、その接続点に高周波電源1が接続されている。したがって、マイクロ波の電流が高周波電源1から2つのコイルL1,L2のそれぞれの他端へ流入する。また、2つのコイルL1,L2は、互いに同じ形状を有し、線路体S1,S2も、互いに同じ形状を有している。このようにすることで、高周波電源1から見て、コイルL1および線路体S1とコイルL2および線路体S2とは、互いに同じ高周波特性(つまり、同じ電気長)を有する。
例えば、コイルL1および線路体S1の電気長、並びにコイルL2および線路体S2の電気長が、λ/4(λ:マイクロ波の波長)である場合には、図2に示すような電流分布となり、コイルL1,L2は、定在波の節ではなく、定在波の腹の近傍に位置し、コイルL1,L2に十分なマイクロ波の電流が流れ、マイクロ波の磁場が誘起される。
例えば、高周波電源1が2.87GHzのマイクロ波を生成する場合、波長が約10cmとなるため、コイルL1および線路体S1の電気長、並びにコイルL2および線路体S2の電気長は、約2.5cmとされる。また、チューニングをしやすくするために、コイルL1,L2の長さは、線路体S1,S2の長さの1/2以下に設定されることが好ましい。
次に、実施の形態1に係る高周波磁場発生装置の動作について説明する。
高周波電源1がマイクロ波の交流電力を生成すると、マイクロ波の電流が、コイルL1および線路体S1、並びにコイルL2および線路体S2に進行していく。ここで、コイルL1および線路体S1の終端、並びにコイルL2および線路体S2の終端においてインピーダンスマッチングが取られていないので、コイルL1および線路体S1、並びにコイルL2および線路体S2において、図2に示すような定在波が形成される。
これにより、コイルL1,L2には、同相で同一の大きさの交番電流が導通する。コイルL1,L2に導通する電流によって、マイクロ波の磁場が形成される。コイルL1,L2が同軸でほぼ平行に配置されているため、コイルL1とコイルL2との間の空間では、磁場の方向がコイルL1,L2の中心軸に対してほぼ平行となり、磁場がほぼ一様となる。
以上のように、上記実施の形態1によれば、2つのコイルL1,L2は、ODMR材料を挟んで所定の間隔で互いに平行に配置されている。高周波電源1は、その2つのコイルL1,L2に導通するマイクロ波の電流を生成する。2つの線路体S1,S2は、その2つのコイルL1,L2にそれぞれ接続され、その2つのコイルL1,L2が定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する。
これにより、コイルL1とコイルL2との間の空間に3次元的に広い範囲でほぼ均一な高周波磁場が生成される。これにより、ODMRの検出感度を高めることができる。
なお、この実施の形態では、線路体S1,S2のそれぞれの一端が開放されているが、その開放端とグランドとの間に、例えば、同一電源(発振)周波数の下で十分高いインピーダンスを有する回路が接続されていてもよい。
また、図1に示すように、2つのコイルL1、L2はODMR材料を挟んで所定の間隔で互いに平行に配置されているが、ODMR材料は2つのコイルのL1、L2の一方側に配置されるようにしてもよい。この場合、共振の帯域が少し狭くなるが、ODMR材料の設置自由度が高くなるメリットがある。
また、図1では、板材102および試料板103は、磁場の向き(コイルL1,L2の中心軸の方向)に対して垂直に配置されているが、板材102および試料板103は、磁場の向き(コイルL1,L2の中心軸の方向)に対して傾斜して配置されるようにしてもよく、その場合でも一様な磁場が板材102に印加される。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。実施の形態2に係る高周波磁場発生装置は、実施の形態1に係る高周波磁場発生装置と同様の構成を有するとともに、高周波電源1と2つのコイルL1,L2との間にインピーダンスマッチング部11をさらに備える。
高周波電源1とコイルL1,L2との間にインピーダンスマッチングが取れていない場合には、高周波電源1からのマイクロ波がコイルL1,L2で反射してしまい、コイルL1,L2に十分なマイクロ波の電流が流れないため、高周波電源1とコイルL1,L2との間にインピーダンスマッチングが取れていない場合には、インピーダンスマッチング部11が設けられる。これにより、インピーダンスマッチングが取られ、高周波電源1からのマイクロ波がコイルL1,L2へ伝播する。インピーダンスマッチング部11としては、例えば抵抗素子(R)、容量素子(C)、インダクタンス素子(L)またはそれらの組み合わせなどが使用される。
なお、図3では、インピーダンスマッチング部11が、コイルL1およびコイルL2の接続点と高周波電源1との間に配置されているが、2つのインピーダンスマッチング部11を、コイルL1と高周波電源1との間、およびコイルL2と高周波電源1との間にそれぞれ配置するようにしてもよい。
また、後述の他の実施の形態に係る高周波磁場発生装置においても、同様のインピーダンスマッチング部を設けることが勿論可能である。その際、高周波電源1と2つの線路体とが接続されている場合には、高周波電源1と2つの線路体との間に同様のインピーダンスマッチング部が設けてもよい。
以上のように、上記実施の形態2によれば、コイルL1,L2や線路体S1,S2のみではインピーダンスマッチングが取られない場合でも、インピーダンスマッチングを取ることができる。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。実施の形態3に係る高周波磁場発生装置は、少なくとも2対のコイル(L1−i,L2−i)(i=1,・・・,n;n>1)と、その2対のコイルのそれぞれ一方のコイルL1−iの間の線路体S1−jと2対のコイルのそれぞれ他方のコイルL2−iの間の線路体S2−jとを含む少なくとも2つの線路体S1−j,S2−jとを備える。
実施の形態3では、高周波電源1は、上述の少なくとも2対のコイル(L1−i,L2−i)(i=1,・・・,n)のそれぞれの対となる2つのコイルL1−i,L2−iに導通するマイクロ波の電流を生成する。
上述の少なくとも2対のコイル(L1−i,L2−i)のそれぞれの対は、ODMR材料を挟んで所定の間隔で互いに平行に配置される。例えば、コイルL1−1〜L1−nは、誘起されるマイクロ波の磁場が同相になるように配置され、コイルL2−1〜L2−nは、誘起されるマイクロ波の磁場が同相になるように配置される。つまり、コイルL1−1〜L1−n,L2−1〜L2−nにより誘起されるマイクロ波の磁場が互いに同一の方向となる。
また、上述の少なくとも2つの線路体S1−j,S2−jは、少なくとも2対のコイルL1−i,L2−iのそれぞれのコイルが定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する伝送線路部である。例えば、すべての線路体S1−j,S2−jの電気長はすべて互いに同一とされ、線路体S1−jとコイルL1−jとが交互に配置され、線路体S2−jとコイルL2−jとが交互に配置される。具体的には、線路体S1−jは、コイルL1−jとコイルL1−(j+1)との間に配置され、線路体S2−jは、コイルL2−jとコイルL2−(j+1)との間に配置され、末端の線路体S1−nおよび線路体S2−nの終端は、それぞれ、開放とされている。
例えば、コイルL1−i,L2−iは、互いに同一の形状を有し、互いに同一の中心軸を有するように配置される。ここでは、各コイルL1−i,L2−iの巻数は、ほぼ1ターン(1ターン未満)とされ、コイルL1−1〜L1−nおよびそれらの間の線路体S1−jの電気長、並びにコイルL2−1〜L2−nおよびそれらの間の線路体S2−jの電気長が、(2n−1)λ/4である場合には、図4に示すような電流分布となり、すべてのコイルL1−i,L2−iは、定在波の節ではない位置に位置し、コイルL1,L2に十分なマイクロ波の電流が流れ、マイクロ波の磁場が誘起される。
以上のように、上記実施の形態3によれば、コイルL1−i,L2−iの数が多いので、誘起される高周波磁場の強度を高くすることができる。
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。図5に示すように、実施の形態4に係る高周波磁場発生装置は、2対のコイル(L11,L21),(L12,L22)と、伝送線路部としての2つの線路体S11,S21とを備える。
図6は、本発明の実施の形態4に係る高周波磁場発生装置におけるコイルL11,L12,L21,L22の配置の一例を説明する斜視図である。図6に示すように、各コイルL11,L21,L12,L22の巻数は、ほぼ半ターンとなっており、コイルL11とコイルL22とが、対となり、同相でマイクロ波の磁場を誘起し、コイルL12とコイルL21とが、対となり、同相でマイクロ波の磁場を誘起する。
なお、各コイルL11,L21,L12,L22の巻数を、実施の形態1〜3と同様にほぼ1ターンとして、同相のコイルL11,L22を互いに近接して配置し(つまり、合計でほぼ2ターンとし)、同相のコイルL12,L21を互いに近接して配置するようにしてもよい。
また、実施の形態4では、2つのコイルL12,L22のそれぞれの一端が接地され、2つのコイルL12,L22のそれぞれの他端が2つの線路体S11,S21のそれぞれの一端に接続されており、また、2つの線路体S11,S21のそれぞれの他端が2つのコイルL11,L21のそれぞれの一端に接続され、2つのコイルL11,L21のそれぞれの他端が、互いに接続され、その接続点に高周波電源1に接続される。そして、マイクロ波の電流が、高周波電源1から、コイルL11,L21を介して、2つの線路体S11,S21のそれぞれの他端へ流入する。したがって、コイルL12,L22の一端(短絡されている端部)が電流分布の腹となり、図5に示すように各コイルL11,L12,L21,L22が電流分布の節以外に位置する。
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5に係る高周波磁場発生装置におけるコイルおよび線路体を説明する斜視図である。
実施の形態5に係る高周波磁場発生装置は、実施の形態1または実施の形態2(図2または図3)に示すような回路構成を有し、基板21を備える。そして、2つのコイルL1,L2は、基板21の一方の面に、その面に対して略垂直に配置される。また、この実施の形態5では、2つの線路体S1,S2は、それぞれ、切欠リング状の線路部材であり、基板21の他方の面に、その面に対して略垂直に配置される。
そして、図2または図3に示すようにコイルL1,L2、線路体S1,S2、および高周波電源1が電気的に接続され、その電気的接続は、基板21上の配線パターン、基板21のスルーホールなどによる。
なお、実施の形態5に係る高周波磁場発生装置の動作については、実施の形態1または実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態6.
図8は、本発明の実施の形態6に係る高周波磁場発生装置におけるコイルおよび線路体を説明する斜視図である。
実施の形態6に係る高周波磁場発生装置は、実施の形態1または実施の形態2(図2または図3)に示すような回路構成を有し、基板21を備える。そして、2つのコイルL1,L2は、基板21の一方の面に、その面に対して略垂直に配置される。また、この実施の形態6では、2つの線路体S1,S2は、それぞれ、配線パターンであり、基板21のいずれかの面に形成されている。
図9は、本発明の実施の形態6に係る高周波磁場発生装置における線路体の別の例を示す斜視図である。図9に示すように、線路体S1,S2には、互いに同一の分岐路31,32をそれぞれ設けるようにしてもよい。このようにすることで、コイルL1,L2および線路体S1,S2において電流分布を調整することができるし、その上、入力帯域の幅を調整することもできる。
なお、実施の形態6に係る高周波磁場発生装置の動作については、実施の形態1または実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態7.
図10は、本発明の実施の形態7に係る高周波磁場発生装置におけるコイルおよび線路体を説明する斜視図である。
実施の形態7に係る高周波磁場発生装置は、実施の形態4(図5)に示すような回路構成を有し、基板21を備える。図10に示すように、実施の形態7では、基板上21に、基板21に対して垂直にコイルL11,L12,L21,L22が配置され、コイルL11の一端とコイルL12の一端とに、切欠リング状の線路体S11が接続され、コイルL21の一端とコイルL22の一端とに、切欠リング状の線路体S21が接続されている。
図10に示すように、線路体S11,S21は、コイルL11,L22の開口方向およびコイルL12,L21の開口方向(つまり、コイルL11,L22,L12,L21により形成される磁場の方向)に対して垂直に配置されており、コイルL11,L22,L12,L21と線路体S11,S21とが磁気結合しにくくなっている。
なお、実施の形態7に係る高周波磁場発生装置の動作については、実施の形態4と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態8.
図11は、本発明の実施の形態8に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。
実施の形態8に係る高周波磁場発生装置では、図11に示すように、2つのコイルL1,L2が、並列接続され、2つのコイルL1,L2の接続点に、伝送線路部としての1つの伝送線路S1sが接続されている。実施の形態8では、1つの伝送線路S1sによって、2つのコイルL1,L2が定在波の節以外に位置するように電流分布が設定される。
具体的には、実施の形態8では、図11に示すように、線路体S1sの一端が開放されており、線路体S1sの他端が2つのコイルL1,L2の一方の接続点に接続されている。また、2つのコイルL1,L2の他方の接続点に高周波電源1が接続されている。したがって、マイクロ波の電流が高周波電源1から2つのコイルL1,L2のそれぞれの他端へ流入する。また、2つのコイルL1,L2は、互いに同じ形状を有し、線路体S1,S2も、互いに同じ形状を有している。このようにすることで、高周波電源1から見て、コイルL1および線路体S1とコイルL2および線路体S2とは、互いに同じ高周波特性(つまり、同じ電気長)を有する。
例えば、コイルL1,L2および線路体S1sの電気長の電気長が、λ/4(λ:マイクロ波の波長)である場合には、図11に示すような電流分布となり、コイルL1,L2は、定在波の節ではなく、定在波の腹の近傍に位置し、コイルL1,L2に十分なマイクロ波の電流が流れ、マイクロ波の磁場が誘起される。
なお、実施の形態8に係る高周波磁場発生装置の動作については、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
なお、図11に示す実施の形態8に係る高周波磁場発生装置の構成については、図12または図13に示すような変形例を採用してもよい。
図12は、本発明の実施の形態8の変形例1に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。図12に示す変形例1では、線路体S1sのコイルL1,L2に接続していない一端に、可変容量素子41の一端が接続され、この可変容量素子41の他端が接地されている。これにより、中心軸からのズレが生じても、この可変容量素子41の静電容量を変動させることにより、コイルL1とL2の共振周波数の中心が所望の周波数に限りなく近づけるように調整することができる。また、この可変容量素子41は非常に小さい静電容量値を有すればよく、例えば、線路体S1sの一部の位置を少し移動させるような可動装置でもよい。あるいは、この可変容量素子41は、例えば微小の静電容量を有する可動コンデンサなどとしてもよい。
図13は、本発明の実施の形態8の変形例2に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。図13に示す変形例2では、線路体S1sのコイルL1、L2に接続していない他端に(すなわち電源側に)、可変容量素子51の一端が接続され、この可変容量素子51の他端が接地されている。これにより、上述の変形例1と同様に、たとえコイルL1,L2の形状の変化や、中心軸からのズレが生じても、この可変容量素子51の静電容量を変動させることにより、コイルL1とL2の共振周波数の中心が所望の周波数に限りなく近づけるように調整することができる。また、この可変容量素子51は非常に小さい静電容量値を有すればよく、例えば、微小の静電容量を有する可動コンデンサや、電源とコイルL1、L2との間の導電線の一部を動かす装置などとしてもよい。
実施の形態9.
図14は、本発明の実施の形態9に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。
実施の形態9に係る高周波磁場発生装置では、図14に示すように、2つのコイルL1,L2が、並列接続され、2つのコイルL1,L2の接続点に、伝送線路部としての1つの伝送線路S1sが接続されている。実施の形態9では、1つの伝送線路S1sによって、2つのコイルL1,L2が定在波の節以外に位置するように電流分布が設定される。
具体的には、実施の形態9では、図14に示すように、線路体S1sの一端が第1インピーダンスマッチング部11を介して高周波電源1が接続されており、線路体S1sの他端が2つのコイルL1,L2の一方の接続点に接続されている。また、2つのコイルL1,L2の他方の接続点に第2インピーダンスマッチング部11の一端部に接続する。更に、第2インピーダンスマッチング部11の一端部が開放されている。したがって、マイクロ波の電流が高周波電源1から第1インピーダンスマッチング部11および線路体S1sを通して2つのコイルL1,L2のそれぞれの一端へ流入する。また、2つのコイルL1,L2は、互いに同じ形状を有し、線路体S1,S2も、互いに同じ形状を有している。このようにすることで、高周波電源1から見て、コイルL1および線路体S1とコイルL2および線路体S2とは、互いに同じ高周波特性(つまり、同じ電気長)を有する。
例えば、コイルL1,L2および線路体S1sの電気長の電気長が、λ/4(λ:マイクロ波の波長)である場合には、図14に示すような電流分布となり、コイルL1,L2は、定在波の節ではなく、定在波の腹の近傍に位置し、コイルL1,L2に十分なマイクロ波の電流が流れ、マイクロ波の磁場が誘起される。
実施の形態10.
図15は、本発明の実施の形態10に係る高周波磁場発生装置の構成を示す回路図である。
実施の形態10に係る高周波磁場発生装置では、図15に示すように、2つのコイルL1,L2が、並列接続され、2つのコイルL1,L2の接続点に、それぞれ伝送線路部としての伝送線路S1sが接続されている。実施の形態10では、1つの伝送線路S1sによって、2つのコイルL1,L2が定在波の節以外に位置するように電流分布が設定される。
具体的には、実施の形態10では、図15に示すように、第1線路体S1sの一端が第1インピーダンスマッチング部11を介して高周波電源1が接続されており、第1線路体S1sの他端が2つのコイルL1,L2の一方の接続点に接続されている。また、2つのコイルL1,L2の他方の接続点に第1線路体S1sの一端が接続されている。また、第1線路体の他端が第2インピーダンスマッチング部11の一端部に接続する。更に、第2インピーダンスマッチング部11の一端部が開放されている。したがって、マイクロ波の電流が高周波電源1から第1インピーダンスマッチング部11および第1線路体S1sを通して2つのコイルL1,L2のそれぞれの一端へ流入する。また、2つのコイルL1,L2は、互いに同じ形状を有し、線路体S1,S2も、互いに同じ形状を有している。このようにすることで、高周波電源1から見て、コイルL1および線路体S1とコイルL2および線路体S2とは、互いに同じ高周波特性(つまり、同じ電気長)を有する。
例えば、コイルL1,L2および線路体S1sの電気長の電気長が、λ/2(λ:マイクロ波の波長)である場合には、図15に示すような電流分布となり、コイルL1,L2は、定在波の節ではなく、定在波の腹の近傍に位置し、コイルL1,L2に十分なマイクロ波の電流が流れ、マイクロ波の磁場が誘起される。
実施の形態11.
図16は、本発明の実施の形態11に係る高周波磁場発生装置の構成を示す図である。
この実施の形態11では、コイルL1,L2が、所定の厚みを有する基板61の表裏面に、互いに平行な金属パターンとして形成されている。また、コイルL1,L2の中心を貫くような貫通孔62が設けられている。この貫通孔62により、試料の一方側において、一対のコイルL1,L2の両方が所定距離だけ離間して配置される場合だけではなく、コイルL1,L2の間の任意の位置に試料が配置される場合でも、試料に対して高周波交流磁場を印加することができる。
さらに、図16に示すように、基板61の肉厚内において、コイルL1,L2の径方向に平行な貫通孔63,64が形成されるようにしてもよい。その場合、貫通孔63からレーザ光が入射し、その光は上記貫通孔62内の試料(未図示)に照射され、その反射光がこの貫通孔62を通し、上下方向に反射され、顕微鏡で検出できる。一方、レーザ光のうち、試料を貫いた光が貫通孔64から出射する。そのため、その出射光を観測するようにしてもよい。また、光の屈折のことを考慮し、貫通孔64の径を貫通孔63の径より大きくしてもよい。
また、この実施の形態11では、基板61がコイルL1とコイルL2により挟まれているため、コイルL1,L2の安定な形状形成、両者間の安定な距離の保持など、様々の面において機械的な正常および電気的な性能が優れている。
実施の形態12.
図17は、本発明の実施の形態12に係る高周波磁場発生装置の構成を示す図である。
実施の形態12では、実施の形態11における上述のコイルL1,L2の代わり、板状コイルLaを備える。所定の厚みを有する基板81に貫通孔82が設けられている。板状コイルLaは、貫通孔内に配置されている。実施の形態12では、板状コイルLaの断面の長手方向が基板81の垂直方向となるように、板状コイルLaが、貫通孔82に面する基板81の内壁上に固定されている。板状コイルLaの断面は、略矩形となっている。なお、貫通孔82は、スルーホールでもよく、板状コイルLaは、例えば銅板などといった薄い金属板を折り曲げて成形してものでもよく、貫通孔82としてのスルーホールの内周面に、メッキなどで形成された金属箔でもよい。
また、実施の形態12では、貫通孔82は、断面が円形である観測孔部82aを有する。そして、板状コイルLaの4本のエッジ部分LaEU,LaEL(特に観測孔部82aにおけるエッジ部分)のうちの上端側のエッジ部分LaEUの1本および下端側のエッジ部分LaELの1本は、電子スピン共鳴材料を挟むように、もしくは電子スピン共鳴材料の一方側において、所定の間隔で互いに平行に配置された2つのコイルとして機能する。つまり、高周波(特にMHzオーダー以上)に起因する表皮効果によって、板状コイルLaのエッジ部分LaEU,LaELに集中して電流が流れるため、実質的に、上端側のエッジ部分LaEUと下端側のエッジ部分LeELとが別々のコイルとして機能する。なお、ヘルムホルツコイルのレイアウトと同様にするために、板状コイルLaの高さ(断面の長辺長さ)を板状コイルLaの円形部分の半径と略同一とすることが好ましい。また、板状コイルLaと顕微鏡の鏡筒との間の浮遊容量の変動を抑制するために、板状コイルLaの幅(断面の短辺長さ)は、板状コイルLaの高さより十分小さいほうが好ましい。
そして、この貫通孔82により、試料の一方側において、板状コイルLaの上端側のエッジ部分LaEUおよび下端側のエッジ部分LaELの両方が所定距離だけ離間して配置される場合だけではなく、板状コイルLaの上端側のエッジ部分LaEUおよび下端側のエッジ部分LaULの間の任意の位置に試料が配置される場合でも、試料に対して高周波交流磁場を印加することができる。
さらに、図17に示すように、基板61の肉厚内において、板状コイルLaの円形部分の径方向に平行な貫通孔83,84が形成され、貫通孔83,84の延長線上に板状コイルLaの貫通孔85a,85bが形成されるようにしてもよい。その場合、貫通孔83および貫通孔85aからレーザ光が入射し、その光は上記貫通孔82内の試料(未図示)に照射され、その反射光がこの貫通孔82を通し、上下方向に反射され、顕微鏡で検出できる。一方、レーザ光のうち、試料を貫いた光が貫通孔85bおよび貫通孔84から出射する。そのため、その出射光を観測するようにしてもよい。また、光の屈折のことを考慮し、貫通孔85b,84の径を貫通孔83,85aの径より大きくしてもよい。
なお、実施の形態12に係る高周波磁場発生装置のその他の構成および動作については、実施の形態9および実施の形態11のいずれか、またはそれらの組み合わせと同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、上記実施の形態12によれば、上述の板状コイルLaを適用することで、コイルでの直流抵抗が低くなる。また、観測用の顕微鏡の筐体などの金属製の物体やサンプル台などの誘電体の物体がコイルの周囲に存在している場合、そのような物体の存在に起因する共鳴周波数が変動することがあるが、上述の板状コイルLaを適用することで、そのような共鳴周波数の変動を抑制することができる。
例えば、基板の厚みが1.6mmであり、板状コイルLaの円形部分の半径2mmである場合、本実施の形態12での共鳴周波数は、試料が貫通孔82内に配置された状態では2.96GHzであり、顕微鏡のレンズが1.5mmの距離に配置された状態では、2.965GHzであった。一方、比較例の場合、試料が貫通孔内に配置された状態では2.84GHzであり、顕微鏡のレンズが1.5mmの距離に配置された状態では、2.89GHzであった。このように、共鳴周波数の変動が抑制されている。
実施の形態13.
図18は、本発明の実施の形態13に係る高周波磁場発生装置の構成を示す図である。実施の形態13では、貫通孔82が略矩形形状を有し、板状コイルLaは、貫通孔82内に配置されている。実施の形態13では、板状コイルLaが、貫通孔82に面する基板81の内壁から突出するように固定されている。
なお、実施の形態13に係る高周波磁場発生装置のその他の構成および動作については、実施の形態12と同様であるので、その説明を省略する。
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
例えば、上記実施の形態において、上述の2つの線路体の端部を開放または短絡せずに、2つの線路体を所定の抵抗値で終端するようにしてもよい。
また、上記実施の形態4において、コイルL11,L21を取り除き、線路体S11,S21を互いに接続し、その接続点に高周波電源1を接続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、伝送線路部として線路体が使用しているが、必要に応じて、上述の線路体を集中定数回路に置き換えてもよい。
また、上記実施の形態では、ODMR材料としてNVCを有するダイヤモンドを例示しているが、その代わりに、他のカラーセンター(例えば、SiCカラーセンターや、ZnO、GaN、Si、有機物などのカラーセンター)を有するODMR材料を使用してもよい。なお、高周波電源1は、各カラーセンターに応じた周波数のマイクロ波の電流を生成する。
また、上記実施の形態では、高周波磁場発生装置が、コイルの開口面積とほぼ同じ領域で均一の磁場を形成することができる。そのため、特に100MHz以上の高周波領域においては、ODMRに適用されているが、EDMRなど、電子スピン共鳴を利用した他の計測に適用してもよい。図19は、本発明の実施の形態6に係る高周波磁場発生装置から発する磁場に関するシミュレーション結果を示す図である。このシミュレーションでは、電源からコイルL1、L2には約3GHzの電流が供給される条件で実施され、その結果、図19に示すように、コイルL1,L2の円心からその開口面積のほぼ全領域においては、均一の磁場(例えば、磁場強度の中心値から10%の誤差を有する領域)が発生されることが示されている。
また、100MHz以下の領域においても、本発明の各実施の形態に係る高周波磁場発生装置も従来のコイル型発振器と同様に使える。
本発明は、例えば、光検出磁気共鳴用の高周波磁場発生装置に適用可能である。
1 高周波電源
11 インピーダンスマッチング部
21,81 基板
82 貫通孔
L1,L2,L1−i,L2−i,L11,L12,L21,L22 コイル
La 板状コイル
S1,S1s,S2,S11,S21 線路体(伝送線路部の例)

Claims (9)

  1. 電子スピン共鳴材料を挟むように、もしくは電子スピン共鳴材料の一方側において、所定の間隔で互いに平行に配置された2つのコイルと、
    前記2つのコイルに導通するマイクロ波の電流を生成する高周波電源と、
    前記2つのコイルに接続され、前記2つのコイルが定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する伝送線路部と、
    を備えることを特徴とする高周波磁場発生装置。
  2. 前記伝送線路部は、2つの伝送線路であって、
    前記2つの伝送線路は、前記2つのコイルにそれぞれ接続されており、
    前記2つの伝送線路のそれぞれの一端が開放されるか、もしくは同一周波数で十分高いインピーダンスを有する回路と接続され、
    前記2つの伝送線路のそれぞれの他端が前記2つのコイルのそれぞれの一端に接続され、
    前記マイクロ波の電流が前記高周波電源から前記2つのコイルのそれぞれの他端へ流入すること、
    を特徴とする請求項1記載の高周波磁場発生装置。
  3. 前記伝送線路部は、2つの伝送線路であって、
    前記2つの伝送線路は、前記2つのコイルにそれぞれ接続されており、
    前記2つのコイルのそれぞれの一端が短絡されており、
    前記2つのコイルのそれぞれの他端が前記2つの伝送線路のそれぞれの一端に接続され、
    前記マイクロ波の電流が前記高周波電源から前記2つの伝送線路のそれぞれの他端へ流入すること、
    を特徴とする請求項1記載の高周波磁場発生装置。
  4. 前記高周波電源と前記2つのコイルまたは前記伝送線路部との間にインピーダンスマッチング部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の高周波磁場発生装置。
  5. 基板をさらに備え、
    前記2つのコイルは、前記基板の一方の面に配置され、
    前記伝送線路部は、切欠リング状の線路部材であり、前記基板の他方の面に配置されること、
    を特徴とする請求項1記載の高周波磁場発生装置。
  6. 基板をさらに備え、
    前記伝送線路部は、それぞれ、前記基板上の配線パターンであること、
    を特徴とする請求項1載の高周波磁場発生装置。
  7. 前記伝送線路部は、1つの伝送線路であって、
    前記2つのコイルは、並列接続されており、
    前記1つの伝送線路は、前記2つのコイルの接続点に接続されていること、
    を特徴とする請求項1載の高周波磁場発生装置。
  8. 高周波電源と、
    少なくとも2対のコイルと、
    前記2対のコイルのそれぞれ一方のコイルの間の伝送線路と前記2対のコイルのそれぞれ他方のコイルの間の伝送線路とを含む少なくとも2つの伝送線路とを備え、
    前記高周波電源は、前記少なくとも2対のコイルのそれぞれの対となる2つのコイルに導通するマイクロ波の電流を生成し、
    前記少なくとも2対のコイルのそれぞれの対は、電子スピン共鳴材料を挟むように、もしくは電子スピン共鳴材料の一方側において、所定の間隔で互いに平行に配置され、
    前記少なくとも2つの伝送線路は、前記少なくとも2対のコイルのそれぞれのコイルが定在波の節以外に位置するように電流分布を設定すること、
    を特徴とする高周波磁場発生装置。
  9. 基板と、
    前記基板における貫通孔と、
    前記貫通孔内に配置された板状コイルと、
    前記板状コイルに導通するマイクロ波の電流を生成する高周波電源と、
    前記板状コイルに接続され、前記板状コイルが定在波の節以外に位置するように電流分布を設定する伝送線路部とを備え、
    前記板状コイルの断面の長手方向は、前記基板の垂直方向であり、
    前記板状コイルの4本のエッジ部分のうちの上端側の1本および下端側の1本は、電子スピン共鳴材料を挟むように、もしくは電子スピン共鳴材料の一方側において、所定の間隔で互いに平行に配置された2つのコイルとして機能すること、
    を特徴とする高周波磁場発生装置。
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