JP2019048262A - 有機性排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】近隣の処理設備で排出される排水を有効利用でき、処理効率の向上が可能な有機性排水の処理方法及び処理装置を提供する。【解決手段】イオン交換塔の再生廃水と有機性排水とを正浸透膜を介して接触させ、有機性排水を濃縮する有機性排水の処理方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機性排水の処理方法及び処理装置に関し、特に、正浸透膜を介して有機性排水を濃縮する技術を利用した有機性排水の処理方法及び処理装置に関する。
有機物を含む有機性排水に対し、生物処理技術と膜分離技術とを組み合わせて水処理する処理方法及び処理装置が知られている。特開2011−173040号公報では、有機物を含む排水を嫌気性微生物で処理する嫌気性処理工程と、嫌気性処理工程の嫌気性処理液を正浸透膜(FO)で透過液と濃縮液とに分離する正浸透膜分離工程と、正浸透膜分離工程の透過液を逆浸透膜(RO)で処理水と濃縮水とに分離する逆浸透膜分離工程とを備えた排水処理方法及び排水処理装置の例が記載されている。
特開2011−173040号公報
正浸透膜を利用した濃縮技術では、正浸透膜の一次側に濃縮対象液を存在させ、正浸透膜の二次側に濃縮対象液よりも高浸透圧の駆動液(ドロー溶液)を存在させて、両者の浸透圧差により濃縮対象液中の水を二次側へ移動させて濃縮処理を行っている。
特許文献1では、正浸透膜の二次側に供給する駆動液として正浸透膜処理で得られる透過液を逆浸透膜処理して得られた濃縮液を利用している。このため濃縮液を生成させるための逆浸透膜の運転コスト及びメンテナンスコストがかかる。
一方、正浸透膜の二次側に供給される駆動液としては、海水、塩湖水等のかん水等などが一般的に利用されることが一般的であるが、処理設備の立地条件等の制約により、海水、塩湖水等のかん水等が容易に得られない場合がある。同一の工場敷地内、或いは近隣の処理設備で得られる排水を有効利用することができれば、処理設備で発生する排水量を低減でき、有機性排水の処理効率も向上できるため有用である。
上記課題を鑑み、本発明は、同一の工場敷地内、或いは近隣の処理設備で排出される排水を有効利用でき、処理効率の向上が可能な有機性排水の処理方法及び処理装置を提供する。
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、正浸透膜の二次側に供給される駆動液として、イオン交換塔の再生廃水を利用することが有効であることを見いだした。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、イオン交換塔の再生廃水と有機性排水とを正浸透膜を介して接触させ、有機性排水を濃縮することを特徴とする有機性排水の処理方法が提供される。
本発明に係る有機性排水の処理方法は一実施態様において、濃縮された有機性排水をメタン発酵処理することを更に含む。
本発明に係る有機性排水の処理方法は別の一実施態様において、イオン交換塔が、カチオン交換塔とアニオン交換塔とを備え、それぞれの交換塔の再生廃水を正浸透膜に交互に供給することを含む。
本発明に係る有機性排水の処理方法は更に別の一実施態様において、再生廃水を有機性排水と接触させる前に、再生廃水を固液分離することを更に含む。
本発明に係る有機性排水の処理方法は更に別の一実施態様において、再生廃水を有機性排水と接触させる前に再生廃水のpHを調整することを更に含む。
本発明に係る有機性排水の処理方法は更に別の一実施態様において、有機性排水に殺菌剤を添加することを含む。
本発明は別の一側面において、イオン交換塔の再生廃水と有機性排水とを正浸透膜を介して接触させ、有機性排水を濃縮する正浸透膜装置を備える有機性排水の処理装置が提供される。
本発明に係る有機性排水の処理装置は一実施態様において、濃縮された有機性排水をメタン発酵処理するメタン発酵槽を更に備える。
本発明に係る有機性排水の処理装置は別の一実施態様において、イオン交換塔と正浸透膜装置とが同一工場内にある。
本発明に係る有機性排水の処理装置は更に別の一実施態様において、イオン交換塔が、カチオン交換塔とアニオン交換塔とを備え、それぞれの交換塔の再生廃水を正浸透膜に交互に供給する供給制御装置を更に備える。
本発明によれば、近隣の処理設備で排出される排水を有効利用でき、処理効率の向上が可能な有機性排水の処理方法及び処理装置が提供できる。
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る有機性排水の処理装置の一例を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお、以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る有機性排水の処理装置は図1に示すように、正浸透膜装置1と、イオン交換塔2と、メタン発酵槽3とを備える。有機性排水としては特に限定されないが、少なくとも溶解性有機物を含む有機性排水が好適に用いられる。具体的には、産業廃水、下水、下水の一次処理水、下水の二次処理水、し尿、畜産排水、各種製造工場排水などが本実施形態に係る有機性排水として利用可能である。
有機性排水の水質は以下に限定されるものではないが、例えば、生物化学的酸素要求量(BOD)が10〜1000mg/L、化学的酸素要求量(CODcr)が20〜3000mg/L、浮遊物質(SS)が10mg/L未満、好ましくは5mg/L未満の有機性排水が利用できる。
有機性排水中に浮遊物質が含まれる場合で、且つ後述する正浸透膜装置1がケーシング型の場合は、予め浮遊物質を固液分離することが好ましい。浮遊物質を固液分離するための固液分離手段は特に限定されるものではなく、重力沈降分離、遠心分離、浮上分離、凝集分離、膜分離等の任意の手段が利用可能である。
固液分離槽で得られる有機性排水は、正浸透膜装置(FO膜装置)1へ送られる。有機性排水中に浮遊物質が高濃度で含まれている場合には、浸漬型の正浸透膜装置1を採用するのが好ましい。この場合、正浸透膜10の内側にドロー溶液であるイオン交換塔の再生廃水を流し、正浸透膜10の外側が有機性排水と接触するようにする。
正浸透膜装置1は、イオン交換塔2の再生廃水と有機性排水とを正浸透膜10を介して接触させ、有機性排水を濃縮処理するための装置である。正浸透膜(FO膜)10の一次側には有機性排水が供給される。正浸透膜10の二次側には有機性排水よりも高浸透圧の駆動液(ドロー溶液)としてイオン交換塔2の再生廃水が供給される。
有機性排水の濃縮処理に、正浸透膜装置1が用いられることにより、逆浸透膜(RO)装置などに比べて、装置内の加圧のための大型ポンプを使用する必要がなくなり、動力を削減できる。
正浸透膜装置1へ流入する有機性排水が正浸透膜10を介して二次側の駆動液と接触することで、濃縮水と処理水とが得られる。処理水は正浸透膜装置1の外部へ放出可能である。濃縮水は配管を介して図示しない濃縮水貯蔵槽へ送られる。
正浸透膜10の種類としては特に限定されず、種々の半透膜を使用できるが、駆動液の塩が一部流入する膜を使用することが好ましい。例えば、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ビニル、アクアポリンなどの様々な材料を使用することができる。正浸透膜10の形状も特に限定されず、平膜、スパイラル膜、中空紙膜など任意の形状の膜を利用できる。
イオン交換塔2には内部にイオン交換樹脂が充填されているが、このイオン交換樹脂は、脱塩が進むとイオン交換のサイト(場所)が減少するため、定期的な再生が必要となる。例えば、アニオン交換樹脂では、数%程度の苛性ソーダが再生剤として用いられ、イオン交換樹脂にイオン交換したアニオン物質を苛性ソーダの水酸基が交換することで、再度アニオン樹脂として再生されるものである。その際に生じた再生廃水には、イオン交換樹脂から脱離したアニオン類等の塩類が数%の濃度で含まれている。
イオン交換塔2の再生廃水は従来、中和処理して総合排水の一部として排出されていた。ところが、再生廃水の塩濃度は数%程度と高いため、総合排水が生物学的手法によって、特に好気的な生物学的手法によって処理がなされる場合は、生物活性が低下することもあった。
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理方法及び処理装置によれば、正浸透膜10の二次側には供給される駆動液として、イオン交換塔2の再生廃水が用いられる。そのため、海水、塩湖水等のかん水等が容易に得られない地域であっても、既存のイオン交換塔2の再生廃水を利用することができるため、正浸透膜装置1の運転に必要な駆動液を逆浸透膜処理などによって新たに調製する必要がなく、同一の工場敷地内、或いは近隣の処理設備で排出される排水を有効利用でき、処理効率の向上が可能な有機性排水の処理方法及び処理装置が提供できる。例えば、工場内のプラント用水、洗浄用水、飲料用水を得るためにイオン樹脂を用いて脱塩する生産系の工程があり、更に生産過程で排出される有機性排水の処理工程や他の排水を集約して処理する総合排水の処理工程が、同一の工場敷地内に存在するとなお好ましい。従来は、用水処理のためのイオン交換の再生廃水は、総合排水処理施設に導入され、塩類を希釈して放流することが多かったが、本発明によれば、希釈時に有機物を濃縮することができる。
効果としては、例えば、イオン交換塔2と正浸透膜装置1とが同一工場内に配置されることにより、イオン交換塔2からの再生廃水を配管などで移送することができるため、例えば、正浸透膜装置1の駆動液を工場の外部から搬送する等の必要がなく、駆動液の運搬コストを抑制することができる。
正浸透膜装置1に供給されるイオン交換塔2の再生廃水は、イオン交換塔2内に充填される樹脂の種類によって異なり、またその濃度も処理目的や要求水質によって異なるため、以下に限定されるものではない。
例えば、強酸性カチオン交換樹脂の再生液として2.5%の塩酸が用いられた場合、イオン交換樹脂上のカルシウム、ナトリウムなどがH+とイオン交換されるので、再生廃水は再生剤と同濃度のカルシウム、ナトリウムなどを含む廃水となる。強塩基性アニオン交換樹脂の再生液として水酸化ナトリウムが用いられた場合は、イオン交換樹脂上の硫酸イオン、塩化物イオンなどがOH-とイオン交換されるので、再生廃水は再生剤と同濃度の硫酸イオン、塩化物イオンなどを含む廃水となる。なお、樹脂の再生工程においては純水でリンスする工程があるが、リンス水が再生廃水に含まれると塩濃度が低下するので、リンス水を含まない再生廃水をドロー溶液として使用することがより望ましい。例えば、塩分濃度2.5%のドロー溶液の場合の正浸透膜の水透過流速(フラックス)は、膜の種類にもよるが5LHM(L/m2/h)であるが、濃度が半分の1.25%ではフラックスが1/2となり、正浸透膜装置1が大型化する。
イオン交換塔の再生廃水は、正浸透膜装置1内で有機性排水と接触させる前に、固液分離することが好ましい。これにより、再生廃水中に含まれる固形物を除去し、正浸透膜10の閉塞を抑制し、より安定的に処理を行うことができる。固液分離手段は特に限定されるものではなく、重力沈降分離、遠心分離、浮上分離、凝集分離、膜分離等の任意の手段が利用可能である。
イオン交換塔2の再生廃水がアルカリ性を示す場合、正浸透膜10として酢酸セルロースなどの材料を用いた場合には、正浸透膜10の劣化が生じる場合がある。そのため、再生廃水がアルカリ性を示す場合は、正浸透膜装置1内で有機性排水と接触させる前に、再生廃水のpHを調整するためにpH調整手段4によりpH調整剤を添加することが好ましい。これにより、正浸透膜10の劣化を抑制し、長期間安定した操作が可能となる。
再生廃水のpHが高い場合には、pH調整剤としては硫酸や塩酸などの鉱酸を用いて調整することができる。pH調整手段4からpH調整剤を添加することにより、再生廃水のpHを3〜8程度に調整することが好ましい。正浸透膜10としてポリアミドを使用する場合には、再生廃水のpHは2〜11が好ましい。再生廃水のpHがこれら範囲になければ、硫酸、塩酸などの鉱酸、水酸化ナトリウムなどでpHを調整する。
正浸透膜装置1へ供給する有機性排水に対し、スライムの発生によるファウリングを抑制するために殺菌剤を用いることもまた好適である。殺菌剤としては、スライムコントロール剤が好適に用いられる。スライムコントロール剤としては、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素性スライムコントロール剤、過酸化水素などの酸化性スライムコントロール剤、或いは5−クロロ−メチル−イソチアゾリン3−オン(MIT)、ハロシアノアセトアミド化合物などの有機性スライムコントロール剤を使用することができる。
次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系スライムコントロール剤は、有利残留塩素のその強い酸化力によって、正浸透膜10の材質を劣化させる場合があるが、アンモニアが存在する排水中ではこれと反応してクロラミンを生成する。このクロラミンは、有利残留塩素に比べて穏やかな酸化力を持つため、膜材質の酸化劣化を抑制しつつ、ファウリングを防ぐことができる。
殺菌剤の添加量は、多すぎると、後段のメタン発酵槽における濃縮水のメタン発酵処理に悪影響を及ぼす場合があり、少なすぎると正浸透膜10のファウリング抑制効果が有利に得られない。正浸透膜装置1へ供給される有機性排水中の殺菌剤の濃度が、例えば0.1〜100mg/Lとなるように、殺菌剤導入手段5を介して適切な殺菌剤を添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜50mg/L程度である。
正浸透膜装置1で得られた濃縮水は、メタン発酵槽3へ供給されて嫌気性微生物を用いたメタン発酵処理(嫌気性消化)が行われる。メタン発酵槽3においては、例えば、至適pHを6.5〜7.5とし、30〜35℃を至適温度として中温メタン発酵処理又は50〜55℃を至適温度とした高温メタン発酵処理を行うことができる。メタン発酵菌を維持するためには、温度管理とpH管理が極めて重要である。メタン発酵処理により、濃縮水がメタンガス等の消化ガスと濃縮汚泥とに分解される。
本発明の第1の実施の形態に係る有機性排水の処理装置によれば、正浸透膜装置1において、有機性排水が2〜30倍程度に濃縮されるため、原水の有機物濃度が低い場合であっても、正浸透膜装置1で一旦濃縮することにより、メタン発酵処理において良好な濃度を有する濃縮水が得られる。高濃度に濃縮された濃縮水をメタン発酵槽3の種汚泥として用いることで、より高いメタン回収率を得ることができる。例えば、生物化学的酸素要求量(BOD)が10〜1000mg/L、化学的酸素要求量(CODcr)が20〜3000mg/Lの有機性排水を本発明で処理した場合、正浸透膜装置のBODやCODcrの除去率が98%以上であるので、2〜30倍の有機物濃度になり、処理水に流出するメタン量が相対的に少なくなるためメタン回収量が増加する。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る有機性排水の処理装置は、図2に示すように、イオン交換塔2として、カチオン交換塔2aとアニオン交換塔2bとを少なくとも備え、それぞれの交換塔の再生廃水を正浸透膜装置1内に交互に供給するための供給制御装置6を備える。
イオン交換樹脂を使用した純水製造装置は広く使用されており、H形に再生したカチオン交換樹脂及びOH形に再生したアニオン交換樹脂に、各イオンを含む原水を通水することにより、比較的簡単に純水を得ることができる。
最も簡単な純水製造装置としては、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を混合して、1塔内に充填した混床式の純水製造装置がある。混床式では、高純度の純水が得られる反面、樹脂の再生に長時間を要し、多量の再生剤が必要となる等の欠点があり、大規模な純水製造装置には採用し難い。
大規模な純水製造装置に対しては、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を別々の塔に充填した複床式の純水製造装置がある。最も簡単な複床式は、カチオン交換樹脂を充填したカチオン塔と、アニオン交換樹脂を充填したアニオン塔を、直列に接続したもの(2床2塔式)で、原水はカチオン塔からアニオン塔の順に通水される。図2に例示するように、原水の炭酸成分が多い場合には、カチオン交換塔2aとアニオン交換塔2bとの間に脱炭酸塔2cを設ける(2床3塔式)ことにより、アニオン交換塔2bのイオン負荷となる炭酸成分を除去でき、純水製造コストを低減できる。
カチオン交換塔2a内に収容される強酸性カチオン交換樹脂の再生液として、以下に制限されるものではないが、例えば2.5%の塩酸が用いられる。イオン交換樹脂上のカルシウム、ナトリウムなどがH+とイオン交換されるため、再生廃水は再生剤と同濃度のカルシウム、ナトリウムなどを含む廃水となる。
アニオン交換塔2b内に収容される強塩基性アニオン交換樹脂の再生液としては、水酸化ナトリウムが用いられる。これにより、イオン交換樹脂上の硫酸イオン、塩化物イオンなどがOH-とイオン交換されるので、再生廃水は再生剤と同濃度の硫酸イオン、塩化物イオンなどを含む廃水となる。
カチオン交換塔2aから排出される再生廃水はpHが酸性であり、またアニオン交換樹脂から排出される再生廃水はpHがアルカリ性であるため、正浸透膜10の適正pHとなるようにpH調整した後に、交互に通水することが好ましい。
酸性の再生廃水を通液することで、カルシウムなどのスケール成分の溶解、及びスケール生成の抑制となる。また、アルカリ性の再生廃水を通液することで、スライム等の有機物の付着、成長を抑制することができるため、正浸透膜の二次側でのファウリングを抑制できる。
供給制御装置6は、カチオン交換塔2aとアニオン交換塔2bからの再生廃水の正浸透膜装置1への供給を制御する。具体的には、供給制御装置6は、カチオン交換塔2a及びアニオン交換塔2bからの再生廃水の供給開始、供給停止の切替を制御する。
酸性の再生廃水とアルカリ性の再生廃水を交互に通液する場合には、両者が混合されると固形物(スケール)が発生する場合がある。そのため、供給制御装置6は、カチオン交換塔2aとアニオン交換塔2bからの再生廃水の供給の切替前後に、リンス水供給手段7からリンス水を正浸透膜装置1へ供給させることが好ましい。
例えば、供給制御装置6は、カチオン交換塔2aからの酸性の再生廃水を正浸透膜装置1へ供給した後、再生廃水の供給を停止させ、その後、リンス水供給手段7からリンス水を正浸透膜装置1へ供給する。その後、アニオン交換塔2bからアルカリ性の再生廃水を正浸透膜装置1へ供給することができる。
リンス水としては水(水道水)などの正浸透膜装置1内に残る液体を洗浄可能な流体であれば特に制限されない。リンス水を正浸透膜装置1へ供給した後は、供給制御装置6がリンス水の供給を停止し、アニオン交換塔2bからの再生廃水を供給する。これにより、酸性廃水とアルカリ廃水の混合による固形分の析出を抑制できる。
本発明の第2の実施の形態に係る有機性排水の処理装置によれば、カチオン交換塔2aとアニオン交換塔2bとを備え、それぞれの交換塔2a、2bの再生廃水を正浸透膜10に交互に供給する供給制御装置6を備え、それぞれの交換塔2a、2bの再生廃水を正浸透膜装置1内に交互で供給することにより、正浸透膜装置1への駆動液を調整する必要がなく、近隣の処理設備で排出される排水を有効利用でき、処理効率の向上が可能な有機性排水の処理方法及び処理装置が提供できる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
本発明の実施の形態では、正浸透膜装置1の駆動液としてイオン交換塔の再生廃水を用いる例を示したが、塩分濃度の高い廃水として同一工場内で排出される別の装置からの廃水を代替的又は追加的に供給してもよい。例えば、飲料、漬物製品などの食品工場などで実施される塩類を除去するために実施される脱塩処理などで得られた濃縮水等も利用することができる。
同一工場内で本発明に係る有機性排水の処理方法を実施する際には、有機性排水量とイオン交換塔の再生廃水量のバランスが悪い場合がある。そのような場合には、供給制御装置6から再生廃水に塩化ナトリウム等の塩分を供給してイオン量を調整することが好ましい。この際、イオン交換塔2からの再生廃水の塩分濃度を測定するために、イオン交換塔2からの再生廃水が流れる配管又は再生廃水を貯留する貯槽に電気伝導度計を配置する。この電気伝導度計から再生廃水中の塩分濃度を求め、求められた塩分濃度に応じて、供給制御装置6が再生廃水に対して塩分を追加するようにしてもよい。
或いは、供給制御装置6が、カチオン交換塔2a及びアニオン交換塔2bの運転状況やカチオン交換塔2a及びアニオン交換塔2bで発生する再生廃水の量に応じて、可能な限りの処理のみを実施するなどして、工場の事情に合わせた処理をすることができる。このように、本発明は上記の開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によって表されるものであり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲において変形し具体化し得るものである。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
用水処理、脱塩処理、製造、排水処理からなる飲料工場において、脱塩処理にはイオン交換システムを用いて、排水処理はFO膜にて有機性排水を濃縮し、得られた濃縮液をメタン発酵した。有機性排水は、製造過程から排出され、処理量1m3/日、CODcrが約100mg/L、SSが10mg/Lであった。有機性排水はまず、精密ろ過(MF)膜にてSSを除去した後(図示せず)にFO膜に通水した。FO膜はポリアミド系でケーシングタイプのモジュールを採用した。イオン交換システムはカチオン塔、脱炭酸塔、アニオン塔からなり、樹脂を再生したpH3の酸性廃水(0.5m3/日)とpH9のアルカリ廃水(0.5m3/日)が排出され、それぞれの貯留槽にて貯留され、適時FO膜に供給したところ、安定して処理を行うことができた。有機性排水は容積が約1/10となるまで濃縮し、後段のメタン発酵槽に導入した。この時のメタン発酵導入液のCODcrは950mg/Lであった。メタン発酵処理では1日あたり26Lのメタンガスを得ることができ、有機性排水から200Wh/日のエネルギーを回収することができた。下記の比較例1と比較し、従来の処理では有機性排水の処理として82kWh/日のエネルギーを使用していたが、本発明により200Wh/日のエネルギーを得ることができた。
(比較例1)
実施例1を実施した工場において、有機性排水の処理として、メタン発酵の代わりに活性汚泥処理を行った。イオン交換の再生廃水は、FO膜へ導入せずに、リンス水ととものに活性汚泥処理工程に流入したところ、有機性排水1m3/日に対して、イオン交換再生廃水は3m3/日となり、活性汚泥の流入水は4m3/日、CODcrは約25mg/Lであった。活性汚泥処理にかかった動力は、82kWh/日であった。
1…正浸透膜装置
2…イオン交換塔(2a…カチオン交換塔、2b…アニオン交換塔、2c…脱炭酸塔)
3…メタン発酵槽
4…pH調整手段
5…殺菌剤導入手段
6…供給制御装置
7…リンス水供給手段
10…正浸透膜(半透膜)

Claims (10)

  1. イオン交換塔の再生廃水と有機性排水とを正浸透膜を介して接触させ、前記有機性排水を濃縮することを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 濃縮された前記有機性排水をメタン発酵処理することを更に含む請求項1に記載の有機性排水の処理方法。
  3. 前記イオン交換塔が、カチオン交換塔とアニオン交換塔とを備え、それぞれの交換塔の再生廃水を前記正浸透膜に交互に供給することを含む請求項1又は2に記載の有機性排水の処理方法。
  4. 前記再生廃水を前記有機性排水と接触させる前に、前記再生廃水を固液分離することを更に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機性排水の処理方法。
  5. 前記再生廃水を前記有機性排水と接触させる前に前記再生廃水のpHを調整することを更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機性排水の処理方法。
  6. 前記有機性排水に殺菌剤を添加することを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機性排水の処理方法。
  7. イオン交換塔の再生廃水と有機性排水とを正浸透膜を介して接触させ、前記有機性排水を濃縮する正浸透膜装置を備えることを特徴とする有機性排水の処理装置。
  8. 濃縮された前記有機性排水をメタン発酵処理するメタン発酵槽を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の有機性排水の処理装置。
  9. 前記イオン交換塔と前記正浸透膜装置とが同一工場内にあることを特徴とする請求項7又は8に記載の有機性排水の処理装置。
  10. 前記イオン交換塔が、カチオン交換塔とアニオン交換塔とを備え、それぞれの交換塔の再生廃水を前記正浸透膜に交互に供給する供給制御装置を更に備える請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機性排水の処理装置。
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Citations (9)

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