JP2019052949A - 磁気エンコーダおよび角度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中空内径を大きく確保できるとともに、回転部材に精度良く固定することができ、軽量で着脱が容易で、低価格で製造することができる磁気エンコーダを提供する。【解決手段】円環部2bおよび円環部2bと同心で円環部2bから軸方向に延びる環状の嵌合部2aを有する薄板製の芯金2と、芯金2の円環部2bに磁性粉を混入した磁性材料からなり円周方向にN極とS極を交互に有する磁気トラックが1列以上着磁された磁気トラック部材3とを有するエンコーダ部4、および、嵌合部2aに固定される固定部材5を備え、固定部材5には円環部2bと同心の回転部材に着脱自在に取り付けられる取付部8が形成される。【選択図】図1
Description
この発明は、回転速度、あるいは回転角度検出に使用する磁気エンコーダおよびこの磁気エンコーダを用いた角度検出装置に関する。
従来の磁気エンコーダ装置として、特許文献1に開示されているものがある。この磁気エンコーダ装置は、プレス加工した芯金のフランジ部に複列の磁気トラック(磁気エンコーダトラック)が形成され、その芯金は焼結金属で成形したベース部材に嵌合固定され、その取付け面にはサイジングが施される。
また従来の回転センサ付き転がり軸受で用いられる磁気エンコーダとして、特許文献2に開示されているものがある。この磁気エンコーダは、薄板を金属リング状にプレス成形した後、磁性ゴムを加硫接着し、その後、円周方向にN極とS極が交互に配置されるように、半径方向の着磁を行ったものであり、軸受の内輪の外径面に装着・固定される。
特許文献1の開示技術では、焼結金属(ベース部材)にプレス加工した芯金が嵌合固定されるため、焼結金属の径方向厚みをある程度確保する必要があり、内径を大きく確保するのが難しく、また磁気エンコーダが重くなる課題がある。また、焼結金属は金型で成形されるため、任意の寸法変更に対応することができず、嵌合する側の軸径が固定され、設計の自由度が少ない。
特許文献2の開示技術では、磁気エンコーダの芯金は薄板をプレス成形しているため、軸受の内輪外径面との嵌合面の寸法公差範囲はあまり狭く設定できず、百μm前後の公差範囲となる。そのため、磁気エンコーダの芯金を内輪外径面に圧入固定する場合、内輪外径面の公差範囲を狭く設定して、締め代が過大にならないよう設定される。また、圧入固定する内輪外径面や回転軸(以下、回転部材と総称する場合がある)の径が異なる場合には、それに合わせて芯金寸法を変更した磁気エンコーダを新規で製作する必要があった。
また、磁気エンコーダの芯金は軸受の内輪の外径面などに直接圧入されるが、ロボット関節などの絶対角検出用として、前記内輪のような回転部材に磁気エンコーダを圧入固定する場合には、位置的に他の部品との干渉があって圧入作業が難しい場合が想定される。また、圧入した磁気エンコーダを取り外すことが難しく、取り外す際に磁気エンコーダの芯金が変形して再利用できない場合も考えられる。
そこで、回転数検出対象である前記回転軸等に磁気エンコーダをボルトなどの固定部品で固定するために、図6に示す従来のアキシャルタイプの磁気エンコーダのように、芯金に直接、孔を設けることが想定されるが、薄板をプレス成形あるいは機械加工で薄い芯金に形成した後に孔を加工すると、孔の周りの芯金にゆがみが発生することが想定される。この場合、図7に示すように、前記回転軸にこの磁気エンコーダをボルト固定すると、磁気トラック表面の振れが大きくなって、角度検出精度が低下することが懸念される。
特に、着磁極対数に1極対の差を設けた2列の磁気トラックを有する複列の磁気エンコーダを用いて絶対角を高精度で検出する用途では、角度精度の低下、あるいは磁気センサと磁気トラックとの隙間が大きく変動することで検出ができなくなることも考えられる。
この発明は、上記課題を解決するものであり、中空内径を大きく確保できるとともに、回転部材に精度良く固定することができ、軽量で着脱が容易で、しかも低価格で製造することができる磁気エンコーダを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明にかかる磁気エンコーダは、
円環部およびこの円環部と同心で前記円環部から軸方向に延びる環状の嵌合部を有する薄板製の芯金と、前記芯金の前記円環部に沿って設けられて円周方向にN極とS極を交互に有する磁気トラックが1列以上着磁された磁気トラック部材と、
前記嵌合部に固定される固定部材とを備え、
前記固定部材には前記円環部と同心の回転部材に着脱自在に取り付けられる取付部が形成されている。
円環部およびこの円環部と同心で前記円環部から軸方向に延びる環状の嵌合部を有する薄板製の芯金と、前記芯金の前記円環部に沿って設けられて円周方向にN極とS極を交互に有する磁気トラックが1列以上着磁された磁気トラック部材と、
前記嵌合部に固定される固定部材とを備え、
前記固定部材には前記円環部と同心の回転部材に着脱自在に取り付けられる取付部が形成されている。
この磁気エンコーダは、例えば、薄板をリング状にプレス成形あるいは薄く切削した芯金の一部(円環部)に、磁性粉を含んだ磁性ゴムを加硫接着し、あるいは磁性粉を含んだプラスチック磁石材料を射出成形し、その後、円周方向にN極とS極が交互に配置されるように着磁を行った磁気トラックを1列以上設けることで得られる。前記芯金に設けられた嵌合部に、例えばボルト固定が可能なねじ孔または貫通孔などの取付部が形成された固定部材が圧入等で固定される。
このような構成にすることで、磁気エンコーダの中空内径を大きく確保できるとともに、軽量かつ磁気エンコーダの回転部材への着脱が容易となり、組み立ての自由度が向上して回転部材に精度良く固定することができ、しかも低価格で製造することができる。すなわち、固定部材を、芯金と磁気トラック部材とから構成されるエンコーダ部の嵌合部に圧入する際には、回転部材にボルトを用いて固定するだけで、回転部材と磁気エンコーダの磁気トラックとを所望の精度で固定することができる。また、磁気エンコーダをボルトで固定する構造であれば、着脱が容易になり、固定部材に貫通孔を形成しておけば、貫通孔に配線や機構部品を挿入することが可能になる。さらに、エンコーダ部を共通部材とし、固定部材の形状を変更するだけで、様々な回転部材に適用することができ、経済的である。
この発明において、前記固定部材には幾何公差を規定するための基準面が設定され、前記固定部材に前記芯金の前記嵌合部を固定した際に、前記固定部材の基準面と前記磁気トラックとの間の、同軸度および直角度のうちの少なくとも一つが得られることが好ましい。この構成によれば、固定部材には幾何公差を規定した前記基準面を有する。固定部材を芯金の嵌合部に圧入する際には、固定部材の幾何公差を指定した基準面と磁気トラックとの同軸度や直角度が得られるよう、適正な圧入治具を用いて芯金が傾斜しないよう注意して圧入される。これにより、磁気エンコーダを回転部材に精度良く固定することができる。
この発明において、前記固定部材の中央近傍に貫通孔が形成されることが好ましい。これにより、磁気エンコーダの中空内径を大きく確保でき、かつ軽量化できる。
この発明において、前記磁気トラック部材は、着磁極対数が異なる複数の前記磁気トラックを有することが好ましい。これにより、絶対角の検出が可能となる。
上記目的を達成するために、この発明にかかる回転角度検出装置は、
上記の発明の磁気エンコーダが前記回転部材に取り付けられ、前記磁気エンコーダの前記磁気トラックに対向する位置に磁気センサが配置される。
上記の発明の磁気エンコーダが前記回転部材に取り付けられ、前記磁気エンコーダの前記磁気トラックに対向する位置に磁気センサが配置される。
これにより、中空内径を大きく確保できるとともに、回転部材に精度良く固定することができ、軽量で着脱が容易で、低価格で製造することができる回転角度検出装置が提供される。
この発明の磁気エンコーダは、次の過程を含む製造方法によって得られる。
円環部およびこの円環部と同心で前記円環部から軸方向に延びる環状の嵌合部を有する薄板製の芯金を形成する過程と、
磁性粉を混入した磁性材料からなる磁気トラック部を、前記芯金の前記円環部に、円周方向に形成する過程と、
前記磁気トラック部の前記円周方向にN極とS極を交互に着磁して、1列以上の磁気トラックを有する磁気トラック部材を形成する過程と、
前記円環部と同心の回転部材に着脱自在な取付部を有する固定部材を製造する過程と、
この製造した固定部材を前記芯金の前記嵌合部に固定する過程とを含む。
円環部およびこの円環部と同心で前記円環部から軸方向に延びる環状の嵌合部を有する薄板製の芯金を形成する過程と、
磁性粉を混入した磁性材料からなる磁気トラック部を、前記芯金の前記円環部に、円周方向に形成する過程と、
前記磁気トラック部の前記円周方向にN極とS極を交互に着磁して、1列以上の磁気トラックを有する磁気トラック部材を形成する過程と、
前記円環部と同心の回転部材に着脱自在な取付部を有する固定部材を製造する過程と、
この製造した固定部材を前記芯金の前記嵌合部に固定する過程とを含む。
これにより、中空内径を大きく確保できるとともに、回転部材に精度良く固定することができ、軽量で着脱が容易で、しかも低価格で磁気エンコーダを製造できる。
上記製造方法における、前記固定部材を製造する過程において、前記固定部材に基準面を形成して、前記固定部材における基準面の、前記磁気トラックに対する幾何公差を管理し、前記固定部材と前記磁気トラックとの間の公差を所定の公差内に収める過程を含むことが好ましい。この構成によれば、固定部材には幾何公差を規定した前記基準面が形成される。固定部材を芯金の嵌合部に圧入する際には、固定部材の幾何公差を指定した基準面と磁気トラックとの同軸度や直角度が得られるよう、適正な圧入治具を用いてエンコーダ部が傾斜しないよう注意して圧入される。これにより、磁気エンコーダを、回転部材に精度良く固定することができる。
上記の各構成において、例えば、アルミニウムなどの軽金材料や樹脂材料を用いて固定部材を形成すれば、磁気エンコーダの重量を削減でき、応答性が要求されるモータの回転軸のような回転部材の制御に与える影響を低減できる。また、ロボット関節への適用では、配線や機構部品を磁気エンコーダの内部に挿入する要求があり、この場合、固定部材を中空構造にすることで対応可能である。
複列の磁気トラックを有する磁気エンコーダは、例えば回転軸の絶対角を検出するのに利用されるが、角度精度の低下を抑制するには磁気エンコーダの振れを低減することが好ましく、固定部材をエンコーダ部の嵌合部に圧入する際には、精度良く圧入できるよう、固定部材に基準面を設けて芯金(嵌合部)に圧入すれば、固定部材に設けたねじ孔、または貫通孔などの取付部を用いて、容易に所望の精度で磁気エンコーダを回転軸に固定できる。また、磁気エンコーダを回転軸に対してボルトで固定する構造であれば、回転軸に対する着脱が容易になる。
また、上記の各構成において、芯金を共通部材とし、固定部材の形状を変更するだけで、様々な回転部材に適用することができ、経済的である。
なお、上記の各構成において、着磁済みの磁気トラック部材と芯金とから構成されるエンコーダ部に固定部材を圧入してもよいし、未着磁のエンコーダ部に固定部材を圧入後に着磁してもよい。
この発明にかかる磁気エンコーダによれば、円環部およびこの円環部と同心で前記円環部から軸方向に延びる環状の嵌合部を有する薄板製の芯金と、前記芯金の前記円環部に磁性粉を混入した磁性材料からなり円周方向にN極とS極を交互に有する磁気トラックが1列以上着磁された磁気トラック部材とを有するエンコーダ部、および前記嵌合部に固定される固定部材を備え、前記固定部材には前記円環部と同心の回転部材に着脱自在に取り付けられる取付部が形成されているので、中空内径を大きく確保できるとともに、回転部材に精度良く固定することができ、軽量で着脱が容易で、しかも低価格で製造することができる磁気エンコーダを提供できる。
図1に、第1の実施形態に係る磁気エンコーダの構造、図2にこの磁気エンコーダを電動モータの回転軸のような回転部材に取り付けた一例、図3に磁気エンコーダと磁気センサの配置例を示す。なお、本実施形態では、ラジアルタイプの磁気エンコーダを一例として説明する。
図1の磁気エンコーダ1は、薄板をリング状にプレス成形あるいは薄く切削した芯金2と磁気トラック部材3とから構成されるエンコーダ部4と、芯金2の嵌合部2aに圧入固定される固定部材5からなる。ここで、薄板製の芯金2は、円筒状の円環部2bおよびこの円環部2bと同心(同一軸心Cを有する)で円環部2bから軸方向に延びる環状の嵌合部2aを有するように形成される。本実施形態では、芯金2は、大径部である円環部2bと小径部である嵌合部2aからなる、一体型の段付き円筒形状に形成されている。磁気トラック部材3は、磁性粉を混練したゴム材料を芯金2と共に金型に入れて加硫接着した磁性材料、あるいはプラスチックと磁性粉をまぜたプラスチック材料と芯金2を一体成形した磁性材料からなる磁気トラック部30に着磁したものである。この磁気トラック部30は、例えば、円環部2bの外周面に、円周方向に形成される。この次の工程で、N極とS極が円周方向に交互に配置されるように磁気トラック部30に着磁を行ない、磁気トラックを1列または複数列有する磁気トラック部材3が形成される。ここでは、磁気トラック部材3に、着磁極対数が互いに異なる2列の磁気トラック6,7が形成されている例を示す。
固定部材5は、エンコーダ部4に設けた嵌合部2aへ圧入固定される。この固定部材5の材料は、鉄系やアルミ系、または銅系等の金属材料、あるいはセラミックやFRP(繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの新素材でもよく、アルミ系や新素材を選択すれば軽量にすることも可能である。金属材等の場合、旋削などの切削または研削などの機械加工とし、また上記強化プラスチック、アルミ系材料等の場合、成型品とすることで、寸法精度の高い固定部材5を容易に製作することができる。
固定部材5は、ねじ挿通孔またはねじ孔などからなる取付部8を有するように形成される。なお、固定部材5の中央近傍に貫通孔9を設けてあってもよく、または設けていなくてもよく、本実施形態の例では、固定部材5の中央に貫通孔9を設けている。
例えば、固定部材5の外径面10と貫通孔9の内径面11には、一定の幾何公差の同軸度が規定され、また、固定部材5の軸心C方向を向く円環状の一端面12と外径面10または内径面11とは、別の幾何公差である一定の直角度が規定される。例えば、固定部材5の外径面10と貫通孔9の内径面11との同軸度は好ましくは0.05mm以下、より好ましくは0.03mm以下、固定部材5の一端面12と外径面10または内径面11との直角度は好ましくは0.05mm以下、より好ましくは0.03mm以下とされる。上記の同軸度とは、例えば、2つの円筒面(外径面10と内径面11)の各軸心が同軸である度合(中心軸がずれていない度合)のことである。上記の直角度とは、例えば、基準となる平面または直線に対してどの程度正確に直角であるかの度合のことであり、直角度で指定する数値の単位は角度ではなくてmmで表される。本実施形態では、上記2つの幾何公差を例に説明を行うが、これらのうちの一方、または他の幾何公差が使用されてもよい。
具体的に説明すると、固定部材5に幾何公差を規定するための基準面Pを設定(形成または観念)し、固定部材5をエンコーダ部4の嵌合部2aに圧入する際に、この固定部材5の基準面Pとエンコーダ部4(例えば磁気トラック6,7)との間において所望の精度の同軸度や直角度が得られるよう基準面Pを形成すれば、後述のように磁気エンコーダ1を回転軸13(図2)へボルト等を用いて固定するだけで、回転軸13と磁気エンコーダ1の磁気トラック6,7とを所望の精度で固定することができる。この場合、固定部材5のエンコーダ部4に対する各幾何公差を管理し、固定部材5と磁気トラック6,7表面との間の公差を所定の公差内に収めるようにして、固定部材5が製造される。ここで、図1の基準面Pは、例えば上述の一端面12に一致して形成され(または観念され)、この基準面Pに対して、固定部材5の外径面10と貫通孔9の内径面11との間で同軸度が規定され、固定部材5の一端面12と外径面10または内径面11との間の直角度が規定される。
こうすることで、固定部材5をエンコーダ部4に設けた嵌合部2aへ圧入固定した際に、固定部材5の外径面10または内径面11に対して磁気トラック6、7の表面の振れが許容値以下になるように組み立てされる。例えば、固定部材5の内径面11に対し、磁気トラック6、7の表面の振れは好ましくは0.1mm以下、より好ましくは0.05mm以下とされる。
なお、固定部材5とエンコーダ部4に設けた嵌合部2aとを固定する方法として、圧入以外にも接着や溶接、あるいはこれらを複数組み合わせた固定方法等としてもよく、固定方法は特に限定されない。
また、図2に示すように、回転軸13の一端部に例えば突出部13aが設けられ、突出部13aの外径面と固定部材5の内径面11とが嵌合する場合に、突出部13aの外径面と固定部材5の内径面11との隙間公差を管理すれば、回転軸13と磁気エンコーダ1との同軸度を調整することなく、回転軸13に固定することが可能となる。
ここで、突出部13aは、回転軸13の前記一端部の一部分(内径側)に軸心C方向へ突出するように形成されており、その外径が回転軸13よりも小さく設定されている。すなわち、回転軸13の前記一端部は、大径部と小径部からなる段付き円筒形状に形成されている。回転軸13の一端部における突出部13aよりも外径側の端面には、当接面13bが形成されており、この当接面13bに固定部材5の一端面12が当接されて、軸心C方向の固定部材5の位置決め、つまり磁気エンコーダ1の位置決めを行っている。また、当接面13bには、ボルト14が螺合するねじ孔13cが形成されている。
このような構造とすることで、磁気エンコーダ1の着脱を容易とし、固定部材5として軽量な材料を使用することで磁気エンコーダ1を軽量にすることができ、応答性が要求される回転軸(例えばモータの回転軸)13の制御に与える影響を低減する。また、ロボット関節への適用では、配線や機構部品を磁気エンコーダ1の内部に挿入する要求があり、この場合、固定部材5に貫通孔9を設けた中空構造にすることで対応可能とされる。
ロボット関節への適用では、絶対角を高精度で検出する要求があり、この場合、複列の磁気トラック6、7を有する磁気エンコーダ1を使用する。各磁気トラック6、7の着磁極対数に1極対の差を設け、その位相差から絶対角を高精度で検出する。絶対角を検出可能な磁気センサ15は、後述のように磁気トラック6、7に対して一定の隙間を開けて対向配置される。
複列の磁気トラック6、7を有する磁気エンコーダ1は、角度精度の低下を回避するため磁気トラック6、7の振れを極力少なくするのが好ましい。固定部材5にエンコーダ部4を精度良く圧入固定したものを回転軸13にボルト14でねじ固定する構造であれば、圧入治具を使う必要もなく、かつ、回転軸13に磁気エンコーダ1を固定する工数が省略される。また、その着脱が容易になるので、取り外した後でも再利用可能である。
図3に、図2に示す回転軸13に取り付けられた磁気エンコーダ1と磁気センサ15の配置例を示す。少なくとも回転軸13に取り付けられた磁気エンコーダ1と磁気センサ15とで、絶対角検出が可能な角度検出装置Dが構成される。よって、図3には、角度検出装置Dのうちの、磁気エンコーダ1、回転軸13および磁気センサ15のみを抜き出して示しており、他の構成は図示を省略している。なお、磁気センサ15は、磁気エンコーダ1の磁気トラック6,7に対向する位置に配置される。具体的には、例えば磁気センサ15を構成する2つの磁気検出素子のうちの一方が、磁気トラック6に対向する位置に配置され、他方の磁気検出素子が、磁気トラック7に対向する位置に配置される。角度検出装置Dは、例えば上記のように1極対だけ着磁極数が互いに異なる各磁気トラック6,7を磁気センサ15(2つの上記磁気検出素子)で検出し、回転軸13の1回転で1極対の差が生じることを利用して、絶対角を検出する。
次に、第2の実施形態に係る磁気エンコーダについて説明する。図4はアキシャルタイプの磁気エンコーダ16の一例を示し、図5は回転軸13に磁気エンコーダ16を固定した状態を示す。
アキシャルタイプの磁気エンコーダ16は、芯金2と磁気トラック部材3とから構成されるエンコーダ部17と、芯金2の嵌合部2aに圧入固定された固定部材5からなる。この第2の実施形態では、磁気トラック6,7が軸心C方向に並んだ第1の実施形態とは異なり、円周方向にN極とS極を交互に有する円環状の2つの磁気トラック6,7が径方向に並んで配置されている。磁気センサ15Aは、軸心C方向に、磁気トラック6,7に対向して配置されている。その他の構造については第1の実施形態と同じであるため、それらの説明については省略する。
以上の各実施形態において、磁気エンコーダ1の製造にあたっては、薄板をリング状にプレス成形あるいは薄く切削した芯金2の一部(円環部)に、磁性粉を含んだ磁性ゴムを加硫接着し、あるいは磁性粉を含んだプラスチック磁石材料を射出成形し、その後、円周方向にN極とS極が交互に配置されるように着磁を行った磁気トラックを1列以上有するエンコーダ部4と、芯金に設けた嵌合部に、ボルト固定が可能なねじ孔または貫通孔などの取付部8が形成された固定部材5が圧入等で固定されて、嵌合状態とされる。
このような構成にすることで、磁気エンコーダ1の中空内径を大きく確保できるとともに、軽量かつ磁気エンコーダの回転軸13への着脱が容易となり、組み立ての自由度が向上して回転部材に精度良く固定することができ、かつ低価格で製造することができる。また、磁気エンコーダをボルトで固定する構造であれば、着脱が容易になり、固定部材に貫通孔を形成しておけば、貫通孔に配線や機構部品を挿入することが可能になる。さらに、エンコーダ部を共通部材とし、固定部材の形状を変更するだけで、様々な回転軸に適用することができ、経済的である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1、16 磁気エンコーダ
2 芯金
2a 嵌合部
2b 円環部
3 磁気トラック部材
30 磁気トラック部
4、17 エンコーダ部
5 固定部材
6,7 磁気トラック
8 取付部
9 貫通孔
13 回転軸
15、15A 磁気センサ
C 軸心
D 角度検出装置
P 基準面
2 芯金
2a 嵌合部
2b 円環部
3 磁気トラック部材
30 磁気トラック部
4、17 エンコーダ部
5 固定部材
6,7 磁気トラック
8 取付部
9 貫通孔
13 回転軸
15、15A 磁気センサ
C 軸心
D 角度検出装置
P 基準面
Claims (5)
- 円環部およびこの円環部と同心で前記円環部から軸方向に延びる環状の嵌合部を有する薄板製の芯金と、前記芯金の前記円環部に沿って設けられて円周方向にN極とS極を交互に有する磁気トラックが1列以上着磁された磁気トラック部材と、
前記嵌合部に固定される固定部材とを備え、
前記固定部材には前記円環部と同心の回転部材に着脱自在に取り付けられる取付部が形成されている、磁気エンコーダ。 - 請求項1に記載の磁気エンコーダであって、
前記固定部材には幾何公差を規定するための基準面が設定され、前記固定部材に前記芯金の前記嵌合部を固定した際に、前記固定部材の基準面と前記磁気トラックとの間の、同軸度および直角度のうちの少なくとも一つが得られる、磁気エンコーダ。 - 請求項1または請求項2に記載の磁気エンコーダであって、
前記固定部材の中央近傍に貫通孔が形成される、磁気エンコーダ。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の磁気エンコーダであって、
前記磁気トラック部材は、着磁極対数が異なる複数の前記磁気トラックを有する、磁気エンコーダ。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の磁気エンコーダが前記回転部材に取り付けられ、前記磁気エンコーダの前記磁気トラックに対向する位置に磁気センサが配置された、回転角度検出装置。
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