JP2019045214A - 電力ケーブルの水トリー劣化評価システム - Google Patents

電力ケーブルの水トリー劣化評価システム Download PDF

Info

Publication number
JP2019045214A
JP2019045214A JP2017166161A JP2017166161A JP2019045214A JP 2019045214 A JP2019045214 A JP 2019045214A JP 2017166161 A JP2017166161 A JP 2017166161A JP 2017166161 A JP2017166161 A JP 2017166161A JP 2019045214 A JP2019045214 A JP 2019045214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water tree
cable
deterioration
power cable
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017166161A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6908341B2 (ja
Inventor
隆史 栗原
Takashi Kurihara
隆史 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP2017166161A priority Critical patent/JP6908341B2/ja
Publication of JP2019045214A publication Critical patent/JP2019045214A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6908341B2 publication Critical patent/JP6908341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Abstract

【課題】電力ケーブルの水トリー劣化の状態(具合)として、水トリー劣化の大きさ、すなわち、水トリーの長さを評価する。【解決手段】水トリー劣化進展手段2によって水トリー(絶縁耐力の低下をもたらす欠陥)を基準ケーブル1内に人工的に発生させ、水トリーの長さ(L)が把握された基準ケーブル1の水トリーの劣化状況(基準ケーブルパルス電流の継続時間T)を求める。また、実際に用いられている電力ケーブル4の水トリーの劣化状況(実ケーブルパルス電流の継続時間Ta)を求める。そして、基準ケーブル1の基準ケーブルパルス電流の継続時間(T)と水トリーの長さ(L)の関係、及び、電力ケーブル4の実ケーブルパルス電流の継続時間(Ta)に基づいて、電力ケーブル4の水トリーの長さ(La)を推定し、電力ケーブル4の劣化具合を評価する。【選択図】図5

Description

本発明は、電力ケーブルの水トリー劣化の評価を行う水トリー劣化評価システムに関する。
電力用ケーブルとして、架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(CVケーブル)が実用化されている。CVケーブルは潤湿下で長期使用すると、水トリーと呼ばれる劣化現象が絶縁体内に発生して絶縁性能の低下を引き起こす原因となる。水トリーによる絶縁劣化(水トリー劣化)を検出する方法として、従来からパルス電圧を用いた残留電荷法が知られている(特許文献1)。
特許文献1に開示された技術は、電力ケーブルに商用周波数よりも高い周波数のパルス電圧を印加して接地し、電力ケーブル全体への電荷の蓄積と、正常部位の電荷の放出を行い、その後、逆極性のパルス電圧を印加することで劣化部位に蓄積された電荷を放出し、劣化部位から放出された電荷に基づいて水トリー劣化の有無を診断する技術である。
しかし、従来の技術では、水トリー劣化の大きさとの対応を定量的に得ることが困難である。特に、寿命の末期状態である数mm程度の長さの水トリーに対応する診断データを取得することが困難である。水トリーの長さを人工的に制御することができれば、それに対応した診断データを効率的に取得することができ、診断基準を構築する上で有効であり、また、使用環境に応じた電力ケーブルの更新計画を立てる上で有効であると考えられる。
特開2016−31336号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、水トリー劣化の大きさ(水トリーの長さ)に応じた診断データを取得しておくことで、電力ケーブルの劣化の大きさ(水トリーの長さ)を評価して、水トリー劣化の状態を把握することができる電力ケーブルの水トリー劣化評価システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムは、基準となる基準ケーブルに水トリー劣化を進展させる水トリー劣化進展手段と、前記水トリー劣化進展手段で得られた前記基準ケーブルの水トリー劣化の状況(診断結果)である基準水トリー劣化の状況(診断結果)、及び、電力ケーブルの水トリー劣化の状況(診断結果)である実水トリー劣化の状況(診断結果)に基づいて、前記電力ケーブルの水トリー劣化に対する評価を行う評価制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、水トリー劣化進展手段により基準ケーブルの水トリー劣化を進展させ、劣化が進展した基準ケーブルの基準水トリー劣化の状況(診断結果)と、電力ケーブルの実水トリー劣化の状況(診断結果)とを比較し、基準ケーブルの基準水トリー劣化の状況(診断結果)と基準ケーブルの水トリー劣化の具合をベースにして、実水トリー劣化の状況(診断結果)に応じた電力ケーブルの水トリー劣化の具合を評価する。
これにより、電力ケーブルの水トリー劣化の状態(具合)として、水トリー劣化の大きさ、すなわち、水トリーの長さを評価することが可能になる。
そして、請求項2に係る本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムは、請求項1に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、前記水トリー劣化進展手段は、前記基準ケーブルを水に浸漬する浸漬機能と、前記浸漬機能により水に浸漬された前記基準ケーブルを所定の温度で加熱する加熱機能と、前記浸漬機能により水に浸漬された前記基準ケーブルに対地電圧(高周波の対地電圧:例えば、500Hzから3000Hz)を印加する電圧印加機能とを有することを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、浸漬機能により基準ケーブルを水に浸漬し、水に浸漬された基準ケーブルを加熱機能により所定の温度で加熱し、水に浸漬された基準ケーブルに電圧印加機能により高周波(例えば、500Hzから3000Hz)の対地電圧を印加することで、基準ケーブルの水トリー劣化を進展させる。
また、請求項3に係る本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムは、請求項2に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、前記水トリー劣化進展手段における前記加熱機能は、前記基準ケーブルを60℃から70℃の温度で連続加熱する機能であることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、基準ケーブルを60℃から70℃の温度で連続加熱することで基準ケーブルの水トリー劣化を進展させる。
また、請求項4に係る本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムは、請求項2に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、前記水トリー劣化進展手段における前記加熱機能は、前記基準ケーブルを室温から60℃、もしくは、70℃までの間のヒートサイクルで加熱する機能であることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、基準ケーブルを室温から60℃、もしくは、70℃までの間のヒートサイクルで加熱することで基準ケーブルの水トリー劣化を進展させる。
また、請求項5に係る本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムは、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、前記評価制御手段は、前記基準水トリー劣化の大きさを予め把握しておき、対応する前記基準水トリー劣化の状況(診断結果)、及び、前記電力ケーブルの水トリー劣化の状況(診断結果)を比較し、前記電力ケーブルの水トリー劣化の状態(大きさ、すなわち、劣化状態)を評価する評価機能を有していることを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、基準水トリー劣化の大きさを予め把握しておき、対応する基準水トリー劣化の状況(診断結果)、及び、電力ケーブルの水トリー劣化の状況(診断結果)を比較し、電力ケーブルの水トリー劣化の大きさ、すなわち、劣化状態を評価する。
また、請求項6に係る本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムは、請求項5に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、前記評価制御手段の前記評価機能は、基準水トリー劣化が進展した状態の前記基準ケーブルにパルス電圧を印加して基準ケーブルパルス電流の状況を検出する一方、前記電力ケーブルにパルス電圧を印加して実ケーブルパルス電流の状況を検出し、基準ケーブルパルス電流の状況と前記実ケーブルパルス電流の状況を比較し、基準ケーブルパルス電流の状況と前記基準水トリー劣化の大きさから、前記実ケーブルパルス電圧の状況に基づいて水トリー劣化の大きさを推定し、電力ケーブルの水トリー劣化の具合を評価することを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、基準ケーブルにパルス電圧を印加して、予め把握されている水トリー劣化の大きさ(伸展させた水トリーの長さL)による基準ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間T)を検出する。電力ケーブルにパルス電圧を印加して、水トリー劣化に応じた実ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を検出し、進展させた水トリー劣化の状況(水トリーの長さL)に対応した基準ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間T)と、実ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を比較する。比較の結果により実際の水トリー劣化の大きさ(水トリーの長さLa)を推定し、実際の水トリー劣化の劣化具合を評価する。
また、請求項7に係る本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムは、請求項6に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、パルス電圧を印加する手段は、ケーブルに第1パルス電圧を印加して電荷を蓄積し、接地により蓄積された電荷を放出させる第1電圧印加機能と、前記第1電圧印加機能により電荷が放出された後の前記ケーブルに、第2パルス電圧を印加して残留電荷を放出させる第2電圧印加機能とを有することを特徴とする。
請求項7に係る本発明では、基準ケーブル、及び、電力ケーブルに対して、第1電圧印加機能により、第1パルス電圧を印加して電荷を蓄積し、接地により蓄積された電荷を放出させ、第2電圧印加機能により、第2パルス電圧を印加して残留電荷を放出させて、基準ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間T)、及び、実ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を検出する。
本発明の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにより、電力ケーブルの水トリー劣化の状態(具合)として、水トリー劣化の大きさ、すなわち、水トリーの長さを評価することが可能になる。
本発明の一実施例に係る電力ケーブルの水トリー劣化評価システムの概念図である。 水トリー劣化進展手段の概略構成図である。 水トリーの長さの経時変化を表すグラフである。 パルス電圧の印加状況と電流検出状況を説明するグラフである。 電力ケーブルの水トリーの劣化具合の評価の流れを説明する概念図である。
電力ケーブルとして、架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(電力ケーブル:実際のCVケーブル)は、潤湿下で長期使用すると、水トリーと呼ばれる劣化現象(水トリー劣化)が絶縁体内に発生することが知られている。
本実施例の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムでは、基準となるCVケーブル(基準ケーブル)に水トリーを発生させ、水トリーの長さLを把握すると共に、把握された水トリーの長さLに対するパルス電流の状況(パルス継続時間T)を検出する。同時に、CVケーブルのパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を検出し、基準ケーブルの水トリーの長さLに対するパルス電流の状況(パルス継続時間T)と、実際のCVケーブルのパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を比較する。
比較の結果により、実際のCVケーブルの水トリー劣化の状況(診断結果)に対応する水トリー劣化の大きさ(水トリーの長さLa)を推定し、実際のCVケーブルの劣化具合を評価する。
これにより、実際のCVケーブルの水トリー劣化の状態(具合)として、水トリー劣化の大きさ、すなわち、水トリーの長さを評価することが可能になる。
図1に基づいて本発明の一実施例に係る電力ケーブルの水トリー劣化評価システムの具体的な構成を説明する。
図1には本発明の一実施例に係る電力ケーブルの水トリー劣化評価システムの全体の概略を説明するための概念状況を示してある。
図1に示すように、基準となる基準電力ケーブル(基準ケーブル)1に水トリー劣化を進展させる水トリー劣化進展手段2が備えられている。水トリー劣化進展手段2は、CVケーブルにおいて、例えば、寿命の末期状態を模擬する数mm程度の水トリー(絶縁耐力の低下をもたらす欠陥)を人工的に発生させる手段である。
水トリー劣化進展手段2で水トリー劣化が進展した基準ケーブル1は、評価制御手段3で、電力ケーブル4(実際に運用されて水トリー劣化が生じているCVケーブル)を評価するための指標を定めるために用いられる。具体的には、パルス印加手段5で、基準ケーブル1、及び、電力ケーブル4に対してパルス電圧が印加される。
パルス電圧が印加されることで、基準ケーブル1の水トリー劣化である基準水トリー劣化6の状況(診断結果)、及び、電力ケーブル4の水トリー劣化である実水トリー劣化7の状況(診断結果)が求められ、これらと基準水トリー劣化6に基づいて、実水トリー劣化7が評価機能8で評価され、電力ケーブル4の劣化具合が判断される。
つまり、評価制御手段3は、実水トリー劣化7の状況(診断結果)、及び、基準水トリー劣化6の状況(診断結果)を比較し、対応する基準水トリー劣化6の大きさに基づいて、電力ケーブル4の水トリー劣化の大きさを評価する評価機能8を有している。評価制御手段3(評価機能8)での具体的な評価の一例は後述する。
上述した電力ケーブルの水トリー劣化評価システムでは、水トリー劣化進展手段2により基準ケーブル1に水トリー劣化を進展させ、劣化が進展した基準ケーブル1の基準水トリー劣化6の状況(診断結果)と、電力ケーブル4の実水トリー劣化7の状況(診断結果)とを比較し、基準水トリー劣化6の具合をベースにして、実水トリー劣化7に応じた電力ケーブル4の水トリー劣化の具合を評価する。
これにより、電力ケーブル4の水トリー劣化の状態(具合)として、水トリー劣化の大きさ、すなわち、水トリーの長さを評価することが可能になる。
図2に基づいて水トリー劣化進展手段2を具体的に説明する。図2には水トリー劣化進展手段2の概略の構成を示してある。
水トリー劣化進展手段2は、基準ケーブル1(シース、銅テープ1aを取り除いた部分)を水11(水道水)に浸漬する浸漬機能としての浸漬容器12(金属容器)を備えている。水11が入れられた浸漬容器12は、加熱機能としてのヒータ13で加熱され、水11に浸漬された基準ケーブル1が所定の温度で加熱される。浸漬容器12と銅テープ1aは接続して接地されている。
基準ケーブル1の温度は温度検出手段14により検出される。浸漬容器12の水11に浸漬された基準ケーブル1には、電圧印加機能としての高周波交流電源(電源)15が接続され、電源15により基準ケーブル1に対地電圧(高周波の対地電圧:例えば、500Hzから3000Hz)が印加される。
ヒータ13は制御手段21の指令により動作され、制御手段21には温度検出手段14で検出された基準ケーブル1の温度が入力される。制御手段21により、基準ケーブル1の温度が所定の温度に加熱されるようにヒータ13の動作が制御される。
つまり、基準ケーブル1を水11に浸漬し、水11に浸漬された基準ケーブル1を所定の温度で加熱し、水11に浸漬された基準ケーブル1に高周波(例えば、500Hzから3000Hz)の対地電圧を印加することで、基準ケーブル1に水トリー劣化を進展させるようになっている。
水トリー劣化進展手段2での基準ケーブル1は、60℃から70℃の温度で所定の日数の間連続して加熱される。例えば、90日間から300日間程度連続して加熱される。また、室温から60℃、もしくは、70℃までの間のヒートサイクルで加熱される。例えば、3時間加熱し5時間加熱を停止するサイクルを繰り返して加熱される。
図3に基づいて、累積電圧印加時間と水トリー劣化の大きさ(水トリーの長さ)との関係を説明する。図3には累積電圧印加時間と水トリーの長さの関係を表すグラフを示してある。
図に○印で示すように、基準ケーブル1に、例えば、1200Hzの対地電圧を印加すると共に、70℃の連続加熱を行った場合、累積電圧印加時間がX日(例えば、100日)に至るまで、水トリーの長さは長くなり、累積電圧印加時間がX日を超えると水トリーの長さは変化しにくくなる。
図に□印で示すように、基準ケーブル1に、例えば、1200Hzの対地電圧を印加すると共に、室温から70℃までの間のヒートサイクルで加熱を行った場合、累積電圧印加時間がX日(例えば、100日)に至るまで、水トリーの長さは長くなり、70℃の連続加熱の場合に比べて、水トリーの長さは短くなる。また、累積電圧印加時間がX日を超えると水トリーの長さは変化しにくくなる。
図に△印で示すように、基準ケーブル1に、例えば、1200Hzの対地電圧を印加すると共に、60℃の連続加熱を行った場合、累積電圧印加時間がX日(例えば、100日)に至るまで、水トリーの長さは長くなり、70℃の連続加熱の場合、及び、室温から70℃までの間のヒートサイクルで加熱を行った場合に比べて、水トリーの長さは短くなる。また、累積電圧印加時間がX日を超えると水トリーの長さは変化しにくくなる。
図から判るように、制御手段21により、基準ケーブル1を水11に浸漬し、水11に浸漬された基準ケーブル1の温度を60℃、70℃に制御し、連続加熱、室温からのヒートサイクルでの加熱を行うと共に、高周波(例えば、500Hzから3000Hz)の対地電圧を印加することで、基準ケーブル1に水トリー劣化(基準水トリー劣化6:図1参照)を進展させることができる。
図4に基づいてパルス印加手段5の一例を説明する。図4(a)にはパルス印加手段5でのパルス電圧の印加状況を説明するグラフ、図4(b)には電圧を印加した時の電流の状況(パルス継続時間)を説明するグラフを示してある。
図4(a)に示すように、ケーブルに第1パルス電圧を印加して電荷を蓄積し、接地により蓄積された電荷を放出させる(第1電圧印加機能)。そして、電荷が放出された後のケーブルに、第2パルス電圧を印加して残留電荷を放出させる(第2電圧印加機能)。
第1パルス電圧を印加して電荷を蓄積し、接地により蓄積された電荷を放出させ、第2パルス電圧を印加して残留電荷を放出させることで、図4(b)に示すように、基準ケーブル1のパルス電圧を印加した時の基準ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間T)、及び、電力ケーブル4のパルス電圧を印加した時のパルス電流である実ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を検出する。
尚、パルス印加手段5でのパルス電圧の印加は、図4に示した例に限らず、種々のプロセスで電圧を印加して、パルス電流のパルス継続時間を検出することができる。
図5に基づいて電力ケーブルの劣化具合の評価の具体的な流れの一例を説明する。図5には電力ケーブルの水トリーの劣化具合の評価の流れの状況を示してある。
評価制御手段3では、基準水トリー劣化が進展した状態の基準ケーブルにパルス電圧を印加して基準ケーブルパルス電流の状況を検出する一方、電力ケーブルにパルス電圧を印加して実ケーブルパルス電流の状況を検出し、基準ケーブルパルス電流の状況と実ケーブルパルス電流の状況を比較し、基準ケーブルパルス電流の状況と基準水トリー劣化の大きさから、実ケーブルパルス電流の状況に基づいて水トリー劣化の大きさを推定し、電力ケーブルの水トリー劣化の具合を評価する。
即ち、図5(a)に示すように、基準ケーブル1に水トリー劣化を進展させ、水トリー劣化の大きさである水トリーの長さ(L)を把握する。例えば、水トリー劣化進展装置の加熱条件等から導き出したり、直接観察したりして、人工的に伸展させた水トリーの長さ(L)を把握する。また、基準ケーブル1にパルス電圧を印加し、水トリーの長さ(L)に対するパルス電流の状況(基準ケーブルパルス電流の継続時間T)を把握する。
そして、図5(b)に示すように、水トリー劣化が生じている(水トリーの長さは不明)電力ケーブル4にパルス電圧を印加し、パルス電流の状況(実ケーブルパルス電流の継続時間Ta)を把握する。基準ケーブル1に人工的に伸展させた水トリーの長さ(L)、及び、基準ケーブル1の基準ケーブルパルス電流の継続時間Tと、電力ケーブル4の実ケーブルパルス電流の継続時間Taとに基づいて、不明であった水トリーの長さ(La)を推定する。
つまり、基準ケーブル1にパルス電圧を印加して、予め把握されている水トリー劣化の大きさ(伸展させた水トリーの長さL)による基準ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間T)を検出する。そして、電力ケーブル4にパルス電圧を印加して、水トリー劣化に応じた実ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を検出し、進展させた水トリー劣化の大きさ(水トリーの長さL)に対応した基準ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間T)と、実ケーブルパルス電流の状況(パルス継続時間Ta)を比較する。比較の結果により実際の水トリー劣化の大きさ(水トリーの長さLa)を推定し、実際の水トリー劣化の具合を評価している。
このようにして、水トリー劣化進展手段2によって水トリー(絶縁耐力の低下をもたらす欠陥)を人工的に発生させ、人工的に発生させて長さが把握された水トリーの劣化状況(パルス電流の継続時間T)を求め、実際に用いられている電力ケーブル4のパルス電流(実ケーブルパルス電流の継続時間Ta)を求めて、電力ケーブル4の水トリーの長さ(La)を推定することができる。
このため、推定された電力ケーブル4の水トリーの長さ(La)の情報を基にして、電力ケーブル4の劣化具合を評価することができる。これにより、電力ケーブル4の水トリー劣化の基準等を構築することができ、電力ケーブルのメンテナンスを有効に実施することが可能になる。
本発明は、電力ケーブルの水トリー劣化の評価を行う水トリー劣化評価システムの産業分野で利用することができる。
1 基準電力ケーブル(基準ケーブル)
2 水トリー劣化進展手段
3 評価制御手段
4 電力ケーブル
5 パルス印加手段
6 基準水トリー劣化
7 実水トリー劣化
11 水
12 浸漬容器
13 ヒータ
14 温度検出手段
15 高周波交流電源(電源)
21 制御手段

Claims (7)

  1. 基準となる基準ケーブルに水トリー劣化を進展させる水トリー劣化進展手段と、
    前記水トリー劣化進展手段で得られた前記基準ケーブルの水トリー劣化の状況である基準水トリー劣化の状況、及び、電力ケーブルの水トリー劣化の状況である実水トリー劣化の状況に基づいて、前記電力ケーブルの水トリー劣化に対する評価を行う評価制御手段とを備える
    ことを特徴とする電力ケーブルの水トリー劣化評価システム。
  2. 請求項1に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、
    前記水トリー劣化進展手段は、
    前記基準ケーブルを水に浸漬する浸漬機能と、
    前記浸漬機能により水に浸漬された前記基準ケーブルを所定の温度で加熱する加熱機能と、
    前記浸漬機能により水に浸漬された前記基準ケーブルに対地電圧を印加する電圧印加機能とを有する
    ことを特徴とする電力ケーブルの水トリー劣化評価システム。
  3. 請求項2に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、
    前記水トリー劣化進展手段における前記加熱機能は、
    前記基準ケーブルを60℃から70℃の温度で連続加熱する機能である
    ことを特徴とする電力ケーブルの水トリー劣化評価システム。
  4. 請求項2に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、
    前記水トリー劣化進展手段における前記加熱機能は、
    前記基準ケーブルを室温から60℃、もしくは、70℃までの間のヒートサイクルで加熱する機能である
    ことを特徴とする電力ケーブルの水トリー劣化評価システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、
    前記評価制御手段は、
    前記基準水トリー劣化の大きさを予め把握しておき、対応する前記基準水トリー劣化の状況、及び、前記電力ケーブルの水トリー劣化の状況を比較し、前記電力ケーブルの水トリー劣化の状態を評価する評価機能を有している
    ことを特徴とする電力ケーブルの水トリー劣化評価システム。
  6. 請求項5に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、
    前記評価制御手段の前記評価機能は、
    前記基準水トリー劣化が進展した状態の前記基準ケーブルにパルス電圧を印加して基準ケーブルパルス電流の状況を検出する一方、前記電力ケーブルにパルス電圧を印加して実ケーブルパルス電流の状況を検出し、基準ケーブルパルス電流の状況と前記実ケーブルパルス電流の状況を比較し、基準ケーブルパルス電流の状況と前記基準水トリー劣化の大きさから、前記実ケーブルパルス電流の状況に基づいて水トリー劣化の大きさを推定し、前記電力ケーブルの水トリー劣化の具合を評価する
    ことを特徴とする電力ケーブルの水トリー劣化評価システム。
  7. 請求項6に記載の電力ケーブルの水トリー劣化評価システムにおいて、
    パルス電圧を印加する手段は、
    ケーブルに第1パルス電圧を印加して電荷を蓄積し、接地により蓄積された電荷を放出させる第1電圧印加機能と、
    前記第1電圧印加機能により電荷が放出された後の前記ケーブルに、第2パルス電圧を印加して残留電荷を放出させる第2電圧印加機能とを有する
    ことを特徴とする電力ケーブルの水トリー劣化評価システム。

JP2017166161A 2017-08-30 2017-08-30 電力ケーブルの水トリー劣化評価システム Active JP6908341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017166161A JP6908341B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 電力ケーブルの水トリー劣化評価システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017166161A JP6908341B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 電力ケーブルの水トリー劣化評価システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019045214A true JP2019045214A (ja) 2019-03-22
JP6908341B2 JP6908341B2 (ja) 2021-07-28

Family

ID=65814693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017166161A Active JP6908341B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 電力ケーブルの水トリー劣化評価システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6908341B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5335980A (en) * 1976-09-16 1978-04-03 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Accelerated deterioration test device of communication cable and its connection part
JPS59184869A (ja) * 1983-04-05 1984-10-20 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd ケ−ブルの浸水試験方法
JPH06331688A (ja) * 1993-05-26 1994-12-02 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd 水トリー検出方法
JPH07244110A (ja) * 1994-03-02 1995-09-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電力ケーブルの絶縁劣化診断法
JPH09251003A (ja) * 1996-03-15 1997-09-22 Chubu Electric Power Co Inc ゴム、プラスチックケーブルの寿命判定試験方法
JP2001215254A (ja) * 2000-02-01 2001-08-10 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電力ケーブルの絶縁劣化診断方法
JP2009186335A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Chubu Electric Power Co Inc 電力ケーブルの劣化診断方法及びその装置
JP2016031336A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 一般財団法人電力中央研究所 パルス電圧を用いた電力ケーブルの水トリー劣化検出装置及びパルス電圧を用いた電力ケーブルの水トリー劣化検出方法
WO2016088175A1 (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 東京電力株式会社 絶縁ケーブル残寿命推定装置
WO2016088156A1 (ja) * 2014-12-05 2016-06-09 東芝三菱電機産業システム株式会社 水トリー試験方法および水トリー試験装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5335980A (en) * 1976-09-16 1978-04-03 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Accelerated deterioration test device of communication cable and its connection part
JPS59184869A (ja) * 1983-04-05 1984-10-20 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd ケ−ブルの浸水試験方法
JPH06331688A (ja) * 1993-05-26 1994-12-02 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd 水トリー検出方法
JPH07244110A (ja) * 1994-03-02 1995-09-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電力ケーブルの絶縁劣化診断法
JPH09251003A (ja) * 1996-03-15 1997-09-22 Chubu Electric Power Co Inc ゴム、プラスチックケーブルの寿命判定試験方法
JP2001215254A (ja) * 2000-02-01 2001-08-10 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電力ケーブルの絶縁劣化診断方法
JP2009186335A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Chubu Electric Power Co Inc 電力ケーブルの劣化診断方法及びその装置
JP2016031336A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 一般財団法人電力中央研究所 パルス電圧を用いた電力ケーブルの水トリー劣化検出装置及びパルス電圧を用いた電力ケーブルの水トリー劣化検出方法
WO2016088175A1 (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 東京電力株式会社 絶縁ケーブル残寿命推定装置
WO2016088156A1 (ja) * 2014-12-05 2016-06-09 東芝三菱電機産業システム株式会社 水トリー試験方法および水トリー試験装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6908341B2 (ja) 2021-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102944777A (zh) 电缆使用寿命检测方法
Babel et al. Condition-based monitoring and prognostic health management of electric machine stator winding insulation
CN111157854A (zh) 电缆剩余寿命的处理方法、装置、存储介质以及处理器
CN110346677B (zh) 电缆老化过程中状态的确定方法和装置以及老化装置
JP2020510197A5 (ja)
RU2589526C2 (ru) Система и способ определения толщины исследуемого слоя в многослойной структуре
Romanenko et al. Study of incipient bearing damage monitoring in variable-speed drive systems
CN109633385B (zh) 一种hfct的电缆在线监测中噪声与放电区分的方法
JP2019045214A (ja) 電力ケーブルの水トリー劣化評価システム
JP6147862B2 (ja) 耐水トリー評価方法、絶縁設計方法および回転電機
JP2007121099A (ja) 撚合導体の素線断線率の判定方法および判定装置
US10262090B1 (en) System and method for assessing the remaining useful life of an insulation system
JP6164022B2 (ja) 巻線機器の巻線層間絶縁診断方法
Tiwana et al. Life estimation of LDPE film under stepped-stress voltage application
ZA200603232B (en) Coil residual life predicting method and apparatus
CN115481806A (zh) 基于相关系数保留率的电缆剩余寿命在线预测方法及装置
JP2009145209A (ja) 電線・電力ケーブルの異常検出装置
Polyakov et al. Definition of the remaining life of power-transmission lines with cross-linked polyethylene insulation
JP6200198B2 (ja) 回転電気の絶縁診断方法
EP2345903B1 (en) Method and apparatus for predicting the residual life of a coil
JP2012037483A (ja) 部分放電発生ボイド種別の判定法
CN114184906B (zh) 一种基于多尺度老化因子的交联聚乙烯电缆绝缘状态评估方法
Ronderos et al. Improvement of RVM Test Interpretation Using a Debye Equivalent Circuit
EP3444870B1 (en) System for manufacturing electrode for secondary battery having scratch tester
JP4681391B2 (ja) 低圧ケーブルの劣化診断方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210506

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6908341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250