JP2019047206A - 画像処理装置、画像形成装置、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】線又は文字であることを示す画素と線又は文字でないことを示す画素との境界について常に一律に画素値を調整すると比較して、画像における線又は文字の太さを柔軟に調整することができる画像処理装置、画像形成装置、及びプログラムを提供する。【解決手段】画像処理装置10Aは、画像における線又は文字の一部を示す第1画素との境界に沿う第2画素であって、線又は文字の一部ではないことを示す第2画素である注目画素毎に、擬似乱数の値を閾値と比較した結果に応じて、注目画素に対応する画素値の調整を行うか否かを決定し、調整を行うと決定した場合に、注目画素に対応する画素値を、注目画素の近傍に位置する第1画素である近傍画素の画素値に基づいて調整する調整部34を備え、擬似乱数の範囲及び閾値の少なくとも一方は変更可能である。【選択図】図2
Description
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、及びプログラムに関する。
特許文献1には、画像からエッジ部か否かの判定を行うエッジ判定部と、エッジ判定部の判定結果に基づいて画像のエッジ領域を広げてエッジ部と再判定するエッジ再判定部とを備えた画像処理装置が記載されている。この画像処理装置は、更に、エッジ判定部及びエッジ再判定部によりエッジ部と判定された画像と、非エッジ部と判定された画像とで異なる処理を施す処理部と、画像の注目画素の濃度に基づいてエッジ再判定部による再判定処理の内容を変更する変更部とを備える。
特許文献2には、上記特許文献1と同様に、エッジ判定部及びエッジ再判定部を備えた画像処理装置が記載されている。この画像処理装置は、更に、エッジ判定部及びエッジ再判定部によりエッジ部と判定された画像と、非エッジ部と判定された画像とで異なる処理を施す処理部と、画像の入力解像度に基づいてエッジ再判定部による再判定処理の内容を変更する変更部とを備える。
特許文献3には、画像の各々の画素を注目画素として、注目画素を含む判定領域の濃度が閾値以上であるか否かを判定する画像処理装置が記載されている。この閾値は、注目画素の濃度に応じて設定された閾値であって、注目画素が画像のエッジ部分に相当するエッジ画素か否かを判定するための閾値である。この画像処理装置は、更に、上記判定領域の濃度が上記閾値以上の場合に、注目画素をエッジ画素として検出し、検出したエッジ画素のうち予め定めた濃度以上の濃度を有するエッジ画素に対して、当該エッジ画素の濃度に応じた補正を行う。
ところで、電子写真方式等による画像形成装置では、外部環境における温度や湿度、更に、装置内部のマーキング特性等の様々な要因の影響を受けて、印刷された線や文字に、太りや、つぶれ、かすれ等が生じる場合がある。
本発明は、線又は文字であることを示す画素と線又は文字でないことを示す画素との境界について常に一律に画素値を調整する場合と比較して、画像における線又は文字の太さを柔軟に調整することができる画像処理装置、画像形成装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像処理装置は、画像における線又は文字の一部を示す第1画素との境界に沿う第2画素であって、線又は文字の一部ではないことを示す前記第2画素である注目画素毎に、擬似乱数の値を閾値と比較した結果に応じて、前記注目画素に対応する画素値の調整を行うか否かを決定し、調整を行うと決定した場合に、前記注目画素に対応する画素値を、前記注目画素の近傍に位置する前記第1画素である近傍画素の画素値に基づいて調整する調整部を備え、前記擬似乱数の範囲及び前記閾値の少なくとも一方は変更可能であるとされている。
また、請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記調整部が、前記閾値を、前記擬似乱数の範囲内で受け付けるものである。
また、請求項3に記載の画像処理装置は、請求項2に記載の発明において、前記擬似乱数の範囲が、固定されているものである。
また、請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記調整部が、前記擬似乱数の範囲を受け付けるものである。
また、請求項5に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の発明において、前記閾値が、固定されているものである。
また、請求項6に記載の画像処理装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記画像の各画素に対して、前記線又は文字の一部であることを示す線文字タグ、及び、前記線又は文字の一部ではないことを示す非線文字タグのいずれか一方を割り当てる割当部と、前記注目画素を含む予め定められた領域毎に、前記割当部により前記線文字タグが割り当てられた画素である前記第1画素と、前記非線文字タグが割り当てられた画素である前記第2画素との前記境界を検出する検出部と、を更に備えたものである。
また、請求項7に記載の画像処理装置は、請求項6に記載の発明において、前記検出部が、前記領域に対応する境界検出用パターンであって、前記注目画素、前記第1画素、前記第2画素、及び前記近傍画素の位置関係が予め規定された前記境界検出用パターンを用いて、前記境界を検出するものである。
一方、上記目的を達成するために、請求項8に記載の画像形成装置は、画像における線又は文字の一部を示す第1画素との境界に沿う第2画素であって、線又は文字の一部ではないことを示す前記第2画素である注目画素毎に、擬似乱数の値を閾値と比較した結果に応じて、前記注目画素に対応する画素値の調整を行うか否かを決定し、前記調整を行うと決定した場合に、前記注目画素に対応する画素値を、前記注目画素の近傍に位置する前記第1画素である近傍画素の画素値に基づいて調整する調整部と、前記調整部により画素値が調整された前記画像を記録媒体に形成する形成部と、を備え、前記擬似乱数の範囲及び前記閾値の少なくとも一方は変更可能であるとされている。
更に、上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置が備える各部として機能させるためのものである。
請求項1、請求項2、請求項4、請求項8、及び請求項9に係る発明によれば、線又は文字であることを示す画素と線又は文字でないことを示す画素との境界について常に一律に画素値を調整する場合と比較して、画像における線又は文字の太さを柔軟に調整することができる。
請求項3に係る発明によれば、擬似乱数の範囲を固定しない場合と比べ、処理負荷を軽減することができる。
請求項5に係る発明によれば、閾値を固定しない場合と比べ、処理負荷を軽減することができる。
請求項6に係る発明によれば、各画素に線又は文字の一部であるか否かを示すタグを割り当てない場合と比べて、線文字タグが割り当てられた画素と、非線文字タグが割り当てられた画素との境界をより的確に検出することができる。
請求項7に係る発明によれば、境界検出用パターンを用いない場合と比べて、線文字タグが割り当てられた画素と、非線文字タグが割り当てられた画素との境界をより的確に検出することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10Aは、画像処理部11と、表示部16と、操作部18と、画像形成部20と、原稿読取部22と、通信部24と、を備える。画像処理部11は、画像処理装置の一例である。画像処理部11は、制御部12と、記憶部14と、を含んで構成されている。
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10Aは、画像処理部11と、表示部16と、操作部18と、画像形成部20と、原稿読取部22と、通信部24と、を備える。画像処理部11は、画像処理装置の一例である。画像処理部11は、制御部12と、記憶部14と、を含んで構成されている。
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、及び入出力インターフェース(I/O)12Dを備えており、これら各部がバスを介して各々接続されている。
I/O12Dには、記憶部14と、表示部16と、操作部18と、画像形成部20と、原稿読取部22と、通信部24と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O12Dを介して、CPU12Aと相互に通信可能とされる。
制御部12は、画像形成装置10Aの全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部12の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部12の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
記憶部14としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部14には、画像処理プログラム14Aが記憶される。なお、この画像処理プログラム14Aは、ROM12Bに記憶されていてもよい。
画像処理プログラム14Aは、例えば、画像形成装置10Aに予めインストールされていてもよい。画像処理プログラム14Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、画像形成装置10Aに適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有している。操作部18には、テンキーやスタートキー等の各種の操作キーが設けられている。表示部16及び操作部18は、画像形成装置10Aのユーザから各種の指示を受け付ける。この各種の指示には、例えば、原稿の読み取りを開始させる指示や、原稿のコピーを開始させる指示等が含まれる。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
原稿読取部22は、画像形成装置10Aの上部に設けられた図示しない自動原稿送り装置の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、原稿読取部22は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
画像形成部20は、原稿読取部22による読み取りによって得られた画像情報、又は、ネットワークを介して接続された外部のPC等から得られた画像情報に基づく画像を、紙等の記録媒体に形成する。なお、本実施形態においては、画像を形成する方式として、電子写真方式を例示して説明するが、インクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。なお、画像形成部20は、形成部の一例である。
画像を形成する方式が電子写真方式の場合、画像形成部20は、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、及び定着部を含む。帯電部は、感光体ドラムに電圧を印加して感光体ドラムの表面を帯電させる。露光部は、帯電部で帯電された感光体ドラムを画像情報に応じた光で露光することにより感光体ドラムに静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像することで感光体ドラムにトナー像を形成する。転写部は、感光体ドラムに形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着部は、記録媒体に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる。
通信部24は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、図示しない外部のPC等との間でネットワークを介して通信が可能とされる。なお、通信部24とネットワークとは有線で接続されていてもよく、無線で接続されていてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置10AのCPU12Aは、記憶部14に記憶されている画像処理プログラム14AをRAM12Cに書き込んで実行することにより、図2に示す各部として機能する。
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10AのCPU12Aは、ラスタライズ部30、検出部32、調整部34、及び合成部36として機能する。なお、ラスタライズ部30は、割当部の一例である。
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10AのCPU12Aは、ラスタライズ部30、検出部32、調整部34、及び合成部36として機能する。なお、ラスタライズ部30は、割当部の一例である。
本実施形態において、ラスタライズ部30は、入力されたベクタ画像をラスタライズしてラスタ画像を生成する。ベクタ画像とは、画像を円や直線等の幾何的な図形の集まりとして表現するベクタ形式の画像である。一方、ラスタ画像(所謂ビットマップ画像ともいう。)とは、画像を各点の濃淡の集まりとして表現するラスタ形式の画像である。ラスタ画像の各画素は、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、及びK(ブラック)の各色の画素値(階調値)を有している。
また、本実施形態に係るラスタライズ部30は、ラスタ画像に含まれる各画素に、線又は文字の一部であることを示す線文字タグ、及び、線又は文字ではないことを示す非線文字タグのいずれか一方を割り当てる。
検出部32は、ラスタ画像における注目画素を含む予め定められた領域毎に、ラスタライズ部30により線文字タグが割り当てられた画素と、非線文字タグが割り当てられた画素との境界を検出する。なお、本実施形態では、線文字タグが割り当てられた画素を線文字画素といい、非線文字タグが割り当てられた画素を非線文字画素という。線文字画素は、第1画素の一例であり、非線文字画素は、第2画素の一例である。
調整部34は、検出部32により検出された境界に沿う非線文字画素である注目画素毎に、擬似乱数の値を閾値と比較した結果に応じて、注目画素に対応する画素値の調整を行うか否かを決定する。調整部34は、調整を行うと決定した場合に、注目画素に対応する画素値を、近傍画素の画素値に基づいて調整する。なお、近傍画素とは、注目画素の近傍に位置する線文字画素である。また、ここでいう「近傍」とは、注目画素を基準として予め定められた距離内の位置を表し、例えば、注目画素から3画素以内の位置(本実施形態では1画素以内の位置)を表すものとする。また、擬似乱数の生成には、一例として、線形合同法や、線形帰還シフトレジスタ法、キャリー付き乗算法、Xorshift法、Lagged Fibonacci法等の公知のアルゴリズムが用いられる。
合成部36は、ラスタライズ部30によりラスタライズされたラスタ画像と、調整部34により画素値が調整された注目画素を有する修正画像とを合成して合成画像を出力する。なお、この修正画像については後述する。
次に、図3〜図10を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10Aが備えるラスタライズ部30、検出部32、調整部34、及び合成部36の各部について具体的に説明する。
なお、本実施形態では、線文字画素と非線文字画素との境界を検出するために線文字タグ及び非線文字タグを用いているが、当該境界を検出するために画素値演算による手法を用いてもよい。
まず、本実施形態に係る画像形成装置10Aによるラスタライズ処理について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aによるラスタライズ処理の一例を説明するための模式図である。
本実施形態に係るラスタライズ部30は、図3に示すように、ベクタ画像と共に、ベクタ画像のオブジェクト情報の入力を受け付ける。ベクタ画像のオブジェクト情報とは、例えば、グラフィックでは点の座標や、線の角度等の図形要素に関する情報とされ、テキストでは文字コードや、フォントの種類、大きさ等の文字要素に関する情報とされる。ラスタライズ部30は、オブジェクト情報を用いて、ベクタ画像をラスタライズしてラスタ画像を生成する。
また、ラスタライズ部30は、上記のオブジェクト情報に基づいて、ラスタ画像の各画素に対して、線文字タグ及び非線文字タグのいずれか一方を割り当てる。本実施形態に係るラスタライズ部30は、割り当てた結果として、ラスタ画像の各画素に対応付けて、線文字タグ又は非線文字タグを区別するための1ビットの情報を記憶部14に記憶する。例えば、当該情報が「0」であれば、線文字タグが割り当てられていることを示し、当該情報が「1」であれば、非線文字タグが割り当てられていることを示す。本実施形態では、図3に示すように、線文字タグが割り当てられた画素を線文字画素Tg1とし、非線文字タグが割り当てられた画素を非線文字画素Tg2として区別するものとする。
次に、本実施形態に係る画像形成装置10Aによる境界検出処理について説明する。
図4は、本実施形態に係るラスタ画像の境界検出処理における処理順の一例を示す模式図である。
図4の矢印で示すように、本実施形態に係る境界検出処理では、ラスタ画像の左上角点を始点、右下角点を終点とし、注目画素をラスタ画像の左端から右端に向け、かつ、上端から下端に向けて、1画素分ずつ移動させながら、境界の検出が行われる。
図4の矢印で示すように、本実施形態に係る境界検出処理では、ラスタ画像の左上角点を始点、右下角点を終点とし、注目画素をラスタ画像の左端から右端に向け、かつ、上端から下端に向けて、1画素分ずつ移動させながら、境界の検出が行われる。
図5は、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aによる境界検出処理の一例を説明するための模式図である。
本実施形態に係る検出部32は、一例として、図5に示すように、注目画素Ap1を含む領域40毎に、線文字画素Tg1と非線文字画素Tg2との境界を検出する。領域40としては、一例として、3×3の領域を示しているが、5×5、7×7等の領域でもよい。なお、領域40における画素の配置としては、縦方向の画素数と横方向の画素数とが同一となる配置に限らず、縦方向の画素数と横方向の画素数とが異なる配置でもよい。
ここで、検出部32は、領域40に対応する境界検出用パターンを用いて、ラスタ画像に対してパターンマッチングを行うことにより、線文字画素Tg1と非線文字画素Tg2との境界を検出する。
図6は、本実施形態に係る境界検出用パターンの一例を示す模式図である。
図6に示すように、本実施形態に係る境界検出用パターンの各々は、上記の領域40に対応するパターンマッチング用の画像であり、本実施形態では、領域40と同一の3×3の画像が適用される。
図6に示すように、本実施形態に係る境界検出用パターンの各々は、上記の領域40に対応するパターンマッチング用の画像であり、本実施形態では、領域40と同一の3×3の画像が適用される。
本実施形態に係る境界検出用パターンでは、注目画素Ap1、線文字画素Tg1、非線文字画素Tg2、及び近傍画素Np1の位置関係が予め規定されている。画素Dc1は、画素値が任意(Don't Care)であることを示す画素である。なお、本実施形態では、境界検出用パターンの中央に位置する画素を注目画素Ap1とする。注目画素Ap1は、非線文字画素Tg2である。近傍画素Np1は、注目画素Ap1の近傍に位置する線文字画素Tg1である。近傍画素Np1は、注目画素Ap1を基準として予め定められた距離内に位置する画素である。近傍画素Np1には、例えば、注目画素Ap1から3画素以内に位置する画素が適用される。近傍画素Np1の画素値は、後述するように、注目画素Ap1に対応する画素値の調整に使用される。
本実施形態において、記憶部14には、複数種類の境界検出用パターンが予め格納されている。本実施形態に係る注目画素Ap1の近傍画素Np1は、注目画素Ap1の右隣、左隣、上隣、及び下隣のいずれかに位置する画素である。すなわち、境界検出用パターンは、図6に示すように、近傍画素Np1が注目画素Ap1の右隣、左隣、上隣、及び下隣のいずれかに位置する場合について、複数種類ずつ設けられている。なお、本実施形態は、境界検出用パターンを、近傍画素Np1が注目画素Ap1の右隣、左隣、上隣、及び下隣の各々に位置する場合について1種類ずつ設ける場合についても同様に適用される。
本実施形態に係る検出部32は、上記の各隣接方向毎に複数種類ずつの境界検出用パターンを選択的に用いて、ラスタ画像に対してパターンマッチングを行う。例えば、近傍画素Np1の位置が注目画素Ap1の右隣、左隣、上隣、及び下隣に位置する全てのパターンを用いてもよいし、近傍画素Np1が注目画素Ap1の右隣及び下隣に位置するパターンのみを用いてもよい。このような境界検出用パターンの使い分けにより、後述の画素値調整処理において線及び文字が異なる太さに調整される。例えば、右隣、左隣、上隣、及び下隣の全てのパターンを用いた場合、線及び文字の太さが2画素相当分太く調整される。一方、右隣及び下隣のパターンのみを用いた場合、線及び文字の太さが1画素相当分太く調整される。なお、線及び文字の太さをどの程度調整するかは、ユーザが設定可能とすることが望ましい。例えば、ユーザが太さ調整量のレベルを設定するための調整量設定画面(図示省略)を表示可能とする。この調整量設定画面において、例えば、レベル大が設定された場合には、2画素相当分太く調整されるようにパターンが選択され、レベル小が設定された場合には、1画素相当分太く調整されるようにパターンが選択される。
検出部32は、図5に示す領域40内の画素の配置パターンが、図6に示す境界検出用パターンのいずれかに合致した場合、線文字画素Tg1と非線文字画素Tg2との境界が存在すると判定する。ここで、領域40内の画素の配置パターンと境界検出用パターンとが合致する場合とは、線文字画素Tg1と非線文字画素Tg2との境界が検出され、かつ、注目画素Ap1が非線文字画素Tg2である場合である。一方、領域40内の画素の配置パターンが、図6に示す境界検出用パターンのいずれにも合致しない場合、線文字画素Tg1と非線文字画素Tg2との境界は存在しないと判定する。
ところで、本実施形態に係る画像形成装置10Aでは、連続的画素値調整処理と、不規則的画素値調整処理とが選択的に実行される。いずれの画素値調整処理を実行するかは、例えば、ユーザにより選択可能とすることが望ましい。連続的画素値調整処理とは、パターンマッチングにより境界が検出された全ての注目画素Ap1に対して、連続的に画素値の調整を行う処理である。連続的画素値調整処理は、調整部34及び合成部36が実行する処理である。一方、不規則的画素値調整処理とは、パターンマッチングにより境界が検出された注目画素Ap1に対して、不規則的に画素値の調整を行う処理である。不規則的画素値調整処理も、調整部34及び合成部36が実行する処理である。
まず、本実施形態に係る画像形成装置10Aが連続的画素値調整処理を行う場合における調整部34及び合成部36の各々の動作について説明する。
調整部34は、検出部32によるパターンマッチングにより、一例として図6に示す境界検出用パターンのいずれかが合致した場合、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値に基づいて調整する。ここで行う調整として、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値で置き換えてもよいし、近傍画素Np1の画素値に近い値に調整してもよい。なお、近傍画素Np1の画素値に近い値としては、当該画素値を基準として予め定められた範囲内の画素値が適用される。例えば、近傍画素Np1の画素値の80%以上100%未満の範囲の画素値が適用される。
このように、非線文字画素である注目画素Ap1の画素値は、線文字画素である近傍画素Np1の画素値に置き換えられる。あるいは、注目画素Ap1の画素値は、近傍画素Np1の画素値に近い値に調整される。このため、連続的画素値調整処理後の画像では、連続的画素値調整処理前と比べて、線又は文字が太く視認される。
なお、調整部34は、画素値が調整された注目画素Ap1について、連続的画素値調整処理前に注目画素Ap1に割り当てられた非線文字タグを線文字タグに更新する。
ここで、調整部34は、上記の連続的画素値調整処理を、ラスタ画像とは異なる修正画像を用いて行う。なお、ここでいう修正画像とは、近傍画素Np1の画素値に基づいて画素値が調整された注目画素Ap1だけを配置した画像であり、一例として、図7に示される画像である。
図7は、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aによる連続的画素値調整処理後における画像合成処理の一例を説明するための模式図である。
本実施形態に係る合成部36は、一例として、図7に示すように、ラスタライズ部30によりラスタライズされたラスタ画像と、調整部34により画素値が調整された注目画素Ap1のみを有する修正画像とを合成した合成画像を画像形成部20に出力する。
ここで、ラスタ画像と修正画像とを分ける理由について説明する。
上述したように、境界検出用パターンを用いたパターンマッチングは、ラスタ画像に対して実施される。このため、ラスタ画像において注目画素Ap1の画素値を直接調整して線又は文字を太らせてしまうと、線又は文字を太らせた後のラスタ画像に対して更にパターンマッチングが実施され、線又は文字を延々と太らせてしまうという事態が発生する場合がある。
上述したように、境界検出用パターンを用いたパターンマッチングは、ラスタ画像に対して実施される。このため、ラスタ画像において注目画素Ap1の画素値を直接調整して線又は文字を太らせてしまうと、線又は文字を太らせた後のラスタ画像に対して更にパターンマッチングが実施され、線又は文字を延々と太らせてしまうという事態が発生する場合がある。
そこで、本実施形態では、ラスタ画像と修正画像とを分けて処理することで、ラスタ画像自体はオリジナルの状態を維持するようにしている。これにより、上記のように線又は文字を延々と太らせる事態の発生が抑制される。
ところで、上記の連続的画素値調整処理では、境界が検出された注目画素Ap1に対して連続的に画素値の調整が行われるため、必ずしも画像における線又は文字の太さを柔軟に調整できるとは限らない。このため、ユーザによっては、画素値調整後の線又は文字の太さが太過ぎると感じることも起こり得る。
これに対して、不規則的画素値調整処理では、境界が検出された注目画素Ap1に対して、不規則的に画素値の調整が行われる。このため、ユーザには、連続的画素値調整処理により画素値が調整された線又は文字の太さと比べて、線又は文字の太さがやや細くより適切な太さとして視認される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置10Aが不規則的画素値調整処理を行う場合における調整部34及び合成部36の各々の動作について説明する。
調整部34は、検出部32によるパターンマッチングにより、一例として、図6に示す境界検出用パターンのいずれかが合致した場合、一例として、0以上1以下の擬似乱数を発生させる。調整部34は、発生させた擬似乱数の値を閾値と比較した結果に応じて、注目画素Ap1に対応する画素値を調整するか否かを決定する。つまり、擬似乱数を用いることで、調整部34は、画素値を調整する注目画素Ap1と、画素値を調整しない注目画素Ap1とを不規則に決定する。なお、検出部32によるパターンマッチングにより、一例として、図6に示す境界検出用パターンのいずれにも合致しない場合、注目画素Ap1に対応する画素値は調整しない。
具体的には、調整部34は、擬似乱数の値が閾値未満である場合に、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値に基づいて調整する。一方、調整部34は、擬似乱数の値が閾値以上である場合に、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値の如何に係らず調整しない。なお、擬似乱数の値と閾値との大小関係が逆でもよい。つまり、調整部34は、擬似乱数の値が閾値以上である場合に、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値に基づいて調整してもよい。この場合、調整部34は、擬似乱数の値が閾値未満である場合に、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値の如何に係らず調整しない。
調整部34は、上記により、近傍画素Np1の画素値に基づいて、注目画素Ap1に対応する画素値を調整する。ここで行う調整は、上記の連続的画素値調整処理の場合と同様である。この調整の結果、修正画像には、画素値を調整した注目画素Ap1と、画素値を調整しない注目画素Ap1とが不規則に配置される。
なお、調整部34は、上記の連続的画素値調整処理の場合と同様に、画素値が調整された注目画素Ap1について、不規則的画素値調整処理前に注目画素Ap1に割り当てられた非線文字タグを線文字タグに更新する。
ここで、調整部34は、上記の不規則的画素値調整処理を、ラスタ画像とは異なる修正画像を用いて行う。なお、ここでいう修正画像とは、近傍画素Np1の画素値に基づいて画素値が調整された注目画素Ap1と、画素値が調整されない注目画素Ap1とを配置した画像であり、一例として、図8に示される画像である。
図8は、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aによる不規則的画素値調整処理後における画像合成処理の一例を説明するための模式図である。
図8に示すように、ラスタ画像に対して、上記の不規則的画素値調整処理を行った結果、画素値が調整された注目画素Ap1と、画素値が調整されない注目画素Ap1とが不規則に配置された修正画像が生成される。
本実施形態に係る合成部36は、図8に示すように、ラスタライズ部30によりラスタライズされたラスタ画像と、調整部34により生成された修正画像とを合成した合成画像を画像形成部20に出力する。
本実施形態に係る画像形成部20は、合成部36により出力された、図8に示す合成画像を、紙等の記録媒体に形成する。
図9は、第1の実施形態に係る連続的画素値調整処理及び不規則的画素値調整処理の各々を適用した場合の合成画像の一例を示す模式図である。
図9に示すように、連続的画素値調整処理を適用した合成画像では、ラスタ画像における線の太さが1画素相当分太くなっている。これに対して、擬似乱数を用いた不規則的画素値調整処理を適用した合成画像では、ユーザにはラスタ画像における線の太さが1画素相当分よりもやや細くなっているように視認される。これは、不規則的画素値調整処理が適用された合成画像では、ラスタ画像に対して、画素値を調整した画素と、画素値を調整しない画素とが不規則に配置されるためである。なお、図9に示す合成画像は、実際には不規則な凹凸状になっているが、ユーザの目で判別することは難しく、ユーザには連続した線として視認される。
本実施形態に係る調整部34は、擬似乱数の値と比較する閾値を、擬似乱数の最小値以上最大値以下の範囲内で受け付けて、設定可能とする。この場合、擬似乱数の範囲は固定されていることが望ましい。例えば、擬似乱数の値が閾値未満である場合に、注目画素Ap1の画素値を調整し、擬似乱数の値が閾値以上である場合に、注目画素Ap1の画素値を調整しない形態を想定する。この場合、閾値を、擬似乱数の最小値と中間値との間に設定すれば、画素値を調整しない注目画素Ap1の数よりも、画素値を調整する注目画素Ap1の数が少なくなる。ここでいう中間値とは、最小値と最大値との中間となる値を意味する。一例として、擬似乱数の最小値を0、最大値を1、中間値を0.5とした場合、閾値を、最小値「0」と中間値「0.5」との間の、例えば「0.25」に設定する。一方、閾値を、擬似乱数の中間値と最大値との間に設定すれば、画素値を調整しない注目画素Ap1の数よりも、画素値を調整する注目画素Ap1の数が多くなる。一例として、閾値を、中間値「0.5」と最大値「1」との間の、例えば「0.75」に設定する。なお、閾値を、擬似乱数の中間値付近に設定すれば、画素値を調整しない注目画素Ap1の数と、画素値を調整する注目画素Ap1の数とが略等しくなる。
一方、本実施形態に係る調整部34は、擬似乱数の最小値及び最大値で定まる範囲を受け付けて、設定可能としてもよい。この場合、閾値は固定されていることが望ましい。上記の閾値を受け付ける場合と同様に、例えば、擬似乱数の値が閾値未満である場合に、注目画素Ap1の画素値を調整し、擬似乱数の値が閾値以上である場合に、注目画素Ap1の画素値を調整しない場合を想定する。この場合、擬似乱数の最小値及び中間値で定まる範囲内に閾値が含まれるように擬似乱数の範囲を設定すれば、画素値を調整しない注目画素Ap1の数よりも、画素値を調整する注目画素Ap1の数が少なくなる。一例として、閾値を0.5とした場合、擬似乱数の最小値を0.4、最大値を1、中間値を0.7に設定する。一方、擬似乱数の中間値及び最大値で定まる範囲内に閾値が含まれるように擬似乱数の範囲を設定すれば、画素値を調整しない注目画素Ap1の数よりも、画素値を調整する注目画素Ap1の数が多くなる。一例として、閾値を0.5とした場合、擬似乱数の最小値を0、最大値を0.6、中間値を0.3に設定する。なお、擬似乱数の中間値付近を、閾値に設定すれば、画素値を調整しない注目画素Ap1の数と、画素値を調整する注目画素Ap1の数とが略等しくなる。
図10は、第1の実施形態に係る不規則的画素値調整処理における調整量設定画面42の一例を示す正面図である。
図10に示すように、調整量設定画面42は、調整部34が不規則的画素値調整処理における線又は文字の太さの調整量を、ユーザから受け付けるための画面である。この調整量設定画面42は、ユーザの操作に従って、調整部34が表示部16に表示させる。
図10に示すように、調整量設定画面42は、調整部34が不規則的画素値調整処理における線又は文字の太さの調整量を、ユーザから受け付けるための画面である。この調整量設定画面42は、ユーザの操作に従って、調整部34が表示部16に表示させる。
本実施形態に係る調整量設定画面42では、ユーザの好みに応じて、一例として、「大」、「中」、「小」の3段階の調整量が設定可能とされる。調整量設定画面42では、調整量の「大」が最も太く、「中」が中程度、「小」が最も細く調整される。ユーザが、好みの調整量を選択して「設定」ボタンを押圧操作すると、線又は文字の太さが、選択された調整量に応じた太さに調整される。なお、ユーザが「中止」ボタンを押圧操作すると、選択は無効とされ、調整量の設定は行われない。
例えば、擬似乱数の値が閾値未満である場合に、注目画素Ap1の画素値を調整し、擬似乱数の値が閾値以上である場合に、注目画素Ap1の画素値を調整しない形態を想定する。一例として、擬似乱数の範囲を固定し、閾値を設定する場合には、図10に示す調整量設定画面42で「小」が選択されると、閾値が擬似乱数の最小値と中間値との間の予め定められた値に設定される。また、「大」が選択されると、閾値が擬似乱数の中間値と最大値との間の予め定められた値に設定される。また、「中」が選択されると、閾値が擬似乱数の中間値付近の予め定められた値に設定される。
なお、上記では、一例として、擬似乱数の範囲を固定し、閾値を擬似乱数の範囲内で任意に設定する場合について説明したが、閾値を固定し、擬似乱数の範囲を任意に設定する場合でも同様に適用が可能である。
次に、図11を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置10Aの作用を説明する。なお、図11は、第1の実施形態に係る画像処理プログラム14Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置10Aの画像処理に関するメニュー画面(図示省略)において、ユーザの操作により、例えば、「線文字太さ調整」の項目が選択され、実行が指示されると、画像処理プログラム14Aが起動され、以下の各ステップを実行する。なお、ここでは、不規則的画素値調整処理を適用した場合について説明する。
図11のステップ100では、ラスタライズ部30が、上述の図3を参照して説明したように、ベクタ画像及びオブジェクト情報の入力を受け付ける。
ステップ102では、ラスタライズ部30が、上述の図3を参照して説明したように、オブジェクト情報を用いて、ベクタ画像をラスタライズしてラスタ画像を生成する。
ステップ104では、ラスタライズ部30が、上述の図3を参照して説明したように、オブジェクト情報に基づいて、ラスタ画像の各画素に対して、線文字タグ及び非線文字タグのいずれか一方を割り当てる。
ステップ106では、検出部32が、ラスタ画像のM画素目(M=1以上m以下:mはラスタ画像の全画素数)を注目画素Ap1として含む領域40(図5も参照)に対して、図6に示す境界検出用パターンを選択的に用いてパターンマッチングを行う。なお、Mの初期値は「1」に設定されているものとする。
ステップ108では、検出部32が、ステップ106でのパターンマッチングの結果、注目画素Ap1を含む領域40の画素の配置パターンが、複数種類の境界検出用パターンのいずれかと合致したか否かを判定する。合致したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ110に移行し、合致しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ116に移行する。
ステップ110では、調整部34が、注目画素Ap1に対応する画素値を調整するか否かを判定する。具体的には、調整部34は、一例として、擬似乱数の値が閾値未満である場合に、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値に基づいて調整すると判定し(肯定判定)、ステップ112に移行する。一方、調整部34は、一例として、擬似乱数の値が閾値以上である場合に、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値の如何に係らず調整しないと判定し(否定判定)、ステップ116に移行する。
ステップ112では、調整部34が、注目画素Ap1に対して、ステップ108の処理により合致した境界検出用パターンに基づいて、ラスタ画像において、注目画素Ap1に対応する近傍画素Np1の位置を特定する。つまり、近傍画素Np1が、注目画素Ap1の左隣、右隣、上隣、及び下隣のいずれに位置しているかを特定する。
ステップ114では、調整部34が、ステップ112の処理により特定した位置の近傍画素Np1の画素値に基づいて、注目画素Ap1に対応する画素値を調整する。なお、このとき、調整部34は、注目画素Ap1に割り当てられている非線文字タグを線文字タグに更新する。
ステップ116では、調整部34が、ラスタ画像に含まれる全ての画素について処理が終了したか否かを判定する。全ての画素について処理が終了したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ118に移行する。一方、全ての画素について処理が終了していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ106に戻り、ラスタ画像のM画素目(Mを1つだけインクリメント)を注目画素Ap1として処理を繰り返す。
ステップ118では、合成部36が、図8を参照して説明したように、ラスタライズ部30によりラスタライズされたラスタ画像と、調整部34により画素値が調整された注目画素Ap1を有する修正画像とを合成して合成画像を生成する。そして、合成部36は、生成した合成画像を画像形成部20に出力し、上記画像処理プログラム14Aによる一連の処理を終了する。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、線文字タグ及び非線文字タグの2種類のタグを用いて、線と文字とを区別せずに不規則的画素値調整処理を行った。これに対して、本実施形態では、線タグ、文字タグ、非線タグ、及び非文字タグの4種類のタグを用いて、線と文字とを区別して不規則的画素値調整処理を行う。なお、本実施形態は、不規則的画素値調整処理に限らず、連続的画素値調整処理にも同様に適用可能とされる。
上記第1の実施形態では、線文字タグ及び非線文字タグの2種類のタグを用いて、線と文字とを区別せずに不規則的画素値調整処理を行った。これに対して、本実施形態では、線タグ、文字タグ、非線タグ、及び非文字タグの4種類のタグを用いて、線と文字とを区別して不規則的画素値調整処理を行う。なお、本実施形態は、不規則的画素値調整処理に限らず、連続的画素値調整処理にも同様に適用可能とされる。
図12は、第2の実施形態に係る画像形成装置10Bの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10Bは、ラスタライズ部50、検出部52、調整部54、及び合成部36を備える。なお、同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10Bは、ラスタライズ部50、検出部52、調整部54、及び合成部36を備える。なお、同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
図13は、第2の実施形態に係る画像形成装置10Bによるラスタライズ処理の一例を説明するための模式図である。
本実施形態に係るラスタライズ部50は、図13に示すように、線及び文字を含むベクタ画像と共に、ベクタ画像のオブジェクト情報の入力を受け付ける。ラスタライズ部50は、第1の実施形態と同様に、オブジェクト情報に基づいて、ベクタ画像をラスタライズしてラスタ画像を生成する。
本実施形態において、線文字タグは、線タグ及び文字タグを含み、非線文字タグは、非線タグ及び非文字タグを含む。ラスタライズ部50は、上記のオブジェクト情報に基づいて、ラスタ画像の各画素に対して、線タグ、文字タグ、非線タグ、及び非文字タグのいずれか1つを割り当てる。線タグは、画素が線の一部であることを示すタグである。文字タグは、画素が文字の一部であることを示すタグである。非線タグは、画素が非線であることを示すタグである。非文字タグは、画素が非文字であることを示すタグである。
本実施形態では、図13に示すように、線タグが割り当てられた画素を線画素Tg3とし、非線タグが割り当てられた画素を非線画素Tg5として区別する。同様に、文字タグが割り当てられた画素を文字画素Tg4とし、非文字タグが割り当てられた画素を非文字画素Tg6として区別する。但し、非線画素Tg5と非文字画素Tg6とは同一の画素である。本実施形態に係るラスタライズ部50は、割り当てた結果として、ラスタ画像の各画素に対応付けて、線タグ、文字タグ、非線タグ、及び非文字タグを区別するための2ビットの情報を記憶部14に記憶する。例えば、当該情報が「00」であれば、線タグが割り当てられていることを示し、当該情報が「01」であれば、文字タグが割り当てられていることを示す。同様に、当該情報が「10」であれば、非線タグが割り当てられていることを示し、当該情報が「11」であれば、非文字タグが割り当てられていることを示す。
本実施形態に係る検出部52は、上述の図5を参照して説明したように、注目画素Ap1を含む領域40毎に、線画素Tg3と非線画素Tg5との境界を検出する。但し、図5に示す線文字画素Tg1を線画素Tg3と読み替え、非線文字画素Tg2を非線画素Tg5と読み替える。同様に、検出部52は、注目画素Ap1を含む領域40毎に、文字画素Tg4と非文字画素Tg6との境界を検出する。但し、図5に示す線文字画素Tg1を文字画素Tg4と読み替え、非線文字画素Tg2を非文字画素Tg6と読み替える。
本実施形態に係る境界検出処理には、線検出の場合及び文字検出の場合の各々に対して、第1の実施形態と同様に、図6に示す境界検出用パターンを用いたバターンマッチングが適用される。
本実施形態に係る調整部54は、線検出の場合のパターンマッチングにより、図6に示す境界検出用パターンのいずれかが合致した場合、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値に基づいて調整するか否かを判定する。この場合、注目画素Ap1は、非線画素Tg5であり、近傍画素Np1は、線画素Tg3である。そして、線検出の場合には、一例として、図10に示す調整量設定画面42において調整量を「小」にして、擬似乱数を用いた不規則的画素値調整処理を行う。一方、調整部54は、文字検出の場合のパターンマッチングにより、図6に示す境界検出用パターンのいずれかが合致した場合、注目画素Ap1に対応する画素値を、近傍画素Np1の画素値に基づいて調整するか否かを判定する。この場合、注目画素Ap1は、非文字画素Tg6であり、近傍画素Np1は、文字画素Tg4である。そして、文字検出の場合には、一例として、図10に示す調整量設定画面42において調整量を「大」にして、擬似乱数を用いた不規則的画素値調整処理を行う。
上記のように線と文字とで調整量を異ならせることにより、線と文字とが異なる太さに調整される。例えば、調整量設定画面42により設定された調整量が「小」の場合、線の太さが比較的細く視認されるように調整される。一方、調整量設定画面42により設定された調整量が「大」の場合、文字の太さが比較的太く視認されるように調整される。
以上、実施形態として画像処理装置及び画像形成装置を例示して説明した。実施形態は、画像処理装置又は画像形成装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
その他、上記実施形態で説明した画像処理装置又は画像形成装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
10A、10B画像形成装置
11 画像処理部
12 制御部
12A CPU
12B ROM
12C RAM
12D I/O
14 記憶部
14A 画像処理プログラム
16 表示部
18 操作部
20 画像形成部
22 原稿読取部
24 通信部
30、50 ラスタライズ部
32、52 検出部
34、54、 調整部
36 合成部
40 領域
42 調整量設定画面
11 画像処理部
12 制御部
12A CPU
12B ROM
12C RAM
12D I/O
14 記憶部
14A 画像処理プログラム
16 表示部
18 操作部
20 画像形成部
22 原稿読取部
24 通信部
30、50 ラスタライズ部
32、52 検出部
34、54、 調整部
36 合成部
40 領域
42 調整量設定画面
Claims (9)
- 画像における線又は文字の一部を示す第1画素との境界に沿う第2画素であって、線又は文字の一部ではないことを示す前記第2画素である注目画素毎に、擬似乱数の値を閾値と比較した結果に応じて、前記注目画素に対応する画素値の調整を行うか否かを決定し、前記調整を行うと決定した場合に、前記注目画素に対応する画素値を、前記注目画素の近傍に位置する前記第1画素である近傍画素の画素値に基づいて調整する調整部、
を備え、
前記擬似乱数の範囲及び前記閾値の少なくとも一方は変更可能である画像処理装置。 - 前記調整部は、前記閾値を、前記擬似乱数の範囲内で受け付ける請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記擬似乱数の範囲は、固定されている請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記調整部は、前記擬似乱数の範囲を受け付ける請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記閾値は、固定されている請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記画像の各画素に対して、前記線又は文字の一部であることを示す線文字タグ、及び、前記線又は文字の一部ではないことを示す非線文字タグのいずれか一方を割り当てる割当部と、
前記注目画素を含む予め定められた領域毎に、前記割当部により前記線文字タグが割り当てられた画素である前記第1画素と、前記非線文字タグが割り当てられた画素である前記第2画素との前記境界を検出する検出部と、
を更に備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記検出部は、前記領域に対応する境界検出用パターンであって、前記注目画素、前記第1画素、前記第2画素、及び前記近傍画素の位置関係が予め規定された前記境界検出用パターンを用いて、前記境界を検出する請求項6に記載の画像処理装置。
- 画像における線又は文字の一部を示す第1画素との境界に沿う第2画素であって、線又は文字の一部ではないことを示す前記第2画素である注目画素毎に、擬似乱数の値を閾値と比較した結果に応じて、前記注目画素に対応する画素値の調整を行うか否かを決定し、前記調整を行うと決定した場合に、前記注目画素に対応する画素値を、前記注目画素の近傍に位置する前記第1画素である近傍画素の画素値に基づいて調整する調整部と、
前記調整部により画素値が調整された前記画像を記録媒体に形成する形成部と、
を備え、
前記擬似乱数の範囲及び前記閾値の少なくとも一方は変更可能である画像形成装置。 - コンピュータを、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017165849A JP2019047206A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | 画像処理装置、画像形成装置、及びプログラム |
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Family Applications (1)
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