JP2019048801A - 液体口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた口腔バイオフィルム除去効果を与え、また、外観安定性も良好な液体口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)E.O.が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びE.O.が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上、(B)E.O.が40〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び(C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上を含有し、(B)成分の含有量が0.1〜0.4質量%である液体口腔用組成物。更に、(D)油溶性成分を含有する上記液体口腔用組成物。また更に、(E)アルギン酸プロピレングリコールエステルを含有する上記液体口腔用組成物。上記(A)、(B)及び(C)成分からなる口腔バイオフィルム除去剤。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた口腔バイオフィルム除去効果を与え、外観安定性も良好な液体口腔用組成物に関する。
近年、歯周病やその予備軍の増加が顕著となり、歯周ポケットのケア、特に口腔バイオフィルムの殺菌が重要となっている。う蝕原因菌や歯周病原因菌などの口腔内病原性細菌は、口腔疾患の原因となるため、殺菌・除去することが重要である。しかし、バイオフィルムは、様々な口腔内細菌の共凝集体と菌体外多糖類から構成され、口腔内の浮遊菌と比較してバイオフィルムの殺菌・除去は容易ではない。口腔内のバイオフィルムを除去するには、歯ブラシを用いたブラッシングによる物理的な方法だけでなく、ブラシの届かないバイオフィルムをも除去可能な化学的方法が有用である。
化学的除去方法としては、菌体外多糖を分解する酵素のプロテアーゼやデキストラナーゼ、ムタナーゼなどを用いることが知られているが、その効果は十分とは言い難く、特許文献1(特開2009−46449号公報)では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを併用し、更に特定のノニオン性界面活性剤を配合して歯垢形成抑制効果を改善している。また、本出願人は、非イオン性殺菌剤であるイソプロピルメチルフェノール等のバイオフィルムへの浸透殺菌作用に着目し、バイオフィルムへの浸透殺菌力が優れる液体口腔用組成物を特許文献2〜5(特開2009−256228号公報、国際公開第2007/148551号、特開2006−182663号公報、国際公開第2006/067967号)に提案した。しかし、バイオフィルムは、除去することが難しい歯周ポケット深部に形成されることもあり、バイオフィルムの除去効果の更なる改善が望まれた。
また、界面活性剤は洗浄作用を有することが知られ、その浸透作用、界面清浄化作用の点から、わずかではあるが歯垢除去効果を有すると認識されていたが、界面活性剤の単独使用で十分なバイオフィルム除去効果があるとは認識されていないのが現状である。
本出願人は、アニオン界面活性剤のα−オレフィンスルホン酸塩又はアルキルスルホ酢酸塩を用いたバイオフィルム除去剤を特許文献6、7(国際公開第2015/008823号、国際公開第2015/008824号)に提案した。特許文献8(特開2007−326831号公報)には、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる口腔汚垢除去剤が提案されている。
一方、洗口剤等の液体口腔用組成物は、配合する成分やその配合量によって経時でニゴリが発生することがあり、経時でも製剤外観、特に澄明性外観を安定に維持することが品質維持の面で大切である。
ところで、洗口剤等の液体口腔用組成物では、口腔内で使用時の味、臭いといった使用感のよさが継続使用に繋がり、また、製剤外観が安定にニゴリの発生もなく保持されることが品質面で大切であるが、これらは配合成分の影響によって悪化し易い。
液体口腔用組成物では界面活性剤としてノニオン性界面活性剤が汎用され、比較的味が良く可溶化力も高いポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が一般的に使用されている。練歯磨には様々なノニオン性界面活性剤が配合されるが、液体口腔用組成物に配合すると、不快な味や臭いを与え、また、水への溶解性が十分ではないものもあり、このようなノニオン性界面活性剤は、特に洗口剤へ積極的に採用することは避ける傾向にあり使用は限定的であった。
特許文献9、10(特許第5720697号公報、特許第5729252号公報)は、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びイソプロピルメチルフェノールと、特定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれるノニオン性界面活性剤を組み合わせて配合した、歯周病原性細菌の歯面付着抑制効果及び殺菌効果に優れる口腔用組成物を提案している。特許文献9では具体的組成例が練歯磨であるが、特許文献10は液体製剤の実施例が示され、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてアルキル基の炭素数が16以上で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が20以上のものが使用されている。特許文献11(特表2009−520802号公報)は、海草抽出物のアルギン酸誘導体によって、メントールを含む精油の望ましくない味覚をマスキングした口腔ケア用組成物を提案し、ノニオン性界面活性剤のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が配合されたうがい薬が実施例に記載されている。
特開2009−46449号公報 特開2009−256228号公報 国際公開第2007/148551号 特開2006−182663号公報 国際公開第2006/067967号 国際公開第2015/008823号 国際公開第2015/008824号 特開2007−326831号公報 特許第5720697号公報 特許第5729252号公報 特表2009−520802号公報 特開2003−292426号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、優れた口腔バイオフィルム除去効果を与え、外観安定性も良好な液体口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定のアニオン性界面活性剤に、特定のノニオン性界面活性剤(特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)を併用して配合すると、液体口腔用組成物において、口腔バイオフィルムを分散して除去する優れた作用効果が発揮され、外観安定性を良好に維持することもできることを知見し、本発明をなすに至った。
アニオン性界面活性剤単独ではバイオフィルム除去効果が十分ではなく、アニオン性界面活性剤のアシルサルコシン塩又はアシルタウリン塩によるバイオフィルム除去作用はいずれもごく弱いレベルである。また、ノニオン性界面活性剤には、バイオフィルム除去効果がほとんど認められず、しかも、一般的にノニオン性界面活性剤をアニオン性界面活性剤に併用すると、アニオン性界面活性剤のバイオフィルム等への作用が減弱する傾向があると考えられていた。これに対して、本発明では、液体口腔用組成物に、(A)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上と、(C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上とを、好ましくは(A)/(C)比が特定範囲内で併用して配合すると、意外にも、前記の両界面活性剤が相乗的に作用し、歯面に付着したバイオフィルム、特に歯周病原性バイオフィルムを剥がして分散させ、除去する作用効果が増強して発現し、予想外の作用効果を付与できた。またこの場合、(A)及び(C)成分の併用系を液体口腔用組成物に配合すると、可溶化力が弱くなる傾向があり、配合組成によって経時でニゴリが発生し製剤外観が悪化することがあるが、更に、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を特定量で組み合わせて配合することで、バイオフィルム除去効果が優れると共に、製剤外観を十分かつ良好に維持することもできた。この場合、(A)、(B)及び(C)成分に加え、更に(D)油溶性成分(例えばバイオフィルムへの浸透殺菌力をもつイソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤や、一般的に添加されるメントール等の口腔用香料)が配合されていても、経時でニゴリを発生させることなく外観安定性を良好に維持できた。
従って、本発明では、(A)、(B)及び(C)成分という、特定のノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の組み合わせによって、特異的に格別顕著な作用効果を奏する。
特許文献12(特開2003−292426号公報)は、非イオン性抗菌剤の容器吸着の抑制による抗菌効果の改善であり、その実施例の練歯磨又は液状歯磨(実施例12又は13)に非イオン性抗菌剤と共にラウロイルサルコシンナトリウム及びポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されているだけである。これに対して、本発明は、界面活性剤の組み合わせによる口腔バイオフィルムの除去であり、非イオン性抗菌剤や殺菌剤が配合されていない液体口腔用組成物であっても優れたバイオフィルム除去効果が得られる。
また更に、本発明では、(A)、(B)及び(C)成分に加えて、更に(E)アルギン酸プロピレングリコールエステルを特定量配合すると、上記特定のノニオン性界面活性剤に特有の異味異臭が十分に抑制され、味及び臭いが特に良い優れた使用感を与え、また、外観安定性をより改善することもできる。
更に詳述すると、上記特定のノニオン性界面活性剤、特に(A)成分を、洗口剤等の液体製剤に単に配合すると、口腔内で使用して吐き出した後に特有の異味異臭が感じられて使用感が損なわれることがあるが、(A)、(B)及び(C)成分に、更に(E)成分を添加することで、(A)成分の特有の異味異臭が十分に抑えられ、使用感のより良い製剤を得ることができた。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルはエチレンオキサイドの平均付加モル数又はアルキル基の炭素数が少なくなるにつれて水への溶解性が悪くなる傾向があり、また、アルギン酸プロピレングリコールの増量は溶解不足を招くこともあるが、本発明では、(E)成分を添加することによって、液体製剤を高温(50℃)で1ヶ月間保存後もニゴリの発生を防止し、外観安定性を良好に保持しつつ、上記の優れた使用感を与えることもできた。
アルギン酸プロピレングリコールは練歯磨剤の粘結剤として公知であるが、本発明では、特に液体口腔用組成物において、(E)成分が、(A)成分由来の異味異臭を特異的に抑制するという、予想外の作用効果を奏し、例えば、(E)成分に代えて、セルロース系の粘結剤として公知のカルボキシメチルセルロースナトリウムを使用した場合には得ることができない、格別な作用効果を奏することもできる。
従って、本発明は、下記の液体口腔用組成物及び口腔バイオフィルム除去剤を提供する。
〔1〕
(A)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上、
(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
及び
(C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上
を含有し、(B)成分の含有量が0.1〜0.4質量%であることを特徴とする液体口腔用組成物。
〔2〕
(A)成分が、エチレンオキサイドの平均付加モル数が15〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜15モルであるポリオキシエチレンセチルエーテルから選ばれる〔1〕に記載の液体口腔用組成物。
〔3〕
(C)成分が、アシル基の炭素数が10〜18であるアシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる〔1〕又は〔2〕に記載の液体口腔用組成物。
〔4〕
(A)/(C)が質量比として0.1〜3である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔5〕
(A)成分を0.05〜0.4質量%、(C)成分を0.1〜0.5質量%含有する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔6〕
更に、(D)油溶性成分を1質量%以下で含有する〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔7〕
(D)油溶性成分が、油溶性の薬効成分及び香料から選ばれる1種又は2種以上である〔6〕に記載の液体口腔用組成物。
〔8〕
更に、(E)アルギン酸プロピレングリコールエステルを0.05〜0.5質量%含有する〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔9〕
更に、(F)グリセリン及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上を3〜15質量%含有する〔8〕に記載の液体口腔用組成物。
〔10〕
エタノールの含有量が0〜10質量%である〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔11〕
(A)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上、
(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
及び
(C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上
からなる口腔バイオフィルム除去剤。
〔12〕
(A)/(C)が質量比として0.1〜3である〔11〕に記載の口腔バイオフィルム除去剤。
本発明によれば、優れた口腔バイオフィルム除去効果を与え、また、外観安定性も良好な液体口腔用組成物を提供できる。本発明では、歯周ポケット深部に形成されたバイオフィルムまでも分散させて除去したり、殺菌剤によるバイオフィルムへの殺菌作用を高めることも期待でき、特に歯周病の予防又は抑制用として有効に使用できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の液体口腔用組成物は、(A)エチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、E.O.と略記)が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びE.O.が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上、(B)E.O.が40〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及び(C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する。
(A)成分は、E.O.が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル、及びE.O.が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれ、前記のアルキル基の炭素数が14〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルを使用できる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用し得る。
ここで、ポリオキシエチレンラウリルエーテルのE.O.は、口腔バイオフィルム除去効果(以下、BF除去効果と略記)の点から10〜25モル、好ましくは15〜20モルである。また、アルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルのE.O.は、BF除去効果の点から、それぞれ7〜17モル、好ましくは10〜15モル、より好ましくは15モルである。E.O.がそれぞれ上記範囲内であると、優れたBF除去効果が得られるものであり、下限値に満たない場合、あるいは上限値を超える場合は、BF除去効果が劣る。
(A)成分は、BF除去効果の点から、特に上記E.O.のポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレンセチルエーテル、とりわけ、口に含んだ際の異味のなさから、ポリオキシエチレンセチルエーテルが好ましい。
(A)成分として具体的には、日本エマルジョン(株)製のEMALEX710、712、715、720、725、107、110、112、115、117等の市販品を用いることができる。
(A)成分の配合量は、組成物全体の0.05〜0.4%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.1〜0.4%である。0.05%以上であると、BF除去効果が十分に発揮される。(A)成分を多く配合し過ぎるとBF除去効果が低下する場合があり、0.4%以下であると、BF除去効果が十分に優れ、また、外観安定性を十分に維持することもできる。
(B)成分は、E.O.が40〜100モル、好ましくは60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。
(B)成分として具体的には、日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL HCO−40、60、80、100等の市販品を用いることができる。
(B)成分の配合量は、組成物全体の0.1〜0.4%であり、好ましくは0.2〜0.3%である。0.1%未満では外観安定性が劣る。0.4%を超えると、BF除去効果が悪くなる。
ノニオン性界面活性剤である(A)及び(B)成分の合計配合量は、組成物全体の0.15〜0.8%とすることができるが、好ましくは0.2〜0.5%である。この範囲内であることが、BF除去効果及び外観安定性の点でより好適である。0.15%未満では、外観安定性が損なわれる場合があり、0.8%を超えると、BF除去効果が低下する場合がある。
(C)成分は、アニオン性界面活性剤のアシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれ、1種又は2種以上を使用し得る。
アシルサルコシン塩のアシル基は、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは10〜14である。アシルタウリン塩のアシル基は、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは10〜14である。これらの塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩などである。
具体的にアシルサルコシン塩としては、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、パルミトイルサルコシンナトリウム、ステアロイルサルコシンナトリウム等、アシルタウリン塩としては、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。中でも、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムが好ましく、とりわけラウロイルサルコシンナトリウムが、異味のなさの点から好ましい。
(C)成分としては、例えば、アシルサルコシン塩では川研ファインケミカル(株)製のソイポンSLP(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルタウリン塩では日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL LMT(ラウロイルメチルタウリンナトリウム)等を用いることができる。
(C)成分の配合量は、組成物全体の0.1〜0.5%が好ましく、より好ましくは0.2〜0.3%である。0.1%以上であると、BF除去効果が十分に得られる。0.5%以下であると、外観安定性を十分に維持できる。
本発明において、(A)成分と(C)成分との配合割合を示す(A)/(C)は、質量比として0.1〜3が好ましく、より好ましくは0.4〜2、更に好ましくは0.4〜1.5である。この範囲内であると、BF除去効果がより優れ、また、外観安定性を十分に維持できる。
また、(A)及び(B)成分の合計配合量と(C)成分の配合量との割合を示す((A)+(B))/(C)は、特に限定されないが、質量比として0.5〜5が好ましく、より好ましくは0.8〜4、更に好ましくは1〜2である。この範囲内であると、BF除去効果がより優れ、また、外観安定性をより向上することもできる。
本発明では、上記以外の界面活性剤、特に(A)及び(B)成分以外のノニオン性界面活性剤、例えばショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキシドは、BF除去効果に影響を及ぼさない範囲で配合してもよいが、これらは配合せず0%でもよい。
(A)及び(B)成分以外のノニオン性界面活性剤を配合する場合、その配合量は、(A)及び(B)成分を含めたノニオン性界面活性剤の総配合量が、殺菌剤などの生理活性成分の有効性や香料の香味立ちの点から、組成物全体の1%以下、特に0.8%以下、とりわけ0.5%以下となる範囲がよい。BF除去効果の点では、配合しない(0%)ほうが好ましい。
また、(C)成分以外のアニオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩、脂肪酸基の炭素数が10〜18である高級脂肪酸モノグリセライドスルホン酸の水溶性塩、パラフィンスルホン酸等は、BF除去効果に影響を及ぼさない範囲で配合してもよいが、これらは配合せず0%でもよい。
(C)成分以外のアニオン性界面活性剤を配合する場合、その配合量は、(C)成分を含めたアニオン性界面活性剤の総配合量が、外観安定性と刺激の点から、組成物全体の1%以下、特に0.5%以下、とりわけ0.3%以下となる範囲がよい。バイオフィルム除去効果の点では、配合しない(0%)ほうが好ましい。また、(C)成分以外のアニオン性界面活性剤の配合量は、(C)成分の配合量の同量未満が好ましい。
本発明では、更に、(D)油溶性成分を配合することができる。(D)油溶性成分は、液体口腔用組成物の配合成分として公知のものであれば特に限定されない。例えば、油溶性の薬効成分、香料等が挙げられる。
油溶性の薬効成分としては、イソプロピルメチルフェノール等のノニオン性殺菌剤、ビタミンE等のビタミン類、β−グリチルレチン酸等の抗炎症剤などが挙げられる。
香料としては、各種香料成分、精油等が挙げられる。例えば、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の香料成分、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これらの天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分溜、液液抽出等)した香料、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料などが挙げられる。
なお、本発明では、バイオフィルム除去に有効な薬効成分、例えば殺菌剤のイソプロピルメチルフェノール、あるいは香料として一般的なメントールを配合しても、外観安定性を良好に維持でき、BF除去効果の更なる向上も可能である。(B)成分を配合することなく(A)及び(C)成分とメントールとを配合すると、メントールの影響で析出物が生じてニゴリが発生し、バイオフィルム除去効果も悪くなることがある。
(D)油溶性成分の配合量は、組成物全体の1%以下が好ましく、より好ましくは0.01〜1%、更に好ましくは0.1〜0.8%である。1%以下であることが、外観安定性の維持には好適である。なお、油溶性の薬効成分の配合量は、上記範囲内で有効量がよく、また、香料、特にメントールの配合量は、組成物全体の0.01〜1%、特に0.1〜0.8%がよい。
本発明の液体口腔用組成物には、更に(E)アルギン酸プロピレングリコールエステルを添加できる。(E)成分を添加すると、上記ノニオン性界面活性剤に特有の異味異臭がより抑制され、外観安定性をより改善することもできる。
(E)アルギン酸プロピレングリコールエステルは、(A)成分と組み合わせると、(A)成分由来の異味異臭の抑制剤として作用する。
アルギン酸プロピレングリコールエステルは、コンブ、ワカメに代表される褐藻類に特有な天然多糖類アルギン酸の耐酸性、耐塩性を高めるため、カルボキシル基にプロピレングリコール基を導入しエステルとしたもので、(株)フードケミファのダックロイド、(株)キミカのキミロイド、昆布酸などの商品名で商品化されているものを用いることができる。
アルギン酸プロピレングリコールエステルのアルギン酸骨格は、β−1,4結合するD−マンヌロン酸[M]と、α−1,4結合するL−グルロン酸[G]からなる。かかるD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との量的比率(M/G比、モル比)は、高温保存後の外観安定性の点から、1.0を超えるものが好ましく、上限は2以下である。M/G比が1.0以下の場合、高温保存時にニゴリが生じ外観安定性を確保できない場合があり、2を超えるものは市販されていない。
アルギン酸からエステル化によってアルギン酸プロピレングリコールエステルを合成する際には、反応条件によりカルボキシル基の置換度、即ち、エステル化度が変化する。エステル化度が高いほど、異味異臭の抑制効果が高いもので、カルボキシル基のエステル化度は70%以上が好ましく、特に70〜95%が好ましい。エステル化度が70%以上であると、外観安定性の点で特に優れており、好ましい。エステル化度が95%を超えるものは市販されていない。
アルギン酸プロピレングリコールエステルの粘度は、外観安定性の点から、後述するB型粘度計による測定法で1%水溶液の20℃での粘度(以下同様)が10〜150mPa・s、特に10〜60mPa・sの範囲であることが好ましい。10mPa・s未満のものは市販されていない。150mPa・s以下であると、外観安定性を満足に確保できる。
例えば下記の市販品を使用できる。
アルギン酸プロピレングリコールエステル
商品名 昆布酸503:1%水溶液粘度18mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドBF:1%水溶液粘度20mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドLLV:1%水溶液粘度24mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドNLS−K:1%水溶液粘度55mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドLV:1%水溶液粘度90mPa・s(ローターNo.1、30rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドMV:1%水溶液粘度148mPa・s(ローターNo.1、30rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 ダックロイドLF:1%水溶液粘度21mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=0.8、エステル化度=75%/(株)フードケミファ製
商品名 ダックロイドPF:1%水溶液粘度51mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=0.8、エステル化度=75%/(株)フードケミファ製
なお、上記粘度は、BL型粘度計により測定した値であり、具体的には下記方法による測定値である(以下同様)。
粘度測定法((株)キミカ製のキミロイド及び昆布酸)
300mLトールビーカーに精製水297gをとり、スターラー又はスリーワンモーターで攪拌しながら、これにアルギン酸プロピレングリコールエステルを3.0g加えて完全に溶解する。次に、20℃恒温水槽に1時間静置後、BL型粘度計を用いて正確に1分後の粘度を測定する。
粘度計:東京計器(株)、BL型粘度計
測定条件
・1%水溶液粘度が10〜80mPa・sの場合:ローターNo.1、回転数60rp

・1%水溶液粘度が80mPa・sを超えて160mPa・s以下の場合:ローター
No.1、回転数30rpm
・1%水溶液粘度が160mPa・sを超えて400mPa・s以下の場合:ローター
No.2、回転数60rpm
・1%水溶液粘度が400mPa・sを超えて800mPa・s以下の場合:ローター
No.2、回転数30rpm
・1%水溶液粘度かが800mPa・sを超えて1,600mPa・s以下の場合:ロ
ーターNo.3、回転数60rpm
測定時間:1分
粘度測定法((株)フードケミファ製のダックロイド)
アルギン酸プロピレングリコールエステルを4g採取し、600mL容量のビーカーに入れ、そこに攪拌棒で攪拌しながら精製水396gを少しずつ加える。初めに少量の水でよく溶解し、ある程度溶けたら全量の水を入れる。1時間膨潤させた後、高速攪拌機(ホモミキサー)により12,000回転/分で1分間攪拌する。この溶液を300mLトールビーカーに入れて、20℃水槽に静置させておく。泡が上に上がり、ビーカーの溶液の色が澄明になったら、上の泡を薬さじ等で取り除く。温度計をビーカーの中に入れて検液が20℃に達したことを確認し、粘度測定を行う。
粘度計:東京計器(株)、BL型粘度計
ローター:No.1
回転数:60rpm
測定時間:1分
(E)アルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量は、異味異臭の抑制効果及び外観安定性の点から、組成物全体の0.05〜0.5%であり、好ましくは0.07〜0.3%である。0.05%に満たないと、異味異臭の抑制効果が劣る。0.5%を超えると、(E)成分の溶解不足によって外観安定性が悪くなる。
なお、(E)成分を配合する場合、(A)成分は、上記と同様であるが、上記のアルキル基の炭素数が14〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルを使用できる。(A)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用し得るが、異味異臭の抑制効果の点からは、E.O.が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、中でもポリオキシエチレンセチルエーテルが更に好ましい。
ここで、上記ポリオキシエチレンラウリルエーテルのE.O.は10〜25モルであり、好ましくは15〜25モルである。また、アルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルのE.O.は7〜17モルであり、特に外観安定性の点から、10〜17モルが好ましい。E.O.がそれぞれ上記範囲内であると、異味異臭が十分に抑制されて使用感がより良く、高温保存後も外観安定性がより良好となる。E.O.が小さすぎると、外観安定性が悪くなることがある。
(A)成分の配合量は、異味異臭の抑制効果及び外観安定性の点では、組成物全体の0.05〜0.3%が好ましく、より好ましくは0.07〜0.25%である。0.05%以上であると、外観安定性がより優れる。0.3%以下であると、吐き出し後の異味異臭が十分に抑えられ使用感がより改善する。
本発明では、更に、(F)グリセリン及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上を配合できる。(E)成分と共に(F)成分を配合すると、(E)成分による異味異臭の抑制効果が更に向上する。
(F)成分としては、グリセリン、糖アルコールのキシリトール、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトールが挙げられる。中でも、異味異臭の抑制効果の向上の点から、グリセリン、キシリトールが好ましい。これらは、1種単独で、又は効果発現の点で2種以上を組み合わせて使用できる。(F)成分は、市販品を使用し得る。
(F)成分の配合量は、組成物全体の3〜15%が好ましい。この範囲内であると、異味異臭の抑制効果がより優れる。なお、上記配合量の範囲内で、少なくともグリセリンを配合する場合、グリセリンの配合量は組成物全体の2〜10%が良く、また、少なくとも糖アルコール、特にキシリトールを配合する場合、前記糖アルコールの配合量は組成物全体の1〜5%が良い。グリセリンと糖アルコールを併用することが、特に好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、溶剤として精製水が用いられ、エタノール等の低級一価アルコールを配合してもよい。特にエタノールの含有量は、刺激抑制の点から、組成物全体の10%以下、特に5%以下が好ましく、また、配合せず0%でもよい。また、低級一価アルコール、特にエタノールを実質的に含有しない(エタノールの含有量が組成物全体の0.01%以下である)製剤は、低刺激タイプの製剤として好適である。本発明では、エタノール濃度が低く、エタノールを実質的に含有しない液体口腔用組成物であっても製剤外観が安定化し、かつBF除去効果が優れる。
本発明の液体口腔用組成物は、洗口剤、液体歯磨、口中清涼剤等として調製、適用できるが、特に洗口剤が好適である。また、その剤型や使用目的などに応じて、上記成分以外に、適宜な公知成分を必要に応じて配合できる。具体的には、湿潤剤、増粘剤、防腐剤、甘味剤、着色剤、pH調整剤、有効成分等が配合される。なお、洗口剤等の液体口腔用組成物には、研磨剤などの可溶化しない固形成分は通常、配合されない。
湿潤剤としては、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール、グリセリン、エチレングリコール、平均分子量100〜500、好ましくは190〜420(医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量、以下同様)のポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。なお、(F)成分を配合する場合は、(F)成分が湿潤剤としても作用するため、(F)成分以外に湿潤剤は配合しなくてもよいが、必要に応じてグリセリン以外の多価アルコール、例えばプロピレングリコール、エチレングリコール、上記特定平均分子量のポリエチレングリコールを配合してもよい。湿潤剤の総配合量は、通常、1〜50%、特に3〜50%である。
増粘剤としては、(E)成分以外のもの、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系化合物、キサンタンガム等のガム類が挙げられる。配合量は、通常、0〜3%である。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はそのナトリウム塩等が挙げられる。甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド等が挙げられる。
着色剤としては、青色1号、緑色3号、黄色4号、赤色105号など、安全性の高い水溶性色素が挙げられる。
本発明では、25℃におけるpHを5.5〜8.0に調整することが好ましく、この付近のpH調整剤としてリン酸二水素ナトリウムとリン酸一水素ナトリウム、あるいはクエン酸とクエン酸ナトリウムを組み合わせたものを添加することもできる。
有効成分としては、(D)成分として示した油溶性の薬効成分以外の薬効成分、例えばアラントイン、水溶性ビタミン、水溶性抗炎症剤、フッ素含有化合物等が挙げられる。これらの添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量である。
また、本発明では、(A)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上と、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、(C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上とからなる口腔バイオフィルム除去剤を提供する。この場合、これら有効成分のみからなる口腔バイオフィルム除去剤として使用し得るが、更にその他成分を配合し、(A)、(B)及び(C)成分を口腔バイオフィルム除去の有効成分として含有する上記口腔用組成物として調製することができる。ここで、配合成分やその配合量、比率等の詳細はいずれも組成物に関する上記記載と同様であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例I、比較例I]
表I−1〜I−4に示す組成の液体口腔用組成物(洗口剤)を、溶剤と水の混合溶液に、ノニオン性界面活性剤や香料を添加して調製した油相溶液を添加することによって調製した。これらを試験組成物として使用し、下記方法で評価した。結果を表I−1〜I−4に併記した。なお、表中、POEはポリオキシエチレンの略記であり、( )内の数字はエチレンオキサイドの平均付加モル数である(以下同様)。
<歯周病原性バイオフィルム分散効果(BF除去効果)の評価方法>
(1)モデル歯周病原性バイオフィルムの作製方法
直径7mm×厚さ3.5mmのハイドロキシアパタイト(HA)板(旭光学社製)を0.45μmのフィルターでろ過したヒト無刺激唾液で4時間処理したものをモデルバイオフィルム作製担体に用い、培養液は、トリプチケースソイブロス(Difco社製)30gを1Lの精製水に溶解した液にヘミン(Sigma社製)5mg/L、ビタミンK(和光純薬工業社製)1mg/Lを添加したものを用いた。モデルバイオフィルムの作製に用いた口腔細菌は、いずれもアメリカン タイプ カルチャー コレクション(ATCC)より購入したもので、口腔常在細菌としてストレプトコッカス ゴルドニアイ ATCC51656株及びアクチノマイセス ナエスランディ ATCC51655株、病原性細菌としてポルフィロモナス ジンジバリス ATCC33277株を用いた。これら3菌種をそれぞれ2×107cfu/mL(clony forming units/mL)になるように上述の培養液に接種し、唾液処理したHA担体と共に37℃、嫌気条件下(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)で2週間連続培養(培養液の置換率は10vol%とした)を行い、HA表面に3菌種混合のモデルバイオフィルムを形成させた。
(2)モデルバイオフィルムに対する分散効果の評価
形成させたモデルバイオフィルムに対し、試験組成物(液体口腔用組成物)を1mL加え、3分間静置した。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、和光純薬工業社製)1mLですすぎ、試験組成物添加によって分散されたバイオフィルムを除去した。分散されずに残ったバイオフィルムを、同バッファー(PBS)2mLを添加した試験管(直径13mm×100mm)に入れ、超音波処理(200μA、10秒間)により強制的に分散させた。この分散液の波長550nmでの濁度(OD)を測定し、サンプルで分散されなかったバイオフィルム残存量を測定した。
試験組成物のバイオフィルム分散効果は、下記に示す式によってコントロールに対するバイオフィルム分散率を求め、この分散率から、下記基準に則りバイオフィルム分散効果を判定した。
なお、コントロールは、PBSを用いた。
バイオフィルム分散率(%)=
{(コントロールの濁度−試験組成物処置の濁度)/コントロールの濁度}×100
バイオフィルム分散効果の判定基準
◎:バイオフィルム分散率が50%以上
○:バイオフィルム分散率が35%以上50%未満
△:バイオフィルム分散率が20%以上35%未満
×:バイオフィルム分散率が20%未満
<外観安定性の評価方法>
試験組成物(液体口腔用組成物、いずれも澄明外観)を満注量500mLの無色透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)容器(吉野工業所製)に450mL充填し、50℃恒温槽に1ヶ月保存した後、外観安定性を下記の4段階の評点基準で目視判定した。3本のサンプルを評価し、平均点を求め、下記の評価基準で評価して◎、○、△、×で示した。
外観安定性の評点基準
4点:ニゴリが全くなかった
3点:ニゴリがほとんどなかった
2点:ニゴリがややあった
1点:ニゴリがかなりあった
外観安定性の評価基準
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
Figure 2019048801
Figure 2019048801
Figure 2019048801
Figure 2019048801
表I−4に示す、不適切なPOEアルキルエーテルを(C)成分と併用した比較例3〜6では、POEアルキルエーテルを配合することなく(C)成分を配合した比較例1よりもBF除去効果が低いものであった。
[実施例II]
表II−1、II−2に示す組成の液体口腔用組成物(洗口剤)を常法によって調製し、上記と同様の方法で外観安定性を評価し、下記方法で異味異臭の抑制効果を評価した。結果を表II−1、II−2に併記した。
なお、表II−1、II−2に示す液体口腔用組成物は、上記と同様の方法で評価したところ、BF除去効果に優れていた。
<異味異臭の抑制効果の評価方法>
被験者パネラー5名が、サンプル(液体口腔用組成物)10mLを口に含み、20秒間洗口し、吐き出した後の異味異臭のなさを下記の5段階の評点基準によって評価した。5名の平均点から、下記の判定基準に従い、◎◎、◎、○、△、×で評価した。
異味異臭のなさの評点基準:
5点:異味異臭が全くなかった
4点:異味異臭がほとんどなかった
3点:異味異臭がわずかにあったが、問題ないレベルであった
2点:異味異臭がややあった
1点:異味異臭がかなりあった
異味異臭のなさの判定基準:
◎◎:平均点4.5以上
◎ :平均点3.5点以上4.5点未満
○ :平均点2.5点以上3.5点未満
△ :平均点1.5点以上2.5点未満
× :平均点1.5点未満
使用した(E)成分の詳細を下記に示す。
(E)成分(アルギン酸プロピレングリコールエステル)
APG1
商品名:キミロイドBF、(株)キミカ製
1%水溶液粘度20mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、
M/G比=1.3、エステル化度=80%
APG2
商品名:昆布酸503、(株)キミカ製
1%水溶液粘度18mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、
M/G比=1.3、エステル化度=80%
なお、(E)成分の粘度は、それぞれ上述したBL型粘度計を用いた同様の方法によって測定した。
Figure 2019048801
Figure 2019048801
以下に処方例を示す。処方例の液体口腔用組成物(洗口剤)は、BF除去効果に優れ、外観安定性、味も良好なものであった。
[処方例1]
(A)POE(15)セチルエーテル 0.1%
(B)POE(60)硬化ヒマシ油 0.3
(C)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
グリセリン 2.0
プロピレングリコール 4.0
ポリエチレングリコール400 5.0
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.3
精製水 残
計 100%
(A)/(C)の質量比;1
[処方例2]
(A)POE(15)セチルエーテル 0.1%
(B)POE(60)硬化ヒマシ油 0.2
(C)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(C)ラウロイルメチルタウリンナトリウム 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
エタノール 10.0
グリセリン 4.0
プロピレングリコール 4.0
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.3
精製水 残
計 100%
(A)/(C)の質量比;0.5
[処方例3]
(A)POE(15)セチルエーテル 0.1%
(B)POE(60)硬化ヒマシ油 0.3
(C)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
グリセリン 4.0
キシリトール 2.0
プロピレングリコール 2.0
エタノール 5.0
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.3
精製水 残
計 100%
(A)/(C)の質量比;1
[処方例4]
(A)POE(15)ミリスチルエーテル 0.1%
(B)POE(60)硬化ヒマシ油 0.2
(C)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(C)ラウロイルメチルタウリンナトリウム 0.1
(D)イソプロピルメチルフェノール 0.05
グリセリン 2.0
プロピレングリコール 4.0
ポリエチレングリコール400 5.0
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.3
精製水 残
計 100%
(A)/(C)の質量比;0.5
[処方例5]
(A)POE(15)ミリスチルエーテル 0.1%
(B)POE(60)硬化ヒマシ油 0.3
(C)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(D)香料 0.2
(E)アルギン酸プロピレングリコールエステル(APG1) 0.1
(F)グリセリン 2.0
キシリトール 4.0
プロピレングリコール 2.0
エタノール 4.0
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.3
精製水 残
計 100%
(A)/(C)の質量比;1

Claims (12)

  1. (A)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上、
    (B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
    及び
    (C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上
    を含有し、(B)成分の含有量が0.1〜0.4質量%であることを特徴とする液体口腔用組成物。
  2. (A)成分が、エチレンオキサイドの平均付加モル数が15〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜15モルであるポリオキシエチレンセチルエーテルから選ばれる請求項1記載の液体口腔用組成物。
  3. (C)成分が、アシル基の炭素数が10〜18であるアシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる請求項1又は2記載の液体口腔用組成物。
  4. (A)/(C)が質量比として0.1〜3である請求項1〜3のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  5. (A)成分を0.05〜0.4質量%、(C)成分を0.1〜0.5質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  6. 更に、(D)油溶性成分を1質量%以下で含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  7. (D)油溶性成分が、油溶性の薬効成分及び香料から選ばれる1種又は2種以上である請求項6記載の液体口腔用組成物。
  8. 更に、(E)アルギン酸プロピレングリコールエステルを0.05〜0.5質量%含有する請求項1〜7のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  9. 更に、(F)グリセリン及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上を3〜15質量%含有する請求項8記載の液体口腔用組成物。
  10. エタノールの含有量が0〜10質量%である請求項1〜9のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  11. (A)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜25モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜17モルでアルキル基の炭素数が14〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上、
    (B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
    及び
    (C)アシルサルコシン塩及びアシルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上
    からなる口腔バイオフィルム除去剤。
  12. (A)/(C)が質量比として0.1〜3である請求項11記載の口腔バイオフィルム除去剤。
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