JP2019047561A - 共用操作棒用加温装置 - Google Patents

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裕之 森山
Hiroyuki Moriyama
裕之 森山
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Abstract

【課題】加温状態で把持が容易な共用操作棒用加温装置を提供する。【解決手段】加温装置10は、パイプ部材3とグリップ部材4で構成した筒状グリップ1を備える。筒状グリップ1は、一端面を開口し、共用操作棒7の基端部から把持部73を内部に導入できる。又、筒状グリップ1は、ヒーター線3hを周壁に内蔵している。筒状グリップ1は、ツイストロック形の接続具2を底面に有し、共用操作棒7のジョイント部74と接続できる。ジョイント部74が接続具2と接続した状態では、筒状グリップ1は、その外周を把持可能に把持部73の周囲を囲っている。ヒーター線3hを通電することで、加温状態で共用操作棒7を操作できる。【選択図】図1

Description

本発明は、共用操作棒用加温装置に関する。特に、用途の異なる先端工具を共用できる共用操作棒の把持部に着脱自在に接続できる共用操作棒用加温装置の構造に関する。
高圧配電線を無停電状態で配電工事を行う活線作業には、直接活線工法と間接活線工法の二通りがあることが知られている。直接活線工法は、作業者が高圧ゴム手袋などの保護具を着用して、通電中の高圧配電線に直接触れて配電工事を行なっている。一方、間接活線工法は、作業者が絶縁操作棒(ホットスティック)などを用いて、通電中の高圧配電線に直接触れることなく配電工事を行なうことができる。
一般に、絶縁操作棒は、長尺の操作棒とこの操作棒の先端部に取り付けた配電作業用工具(以下、先端工具という)で構成している。そして、絶縁操作棒は、高圧配電線を把持、又は切断するなど、用途に対応して、先端工具を交換できるように構成している。
このような間接活線工事用の絶縁操作棒は、様々な種類のものが開発されているが、用途の異なる先端工具を共用できる、いわゆる共用操作棒は、先行技術文献に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、一例による共用操作棒の構成を示す正面図である。図8は、図7の先端部側及び基端部側を拡大した斜視図である。図9は、共用操作棒の先端部に着脱自在な先端工具の一例による構成を示す正面図である。なお、本願の図7は、特許文献1の図6に相当している。
図7を参照すると、一例による共用操作棒7は、工具部71、柄部72、及び把持部73を備えている。工具部71には、後述するバインド打ち器8などの先端工具を着脱自在となっている(図9参照)。把持部73は、作業員が把持し易いように滑り止めを施こしている。柄部72は、工具部71と把持部73とを連結し、絶縁性を有する長尺の管体からなっている。
図7を参照すると、柄部72は、円錐体状の水切り鍔7aを中間部に取り付けている。水切り鍔7aは、工具部71から進出する水を堰き止めることができる。又、柄部72と把持部73との接続部には、円錐体状の限界鍔7bを取り付けている。限界鍔7bの取り付け位置は、絶縁性を考慮して、共用操作棒7を安全に作業できる限界を示している。
図7又は図8を参照すると、工具部71は、円柱状の軸部71aと一対のピン71b・71bを備えている。又、工具部71は、プッシュロッド71cとリングナット71dを有している。軸部71aは、柄部72の軸方向に突出している。一対のピン71b・71bは、相反する向きに軸部71aの外周から突出している。
図8を参照すると、プッシュロッド71cは、工具部71に内蔵された圧縮コイルばね(図示せず)によって、力を付勢され、軸部71aの先端面から突出している。
図8を参照すると、リングナット71dは、軸部71aの下方に配置されている。リングナット71dは、軸部71aと螺合している。リングナット71dを一方の方向に回転すると、後述するバインド打ち器8のジョイント部81の底面に当接して(図9参照)、バインド打ち器8を固定できる。リングナット71dを他方の方向に回転すると、後述するバインド打ち器8のジョイント部81の底面(図9参照)からリングナット71dが離れて、バインド打ち器8を解除できる。
図7又は図8を参照すると、共用操作棒7は、円筒状のジョイント部74を基端部に更に備えている。ジョイント部74は、底面が開口された円筒状に形成している。ジョイント部74には、後述する足し棒9の軸部91aが嵌合する軸穴74aを有している(図10参照)。
又、図7又は図8を参照すると、ジョイント部74には、一対のT字状の係合溝74b・74bを有している。後述する足し棒9の一対のピン91b・91bを軸穴74aの軸方向に挿入した後に(図10参照)、これらの91b・91bを軸穴74aの周方向に回動することで、これらのピン91b・91bを係合溝74b・74bに係合できる。つまり、図7に示した共用操作棒7には、後述する足し棒9を継ぎ足しできる。
上述したような係合手段は、ツイストロックと呼ばれている。そして、図7又は図8を参照して、後述する足し棒9とジョイント部74が嵌合した状態では(図10参照)、プッシュロッド91cが軸穴74aの上壁を弾圧すると共に、リングナット91dが軸穴74aの底面に当接して、ジョイント部74に後述する足し棒9を確実に固定できる。
例えば、図7又は図8を参照して、共用操作棒7の工具部71には、フック形状のバインド打ち器8などの先端工具を取り付けることができる(図9参照)。
図9を参照すると、バインド打ち器8は、共用操作棒7の工具部71に着脱自在に取り付けできる(図7又は図8参照)。バインド打ち器8は、円筒状のジョイント部81を基端部に備えている。
図9を参照すると、ジョイント部81は、底面が開口された円筒状に形成している。ジョイント部81には、軸部71a(図8参照)が嵌合する軸穴81aを有している。又、ジョイント部81には、一対のT字状の係合溝81b・81bを有している。一対のピン71b・71b(図8参照)を軸穴81aの軸方向に挿入した後に、これらのピン71b・71bを軸穴81aの周方向に回動することで、これらのピン71b・71bを係合溝81b・81bに係合できる。
図7から図9を参照して、工具部71とジョイント部81が嵌合した状態では、プッシュロッド71cが軸穴81aの上壁を弾圧すると共に、リングナット71dが軸穴81aの底面に当接して、バインド打ち器8を工具部71に確実に固定できる。
図9を参照すると、バインド打ち器8は、棒状の軸部8sとフック部8aを備えている。フック部8aは、軸部8sから連続して、C字状に屈曲している。又、バインド打ち器8は、円柱状のピン部8pを備えている。ピン部8pは、フック部8aの開口8kと反対側に、軸部8sから突出している。なお、バインド打ち器の名称は、高圧配電線を碍子に支持するバインド線を操作できることに由来している。
図7又は図8に示した共用操作棒7は、間接活線工事に好適な絶縁操作棒の一種であるが、異なる用途の先端工具を接続自在に共用できることから、特に、「共用操作棒」と呼ばれている。
図7から図9を参照して、共用操作棒7の先端部にバインド打ち器8などの先端工具を接続して、間接活線工事を実施する場合に、先端工具が工事対象物に届かないときには、共用操作棒7の基端部に棒状の足し棒を接続して、共用操作棒の長さを延長していた。
このような共用操作棒用足し棒は、先行技術文献に開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−244552号公報 特開2008−79432号公報
図10は、従来技術による共用操作棒用足し棒の構成を示す正面図である。なお、本願の図10は、特許文献2の図1(ハ)に相当している。
図10を参照すると、従来技術による共用操作棒用足し棒(以下、足し棒と略称する)9は、円柱状の接続金具91と絶縁性を有する棒状の主軸部92で構成している。
図10を参照すると、接続金具91は、円柱状の軸部91aと一対のピン91b・91bを備えている。又、接続金具91は、プッシュロッド91cとリングナット91dを有している。軸部91aは、主軸部92の軸方向に突出している。一対のピン91b・91bは、相反する向きに軸部91aの外周から突出している。
図10を参照すると、プッシュロッド91cは、接続金具91に内蔵された圧縮コイルばね(図示せず)によって、力を付勢され、軸部91aの先端面から突出している。
図10を参照すると、リングナット91dは、軸部91aの下方に配置されている。リングナット91dは、軸部91aと螺合している。リングナット91dを一方の方向に回転すると、共用操作棒7のジョイント部74の底面に当接して(図8参照)、共用操作棒7と連結できる。リングナット91dを他方の方向に回転すると、共用操作棒7のジョイント部74の底面(図8参照)からリングナット91dが離れて、共用操作棒7から解除できる。
図10を参照すると、主軸部92は、滑り止め用のゴム部材92gで被覆している。共用操作棒7に足し棒9を接続した状態で、主軸部92を把持することで、延長した共用操作棒7を操作できる。
一般に、共用操作棒を用いる間接活線工事は、屋外で作業が実施されている。このため、寒冷地又は冬の寒い時期などでの作業では、手袋を着用しても、寒さから手を保護するには至らず、共用操作棒の把持部を確実に把持できないことから、作業が促進しないという問題があった。
寒冷地又は冬の寒い時期などでの作業を促進するために、共用操作棒の把持部に着脱自在に接続でき、加温状態で把持が容易な共用操作棒用加温装置が求められていた。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、共用操作棒の把持部に着脱自在に接続でき、加温状態で把持が容易な共用操作棒用加温装置を提供することを目的とする。
本発明者は、足し棒を接続するためのジョイント部が共用操作棒の基端部に配置されていることに着目し、一端面を開口し、共用操作棒のジョイント部と接続自在なツイストロック形の接続具を底面に配置し、ヒーター線を周壁に内蔵した筒状グリップで少なくとも加温装置を構成し、筒状グリップを共用操作棒の基端部から差し込み、共用操作棒の把持部の周囲を囲うことで、加温状態で筒状グリップを把持できると考え、これに基づいて、以下のような新たな共用操作棒用加温装置を発明するに至った。
(1)本発明による共用操作棒用加温装置は、円筒状のジョイント部を基端部に有し、基端部側の円筒状の把持部を把持して、先端工具を操作するための長尺の共用操作棒の前記把持部に着脱自在な共用操作棒用加温装置であって、前記共用操作棒の基端部から前記把持部を内部に導入可能に一端面を開口し、ヒーター線を周壁に内蔵した筒状グリップを備え、前記筒状グリップは、前記ジョイント部と接続自在な接続具を底面に有し、前記ジョイント部が前記接続具と接続した状態では、前記筒状グリップは、その外周を把持可能に前記把持部の周囲を囲っている。
(2)前記筒状グリップは、その先端縁が前記共用操作棒に備わる限界鍔に到達する長さになっていることが好ましい。
(3)前記筒状グリップは、前記ヒーター線が埋設される螺旋溝を外周に形成した溝付きパイプ部材と、前記溝付きパイプ部材の外周を略密着状態で被うグリップ部材と、を含んでいることが好ましい。
(4)本発明による共用操作棒用加温装置は、前記筒状グリップの底部と着脱自在に直列に接続でき、前記ヒーター線の端末を導入可能なコード配設室を内部に形成した筒状の第1ケーシングと、前記第1ケーシングの底部と着脱自在に直列に接続でき、前記ヒーター線に電力を供給する一つ以上の電池を内部に有する、筒状の第2ケーシングと、を更に備え、前記第1ケーシングは、前記ヒーター線の端末が接続される一組の接続端子を底部に有し、前記第2ケーシングは、前記電池の負極端子と一方の前記接続端子を電気的に接続する第1導電部材と、前記電池の陽極端子と他方の前記接続端子を電気的に接続する第2導電部材と、を内部に有している。
(5)前記第2ケーシングは、前記電池から前記ヒーター線に電力を供給する接続状態と、前記電池から前記ヒーター線に電力を供給しない遮断状態に切り換える切り換えスイッチを更に備えていることが好ましい。
(6)前記第2ケーシングは、前記電池の外周を互いに当接した状態で三つの前記電池を収容自在な円筒状の電池ケースを更に備え、この電池ケースは、これらの電池を電気的に直列に接続する一対の端子板を両端部に有していることが好ましい。
本発明による共用操作棒用加温装置は、一端面を開口し、共用操作棒のジョイント部と接続自在なツイストロック形の接続具を底面に配置し、ヒーター線を周壁に内蔵した筒状グリップで少なくとも加温装置を構成し、筒状グリップを共用操作棒の基端部から差し込み、共用操作棒の把持部の周囲を囲うことで、加温状態で筒状グリップを把持できる。
本発明の一実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す斜視分解組立図である。 前記実施形態による共用操作棒用加温装置の要部を拡大した図であり、図2(A)は、共用操作棒用加温装置の縦断面図、図2(B)は、図2(A)に示した状態から共用操作棒用加温装置を軸回りに90度回転した状態図である。 前記実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す下面図である。 図2(A)のA−A矢視断面図である。 前記実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す正面図であり、共用操作棒の把持部を共用操作棒用加温装置の内部に挿通する前の状態図である。 前記実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す正面図であり、前記実施形態による共用操作棒用加温装置を共用操作棒の把持部に装着した状態図である。 一例による共用操作棒の構成を示す正面図である。 図7の先端部側及び基端部側を拡大した斜視図である。 共用操作棒の先端部に着脱自在な先端工具の一例による構成を示す正面図である。 従来技術による共用操作棒用足し棒の構成を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[共用操作棒用加温装置の構成]
最初に、本発明の一実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す斜視分解組立図である。
図2は、前記実施形態による共用操作棒用加温装置の要部を拡大した図であり、図2(A)は、共用操作棒用加温装置の縦断面図、図2(B)は、図2(A)に示した状態から共用操作棒用加温装置を軸回りに90度回転した状態図である。
図3は、前記実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す下面図である。図4は、図2(A)のA−A矢視断面図である。
図5は、前記実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す正面図であり、共用操作棒の把持部を共用操作棒用加温装置の内部に挿通する前の状態図である。
図6は、前記実施形態による共用操作棒用加温装置の構成を示す正面図であり、前記実施形態による共用操作棒用加温装置を共用操作棒の把持部に装着した状態図である。
なお、従来技術で使用した符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じとするので、以下説明を省略することがある。
(全体構成)
次に、本発明の一実施形態による共用操作棒用加温装置の全体構成を説明する。図1から図6を参照すると、本発明の一実施形態による共用操作棒用加温装置(以下、加温装置と略称する)10は、共用操作棒7の把持部73に着脱自在に接続できる。
図7から図9を参照すると、共用操作棒7は、円筒状のジョイント部74を基端部に有している。共用操作棒7は、その基端部側に設けた円筒状の把持部73を把持して、バインド打ち器8(図9参照)などの先端工具を操作できる。
図1から図6を参照すると、加温装置10は、溝31d付きパイプ部材3(以下、パイプ部材と略称する)とグリップ部材4で構成した筒状グリップ1を備えている。筒状グリップ1は、その一端面を開口している。そして、筒状グリップ1には、共用操作棒7の基端部から把持部73を内部に導入できる。又、筒状グリップ1は、ヒーター線3hを周壁に内蔵している。
図1又は図2を参照すると、筒状グリップ1は、ツイストロック形の接続具2を底面に有している。共用操作棒7の把持部73を筒状グリップ1の内部に導入すると、接続具2は、ジョイント部74と接続できる(図5参照)。
図2又は図5及び図6を参照すると、ジョイント部74が接続具2と接続した状態では、筒状グリップ1は、その外周を把持可能に把持部73の周囲を囲っている。そして、筒状グリップ1は、その先端縁が共用操作棒7に備わる限界鍔7bに到達する長さになっている。
図1から図6を参照すると、加温装置10は、一端面を開口し、共用操作棒7のジョイント部74と接続自在なツイストロック形の接続具2を底面に配置し、ヒーター線3hを周壁に内蔵した筒状グリップ1で少なくとも加温装置を構成し、筒状グリップ1を共用操作棒7の基端部から差し込み、共用操作棒7の把持部73の周囲を囲うことで、加温状態で筒状グリップ1を把持できる。
図5又は図6を参照すると、実施形態による加温装置10は、ヒーター線3hを周壁に内蔵した筒状グリップ1で共用操作棒7の把持部73の周囲を囲うことができ、ヒーター線3hを通電することで、加温状態で共用操作棒7を操作できる。
図1から図6を参照すると、加温装置10は、筒状の第1ケーシング5と筒状の第2ケーシング6を更に備えている。そして、第1ケーシング5と第2ケーシング6の詳細な説明は後述する。
(接続具の構成)
次に、実施形態による接続具2の構成を説明する。図1又は図2を参照すると、接続具2は、円柱状の軸部21aと一対のピン21b・21bを備えている。又、接続具2は、プッシュロッド21c、内部に空洞を有するプッシュリング21r、及び、圧縮コイルばね21sを備えている。
図1又は図2を参照すると、軸部21aは、接続軸部22の軸方向に突出している。一対のピン21b・21bは、相反する向きに軸部21aの外周から突出している。プッシュロッド21cは、接続具2に内蔵された圧縮コイルばね(図示せず)によって、力を付勢され、軸部21aの先端面から突出している。
図1又は図2を参照すると、プッシュリング21rは、軸部21aの下方に配置されている。又、プッシュリング21rは、接続軸部22が嵌合自在な穴211を中心部に開口している。圧縮コイルばね21sは、接続軸部22を巻装している。又、圧縮コイルばね21sは、パイプ部材3の底面とプッシュリング21rの間に配置されている。そして、圧縮コイルばね21sは、プッシュリング21rが軸部21aの底面に向う力を付勢している。
図1を参照すると、接続具2は、円柱状の接続軸部22の底面から雄ねじ部22aを突出している。一方、図2(A)を参照すると、パイプ部材3は、雄ねじ部22aを挿通自在な止め穴31hを中心部に開口している。
図1又は図2を参照して、雄ねじ部22aを止め穴31hに挿通した後に、雄ねじ部22aにナット部材を締結することで(図2(A)参照)、パイプ部材3の底面に接続具2を固定できる。
図2又は図5を参照して、接続具2の一対のピン21b・21bを軸穴74aの軸方向に相対的に挿入した後に、これらのピン21b・21bを軸穴74aの周方向に相対的に回動することで、これらのピン21b・21bを係合溝74b・74bに係合できる。つまり、図5に示した共用操作棒7には、接続具2を着脱自在に接続できる。この場合、プッシュリング21rがジョイント部74の底面を押圧しているので、ジョイント部74と接続具2の係合状態を維持できる。
図2又は図5を参照して、ジョイント部74と接続具2が係合した状態から、ジョイント部74をパイプ部材3の底面に向って押し下げ、接続具2に対してジョイント部74を他方の方向に回転すると、共用操作棒7のジョイント部74と接続具2との接続を解除できる。
(溝付きパイプ部材の構成)
次に、実施形態によるパイプ部材3の構成を説明する。図1又は図2及び図5を参照すると、パイプ部材3は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して、一端面を開口し、他端部側を閉塞した筒状のパイプ部材3を得ることができる。
図1又は図2及び図5を参照すると、パイプ部材3は、中心部に向かって窪んだ螺旋状の溝31dを形成している。溝31dには、ヒーター線3hを埋設している。ヒーター線3hは、例えば、ニクロム線を用いることができる。ヒーター線3hは、絶縁性を有する耐熱チューブで被覆しておくことが好ましい。伝熱性接着剤を用いて、耐熱チューブ付きヒーター線3hを溝31dの内部に固定することもできる。
図1を参照すると、パイプ部材3の溝31dには、二本のヒーター線3h・3hを埋設している。二本のヒーター線3h・3hは、その末端部において折り返されている。又、二本のヒーター線3h・3hは、それらの端末を孔部32hに挿通している。そして、二本のヒーター線3h・3hの端末は、パイプ部材3の底部の内部に導入できる。
図1又は図2(A)を参照すると、パイプ部材3は、一対の係止開口33h・33hを他端部側に開口している。これらの係止開口33h・33hには、後述する第1ケーシング5に設けた一対のランス5r・5rを係止できる。係止開口33hにランス5rが係止することで、筒状グリップ1の底部に第1ケーシング5を直列に接続できる。
(グリップ部材の構成)
次に、実施形態によるグリップ部材4の構成を説明する。図1又は図2及び図5を参照すると、グリップ部材4は、天然ゴム又は合成ゴムからなることが好ましく、天然ゴム又は合成ゴムを成形した筒状のグリップ部材4を得ることができる。
図1又は図2及び図5を参照すると、グリップ部材4は、パイプ部材3の外周を略密着状態で被っている。パイプ部材3の外周をゴム製のグリップ部材4で被うことで、通電中のヒーター線3hに接触することなく、保護できる。又、パイプ部材3の外周をゴム製のグリップ部材4で被うことで、容易に滑ることなくグリップ部材4を把持できる。
図1又は図2及び図5を参照すると、グリップ部材4は、輪帯状のトレッド4tを外周に連設している。これにより、容易に滑ることなくグリップ部材4を確実に把持できる。又、グリップ部材4は、肉厚のフランジ部4fを両端部に形成している。グリップ部材4の両端部に肉厚のフランジ部4fを形成することで、グリップ部材4をパイプ部材3に確実に係止できる。又、グリップ部材4とパイプ部材3の間に雨水などが進入することを抑制できる。
(第1ケーシングの構成)
次に、実施形態による第1ケーシング5の構成を説明する。図1又は図2を参照すると、第1ケーシング5は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して、中間部を隔壁51bで遮蔽した筒状の第1ケーシング5を得ることができる。
図1又は図2を参照すると、第1ケーシング5は、一対のランス5r・5rを上部に有している。一対のランス5r・5rは、第1ケーシング5の外周から相反する向きに突出している。第1ケーシング5の上部を先頭に、第1ケーシング5をパイプ部材3の底部に挿入すると、係止開口33hにランス5rを係止できる。係止開口33hにランス5rが係止することで、パイプ部材3に対して、第1ケーシング5を回り止めでき、筒状グリップ1の底部に第1ケーシング5を直列に接続できる。
図1又は図2を参照すると、第1ケーシング5は、上端縁から隔壁51bに向かって切り欠いた切り欠き5kを形成している。又、第1ケーシング5は、コード配設室51を内部に形成している。図1を参照して、孔部32hと切り欠き5kが一致した状態で、パイプ部材3の底部に第1ケーシング5を接続することで、二本のヒーター線3h・3hの端末をコード配設室51に導入できる。
図1又は図2を参照すると、第1ケーシング5は、一組の接続端子51t・51tを隔壁51bに実装している。接続端子51tは、その一端部が隔壁51bから突出している。二本のヒーター線3h・3hの端末は、予長をもって、一組の接続端子51t・51tの一端部に電気的に接続できる。
(第2ケーシングの構成)
次に、実施形態による第2ケーシング6の構成を説明する。図1から図3を参照すると、第2ケーシング6は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して、一端面を開口し、他端面を閉塞した筒状の第2ケーシング6を得ることができる。第2ケーシング6は、三つの電池63を収容した電池ケース65を内部収容できる(図4参照)。
図1を参照すると、第2ケーシング6は、雄ねじ部61mを一端部の外壁に形成している。一方、第1ケーシング5は、雌ねじ部51fを底部の内壁に形成している。雌ねじ部51fには雄ねじ部61mを螺合でき(図2参照)、第1ケーシング5に対して、第2ケーシング6を着脱自在に直列に接続できる。
図1又は図2(A)を参照すると、第2ケーシング6は、他端部の底面を閉塞している。そして、第2筒体212は、導電性を有する線体を巻き回した渦巻ばね61sを底面に固定している(図2(A)参照)。渦巻ばね61sは、電池ケース65を隔壁51bの底面に押圧する力を付勢している。
図2(A)を参照すると、渦巻ばね61sは、電池63の負極側に電気的に接続する負極端子となっている。一方、第2ケーシング6は、第1導電部材61eを内壁に貼り付けている。
図1又は図2(A)を参照すると、第1導電部材61eの一端部は、渦巻ばね61sに電気的に接続している。第1導電部材61eは、第2ケーシング6の内壁の軸方向に延び、他端部は、第2ケーシング6の内壁の周方向に環状に形成している。
図2(A)を参照すると、一方の接続端子51tは、板ばね端子51eを他端部に固定している。板ばね端子51eの先端部は、第1導電部材61eの環状部に接触できる。これにより、第1導電部材61eは、電池63の負極端子と一方の接続端子51tを電気的に接続できる。
一方、図1又は図2(A)を参照すると、電池ケース65は、一方の端子板65aの中心部に円板状の第2導電部材62eを取り付けている。第2導電部材62eは、電池23の陽極側と電気的に接続している。
図2(A)を参照すると、第1ケーシング5と第2ケーシング6を接続した状態では、渦巻ばね61sに付勢されて、第2導電部材62eは、他方の接続端子51tの他端部に接触できる。これにより、第2導電部材62eは、電池63の負極端子と他方の接続端子51tを電気的に接続できる。
(切り換えスイッチの構成)
次に、実施形態による切り換えスイッチ64の構成を説明する。図2又は図3を参照すると、第2ケーシング6は、切り換えスイッチ64を底部に備えている。切り換えスイッチ64は、電池63からヒーター線3hに電力を供給する接続状態と、電池63からヒーター線3hに電力を供給しない遮断状態に切り換えることができる。
図2を参照すると、切り換えスイッチ64は、実体として、スライドスイッチで構成している。そして、切り換えスイッチ64は、可動端子板64tを底部に配置している(図2(B)参照)。可動端子板64tは、第1導電部材61eの経路の途上に配置されている。
図2(B)又は図3を参照して、切り換えスイッチ64を一方の方向に移動すると、可動端子板64tが分断した第1導電部材61eを接続でき、電池63からヒーター線3hに電力を供給できる。一方、切り換えスイッチ64を他方の方向に移動すると、可動端子板64tが第1導電部材61eを分断でき、電池63からヒーター線3hに電力を供給しない遮断状態に切り換えることができる。
(電池ケースの構成)
次に、実施形態による電池ケース65の構成を説明する。図1又は図2(A)及び図4を参照すると、第2ケーシング6は、円筒状の電池ケース65を更に備えている。電池ケース65は、単3乾電池からなる三つの円筒状の電池23の外周を互いに当接した状態で、三つの電池23を収容できる。
又、図1を参照すると、電池ケース25は、三つの電池23を電気的に直列に接続する一対の略円形の端子板65a・65bを両端部に有している。一方の端子板65aは、三つの電池63を電気的に直列に接続する陽極端子板になっている。そして、一方の端子板65aは、他方の接続端子51tの他端部に接続自在な第2導電部材62eを有している。
図1又は図2(A)及び図4を参照すると、他方の端子板65bは、三つの電池23を電気的に直列に接続する負極端子板になっている。そして、他方の端子板65bは、負極端子となる渦巻ばね61sに接続自在になっている(図2(A)参照)。なお、他方の端子板65bは、電池ケース65と開閉自在に図示しないヒンジで連結している。そして、他方の端子板65bを開いて、電池23を交換できる。
図1を参照すると、電池ケース65は、第2ケーシング6の開口側から、第2ケーシング62の内部に収容できる。そして、図2(B)を参照すると、電池ケース65は、第2ケーシング6の内壁から突出した複数のリブ614で外周が保持されている。
[共用操作棒用加温装置の作用]
次に、実施形態による加温装置10の操作方法を説明しながら、加温装置10の作用及び効果を説明する。
最初に、図5を参照して、共用操作棒7の把持部73を筒状グリップ1の内部に導入する。次に、共用操作棒7のジョイント部74を接続具2に接続する(図2参照)。次に、図4を参照して、切り換えスイッチ64を一方の方向に移動することで、電池63からヒーター線3hに電力を供給する接続状態に切り換えることができる。
図5を参照して、ヒーター線3hを通電すると、ヒーター線3hの熱をグリップ部材4に伝導できる。これにより、筒状グリップ1を把持することで、加温状態で共用操作棒7を操作できる(図6参照)。
図1から図6を参照すると、加温装置10は、一端面を開口し、共用操作棒7のジョイント部74と接続自在なツイストロック形の接続具2を底面に配置し、ヒーター線3hを周壁に内蔵した筒状グリップ1で少なくとも加温装置を構成し、筒状グリップ1を共用操作棒7の基端部から差し込み、共用操作棒7の把持部73の周囲を囲うことで、加温状態で筒状グリップ1を把持できる。
又、図6を参照すると、実施形態による加温装置10は、筒状グリップ1が共用操作棒7に備わる限界鍔7bに到達する長さになっており、かつ、筒状グリップ1の外径が限界鍔7bの外径より小さく形成していることから、筒状グリップ1に雨水が進入することを抑制する効果も期待できる。
本発明による共用操作棒用加温装置は、次のような効果が期待できる。
(1)寒冷地又は冬の寒い時期などでも、常に手が温かい状態で作業ができる。
(2)低温に起因する手の傷害のリスクを少しでも軽減できる。
(3)手を温めるために、作業を中断しなくて済む。
本発明は、共用操作棒に接続自在な加温装置を開示したが、本発明の共用操作棒用加温装置は、絶縁ヤットコなどの絶縁操作棒に適用することが期待される。
1 筒状グリップ
2 接続具
3h ヒーター線
7 共用操作棒
10 加温装置(共用操作棒用加温装置)
73 把持部
74 ジョイント部

Claims (6)

  1. 円筒状のジョイント部を基端部に有し、基端部側の円筒状の把持部を把持して、先端工具を操作するための長尺の共用操作棒の前記把持部に着脱自在な共用操作棒用加温装置であって、
    前記共用操作棒の基端部から前記把持部を内部に導入可能に一端面を開口し、ヒーター線を周壁に内蔵した筒状グリップを備え、
    前記筒状グリップは、前記ジョイント部と接続自在な接続具を底面に有し、
    前記ジョイント部が前記接続具と接続した状態では、前記筒状グリップは、その外周を把持可能に前記把持部の周囲を囲っている、共用操作棒用加温装置。
  2. 前記筒状グリップは、その先端縁が前記共用操作棒に備わる限界鍔に到達する長さになっている、請求項1記載の共用操作棒用加温装置。
  3. 前記筒状グリップは、
    前記ヒーター線が埋設される螺旋溝を外周に形成した溝付きパイプ部材と、
    前記溝付きパイプ部材の外周を略密着状態で被うグリップ部材と、を含んでいる、請求項1又は2記載の共用操作棒用加温装置。
  4. 前記筒状グリップの底部と着脱自在に直列に接続でき、前記ヒーター線の端末を導入可能なコード配設室を内部に形成した筒状の第1ケーシングと、
    前記第1ケーシングの底部と着脱自在に直列に接続でき、前記ヒーター線に電力を供給する一つ以上の電池を内部に有する、筒状の第2ケーシングと、を更に備え、
    前記第1ケーシングは、前記ヒーター線の端末が接続される一組の接続端子を底部に有し、
    前記第2ケーシングは、
    前記電池の負極端子と一方の前記接続端子を電気的に接続する第1導電部材と、
    前記電池の陽極端子と他方の前記接続端子を電気的に接続する第2導電部材と、を内部に有している、請求項3記載の共用操作棒用加温装置。
  5. 前記第2ケーシングは、前記電池から前記ヒーター線に電力を供給する接続状態と、前記電池から前記ヒーター線に電力を供給しない遮断状態に切り換える切り換えスイッチを更に備えている、請求項4記載の共用操作棒用加温装置。
  6. 前記第2ケーシングは、前記電池の外周を互いに当接した状態で三つの前記電池を収容自在な円筒状の電池ケースを更に備え、
    この電池ケースは、これらの電池を電気的に直列に接続する一対の端子板を両端部に有している、請求項4又は5記載の共用操作棒用加温装置。
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