JP2019044175A - 印刷用インク組成物およびそれを用いたタイムインジケーター、ならびにタイムインジケーター付外用貼付剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の印刷用インク組成物(以下、単にインク組成物とする場合がある。)は、水酸化カルシウム、指示染料、およびバインダー樹脂を含む、印刷用インク組成物であって、上記指示染料は、アルカリ性領域から中性領域へpHが変化したときに色調が変化する化合物であり、上記印刷用インク組成物の全固形分中の上記水酸化カルシウムの含有量が50質量%以上94質量%以下であり、上記指示染料の含有量が0.1質量%以上5.0質量%以下であり、上記バインダー樹脂の含有量が0.9質量%以上49.9質量%以下である。
本発明のインク組成物における水酸化カルシウム(消石灰)は、二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収剤として機能する。
本発明のインク組成物における指示染料は、アルカリ性領域から中性領域へpHが変化したときに色調が変化する化合物である。
本発明のインク組成物におけるバインダー樹脂は、水酸化カルシウムおよび指示染料を分散する機能を有する。
本発明のインク組成物は、上述した材料の他に、任意の材料を含むことができる。以下、任意の材料について説明する。
本発明のインク組成物は、触媒として、アルカリ金属の水酸化物およびアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物をさらに含むことができる。本発明のインク組成物は、触媒をさらに含むことで、二酸化炭素の吸収感度を高め、吸収反応速度を速めることができ、当量点付近の所定の色調に変化するまでの変色時間の調整が可能となる。
本発明のインク組成物は、賦形剤を含むことができる。上記賦形剤としては、インク組成物の取り得る形態に調製可能な公知の各種のものをいずれも用いることができ、例えば、シリカ、ゼオライト、活性白土、珪酸カルシウム、結晶セルロース、モレキュラシーブ、酸化チタン等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、表面調整剤等の公知のインクに含まれる成分を適宜含むことができる。
本発明のインク組成物の変色態様、すなわち、当量点付近で所定の色調に顕著に変化する態様は、指示染料の種類や数に応じて適宜設定することができる。例えば、外気と接触する前は無色であり外気との接触により当量点付近で有色に変化する、無色から有色への変色態様、外気と接触する前は第1の有色であり、外気との接触により当量点付近で第2の有色に変化する、第1の有色から第2の有色への変色態様等が挙げられる。第1の有色から第2の有色への変色態様としては、例えば白色から濃青色(バイオレット)色への変色態様、白色から黄色への変色態様、黄色から緑色への変色態様等が挙げられる。具体的には、指示染料がエチルバイオレットである場合、水酸化カルシウムが所望の量の二酸化炭素を吸収してpHが中性領域になると、当量点付近において白色または薄水色から濃青色に変色することができる。
本発明のタイムインジケーターは、基材と、上記基材の一方の面に配置されたインジケーター層と、を有し、上記インジケーター層が、上記「A.印刷用インク組成物」の項で説明した印刷用インク組成物を含む。
本発明のタイムインジケーターにおけるインジケーター層は、上記基材の一方の面に配置され、上記「A.印刷用インク組成物」の項で説明した印刷用インク組成物を含む。
本発明のタイムインジケーターにおける基材は、特に限定されないが、インジケーター層を支持することが可能なものであることが好ましい。このような基材としては、例えば、プラスチックフィルム、織布、不織布、紙等を挙げることができる。上記プラスチックフィルム、織布及び不織布の材料としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル等のポリマー、及びこれらを構成する単量体が共重合してなるポリマー(エチレン−酢酸ビニル共重合体等)からなる樹脂が挙げられる。
本発明のタイムインジケーターは、上記基材の上記インジケーター層を有する面に、上記インジケーター層の色調から経過時間を判別するための色見本層をさらに有することができる。上記色見本層は、pHの変化により色調が変化しない非変色層である。経過時間とインジケーター層の色調との相関を示す色見本層を、基材のインジケーター層が配置された面に配置することで、インジケーター層の色調と色見本層の色とを比較して経過時間を容易に特定することが可能となる。
本発明のタイムインジケーターは、インジケーター層を覆う透明保護層を有することができる。インジケーター層を覆う透明保護層を有することで、本発明のタイムインジケーターの使用環境において、インジケーター層の表面を保護することができる。
本発明のタイムインジケーターは、上記インジケーター層の基材とは反対側の面に初期着色防止層を有するものであってもよい。
図4は、本発明のタイムインジケーター10の他の例を示す概略断面図であり、基材1上に色見本層3と、上記色見本層3に隣接してインジケーター層2および上記インジケーター層2上に形成された初期着色防止層5が形成されている。
すなわち、本発明におけるインジケーター層が外気と接すると、インジケーター層内に外気中等に含まれる二酸化炭素が侵入し、拡散する。上記インジケーター層内に二酸化炭素が拡散すると、上記インジケーター層に含まれる水分もしくは上記インジケーター層内に侵入・拡散した水分と上記二酸化炭素が反応し炭酸が発生する。この際の反応を以下に示す。
上記初期着色防止層は、上述したような初期着色を防止するために、インジケーター層の基材とは反対側の表面に配置され、インジケーター層内での部分的な指示染料の変色を防止することにより、本来の変色時間前におけるインジケーター層の変色を防止するものである。
具体的には、上記インジケーター層から指示染料を抜いた組成の層であることが好ましい。インジケーター層と同様の(OH)−の濃度や水および二酸化炭素の拡散速度を有するものであるからである。なお、この場合、触媒は含有されていても、含有されていなくてもよい。(OH)−の濃度や水および二酸化炭素の拡散速度に大きく影響を与えるものでは無いからである。
本発明のタイムインジケーターは、上述した構成の他に、任意の構成を有することができる。例えば、上記基材のインジケーター層とは反対側の面に接着層または粘着層を有することで、本発明のタイムインジケーターを所望の場所に固定することができる。また、上記基材のインジケーター層とは反対側の面にシーラント層を有することで、本発明のタイムインジケーターを用いて包装袋を形成することができる。
本発明のタイムインジケーターは、例えば、基材の一方の面に、上記「A.印刷用インク組成物」の項で説明した印刷用インク組成物を含む印刷用インクを印刷またはコーティングしてインジケーター層を形成して得ることができる。上記インジケーター層の形成方法は特に限定されず、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等の各種印刷方法を用いて形成することができる。また、本発明のタイムインジケーターは、上記「A.印刷用インク組成物」の項で説明した印刷用インク組成物を用いる方法であれば、例えば、コーティング方法、転写法、成型法、賦型法等の、上述した印刷法やコーティング法以外の方法で形成してもよい。
本発明のタイムインジケーターの用途としては、例えば、他の部材に貼付するためのインジケーター機能付きラベル、シール、ステッカー、インジケーター層を内面または外面とした包装袋等として用いることもできる。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤は、インジケーター層と、支持層と、薬剤および粘着基剤を含む粘着剤層と、離型層と、をこの順に有し、上記インジケーター層が、上記「A.印刷用インク組成物」の項で説明した印刷用インク組成物を含む。
また、図6は、本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤の他の例を示す概略断面図であり、図5に示すタイムインジケーター層2に隣接して、色見本層3を配置した例である。
さらに、図7は、本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤の他の例を示す概略断面図であり、図6に示すタイムインジケーター層2の基材11とは反対側の表面に初期着色防止層5を配置した例である。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤におけるインジケーター層は、上記支持層の粘着剤層とは反対側の面に配置される層であり、上記「A.印刷用インク組成物」の項で説明した印刷用インク組成物を含む。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤における支持層としては、特に限定されないが、粘着剤層を支持することが可能な強度を有し、貼付剤の皮膚に対する粘着性を高める観点から適度な柔軟性を有するものが好ましい。また、粘着剤層中の薬剤に対し非透過性を有することが好ましい。このような支持層としては、プラスチックフィルム、織布、不織布、紙を挙げることができる。上記プラスチックフィルム、織布及び不織布の材料としては、公知の外用貼付剤における支持層の材料と同様とすることができ、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル等のポリマー、及びこれらを構成する単量体が共重合してなるポリマー(エチレン−酢酸ビニル共重合体等)からなる樹脂が挙げられる。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤における粘着剤層は、離型層と支持層との間に配置され、薬剤および粘着基剤を含む層である。上記粘着剤層は、上記離型層側の面が使用者の皮膚に貼付される。
上記粘着剤層に含まれる薬剤は、経皮吸収性を示すものであれば特に制限はなく、従来公知の外用貼付剤に用いられる各種薬剤を用いることができる。上記薬剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
・催眠・鎮静剤(塩酸フルラゼパム、塩酸リルマザホン、フェノバルビタール、アモバルビタール等)
・解熱消炎鎮痛剤(酒石酸ブトルファノール、クエン酸ペリソキサール、アセトアミノフェン、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、アスピリン、アルクロフェナク、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、ペンタゾシン、インドメタシン、サリチル酸グリコール、アミノピリン、ロキソプロフェン等)
・ステロイド系抗炎症剤(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン等)
・興奮・覚醒剤(塩酸メタンフェタミン、塩酸メチルフェニデート等)
・精神神経用剤(塩酸イミプラン、ジアゼパム、塩酸セルトラリン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン、臭化水素酸シタロプラム、塩酸フルオキセチン、アルプラゾラム、ハロペリドール、クロミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン、アモクサピン、マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリン、トラザドン、ロヘプラミン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラフェキシン、塩酸クロルプロマジン、チオリダジン、ジアゼパム、メプロバメート、エチゾラム、リスペリドン、ミルタザピン等)
・ホルモン剤(エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン、酢酸ノルエチステロン、酢酸メテロノン、テストステロン等)
・泌尿器官用剤(塩酸タムスロシン、塩酸プロピベリン、酒石酸トルテロジン、フェソテロジン、イミダフェナシン、塩酸オキシブチニン、塩酸テロリジン等)
・骨格筋弛緩剤(塩酸チザニジン、塩酸エペリゾン、メシル酸プリジノール、塩酸スキサメトニウム等)
・生殖器官用剤(塩酸リトドリン、酒石酸メルアドリン等)
・抗てんかん剤(バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、カルバマゼピン等)
・自律神経用剤(塩化カルプロニウム、臭化ネオスチグミン、塩化ベタネコール等)
・抗パーキンソン病剤(メシル酸ペルゴリド、メシル酸ブロモクリプチン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸アマンタジン、塩酸ロピニロール、塩酸タリペキソール、カベルゴリン、ドロキシドパ、ピペリデン、塩酸セレギリン等)
・利尿剤(ヒドロフルメチアジド、フロセミド等)
・呼吸促進剤(塩酸ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等)
・抗片頭痛剤(メシル酸ジヒドロエルゴタミン、スマトリプタン、酒石酸エルゴタミン、塩酸フルナリジン、塩酸サイプロヘプタジン等)
・抗ヒスタミン剤(フマル酸クレマスチン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェニルピラリン、プロメタジン等)
・気管支拡張剤(塩酸ツロブテロール、塩酸プロカテロール、硫酸サルブタモール、塩酸クレンブテロール、臭化水素酸フェノテロ−ル、硫酸テルブタリン、硫酸イソプレナリン、フマル酸ホルモテロール等)
・強心剤(塩酸イソプレナリン、塩酸ドパミン等)
・末梢血管拡張剤(クエン酸ニカメタート、塩酸トラゾリン等)
・禁煙補助薬(ニコチン等)
・循環器官用剤(塩酸フルナリジン、塩酸ニカルジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、フェロジピン、ベシル酸アムロジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、塩酸マニジピン、塩酸ベニジピン、マレイン酸エナラプリル、塩酸デモカプリル、アラセプリル、塩酸イミダプリル、シラザプリル、リシノプリル、カプトプリル、トランドラプリル、ペリンドプリルエルブミン、アテノロール、ピンドロール、フマル酸ビソプロロール、酒石酸メトプロロール、塩酸ベタキソロール、マレイン酸チモロール、マロン酸ボピンドロール、ニプラジロール、塩酸アロチノロール、塩酸セリプロロール、カルベジロール、塩酸アモスラロール、塩酸カルテオロール、塩酸ベバントロール、塩酸テラゾシン、塩酸ブナゾシン、塩酸プラゾシン、メシル酸ドキサゾシン、バルサルタン、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、塩酸クロニジン、塩酸グアンファシン、酢酸グアナベンズ等)
・不整脈用剤(塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、塩酸プロカインアミド、塩酸メキシチレン、ナドロール、ジソピラミド等)
・抗悪性潰瘍剤(シクロフォスファミド、フルオロウラシル、デガフール、塩酸プロカルバジン、ラニムスチン、塩酸イリノテカン、フルリジン等)
・抗脂血症剤(プラバスタチン、シンバスタチン、ベザフィブレート、プロブコール等)、
・血糖降下剤(グリベンクラミド、クロルプロパミド、トルブタミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、塩酸ブホルミン等)
・消化性潰瘍治療剤(プログルミド、塩酸セトラキサート、スピゾフロン、シメチジン、臭化グリコピロニウム等)
・消化管運動改善剤(ドンペリドン、シサプリド等)
・肝臓疾患用剤(チオプロニン等)
・抗アレルギー剤(フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン等)
・抗ウイルス剤(アシクロビル等)
・鎮暈剤(メシル酸ベタヒスチン、塩酸ジフェニドール等)
・抗生剤(セファロリジン、セフジニル、セフポドキシムプロキセチル、セファクロル、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、メチルエリスロマイシン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン、テトラサイクリン、ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサシンナトリウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、カルベニシリンナトリウム、クロラムフェニコール等)
・習慣性中毒用剤(シアナミド等)
・食欲抑制剤(マジンドール等)
・化学療法剤(イソニアシド、エチオナミド、ピラジナミド等)
・血液凝固促進剤(塩酸チクロピジン、ワルファリンカリウム等)
・抗アルツハイマー剤(フィゾスチグミン、塩酸ドネペジル、タクリン、アレコリン、キサノメリン、リバスチグミン、ガランタミン、等)
・セロトニン受容体拮抗制吐剤(塩酸オンダンセトロン、塩酸グラニセトロン、塩酸ラモセトロン、塩酸アザセトロン、パロノセトロン等)
・痛風治療剤(コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等)
・麻薬系の鎮痛剤(クエン酸フェンタニル、硫酸モルヒネ、塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、塩酸コカイン、塩酸ペチジン等)
・抗パーキンソン剤(ベンズトロピン、レボドパ等)
・鎮痙剤(臭化メチルアトロピン、スコポラミン等)
上記粘着剤層に含まれる粘着基剤は、薬剤との相溶性に優れ、かつ貼付剤を皮膚表面に長時間固定しうる粘着力を有するものが好ましい。上記粘着基剤は、親水性であってもよく疎水性であってもよい。疎水性の粘着基剤は、プラスター剤(テープ剤)に使用される。また、親水性の粘着基剤は、パップ剤に使用される。
上記粘着剤層は、必要に応じ、様々な添加剤を添加することができる。添加剤の例としては、例えば、放出促進剤、精油、経皮吸収促進剤、可塑剤、粘着付与剤、安定化剤、軟化剤、充填剤、抗酸化剤、架橋剤、防腐剤、紫外線吸収剤、溶性・水膨潤性高分子、高級アルコール等が挙げられる。これらは、公知の外用貼付剤において用いられる添加剤と同様とすることができる。
上記粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、所望の量の薬剤を含むことができ、所望の粘着力を発揮可能な厚みであることが好ましい。上記厚みとしては、例えば、10μm以上300μm以下とすることができる。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤における離型層は、粘着剤層の支持層とは反対側の面に配置される層であり、タイムインジケーター付外用貼付剤の使用時に、剥離除去される層である。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤は、上記支持層の上記インジケーター層を有する面に、上記インジケーター層が呈する色から経過時間を判別するための色見本層をさらに有することができる。色見本層を有することの効果および色見本層については、上記「B.タイムインジケーター」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤は、タイムインジケーター付外用貼付剤を封入する包装袋を有することができる。本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤は、通常、皮膚に貼付して使用するまで包装袋に封入されて保管される。本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤が包装袋に封入されている間は、包装袋中に存在する二酸化炭素量が微量であり、また外部からの二酸化炭素の侵入も殆どないため、インジケーター層の二酸化炭素吸収量は無視できるレベルとすることができる。このため、使用前において上記インジケーター層が、当量点付近で色調変化するのを抑制することができる。一方、包装袋を開封し、本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤を取り出し、皮膚の所望の位置に貼付すると、インジケーター層が外気と接触して二酸化炭素の吸収が進み、経時で二酸化炭素吸収量が増加する。これに従いインジケーター層は、pHが変化して当量点付近で色調を顕著に変化することができる。
本発明のタイムインジケーター付外用貼付剤の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着基剤および薬剤を含む粘着剤組成物を溶剤とを混合した塗工液を調製する調製工程、上記「B.タイムインジケーター」の項で説明したタイムインジケーターを用い、上記タイムインジケーターの基材を支持層とし、上記支持層のインジケーター層とは反対側の面に、上記塗工液を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程、上記粘着剤層の上記支持層とは反対側の面に離型層を配置する離型層配置工程を経て形成することができる。
(印刷用インク組成物を含む印刷用インクの調製)
水酸化カルシウム(和光純薬製)50gと、指示染料としてエチルバイオレット(東京化成製)0.5gと、バインダー樹脂としてブチラール樹脂(積水化学製 BL−2)10gとを混合し、これらを溶媒として0.01mоl水酸化ナトリウムプロパノール液(岸田化学製)100Lに溶解して、ホモミキサー(トミー精工製)で懸濁させて、印刷用インクを調製した。上記印刷用インクに含まれる印刷用インク組成物の全固形分中の水酸化カルシウム、指示染料、およびバインダー樹脂の各含有量を表1に示す。なお、上記印刷用インク組成物には、0.01mоl水酸化ナトリウムプロパノール液中の水酸化ナトリウム分が、印刷用インク組成物の全固形分中0.1質量%〜0.2質量%程度含まれる。
基材として厚み75μmのポリエステルフィルム(東レ製)上に、印刷用インクをワイヤーバーNo.4で上記印刷用インク組成物をコーティングし、ドライヤーで乾燥してインジケーター層を形成し、タイムインジケーターを得た。
印刷用インク組成物の全固形分中の水酸化カルシウム、指示染料、およびバインダー樹脂の各含有量を表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして印刷用インクを調製した。また、得られた印刷用インクを用いて、実施例1と同様にしてタイムインジケーターを得た。
実施例1〜4、および各比較例1〜3で得たタイムインジケーターを、それぞれ5cm角に切断し、タイムインジケーターの基材側の面に両面テープを貼り、上記両面テープを介して被験者の胸の上かつ下着の間に貼付した。この状態で6時間および24時間の各時間が経過したときの、インジケーター層の色調、およびタイムインジケーターにおけるインジケーター層の密着性を確認した。結果を表1に示す。なお、インジケーター層の密着性は、被験者に貼付した状態で6時間および24時間の各時間が経過したときに、ポリエステルフィルムからインジケーター層が剥がれた割合が、目視による面積で5%以上、ないし重量で5%以上である場合に「脱落」とし、上記の値よりも下回る場合に「良好」とした。
(初期着色防止層形成用インクの調製)
実施例1の組成から、指示染料としてのエチルバイオレット(東京化成製)を除いた点以外は、実施例1と同様にして、初期着色防止層形成用インクを調製した。
(タイムインジケーターの作製)
上記実施例1で形成されたタイムインジケーターのインジケーター層上に、上記初期着色防止層形成用インクを用い、上記実施例1でインジケーター層を形成した方法と同様の方法により、初期着色防止層を形成し、タイムインジケーターとした。
上記実施例5における水酸化ナトリウムが含まれない以外は、実施例5と同様にして、タイムインジケーターを調製した。
実施例1、実施例5、および実施例6で得たタイムインジケーターを5cm角に切断し、タイムインジケーターの基材側の面に両面テープを貼り、上記両面テープを介して胸の上かつ下着の間に貼付した(条件1)。この状態で2時間、6時間、14時間、19時間、20時間、24時間、30時間、40時間、および70時間の各時間が経過したときの、インジケーター層の色調および色差を確認した。結果を表2に示す。なお、色差は、上記「A.印刷用インク組成物」の項で説明した方法により測定した。評価3〜4における色差の測定方法についても同様とする。また、条件1における6時間後および24時間後の色調および色差の結果は、上述した評価1の6時間後および24時間後の色調および色差の結果と同様である。図8に、実施例1、実施例5、および実施例6で得たタイムインジケーターの、経時での色差変化のグラフを示す。
実施例5および6の結果は、ほぼ同等であったので、同一のものとして示している。
実施例1で得たタイムインジケーターを5cm角に切断し、アルミパウチで封入して温度40℃、湿度75%RHの環境条件で保管した(条件2)。この状態で2時間、24時間、1か月、および2か月の各時間が経過したときの、インジケーター層の色調および色差を確認した。結果を表3に示す。
実施例1で得たタイムインジケーターを5cm角に切断し、アルミパウチで封入して温度40℃、湿度75%RHの環境条件で2か月間保管後、アルミパウチからタイムインジケーターを取出して、タイムインジケーターの基材側の面に両面テープを貼り、上記両面テープを介して胸の上かつ下着の間に貼付した(条件3)。この状態で2時間、6時間、20時間、24時間、30時間の各時間が経過したときの、インジケーター層の色調および色差を確認した。結果を表4に示す。
2 … インジケーター層
3 … 色見本層
4 … 透明保護層
5 … 初期着色防止層
10… タイムインジケーター
11 … 支持層
12 … 粘着剤層
13 … 離型層
20 … タイムインジケーター付外用貼付剤
Claims (8)
- 水酸化カルシウム、指示染料、およびバインダー樹脂を含む、印刷用インク組成物であって、
前記指示染料は、アルカリ性領域から中性領域へpHが変化したときに色調が変化する化合物であり、
前記印刷用インク組成物の全固形分中の前記水酸化カルシウムの含有量が50質量%以上94質量%以下であり、前記指示染料の含有量が0.1質量%以上5.0質量%以下であり、前記バインダー樹脂の含有量が0.9質量%以上49.9質量%以下である、印刷用インク組成物。 - アルカリ金属の水酸化物およびアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物をさらに含む、請求項1に記載の印刷用インク組成物。
- 基材と、前記基材の一方の面に配置されたインジケーター層と、を有し、
前記インジケーター層が、請求項1または請求項2に記載の印刷用インク組成物を含む、タイムインジケーター。 - 前記基材の前記インジケーター層を有する面に、前記インジケーター層の色から経過時間を判別するための色見本層をさらに有する、請求項3に記載のタイムインジケーター。
- 前記インジケーター層の前記基材とは反対側の表面に、初期着色防止層を配置したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のタイムインジケーター。
- インジケーター層と、支持層と、薬剤および粘着基剤を含む粘着剤層と、離型層と、をこの順に有し、
前記インジケーター層が、請求項1または請求項2に記載の印刷用インク組成物を含む、タイムインジケーター付外用貼付剤。 - 前記支持層の前記インジケーター層を有する面に、前記インジケーター層の色から経過時間を判別するための色見本層をさらに有する、請求項5に記載のタイムインジケーター付外用貼付剤。
- 前記インジケーター層の前記支持層とは反対側の表面に、初期着色防止層を配置したことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のタイムインジケーター付外用貼付剤。
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