以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1Aは、本発明の一実施形態に係るプリンター100(画像形成装置)の内部構造を示す断面図である。図Bは、プリンター100の斜視図である。図1A、図1Bに示される画像形成装置としてのプリンター100は、いわゆるモノクロプリンター機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
プリンター100は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する筐体101を備える。筐体101は、筐体101の上面を規定する上壁102と、筐体101の底面を規定する底壁103と、上壁102と底壁103との間に立設された本体後壁105と、本体後壁105の前方に位置する本体前壁104と、を含む。筐体101は、各種の装置が配置される本体内部空間107を備える。筐体101の本体内部空間107には、シートSが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路PPが延設されている。
上壁102の中央部には、排紙部102Aが配置される。排紙部102Aは、上壁102の前方部分から後方部分にかけて、下方に傾斜した傾斜面からなる。排紙部102Aには、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。また、本体前壁104には、手差しトレイ104Aが配置される。手差トレイ104Aは、下端を支点として、上下に回動可能である(図1Aの矢印DT、図1Bの矢印DT1参照)。
プリンター100は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120と、定着装置130とを備える。
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、リフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。カセット110は、筐体101に対して、前方に引き出し可能とされる。
ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設され、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ104Aの支点の内側(後側)に配設され、手差トレイ104A上のシートSを筐体101内に引き込む。
搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114のシート搬送方向(以下、単に搬送方向ともいう)の下流に配設され、シートSを更に下流へ搬送する。レジストローラー対116は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
画像形成部120は、感光体ドラム121(像担持体)と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置20と、トナーコンテナ30(現像剤収容容器)と、転写ローラー126(転写部)と、クリーニング装置127とを備える。
感光体ドラム121は、円筒形状を有する。感光体ドラム121は、静電潜像が形成される表面を有するとともに、前記表面に該静電潜像に応じたトナー画像(現像剤像)を担持する。帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、プリンター100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像装置20は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ30は、現像装置20へトナーを補給する。トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱自在に配設されている。現像装置20がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像(現像剤像)が形成される。
転写ローラー126は、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成し、トナー画像をシートSに転写させる。クリーニング装置127は、シートSへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。
定着装置130は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に配置され、シートS上のトナー画像を定着させる。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。
プリンター100は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。シートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、筐体101から排出される。筐体101から排出されたシートSは、排紙部102A上に積み重ねられる。
<現像剤収容容器および現像装置について>
次に、図2A乃至図6を参照して、本実施形態に係るトナーコンテナ30および現像装置20について、更に詳述する。図2A、図2B、図3Aおよび図3Bは、本実施形態に係るトナーコンテナ30の斜視図である。なお、図2Aおよび図3Aは、後記のトナー排出口30Pがコンテナシャッター32によって閉止された状態を示しており、図2Bおよび図3Bは、トナー排出口30Pが開放された状態を示している。また、図4Aおよび図4Bは、本実施形態に係る現像装置20の斜視図である。なお、図4Aは、後記のトナー補給口204が本体シャッター22によって封止された状態を示しており、図4Bは、トナー補給口204が開放された状態を示している。また、図5Aおよび図5Bは、コンテナシャッター32の斜視図である。なお、図5Aは、トナーコンテナ30の外側からコンテナシャッター32を見た図に相当し、図5Bは、トナーコンテナ30の内側からコンテナシャッター32を見た図に相当する。更に、図6は、トナーコンテナ30からコンテナシャッター32が取り外された状態の斜視図である。
トナーコンテナ30は、内部にトナー(現像剤)を収容している。トナーコンテナ30は、一の方向に延びる長手形状を備えている。なお、トナーコンテナ30が筐体101内の現像装置20に装着される際には、トナーコンテナ30の長手方向が左右方向に沿うように配置される。トナーコンテナ30は、コンテナ本体31(容器本体)と、コンテナシャッター32(容器側シャッター)と、コンテナスクリュー33(図2B)と、コンテナパドル30K(図8参照)と、コンテナシール34(図2B)と、を備える。
コンテナ本体31は、トナーコンテナ30の本体部分である。コンテナ本体31は、本体部31Aと、蓋部31Bとを備える。本体部31Aは、コンテナ本体31の下方部分に配置される。コンテナ本体31は、筒形状の周面の一部が切り欠かれた形状からなり、トナーコンテナ30の長手方向に沿って開口部を備えている。蓋部31Bは、本体部31Aの開口部に装着され、本体部31Aとの間でトナーが収容される収容空間を形成する。なお、図8に示すように、トナーコンテナ30の長手方向と交差する断面視において、本体部31Aは略U字形状を備え、蓋部31Bは略台形形状を備えている。また、図2A乃至図3Bに示すように、トナーコンテナ30は、本体部31Aおよび蓋部31Bの結合部分に、コンテナフランジ31Fを備える。コンテナフランジ31Fは、本体部31Aおよび蓋部31Bのそれぞれに備えられ、蓋部31Bが本体部31Aに固定されるために用いられる。トナーコンテナ30の本体部31Aに後記のコンテナスクリュー33などが装填された後、蓋部31Bは、本体部31Aに溶着される。
トナーコンテナ30は、更に、トナー排出口30P(現像剤排出口)と、左ガイド301と、パドル軸受部302と、充填口キャップ303と、スクリュー軸受部304と、コンテナシャッター押圧部305(図2B)と、弾性片押圧部306(図2B)と、ガイドリブ307(図2A)と、排出突起部308(図6)と、コンテナシャッターロックリブ309(図8)と、伝達ギア310(図2A、図3A)と、右ガイド311(図3A)と、ロック押圧部312(図3A)と、中央ガイド片31Pと、を備える。
トナー排出口30Pは、本体部31Aの下面の右端側に開口された開口部である。詳しくは、トナー排出口30Pは、本体部31Aの下面部から更に円弧形状をもって突設された排出突起部308(図6)の周面において、略矩形形状に開口されている。トナーコンテナ30の内部に収容されたトナーは、トナー排出口30Pから排出され、現像装置20に供給される。
左ガイド301は、本体部31Aの左側面において、所定の方向に延びるように長手形状をもって形成された突起である。左ガイド301は、後記の現像装置20の左ガイド溝201Lに係合し、ガイドされる。この結果、トナーコンテナ30の現像装置20に対する装着方向(第1方向、図7Aの矢印DA方向)が規制される。なお、左ガイド301の内部は空洞とされている。パドル軸受部302は、左ガイド301の内部に配置された軸受部である。パドル軸受部302は、コンテナパドル30Kの後記のパドル軸30K1を軸支する。充填口キャップ303は、左ガイド301に隣接して、本体部31Aの左側面に開口された不図示の充填口を封止するキャップである。トナーコンテナ30の製造時に、上記の充填口からコンテナ本体31の内部にトナーが充填される。スクリュー軸受部304は、充填口キャップ303とは反対側において左ガイド301に隣接するように本体部31Aの左側面に備えられた軸受部である。スクリュー軸受部304は、後記のコンテナスクリュー33を回転可能に軸支している。
コンテナシャッター押圧部305(図2B、図3B、図6)は、トナーコンテナ30の長手方向(左右方向)において、トナー排出口30Pが形成された排出突起部308を挟むように突設された一対のリブである。なお、コンテナシャッター押圧部305はトナー排出口30Pよりも、装着時におけるトナーコンテナ30の回転方向(第1回転方向、図2Aの矢印DM)下流側に配置されている。一対のコンテナシャッター押圧部305は、それぞれ前記回転方向に沿って延びるとともに、先端部(コンテナシャッター押圧片305S)がトナーコンテナ30の長手方向に沿うように(左右方向にそれぞれ広がるように)屈曲された形状を備えている。コンテナシャッター押圧部305は、後記の本体シャッター22を押圧するとともに、本体シャッター22によって押圧される機能を備えている。
弾性片押圧部306(図2B、図3B、図6)は、コンテナシャッター押圧部305のコンテナシャッター押圧片305Sに隣接して、本体部31Aから突設された一対の突片である。一対の弾性片押圧部306は、左右方向において一対のコンテナシャッター押圧部305を挟むように配置されている。弾性片押圧部306は、前述のトナーコンテナ30の回転方向に沿って延びるように配置され、トナー排出口30Pから離れるに従って突出高さが高くなるような段差形状を備えている。弾性片押圧部306は、後記のシャッターストッパー32Bの弾性片32B5を押圧する機能を備えている。
ガイドリブ307(図2A、図3A、図6)は、本体部31Aから突設され、コンテナシャッター押圧部305に連結された円弧状の一対のリブ部材である。ガイドリブ307は、コンテナ本体31の回転方向に沿って延びるように形成されている。一対のガイドリブ307は、トナー排出口30Pを左右方向において挟むように配置されている。また、図6に示すように、ガイドリブ307は、トナー排出口30Pよりもコンテナシャッター押圧片305Sとは反対側に延びており、その先端部は、コンテナフランジ31Fの近傍に配置されている。なお、一対のガイドリブ307の外周部は、それぞれ左右方向に屈曲されており、所定の幅を備えている。ガイドリブ307は、後記のコンテナシャッター32を所定の軸心回りにスライド移動可能に支持する。
コンテナシャッターロックリブ309(図6)は、排出突起部308の左右の側縁から前述のトナーコンテナ30の回転方向に沿って延びる一対のリブである。より詳しくは、一対のコンテナシャッターロックリブ309は、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外される際の回転方向(第2回転方向、図2Bの矢印DN)に向かって、排出突起部308の側縁から延びている。コンテナシャッターロックリブ309の先端には、爪状の段差部が形成されている(コンテナシャッター係合部309S)(図6)。当該コンテナシャッター係合部309Sには、後記のシャッターストッパー32Bのストッパーロック片32B4が係合可能とされる。
伝達ギア310(図3A)は、トナーコンテナ30の右側の側面に回転可能に支持された回転ギアである。伝達ギア310は、コンテナパドル30Kに回転駆動力を伝達する機能を備えている。トナーコンテナ30が現像装置20に装着されると、後記の現像装置20の現像ギア群20Gが伝達ギア310に連結され、伝達ギア310に回転駆動力が入力される。
右ガイド311(図3A)は、本体部31Aの右側面に形成された突起である。右ガイド311は、トナーコンテナ30の現像装置20に対する装着方向(第1方向、図7Aの矢印DA方向)に沿って延びるように突設されている。右ガイド311は、後記の現像装置20の右ガイド溝201Rに係合可能とされる。なお、右ガイド311の内部にも、左ガイド301側のパドル軸受部302と同様の軸受部が配置されており、伝達ギア310を貫通したコンテナパドル30Kの軸部を軸支している。
ロック押圧部312は、本体部31Aの右側面において、右ガイド311に対して間隔をおいて、本体部31Aから突設された突起である。左右方向と交差する断面視において、ロック押圧部312は、略台形形状を備えている。ロック押圧部312は、後記のロック当接片202S(図4A)に係合可能とされる。
中央ガイド片31Pは、トナーコンテナ30の本体部31Aの底面において、左右方向の略中央部から突設された直方体形状の突起である。中央ガイド片31Pは、トナーコンテナ30が現像装置20に装着される際に、後記の中央支持部209(図4A)に係合する。
コンテナシャッター32(図2A)は、トナー排出口30Pに対してスライド移動可能にコンテナ本体31に支持され、トナー排出口30Pを封止または開放する。この際、コンテナシャッター32は、コンテナ本体31のガイドリブ307(図3A)に沿って、スライド移動する。コンテナシャッター32は、シャッター本体32Aと、シャッターストッパー32Bとを備える。シャッターストッパー32Bは、シャッター本体32A上に装着される。
図5A、図5Bを参照して、シャッター本体32Aは、コンテナ本体31の周面に沿うような曲面を備えた、略矩形形状の部材である。シャッター本体32Aは、シャッタープレート部32A1と、一対の解除片支持部32A2と、一対のストッパー軸支部32A3と、一対の弾性片支持部32A4と、一対のシャッター孔部32A6(図5B)と、シャッター当接部32A7と、シャッター係合片32A8と、コンテナシャッターシート320と、一対の被ガイド面321と、一対の被ガイド片322と、を備える。
シャッタープレート部32A1は、シャッター本体32Aの本体部分であり、略矩形形状の板状部材である。一対の解除片支持部32A2は、図5Aに示すように、シャッタープレート部32A1の長手方向(図2Aの左右方向)の中央部から突設された突片である。一対の解除片支持部32A2の間に、後記のシャッターストッパー32Bのストッパー解除片32B2が配置される。一対のストッパー軸支部32A3は、一対の解除片支持部32A2の長手方向外側に配置される軸受部である。ストッパー軸支部32A3は、後記のストッパー支点部32B3を回動可能に軸支する。一対の弾性片支持部32A4は、一対のストッパー軸支部32A3の長手方向外側に配置される溝部である。それぞれの弾性片支持部32A4は、シャッタープレート部32A1と面一の底面と、一対の側壁によって形成されている。そして、弾性片支持部32A4の内部に、後記の弾性片32B5が収容される。
図5Bを参照して、一対のシャッター孔部32A6は、シャッタープレート部32A1を貫通するように開口された細長の孔部である。なお、シャッター孔部32A6は、シャッタープレート部32A1のうち第2回転方向(図5Bの矢印DN方向)の先端部に開口されている。シャッター当接部32A7は、一対のシャッター孔部32A6の間に形成された細長の突片であり、長手方向の両端部は、第1回転方向(図5Bの矢印DM方向)下流側に屈曲されている。シャッター当接部32A7は、コンテナシャッター32の第2回転方向への移動を規制する機能を備えている。一対のシャッター係合片32A8は、長手方向において、シャッタープレート部32A1と一対の弾性片支持部32A4との間から突設された突片である。シャッター係合片32A8は、略三角形状からなる。一対のシャッター係合片32A8は、現像装置20の後記の一対のコンテナシャッター固定部207に係合可能とされる。
コンテナシャッターシート320は、コンテナシャッター32のシャッター本体32Aのうち、トナー排出口30Pを封止する面に貼り付けられたシート部材である。本実施形態では、コンテナシャッターシート320は樹脂製のフィルム部材からなる。なお、図5Bに示すように、コンテナシャッターシート320の第1回転方向(矢印DM方向)下流側の先端部(コンテナシャッターシート先端部320S)は、コンテナシャッター32のシャッタープレート部32A1から僅かに突出され、自由端を形成している。また、コンテナシャッターシート320の第1回転方向の上流側の端部は、シャッター当接部32A7に当接している。
図5Bを参照して、一対の被ガイド面321は、シャッタープレート部32A1と弾性片支持部32A4との間において、シャッタープレート部32A1および弾性片支持部32A4に対して段差をもって低く配置された面である。また、一対の被ガイド片322は、被ガイド面321の第1回転方向の上流側および下流側において、弾性片支持部32A4の底面から突設された突起である。被ガイド面321と被ガイド片322との間には、第1回転方向に沿って延びる空間部が形成されている。トナーコンテナ30のガイドリブ307の一端が、図5Bのガイド挿入口32Tから当該空間部に挿入されることで、コンテナシャッター32がコンテナ本体31に装着される。この結果、コンテナシャッター32がコンテナ本体31においてスライド移動可能とされる。
シャッターストッパー32Bは、シャッター本体32Aのうち、トナー排出口30Pを封止する面とは反対側の面に装着される。シャッターストッパー32Bは、コンテナシャッター32のスライド移動を規制する機能を備えている。シャッターストッパー32Bは、ストッパー解除片32B2と、一対のストッパー支点部32B3と、一対のストッパーロック片32B4と、一対の弾性片32B5と、を備える。ストッパー解除片32B2は、シャッターストッパー32Bの長手方向(図2Aの左右方向)の中央部から突設された突片である。なお、図5Aに示すように、ストッパー解除片32B2は、シャッターストッパー32Bから第1回転方向下流側に突出している。そして、前述のように、ストッパー解除片32B2は、シャッター本体32Aの一対の解除片支持部32A2の間に配置される。一対のストッパー支点部32B3は、ストッパープレート32B1の長手方向の端部付近から突設された一対の突片であって、その先端部には僅かに突出した軸部を備えている。一対のストッパー支点部32B3の当該軸部は、前述のシャッター本体32Aの一対のストッパー軸支部32A3にそれぞれ挿入される。この結果、一対のストッパー支点部32B3を結ぶ軸線回りに、シャッターストッパー32Bがシャッター本体32Aに対して回動可能とされる。
一対のストッパーロック片32B4は、シャッターストッパー32Bからそれぞれ突設された爪状の突片である。一対の弾性片32B5は、シャッターストッパー32Bの両端部に備えられた一対の細長状の突片である。一対の弾性片32B5の先端側は、第1回転方向DMに延びた自由端とされている。
一対のストッパー支点部32B3が一対のストッパー軸支部32A3に挿入され、シャッター本体32Aとシャッターストッパー32Bとが一体とされると、一対のストッパーロック片32B4が一対のシャッター孔部32A6にそれぞれ挿入される(図5B)。更に、一対の弾性片32B5は、一対の弾性片支持部32A4の内部にそれぞれ収容される。この際、図5Bに示すように、弾性片32B5の先端部は、コンテナシャッター32の裏側に露出している。
コンテナスクリュー33(図2B)は、コンテナ本体31の内部において左右方向に延びるように配置されたスクリュー部材である。コンテナスクリュー33の一端は、前述のスクリュー軸受部304に支持されている。コンテナスクリュー33は、コンテナ本体31内のトナーを左側から右側に搬送し、更に、トナー排出口30Pからトナーを排出する。
コンテナパドル30K(図8)は、コンテナ本体31の内部において回転可能に配置されたパドル部材である。コンテナパドル30Kは、コンテナ本体31内のトナーを攪拌する機能を備えている。コンテナパドル30Kは、パドル軸30K1を備える。パドル軸30K1は、コンテナパドル30Kの回転における軸部となる。パドル軸30K1は、コンテナ本体31内において左右方向に延びるように配置され、前述のパドル軸受部302(図2B)に軸支されている。また、トナーコンテナ30の右端側では、パドル軸30K1は、伝達ギア310(図3B)に連結されている。
コンテナシール34(図2B、図3B)は、トナー排出口30Pの周囲を囲むように排出突起部308に配置された弾性シールである。本実施形態では、コンテナシール34はウレタンスポンジ(弾性部材)からなる。コンテナシール34は、コンテナシャッター32のコンテナシャッターシート320(図5B)によって圧縮されることで、コンテナシャッター32の閉止状態において、トナー排出口30Pからトナーが漏れることを防止する。
現像装置20には、トナーコンテナ30から補給トナーが補給される。現像装置20は、コンテナ装着部20H(図4B)(装着部)と、現像ハウジング200(ハウジング)と、現像ローラー21A(図1A)と、第1スクリュー21Bと、第2スクリュー21Cと、を備える。
現像ハウジング200は、内部に現像剤を収容する。また、現像ハウジング200の上面部に、トナーコンテナ30が装着されるコンテナ装着部20Hが形成されている(図4B)。コンテナ装着部20Hには、トナーコンテナ30が装着される。現像ローラー21A(図1A)は、現像ハウジング200に回転可能に支持されている。現像ローラー21Aは、周面に現像剤を担持する。また、現像ローラー21Aは、感光体ドラム121にトナーを供給する。第1スクリュー21Bおよび第2スクリュー21Cは、現像ハウジング200に回転可能に支持されたスクリューである。第1スクリュー21Bおよび第2スクリュー21Cが回転駆動されると、現像ハウジング200内で現像剤が循環搬送される。この結果、トナーが所定の極性に帯電される。また、第1スクリュー21Bから現像ローラー21Aに現像剤が供給される。
更に、現像ハウジング200は、ハウジング右壁200Rと、ハウジング左壁200Lと、ハウジング天板200Uと、左ガイド溝201Lと、右ガイド溝201Rと、ロックボタン202と、本体シャッターガイド部203と、トナー補給口204(現像剤補給口)と、本体シール205(本体側シール)と、ストッパー押圧部206と、一対のコンテナシャッター固定部207と、一対のシャッタースプリング208と、中央支持部209と、現像ギア群20Gと、を備える。
ハウジング右壁200Rは、現像ハウジング200の右端部に立設される側壁である。同様に、ハウジング左壁200Lは、現像ハウジング200の左端部に立設される側壁である。ハウジング右壁200Rとハウジング左壁200Lとの間に、前述のコンテナ装着部20Hが形成されている。ハウジング天板200Uは、現像ハウジング200の天板であって、ハウジング右壁200Rとハウジング左壁200Lとの間に延設されている。ハウジング天板200Uの前端部は、トナーコンテナ30の外周面に沿った円弧面からなる(図4A)。
左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rは、それぞれ、ハウジング左壁200Lおよびハウジング右壁200Rに形成された溝部である。左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rは、トナーコンテナ30のコンテナ装着部20Hへの装着をガイドする。このため、左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rの入口側は、トナーコンテナ30の装着方向(第1方向、図7Aの矢印DA方向)に沿って延びるように形成されている。一方、左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rの奥側は、左ガイド301および右ガイド311の回転を許容するように、扇形形状を備えている。
ロックボタン202は、ハウジング右壁200Rにスライド移動可能に支持された押圧ボタンである。ロックボタン202は、コンテナ装着部20Hに装着されたトナーコンテナ30の姿勢をロックする機能、または、前記ロックを解除する機能を備える。
本体シャッターガイド部203は、ハウジング天板200Uの一部が僅かな高さをもって隆起することで形成されている。本体シャッターガイド部203は、左右方向に所定の幅をもって前後方向に延びている。本体シャッターガイド部203は、左ガイドレール203Lおよび右ガイドレール203Rを備えている。左ガイドレール203Lおよび右ガイドレール203Rは、本体シャッターガイド部203の左右の側縁に形成されたレールである。左ガイドレール203Lおよび右ガイドレール203Rは、本体シャッター22のスライド移動をガイドする機能を備えている。
トナー補給口204は、本体シャッターガイド部203に略矩形形状をもって開口された開口部である。トナー補給口204は、現像ハウジング200の内部に連通している。また、トナー補給口204は、コンテナ装着部20Hに装着されたトナーコンテナ30に対向して配置されている。トナーコンテナ30のトナー排出口30Pから排出されたトナーは、トナー補給口204から現像ハウジング200の内部に流入する。
本体シール205(図4B)は、トナー補給口204の周囲を囲むように本体シャッターガイド部203に配置された弾性シールである。本実施形態では、本体シール205はウレタンスポンジ(弾性部材)からなる。本体シール205は、後記の本体シャッター22(図4A)によって圧縮されることで、本体シャッター22の閉止状態において、トナー補給口204からトナー(現像剤)が漏れることを防止する。
ストッパー押圧部206は、トナー補給口204の後方に隣接して、現像ハウジング200のハウジング天板200Uから突設された突起部である。ストッパー押圧部206は、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、トナーコンテナ30のコンテナシャッター32のストッパー解除片32B2を押圧する機能を備えている。換言すれば、ストッパー押圧部206は、コンテナシャッター32に対するトナー排出口30Pのスライド移動を許容する。
一対のコンテナシャッター固定部207は、左右方向において、ストッパー押圧部206を挟むようにハウジング天板200Uから突設された突起部である。左右方向と交差する断面視において、コンテナシャッター固定部207は略台形形状を備えている。また、コンテナシャッター固定部207のうち、前側の側面には、楔形状の切欠き部が形成されている。トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、当該切欠き部には、トナーコンテナ30のコンテナシャッター32のシャッター係合片32A8(図5A)が係合する。この結果、コンテナシャッター固定部207は、コンテナシャッター32を固定し、コンテナシャッター32の移動を規制する。
一対のシャッタースプリング208は、一対のコンテナシャッター固定部207の左右方向の外側に配置されたばね部材である。シャッタースプリング208は、前後方向に延びるように配置されている。一対のシャッタースプリング208の一端は、ハウジング天板200Uに備えられた一対の本体ばね係止部200T(図4A)にそれぞれ係止されている。また、一対のシャッタースプリング208の他端は、後記の本体シャッター22の一対のシャッターばね係止部222(図4A)にそれぞれ係止されている。
中央支持部209は、ハウジング天板200Uの左右方向の略中央部から、上方に向かって突設された突出部材である。中央支持部209の上端縁は、トナーコンテナ30の外周縁に沿うように円弧形状からなる。また、中央支持部209の内部は空洞とされ、トナーコンテナ30の中央ガイド片31P(図3A)が挿入可能とされている。後記のとおり、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hにおいて回転される際、トナー排出口30Pは中央支持部209の内部を前後方向に移動する。また、中央支持部209は、トナーコンテナ30の左右方向の中央部を支持する機能を備えている。
現像ギア群20Gは、ハウジング右壁200Rの内側において、現像ハウジング200に回転可能に支持された複数のギアである。現像ギア群20Gは、現像ローラー21A(図1)、第1スクリュー21B、第2スクリュー21B、トナーコンテナ30のコンテナスクリュー33(図2B)およびコンテナパドル30K(図11B)に回転駆動力を伝達する。
更に、現像装置20は、本体シャッター22(本体側シャッター)を備える。本体シャッター22は、トナー補給口204に対してスライド移動可能に現像ハウジング200に支持されている。本体シャッター22は、トナー補給口204を封止または開放する。本体シャッター22は、前述の一対のシャッターばね係止部222に加え、一対の本体シャッター押圧部223を備える。
一対の本体シャッター押圧部223は、本体シャッター22の両端部にそれぞれ形成された押圧面である。本体シャッター押圧部223は、トナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧片305Sに係合可能とされる。そして、本体シャッター押圧部223は、コンテナシャッター押圧片305Sを押圧する機能、および、コンテナシャッター押圧片305Sに押圧される機能を備えている。
前述の一対のシャッタースプリング208は、本体シャッター22がトナー補給口204(図4B)を封止する方向に、本体シャッター22を付勢している。したがって、図4Aに示すように、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外された状態において、本体シャッター22はシャッタースプリング208の付勢力をうけてトナー補給口204を封止する。この際、本体シャッター22の本体シャッター押圧部223が、現像ハウジング200の本体シャッター規制部203S(図4B)に当接することで、本体シャッター22の位置が規制される。なお、本体シャッター22は、円弧形状からなる左ガイドレール203Lおよび右ガイドレール203R(図4A)にガイドされている。このため、一対のシャッタースプリング208は、本体シャッター22を第2回転方向(図7Bの矢印DMとは反対の方向)に付勢している。なお、本体シャッター22は、左右方向に延びるトナーコンテナ30のパドル軸30K1(図8)上に形成された軸心回りにスライド移動される。
また、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されると、本体シャッター22の一対の本体シャッター押圧部223がトナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧部305(図8)を押圧可能である。このため、一対のシャッタースプリング208は、本体シャッター22を介して、コンテナ装着部20Hに装着されたトナーコンテナ30を前記軸心回りに第2回転方向に向かって付勢することとなる。
次に、図7A乃至図7Cを参照して、現像装置20に対するトナーコンテナ30の装着について説明する。図7A乃至図7Cは、本実施形態に係る現像装置20にトナーコンテナ30が装着される様子を示す斜視図である。なお、図7Aおよび図7Bは、トナーコンテナ30が装着される途中であってトナーコンテナ30が回転される様子を示し、図7Cは、最終的にトナーコンテナ30が回転された後の現像装置20に装着された状態を示している。
トナーコンテナ30が現像装置20に装着されるまでの間は、コンテナシャッター32が誤ってトナー排出口30Pを塞ぐ位置から移動されると、トナー排出口30Pからトナーが漏れ出してしまう。本実施形態では、トナーコンテナ30単体の状態では、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pからスライド移動することが防止されている。すなわち、図2Aおよび図3Aに示すように、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pを塞いでいる状態では、シャッター孔部32A6を貫通したストッパーロック片32B4(図5B)が、コンテナ本体31側のコンテナシャッターロックリブ309のコンテナシャッター係合部309Sに係合している。そして、弾性片支持部32A4からコンテナシャッター32の裏側に露出した弾性片32B5(図5B)の先端部は、弾性片押圧部306(図6)によってトナーコンテナ30の径方向外側に向かって付勢されている。弾性片32B5の先端部がこのように付勢されていることで、コンテナシャッター32では、一対のストッパー支点部32B3を支点として、ストッパーロック片32B4側がコンテナシャッター係合部309S(図6)に強く係合する方向のモーメントがシャッターストッパー32Bに付与されている。したがって、トナーコンテナ30が単体で保管、輸送される際には、コンテナシャッター32がガイドリブ307に沿ってスライド移動することが防止される。この結果、トナー排出口30Pが安定してコンテナシャッター32(図5B)によって封止される。
図7Aを参照して、プリンター100のユーザーによってトナーコンテナ30が現像装置20に装着される。このとき、ユーザーは、図7Aに現れているトナーコンテナ30の上側に位置するコンテナフランジ31Fに人差し指から中指までを引っ掛け、トナーコンテナ30の下側に位置するコンテナフランジ31F(図7Bには現れていない)に親指を引っ掛けることで、トナーコンテナ30を容易に把持することができる。ユーザーによってトナーコンテナ30の左ガイド301および右ガイド311が左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rに挿入されることで、トナーコンテナ30は、左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rによって第1方向(図7Aの矢印DA方向)に沿ってガイドされながらコンテナ装着部20Hの第1の位置に装着される(図7B)。なお、図7Bに示されるトナーコンテナ30の姿勢が、第1の姿勢と定義される。
この際、図7Bに示すように、現像ハウジング200のストッパー押圧部206が一対の解除片支持部32A2の間に配置されたストッパー解除片32B2(図5A)を押圧する。この結果、シャッターストッパー32Bが一対のストッパー支点部32B3を支点として回動し、一対のストッパーロック片32B4が、それぞれコンテナシャッター係合部309S(図6)から脱離される。この結果、シャッターストッパー32Bによるコンテナシャッター32のロックが解除され、コンテナシャッター32に対するトナー排出口30Pのスライド移動が可能となる。
一方、第1の姿勢をもってトナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際、コンテナシャッター32の一対のシャッター係合片32A8(図5A、図7B)が、コンテナシャッター固定部207の楔形の切欠き部に係合する。この結果、コンテナシャッター32がコンテナシャッター固定部207に固定される。この後、ユーザーによって、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が、第1の位置から第1方向と交差する第2方向(左右方向)に沿った軸心回りに第1回転方向(図7Bの矢印DM方向)に回転される。この際、トナー排出口30Pが固定されたコンテナシャッター32に対してスライド移動されながら、コンテナ本体31が第2の位置に至る(図7C)。そして、当該第2の位置において、開放されたトナー排出口30Pが現像装置20のトナー補給口204に連通する(図12C参照)。換言すれば、トナー排出口30Pはコンテナ本体31とともに第1回転方向に移動する。この結果、固定されたコンテナシャッター32からトナー排出口30Pが抜け出し、開放されたトナー排出口30Pがトナー補給口204の上方に位置し、トナー補給口204に連通可能とされる。なお、図7Cに示されるトナーコンテナ30の姿勢が、第2の姿勢と定義される。このように、ユーザーは、連続的な2つの動作によって、現像装置20に対するトナーコンテナ30の装着およびトナー排出口30Pの開放を行うことが可能となる。
また、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されていない状態では、本体シャッター22がトナー補給口204を封止している。図7Bに示すように、第1の姿勢をもってトナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されると、トナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧片305S(図6)が、本体シャッター22の本体シャッター押圧部223(図4B)に対向して配置される。そして、トナーコンテナ30が前述のように第1回転方向に回転され、第1の姿勢から第2の姿勢に姿勢変更される際に、一対のシャッタースプリング208(図4A)の付勢力に抗して、コンテナシャッター押圧片305Sが本体シャッター押圧部223を第1回転方向に押圧する。この結果、本体シャッター22がトナーコンテナ30のコンテナ本体31とともに第1回転方向にスライド移動し、図4Bに示すように、トナー補給口204が開放される。したがって、トナー排出口30Pとトナー補給口204とが上下方向において連通することが可能となる。
上記のように、第1の姿勢をもってトナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された後(図7B)、ユーザーによってトナーコンテナ30が第1回転方向に回転されると(図7C)、トナーコンテナ30のロック押圧部312(図3A、図3B)が、現像装置20のロック当接片202S(図4A)に係合される。この結果、ロック当接片202Sが、トナーコンテナ30を第2の姿勢にロックする。このロック状態では、ロック押圧部312の下方にロック当接片202Sが位置している。このため、シャッタースプリング208(図4A)の付勢力が、本体シャッター22を介してトナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧部305に及んでも、トナーコンテナ30の第2回転方向への回転、すなわち、トナーコンテナ30が第2の姿勢から第1の姿勢に姿勢変更することが抑止される。このように、本実施形態では、ユーザーによる第1方向へのトナーコンテナ30の装着、および、第1回転方向へのトナーコンテナ30の回転によって、トナー排出口30Pをトナー補給口204に連通させるとともに、トナーコンテナ30を第2の姿勢にロックすることが可能となる。そして、プリンター100での画像形成動作に応じて、トナーコンテナ30から現像装置20に安定してトナーを供給することが可能となる。
一方、トナーコンテナ30内のトナーが空になったことが、不図示のセンサーによって検知されると、プリンター100の不図示の表示部には、トナーコンテナ30の交換表示が報知される。ユーザーが、ロックボタン202を押圧すると、ロック当接片202Sが後方に移動する。この結果、ロック当接片202Sがロック押圧部312から後方に離間し、ロック当接片202Sとロック押圧部312との係合が解除される。このため、ロック押圧部312を規制していた規制力が失われ、トナーコンテナ30のロックが解除される。本体シャッター22には一対のシャッタースプリング208の付勢力が付与されているため、本体シャッター22の本体シャッター押圧部223が、トナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧部305を第2回転方向(図2Bの矢印DN)に沿って押圧しながら、第2回転方向に移動する。この結果、トナーコンテナ30が、前述の第2の位置から、パドル軸30K1(図8)と同軸に配置された軸心回りに第2回転方向に回転する。すなわち、トナーコンテナ30が、一対のシャッタースプリング208の付勢力によって、自動的に第2の姿勢から第1の姿勢に姿勢変更し、再び第1の位置に至る。なお、トナーコンテナ30が第2回転方向に回転する際、ロック当接片202Sは、不図示の付勢部材の付勢力によって、前方に付勢される。したがって、トナーコンテナ30の回転に伴ってロック押圧部312がロック当接片202Sから離間すると、ロック当接片202Sは図4Aの位置に復帰する。
上記のようなトナーコンテナ30の姿勢変更によって、トナー排出口30Pが第2回転方向に移動し、トナー排出口30Pが第1の位置において再びコンテナシャッター32によって封止される。また、一対のシャッタースプリング208の付勢力によって、本体シャッター22がスライド移動することによって、本体シャッター22が図4Bに示す状態から図4Aに示す状態に状態変更する。この結果、トナー補給口204が本体シャッター22によって再び封止される。
第1の姿勢とされたトナーコンテナ30が、コンテナ装着部20Hの第1の位置から第1方向とは反対の第2方向に沿って脱離されることで、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外される。このように、本実施形態では、ユーザーがロックボタン202を押圧するだけで、トナーコンテナ30のロックが解除され、トナーコンテナ30が、取り外しが容易な第1の姿勢に姿勢変更される。この際、トナー排出口30Pおよびトナー補給口204が、それぞれ、コンテナシャッター32および本体シャッター22によって封止されている。このため、ユーザーによってトナーコンテナ30が取り外される際に、現像装置20およびトナーコンテナ30の周囲がトナーで汚染されることが防止される。また、ユーザーがロックボタン202を押圧するという簡易な操作によって、トナー排出口30Pおよびトナー補給口204を封止することが可能となり、コンテナシャッター32および本体シャッター22の閉止動作における操作性が向上される。
図13Aおよび図13Bは、本実施形態に係るトナーコンテナ30と比較されるトナーコンテナ30Zが現像装置20上で回転される様子を示す断面図である。図13Cは、トナーコンテナ30Zが現像装置20上で回転された後の様子を示す断面図である。なお、トナーコンテナ30Zは、本実施形態に係るトナーコンテナ30と比較して、コンテナシール34の形状において相違する。トナーコンテナ30Zは、本実施形態に係るトナーコンテナ30と同様に、現像装置20に対して第1方向に沿って装着された後、第1回転方向に回転される。この結果、トナーコンテナ30Zのトナー排出口30Pが現像装置20のトナー補給口204に連通する(図13C)。トナーコンテナ30Zは、排出突起部308と、コンテナシール34Zと、を備える。コンテナシール34Zは、図13Aに示すように、排出突起部308に接着固定されている。なお、コンテナシール34Zの第1回転方向DM下流側の先端部34AZは、排出突起部308から突出した自由端を形成している。このように、コンテナシール34Zの先端部34AZが自由端を形成している場合、先端部AZと本体シャッター22の先端部22Aとがオーバーラップしやすく、両者の間に隙間が生じにくい。このため、トナーコンテナ30Zの回転中に周辺にトナーが飛散することがある程度抑止される。
しかしながら、ユーザーによるトナーコンテナ30Zの第1方向への装着において、図13Aに示すように、コンテナシール34Zの先端部34AZが、本体シャッター22の先端部22Aの下方に潜り込む場合があった。この場合、図13Aに示される状態から図13Bに示される状態までトナーコンテナ30Zが第1回転方向DMに回転される際に、コンテナシール34の先端部34AZがトナー補給口204周辺のトナーを掻きだし、トナー補給口204の周囲がトナーで汚れることがあった。更に、図13A乃至図13Cに示すように、コンテナシール34の先端部34AZが本体シャッター22と現像ハウジング200との間の隙間に進入すると、コンテナシール34Zの回転負荷が増大し、ユーザーによるトナーコンテナ30Zの操作性が悪化する。
上記のような課題を解決するために、本実施形態に係るトナーコンテナ30は、コンテナシール34の形状に特徴を有する。図8は、本実施形態に係るトナーコンテナ30の断面図である。図9乃至図11は、それぞれトナーコンテナ30の拡大斜視図である。更に、図12Aおよび図12Bは、トナーコンテナ30が現像装置20上で回転される様子を示す断面図である。図12Cは、トナーコンテナ30が現像装置20上で回転された後の様子を示す断面図である。
コンテナシール34は、コンテナシール先端部34Aと、コンテナシールカット部34Sと、を有する。なお、前述のように、コンテナシール34は、トナー排出口30Pを開放するように、排出突起部308に接着固定されている。そして、コンテナシール先端部34Aは、排出突起部308のうち第1回転方向DMの下流側の端部(突起端部308S、図8)よりも第1回転方向下流側に突出し、自由端を形成している。コンテナシールカット部34Sは、突起端部308Sの近傍において、コンテナシール34に形成された切込み部である。本実施形態では、コンテナシールカット部34Sは、トナーコンテナ30の軸方向(第2方向、パドル軸30K1の軸心が延びる方向)に沿って、所定の間隔をおいて形成されたミシン目状の切込み部である。なお、コンテナシールカット部34Sは、コンテナシール34を厚さ方向に貫通するように形成されている。また、本実施形態では、コンテナシールカット部34Sは、突起端部308Sよりも僅かに第1回転方向下流側に位置する。
このような構成によれば、コンテナシールカット部34Sによってコンテナシール先端部34Aのコシが僅かに低下している。このため、図7A、図7Bに示すように、トナーコンテナ30が現像装置20に装着される際に、コンテナシール先端部34Aが本体シャッター22の先端部22Aに触れると、コンテナシール先端部34Aがコンテナシールカット部34Sを支点としてトナーコンテナ30の径方向内側に僅かに屈曲(変形)する。したがって、コンテナシール先端部34Aが本体シャッター22の先端部22Aの内側に容易に配置される(図12A)。また、コンテナシール先端部34Aは、排出突起部308(突起端部308S)から突出した自由端形状からなるため、コンテナシール先端部34Aと本体シャッター22の先端部22Aとが第1回転方向に沿って充分にオーバーラップすることができる。このため、図12A乃至図12Cに示すように、トナーコンテナ30が第1回転方向DMに回転される際に、コンテナシール34のコンテナシール先端部34Aによってトナー補給口204内のトナーが掻きだされることが抑止される。また、トナーコンテナ30の回転に伴って、トナー排出口30Pから落下したトナーが、コンテナシール先端部34Aと本体シャッター22の先端部22Aとの隙間から本体シャッター22の上面部側に漏れ出すことが抑止される。更に、コンテナシール先端部34Aが本体シャッター22の先端部22Aと現像ハウジング200との間の隙間に進入、噛み込むことがないため、トナーコンテナ30の回転負荷の増大が抑止される。
また、本実施形態では、コンテナシールカット部34Sは、第2方向に沿って間隔をおいて形成されている複数のミシン目(破線状切込み部)からなる。このため、コンテナシール34のコンテナシール先端部34Aのコシを容易に弱めることができる。この際、複数のミシン目は、コンテナシール34を厚さ方向に貫通するように形成されている。このため、複数のミシン目が、コンテナシール34の厚さ方向の一部に形成される場合と比較して、コンテナシール34を容易に製造することができる。
以上、本発明の実施形態に係るトナーコンテナ30を備えたプリンター100について説明した。このような構成によれば、トナーコンテナ30の着脱時における操作性を低下させることなく、着脱時のトナーの漏れを抑止することが可能な画像形成装置が提供される。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、プリンター100としてモノクロプリンターをもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。特に、プリンター100がタンデム式のカラープリンターの場合には、プリンター100のカバー102B(図1B)が開放された後、複数色のトナーに対応してそれぞれのトナーコンテナ30が上方から隣接するように筐体101に装着されてもよい。
(2)また、上記の実施形態では、トナーコンテナ30が現像装置20の長手方向に沿うようにプリンター100に装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トナーコンテナ30は、現像装置20の長手方向と交差する方向に沿って装着される態様でもよい。
(3)また、上記の実施形態では、トナーコンテナ30の内部にコンテナスクリュー33およびコンテナパドル30Kを備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トナーコンテナ30の内部には、トナー排出口30Pに向かってトナーを搬送しながら移動する移動壁が配置されてもよい。
(4)また、上記の実施形態では、トナーコンテナ30の第2の姿勢におけるロックを解除するロック解除部として、ロックボタン202を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。不図示のレバーが現像ハウジング200に回動可能に備えられ、当該レバーが回動されることで、ロック当接片202Sの移動とともに、トナーコンテナ30のロックが解除される態様でもよい。
(5)また、上記の実施形態では、コンテナシールカット部34Sが間隔をおいて配置される複数のミシン目からなる態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る切込み部は、第2方向に沿って連続して延びており、コンテナシール34の厚さ方向の一部が切り込まれることで形成されているものでもよい。このような構成によれば、コンテナシール34の厚さ方向の一部が第2方向に沿って連続的に切り込まれることで、コンテナシール34を容易に製造することができるとともに、コンテナシール34のコンテナシール先端部34Aのコシを容易に弱めることができる。すなわち、コンテナシールカット部34Sは、少なくともコンテナシール34の外面部(現像装置20に対向する側の面)に形成されていればよい。
(6)また、コンテナシールカット部34Sによってコンテナシール先端部34Aが過剰に屈曲すると、コンテナシール34と本体シャッター22との間のシール性が低下する場合がある。このため、図9に示される排出突起部308の斜面とコンテナシール先端部34Aの裏面との間に、他の弾性部材が配置されてもよい。当該弾性部材は、コンテナシール先端部34Aの過剰な屈曲を抑止する。