JP2019049377A - 温調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流通経路を流れる液体を冷却又は加熱するペルチェモジュールの効率を向上させるための仕組みを備える温調装置を提供する。【解決手段】流路蓄熱ブロックは、液体が流通する温調経路を取り囲むように形成されており、熱移動によって液体を冷却又は加熱する。温調用ペルチェモジュールは、流路蓄熱ブロックとの間で吸排熱を行うように流路蓄熱ブロックの外周面に接触する第1の面と、第1の面の裏側にある第2の面との間で熱移動を行う。補助蓄熱ブロックは、温調用ペルチェモジュールの第2の面との間で熱移動が生じるように第2の面に接触して配置される。補助用ペルチェモジュールは、補助蓄熱ブロックとの間で吸熱又は排熱する動作を行う。制御部は、流路蓄熱ブロックを第1目標温度に維持させるべく、温調用ペルチェモジュールを動作させ、補助蓄熱ブロックを第2目標温度に維持させるべく、補助ペルチェモジュールを動作させる。【選択図】 図1
Description
本開示は、流通経路を流れる液体をペルチェモジュールによって冷却又は加熱する温調装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載の電気温水器等のように、液体の温度を調節する温調装置では、タンクに貯留した液体を加熱又は冷却するタンク式が主流であった。
近年では、タンク式より衛生的に優れるとの観点から、液体をタンクに貯留することなく、液体が流通経路を流通する過程でダイレクトに温度調節を行う方法が望まれていた。液体が流通経路を流通する過程でダイレクトに温度調節を行う方法において、必要な流量を確保しながら温度調節を達成するためには、短時間に大きな熱量を交換する仕組みが必要になる。このような用途において、流通経路を流れる液体を冷却又は加熱するための熱源としてペルチェモジュールを用いる構造を考える場合、多数のペルチェモジュールを使用することもさることながら、個々のペルチェモジュールにおける熱移動の効率を高めることが肝要である。
しかしながら、ペルチェモジュールは、継続して通電することにより吸熱側の面と排熱側の面との温度差が大きくなると、排熱側から吸熱側へ向かって逆流する熱量が大きくなり、熱移動の効率が低下するという性質がある。そのため、流通経路を流れる液体を迅速かつ継続的に冷却又は加熱する上で不利となるという問題がある。
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、流通経路を流れる液体を冷却又は加熱するペルチェモジュールの効率を向上させるための仕組みを備える温調装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る温調装置は、温度調節の対象となる液体が流れる流通経路中に介在し、当該流通経路から導入した液体に対して冷却又は加熱による温度調節を行うものである。この温調装置は、温調経路と、流路蓄熱ブロックと、温調用ペルチェモジュールと、補助蓄熱ブロックと、温調補助部と、第1計測部と、第2計測部と、制御部とを備える。
温調経路は、流通経路から液体が導入され、その導入された液体が一定距離にわたって流通した後、流通経路に排出されるように構成されている。流路蓄熱ブロックは、温調経路を取り囲むように形成され、当該温調経路を流通する液体との間で生じる熱移動によって当該液体を冷却又は加熱する蓄熱部材である。温調用ペルチェモジュールは、流路蓄熱ブロックとの間で吸熱又は排熱を行うように当該流路蓄熱ブロックの外周面に接触する第1の面と、当該第1の面の裏側にある第2の面との間で熱移動を実施可能に構成されている。
補助蓄熱ブロックは、温調用ペルチェモジュールの第2の面との間で熱移動が生じるように当該第2の面に接触して配置された蓄熱部材である。温調補助部は、補助蓄熱ブロックの外周面に接触して配置され、当該補助蓄熱ブロックとの間で吸熱又は排熱する動作を実施可能に構成されている。第1計測部は、流路蓄熱ブロックの温度を計測するように構成されている。第2計測部は、補助蓄熱ブロックの温度を計測するように構成されている。
制御部は、温調用ペルチェモジュールによる吸熱又は排熱の動作、及び温調補助部による吸熱又は排熱の動作を制御するように構成されている。この制御部は、第1計測部で計測される温度を、液体の温度調節の目標温度に応じて定められた第1目標温度に維持させるべく、温調用ペルチェモジュールを動作させるように構成されている。また、制御部は、第2計測部で計測される温度を、第1目標温度とは異なる所定の第2目標温度に維持させるべく、温調補助部を動作させるように構成されている。
このような構成によれば、温調補助部によって補助蓄熱ブロックを十分に冷却又は加熱しておくことで、温調用ペルチェモジュールの吸熱側と排熱側との間の温度差を緩和し、温調用ペルチェモジュール内を逆流する熱量を低減できる。これにより、温調用ペルチェモジュールの熱移動の効率が向上するので、流路蓄熱ブロックを必要な温度に迅速かつ安定的に維持し、十分な量の液体を継続して温度調節することができる。
また、本開示の温調装置においては、次のように構成されていてもよい。すなわち、温調装置は、温調補助部として補助用ペルチェモジュールを備える。この補助用ペルチェモジュールは、補助蓄熱ブロックの外周面に接触して配置され、当該補助蓄熱ブロックとの間で吸熱又は排熱する動作を実施可能に構成されたペルチェモジュールである。このように、本開示の温調装置は、温調用ペルチェモジュールと補助用ペルチェモジュールとを、補助蓄熱ブロックを介して連結した構成によって実施可能である。
また、本開示の温調装置においては、次のように構成されているとよい。すなわち、液体を冷却する場合、制御部は、第1計測部で計測される温度を、液体の凍結温度よりも高い所定の第1目標温度に維持させるべく、温調用ペルチェモジュールを動作させる。また、第2計測部で計測される温度を、第1目標温度よりも低い所定の第2目標温度に維持させるべく、前記温調補助部を動作させる。
液体を迅速に冷却するという観点からは、流路蓄熱ブロックの温度を可能な限り低く維持することが望ましい。しかしながら、流路蓄熱ブロックの温度を液体の凍結温度よりも低くしてしまうと、温調経路内で液体が凍結するおそれがある。そのため、温調経路内で液体が凍結することを防止するため、流路蓄熱ブロックの目標温度である第1目標温度は、液体の凍結温度よりも高い温度に設定されることが好ましい。
一方、補助蓄熱ブロックは、液体を直接冷却する構造になっておらず、たとえ補助蓄熱ブロックが液体の凍結温度よりも低い温度になったとしても、流路蓄熱ブロック内の液体が凍結するおそれはない。そこで、補助蓄熱ブロックの目標温度である第2目標温度は、液体の凍結温度に関わらず、流路蓄熱ブロック11の目標温度である第1目標温度よりも低い温度に設定できる。このようにすることで、温調用ペルチェモジュールの排熱側の面をより効果的に冷却することができるようになる。
また、本開示の温調装置においては、次のように構成されているとよい。すなわち、液体を加熱する場合、制御部は、第1計測部で計測される温度を、液体の沸騰温度よりも低い所定の第1目標温度に維持させるべく、温調用ペルチェモジュールを動作させる。また、第2計測部で計測される温度を、第1目標温度よりも高い所定の第2目標温度に維持させるべく、温調補助部を動作させる。
液体を迅速に加熱するという観点からは、流路蓄熱ブロックの温度を可能な限り高く維持することが望ましい。しかしながら、流路蓄熱ブロックの温度を液体の沸騰温度よりも高くしてしまうと、温調経路内で液体が沸騰するおそれがある。そのため、温調経路内で液体が沸騰することを防止するため、流路蓄熱ブロックの目標温度である第1目標温度は、液体の沸騰温度よりも低い温度に設定されることが好ましい。
一方、補助蓄熱ブロックは、液体を直接加熱する構造になっておらず、たとえ補助蓄熱ブロックが液体の沸騰温度よりも高い温度になったとしても、流路蓄熱ブロック内の液体が沸騰するおそれはない。そこで、補助蓄熱ブロックの目標温度である第2目標温度は、液体の沸騰温度に関わらず、流路蓄熱ブロック11の目標温度である第1目標温度よりも高い温度に設定できる。このようにすることで、温調用ペルチェモジュールの吸熱側の面をより効果的に加熱することができるようになる。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本開示は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[温調装置の構成の説明]
実施形態の温調装置1の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。温調装置1は、温調対象物となる液体が流れる流通経路中に介在し、その流通経路から導入した液体を冷却又は加熱するための装置である。図1、図2に例示されるとおり、温調装置1は、流通経路から液体を導入して再び流通経路へと排出する間に一定距離にわたって液体を流通させる温調経路10と、温調経路10を取り囲む蓄熱部材である流路蓄熱ブロック11とを備える。また、温調装置1は、温調用ペルチェモジュール12と、補助蓄熱ブロック14と、補助用ペルチェモジュール16と、ヒートシンク18と、送風機20と、第1センサ22と、第2センサ24と、制御部26と、報知部28とを備える。
[温調装置の構成の説明]
実施形態の温調装置1の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。温調装置1は、温調対象物となる液体が流れる流通経路中に介在し、その流通経路から導入した液体を冷却又は加熱するための装置である。図1、図2に例示されるとおり、温調装置1は、流通経路から液体を導入して再び流通経路へと排出する間に一定距離にわたって液体を流通させる温調経路10と、温調経路10を取り囲む蓄熱部材である流路蓄熱ブロック11とを備える。また、温調装置1は、温調用ペルチェモジュール12と、補助蓄熱ブロック14と、補助用ペルチェモジュール16と、ヒートシンク18と、送風機20と、第1センサ22と、第2センサ24と、制御部26と、報知部28とを備える。
温調経路10は、流通経路から導入された液体が流通可能な流路断面積を有する細長い流路である。また、温調経路10は、図2に例示されるように、液体を導入箇所から排出箇所までの間に、何重にも折り返して流路蓄熱ブロック11内を往復している。温調経路10が流路蓄熱ブロック11内を往復することにより、温調経路10が長くなって液体と温調経路10との接触面積が大きくなる。そのため、液体が温調経路10を流れて排出されるまでの過程において、液体と流路蓄熱ブロック11との間で十分な熱移動が行われ、液体が目的の温度に速やかに冷却又は加熱されるようになっている。
流路蓄熱ブロック11は、温調経路10を流れる液体との間で生じる熱移動によって液体を冷却又は加熱する蓄熱部材である。流路蓄熱ブロック11の材料は、例えば、用途により要求される清潔さや製造コスト等の要件に応じて、ステンレス鋼やアルミニウムを用いることが考えられる。また、温調経路10をアルミニウムや樹脂の管路で構成し、その温調経路10をアルミニウムのブロックで挟み込むような構成であってもよい。
図2の事例では、流路蓄熱ブロック11の本体11aの表面に彫られた溝により温調経路10が形成されており、本体11aの表面において温調経路10の上部が開放された構造となっている。そのため、蓋11bにより温調経路10の上部を封鎖する構成を採用している。この場合、蓋11bには、本体11aと外部とを断熱する作用に優れた材料を用いるとよい。あるいは、図2の事例とは別に、流路蓄熱ブロック11内に閉鎖された管路からなる温調経路10を形成する構成であってもよい。
温調用ペルチェモジュール12及び補助用ペルチェモジュール16は、ペルチェ効果を発揮する板状の電子部品である。温調用ペルチェモジュール12及び補助用ペルチェモジュール16は、直流電流を流すと板状の一方の面が吸熱し反対側の面が発熱する。また、温調用ペルチェモジュール12及び補助用ペルチェモジュール16は、電流の極性を反転させると吸熱側の面と発熱側の面との関係が反転する。この性質を利用して、温調装置1は、温調対象物である液体に対する冷却及び加熱両方の温度制御を選択的に実現できる。
温調用ペルチェモジュール12は、温調対象物である液体と熱交換を行う流路蓄熱ブロック11を直接冷却又加熱する用途に用いられる。具体的には、温調用ペルチェモジュール12は、第1の面が流路蓄熱ブロック11の外周面に接触するように設けられ、流路蓄熱ブロック11との間で吸熱又は排熱を行う。なお、温調装置1が備える温調用ペルチェモジュール12の数は、必要とされる温調能力に応じて1つであっても複数であってもよい。
温調用ペルチェモジュール12の第1の面の裏側にある第2の面との間で熱移動が生じるように、この第2の面に接触して補助蓄熱ブロック14が配置されている。この補助蓄熱ブロック14は、温調用ペルチェモジュール12による熱移動の効率を向上させる用途に用いられる。補助蓄熱ブロック14は、例えば、ステンレス鋼等の蓄熱性に優れる材料で構成される蓄熱部材である。あるいは、蓄冷・蓄熱性を重視する観点から、熱伝導率が小さく比熱が大きい蓄熱材料であれば、ステンレス鋼に限らない。
この補助蓄熱ブロック14と温調用ペルチェモジュール12の第2の面との間で熱移動が行われることで、温調用ペルチェモジュール12の第1の面と第2の面との温度差が緩和されるようになっている。そのために補助蓄熱ブロック14が備えるべき熱容量としては、例えば、温調経路10に液体を連続的に流すことを想定している期間において、温調用ペルチェモジュール12の温度差を緩和するために必要な熱量を賄うことができる熱容量とすることが考えられる。
補助用ペルチェモジュール16は、第1の面が補助蓄熱ブロック14の外周面に接触するように設けられ、補助蓄熱ブロック14との間で吸熱又は排熱を行う。具体的には、補助用ペルチェモジュール16は、温調用ペルチェモジュール12と補助蓄熱ブロック14との間で行われる熱移動とは逆方向の熱移動を補助蓄熱ブロック14との間で行い、補助蓄熱ブロック14の温度を必要な温度に維持するように制御される。なお、温調装置1が備える補助用ペルチェモジュール16の数は、必要とされる温調能力に応じて1つであっても複数であってもよい。
補助用ペルチェモジュール16の第1の面の裏側の面である第2の面には、放熱・吸熱を行う部材であるヒートシンク18が取付けられている。このヒートシンク18により、補助用ペルチェモジュール16の第2の面における排熱又は吸熱が促進される。また、ヒートシンク18は、熱交換の効率を向上させるために突起状の構造であるフィンを多数備えており、広い表面積を有する。また、ヒートシンク18のフィンに向けて送風機20が配置されている。この送風機20は、ヒートシンク18のフィンに向けて外気を強制的に送るように構成されている。これにより、ヒートシンク18による熱交換の効率を向上させることができる。
第1センサ22は、流路蓄熱ブロック11の温度を計測するように構成された温度センサである。第1センサ22が、本開示における第1計測部に相当する。第1センサ22は、例えば、流路蓄熱ブロック11の外周面に取付けられていてもよいし、流路蓄熱ブロック11に内蔵されていてもよい。あるいは、温調用ペルチェモジュール12の第1の面側に取付けられていてもよい。
第2センサ24は、補助蓄熱ブロック14の温度を計測するように構成された温度センサである。第2センサ24が、本開示における第2計測部に相当する。第2センサ24は、例えば、補助蓄熱ブロック14の外周面に取付けられていてもよいし、補助蓄熱ブロック14に内蔵されていてもよい。あるいは、補助用ペルチェモジュール16の第1の面側に取付けられていてもよい。ただし、補助蓄熱ブロック14の上方に熱交換の対象である温調用ペルチェモジュール12が配置されている関係上、補助蓄熱ブロック14の上面側に配置されていることが好ましい。
制御部26は、温調用ペルチェモジュール12、補助用ペルチェモジュール16、送風機20、及び報知部28を制御する電子制御装置である。制御部26は、図示しないCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、入出力インタフェース等を中心に構成されたコンピュータシステムとしての機能が集約されたマイクロコントローラ等により具現化される。制御部26の機能は、CPUがROMや半導体メモリ等の実体的な記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部26を構成するマイクロコントローラの数は1つでも複数でもよい。
制御部26は、第1センサ22により測定される温度に基づいて温調用ペルチェモジュール12に供給する駆動電流を制御することにより、流路蓄熱ブロック11の温度を冷却又は加熱すべき所与の目標温度に維持する。これにより、流路蓄熱ブロック11内の温調経路10を流れる液体の冷却又は加熱が実現する。
また、制御部26は、第2センサ24により測定される温度に基づいて補助用ペルチェモジュール16に供給する駆動電流を制御することにより、補助蓄熱ブロック14の温度を冷却又は加熱すべき所与の目標温度に維持する。これにより、温調用ペルチェモジュール12の吸熱側の面と排熱側の面との温度差が緩和される。
また、制御部26は、第1センサ22及び第2センサ24により測定される温度に基づいて、流路蓄熱ブロック11及び補助蓄熱ブロック14の温度の適否の状態を表す情報を、報知部28を用いて提示する。報知部28は、流路蓄熱ブロック11及び補助蓄熱ブロック14の温度の適否の状態を表す情報を出力するユーザインタフェースである。この報知部28は、例えば、温度の適否の状態を表すインジケータランプを備えた表示装置等で具現化される。
図3は、温調装置1により温調対象物である液体を冷却する場合における、温調用ペルチェモジュール12及び補助用ペルチェモジュール16の熱移動の様子を模式的に表した図である。図3において、符号12aは、温調用ペルチェモジュール12が流路蓄熱ブロック11と接する側の面を示している。この面12aが、本開示における第1の面に相当する。符号12bは、温調用ペルチェモジュール12が補助蓄熱ブロック14と接する側の面を示している。この面12bが、本開示における第2の面に相当する。また、符号16aは、補助用ペルチェモジュール16が補助蓄熱ブロック14と接する側の面を示している。符号16bは、補助用ペルチェモジュール16が補助蓄熱ブロック14と接する側の面と反対側の面を示している。
温調対象物である液体を冷却する場合、制御部26は、温調用ペルチェモジュール12の面12aを吸熱側、反対側の面12bを排熱側として動作させて流路蓄熱ブロック11を冷却する。同じく、制御部26は、補助用ペルチェモジュール16の面16aを吸熱側、反対側の面16bを排熱側として動作させて補助蓄熱ブロック14を冷却する。
Qc1は、温調用ペルチェモジュール12の吸熱面12aからの吸熱量(W)である。P1は、温調用ペルチェモジュール12に入力される電力(W)である。Qh1は、温調用ペルチェモジュール12の排熱面12bからの排熱量(W)である。これらのQc1、P1及びQh1の間には、次の式(1)が成り立つ。
Qh1=Qc1+P-1 (1)
一方、Qc2は、補助用ペルチェモジュール16の吸熱面16aからの吸熱量(W)である。P2は、補助用ペルチェモジュール16に入力される電力(W)である。Qc2は、補助用ペルチェモジュール16の排熱面16bからの排熱量(W)である。これらのQc2、P2及びQh2の間には、次の式(2)が成り立つ。
Qh2=Qc2+P2 (2)
流路蓄熱ブロック11を速やかに冷却し、液体の冷却に必要な低温状態を継続的に維持するためには、温調用ペルチェモジュール12のQc1を極力大きく維持することが肝要である。しかしながら、吸熱面12aの温度が下がり、排熱面12bの温度が上がって両者の温度差が増大し、排熱面12b側から吸熱面12a側へと逆流する熱量が大きくなるにつれて、Qc1は次第に低下する。
Qh1=Qc1+P-1 (1)
一方、Qc2は、補助用ペルチェモジュール16の吸熱面16aからの吸熱量(W)である。P2は、補助用ペルチェモジュール16に入力される電力(W)である。Qc2は、補助用ペルチェモジュール16の排熱面16bからの排熱量(W)である。これらのQc2、P2及びQh2の間には、次の式(2)が成り立つ。
Qh2=Qc2+P2 (2)
流路蓄熱ブロック11を速やかに冷却し、液体の冷却に必要な低温状態を継続的に維持するためには、温調用ペルチェモジュール12のQc1を極力大きく維持することが肝要である。しかしながら、吸熱面12aの温度が下がり、排熱面12bの温度が上がって両者の温度差が増大し、排熱面12b側から吸熱面12a側へと逆流する熱量が大きくなるにつれて、Qc1は次第に低下する。
流路蓄熱ブロック11に対して必要な冷却速度を達成するのに最低限必要なQc1を維持するためには、吸熱面12aと排熱面12bとの温度差を、許容される最大の温度差よりも小さくする必要がある。そこで、温調用ペルチェモジュール12の排熱面12bを、補助用ペルチェモジュール16によって予め冷却された補助蓄熱ブロック14で冷却することで、温調用ペルチェモジュール12の吸熱面12aと排熱面12bとの温度差を緩和できる。
温調対象物である液体を長時間にわたって流通させながら連続的に冷却する場合、流路蓄熱ブロック11の温度上昇を抑制するために、温調用ペルチェモジュール12が連続的に稼働する状況が想定される。そのような状況では、補助蓄熱ブロック14に蓄えられている冷熱が急速に失われる。補助蓄熱ブロック14の温度上昇を抑制するためには、補助蓄熱ブロック14が温調用ペルチェモジュール12からの吸熱することにより失われる冷熱を不足なく補うように補助用ペルチェモジュール16を稼働させる必要がある。温調装置1において液体を流通させながら長時間にわたって安定的に冷却することを実現するためには、次の式(3)のような関係が成立するように、制御部26が補助用ペルチェモジュール16を駆動することが望ましい。
Qc2>Qh1、すなわち、Qc2>Qc1+P1 (3)
つぎに、図4は、温調装置1により温調対象物である液体を加熱する場合における、温調用ペルチェモジュール12及び補助用ペルチェモジュール16の熱移動の様子を模式的に表した図である。温調対象物である液体を加熱する場合、制御部26は、温調用ペルチェモジュール12の面12aを排熱側、反対側の面12bを吸熱側として動作させる。同じく、制御部26は、補助用ペルチェモジュール16の面16aを排熱側、反対側の面16bを吸熱側として動作させる。
Qc2>Qh1、すなわち、Qc2>Qc1+P1 (3)
つぎに、図4は、温調装置1により温調対象物である液体を加熱する場合における、温調用ペルチェモジュール12及び補助用ペルチェモジュール16の熱移動の様子を模式的に表した図である。温調対象物である液体を加熱する場合、制御部26は、温調用ペルチェモジュール12の面12aを排熱側、反対側の面12bを吸熱側として動作させる。同じく、制御部26は、補助用ペルチェモジュール16の面16aを排熱側、反対側の面16bを吸熱側として動作させる。
Qh1は、温調用ペルチェモジュール12の排熱面12aからの排熱量(W)である。Qc1は、温調用ペルチェモジュール12の吸熱面12bからの吸熱量(W)である。P1は、温調用ペルチェモジュール12に入力される電力(W)である。これらのQh1、Qc1及びP1の間には、上述の式(1)が成り立つ。
一方、Qh2は、補助用ペルチェモジュール16の排熱面16aからの排熱量(W)である。Qc2は、補助用ペルチェモジュール16の吸熱面16bからの吸熱量(W)である。P2は、補助用ペルチェモジュール16に入力される電力(W)である。これらのQc2、P2及びQh2の間には、上述の式(2)が成り立つ。
流路蓄熱ブロック11を速やかに加熱し、液体の加熱に必要な高温状態を継続的に維持するためには、温調用ペルチェモジュール12のQh1を極力大きく維持することが肝要である。しかしながら、排熱面12aの温度が上がり、吸熱面12bの温度が下がって両者の温度差が増大し、排熱面10a側から吸熱面10b側へと逆流する熱量が大きくなるにつれて、Qh1は次第に低下する。
流路蓄熱ブロック11に対して必要な加熱速度を達成するのに最低限必要なQh1を維持するためには、排熱面12aと吸熱面12bとの温度差を、許容される最大の温度差よりも小さくする必要がある。そこで、温調用ペルチェモジュール12の吸熱面12bを、補助用ペルチェモジュール16によって予め加熱された補助蓄熱ブロック14で加熱することで、温調用ペルチェモジュール12の排熱面12aと吸熱面12bとの温度差を緩和できる。
温調対象物である液体を長時間にわたって流通させながら連続的に加熱する場合、流路蓄熱ブロック11の温度低下を抑制するために、温調用ペルチェモジュール12が連続的に稼働する状況が想定される。そのような状況では、補助蓄熱ブロック14に蓄えられている熱が急速に失われる。補助蓄熱ブロック14の温度低下を抑制するためには、温調用ペルチェモジュール12により吸熱されることで失われる熱を不足なく補うように補助用ペルチェモジュール16を稼働させる必要がある。温調装置1において液体を流通させながら長時間にわたって安定的に加熱することを実現するためには、次の式(4)のような関係が成立するように、制御部26が補助用ペルチェモジュール16を駆動することが望ましい。
Qh2>Qc1、すなわち、Qh2>Qh1−P1 (4)
したがって、補助用ペルチェモジュール16には、上記式(3)及び式(4)で表される熱移動量を実現可能な能力を有するデバイスを適用することが望ましい。
Qh2>Qc1、すなわち、Qh2>Qh1−P1 (4)
したがって、補助用ペルチェモジュール16には、上記式(3)及び式(4)で表される熱移動量を実現可能な能力を有するデバイスを適用することが望ましい。
[メイン処理の説明]
制御部26が、内蔵のメモリに格納されたプログラムに従って実行するメイン処理の手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は、温調装置1の電源がオンにされることで実行される。
制御部26が、内蔵のメモリに格納されたプログラムに従って実行するメイン処理の手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は、温調装置1の電源がオンにされることで実行される。
S10では、制御部26は、温調用ペルチェモジュール12に関する制御処理(図6参照)を実行する。温調用ペルチェモジュール12に関する制御処理についての詳細な説明は後述する。S20では、制御部26は、補助用ペルチェモジュール16に関する制御処理(図7参照)を実行する。補助用ペルチェモジュール16に関する制御処理についての詳細な説明は後述する。S30では、制御部26は、温度監視処理(図8参照)を実行する。この温度監視処理についての詳細な説明は後述する。
S40では、制御部26は、温調装置1の電源をオフにする指示を受付けたか否かを判定する。温調装置1の電源をオフにする指示を受付けていない場合(S40:NO)、制御部26はS40の処理を繰返す。制御部26は、電源をオフにする指示を受付けていない間、S10,S20,S30において開始された処理を継続する。一方、温調装置1の電源をオフにする指示を受付けた場合(S40:YES)、制御部26は処理をS50に移す。S50では、制御部26は、S10,S20,S30において開始した各制御処理を停止する。
[温調用ペルチェモジュールの制御処理の説明]
制御部26が実行する、温調用ペルチェモジュール12に関する制御処理について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。温調用ペルチェモジュール12に関する制御処理は、上述のメイン処理のS10において開始される処理である。
制御部26が実行する、温調用ペルチェモジュール12に関する制御処理について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。温調用ペルチェモジュール12に関する制御処理は、上述のメイン処理のS10において開始される処理である。
S100では、制御部26は、第1センサ22による流路蓄熱ブロック11の温度の計測結果を取得する。S102では、制御部26は、S100において取得された流路蓄熱ブロック11の温度が、所与の第1目標温度に到達しているか否かを判定する。なお、温調装置1が温調対象物である液体を冷却する局面においては、液体が凍結することを防止する観点から、第1目標温度を液体の凍結温度以上の任意の温度に設定することが考えられる。例えば、温調対象物が水である場合、第1目標温度を0℃程度に設定する。
また、温調装置1が温調対象物である液体を加熱する局面においては、液体の沸騰を防止する観点から、第1目標温度を液体の沸騰温度以下の任意の温度に設定することが考えられる。例えば、温調対象物が水である場合、第1目標温度を100℃程度に設定する。 流路蓄熱ブロック11の温度が第1目標温度に到達していない場合(S102:NO)、制御部26は処理をS104に移す。S104では、制御部26は、温調用ペルチェモジュール12に通電を行い、流路蓄熱ブロック11に対する冷却動作又は加熱動作を行う。具体的には、温調装置1が温調対象物である液体を冷却する局面においては、制御部26は、図3に例示されるように、温調用ペルチェモジュール12の面12aを吸熱側、反対側の面12bを排熱側として動作させて、流路蓄熱ブロック11を冷却する。
また、温調装置1が温調対象物である液体を加熱する局面においては、制御部26は、図4に例示されるように、温調用ペルチェモジュール12の面12aを排熱側、反対側の面12bを吸熱側として動作させて、流路蓄熱ブロック11を加熱する。S104の後、制御部26は処理をS102に戻す。
一方、流路蓄熱ブロック11の温度が第1目標温度に到達している場合(S102:YES)、制御部26は処理をS106に移す。S106では、制御部26は、温調用ペルチェモジュール12への通電を停止する。あるいは、S104における冷却動作又は加熱動作よりも出力を下げた所定の低出力状態で、流路蓄熱ブロック11に対する冷却動作又は加熱動作を継続する構成であってもよい。S106の後、制御部26は処理をS102に戻す。
[補助用ペルチェモジュールの制御処理の説明]
制御部26が実行する、補助用ペルチェモジュール16に関する制御処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。補助用ペルチェモジュール16に関する制御処理は、上述のメイン処理のS20において開始される処理である。
制御部26が実行する、補助用ペルチェモジュール16に関する制御処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。補助用ペルチェモジュール16に関する制御処理は、上述のメイン処理のS20において開始される処理である。
S200では、制御部26は、送風機20を作動させ、ヒートシンク18への送風を行う。S202では、制御部26は、第2センサ24による補助蓄熱ブロック14の温度の計測結果を取得する。
S204では、制御部26は、S202において取得された補助蓄熱ブロック14の温度が、所与の第2目標温度に到達しているか否かを判定する。なお、温調装置1が温調対象物である液体を冷却する局面においては、補助蓄熱ブロック14の第2目標温度が、流路蓄熱ブロック11の第1目標温度よりも低い温度に設定されているとよい。その場合、第2目標温度は、液体の凍結温度よりも低い温度であってもよい。例えば、温調対象物が水である場合、第2目標温度を−15℃程度に設定する。
また、温調装置1が温調対象物である液体を加熱する局面においては、補助蓄熱ブロック14の第2目標温度が、流路蓄熱ブロック11の第1目標温度よりも高い温度に設定されているとよい。その場合、第2目標温度は、液体の沸騰温度よりも高い温度であってもよい。例えば、温調対象物が水である場合、第2目標温度を115℃程度に設定する。
補助蓄熱ブロック14の温度が第2目標温度に到達していない場合(S204:NO)、制御部26は処理をS206に移す。S206では、制御部26は、補助用ペルチェモジュール16に通電を行い、補助蓄熱ブロック14に対する冷却動作又は加熱動作を行う。具体的には、温調装置1が温調対象物である液体を冷却する局面においては、制御部26は、図3に例示されるように、補助用ペルチェモジュール16の面16aを吸熱側、反対側の面16bを排熱側として動作させて、補助蓄熱ブロック14を冷却する。
また、温調装置1が温調対象物である液体を加熱する局面においては、制御部26は、図4に例示されるように、補助用ペルチェモジュール16の面16aを排熱側、反対側の面16bを吸熱側として動作させて、補助蓄熱ブロック14を加熱する。S206の後、制御部26は処理をS204に戻す。
一方、補助蓄熱ブロック14の温度が第2目標温度に到達している場合(S204:YES)、制御部26は処理をS208に移す。S208では、制御部26は、補助用ペルチェモジュール16への通電を停止する。あるいは、S206における冷却動作又は加熱動作よりも出力を下げた所定の低出力状態で、補助蓄熱ブロック14に対する冷却動作又は加熱動作を継続する構成であってもよい。S208の後、制御部26は処理をS204に戻す。
[温度監視処理の説明]
制御部26が実行する温度監視処理について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。温度監視処理は、上述のメイン処理のS30において開始される処理である。
制御部26が実行する温度監視処理について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。温度監視処理は、上述のメイン処理のS30において開始される処理である。
S300では、制御部26は、第1センサ22による流路蓄熱ブロック11の温度の計測結果を取得する。S302では、制御部26は、S300において取得された流路蓄熱ブロック11の温度が、第1目標温度を基準とする所定の適正範囲内に含まれるか否かを判定する。この適正範囲内は、例えば、温調対象物である液体を目標温度に冷却又は加熱するのに有効な温度の範囲とすることが考えられる。
流路蓄熱ブロック11の温度が適正範囲内に含まれる場合(S302:YES)、制御部26は処理をS304に移す。S304では、制御部26は、流路蓄熱ブロック11の温度が適正である旨を表す情報を、報知部28に表示させる。一方、流路蓄熱ブロック11の温度が適正範囲から外れている場合(S302:NO)、制御部26は処理をS306に移す。S306では、制御部26は、流路蓄熱ブロック11の温度が不適正である旨を表す情報を、報知部28に表示させる。
次のS308では、制御部26は、第2センサ24による補助蓄熱ブロック14の温度の計測結果を取得する。S310では、制御部26は、S308において取得された補助蓄熱ブロック14の温度が、第2目標温度を基準とする所定の適正範囲内に含まれるか否かを判定する。この適正範囲内は、例えば、温調用ペルチェモジュール12の温度差を有効に緩和するために必要な温度の範囲とすることが考えられる。
補助蓄熱ブロック14の温度が適正範囲内に含まれる場合(S310:YES)、制御部26は処理をS312に移す。S312では、制御部26は、補助蓄熱ブロック14の温度が適正である旨を表す情報を、報知部28に表示させる。一方、補助蓄熱ブロック14の温度が適正範囲から外れている場合(S310:NO)、制御部26は処理をS314に移す。S314では、制御部26は、補助蓄熱ブロック14の温度が不適正である旨を表す情報を、報知部28に表示させる。S312又はS314の後、制御部26は処理をS300に戻す。
[効果]
実施形態の温調装置1によれば、以下の効果を奏する。
補助用ペルチェモジュール16によって補助蓄熱ブロック14を十分に冷却又は過熱しておくことで、温調用ペルチェモジュール12の吸熱側と排熱側との間の温度差を緩和し、温調用ペルチェモジュール内を逆流する熱量を低減できる。これにより、温調用ペルチェモジュール12の熱移動の効率が向上するので、流路蓄熱ブロック11を必要な温度に迅速かつ安定的に維持し、十分な量の液体を継続して温度調節することができる。
実施形態の温調装置1によれば、以下の効果を奏する。
補助用ペルチェモジュール16によって補助蓄熱ブロック14を十分に冷却又は過熱しておくことで、温調用ペルチェモジュール12の吸熱側と排熱側との間の温度差を緩和し、温調用ペルチェモジュール内を逆流する熱量を低減できる。これにより、温調用ペルチェモジュール12の熱移動の効率が向上するので、流路蓄熱ブロック11を必要な温度に迅速かつ安定的に維持し、十分な量の液体を継続して温度調節することができる。
また、温調対象物である液体を冷却する局面において、補助蓄熱ブロック14の目標温度である第2目標温度は、液体の凍結温度に関わらず、流路蓄熱ブロック11の目標温度である第1目標温度よりも低い温度に設定することができる。このようにすることで、温調用ペルチェモジュール12の排熱側の面をより効果的に冷却して、温調用ペルチェモジュールの温度差を緩和することができるようになる。
また、温調対象物である液体を加熱する局面において、補助蓄熱ブロック14の目標温度である第2目標温度は、液体の沸騰温度に関わらず、流路蓄熱ブロック11の目標温度である第1目標温度よりも高い温度に設定することができる。このようにすることで、温調用ペルチェモジュールの吸熱側の面をより効果的に加熱して、温調用ペルチェモジュールの温度差を緩和することができるようになる。
[変形例]
上述の実施形態では、本開示における温調補助部として、補助用ペルチェモジュール16を単層で用いた事例について説明した。これに限らず、2つ以上の補助用ペルチェモジュール16を積層したユニットを温調補助部として用いる構成であってもよい。その場合、補助蓄熱ブロック14に隣接する補助用ペルチェモジュール16よりも下層側に設けられる補助用ペルチェモジュール16については、次のように制御するとよい。すなわち、制御部26は、1つ上層側の補助用ペルチェモジュール16の温度差を、許容可能な最大の温度差以下にするべく、その下層側の補助用ペルチェモジュール16に供給する電力を制御する。
上述の実施形態では、本開示における温調補助部として、補助用ペルチェモジュール16を単層で用いた事例について説明した。これに限らず、2つ以上の補助用ペルチェモジュール16を積層したユニットを温調補助部として用いる構成であってもよい。その場合、補助蓄熱ブロック14に隣接する補助用ペルチェモジュール16よりも下層側に設けられる補助用ペルチェモジュール16については、次のように制御するとよい。すなわち、制御部26は、1つ上層側の補助用ペルチェモジュール16の温度差を、許容可能な最大の温度差以下にするべく、その下層側の補助用ペルチェモジュール16に供給する電力を制御する。
上述の実施形態では、本開示における温調補助部として、補助用ペルチェモジュール16を用いた事例について説明した。これに限らず、例えば、水冷装置やコンプレッサ駆動による熱交換器等を温調補助部として用いる構成であってもよい。
上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が、本開示の実施形態である。
上述した温調装置1を構成要件とするシステム、制御部26としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の実体的な記憶媒体、温度調節方法等の種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…温調装置、10…温調経路、11…流路蓄熱ブロック、12…温調用ペルチェモジュール、14…補助蓄熱ブロック、16…補助用ペルチェモジュール、18…ヒートシンク、20…送風機、22…第1センサ、24…第2センサ、26…制御部、28…報知部。
Claims (4)
- 温度調節の対象となる液体が流れる流通経路中に介在し、当該流通経路から導入した液体に対して冷却又は加熱による温度調節を行う温調装置であって、
前記流通経路から液体が導入され、その導入された液体が一定距離にわたって流通した後、前記流通経路に排出されるように構成された温調経路と、
前記温調経路を取り囲むように形成され、当該温調経路を流通する液体との間で生じる熱移動によって当該液体を冷却又は加熱する蓄熱部材である流路蓄熱ブロックと、
前記流路蓄熱ブロックとの間で吸熱又は排熱を行うように当該流路蓄熱ブロックの外周面に接触する第1の面と、当該第1の面の裏側にある第2の面との間で熱移動を実施可能に構成された温調用ペルチェモジュールと、
前記温調用ペルチェモジュールの第2の面との間で熱移動が生じるように当該第2の面に接触して配置された蓄熱部材である補助蓄熱ブロックと、
前記補助蓄熱ブロックの外周面に接触して配置され、当該補助蓄熱ブロックとの間で吸熱又は排熱する動作を実施可能に構成された温調補助部と、
前記流路蓄熱ブロックの温度を計測するように構成された第1計測部と、
前記補助蓄熱ブロックの温度を計測するように構成された第2計測部と、
前記温調用ペルチェモジュールによる吸熱又は排熱の動作、及び前記温調補助部による吸熱又は排熱の動作を制御するように構成された制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1計測部で計測される温度を、前記液体の温度調節の目標温度に応じて定められた第1目標温度に維持させるべく、前記温調用ペルチェモジュールを動作させ、また、前記第2計測部で計測される温度を、前記第1目標温度とは異なる所定の第2目標温度に維持させるべく、前記温調補助部を動作させるように構成されている、
温調装置。 - 前記温調補助部として、前記補助蓄熱ブロックの外周面に接触して配置され、当該補助蓄熱ブロックとの間で吸熱又は排熱する動作を実施可能に構成されたペルチェモジュールである補助用ペルチェモジュールを備える、
請求項1に記載の温調装置。 - 前記液体を冷却する場合、
前記制御部は、前記第1計測部で計測される温度を、前記液体の凍結温度よりも高い所定の第1目標温度に維持させるべく、前記温調用ペルチェモジュールを動作させ、また、前記第2計測部で計測される温度を、前記第1目標温度よりも低い所定の第2目標温度に維持させるべく、前記温調補助部を動作させるように構成されている、
請求項1又は請求項2に記載の温調装置。 - 前記液体を加熱する場合、
前記制御部は、前記第1計測部で計測される温度を、前記液体の沸騰温度よりも低い所定の第1目標温度に維持させるべく、前記温調用ペルチェモジュールを動作させ、また、前記第2計測部で計測される温度を、前記第1目標温度よりも高い所定の第2目標温度に維持させるべく、前記温調補助部を動作させるように構成されている、
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の温調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017173145A JP2019049377A (ja) | 2017-09-08 | 2017-09-08 | 温調装置 |
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CN110986270A (zh) * | 2019-12-16 | 2020-04-10 | 珠海格力电器股份有限公司 | 半导体空调故障检测方法、装置及半导体空调 |
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2017
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