JP2019048695A - 搬送装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、挟持ローラは、シートを挟持・搬送しながら、2つのCISによって検知された検知結果に基づいて、傾き方向に回動してスキュー補正(斜行補正)をおこなうとともに、幅方向に移動して横レジスト補正をおこなっている。
図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基づいた露光光Lを感光体ドラム5の表面に照射する露光部、4は像担持体としての感光体ドラム5の表面にトナー像(画像)を形成する作像部、を示す。
また、7は感光体ドラム5の表面に形成されたトナー像をシートPに転写する転写部としての転写ローラ、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は用紙等のシートPが収納された給紙部(給紙カセット)、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、を示す。
また、30はシートPを搬送経路に沿って搬送する搬送装置、31は転写ローラ7(転写ニップ部)に向けてシートPを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)として機能する挟持ローラ(横レジスト・スキュー補正ローラ)、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいた露光光L(レーザ光)が、作像部4の感光体ドラム5の表面に向けて発せられる。
その後、感光体ドラム5の表面に形成された画像は、転写ローラ7と感光体ドラム5とが当接する転写ニップ部で、レジストローラとして機能する挟持ローラ31により搬送されたシートP上に転写される。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12〜14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、装置本体1に内設された給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納されたシートPの最上方の1枚が、給紙ローラ41によって、第1搬送ローラ対42、第2搬送ローラ対43が設置された湾曲搬送経路に向けて給送される。
なお、転写ローラ7と感光体ドラム5とは、それぞれ、矢印で示す搬送方向に沿うように回転していて、挟持ローラ31に対して搬送方向下流側に配置されてシートPを挟持・搬送する下流側搬送ローラ対としても機能することになる。
こうして、一連の画像形成プロセス(画像形成動作)が完了する。
また、搬送装置30に設置された搬送ローラ対42〜44(符号を付していない搬送ローラ対も含む。)は、いずれも、駆動ローラ(駆動機構によって回転駆動されるローラである。)と従動ローラ(駆動ローラとの摩擦抵抗によって従動回転するローラである。)とからなるローラ対であって、シートPを2つのローラで挟持しながら搬送できるように構成されている。また、転写ローラ7は、所定の転写バイアスが印可された状態で、転写ニップ部において感光体ドラム5に当接して、図中の反時計方向に回転して感光体ドラム5との間に挟持されたシートPを搬送しながら、感光体ドラム5に担持された画像をシートPに転写することになる。
以下、主として、合流部Xから転写ローラ7(転写ニップ部)に至る搬送経路における構成やそこでおこなわれる動作について説明する。
図2及び図3を参照して、搬送装置30には、シートPの直線搬送経路(合流部Xから転写ローラ7に至る搬送経路である。)に沿って、第3搬送ローラ対44(上流側搬送ローラ対)、2つのCIS(上流側第1CIS35、上流側第2CIS36)、整合部51として機能するとともにレジストローラとしても機能する挟持ローラ31(横レジスト・スキュー補正ローラ)、下流側CIS37、が設置されている。
3つのCIS35〜37は、いずれも、幅方向(図2の紙面垂直方向で合って、図3の上下方向である。)に並設された複数のフォトセンサからなるコンタクト・イメージ・センサであって、その位置を通過するシートPの側端部Pa(エッジ部)を光学的に検知するものである。
このように、本実施の形態における搬送装置30には、搬送経路において所定の搬送方向に搬送されるシートPの側端部Paを検知するCISが、搬送方向に間隔をあけて複数設置されている。
なお、本実施の形態では、挟持ローラ31として、幅方向に複数分割されたローラ部を有するローラ対を用いたが、幅方向に分割されずに幅方向にわたって延在するローラ部を有するローラ対を用いることもできる。
具体的に、第1駆動モータ59(第1駆動手段)は、搬送装置30(画像形成装置1)のフレームに固定して設置されている。第1駆動モータ59は、そのモータ軸に設置された駆動ギア59aが、ベース部71(フレーム)の起立部に回転可能に保持されたフレーム側回転軸76のギア部76a(幅方向に充分長い歯幅となるように形成されている。)に噛合していて、フレーム側回転軸76を図4の矢印Q方向に回転駆動する。そして、フレーム側回転軸76が回転駆動されると、その回転駆動力がカップリング75を介して、駆動ローラ31aの回転軸に伝達されて駆動ローラ31aが回転して、それに従動して従動ローラ31bも回転することになる。
ここで、駆動ローラ31aの回転軸と、フレームに保持されたフレーム側回転軸76と、の間に介在されたカップリング75は、等速ジョイント、ユニバーサルジョイント等のカップリング(軸継ぎ手)であって、後述する第2駆動モータ62の駆動によって挟持ローラ31が保持部材72とともに回動して、駆動ローラ31aの回転軸とフレーム側回転軸76との軸角度が変化しても回転速度に変化が生じることなく回転駆動力が伝達されるものである。
また、保持部材72は、搬送装置30(画像形成装置1)のフレームの一部として機能するベース部71に対して、軸部71aを中心にして回動可能に支持されている。さらに、ベース部71には回動手段(第2駆動手段)としての第2駆動モータ62(回動モータ)が固定して設置されていて、この第2駆動モータ62のモータ軸に、軸部71aが接続されている。これにより、第2駆動モータ62の正逆方向の回転駆動によって、保持部材72とともに挟持ローラ31が軸部71aを中心にして回動(図3、図4の両矢印W方向の回動である。)することになる。この第2駆動モータ62(回動手段)は、後述するCIS35〜37の検知結果に基づいて、挟持ローラ31とともに保持部材72を傾き方向に回動可能に構成されたものである。なお、第2駆動モータ62(回動モータ)のモータ軸には、公知のエンコーダが設置されていて、挟持ローラ31の基準位置に対する傾き方向の回動量や回動方向が間接的に検知されるように構成されている。これにより、CIS35〜37の検知結果に基づいた挟持ローラ31によるスキュー補正が可能になる。
このように、第2駆動モータ62、保持部材72などの構成部材が、挟持ローラ31を搬送方向に対して傾斜する傾き方向に回動する回動手段(回動機構)として機能することになる。
また、本実施の形態では、第2駆動モータ62を軸部71aに接続して保持部材72(及び、挟持ローラ31)を直接的に回動するように構成した。これに対して、第2駆動モータ62のモータ軸に設置したギアを、保持部材72に設置したギアに噛合させて、保持部材72(及び、挟持ローラ31)を回動するように構成することもできる。
一方、カップリング75と、保持部材72における他端側の支柱部と、の間には、駆動ローラ31aと従動ローラ31bとが互いに連動して幅方向に移動するように双方のローラ31a、31bを回転可能に連結した連結部材73が設けられている。具体的に、連結部材73は、駆動ローラ31aの回転軸と従動ローラ31bの回転軸とにそれぞれ形成された溝部に設置された止め輪によって挟持されていて、駆動ローラ31aが幅方向に移動すると、それに連動して従動ローラ31bも同じ距離だけ幅方向に移動するように構成されている。
このような構成により、第3駆動モータ63の正逆方向の回転駆動によって、挟持ローラ31が幅方向(図4の両矢印S方向であって、図2の紙面垂直方向、図3の上下方向である。)に移動することになる。この第3駆動モータ63(移動手段)は、後述するように、CIS33〜37の検知結果に基づいて、フレーム側回転軸76とともに挟持ローラ31を幅方向に移動可能に構成されたものである。
なお、第3駆動モータ63(シフトモータ)のモータ軸には、公知のエンコーダが設置されていて、挟持ローラ31の基準位置に対する幅方向の移動量や移動方向が間接的に検知されるように構成されている。これにより、CIS35〜37の検知結果に基づいた挟持ローラ31による横レジスト補正が可能になる。
このように、第3駆動モータ63、ラックギア部78、フレーム側回転軸76、カップリング75、連結部材73、保持部材72などの構成部材が、挟持ローラ31を幅方向に移動する移動手段(移動機構)として機能することになる。
さらに、挟持ローラ31は、シートPを挟持した状態で搬送しながら、3つのCIS35〜37のうち2つのCISの検知結果に基づいて幅方向に移動することで、シートPの幅方向の位置ズレ量を複数回にわたって補正することになる。すなわち、挟持ローラ31は、搬送経路において搬送されるシートPを幅方向に変位させてシートPの横レジスト補正をおこなう手段としても機能するものである。
ここで、挟持ローラ31(駆動ローラ31a)を回転駆動する第1駆動モータ59は、回転数可変型の駆動モータであって、シートPの搬送速度を可変できるように形成されている。そして、紙検知センサ(フォトセンサ)によって挟持ローラ31の位置にシートPが搬送されたタイミングが検知されると(挟持ローラ31の位置にシートPが搬送されて、挟持ローラ31によってシートPが挟持された状態が検知されると)、挟持ローラ31によって所望の横レジスト補正とスキュー補正とがされて、さらに紙検知センサの検知結果(検知タイミング)に基づいて挟持ローラ31による搬送速度が可変される。すなわち、挟持ローラ31によって転写ローラ7にシートPが搬送されるタイミングと、感光体ドラム5上に形成された画像が転写ローラ7に達するタイミングと、を合わせるように、挟持ローラ31による搬送速度が可変される(転写ニップ部に向けて搬送されるシートPの搬送タイミングが調整される。)。これにより、挟持ローラ31によってシートPの搬送を停止することなく、シートPの横レジスト補正とスキュー補正とをおこないながら、シートPの所望の位置に画像を転写することができる。
なお、挟持ローラ31は、転写ニップ部にシートPの先端が達した直後に、感光体ドラム5との間に線速差が生じてシートP上に転写される画像に歪みが生じないように搬送速度が可変されることになる(感光体ドラム5との線速比が1になるように搬送速度が可変される)。
また、挟持ローラに対して搬送方向下流側の位置には、その位置でシートPの姿勢を光学的に検知する下流側CIS37が設置されている。下流側CIS37(第2検知手段)は、挟持ローラ31の下流側であって、転写ローラ7(下流側搬送ローラ対)の上流側に配設されている。
3つのCIS35〜37は、いずれも、幅方向に並設された複数のフォトセンサ(LED等の発光素子とフォトダイオード等の受光素子とからなる。)からなり、シートPの幅方向一端側の側端部Pa(エッジ部)の位置を検知するものである。
具体例として、図3を参照して、一点鎖線で示す正規位置(幅方向の位置ズレのない正規の位置である。)に対して、シートPが幅方向一端側(図3の下方である。)に距離αだけ位置ズレしている状態が、上流側第1CIS35及び上流側第2CIS36(又は、上流側第2CIS36及び下流側CIS37)によって検知されると、制御部によってその位置ズレ量αを補正量として、挟持ローラ31でシートPを挟持・搬送した状態で挟持ローラ31(保持部材72)を幅方向他端側(図3の上方である。)に距離αだけ移動させることになる(シフト制御がおこなわれる)。
なお、「目標搬送エンコーダカウンタ数」の計算は、設計値からの計算などによって、1カウント(1パルス)あたりの補正量(搬送量)を予め調べておいて、それを演算部に記憶しておく。
具体例として、図3を参照して、一点鎖線で示す正規位置(斜行のない正規の位置である。)に対して、シートPが正方向(回転方向の正方向)に角度βだけ斜行している状態が、上流側第1CIS35及び上流側第2CIS36(又は、上流側第2CIS36及び下流側CIS37)によって検知されると、制御部によってそのスキュー量βを補正量として、挟持ローラ31によってシートPを挟持した状態で挟持ローラ31(保持部材72)を逆方向(回転方向の逆方向であって、図3の時計方向である。)に角度βだけ回動させることになる(回動制御がおこなわれる)。
なお、上述した幅方向の位置ズレ量M1、M2は、いずれも、正規位置(幅方向の位置ズレのない正規の位置である。)からのズレ量である。
これにより、シートPの搬送を停止してスキュー補正や横レジスト補正を別々におこなう場合に比べて、装置の生産性を格段に向上させることができる。また、スキュー補正や横レジスト補正をおこなうときに、挟持ローラ31において幅方向に複数設置されたローラ部同士に線速差が生じることはないため、薄紙や表面の摩擦係数が低いシートPが通紙される場合などであっても、シートPに撓みが生じたりスリップが生じたりすることはない。
詳しくは、挟持ローラ31がシートPを挟持・搬送している状態で、上流側第1、第2CIS35、36によってシートPのスキュー量と横レジスト量が検知されて、その検知結果に基づいて、シートPのスキュー補正がおこなわれ、それとほぼ同じタイミングでシートPの横レジスト補正がおこなわれる(これらの補正を適宜に「第1の補正」と呼ぶ。)。さらに、「第1の補正」がおこなわれた後に、挟持ローラ31がシートPを挟持・搬送している状態で、上流側第2CIS36と下流側CIS37とによってシートPのスキュー量と横レジスト量が検知されて、その検知結果に基づいて、シートPのスキュー補正がおこなわれ、それとほぼ同じタイミングでシートPの横レジスト補正がおこなわれる(これらの補正を適宜に「第2の補正(再補正)」と呼ぶ。)。
なお、「第2の補正(再補正)」では、上流側のCIS(上流側第1CIS35、上流側第2CIS36のいずれかである。)と下流側CIS37とのそれぞれの検知結果に基づいてシートPの傾き方向や幅方向の姿勢を補正する補正動作が、シートPの先端が転写ニップ部に達する直前まで可能な範囲で繰り返されるが、これについては後で詳しく説明する。
その後に、そのシートPを挟持した状態の挟持ローラ31を、スキュー量が補正されるように第2駆動モータ62(回動手段)によって回動基準位置に戻すように回動するとともに、幅方向の位置ズレ量が補正されるように第3駆動モータ63(移動手段)によって移動基準位置に戻すように移動している。
ここまでが、「第1の補正」となる。
すなわち、挟持ローラ31によってシートPの姿勢(幅方向及び傾き方向の位置ズレ量)が補正された後のシートPの姿勢(幅方向及び傾き方向の位置ズレ量)が、挟持ローラ31を上流側と下流側とで挟むように配置された上流側のCIS(上流側第1CIS35と上流側第2CIS36とのいずれかである。)と下流側CIS37とによって検知される。そして、その検知結果に基づいてシートPの姿勢(幅方向及び傾き方向の位置ズレ量)がさらに補正される。なお、本実施の形態では、再補正時(第2の補正時)における第1、第2検知手段として、上流側第1CIS35と上流側第2CIS36とのうち、上流側第2CIS36を用いている。
すなわち、再補正時(第2の補正時)において、挟持ローラ31は、上流側第2CIS36及び下流側CIS37の検知結果に基づいて、シートPの傾き方向の位置ズレ量をさらに補正するようにシートPを挟持した状態で上述した回動基準位置から回動するとともに、シートPの幅方向の位置ズレ量をさらに補正するようにシートPを挟持した状態で上述した移動基準位置から幅方向に移動することになる。
これに対して、本実施の形態では、挟持ローラ31に挟持される前の検知結果に基づいて、挟持ローラ31によってシートPを挟持・搬送しながら横レジスト補正とスキュー補正とを一度おこなった後に、挟持ローラ31に挟持された後の上流側第2CIS36と下流側CIS37との検知結果に基づいて、挟持ローラ31によってシートPを挟持・搬送しながら横レジスト補正とスキュー補正とを再びおこなっているため、上述したような可能性が制限されて、さらに高精度に横レジスト補正とスキュー補正とをおこなうことができる。
このようにフィードバック制御をおこなうことで、再補正時(第2の補正時)に生じるシートPの位置ズレや、第2の補正時の補正誤差などを応答性よく補正することができて、さらに精度の高い横レジスト補正及びスキュー補正をおこなうことができる。
図5は、「第1の補正」をおこなうまでの制御フローを示すフローチャートであって、図6は第1の補正(又は、第2の補正)に関する制御部を示すブロック図である。
図5に示すように、まず、それぞれのCIS(第1の補正では、上流側第1CIS35と、上流側第2CIS36と、である。)がシートPを検知して(ステップS21)、シートPの幅方向の位置ズレ量αとスキュー量βとが検知される(ステップS22)。 そして、これらの検知結果に基づいて、幅方向の補正量α´やスキュー補正量β´が算出され(ステップS23)、第1の補正における補正量が決定される。
そして、この補正量に基づいて、それぞれのエンコーダ(図6を参照できる。)によりエンコーダカウント数が算出される(ステップS24)。そして、算出されたエンコーダカウント数は、挟持ローラ31を駆動させるためのコントローラに入力される。 そして、入力されたエンコーダカウント数に応じて、それぞれのモータドライバによって第2駆動モータ62や第3駆動モータ63が駆動されて、挟持ローラ31が回動するとともにスライド移動することにより、迎え動作がおこなわれる(ステップS25)。 そして、挟持ローラ31がシートPを挟持した後、第2、第3駆動モータ62、63の駆動により、挟持ローラ31が基準位置に戻るように回動するとともにスライド移動して、第1の補正がおこなわれる(ステップS26)。 なお、ステップS25の迎え動作や、ステップS26の第1の補正がおこなわれるときは、エンコーダによって、挟持ローラ31の位置情報が時々刻々とフィードバックされて、挟持ローラ31が決められた移動量だけ移動するように制御される。
図7に示すように、第2の補正では、まず、上流側第2CIS36と下流側CIS37とによってシートPが検知され(ステップS31)、第1の補正時と同様に、シートPの幅方向の位置ズレ量とスキュー量とが検知される(ステップS32)。 そして、これらの検知結果に基づいて、幅方向の補正量やスキュー補正量が算出され(ステップS33)、エンコーダカウント数が算出される(ステップS34)。 そして、算出されたエンコーダカウント数に応じて、それぞれのモータドライバによって第2駆動モータ62や第3駆動モータ63が駆動され、第2の補正がおこなわれる(ステップS35)。
第2の補正では、補正開始後から、上流側第2CIS36と下流側CIS37とによってシートPの位置情報が時々刻々と検知される。 そして、それらの位置情報に基づいてシートPの幅方向の位置ズレ量とスキュー量とが算出されて制御部にフィードバックされ、エンコーダカウント数(シートPの幅方向の位置ズレ補正量とスキュー補正量)が時々刻々と修正される。このようにフィードバック制御がおこなわれることにより、第2の補正時に生じるシートPの位置ズレや、第2の補正時の補正の誤差等を補正することが可能となり、より精度の高い補正をおこなうことができる。
なお、図8(A1)〜(C1)、図9(A1)〜(C1)は、搬送装置30の動作をその順番にそって示す上面図であって、図8(A2)〜(C2)、図9(A2)〜(C2)は、図8(A1)〜(C1)、図9(A1)〜(C1)の動作にそれぞれ対応した搬送装置30の側面図である。
まず、図8(A1)及び(A2)に示すように、給紙部12から給送されたシートPは、第3搬送ローラ対44によって挟持ローラ31の位置に向けて挟持・搬送される(白矢印方向の搬送である。)。このとき、挟持ローラ31は、回動方向の位置が回動基準位置(斜行のないシートPに対応した正規の位置である。)にあり、幅方向の位置が移動基準位置(横レジストの位置ズレのないシートPに対応した正規の位置である。)にある。
そして、シートPが上流側第1CIS35の位置を通過して上流側第2CIS36の位置に達すると、2つのCIS35、36によってシートPの横レジストの位置ズレ量αが検知される。さらに、2つのCIS35、36によって、シートPのスキュー量βが検知される。
そして、図8(C1)及び(C2)に示すように、シートPの先端部が挟持ローラ31に達する直前に挟持ローラ31の回転駆動(図の矢印方向の回転駆動である。)が開始され、シートPが挟持ローラ31に挟持・搬送されると、第3搬送ローラ対44が搬送経路を開放してシートPを挟持しない方向(実線矢印方向である。)に離間移動する。なお、シートPの先端部が挟持ローラ31に達するタイミングは、CIS35、36(第1検知手段)によってシートPの先端部を検知するタイミングと、シートPの搬送速度と、CIS35、36の位置から挟持ローラ31の位置までの距離、などに基づいて演算部(制御部)で求めることもできる。
そして、図9(B1)及び(B2)に示すように、補正後のシートPが下流側CIS37の位置に達すると、上流側第2CIS36(第1検知手段)と下流側CIS37(第2検知手段)とによってシートPのスキュー量βがほぼ連続的に検知される。さらに、補正後のシートPが、上流側第2CIS36(第1検知手段)と下流側CIS37(第2検知手段)とによって、シートPの横レジストの位置ズレ量αがほぼ連続的に検知される。そして、挟持ローラ31は、保持部材72とともに、上流側第2CIS36(第1検知手段)と下流側CIS37(第2検知手段)とでほぼ連続的に検知されたスキュー量βに合わせて異なる傾斜方向(逆方向)に軸部71aを中心に角度βだけ回動基準位置から回動するとともに、上流側第2CIS36(第1検知手段)と下流側CIS37(第2検知手段)とでほぼ連続的に検知された位置ズレ量αに合わせて異なる幅方向(逆方向)に距離αだけ移動基準位置からシフト移動する。
こうして、シートPは、再びスキュー補正と横レジスト補正とが時々刻々とおこなわれながら、転写ローラ7(転写ニップ部)に向けて搬送されることになる。このとき、感光体ドラム5上の画像にタイミングを合わせるように、挟持ローラ31の回転数(転写ローラ7に達するまでのシートPの搬送速度)が可変される。
その後、シートPの後端が挟持ローラ31の位置を通過すると、挟持ローラ31は、次に搬送されるシートPのスキュー補正及び横レジスト補正に備えて、回動基準位置及び移動基準位置に戻されることになる。
先に図4等を用いて説明したように、搬送装置30には、挟持ローラ31、保持部材72、ベース部71、などが設置されている。
挟持ローラ31は、搬送経路においてシートPを挟持した状態で搬送するものである。
保持部材72は、挟持ローラ31がシートPを挟持・搬送できるように、挟持ローラ31を回転可能に保持するものである。また、保持部材72は、挟持ローラ31を幅方向に移動可能に保持している。
ベース部71は、挟持ローラ31が保持部材72とともに傾き方向(搬送方向に対して傾斜する方向であって、図3、図4のW方向である。)に回動するように、保持部材72を軸部71aを中心に回動可能に支持するものである。
保持部材72とベース部71とは、いずれも、ステンレス鋼などの金属材料で形成されている。
コロ85は、保持部材72に回転可能に保持されている。詳しくは、コロ85は、保持部材72の幅方向端部において幅方向に起立するように設置されたスタッド86に回転可能に保持されている。スタッド86は、ステンレス鋼などの金属材料で形成されていて、保持部材72の側部にカシメにより固定されている。コロ85は、機械的強度が高く表面摩擦係数が低い樹脂材料で形成されている。
ガイド部87は、コロ85を径方向に挟むようにベース部71に形成されている。詳しくは、ガイド部87は、コロ85を、軸部71aの軸方向に沿う方向(図4、図10の上下方向である。)に挟むように形成されている。ガイド部87は、ステンレス鋼などの板金材料で形成されていて、コロ85を挟む部分が略コの字状に形成されている。具体的に、ガイド部87は、コロ85の上方に対向する上ガイド部87aと、コロ85の下方に対向する下ガイド部87bと、上ガイド部87aと下ガイド部87bとを中継する中継部と、で構成されている。なお、本実施の形態では、ガイド部87をベース部71と別部品で形成してベース部71にネジ締結により固定するように構成しているが、ガイド部87をベース部71と一体的に形成することもできる。
特に、本実施の形態では、保持部材72が軸部71aを中心にして振れる方向(上下方向である。)を制限するように、コロ85の上下方向を挟むようにガイド部87を形成しているため、上述したような効果が効率的に発揮されることになる。
なお、横レジスト補正時に挟持ローラ31が保持部材72内で幅方向に移動するときにも、挟持ローラ31の移動によって保持部材72が振動することになる。しかし、そのような場合にも、本実施の形態では保持部材72がベース部71に軸部71a以外でもコロ85(及びガイド部87)によってガイドされているため、横レジスト補正時の挟持ローラ31(保持部材72)の振動を低減することができる。
また、図10(B)に示すように、搬送装置30の幅方向他端側(駆動側であって、図4の左方である。)には、2つのコロ(第3コロ85Cと第4コロ85Dとである。)が設置されている。搬送方向下流側の第3コロ85Cと、搬送方向上流側の第4コロ85Dと、の搬送方向の軸間距離は第1、第2コロ85A、85Bの軸間距離と同様にM1に設定され、幅方向に見て、その軸間に軸部71aの中心が配置されるように設定されている。幅方向他端側のガイド部87は、第3コロ85Cと第4コロ85Dとをそれぞれ上下方向に挟むように形成されている。
なお、4つのコロ85A〜85Dは、すべて同じ材料、形状となるように構成されている。
詳しくは、図10(A)に示すように、幅方向一端側において、第1コロ85Aは、その中心が搬送方向下流側の基準位置から搬送方向の距離M2の位置に配置され、第2コロ85Bは、その中心がさらに搬送方向の距離M1の位置に配置されている。これに対して、図10(B)に示すように、幅方向他端側において、第3コロ85Cは、その中心が搬送方向下流側の基準位置から搬送方向の距離M3(>M2である。)の位置に配置され、第4コロ85Dは、その中心がさらに搬送方向の距離M1の位置に配置されている。すなわち、搬送方向下流側の基準位置から搬送方向上流側に向けて、第1コロ85A、第3コロ85C、第2コロ85B、第4コロ85D、の順に配置されている。
このように、4つのコロ85A〜85Dを、搬送方向の位置がバラバラになるように配置することで、保持部材72がベース部71に軸部71a以外でも幅方向両端部でバランスよくガイドされることになり、上述したような保持部材72(及び、挟持ローラ31)の振動を低減する効果がさらに効率的に発揮されることになる。
これに対して、本実施の形態では、2つのコロ85A、85B(又は、85C、85D)を高さ方向にずらして配置して、2つのコロがセットとなって上ガイド部87aと下ガイド部87bとに密着して挟まれるように構成しているため、そのような不具合が生じにくくなる。すなわち、保持部材72(及び、挟持ローラ31)の振動を低減する効果がさらに効率的に発揮されることになる。
図11は、変形例としての搬送装置30の要部を示す側面図であって、本実施の形態における図10(A)に対応する図である。
変形例における搬送装置30は、コロ85とガイド部87とのうち少なくとも一方が、相手の部材との当接面が低摩擦材料で形成されている。
詳しくは、図11に示すように、上ガイド部87aの下面87a1と、下ガイド部87bの上面87b1と、の一部にそれぞれテフロンコーティングが施されている。このように構成することにより、コロ85とガイド部87との摺動抵抗がさらに小さくなるため、保持部材72(及び、挟持ローラ31)の振動を低減する効果がさらに効率的に発揮されることになる。
なお、変形例では、ガイド部87の当接面を低摩擦材料で形成したが、コロ85の当接面を低摩擦材料で形成することもできるし、コロ85の当接面とガイド部87の当接面とをそれぞれ低摩擦材料で形成することもできる。
また、コロ85とガイド部87とのうち少なくとも一方について、相手の部材との当接面を弾性材料で形成することもできる。そのような場合には、保持部材72の振動が、コロ85とガイド部87との間に介在された弾性材料で吸収されることになるため、保持部材72(及び、挟持ローラ31)の振動を低減する効果がさらに効率的に発揮されることになる。
これにより、挟持ローラ31が大きく振動することなく、シートPの姿勢を高精度に補正することができる。
また、本実施の形態では、画像が形成されるシートPとしての用紙のスキュー補正や横レジスト補正をおこなう搬送装置30に対して本発明を適用したが、シートPとしての原稿のスキュー補正や横レジスト補正をおこなう搬送装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、シートPのスキュー補正と横レジスト補正とをおこなう搬送装置30に対して本発明を適用したが、シートPのスキュー補正のみをおこなう搬送装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、コロ85を幅方向両端部にそれぞれ2つ設置したが、コロを幅方両端部に1つ又は3つ以上設置することもできるし、コロを幅方向一端側のみの1つ又は複数設置することもできる。
また、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に設置される搬送装置30に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置される搬送装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される搬送装置30に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、オフセット印刷機などである。)に設置される搬送装置に対しても、本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本願において、「シート」とは、通常の紙(用紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム等のシート状の記録媒体のすべてを含むものと定義する。
30 搬送装置、
31 挟持ローラ(横レジスト・スキュー補正ローラ、レジストローラ)、
35 上流側第1CIS、
36 上流側第2CIS、
37 下流側CIS、
59 第1駆動モータ、
62 第2駆動モータ(回動手段)、
63 第3駆動モータ(移動手段)、
71 ベース部、
71a 軸部、
72 保持部材、
85、85A〜85D コロ、
86 スタッド、
87 ガイド部、
87a 上ガイド部、 87b 下ガイド部、
P シート(記録媒体)。
Claims (9)
- 搬送経路においてシートを搬送する搬送装置であって、
前記搬送経路においてシートを挟持した状態で搬送する挟持ローラと、
前記挟持ローラを回転可能に保持する保持部材と、
前記挟持ローラが前記保持部材とともに搬送方向に対して傾斜する傾き方向に回動するように、前記保持部材を回動可能に支持するベース部と、
前記保持部材に回転可能に保持されたコロと、
前記コロを径方向に挟むように前記ベース部に形成されたガイド部と、
を備えたことを特徴とする搬送装置。 - 前記ベース部は、前記保持部材を軸部を中心に回動可能に支持し、
前記コロは、前記保持部材の幅方向端部において幅方向に起立するように設置されたスタッドに回転可能に保持され、
前記ガイド部は、前記コロを前記軸部の軸方向に沿う方向に挟むように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。 - 前記コロは、前記保持部材の幅方向両端部にそれぞれ複数設置された複数のコロであって、
前記複数のコロは、互いに搬送方向の離れた位置に配置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。 - 前記複数のコロのうち、少なくとも1つのコロが径方向の一端側で前記ガイド部に当接して、別の少なくとも1つのコロが径方向の他端側で前記ガイド部に当接するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
- 幅方向一端側に設置された前記複数のコロと、幅方向他端側に設置された前記複数のコロと、は互いに搬送方向の位置が一致しないように配置されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の搬送装置。
- 前記コロと前記ガイド部とのうち少なくとも一方は、相手の部材との当接面が低摩擦材料で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記コロと前記ガイド部とのうち少なくとも一方は、相手の部材との当接面が弾性材料で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記保持部材は、前記挟持ローラを幅方向に移動可能に保持し、
前記挟持ローラを幅方向に移動可能に構成された移動手段と、
前記挟持ローラを前記保持部材とともに傾き方向に回動可能に構成された回動手段と、
前記搬送経路で搬送されるシートの幅方向の位置ズレ量を検知する第1検知手段と、
前記搬送経路で搬送されるシートの傾き方向の位置ズレ量を検知する第2検知手段と、
を備え、
前記第1検知手段の検知結果と前記第2検知手段の検知結果とに基づいて、前記挟持ローラによってシートを挟持・搬送しながら、前記移動手段と前記回動手段とを稼働して当該シートの幅方向及び斜め方向の姿勢を補正することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の搬送装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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