以下、本発明の複数の実施形態および参考形態によるリリーフ弁を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態および参考形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、複数の実施形態および参考形態において実質的に同一の構成部位は、同一または同様の作用効果を奏する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるリリーフ弁を図1に示す。
図2に示すように、リリーフ弁1は、高圧ポンプ10に設けられる。高圧ポンプ10は、図示しない車両に設けられる。ここで、車両は、例えばガソリンを燃料とする内燃機関を駆動源として走行可能である。
燃料ポンプ3は、燃料タンク2に貯留された燃料を汲み上げ、配管4を経由して高圧ポンプ10に供給する。高圧ポンプ10は、燃料ポンプ3から供給された燃料を加圧および吐出し、配管5を経由して燃料レール6に供給する。これにより、燃料レール6には、高圧の燃料が蓄えられる。燃料レール6内の燃料は、燃料レール6に接続された複数のインジェクタ7を経由して、車両の内燃機関に供給される。
高圧ポンプ10は、ハウジング11、吸入弁16、吐出弁17、駆動部18、プランジャ19、スプリング191、リリーフ弁1等を備えている。
ハウジング11は、加圧室12、吸入通路13、吐出通路14、燃料室15等を有している。
ハウジング11は、例えばステンレス等の金属により形成されている。図3に示すように、加圧室12、吸入通路13、吐出通路14、および、燃料室15は、ハウジング11を例えば切削することにより形成されている。燃料室15は、吸入通路13に接続するよう形成されている。吸入通路13は、加圧室12に接続するよう形成されている。加圧室12は、吐出通路14に接続するよう形成されている。ここで、便宜上、吐出通路14内の空間を第1空間101とよぶ。また、燃料室15内の空間を第2空間102とよぶ。第2空間102は、第1空間101とは隔離された空間、つまり、第1空間101とは異なる空間である。
燃料ポンプ3に接続する配管4は、燃料室15に接続するようハウジング11に形成されたインレット部に接続される。これにより、燃料タンク2の燃料は、燃料ポンプ3から配管4およびインレット部を経由して燃料室15(第2空間102)に供給される。
図2に示すように、吸入弁16は、吸入通路13と加圧室12との間に設けられている。吸入弁16は、弁座161、弁体162、付勢部材163を有している。弁座161は、吸入通路13の加圧室12側の内壁に形成されている。弁体162は、弁座161に加圧室12側から当接可能に設けられている。付勢部材163は、弁体162を弁座161側に付勢している。弁体162が弁座161から離間または弁座161に当接すると、吸入通路13と加圧室12との間の燃料の流通が許容または規制される。
吐出弁17は、加圧室12と吐出通路14との間に設けられている。吐出弁17は、弁座171、弁体172、付勢部材173を有している。弁座171は、加圧室12の吐出通路14側の内壁に形成されている。弁体172は、弁座171に吐出通路14側から当接可能に設けられている。付勢部材173は、弁体172を弁座171側に付勢している。弁体172が弁座171から離間または弁座171に当接すると、加圧室12と吐出通路14との間の燃料の流通が許容または規制される。ここで、吐出弁17は、加圧室12側から吐出通路14側への燃料の流れは許容し、吐出通路14側から加圧室12側への燃料の流れは規制し、逆止弁として機能する。
駆動部18は、吸入弁16の吸入通路13側に設けられている。駆動部18は、電力が供給されると、吸入弁16の弁体162が弁座161側または加圧室12側に移動するよう駆動可能である。本実施形態では、例えば駆動部18に電力が供給されていないとき、駆動部18は、付勢部材163の付勢力に抗して弁体162を加圧室12側に付勢しており、弁体162は弁座161から離間、すなわち、開弁した状態である。駆動部18に電力が供給されると、駆動部18は、弁体162を加圧室12側に付勢する力が小さくなるよう駆動する。これにより、弁体162は、付勢部材163の付勢力により弁座161側に移動し、弁座161に当接、すなわち、閉弁する。このように、本実施形態の吸入弁16は、駆動部18との組み合わせにより、所謂ノーマリーオープンタイプの弁装置として機能する。
プランジャ19は、例えばステンレス等の金属により棒状に形成されている。プランジャ19は、加圧室12に接続するようハウジング11に形成されたシリンダ部の内側に一端側が挿入されるようにして設けられている。プランジャ19は、外壁がシリンダ部の内壁と摺動可能であり、シリンダ部の内壁により軸方向に往復移動可能に支持されている。プランジャ19が軸方向に往復移動すると、加圧室12の容積が変化する。
高圧ポンプ10は、車両の内燃機関のカムシャフト8に設けられたカム9に、プランジャ19の他端が当接するよう設けられる。高圧ポンプ10は、プランジャ19をカム9側に付勢するスプリング191を備えている。この構成により、内燃機関が運転しているとき、クランクシャフトに同期してカムシャフト8およびカム9が回転し、プランジャ19が軸方向に往復移動する。
吸入弁16が開弁した状態で、プランジャ19がカム9側に移動すると、加圧室12の容積が増大し、吸入通路13内の燃料は、加圧室12に吸入される。また、吸入弁16が開弁した状態で、プランジャ19がカム9とは反対側に移動すると、加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の燃料は、吸入通路13に戻される。
一方、吸入弁16が閉弁した状態で、プランジャ19がカム9とは反対側に移動すると、加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の燃料は、圧縮され加圧される。加圧室12内の燃料の圧力が吐出弁17の開弁圧以上になると、吐出弁17が開弁し、燃料が加圧室12から吐出通路14(第1空間101)に吐出される。
燃料レール6に接続する配管5は、吐出通路14に接続するようハウジング11に形成されたアウトレット部に接続される。これにより、加圧室12で加圧された燃料は、吐出通路14、アウトレット部、配管5を経由して燃料レール6に供給される。その結果、燃料レール6には、高圧の燃料が蓄えられることとなる。
次に、リリーフ弁1の構成について、図1に基づき詳細に説明する。
リリーフ弁1は、ボディ部20、弁座部40、弁部材50、付勢部材60、ばね座部70、移動規制部74、封止部80等を備えている。
ボディ部20は、例えばステンレス等の金属により略円筒状に形成されている。本実施形態では、ボディ部20は、高圧ポンプ10のハウジング11と一体に形成されている。すなわち、ボディ部20は、ハウジング11の一部であるともいえる。
ボディ部20は、筒状内壁21、「穴部」としての第1穴部25、穴部開口26、第2穴部27等を有している。筒状内壁21は、ボディ部20の内壁であり、略円筒状に形成されている。ここで、筒状内壁21の内側の空間を内側空間103とよぶ。
筒状内壁21は、基準内径部22、第1大径部23、第2大径部24等を有している。基準内径部22は、筒状内壁21のうち所定の内径となるよう円筒状に形成される部分である。第1大径部23は、筒状内壁21のうち基準内径部22の内径よりも大きな内径となるよう円筒状に形成される部分であり、基準内径部22の一端側に形成されている。第2大径部24は、筒状内壁21のうち第1大径部23の内径よりも大きな内径となるよう円筒状に形成される部分であり、基準内径部22の他端側に形成されている。
第1穴部25は、内側空間103と第2空間102(燃料室15内の空間)とを接続するよう形成されている。これにより、筒状内壁21の基準内径部22に、第1穴部25の開口である穴部開口26が形成されている。本実施形態では、第1穴部25は、内壁が円筒状になるよう形成されている。そのため、穴部開口26の形状は、円形である。なお、穴部開口26の形状は、筒状内壁21の径方向から見たとき、真円である。
第2穴部27は、内側空間103と第2空間102(燃料室15内の空間)とを接続するよう、第1穴部25とは異なる箇所に形成されている。これにより、筒状内壁21の第2大径部24に、第2穴部27の開口が形成されている。
弁座部40は、例えばステンレス等の金属により形成されている。本実施形態では、弁座部40は、高圧ポンプ10のハウジング11と一体に形成されている。すなわち、弁座部40は、ボディ部20と同様、ハウジング11の一部であるともいえる。
弁座部40は、ボディ部20の筒状内壁21の一端、すなわち、第1大径部23側を塞ぐよう設けられている。弁座部40は、ボディ部20と一体に形成されている。ここで、筒状内壁21の第2大径部24の基準内径部22とは反対側は、ハウジング11の外壁と接続している。すなわち、筒状内壁21の他端は、ハウジング11の外壁に開口するよう形成されている。
弁座部40は、弁孔41、弁座42等を有している。弁孔41は、内側空間103と第1空間101(吐出通路14内の空間)とを接続するよう形成されている。弁座42は、弁孔41の内側空間103側の端部の径外側に環状に形成されている。本実施形態では、弁座42は、内側空間103側に向かうに従い弁孔41の軸から離れるようテーパ状に形成されている。
弁部材50は、例えばステンレス等の金属により形成され、ボディ部20の内側に設けられている。弁部材50は、弁本体51、摺動外壁55、シート部58等を有している。
弁本体51は、筒部52、底部56、突出部57を有している。筒部52は、大径部53、小径部54を有している。大径部53は、外径が筒状内壁21の基準内径部22の内径と同等、または、基準内径部22の内径よりやや小さく設定されている。これにより、大径部53の外壁は、基準内径部22に摺動可能である。ここで、大径部53の外壁は、摺動外壁55に対応している。
小径部54は、筒部52のうち大径部53の外径よりも外径が小さい部分であり、大径部53の弁座部40側に形成されている。
底部56は、筒部52の小径部54側の端部を塞ぐようにして筒部52と一体に形成されている。突出部57は、底部56の中央から弁座42側に円柱状に突出するよう底部56と一体に形成されている。
弁本体51は、ボディ部20内を軸方向に往復移動可能に設けられている。
シート部58は、突出部57の弁座42側に、突出部57と一体に形成されている。シート部58は、弁座42側の端部の外壁が、弁座42側に向かうに従い突出部57の軸に近づくようテーパ状に形成されている。シート部58は、弁座42側の端部の外壁が、弁座42に当接可能である。
弁部材50は、筒状内壁21に対する弁本体51の軸方向の位置により容積が変化するとともに弁孔41および第1穴部25に連通可能な中間室104を筒状内壁21および弁座部40との間に形成する。
弁部材50は、シート部58が弁座42から離間すると弁孔41と中間室104とを連通し、弁孔41と中間室104との間の燃料の流れを許容する。また、弁部材50は、シート部58が弁座42に当接すると弁孔41と中間室104とを遮断し、弁孔41と中間室104との間の燃料の流れを規制する。
付勢部材60は、例えばコイルスプリングであり、一端側が弁部材50の筒部52の内側に位置し、一端が弁部材50の底部56に当接するよう、底部56の弁座部40とは反対側に設けられている。
ばね座部70は、例えばステンレス等の金属により形成され、弁部材50の弁座部40とは反対側に設けられている。ばね座部70は、筒部71、底部72等を有している。筒部71は、外径が筒状内壁21の基準内径部22の内径と同等、または、基準内径部22の内径よりやや大きく設定されている。筒部71は、一端側の外壁が基準内径部22に当接するようボディ部20の内側に設けられている。筒部71は、例えば溶接または圧入等によりボディ部20の内側に固定されている。
底部72は、筒部71の他端側を塞ぐようにして筒部71と一体に形成されている。底部72は、中央に、一方の面と他方の面とを接続する穴部73を有している。穴部73は、筒部71の内側の空間と外側の空間とを接続している。
本実施形態では、移動規制部74は、ばね座部70の筒部71の底部72とは反対側の端部に形成されている。移動規制部74は、弁部材50の筒部52の底部56とは反対側の端部に当接可能である。そのため、移動規制部74は、筒部52に当接することにより、弁部材50が弁座42から離れる方向に移動するのを規制可能である。すなわち、本実施形態では、弁部材50は、弁座部40と移動規制部74との間を移動可能である。また、弁部材50の軸方向の移動可能距離は、シート部58が弁座42に当接しているときの筒部52と移動規制部74との間の距離である。
付勢部材60は、他端側がばね座部70の筒部71の内側に位置し、他端がばね座部70の底部72に当接するよう、底部72の弁部材50側に設けられている。弁部材50のシート部58が弁座42に当接しているときの弁部材50の底部56とばね座部70の底部72との距離は、付勢部材60の自由長よりも短く設定されている。そのため、付勢部材60は、弁部材50を弁座部40側に付勢している。
封止部80は、例えばステンレス等の金属により形成され、ばね座部70の弁部材50とは反対側に設けられている。封止部80は、本体81、筒部82を有している。筒部82は、本体81から筒状に延びるようにして本体81と一体に形成されている。筒部82の外壁にはねじ溝が形成されている。また、ボディ部20の第2大径部24には、筒部82のねじ溝に対応するねじ溝が形成されている。封止部80は、筒部82が第2大径部24にねじ込まれるようにしてボディ部20に設けられている。
ここで、封止部80は、筒状内壁21の他端、すなわち、ハウジング11の外壁に形成された開口を封止している。また、封止部80の筒部82は、ばね座部70の筒部71の他端の径外側に位置し、筒部71の外壁との間に筒状の空間を形成している。また、ばね座部70の底部72と封止部80との間には空間が形成されている。これにより、ばね座部70の筒部71の内側の空間は、穴部73、底部72と封止部80との間の空間、筒部82と筒部71との間の筒状の空間、第2穴部27を経由して、第2空間102(燃料室15内の空間)に連通している。これにより、ボディ部20内での弁部材50の軸方向の往復移動を円滑にすることができる。
リリーフ弁1(弁部材50)の開弁圧は、付勢部材60の付勢力と内側空間103のうち弁部材50のばね座部70側の空間の燃料の圧力(燃料室15内の燃料の圧力)とにより設定される。
次に、筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置と、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Sp、および、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfとの関係について、図1、4に基づき説明する。
図1(B)に示すように、本実施形態では、ボディ部20の基準内径部22と弁部材50の小径部54との間に形成される筒状の隙間の軸に直交する断面の面積である隙間面積Ssは、穴部開口26の面積である開口面積Soよりも大きい。すなわち、ボディ部20、弁部材50、穴部開口26は、Ss>Soの関係を満たすよう形成されている。
図4(A)〜(C)は、摺動外壁55と穴部開口26との位置関係を説明するために、リリーフ弁1の断面図のうち第1穴部25近傍を示すものである。ここで、図4(A)は、図1のIVA−IVA線断面に対応している。
図4(A)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42に当接した状態では、穴部開口26と摺動外壁55とは完全に重なっている。よって、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spは、開口面積So(穴部開口26の面積)と同じである。なお、ここで、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfは、0である。
図4(B)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42から離間し、弁部材50がばね座部70側にさらに移動すると、重なり面積Spは、開口面積Soより小さくなる。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soから重なり面積Spを引いた面積に等しい。
図4(C)に示すように、弁部材50がばね座部70側にさらに移動し、筒部52が移動規制部74に当接するとき、重なり面積Spは、0である。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soと同じである。
筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置と、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Sp、および、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfとの関係を図5に示す。
図5において、位置PAは、図4(A)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PBは、図4(B)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PCは、図4(C)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、重なり面積Spを一点鎖線で示し、最小流路面積Sfを実線で示している。
図5に示すように、弁部材50の位置が位置PAのとき、最小流路面積Sfは0である。また、弁部材50の位置が位置PCのとき、最小流路面積Sfは開口面積Soと同じである。
また、図5に示すように、本実施形態では、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に少なくとも「弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するに従い、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spが次第に(連続的に)小さくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfが次第に(連続的に)大きくなる特定範囲」を含む。別の言い方をすると、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に少なくとも「弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するに従い、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Spが漸減するとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfが漸増する特定範囲」を含む。
本実施形態では、第1空間101内の燃料の圧力が弁部材50の開弁圧以上になりシート部58が弁座42から離れて開弁し、第1空間101に連通する中間室104内の燃料の圧力が増大すると、弁部材50は、弁座部40から離れる方向に移動する。上記「特定範囲」では、弁部材50が弁座部40から離れるほど、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfが大きくなるため、中間室104内の燃料の圧力が大きくなるほど、中間室104から第1穴部25に流れる燃料の流量が多くなる。
また、本実施形態では、弁部材50が弁座部40に近づく方向に移動するとき、上記「特定範囲」では、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Spが次第に大きくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfが次第に小さくなる。そのため、中間室104から第1穴部25に燃料が流れることで中間室104内の燃料の圧力が低減し、弁部材50が弁座部40側に移動するとき、中間室104から第1穴部25への燃料の流れは徐々に絞られる。
また、上述のように、本実施形態では、シート部58が弁座42に当接しているとき(位置PA)、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Spは穴部開口26の開口面積Soと同じで、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfは0、すなわち、中間室104と第1穴部25とは非連通である。また、弁部材50が図5の位置PAから位置POまで移動する間、中間室104と第1穴部25とは非連通である。つまり、本実施形態では、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に「中間室104と第1穴部25とが非連通となる範囲である非連通範囲」を含む(図5参照)。
次に、本実施形態の高圧ポンプ10の作動について、図2に基づき説明する。
「吸入工程」
駆動部18への電力の供給が停止されているとき、吸入弁16の弁体162は、駆動部18により加圧室12側へ付勢されている。よって、弁体162は、弁座161から離間、すなわち、吸入弁16は開弁している。この状態で、プランジャ19がカム9側に移動すると、加圧室12の容積が増大し、吸入通路13内の燃料は、加圧室12に吸入される。
「調量工程」
吸入弁16が開弁した状態で、プランジャ19がカム9とは反対側に移動すると、加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の燃料は、吸入通路13に戻される。調量工程の途中、駆動部18に電力を供給すると、吸入弁16は閉弁する。プランジャ19がカム9とは反対側に移動するとき、吸入弁16を閉弁し加圧室12と吸入通路13とを遮断することにより、加圧室12から吸入通路13に戻される燃料の量が調整される。その結果、加圧室12で加圧される燃料の量が決定される。吸入弁16が閉弁することにより、燃料を加圧室12から吸入通路13に戻す調量工程は終了する。
「加圧工程」
吸入弁16が閉弁した状態でプランジャ19がカム9とは反対側にさらに移動すると、加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の燃料は、圧縮され加圧される。加圧室12内の燃料の圧力が吐出弁17の開弁圧以上になると、吐出弁17が開弁し、燃料が加圧室12から吐出通路14(第1空間101)に吐出される。
駆動部18への電力の供給が停止され、プランジャ19がカム9側に移動すると、吸入弁16は再び開弁する。これにより、燃料を加圧する加圧工程が終了し、吸入通路13から加圧室12に燃料が吸入される吸入工程が再開する。
上記の「吸入工程」、「調量工程」、「加圧工程」を繰り返すことにより、高圧ポンプ10は、吸入した燃料タンク2内の燃料を加圧、吐出し、燃料レール6に供給する。高圧ポンプ10から燃料レール6への燃料の供給量は、駆動部18への電力の供給タイミング等を制御することにより調節される。
例えば、駆動部18への電力の供給が停止された状態が所定期間継続すると、吸入弁16は開弁状態を維持するため、加圧室12での燃料の加圧は行われず、燃料は高圧ポンプ10から燃料レール6に供給されない。また、弁体162の固着等、何らかの原因により吸入弁16が開弁状態を維持している場合も、加圧室12での燃料の加圧は行われず、燃料は高圧ポンプ10から燃料レール6に供給されない。
一方、例えば、駆動部18への電力の供給が所定期間継続すると、吸入弁16は加圧工程で閉弁状態となるため、燃料は、加圧室12で加圧され、高圧ポンプ10から燃料レール6に供給され、吐出通路14、配管5、燃料レール6内の燃料の圧力が増大していく。また、弁体162の固着等、何らかの原因により吸入弁16が閉弁状態を維持している場合も、燃料は、加圧室12で加圧され、高圧ポンプ10から燃料レール6に供給され、吐出通路14、配管5、燃料レール6内の燃料の圧力が増大していく。
次に、本実施形態のリリーフ弁1の作動について、図1に基づき説明する。
吐出通路14(第1空間101)内の燃料の圧力がリリーフ弁1(弁部材50)の開弁圧以上になると、シート部58が弁座42から離れて開弁し、第1空間101に連通する中間室104内の燃料の圧力が増大する。これにより、弁部材50は、弁座部40から離れる方向に移動する。
弁部材50が弁座部40から離れる方向にさらに移動すると、中間室104と第1穴部25とが、穴部開口26を経由して連通する。これにより、中間室104から第1穴部25に燃料が流れる。第1穴部25に流れた燃料は、燃料室15に向かって流れる。
中間室104内の燃料の圧力がさらに増大し、弁部材50が弁座部40から離れる方向にさらに移動すると、中間室104と第1穴部25との最小流路面積Sfが大きくなり、中間室104から第1穴部25に燃料が流れ易くなる。これにより、中間室104、および、中間室104に連通する吐出通路14(第1空間101)内の燃料の圧力が速やかに低減する。
中間室104内の燃料の圧力が低減すると、弁部材50は、弁座部40に近づく方向に移動する。弁部材50が弁座部40に近づく方向に移動すると、中間室104と第1穴部25との最小流路面積Sfが次第に小さくなり、中間室104から第1穴部25への燃料の流れが徐々に絞られる。そのため、中間室104内の燃料は、圧力の急激な低減が抑制され、圧力が一定値以上に維持される。また、このとき、弁部材50の弁座部40側への急激な移動が抑制される。これにより、、弁部材50は、最小流路面積Sfが0より大きい状態になるよう位置が維持され、弁座42から離間した開弁状態が維持される。
吐出通路14(第1空間101)内の燃料の圧力がさらに低減し、最小流路面積Sfが略ゼロになり、吐出通路14から中間室104を経由して燃料室15(第2空間102)側に流れる燃料が略ゼロになると、シート部58が弁座42に当接し、リリーフ弁1が閉弁する。
本実施形態では、「特定範囲」において、弁部材50が弁座部40から離れるほど、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfが大きくなるため、中間室104内の燃料の圧力が大きくなるほど、中間室104から第1穴部25に流れる燃料の流量が多くなる。これにより、中間室104に連通する第1空間101(吐出通路14内の空間)の燃料の圧力を速やかに低減することができる。
また、本実施形態では、弁部材50が弁座部40に近づく方向に移動するとき、「特定範囲」では、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Spが次第に大きくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfが次第に小さくなる。そのため、中間室104から第1穴部25に燃料が流れることで中間室104内の燃料の圧力が低減し、弁部材50が弁座部40側に移動するとき、中間室104から第1穴部25への燃料の流れは徐々に絞られる。これにより、「中間室104から第1穴部25への燃料の流れが急に絞られ、中間室104内の燃料の圧力が再び急激に増大すること」が抑制される。したがって、第1空間101内の燃料の圧力を低減するとき、中間室104内の燃料、および、中間室104に連通する第1空間101(吐出通路14内の空間)の燃料に圧力の脈動が生じるのを抑制することができる。
以上説明したように、(1)本実施形態のリリーフ弁1では、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に少なくとも「弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するに従い、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spが次第に小さくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfが次第に大きくなる特定範囲」を含む。
本実施形態では、第1空間101内の燃料の圧力が弁部材50の開弁圧以上になりシート部58が弁座42から離れて開弁し、第1空間101に連通する中間室104内の燃料の圧力が増大すると、弁部材50は、弁座部40から離れる方向に移動する。上記「特定範囲」では、弁部材50が弁座部40から離れるほど、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfが大きくなるため、中間室104内の燃料の圧力が大きくなるほど、中間室104から第1穴部25に流れる燃料の流量が多くなる。これにより、中間室104に連通する第1空間101の燃料の圧力を速やかに低減することができる。
また、本実施形態では、弁部材50が弁座部40に近づく方向に移動するとき、上記「特定範囲」では、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Spが次第に大きくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfが次第に小さくなる。そのため、中間室104から第1穴部25に燃料が流れることで中間室104内の燃料の圧力が低減し、弁部材50が弁座部40側に移動するとき、中間室104から第1穴部25への燃料の流れは徐々に絞られる。これにより、「中間室104から第1穴部25への燃料の流れが急に絞られ、中間室104内の燃料の圧力が再び急激に増大すること」が抑制される。したがって、第1空間101内の燃料の圧力を低減するとき、中間室104内の燃料、および、中間室104に連通する第1空間101内の燃料に圧力の脈動が生じるのを抑制することができる。
また、(2)本実施形態のリリーフ弁1では、シート部58が弁座42に当接しているとき、中間室104と第1穴部25とは非連通である。また、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に「中間室104と第1穴部25とが非連通となる範囲である非連通範囲」を含む。よって、当該非連通範囲では、中間室104内の燃料の圧力の増大に伴い、弁部材50は弁座部40から離れる方向に速やかに移動する。また、一旦開弁した(特定範囲にある)弁部材50の開弁状態を維持し易くする(閉弁し難くする)ことができる。
また、(3)本実施形態のリリーフ弁1では、弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するのを規制可能な移動規制部74をさらに備える。これにより、弁部材50が弁座部40から離れ過ぎること、および、付勢部材60の損傷(座屈)等を抑制することができる。
また、本実施形態では中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfの最大値は穴部開口26の開口面積Soと等しいが、移動規制部74の位置を適宜設定することにより、最小流路面積Sfの最大値を開口面積So以下の任意の値に設定することができる。
また、(5)本実施形態のリリーフ弁1では、穴部開口26は、形状が円形に形成されている。そのため、筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置と、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Sp、および、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfとの関係は、図5に示すとおりとなる。
また、(6)本実施形態の高圧ポンプ10は、燃料を吸入し加圧する加圧室12、加圧室12に吸入される燃料が流れる吸入通路13、および、加圧室12で加圧され吐出される燃料が流れる吐出通路14を有するハウジング11と、上記リリーフ弁1と、を備えている。そして、第1空間101は、吐出通路14内の空間である。したがって、中間室104に連通する吐出通路14(第1空間101)内の燃料の圧力が高圧になったとき、当該圧力を速やかに低減することができる。また、吐出通路14(第1空間101)内の燃料の圧力を低減するとき、吐出通路14(第1空間101)内の燃料に圧力の脈動が生じるのを抑制することができる。これにより、高圧ポンプ10の吐出通路14と燃料レール6とを接続する配管5の損傷を抑制することができる。
また、(7)本実施形態では、第2空間102は、吸入通路13に連通する燃料室15内の空間である。つまり、リリーフ弁1は、弁孔41が吐出通路14に連通し、第1穴部25が燃料室15に連通するよう設けられている。リリーフ弁1は、吐出通路14内の燃料の圧力がリリーフ弁1の開弁圧以上に大きくなると、吐出通路14内の燃料を低圧の燃料室15側へ戻し、吐出通路14内の燃料の圧力を低減する。
また、本実施形態の高圧ポンプ10は、加圧室12と吐出通路14との間に設けられ、加圧室12と吐出通路14との間の燃料の流れを許容または規制可能な吐出弁17を備えている。また、高圧ポンプ10は、加圧室12と吸入通路13との間に設けられ、加圧室12と吸入通路13との間の燃料の流れを許容または規制可能な吸入弁16を備えている。さらに、高圧ポンプ10は、吸入弁16の開弁状態を変更可能な駆動部18を備えている。
また、本実施形態では、リリーフ弁1は、背圧側の空間(弁部材50のばね座部70側の空間)が第2穴部27を経由して、低圧の燃料室15に接続するよう設けられている。そのため、リリーフ弁1(弁部材50)の開弁圧の設定の自由度を大きくすることができる。なお、本実施形態は、弁部材50の閉弁時、穴部開口26が摺動外壁55により塞がれる構成のため、第1穴部25内の燃料の圧力が、弁部材50の開弁圧に影響するのを抑制することができる。
また、上述の特許文献1のリリーフ弁は、背圧側の空間(弁体および可動ホルダの付勢部材側の空間)が高圧ポンプの加圧室に接続するよう設けられているため、高圧ポンプの加圧室のデッドボリュームが増大し、高圧ポンプによる燃料の十分な加圧が困難になるおそれがある。これに対し、本実施形態の高圧ポンプ10では、リリーフ弁1は、背圧側の空間(弁部材50のばね座部70側の空間)が燃料室15に接続するよう設けられている。そのため、加圧室12のデッドボリュームの増大を抑制し、高圧ポンプ10による燃料の十分な加圧が可能となる。
また、特許文献1のリリーフ弁では、弁座に当接する弁体と、付勢部材により付勢される可動ホルダとが別体に形成されているため、弁体と可動ホルダとの位置がずれると、リリーフ弁の作動不良を招くおそれがある。これに対し、本実施形態のリリーフ弁1では、弁座42に当接するシート部58と、付勢部材60により付勢される弁本体51とは、一体に形成されている。そのため、シート部58と弁本体51との位置がずれることはない。
また、特許文献1のリリーフ弁では、加圧室内の燃料と吐出通路内の燃料との差圧が大きくなると、可動ホルダがガイド孔から抜け出るおそれがある。可動ホルダがガイド孔から抜け出ると、可動ホルダは再度ガイド孔内に入ることが困難になるおそれがある。この場合、弁体を弁座に押し付けることができなくなり、リリーフ弁が閉弁不能になるおそれがある。これに対し、本実施形態のリリーフ弁1では、弁部材50は、ボディ部20内の軸方向の位置に関係なく、摺動外壁55が筒状内壁21に常に摺動可能であるため、弁部材50の軸方向の移動が安定する。また、本実施形態のリリーフ弁1では、特許文献1のリリーフ弁のように閉弁不能になることはない。
また、特許文献1のリリーフ弁では、可動ホルダを付勢する付勢部材の外周面は、吐出通路と加圧室とを接続する流路に面している。そのため、吐出通路内の燃料の圧力を低減するとき、吐出通路側から加圧室側に流れる燃料が、付勢部材の特に可動ホルダ側の端部の外周面に接触し、可動ホルダの位置が不安定になるおそれがある。これに対し、本実施形態のリリーフ弁1では、付勢部材60の弁部材50側の端部の外周面は、筒部52で覆われている。また、付勢部材60の外周面は、吐出通路14と燃料室15とを接続する流路に面していない。そのため、本実施形態では、吐出通路14内の燃料の圧力を低減するとき、吐出通路14側から燃料室15側に流れる燃料が、付勢部材60の外周面に接触することがない。これにより、弁部材50の位置を安定させることができる。
また、本実施形態では、リリーフ弁1のボディ部20は、高圧ポンプ10のハウジング11と一体に形成されている。これにより、部材点数を低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるリリーフ弁を図6、7に基づき説明する。第2実施形態では、ボディ部20の筒状内壁21に形成される穴部開口26の形状が第1実施形態と異なる。
図6(A)に示すように、本実施形態では、穴部開口26は、矩形の形状に形成されている。ここで、穴部開口26は、長手方向が摺動外壁55の軸方向と平行になるよう長方形の形状に形成されている。
図6(A)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42に当接した状態では、穴部開口26と摺動外壁55とは完全に重なっている。よって、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spは、開口面積So(穴部開口26の面積)と同じである。なお、ここで、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfは、0である。
図6(B)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42から離間し、弁部材50がばね座部70側にさらに移動すると、重なり面積Spは、開口面積Soより小さくなる。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soから重なり面積Spを引いた面積に等しい。
図6(C)に示すように、弁部材50がばね座部70側にさらに移動し、筒部52が移動規制部74に当接するとき、重なり面積Spは、0である。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soと同じである。
筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置と、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Sp、および、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfとの関係を図7に示す。
図7において、位置PAは、図6(A)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PBは、図6(B)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PCは、図6(C)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、重なり面積Spを一点鎖線で示し、最小流路面積Sfを実線で示している。
図7に示すように、弁部材50の位置が位置PAのとき、最小流路面積Sfは0である。また、弁部材50の位置が位置PCのとき、最小流路面積Sfは開口面積Soと同じである。
また、図7に示すように、本実施形態では、第1実施形態と同様、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に少なくとも「弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するに従い、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spが次第に小さくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfが次第に大きくなる特定範囲」を含む。
図7に、第1実施形態の中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfを破線で示す。特定範囲において、第1実施形態では弁部材50の位置の変化に伴い最小流路面積Sfは曲線状(正弦波状)に変化(増大)し、図7に示すように、第2実施形態では弁部材50の位置の変化に伴い最小流路面積Sfは直線状(一次関数状)に変化(増大)する。また、第2実施形態では、特定範囲のうち特に位置PA側において、弁部材50の位置の変化に伴う最小流路面積Sfの変化率(傾き)は、第1実施形態と比べ、大きい。よって、第2実施形態では、第1実施形態と比べ、特定範囲のうち特に位置PA側においては、中間室104内の燃料を第1穴部25に速やかに流すことができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態によるリリーフ弁を図8、9に基づき説明する。第3実施形態では、ボディ部20の筒状内壁21に形成される穴部開口26の形状が第1実施形態と異なる。
図8(A)に示すように、本実施形態では、穴部開口26は、三角形の形状に形成されている。ここで、穴部開口26は、三角形の頂点の1つが弁座部40側を向くよう形成されている。
図8(A)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42に当接した状態では、穴部開口26と摺動外壁55とは完全に重なっている。よって、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spは、開口面積So(穴部開口26の面積)と同じである。なお、ここで、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfは、0である。
図8(B)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42から離間し、弁部材50がばね座部70側にさらに移動すると、重なり面積Spは、開口面積Soより小さくなる。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soから重なり面積Spを引いた面積に等しい。
図8(C)に示すように、弁部材50がばね座部70側にさらに移動し、筒部52が移動規制部74に当接するとき、重なり面積Spは、0である。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soと同じである。
筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置と、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Sp、および、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfとの関係を図9に示す。
図9において、位置PAは、図8(A)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PBは、図8(B)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PCは、図8(C)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、重なり面積Spを一点鎖線で示し、最小流路面積Sfを実線で示している。
図9に示すように、弁部材50の位置が位置PAのとき、最小流路面積Sfは0である。また、弁部材50の位置が位置PCのとき、最小流路面積Sfは開口面積Soと同じである。
また、図9に示すように、本実施形態では、第1実施形態と同様、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に少なくとも「弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するに従い、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spが次第に小さくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfが次第に大きくなる特定範囲」を含む。
図9に、第1実施形態の中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfを破線で示す。図9に示すように、特定範囲において、第1実施形態では弁部材50の位置の変化に伴い最小流路面積Sfは曲線状(正弦波状)に変化(増大)し、第3実施形態では弁部材50の位置の変化に伴い最小流路面積Sfは曲線状(二次関数状)に変化(増大)する。また、第3実施形態では、特定範囲のうち特に位置PA側において、弁部材50の位置の変化に伴う最小流路面積Sfの変化率(傾き)は、第1実施形態と比べ、小さい。よって、第3実施形態では、第1実施形態と比べ、一旦開弁した弁部材50の開弁状態をより維持し易くする(閉弁し難くする)ことができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態によるリリーフ弁を図10に示す。第4実施形態では、ボディ部20の筒状内壁21に形成される穴部開口26(第1穴部25)の位置が第1実施形態と異なる。
図10に示すように、第4実施形態では、第1実施形態と比べ、第1穴部25および穴部開口26は、弁座部40に近い位置に形成されている。そのため、第4実施形態では、シート部58が弁座42に当接しているとき、中間室104と第1穴部25とは、穴部開口26を経由して連通している。
次に、第4実施形態における、筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置と、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Sp、および、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfとの関係について、図11、12に基づき説明する。
図11(A)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42に当接した状態で、穴部開口26と摺動外壁55とは一部が重なっている。ここで、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spは、開口面積So(穴部開口26の面積)の約半分である。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soから重なり面積Spを引いた面積に等しい。
図11(B)に示すように、弁部材50のシート部58が弁座42から離間し、弁部材50がばね座部70側にさらに移動すると、重なり面積Spは、0になる。なお、ここで、最小流路面積Sfは、開口面積Soと同じである。
図11(C)に示すように、弁部材50がばね座部70側にさらに移動し、筒部52が移動規制部74に当接するとき、重なり面積Spは、0である。
筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置と、穴部開口26と摺動外壁55との重なり面積Sp、および、中間室104と第1穴部25との間の最小流路面積Sfとの関係を図12に示す。
図12において、位置PAは、図11(A)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PBは、図11(B)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、位置PCは、図11(C)のときの筒状内壁21に対する弁部材50の相対位置を示している。また、重なり面積Spを一点鎖線で示し、最小流路面積Sfを実線で示している。
図12に示すように、弁部材50の位置が位置PAのとき、最小流路面積Sfは、開口面積So(穴部開口26の面積)の約半分である。また、弁部材50の位置が位置PB、PCのとき、最小流路面積Sfは開口面積Soと同じである。
また、図12に示すように、本実施形態では、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に少なくとも「弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するに従い、穴部開口26と摺動外壁55とが重なる面積である重なり面積Spが次第に小さくなるとともに、中間室104と第1穴部25との間の最小の流路面積である最小流路面積Sfが次第に大きくなる特定範囲」を含む。
また、本実施形態では、第1実施形態等と異なり、弁部材50は、軸方向の移動可能範囲の中に「中間室104と第1穴部25とが非連通となる範囲である非連通範囲」を含まない(図12参照)。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態によるリリーフ弁を図13に示す。第5実施形態では、弁部材50の筒部52の形状が第1実施形態と異なる。
第5実施形態では、弁部材50は、凹部59を有する。凹部59は、シート部58が弁座42に当接した状態(図13(A)参照)において、穴部開口26に対応する位置に摺動外壁55から径内方向へ凹むよう形成されている。そのため、シート部58が弁座42に当接した状態から弁部材50が弁座部40から離れる方向に所定距離移動するまでの間、穴部開口26の外縁部は、摺動外壁55と摺動しない。よって、穴部開口26の外縁部の摩耗を抑制できる。また、弁部材50の摺動外壁55が穴部開口26の外縁部または内縁部に引っかかることによる弁部材50の作動不良(開弁不良)を抑制できる。
(第1参考形態)
本発明の第1参考形態によるリリーフ弁を図14に示す。
第1参考形態では、ボディ部20は、第1実施形態(図1)に示す第1穴部25および穴部開口26を有していない。
第1参考形態では、ボディ部20は、第3大径部211を有している。第3大径部211は、基準内径部22の軸方向の途中に形成されている。第3大径部211は、内径が、基準内径部22および第1大径部23の内径より大きく、第2大径部24の内径より小さく形成されている。
弁部材50は、切り欠き部521、穴部522を有している。切り欠き部521は、筒部52の大径部53の小径部54側の外壁を平面状に切り欠くことにより形成されている。切り欠き部521は、筒部52の軸に対し平行な平面となるよう形成されている。すなわち、筒部52は、大径部53の外壁の周方向の一部が平面状に切り欠かれている。よって、切り欠き部521を含む大径部53の外壁の軸に垂直な面による断面の形状は、略D字状となる。
穴部522は、筒部52の大径部53の外壁と内壁とを接続するよう形成されている。
上記構成により、図14(B)に示すように、リリーフ弁が開弁し、中間室104内の燃料の圧力が増大し、弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動すると、中間室104と筒部52の内側の空間とは、切り欠き部521と筒状内壁21(第3大径部211)との間、穴部522を経由して連通した状態になる。これにより、第1空間101(吐出通路14)内の燃料は、弁孔41、中間室104、切り欠き部521と筒状内壁21(第3大径部211)との間、穴部522、ばね座部70の内側、ばね座部70と封止部80との間、第2穴部27を経由して第2空間102(燃料室15)側に流通可能となる。その結果、吐出通路14内の燃料の圧力を低減できる。
(第2参考形態)
本発明の第2参考形態によるリリーフ弁を図15に示す。
第2参考形態では、ボディ部20は、第1実施形態(図1)に示す第1穴部25および穴部開口26を有していない。
第2参考形態では、リリーフ弁は、棒部61を備えている。棒部61は、例えばステンレス等の金属により、棒状、より詳細には長い円柱状に形成されている。棒部61は、一端が弁部材50の底部56に固定され、他端がばね座部70の底部72の穴部73の内側に位置するよう設けられている。
棒部61は、軸方向の長さが、シート部58が弁座42に当接した状態の弁部材50の底部56のばね座部70側の端面とばね座部70の底部72の封止部80側の端面との距離と概ね同じになるよう形成されている。
棒部61は、摺動外壁611、小径部612を有している。摺動外壁611は、棒部61の他端の外壁に形成されている。摺動外壁611は、外径が、ばね座部70の底部72の穴部73の内径と同じ、または、穴部73の内径よりやや小さく形成されている。これにより、摺動外壁611は、棒部61が弁部材50とともに軸方向に移動するとき、ばね座部70の底部72の穴部73の内壁と摺動可能である。
小径部612は、棒部61の摺動外壁611の弁部材50側に形成されている。小径部612は、例えば棒部61の外壁を径内側に切削することにより形成されている。
弁部材50は、穴部561を有している。穴部561は、弁部材50の底部56の弁座部40側の壁面とばね座部70側の壁面とを接続するよう形成されている。
上記構成により、図15(B)に示すように、リリーフ弁が開弁し、中間室104内の燃料の圧力が増大し、弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動すると、第1空間101(吐出通路14)内の燃料は、弁孔41、中間室104、穴部561、筒部52の内側、筒部71の内側、穴部73と小径部612との間、ばね座部70と封止部80との間、第2穴部27を経由して第2空間102(燃料室15)側に流通可能となる。その結果、吐出通路14内の燃料の圧力を低減できる。
(第3参考形態)
本発明の第3参考形態によるリリーフ弁を図16に示す。
第3参考形態では、ボディ部20は、第1実施形態(図1)に示す第1穴部25および穴部開口26を有していない。
第3参考形態では、リリーフ弁は、ピン63を備えている。ピン63は、例えばステンレス等の金属により、棒状、より詳細には長い円錐状に形成されている。ピン63は、外径の大きい一端側が弁座部40に固定されている。
弁部材50は、穴部561を有している。穴部561は、弁部材50の底部56の弁座部40側の壁面とばね座部70側の壁面とを接続するよう形成されている。
ピン63は、シート部58が弁座42に当接した状態では、外径の小さい他端側が弁部材50の穴部561の内側に位置するよう設けられている。このとき、穴部561は、ピン63により塞がれている。すなわち、ピン63の外壁と穴部561の内壁とは接している。一方、弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動すると、ピン63の外壁と穴部561の内壁とは離間する(図16(B)参照)。
上記構成により、図16(B)に示すように、リリーフ弁が開弁し、中間室104内の燃料の圧力が増大し、弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動すると、第1空間101(吐出通路14)内の燃料は、弁孔41、中間室104、穴部561、筒部52の内側、筒部71の内側、穴部73、ばね座部70と封止部80との間、第2穴部27を経由して第2空間102(燃料室15)側に流通可能となる。その結果、吐出通路14内の燃料の圧力を低減できる。
(第4参考形態)
本発明の第4参考形態によるリリーフ弁を図17に示す。
第4参考形態では、ボディ部20は、第1実施形態(図1)に示す第1穴部25および穴部開口26を有していない。
第4参考形態では、ボディ部20は、テーパ部212を有している。テーパ部212は、基準内径部22の軸方向の途中に形成されている。テーパ部212は、弁座部40側からばね座部70側に向かうほど、内径が大きくなるようテーパ状に形成されている。
ここで、摺動外壁55は、テーパ部212の弁座部40側の基準内径部22と摺動可能である。
弁部材50は、穴部522を有している。穴部522は、筒部52の大径部53の外壁と内壁とを接続するよう形成されている。
上記構成により、図17(B)に示すように、リリーフ弁が開弁し、中間室104内の燃料の圧力が増大し、弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動すると、中間室104と筒部52の内側の空間とは、筒部52と筒状内壁21(テーパ部212)との間、穴部522を経由して連通した状態になる。これにより、第1空間101(吐出通路14)内の燃料は、弁孔41、中間室104、筒部52と筒状内壁21(テーパ部212)との間、穴部522、ばね座部70の内側、ばね座部70と封止部80との間、第2穴部27を経由して第2空間102(燃料室15)側に流通可能となる。その結果、吐出通路14内の燃料の圧力を低減できる。
(第5参考形態)
本発明の第5参考形態によるリリーフ弁を図18に示す。
第5参考形態では、第1穴部25の穴部開口26は、第1大径部23に形成されている。よって、シート部58が弁座42に当接した状態で、中間室104と第1穴部25とは連通している。
第5実施形態では、リリーフ弁は、リード弁65を備えている。リード弁65は、例えばステンレス等の金属の薄板により形成されている。リード弁65は、第1穴部25の燃料室15側の開口を塞ぐようにして設けられている。リード弁65は、燃料室15を形成するハウジング11の内壁の第1穴部25の開口から所定距離離れた箇所に、外縁部が例えば溶接により固定されている。リード弁65は、ハウジング11の内壁に固定された部分とは反対側の部分が、第1穴部25の開口から離れるよう弾性変形可能である。
上記構成により、図18(B)に示すように、リリーフ弁が開弁すると、中間室104内の燃料の圧力が増大し弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動するとともに、第1穴部25内の燃料の圧力が増大しリード弁65が第1穴部25の開口から離れるようにして開弁する。これにより、第1空間101(吐出通路14)内の燃料は、弁孔41、中間室104、第1穴部25を経由して第2空間102(燃料室15)側に流通可能となる。その結果、吐出通路14内の燃料の圧力を低減できる。
(第6参考形態)
本発明の第6参考形態によるリリーフ弁を図19に示す。
第6参考形態では、ボディ部20は、第1実施形態(図1)に示す第1大径部23に代えて、小径部213を有している。小径部213は、筒状内壁21のうち基準内径部22の内径よりも小さな内径となるよう円筒状に形成される部分であり、基準内径部22の弁座部40側に形成されている。第1穴部25の穴部開口26は、基準内径部22の小径部213側に形成されている。
小径部213は、内径が弁部材50の小径部54の外径と同等、または、小径部54の外径よりやや大きく設定されている。これにより、小径部54の外壁は、小径部213の内壁に摺動可能である。なお、弁部材50の大径部53の外壁は、基準内径部22に摺動可能である。
シート部58が弁座42に当接した状態では、弁部材50の小径部54とボディ部20の基準内径部22との間に環状の空間である環状空間105が形成される。このとき、環状空間105と中間室104とは非連通の状態であり、環状空間105と第1穴部25とは連通した状態である。
弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動すると、中間室104と環状空間105とは連通する(図19(B)参照)。
上記構成により、図19(B)に示すように、リリーフ弁が開弁すると、中間室104内の燃料の圧力が増大し弁部材50が弁座部40から離れる方向に移動し、中間室104と環状空間105とが連通する。これにより、第1空間101(吐出通路14)内の燃料は、弁孔41、中間室104、環状空間105、第1穴部25を経由して第2空間102(燃料室15)側に流通可能となる。その結果、吐出通路14内の燃料の圧力を低減できる。
また、第6参考形態では、穴部開口26の外縁部は、大径部53の外壁(摺動外壁55)および小径部54の外壁のいずれとも摺動しない。よって、穴部開口26の外縁部の摩耗を抑制できる。また、大径部53の外壁(摺動外壁55)または小径部54の外壁が穴部開口26の外縁部または内縁部に引っかかることによる弁部材50の作動不良(開弁不良)を抑制できる。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、ボディ部と弁座部とは、別体に形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、付勢部材としてのコイルスプリングが弁部材とばね座部との間に設けられ、弁部材を弁座側に付勢する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えば板ばね等の付勢部材を弁部材とボディ部との間に設け、弁部材を弁座側に付勢することとしてもよい。
また、上述の実施形態では、移動規制部が弁部材のばね座部側への移動を規制するとき、すなわち、弁部材と移動規制部(ばね座部)とが当接しているとき、穴部開口と摺動外壁との重なり面積が0、かつ、中間室と穴部との間の最小流路面積が穴部開口の面積と同じになる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、移動規制部が弁部材のばね座部側への移動を規制するとき、穴部開口と摺動外壁との重なり面積が0より大きく穴部開口の面積より小さく、かつ、中間室と穴部との間の最小流路面積が0より大きく穴部開口の面積より小さくなる構成でもよい。この構成は、例えば上述の実施形態の移動規制部(ばね座部)の位置を弁座部側に適宜移動し固定することで実現できる。このように、移動規制部が規制可能な弁部材の位置を適宜設定することにより、中間室と穴部との間の最小流路面積の最大値を穴部開口の面積より小さい値に設定することができる。
また、上述の実施形態では、移動規制部とばね座部とが一体に形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、移動規制部は、ばね座部とは別体に形成されていてもよい。また、移動規制部は、ボディ部と一体に形成されていてもよい。また、本発明の他の実施形態では、リリーフ弁は移動規制部を備えないこととしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、穴部開口の形状は、真円、矩形、三角形に限らず、楕円、五角以上の多角形等、どのような形状に形成されていてもよい。穴部開口の形状がどのような形状であっても、摺動外壁の弁座部側の縁部が穴部開口上をばね座部側に移動するに従い、穴部開口と摺動外壁との重なり面積は次第に小さくなるとともに、中間室と穴部との間の最小流路面積は次第に大きくなる。
また、上述の実施形態では、リリーフ弁を、弁孔の中間室とは反対側の端部が吐出通路に接続し、穴部(第1穴部25)の中間室104とは反対側の端部が燃料室15に接続するよう高圧ポンプに設ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、リリーフ弁を、弁孔が吐出通路に接続し、穴部(第1穴部25)が加圧室12(吸入弁16と吐出弁17との間の空間)に接続するよう高圧ポンプに設けることとしてもよい。
また、上述の実施形態では、リリーフ弁のボディ部を高圧ポンプのハウジングと一体に形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、リリーフ弁のボディ部を高圧ポンプのハウジングとは別体に形成してもよい。また、リリーフ弁をハウジングとは独立して離れた位置に設けることとしてもよい。
また、リリーフ弁は、吐出通路に連通する空間である、配管5内の空間、または、燃料レール6内の空間等に弁孔が接続するよう設けてもよい。また、リリーフ弁は、吸入通路内の空間、または、吸入通路に連通する空間である、配管4内の空間、燃料タンク2内の空間に穴部(第1穴部25)が接続するよう設けてもよい。また、リリーフ弁は、穴部(第1穴部25)が大気側の空間に接続されるよう、すなわち、大気に開放されるよう設けてもよい。この場合、大気側の空間が「第2空間」に対応する。
本発明のリリーフ弁は、流体が高圧になり得る空間に弁孔が接続するよう設ければ、車両の高圧ポンプに限らず、他の装置等にも適用することができる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。