JP2019045561A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部材のレンズの光軸周りにコイルが巻き回されるムービングコイル方式のレンズ駆動装置において、コイルの巻き付けテンションによる可動部材の変形を抑える。【解決手段】レンズ駆動装置は、レンズを保持する開口を備えると共にレンズの光軸周りに巻き回されるコイルを保持するコイル保持部を備える可動部材と、前記可動部材をレンズの光軸に沿って移動自在に弾性支持すると共にコイルの周囲に配置されるマグネットを支持する支持部材とを備え、可動部材は、コイル保持部から開口に至る光軸方向の肉厚が、光軸周りに一定の角度周期で均等に分散されている。【選択図】図1
Description
本発明は、レンズ駆動装置に関するものである。
レンズ駆動装置は、ベース部材と、レンズ又はレンズ枠(以下単にレンズという)が取り付けられる可動部材(キャリア)と、ベース部材に対して可動部材をレンズの光軸方向に沿って移動自在に支持する支持部材とを備えており、アクチュエータであるコイルとマグネットの一方を可動部材に設け、他方を支持部材に設けて、板バネなどの弾性部材を介して支持部材に支持される可動部材を、アクチュエータの推力(ローレンツ力)と弾性部材の弾性力をバランスさせながら、光軸方向に沿って移動するものである。
レンズ駆動装置は、可動部材側にコイルを取り付けるムービングコイル方式と可動部材側にマグネットを取り付けるムービングマグネット方式があり、ムービングコイル方式のレンズ駆動装置には、可動部材に取り付けられるレンズの光軸周りにコイルを巻き回して、巻回されたコイルに直交する方向に磁力線が向く磁界を形成するように、可動部材の周囲にマグネットを配置した構造が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
前述した従来のレンズ駆動装置は、可動部材の外周にコイルが巻回されるコイル保持部が設けられている。このコイル保持部において、可動部材に取り付けられるレンズの光軸周りにコイルを巻き回す際に、可動部材にはコイルの巻き付けテンションが加わることになり、可動部材はその巻き付けテンションに耐えうる強度が求められる。
従来のレンズ駆動装置は、可動部材の強度を確保するために、可動部材を配置する際の周辺スペースに余裕があるところで可動部材の肉厚を厚くして、可動部材の強度を部分的に高めることがなされていた。しかしながら、可動部材の強度を部分的に高めると、可動部材の周囲にコイルを巻き回した際に、肉厚が少ない箇所に応力が集中し易くなり、レンズ取り付け部の内側に設けているネジ部が変形して、レンズを円滑に可動部材に取り付けることができなくなる問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題としている。すなわち、可動部材のコイル保持部にレンズの光軸周りにコイルが巻き回されるムービングコイル方式のレンズ駆動装置において、コイルの巻き付けテンションによる可動部材の変形を抑えることを課題としている。
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
レンズを保持する開口を備えると共にレンズの光軸周りに巻き回されるコイルを保持するコイル保持部を備える可動部材と、前記可動部材をレンズの光軸に沿って移動自在に弾性支持すると共に前記コイルの周囲に配置されるマグネットを支持する支持部材とを備え、前記可動部材は、前記コイル保持部から前記開口に至る前記光軸方向の肉厚が、前記光軸周りに一定の角度周期で均等に分散されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
レンズを保持する開口を備えると共にレンズの光軸周りに巻き回されるコイルを保持するコイル保持部を備える可動部材と、前記可動部材をレンズの光軸に沿って移動自在に弾性支持すると共に前記コイルの周囲に配置されるマグネットを支持する支持部材とを備え、前記可動部材は、前記コイル保持部から前記開口に至る前記光軸方向の肉厚が、前記光軸周りに一定の角度周期で均等に分散されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1及び図2に示すように、レンズ駆動装置1は、レンズを保持する可動部材2と、可動部材2をレンズの光軸Oに沿って移動自在に弾性支持する支持部材3と、可動部材2を光軸Oに沿って移動させる駆動部となるコイル4とマグネット5を備えている。
可動部材2は、図3に単体で示すように、中央に開口2Aを備えており、この開口2Aに図示省略のレンズ(レンズバレル)が保持される。開口2Aにはレンズを保持するためのネジ部2Bが設けられている。また、可動部材2は、コイル4を保持するコイル保持部2Cを備えている。コイル保持部2Cは、光軸Oの周りに巻き回されるコイル4を保持するように、可動部材2の外周部に設けられている。
支持部材3は、中央部に光軸Oと同軸の開口30Aを有するベース部材30と、ベース部材30の周縁部に支持されて可動部材2を覆い中央部に光軸Oと同軸の開口31Aを有するカバー部材31とを備えている。支持部材3であるカバー部材31には、コイル4の周囲に配置されるマグネット5が支持される。
支持部材3(ベース部材30とカバー部材31)は、弾性部材である上板バネ6と下板バネ7を介して可動部材2を光軸O方向に弾性的に移動自在に支持している。上板バネ6は、一体の板バネの外周側に外側支持部6Aが設けられ、内側に内側支持部6Bが設けられ、外側支持部6Aと内側支持部6Bの間に弾性変形部6Cが設けられている。下板バネ7は、4つの板バネに分割されており、それぞれの板バネが、外側支持部7Aと内側支持部7Bを備え、外側支持部7Aと内側支持部7Bの間に弾性変形部7Cが設けられている。
支持部材3であるベース部材30とカバー部材31は、外周形状が矩形状になっており、カバー部材31の天面部31Bの内面側の四隅に上板バネ6の外側支持部6Aが固定され、ベース部材30の四隅の支持面30Bに下板バネ7の外側支持部7Aが固定される。そして、可動部材2の上支持部2Dに上板バネ6の内側支持部6Bが固定され、可動部材2の下支持部2Eに下板バネ7の内側支持部7Bが固定される。
可動部材2は、平面視の形状及び光軸Oに直交する断面形状が八角形であり、コイル保持部2Cにおいては、8つの直線辺に沿うようにコイル4が巻き回されている。そして、コイル4の周囲に配置される4つのマグネット5が、可動部材2における八角形の互いに隣接しない4辺に対面するように配置されている。4つのマグネット5は、外周形状が矩形状のカバー部材31の四隅に固定されるように、平面視台形状になっている。カバー部材31は、マグネット5に対するヨーク(強磁性体)になっている。
図3に示すように、可動部材2は、コイル保持部2Cと開口2Aとの間に、コイル4の巻き付けテンションに耐えうるだけの肉厚部2Fが設けられている。この肉厚部2Fは、コイル保持部2Cから開口2Aに至る光軸O方向の肉厚が、光軸O周りに一定の角度周期で均等に分散されている。具体的には、図4に示すように、光軸Oに直交する断面形状が八角形状の可動部材2は、コイル保持部2Cから開口2Aに至る光軸O方向の肉厚が極小値t1〜t8になる箇所が、光軸O周りにθ1=45°の一定角度周期で分散されているが、この極小値t1〜t8を全て略等しくすることで、コイル4の巻き付けテンションに対する強度バランスを保っている。
このような可動部材2によると、コイル保持部2Cにコイル4を巻き回す際に、巻き付きテンションによって可動部材2に応力が加わることになり、肉厚が極小となる箇所に局部的な応力集中が生じることにはなるが、この箇所が光軸Oの周りにバランス良く分散されていることで、特定の箇所に過剰な応力集中が生じることが無く、コイル4の巻き付けによる可動部材4の変形を抑止することができる。これによって、可動部材2の開口2Aのネジ部2Bにレンズバレルを円滑にねじ込むことができる。
可動部材2には、図3に示すように、下方に向けて突起部2Gが突起しており、この突起部2Gにコイル4の引出部4Aが巻回されている。突起部2Gは、突起端(下端)に向けて横断面が大きくなる逆テーパ状の側面を有している。このような逆テーパ状の側面を有する突起部2Gにコイル4の引出部4Aを巻き付けると、巻線が解れたり、突起部2Gから引出部4Aが抜け外れたりする不具合が生じ難くなる。
突起部2Gに巻き付けられたコイル4の端部は下板バネ7の内側支持部7Bに接続され、導電性を有する下板バネ7を介して、ベース部材30の支持面30Bに設けられた接続端子に接続される。コイル4の端部は、下板バネ7の内側支持部7Bに半田付けされるが、その際の作業性を向上するために、コイル4の引出部4Aが突起部2Gに巻き付けられる。
このようなレンズ駆動装置1の組み立て手順を説明する。先ず、カバー部材31の天面内側に、上板バネ6の外側支持部6Aを接着剤で固定する。次に、マグネット5の上面と側面に接着剤を塗布して、マグネット5の上面を、カバー8の天面部31Bの内側に固定した上板バネ6の外側支持部6Aに固定し、マグネット5の側面をカバー部材31の内側面に固定する。マグネット5は、カバー部材31の角部に対応する側面を有しており、また、カバー部材31がヨークとして機能する磁性体であるため、マグネット5はカバー部材31の内面に磁気吸着され、マグネット5とカバー部材31との固定は比較的簡易に行うことができる。
一方、ベース部材30に対しては、支持面30Bに下板バネ7の外側支持部7Aが接着剤で固定される。そして、コイル4がコイル保持部2Cに巻かれており、コイル4の引出部4Aが突起部2Gに巻かれている可動部材2の下支持部2Eに、下板バネ7の内側支持部7Bが接着剤で固定される。その後、コイル4の端部は、下板バネ7の内側支持部7Bに半田接続され、下板バネ7の外側支持部7Aは、ベース部材30の支持面30Bに設けられる接続端子に半田接続される。
その後は、内側に上板バネ6とマグネット5が固定されたカバー部材31と、下板バネ7と可動部材2が固定されたベース部材30とを合体させる。この際に、可動部材2の上支持部2Dに接着剤を塗布することで、この上支持部2Dと上板バネ6の内側支持部6Bが固定される。そして最後に、カバー部材31の下端をベース部材30の外周縁の支持部上に載せて、ベース部材30とカバー部材31とを接着剤で固定する。
図5は、(a)において、前述したレンズ駆動装置1を備えた撮像装置(カメラ)100を示し、(b)において、レンズ駆動装置1を具備するカメラユニットを備えた携帯電子機器(携帯情報端末)200を示している。
前述したレンズ駆動装置1は、平面視八角形状の可動部材2を採用しており、その四方にマグネット5を配置することで、矩形状のベース部材30をコンパクトに形成することができ、ベース部材30の占有面積を小さくすることで、撮像装置(カメラ)100や携帯電子機器(携帯情報端末)200内での設置スペースを省スペース化することができる。これによって、撮像装置(カメラ)100や携帯電子機器(携帯情報端末)200の小型化・薄型化が可能になると共に、他の機能部品の設置占有面積を広げることで、機器の高機能化が可能になる。
また、前述したレンズ駆動装置1は、可動部材2の強度を高めることで、高い耐衝撃性や耐久性を有しているので、モバイル性能を高めた撮像装置(カメラ)100や携帯電子機器(携帯情報端末)200の使用時に、適正なレンズ駆動性能を発揮することができる。更には、前述したレンズ駆動装置1は、高い動作信頼性を有し、製造歩留まりを高めることができるので、撮像装置(カメラ)100や携帯電子機器(携帯情報端末)200の高機能且つ低コスト化に対応することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:レンズ駆動装置,
2:可動部材,2A:開口,2Bネジ部,2C:コイル保持部,
2D:上支持部,2E:下支持部,2F:肉厚部,2G:突起部,
3:支持部材,
30:ベース部材,30A:開口,30B:支持面,
31:カバー部材,31A:開口,31B:天面部,
4:コイル,4A:引出部,5:マグネット,6:上板バネ,7:下板バネ,
6A,7A:外側支持部,6B,7B:内側支持部,6C,7C:弾性変形部,
100:撮像装置(カメラ),200:携帯電子機器(携帯情報端末)
2:可動部材,2A:開口,2Bネジ部,2C:コイル保持部,
2D:上支持部,2E:下支持部,2F:肉厚部,2G:突起部,
3:支持部材,
30:ベース部材,30A:開口,30B:支持面,
31:カバー部材,31A:開口,31B:天面部,
4:コイル,4A:引出部,5:マグネット,6:上板バネ,7:下板バネ,
6A,7A:外側支持部,6B,7B:内側支持部,6C,7C:弾性変形部,
100:撮像装置(カメラ),200:携帯電子機器(携帯情報端末)
Claims (7)
- レンズを保持する開口を備えると共にレンズの光軸周りに巻き回されるコイルを保持するコイル保持部を備える可動部材と、
前記可動部材をレンズの光軸に沿って移動自在に弾性支持すると共に前記コイルの周囲に配置されるマグネットを支持する支持部材とを備え、
前記可動部材は、前記コイル保持部から前記開口に至る前記光軸方向の肉厚が、前記光軸周りに一定の角度周期で均等に分散されていることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記肉厚が極小値となる箇所が、前記光軸周りに一定の角度周期で分散され、
前記極小値が全て略等しいことを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。 - 前記可動部材は、前記光軸に直交する断面形状が八角形であり、
前記可動部材における八角形の互いに隣接しない4辺に対面するように前記マグネットが配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ駆動装置。 - 前記支持部材は、前記光軸と同軸の開口を有するベース部材と、該ベース部材の周縁部に支持されて前記可動部材を覆い前記光軸と同時の開口を有するカバー部材とを備え、
前記可動部材は、弾性部材を介して前記ベース部材と前記カバー部材に支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。 - 前記カバー部材は、前記マグネットが取り付けられるヨークであることを特徴とする請求項4記載のレンズ駆動装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のレンズ駆動装置を備えた撮像装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のレンズ駆動装置を備えた携帯情報端末。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017165500A JP2019045561A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | レンズ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017165500A JP2019045561A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | レンズ駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019045561A true JP2019045561A (ja) | 2019-03-22 |
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JP2017165500A Pending JP2019045561A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | レンズ駆動装置 |
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Country | Link |
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2017
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