JP2019052490A - 異形鉄筋のねじ式鉄筋継手およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カプラーの長さを抑制するとともに、現場での作業工程および作業期間の増加を抑制することができる異形鉄筋のねじ式鉄筋継手およびその製造方法を提供する。【解決手段】ねじ式鉄筋継手1は、一対の鉄筋2,2と、これら一対の鉄筋2,2を接続する筒状のカプラー4とを備えている。鉄筋2,2は、丸軸状の鉄筋本体6の外周に螺旋状の節部8を有する異形鉄筋である。鉄筋2の端部に、節部8が除去された円柱部14が形成され、この円柱部14に、雄ねじ部12が形成されている。雄ねじ部12の硬さは、鉄筋2の他の部分よりも硬くまたは引張強度が強い。一対の鉄筋2,2は、その雄ねじ部12,12に螺合するねじ筒状のカプラー4で接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートに用いられる異形鉄筋のねじ式鉄筋継手およびその製造方法に関するものである。
鉄筋コンクリートの鉄筋には、一般的に定着性に優れることから異形鉄筋が用いられる。このような異形鉄筋を接続する鉄筋継手として、ねじ式鉄筋継手がある(例えば、特許文献1)。ねじ式鉄筋継手を用いることにより、配筋構造の簡素化や工期の短縮を図ることができる。特許文献1では、雄ねじ部の耐力を確保するため、鉄筋に大径部を形成し、この大径部に雄ねじが転造で形成されている。さらに、特許文献1では、ロックナットを設けることで、ガタつきが抑制されている。
特許第5869716号公報
しかしながら、特許文献1では、鉄筋の大径部に雄ねじを加工することから、雄ねじ部の耐力に優れるという利点を持つ反面、大径部の形成が必要になることから、製造コストが高くなる。
また、異形鉄筋として、表面の節がねじ状に形成されたねじ節鉄筋がある。ねじ節鉄筋は、現場で任意の箇所で切断し、カプラーやロックナットを用いて鉄筋を接合することができる。しかしながら、ねじ節鉄筋では、ねじ節は圧延ロールにより形成されるので、ねじピッチが大きくなる。そのため、カプラーの長さが大きくなる。また、ねじの接触面も粗くなるので、密着性が低下するから、ロックナットの使用およびグラウトの充填が必要となる。その結果、現場での作業工程および作業期間が増加する。
本発明は、カプラーの長さを抑制するとともに、現場での作業工程および作業期間の増加を抑制することができる異形鉄筋のねじ式鉄筋継手およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手は、一対の鉄筋と、両鉄筋を接続するねじ筒状のカプラーとを備えた異形鉄筋のねじ式鉄筋継手であって、前記一対のうちの一方または両方の鉄筋は、丸軸状の鉄筋本体の外周に螺旋状の節部を有する異形鉄筋であり、前記鉄筋の一方または両方の端部に、前記節部が除去された円柱部を有して、この円柱部に雄ねじ部が形成され、前記雄ねじ部の硬さが前記鉄筋の他の部分よりも硬くまたは引張強度が強く、前記カプラーが、両鉄筋の前記雄ねじ部に螺合されている。
この構成によれば、雄ねじ部が転造により形成されているので、ねじピッチを小さく形成できる。そのため、カプラーの長さが短くて済む。また、ねじの接触面の密着性も確保できるので、グラウトの充填が不要となる。その結果、現場でのグラウト充填作業、グラウトの品質管理等の工程が省略できるうえに、グラウトの硬化に必要な養生期間も不要となる。したがって、現場での作業工程および作業期間の増加を抑制することができる。
本発明のねじ式鉄筋継手において、前記一方または両方の鉄筋の外周面における互いに180°離れた2箇所に、軸方向に垂直な断面が直線である帯状平坦部が形成され、前記帯状平坦部は、鉄筋本体の外周面を成す円の一部の弧となる直線で構成され、軸方向の全長に渡って形成されていてもよい。
ねじ節鉄筋では、一対の鉄筋をカプラーにより接続した状態で、グラウトが充填できるように、帯状平坦部が形成されている。つまり、断面形状が楕円形になっている。上記構成によれば、グラウトの充填が不要となるので、帯状平坦部はなくてもよい。そこで、鉄筋の端部における雄ねじ部が形成される領域に、真円加工を施し、この真円部分に雄ねじ部を設けることができる。これにより、耐力に優れた雄ねじ部を得ることができる。なお、発明者の鋭意研究により、鉄筋の軸部の断面積の4%に相当する範囲までであれば削っても、鉄筋の性能に影響を与えないことが分かっている。したがって、この範囲内で端部の軸部を下削りして、真円加工を行っても、鉄筋の性能には問題ない。
本発明のねじ式鉄筋継手において、前記鉄筋の前記雄ねじ部に螺合して前記カプラーの端面に当接するロックナットを有してもよい。この構成によれば、ロックナットを設けることにより、ねじ結合部分におけるガタがなくなる。また、引張力の作用時と圧縮力の作用時とで、雄ねじ部とカプラーの雌ねじ部のねじ山同士が接触する面が変わらず、引張耐力および圧縮耐力の両方の要件を充足できる。
本発明の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手の製造方法は、本発明の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手を製造する方法であって、前記鉄筋を任意の長さに切断する切断過程と、この切断された鉄筋の端部に、拡径加工を施すことなく雄ねじ部を転造によって加工する雄ねじ転造過程と、この雄ねじ部が加工された一対の鉄筋の前記雄ねじ部に螺合させるカプラーを準備する過程とを備えている。
この構成によれば、雄ねじ部が転造により形成されているので、ねじピッチを小さく形成できる。そのため、カプラーの長さが短くて済む。また、ねじの接触面の密着性も確保できるので、グラウトの充填が不要となる。その結果、現場でのグラウト充填作業、グラウトの品質管理等の工程が省略できるうえに、およびグラウトの効果に必要な養生期間も不要となる。したがって、現場での作業工程および作業期間の増加を抑制することができる。
本発明のねじ式鉄筋継手の製造方法において、さらに、前記切断過程で切断された前記鉄筋の端部における前記雄ねじ部を形成する長さ範囲に真円加工を施す真円加工過程を備え、前記転造過程では、前記真円加工過程で真円加工された部分に前記転造を行ってもよい。この構成によれば、鉄筋の端部における雄ねじ部が形成される領域に、真円加工を施し、この真円部分に雄ねじ部を設けることができる。これにより、耐力に優れた雄ねじ部を得ることができる。上述のように、鉄筋の軸部の断面積の4%に相当する範囲内であれば、端部の軸部を下削りして、真円加工を行っても、鉄筋の性能には問題ない。
本発明の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手およびその製造方法によれば、カプラーの長さを抑制するとともに、現場での作業工程および作業期間の増加を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る異形鉄筋のねじ式鉄筋継手を示す縦断面図である。 図1のII−II線断面図である。 同ねじ式鉄筋継手の異形鉄筋の端部を拡大して示す側面図である。 同ねじ式鉄筋継手の製造方法を示すフロー図である。 同異形鉄筋を示す側面図である。 同異形鉄筋の製造方法を示す側面図である。 同異形鉄筋を示す横断面図である。 本発明の第2実施形態に係るねじ式鉄筋継手を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係るねじ式鉄筋継手を示す縦断面図である。 同ねじ式鉄筋継手の変形例を示す縦断面図である。 同ねじ式鉄筋継手の別の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る異形鉄筋のねじ式鉄筋継手1を示す断面図である。図1の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手1は、一対の鉄筋2,2と、両鉄筋2,2を接続するねじ筒状のカプラー4とを備えている。各鉄筋2,2は、丸軸状の鉄筋本体6と、鉄筋本体6の外周に形成された螺旋状の節部8とを有する異形鉄筋である。つまり、鉄筋2は、ねじ形状の節構造を持つ「ねじ節鉄筋」である。ねじ節鉄筋は、鉄筋全体がねじ状になるように熱間加工(圧延ロール)によって成形されている。
図2は、鉄筋2をその軸方向C1に垂直な面で切断した断面図である。図2に示すように、鉄筋2の外周面における互いに180°離れた2箇所に、直線状の帯状平坦部10が形成されている。つまり、帯状平坦部10は、軸方向C1に垂直な断面が直線である。詳細には、帯状平坦部10は、鉄筋本体6の外周面を構成する円の一部の弧となる直線で構成されている。図1に示すように、本実施形態では、帯状平坦部10は、鉄筋2における軸方向の全長に渡って形成されている。帯状平坦部10は、ねじ節鉄筋2の節部8を用いて一対の鉄筋2,2をカプラーで接続4した場合に、カプラー4と鉄筋本体6との間に隙間を生じさせて、この隙間に、必要に応じてグラウトを充填できるように設けられている。
鉄筋2の一端部2aに雄ねじ部12が形成されている。詳細には、鉄筋2の一端部2aに、節部8が除去された円柱部14が形成されており、この円柱部14に雄ねじ部12が形成されている。円柱部14は、例えば、削り加工で形成される。雄ねじ部12は、ここでは転造によって形成される。本実施形態の円柱部14は、真円に切削を行う加工(真円加工)が施された部位である。
各鉄筋2,2の雄ねじ部12,12に渡ってカプラー4が螺合されている。つまり、各鉄筋2,2は、その一端部2a,2aでカプラー4により接続されている。本実施形態のカプラー4は、鋼製のねじ筒である。カプラー4の内周面に、各雄ねじ部12,12に螺合する雌ねじ部4aが形成されている。カプラー4の外周面は、円筒面であってもよく、多角形であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。また、外周面の一部に平坦面を持つ形状であってもよい。
雄ねじ部12の長さLは、カプラー4に対する必要ねじ込み長さだけあればよいが、カプラー4の全体をねじ込める長さとしておくことが好ましい。これにより、鉄筋接続作業時に、一方の鉄筋2の雄ねじ部12にカプラー4の全体をねじ込んでおき、鉄筋2,2の端面を合わせた後にカプラー4をねじ戻しながら他方の鉄筋2の雄ねじ部12に螺合させることができる。そのため、鉄筋2を引っ張りながらねじ込む必要がなく、現場での作業性が向上する。雄ねじ部12のねじ溝の縦断面形状は、三角形状であっても、台形であってもよい。また、雄ねじ部12,12は、互いに同じ方向のねじであっても、互いに逆ねじであってもよい。
鉄筋2の雄ねじ部12は、転造ねじである。詳細には、鉄筋2の円柱部14に、転造を行うことで雄ねじ部12が形成されている。加工硬化(塑性硬化)によって、雄ねじ部12の硬さは、鉄筋2の他の部分よりも硬く、引張強度が強くなっている。雄ねじ部12は、少なくとも表層部の硬さが鉄筋2の他の部分よりも硬くなっていればよい。
図3を用いて、雄ねじ部12の寸法の関係を説明する。鉄筋本体6の外径D1は、節部8の外径(最大径)D2よりも小さい。本実施形態では、鉄筋本体6の外径D1は、円柱部14の外径D3よりも大きい。これは、円柱部14を形成する際に、節部8を除去するとともに、鉄筋本体6の外周面を若干削っているためである。ただし、円柱部14を形成する際に、鉄筋本体6の外周面を削らずに、節部8のみを除去してもよい。この場合、円柱部14の外径D3と鉄筋本体6の外径D1は同じになる。
鉄筋2の円柱部14に、転造を行うことで雄ねじ部12が形成されている。したがって、雄ねじ部12のねじ山径D4は円柱部14の外径D3よりも大きく、ねじ溝径D5は円柱部14の外径D3よりも小さい。
鉄筋2の各部の径寸法の一例を示すと、呼び径がD19の鉄筋において、M19.8でピッチ2.5の雄ねじ部12を加工した場合、鉄筋本体6の外径D1が18.00、最大径D2が21.50、円柱部14の外径D3が17.90、ねじ山径D4が19.49、ねじ溝径D5が16.46である(単位:mm)。
図4を用いて、本実施形態の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手1の製造方法を説明する。
本実施形態の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手1の製造方法は、準備過程S0と、切断過程S1と、真円加工過程S2と、雄ねじ転造過程S3とを備えている。準備過程S0では、ねじ節鉄筋である鉄筋2と、鉄筋2を接続するカプラー4を準備する。
切断過程S1では、異形鉄筋2を任意の長さに切断する。詳細には、準備過程S0で用意された異形鉄筋2を、図5に示すように、建設現場または工場等で、必要とされる任意の長さに切断する。
つづいて、真円加工過程S2では、図6Aに示すように、切断過程S1で切断された鉄筋2の一端部2aに真円加工を施す。真円加工は、鉄筋2の一端部2aにおける雄ねじ部12を形成する長さ範囲に施される。真円加工は、節部8を除去するとともに、図6Bに示すように、鉄筋本体6が外径D3の真円となるように切削を行う加工である。この外径D3の真円部分が円柱部14となる。ただし、切削量が少ない場合、平坦部10が残ってもよい。その場合でも、後の加工性能には問題はない。
ねじ節鉄筋2では、前述のように、節部8を用いて一対の鉄筋2,2をカプラーにより接続した状態でグラウトが充填できるように、帯状平坦部10が形成されている。つまり、断面形状が楕円形になっている。本実施形態の真円加工過程S2では、鉄筋本体6の外周面を削って、外径D3の真円部分を形成している。発明者の鋭意研究、シミュレーションにより、鉄筋2の軸部の断面積の4%に相当する範囲までであれば削っても、鉄筋2の性能に影響を与えないことが分かっている。したがって、この範囲内で一端部2aの軸部を下削りして、真円加工を行っても、鉄筋2の性能に問題はない。ねじ節鉄筋において、加工の都合上、真円でなく楕円状に断面積が成形される場合、楕円の長軸を基準に下削りして、欠損する断面積が4%以下となるように設定すれば、鉄筋2の性能に問題はない。
なお、本実施形態では、真円加工過程S2において、節部8を除去するとともに、鉄筋本体6が外径D3の真円となるように鉄筋本体6の外周面を削っているが、節部8の除去のみを行い、鉄筋本体6の外周面の下削りを省略してもよい。その場合、円柱部14の形状は鉄筋本体6と同じになる。また、真円加工過程S2は省略されてもよい。
雄ねじ転造過程S3では、真円加工過程S2で真円加工された円柱部14に、図3に示す雄ねじ部12が転造によって加工される。この転造加工は、鉄筋2の一端部2aに拡径加工を施すことなく施される。真円加工過程S2が省略される場合、切断過程S1で切断された鉄筋2の一端部2aに、拡径加工を施すことなく、各節部8の全体または径方向大部分を削り込みにより除去したうえで、転造によって雄ねじ部12が加工される。
転造によって雄ねじ部12を形成する場合、組成流動により、雄ねじ部12のねじ山径D4は円柱部14の外径D3よりも大きくなる。転造加工は、転造ダイス(図示せず)を用いて、冷間、温間または熱間で行う。転造加工は、例えば、ねじ加工を3点で行う、いわゆる3点転造である。
このように雄ねじ部12の転造を行うことで、雄ねじ部12が加工硬化によって硬くなる。また、雄ねじ部12のねじ溝径D5が鉄筋本体6の外径D1および円柱部14の外径D3よりも小さくなる。雄ねじ部12の真円加工および転造を行う長さは、調整用として長くしておき、配筋の現場で使用箇所に応じて雄ねじ部12を切断するようにしてもよい。これにより施工性が向上する。
上記構成によれば、雄ねじ部12が転造により形成されているので、ねじピッチを小さく形成できる。そのため、カプラー4の長さが短くて済む。また、ねじの接触面の密着性も確保できるので、グラウトの充填が不要となる。その結果、現場でのグラウト充填作業、グラウトの品質管理等の工程が省略できるうえに、グラウトの硬化に必要な養生期間も不要となる。したがって、現場での作業工程および作業期間の増加を抑制することができる。
さらに、雄ねじ部12は、ねじ溝径D5が円柱部14の外径D3よりも小さく、ねじ山径D4が円柱部14の外径D3よりも大きい。そのため、素材となる異形鉄筋2に下加工を施さずにそのまま、または真円加工による下加工を施すだけで、雄ねじ部12を形成できる。大径化のような大がかりな下加工を施すことなく、異形鉄筋2にねじ加工を施すことで雄ねじ部12が形成されるので、生産性に優れる。雄ねじ部12のねじ溝径D5が鉄筋本体6の外径D1よりも細いので、継手部における鉄筋2の耐力の低下が懸念されるが、雄ねじ部12の硬さが他の部分よりも硬いので、十分な耐力が得られる。
下削りによって軸部の断面積が減少したことによる、雄ねじ部12の耐力低下を補うのに必要な硬さは、雄ねじ部12の転造により得られる加工硬化の程度で足りる。つまり、異形鉄筋2に雄ねじ部12を転造すれば、雄ねじ部12に必要な硬さも得られる。したがって、雄ねじ部12の耐力を向上させるための工程は不要であり、生産性に優れる。カプラー4を準備しておけば、残りの作業は、異形鉄筋2の切断(切断過程)および雄ねじ部12の転造(雄ねじ転造過程)だけであるから、建築現場で行うこともできる。
ねじ節鉄筋では、グラウトが充填できるように、帯状平坦部10が形成されている。つまり、断面形状が楕円形になっている。上記構成によれば、グラウトの充填が不要となるので、帯状平坦部10はなくてもよい。そこで、真円加工過程S2において、図6Bに示すように、鉄筋2の一端部2aにおける雄ねじ部12が形成される領域に、真円加工を施し、外径D3の円柱部14が形成されている。この真円部分である円柱部14に雄ねじ部12を設けることにより、耐力に優れた雄ねじ部12を得ることができる。なお、上述のように、鉄筋2の軸部の断面積の4%に相当する範囲までであれば削っても、鉄筋2の性能には問題ない。
図7は、本発明の第2実施形態に係る異形鉄筋のねじ式鉄筋継手1Aを示す。第2実施形態において、第1実施形態と同じ部材には同じ符号を付し、説明を省略する。第2実施形態の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手1Aでは、一対のロックナット20,20が設けられている点で、第1実施形態のねじ式鉄筋継手1と相違している。ロックナット20は、雄ねじ部12に螺合して、カプラー4の端面に当接している。ロックナット20は、カプラー4の一方の端面のみに当接して設けてもよい。ロックナット20の外周面は、円形であっても、多角形であってもよい。本実施形態では、雄ねじ部12の長さLは、ロックナット20とカプラー4の全体を片方の雄ねじ部12に逃がしておける長さとしてもよい。第2実施形態のその他の構造は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、第2実施形態によれば、ロックナット20を設けることにより、鉄筋2とカプラー4との間のガタつきが抑制される。また、引張力の作用時と圧縮力の作用時とで、雄ねじ部12とカプラー4の雌ねじ部4aのねじ山同士が接触する面が変わらず、引張耐力および圧縮耐力の両方の要件を充足できる。
図8は、本発明の第3実施形態に係る異形鉄筋のねじ式鉄筋継手1Bを示す。第1および第2実施形態では、一対の鉄筋2,2の両方がねじ節鉄筋であったが、第3実施形態では、一対の鉄筋の一方がねじ節鉄筋2で、他方が竹節鉄筋22である。竹節鉄筋22も、丸軸上の鉄筋本体26と、鉄筋本体26の外周に設けられた円環状の節部28とを有している。竹節鉄筋22の節部28は、付着性能を向上させるためにのみ設けられ、ねじ形状の節構造とはなっていない。図8の竹節鉄筋22の節部28は、鉄筋本体26の長手方向に間隔を開けて複数形成されている。
竹節鉄筋22は、さらに、鉄筋本体26の外周にリブ30を有している。リブ30は、鉄筋本体26の長手方向に延びる突条からなる。リブ30の径方向の突出高さは、節部28の径方向の突出高さとほぼ同じである。リブ30は、鉄筋本体26の外周面に、周方向に180°離間して2つ形成されている。竹節鉄筋22の一端部22aに、転造により雄ねじ部32が形成されている。
竹節鉄筋22では、リブ30が全体の横断面積の4%程度を占めている。竹節鉄筋22の一端部22aに雄ねじ部32を形成することで、一端部22aの節部28だけでなく、一端部22aのリブ30が除去される。これにより、全体の断面積の4%が欠損することになるので、鉄筋本体26をこれ以上削ることは鉄筋22の性能に影響を与える恐れがあるので、好ましくない。このため、竹節鉄筋22では、雄ねじ部32のねじ山径D10は、鉄筋本体26の外径D11よりも大きくなっている。
ねじ節鉄筋2には長手方向に延びるリブがないので、ねじ節鉄筋2では、上述のように、全断面積の4%に相当する範囲までであれば、鉄筋本体6を削って、そこに雄ねじ部12を形成しても鉄筋2の性能に問題はない。ただし、第3実施形態のように、ねじ節鉄筋2と竹節鉄筋22をカプラー4で接続する場合、互換性を確保するために、雄ねじ部12のねじ山径D4は鉄筋本体6の外径D1よりも大きく設定される。ねじ節鉄筋2と竹節鉄筋22を接続する場合、以下の式(1)を満たすように、雄ねじ部12,32のねじ山径D4,D10を転造加工すれば、互換性のある継手を構成できる(単位はmm)。
D1−(0.0〜0.25)=D11+(0.05〜0.20)・・・(1)
図9の変形例では、一対の鉄筋の一方がねじ節鉄筋2で、他方がリブ35を有する異形鉄筋34である。この異形鉄筋34も、丸軸状の鉄筋本体36と、鉄筋本体36の外周に設けられた節部38,39とを有している。リブ35は鉄筋本体36の外周面に180°離間して2つ形成されている。この異形鉄筋34の節部38,39も、付着性能を向上させるためにのみ設けられ、ねじ形状の節構造とはなっていない。図9の異形鉄筋34の節部38,39は、長手方向に延びる突条からなる2つのリブ35の間に半環状に形成されており、両節部38,39は、異形鉄筋34の長手方向の位置が互いにずれている。
図10の別の変形例でも、一対の鉄筋の一方がねじ節鉄筋2で、他方がリブ42を有する異形鉄筋40である。この異形鉄筋40も、丸軸状の鉄筋本体44と、鉄筋本体44の外周に設けられた節部46とを有している。リブ42は鉄筋本体44の外周面に180°離間して2つ形成されている。この異形鉄筋40の節部46も、付着性能を向上させるためにのみ設けられ、ねじ形状の節構造とはなっていない。図10の異形鉄筋40は、長手方向に延びる2つのリブ42の間に形成された網目状の節部46を有している。
図8〜10の例のように、本発明のねじ式鉄筋継手は、ねじ節鉄筋2とリブを有する異形鉄筋との接続にも適用することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1、1A、1B ねじ式鉄筋継手
2 鉄筋
2a 端部
4 カプラー
6 鉄筋本体
8 節部
10 帯状平坦部
12 雄ねじ部
14 円柱部
20 ロックナット
S1 切断過程
S2 真円加工過程
S3 雄ねじ転造過程

Claims (5)

  1. 一対の鉄筋と、両鉄筋を接続するねじ筒状のカプラーとを備えた異形鉄筋のねじ式鉄筋継手であって、
    前記一対のうちの一方または両方の鉄筋は、丸軸状の鉄筋本体の外周に螺旋状の節部を有する異形鉄筋であり、
    前記鉄筋の一方または両方の端部に、前記節部が除去された円柱部を有して、この円柱部に雄ねじ部が形成され、
    前記雄ねじ部の硬さが前記鉄筋の他の部分よりも硬くまたは引張強度が強く、
    前記カプラーが、両鉄筋の前記雄ねじ部に螺合されている異形鉄筋のねじ式鉄筋継手。
  2. 請求項1に記載の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手において、前記一方または両方の鉄筋の外周面における互いに180°離れた2箇所に、軸方向に垂直な断面が直線である帯状平坦部が形成され、
    前記帯状平坦部は、鉄筋本体の外周面を成す円の一部の弧となる直線で構成され、軸方向の全長に渡って形成されている異形鉄筋のねじ式鉄筋継手。
  3. 請求項1または2に記載の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手において、前記鉄筋の前記雄ねじ部に螺合して前記カプラーの端面に当接するロックナットを有する異形鉄筋のねじ式鉄筋継手。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手を製造する方法であって、
    前記鉄筋を任意の長さに切断する切断過程と、
    この切断された鉄筋の端部に、拡径加工を施すことなく雄ねじ部を転造によって加工する雄ねじ転造過程と、
    この雄ねじ部が加工された一対の鉄筋の前記雄ねじ部に螺合させるカプラーを準備する過程と、を備えた異形鉄筋のねじ式鉄筋継手の製造方法。
  5. 請求項4に記載の異形鉄筋のねじ式鉄筋継手の製造方法において、さらに、前記切断過程で切断された前記鉄筋の端部における前記雄ねじ部を形成する長さ範囲に真円加工を施す真円加工過程を備え、
    前記転造過程では、前記真円加工過程で真円加工された部分に前記転造を行う異形鉄筋のねじ式鉄筋継手の製造方法。
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