JP2019044172A - ジベンゾアントラセノチオフェン骨格を繰り返し単位として有する縮環高分子化合物とその製造方法 - Google Patents

ジベンゾアントラセノチオフェン骨格を繰り返し単位として有する縮環高分子化合物とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジベンゾアントラセノチオフェン骨格を繰り返し単位として有する縮環高分子化合物とその製造方法の提供。【解決手段】式(1)で示される縮環高分子化合物。(式中、R1;炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルキル基又はアルコキシ基、又は水素原子。複数のR1は同一又は相異なっていてもよい。R2;炭素数6〜20のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基又は水素原子。n;2以上の整数。m;0又は1。n個のmは同一又は相異なっていてもよい。)【選択図】図1

Description

本発明は、縮環高分子化合物、その製造方法、並びにその有機トランジスタ素子に関する。
π−共役有機化合物は、有機薄膜太陽電池、有機トランジスタ、並びに有機ELなどに用いられる有機半導体としてよく知られ、省エネルギー、低コスト、有機溶媒可溶性、軽量、フレキシブルなどの無機化合物に無い特徴からプリンテッドエレクトロニクスへと応用可能な塗布材料として期待されている。
非特許文献1に示されるペンタセン誘導体、特許文献1、2、非特許文献2に示される[1]benzothieno[3,2−b]benzothiophene(BTBT)誘導体などのπ−共役縮環低分子化合物は高移動度を示す有機半導体として知られている。一方で、これらの縮環数を増加させた高分子化合物である縮環高分子化合物は、空気中で不安定、有機溶媒に対する溶解性が低いなどの問題点が指摘されている。
WO2006/077888号公報 WO2014/038708号公報
Chemical Reviews,107巻,1117−1160ページ,2007年. Journal of the American Chemical Society,129巻,15732−15733ページ,2007年.
本発明は、耐熱性及び溶媒溶解性を併せ持つ新しい縮環高分子化合物と、該縮環高分子化合物の製造法、該縮環高分子化合物を含む製膜用組成物、該製膜用組成物から作成される有機薄膜、ならびに該有機薄膜を活性層とする有機トランジスタ素子を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を行った結果、BTBTとターフェニレン骨格を縮環した高分子化合物、すなわちジベンゾアントラセノチオフェン骨格から成る縮環高分子化合物が、高い大気安定性、溶媒溶解性、耐熱性、及び製膜性を示すことを見出した。本発明のジベンゾアントラセノチオフェン骨格から成る縮環高分子化合物は新規であり、そのキャリア移動度、溶媒溶解性又は耐熱性といった諸物性はもちろんのこと、製造方法についても一切報告されていない。また、該縮環高分子化合物を含む製膜用組成物を用いて簡便に有機薄膜が製膜できること、及び該有機薄膜を用いて作成した有機トランジスタ素子がp型特性を示すことも合わせて見出し、以下の本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 2019044172

(式中、Rは炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基又は水素原子を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Rは炭素数6〜20のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基又は水素原子を表す。nは2以上の整数を表す。mは0又は1を表す。n個のmは同一又は相異なっていてもよい。)で示される縮環高分子化合物に関する。
また、本発明は一般式(2)
Figure 2019044172

(式中、Rは炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルキル基、炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基又は水素原子を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Rは炭素数6〜20のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基又は水素原子を表す。nは2以上の整数を表す。mは0又は1を表す。n個のmは同一又は相異なっていてもよい。)で示される高分子前駆体に酸化剤を作用させることを特徴とする、一般式(1)
Figure 2019044172

(式中、R、R、m及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される縮環高分子化合物の製造方法に関する。
また、本発明は一般式(1)で表される繰り返し単位を有する縮環高分子化合物を含んだ製膜用組成物、該製膜用組成物を用いて作成可能な有機薄膜、ならびに該有機薄膜から作成されるトランジスタ素子に関するものである。
本発明の縮環高分子化合物は高い溶媒溶解性と耐熱性を併せ持つ有機半導体であり、これを活性層とする有機トランジスタ素子を効率よく駆動させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
で表される炭素数1〜13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアンコシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルヘキサデシル基、などの分岐アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、メトキシメチル基(3−1)、(2−メトキシエトキシ)メチル基(3−2)、(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル基(3−3)、(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル基(3−4)、(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル基(3−5)、(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル基(3−6)、(2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル基(3−7)、3−(2−メトキシエトキシ)−2−((2−メトキシエトキシ)メチル)プロピル基(3−8)、3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)プロピル基(3−9)、3−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロピル基(3−10)、3−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロピル基(3−11)、3−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロピル基(3−12)、3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロピル基(3−13)、3−(2−メトキシエトキシ)−2−(2−メトキシエトキシ)プロピル基(3−14)、3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)プロピル基(3−15)、3−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル基(3−16)、3−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル基(3−17)、3−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル基(3−18)、3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル基(3−19)などのアルコキシ基置換アルキル基等を例示することができる。
Figure 2019044172

炭素数1〜13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルキル基としては、溶解性がよい点で、2−ドデシルヘキサデシル基、及び式(3−10)〜式(3−13)、式(3−16)〜式(3−19)で示される基が好ましい。
で表される、炭素数1〜13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基としては直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、具体例としては、メトキシ基、エトキシ、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、エイコシルオキシ基、ヘンエイコシルオキシ基、ドコシルオキシ基、トリコシルオキシ基、テトラコシルオキシ基、ペンタコシルオキシ基、ヘキサコシルオキシ基、ヘプタコシルオキシ基、オクタコシルオキシ基、ノナコシルオキシ基、トリアンコシルオキシ基などの直鎖アルコシキ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、2−デシルテトラデシルオキシ基、2−ドデシルテトラデシルオキシ基、2−ドデシルヘキサデシルオキシ基、2−テトラデシルヘキサデシルオキシ基などの分岐アルコキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などのシクロアルコキシ基、2−メトキシエトキシ基(4−1)、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ基(4−2)、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ基(4−3)、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ基(4−4)、2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ基(4−5)、2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ基(4−6)、2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ基(4−7)、3−(2−メトキシエトキシ)−2−((2−メトキシエトキシ)メチル)プロポキシ基(4−8)、3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)プロポキシ基(4−9)、3−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロポキシ基(4−10)、3−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロポキシ基(4−11)、3−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロポキシ基(4−12)、3−((2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−((2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)プロポキシ基(4−13)、3−(2−メトキシエトキシ)−2−(2−メトキシエトキシ)プロポキシ基(4−14)、3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)プロポキシ基(4−15)、3−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)プロポキシ基(4−16)、3−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロポキシ基(4−17)、3−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロポキシ基(4−18)、3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロポキシ基(4−19)などのアルコキシ基置換アルコキシ基等を例示することができる。
Figure 2019044172

炭素数1〜13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基としては、溶解性がよい点で、2−デシルテトラデシルオキシ基、2−ドデシルテトラデシルオキシ基、2−ドデシルヘキサデシルオキシ基、2−テトラデシルヘキサデシルオキシ基、及び式(4−1)〜式(4−19)で示される基が好ましく、2−ドデシルテトラデシルオキシ基がさらに好ましい。
は、本発明の縮環高分子化合物の原料となるモノマーの合成の容易さの観点から、アルキル基、もしくはアルコキシ基が好ましく、ヘンエイコシル基、2ドデシルヘキサデシル基、エイコシルオキシ基、もしくは2ドデシルヘキサデシルオキシ基がさらに好ましい。
で表される炭素数6〜20のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。アルキル基の中でも、直鎖アルキル基、分岐アルキル基が好ましく、分岐アルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などの直鎖アルキル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルヘキサデシル基などの分岐アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基が挙げられる。
は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基であり、該アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基の具体例としては、5−メチル−2−チエニル基、5−エチル−2−チエニル基、5−プロピル−2−チエニル基、5−ブチル−2−チエニル基、5−ペンチル−2−チエニル基、5−ヘキシル−2−チエニル基、5−ヘプチル−2−チエニル基、5−オクチル−2−チエニル基などの直鎖アルキル基で置換されたチエニル基、5−イソプロピル−2−チエニル基、5−イソブチル−2−チエニル基、5−(sec−ブチル)−2−チエニル基、5−(tert−ブチル)−2−チエニル基、5−(2−エチルヘキシル)−2−チエニル基などの分岐アルキル基で置換されたチエニル基、5−シクロペンチル−2−チエニル基、5−シクロヘキシル−2−チエニル基などのシクロアルキルで置換されたチエニル基が挙げられる。溶解性がよい点で炭素数4〜8の分岐状アルキル基で置換されたチエニル基が好ましく、5−(2−エチルヘキシル)−2−チエニル基がより好ましい。
nは1以上の整数であれば特に限定されないが、合成の容易さの点で1から1000が好ましく、10〜100がより好ましい。
mは、0又は1が好ましく、nが2以上であるときのmは同一でも相異なっていてもよい。
次に本発明の製造方法に関して説明する。
本発明の縮環高分子化合物(1)は、高分子前駆体(2)に酸化剤を作用させることで製造することができる。
Figure 2019044172

(式中、R、R、m及びnは前記と同じ意味を表す。)
本発明の製造方法で用いることのできる酸化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、フルオロクロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、重クロム酸ピリジニウム、重クロム酸ビス(テトラブチルアンモニウム)、重クロム酸キノリニウム、次亜塩素酸ナトリウム五水和物、3−クロロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸マグネシウム六水和物、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過酸化水素、メチルエチルケトンペルオキシド、1−アセトキシ−5−ブロモ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ペンタフルオロベンゼン、1−(tert−ブチルペルオキシ)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(3H)−オン、ビス(ピリジン)ヨードニウムテトラフルオロボラート、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3−(1H)−オン、ヨードソベンゼン、2−ヨードソ安息香酸、ヨードベンゼンジアセタート、ヨードメシチレンジアセタート、2−ヨードキシ安息香酸、パラ過ヨウ素酸三ナトリウム、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン、ポリ[4−(ジアセトキシヨード)スチレン]、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン、ビス(テトラブチルアンモニウム)ペルオキシジスルファート、ピリジン−三酸化硫黄錯体、三酸化硫黄−トリエチルアミン錯体、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキソピペリジニウムテトラフルオロボラート、ベンゼンスルホンクロラミドナトリウム水和物、p−トルエンスルホンクロラミドナトリウム三水和物、硝酸セリウムアンモニウム、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルフリーラジカル、2−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン、4−メチルモルホリンN−オキシド、過マンガン酸カリウム、リンモリブデン酸、塩化第二鉄、五塩化モリブデン、テトラプロピルアンモニウムペルルテナート、クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、トリメチルアミンN−オキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルなどが挙げられる。反応収率がよい点で塩化第二鉄を用いることが好ましい。
用いる酸化剤の量に特に制限は無いが、反応収率がよい点で、高分子前駆体(2)の繰り返し単位のモル比に対して、1〜100等量の範囲にあることが好ましく、1〜10等量の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の製造方法は溶媒中で実施することが可能である。用いることのできる溶媒としては、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリンなどの芳香族炭化水素溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−フルオロエチレンカーボネートなどの炭酸エステル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ−ラクトンなどのエステル溶媒、ジメチルスルホキシド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド溶媒、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)などのウレア溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホンアミド溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2,2−トリフルオロエタノールなどのアルコール溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどのハロゲン溶媒、ニトロメタン、水などを例示することができ、これらを任意の比で混合して用いてもよい。これらのうち、反応収率がよい点でハロゲン溶媒、ハロゲン溶媒とニトロメタンの混合溶媒が好ましく、塩化メチレンとニトロメタンの混合溶媒、もしくはオルトジクロロベンゼンとニトロメタンの混合溶媒がさらに好ましい。
溶媒の使用量に特に制限はないが、使用する高分子前駆体(2)の重量に対して、0.1〜100mL/mgの範囲にあることが好ましく、0.1〜10mL/mgの範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の製造方法はアルゴンガスまたは窒素ガスといった不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の製造方法を実施する反応温度に制限はないが、−78℃〜100℃の範囲で実施することが好ましく、0℃〜30℃の範囲で実施することより好ましい。
反応時間は高分子前駆体(2)の種類、溶媒、ならびに反応温度により異なるが、0.1〜100時間が好ましく、1〜78時間がより好ましい。
縮環高分子化合物(1)は、本発明の製造方法の終了後に通常の処理をすることで得られる。必要に応じて、沈殿、濾過、カラムクロマトグラフィー、分取HPLCなどで精製してもよい。
本発明の製造方法で用いる高分子前駆体(2)は当該業者のよく知る、遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応で製造することが可能であり、Journal of the American Chemical Society,138巻,7725頁,2016年や、Macromolecules,44巻,1788頁,2011年などに開示されている方法に従って製造することができる。
例えば、以下に示す芳香族化合物誘導体(6−1)と、1,4−ジブロモ−2,5−ジフェニレンベンゼン−1,2,4,5−テトライル誘導体(6−2)とのクロスカップリング反応によって製造することができる。
Figure 2019044172

(式中、R、R、m及びnは前記と同じ意味を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又は塩素原子を表し、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)
芳香族化合物誘導体(6−1)に含まれるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又は塩素原子であり、R Sn基としては、次の(7a)〜(7f)で示される基が例示できる。収率がよい点で(7a)、(7d)が好ましく、(7d)がより好ましい。
Figure 2019044172

用いる触媒としては、特に限定するものではないが、具体的には、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウムなどの塩、π−アリルパラジウムクロリドダイマ−、パラジウムアセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムなどの錯化合物、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)塩化パラジウムなどの第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体を例示することができ、これらはパラジウム塩、または錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。この際用いることのできる第三級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’、6’−トリイソプロピルビフェニルなどが例示できる。中でも、反応収率が良い点で第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が好ましく、トリフェニルホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体がさらに好ましい。第三級ホスフィンとパラジウム塩、または錯化合物とのモル比は1:10〜10:1の範囲にあることが好ましく、収率がよい点で1:3〜4:1の範囲にあることがさらに好ましい。
用いる触媒の量に制限はないが、収率がよい点で、触媒のモル等量は、芳香族化合物誘導体(6−1)に対して0.005〜50モルパーセントが好ましく、0.05〜10モルパーセントの範囲にあることがより好ましい。
(2)の製造は溶媒中で実施することができる。用いることのできる溶媒としては、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリンなどの芳香族炭化水素溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−フルオロエチレンカーボネートなどの炭酸エステル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ−ラクトンなどのエステル溶媒、ジメチルスルホキシド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド溶媒、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)などのウレア溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホンアミド溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2,2−トリフルオロエタノールなどのアルコール溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどのハロゲン溶媒、ニトロメタン、水などを例示することができ、これらを任意の比で混合して用いてもよい。これらのうち、反応収率がよい点で芳香族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒と水の混合溶媒、エーテル溶媒と水の混合溶媒が好ましく、トルエンがさらに好ましい。
本工程は、0℃〜200℃から適宜選択された温度にて実施することができ、反応収率がよい点で100℃〜140℃から適宜選択された温度にて実施することが好ましい。
本工程は、アルゴンガスまたは窒素ガスといった不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本工程を実施する反応温度に制限はないが、20℃〜150℃が好ましく、100℃〜130℃がより好ましい。
反応時間は芳香族化合物誘導体(6−1)と1,4−ジブロモ−2,5−ジフェニレンベンゼン−1,2,4,5−テトライル誘導体(6−2)で表される化合物の種類、溶媒、ならびに反応温度により異なるが、1〜100時間が好ましく、24〜78時間がより好ましい。
高分子前駆体(2)は、製造工程の終了後に通常の処理をすることで得られる。必要に応じて、沈殿、濾過、カラムクロマトグラフィー、分取HPLC、ソックスレー抽出、ビーズなどで精製してもよい。
芳香族化合物誘導体(6−1)は、市販品を用いてもよいし、公知の方法を組み合わせて製造してもよく、例えば、Journal of Materials Chemistry A,4巻,13930−13937ページ,2016年や、Journal of Materials Chemistry C,4巻,2170−2177ページ,2016年などに開示されている方法に従って製造できる.
1,4−ジブロモ−2,5−ジフェニレンベンゼン−1,2,4,5−テトライル誘導体(6−2)は公知の方法を組み合わせて製造することが可能であり、例えば、Chemistry−European journal,16巻,1826頁,2010年や、Macromolecules,45巻,2609頁,2012年、Macromolecules,46巻,2141頁,2013年、Chemistry of Materials,29巻,4109頁,2017年、に開示されている方法に従って製造することができる。
次に本発明の、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する縮環高分子化合物(1)を含む製膜用組成物(以下、「本発明の製膜用組成物」と称する。)の製造方法について説明する。
本発明の製膜組成物は、本発明の縮環高分子化合物(1)を溶媒に溶解又は分散させることにより、調製することができる。
該溶媒としては、本発明の縮環高分子化合物(1)を溶媒に溶解又は分散させることができれば特に制限はないが、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリンなどの芳香族炭化水素溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−フルオロエチレンカーボネートなどの炭酸エステル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ−ラクトンなどのエステル溶媒、ジメチルスルホキシド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド溶媒、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)などのウレア溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホンアミド溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2,2−トリフルオロエタノールなどのアルコール溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどのハロゲン溶媒、ニトロメタン、水、などを例示することができ、これらを任意の比で混合して用いてもよい。これらのうち、沸点が高く穏やかに揮発する点で、芳香族炭化水素、ハロゲン溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、3,4−ジメチルアニソール、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンがさらに好ましい。
溶媒の使用量に特に制限はなく、本発明の縮環高分子化合物(1)の濃度が、0.001〜95重量パーセントであり、0.01〜30重量パーセントから適宜選ばれた濃度となるように溶媒を加えることがより好ましい。
溶解又は分散の方法は、例えば、攪拌、振盪、ボールミルなどの当該業者のよく知る方法を用いることができる。この際、加熱を行っても良い。
本発明の製膜用組成物には製膜性を向上させるためのバインダーを加えてもよい。このようなバインダーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリ(エチレン−コ−ノルボルネン)、ポリメチルメタクリレート、ポリトリアリールアミン、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ジメチルトリフェニルアミン)などのポリマーを例示することができる。該バインダーの濃度に特に制限はないが、塗布性が良い点で0.1〜10.0重量パーセントが好ましい。
次に、本発明の製膜用組成物を用いて製膜する有機薄膜(以下、「本発明の有機薄膜」と称する。)の製膜方法について説明する。
本発明の製膜用組成物を用いて、本発明の有機薄膜を形成する際の方法に特に制限はなく、例えば、スピンコート、ドロップキャスト、ディップコート、キャストコートなどの簡易塗工法、ディスペンサー、インクジェット、スリットコート、ブレードコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの印刷法を挙げることができ、中でも効率よく製膜できる点で、スピンコート、ドロップキャスト、インクジェットが好ましい。
本発明の有機薄膜の膜厚に特に制限は無いが、キャリア移動度が高い点で1nm〜1000nmが好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。
本発明の有機薄膜は製膜後、溶媒を乾燥させることで得ることができる。必要に応じて、40−400℃の範囲から適宜選択された温度にてアニールを行っても良い。
さらに、本発明の縮環高分子化合物を活性層に含む有機トランジスタ素子(以下、「本発明の有機トランジスタ素子」と称する)の作製方法について説明する。
本発明の有機トランジスタ素子は、基板上に絶縁層及び活性層として本発明の有機薄膜を製膜し、これにソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を付設することにより得られる。
図1に、本発明の有機トランジスタ素子に含まれる素子の構造を示す。ここで、(A)は、ボトムゲート−トップコンタクト型、(B)は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型、(C)は、トップゲート−トップコンタクト型、(D)は、トップゲート−ボトムコンタクト型のトランジスタ素子であり、1は活性層、2は基板、3はゲート電極、4はゲート絶縁層、5はソース電極、6はドレイン電極を示す。
基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリ(ジイソプロピルマレエート)、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、セルローストリアセテートなどのプラスチック基板、ガラス、石英、酸化アルミニウム、シリコン、ハイド−プシリコン、酸化シリコン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウムスズ酸化物などの無機基板、金、銅、クロム、チタン、アルムニウムなどの金属基板などを挙げることができる。これらのうち、トランジスタ性能が良い点で、ガラス、シリコン、ハイドープシリコンが好ましく、ガラスがより好ましい。
ゲート電極としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ハイドープシリコン、スズ酸化物、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物、クロム、チタン、タンタル、クロム、グラフェン、カーボンナノチューブなどの無機電極又はドープされた導電性高分子(PEDOT−PSS)などの有機電極などを挙げることができる。これらのうち、導電性が良い点で無機電極が好ましく、金がより好ましい。
絶縁層としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウムスズ酸化物、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスなどの無機絶縁層、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリ(ジイソプロピルマレエート)、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、セルローストリアセテート、ポリシクロペンタン、ポリシクロヘキサン−エチレン共重合体、ポリフッ素化シクロベンタン、ポリフッ素化シクロヘキサン、ポリフッ素化シクロヘキサン−エチレン共重合体、パリレンN、パリレンC、パリレンD、パリレンHT、パリレンC−UVFなどの有機絶縁層などを挙げることができる。これらのうち、絶縁性が良い点で有機絶縁層が好ましく、パリレンCがさらに好ましい。また、これらの絶縁層表面は、例えば、オクタデシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、デシルトリメトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、β−フェネチルトリクロロシラン、β−フェネチルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシランなどのシラン類、オクタデシルホスホン酸、デシルホスホン酸、オクチルホスホン酸などのホスホン酸類、ヘキサメチルジシラザンなどのアミン類で修飾処理しても良い。これらのうち、本発明の有機トランジスタ素子のキャリア移動度及び電流オン・オフ比が向上し、並びに閾値電圧の低下する点で、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、β−フェネチルトリクロロシラン、オクタデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
ソース電極及びドレイン電極としては、ゲート電極で例示したものと同様の電極を例示することができる。これらのうち、導電性が良い点で無機電極が好ましく、金がさらに好ましい。また、キャリアの注入効率を上げる為に、これらの電極に表面処理材を用いて表面処理を実施することができる。このような表面処理材としては、例えば、ベンゼンチオール、ペンタフルオロベンゼンチオールなどを挙げることができる。
本発明の縮環高分子化合物は、有機ELディスプレイ材料、有機半導体レーザー材料、有機薄膜太陽電池材料、フォトニック結晶材料などの電子材料などに利用することができる。また、本発明の有機トランジスタ素子は、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、ICタグ(RFIDタグ)用、圧力センサーなどに利用可能である。
有機トランジスタ素子の断面形状による構造を示す図である。
(A):ボトムゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(B):ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(C):トップゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(D):トップゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
1:縮環高分子化合物層
2:基板
3:ゲート電極
4:ゲート絶縁層
5:ソース電極
6:ドレイン電極
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例で得られた化合物は、H−NMR測定により構造解析を行った。高分子化合物の分子量と分子量分布はGPC測定、最大吸収波長(Absλmax)、光学的バンドギャップ(E)、最大蛍光波長(Emλmax)、ストークスシフト(Δλmax)の値は紫外可視吸収(UV−Vis)スペクトル測定と蛍光スペクトル測定により見積もった。高分子化合物の最高被占有軌道(HOMO)はCV測定により見積もり、最低空軌道(LUMO)はEとHOMOより決定した。3%、5%、10%重量減少温度(T3、T5、T10)は熱重量分析(TGA)測定により行った。試薬類は市販品を用いた。
<NMR測定条件>
測定装置:Bruker ASCENDTM ADVANCE III HD(400MHz)
測定溶媒:重クロロホルム(CDCl)、重塩化メチレン(CDCl)、重オルトジクロロベンゼン(o−DCB−d
内部標準物質:テトラメチルシラン(TMS)、塩化メチレン、オルトジクロロベンゼン
<GPC測定条件>
測定装置:東ソー株式会社 高速GPC装置 HLC−8320GPC EcoSEC
カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−H、TSKgel SuperHZ2000
測定溶媒:THF
校正曲線:ポリスチレンスタンダード
<TGA測定条件>
測定装置:エスアイアイナノテクノロジー株式会社 示差熱熱重量同時測定装置 TG/DTA6200
測定条件:窒素雰囲気下、10℃/min
<UV−Visスペクトル測定条件>
測定装置:Hitachi−Science&Technology U−1800 UV/Vis Spectrometer
測定溶媒:塩化メチレン、オルトジクロロベンゼン
<蛍光スペクトル測定条件>
測定装置:日立ハイテクノロジーズ 分光蛍光光度計 F−2500
測定溶媒:塩化メチレン、オルトジクロロベンゼン
<CV測定条件>
測定装置:北斗電工株式会社 オートマチックポラリゼーションシステム HSV−110
作用電極:グラッシーカーボン
参照電極:Ag/AgCl
カウンター電極:白金
測定溶媒:塩化メチレン
支持電解質:テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート
掃引速度:100mV/s
[参考例1]
Figure 2019044172
4−ブロモフェノール(10.2g,58.7mmol)と2−デシル−1−テトラデカノール(24.6g,69.4mmol)、トリフェニルホスフィン(19.9g,76.0mmol)、ならびにTHF(560mL)の混合物に、0℃で1.9M−アゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液(36.5mL,69.0mmol)を加えて室温で44.5時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣に少量のクロロホルムを加えて溶解し、ヘキサンに滴下した。生じた白色固体をろ別したのちに、得られた溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、無色透明液体の1−ブロモ−4−(2−デシルテトラデシルオキシ)ベンゼンを得た(26.7g,89%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.34(d,J=9.0Hz,2H),6.77(d,J=9.0Hz,2H),3.78(d,J=5.7Hz,2H),1.81−1.69(m,1H),1.49−1.06(m,40H),0.93−0.82(m,6H).
[参考例2]
Figure 2019044172
1−ブロモ−4−(2−デシルテトラデシルオキシ)ベンゼン(25.6g、50.2mmol)とDMSO(300mL)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合物にアルゴン気流下でPdCl(dppf)・CHCl(1.24g、1.52mmol)と酢酸カリウム(14.9g、152mmol)、ならびにBPin(15.6g,61.2mmol)を加えて80℃で26時間撹拌した。反応終了後に室温まで冷却し、エーテルとヘキサンの混合液(1/3)で抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄したのちに飽和硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後に減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン=1/6→1/3→1/1)で精製して、黄色液体の4−(2−デシルテトラデシルオキシ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを得た(21.1g,75%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.73(d,J=8.7Hz,2H),6.85(d,J=8.7Hz,2H),3.84(d,J=5.7Hz,2H),1.84−1.71(m,1H),1.49−1.18(m,52H),0.90−0.86(m,6H).
[参考例3]
Figure 2019044172
4−(2−デシルテトラデシルオキシ)フェニルボロン酸ピナコールエステル(20.1g、36.2mmol)と1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(8.01g、16.4mmol)、ジメトキシエタン(400mL)、ならびに2M炭酸カリウム水溶液(170mL、340mmol)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPh(2.42g、20.9mmol)を加えて二日間還流した。得られた混合物を室温まで冷やしたのちに飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてエーテルで抽出した。集めた有機層を飽和塩化アンモニウム、水、ならびに飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)と分取HPLC(クロロホルム)で精製したのちに、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=3/1)で精製することで無色透明液体の2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビス(2−デシルテトラデシルオキシ)−p−ターフェニルを得た(7.94g,44%)。
HNMR(CDCl,400MHz)δ7.61(s,2H),7.36(d,J=8.8Hz,4H),6.96(d,J=8.8Hz,4H),3.88(d,J=5.6Hz,4H),1.86−1.74(m,2H),1.52−1.16(m,80H),0.93−0.81(m,12H).
[参考例4]
Figure 2019044172
2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビス(2−デシルテトラデシルオキシ)p−ターフェニル(110mg,0.10mmol)と2,6−ビス(トリメチルスズ)−チエノ[3,2−b]チオフェン(47.1mg,0.10mmol)、ならびにトルエン(3mL)の混合物を凍結脱気した。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPh(5.9mg,0.0051mmol)を加えて120℃で64時間撹拌して室温まで冷やした。この混合液をセライトを用いてろ過し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解させたのちに再度セライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、ジエチルエーテルとエタノール(=9/10)に加え、生じた沈殿をろ別した。この操作を合計3回繰り返し、得られた固体を90℃で減圧乾燥することで、淡黄色固体の(11−1)を得た(110mg,quant.)。
GPC(THF)M=21740g/mol.M=41740g/mol,PDI=1.92.
HNMR(CDCl,400MHz)δ7.28(d,J=8.3Hz,4H),6.94(s,2H),6.90(d,J=8.5Hz,4H),4.04−3.70(br,4H),1.88−1.76(br,2H),1.53−1.18(br,82H),0.94−0.86(br,12H).
3=358℃、T5=380℃、T10=407℃.
Absλmax=411nm、Emλmax=489nm、Δλmax=78nm、E=2.67eV.
HOMO=-4.88eV、LUMO=-2.21eV.
[参考例5]
Figure 2019044172
2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビス(2−デシルテトラデシルオキシ)p−ターフェニル(242mg,0.220mmol)と2,6−ビス(トリメチルスズ)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(200mg,0.220mmol)、ならびにトルエン(6.6mL)の混合物を凍結脱気した。この混合液にアルゴン気流下でPd(PPh(14.2mg,0.0122mmol)を加えて120℃で三日間撹拌し、室温まで冷やした。この混合物をセライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体をクロロホルムに溶解させたのちに再度セライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のトルエンに溶解し、メタノールと濃塩酸の混合液に沈殿する操作を三回行ったのちに、さらにジエチルエーテルとエタノール(=9/10)に沈殿する操作を三回行った。得られた固体を減圧下で乾燥することで、オレンジ色固体の(12−1)を得た(271mg,81%)。GPC(THF)M=11500g/mol,M=23530g/mol,PDI=2.05.
HNMR(CDCl,400MHz)δ8.04−5.49(br,16H),4.20−3.62(br,4H),3.17−2.57(br,4H),2.02−1.13(br,100H),1.10−0.57(br,24H).
3=316℃、T5=339℃、T10=419℃.
Absλmax=486nm、Emλmax=495nm、Δλmax=9nm、E=2.48eV.
[参考例6]
Figure 2019044172
炭酸カリウム(39.3g,284mmol)、DMF(900mL)、4−ブロモフェノール(40.1g,232mmol)と1−ブロモエイコサン(100g,277mmol)を加えて23.5時間還流した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテルとヘキサンの混合溶媒で抽出した。集めた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マズネシウムで乾燥した。ろ過後に得られた溶液の溶媒を減圧下で留去した。得られた固体を再結晶(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、白色固体の1−ブロモ−4−エイコシルオキシベンゼンを得た(66.4g,53%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.35(d,J=9.0Hz,2H),6.77(d,J=9.0Hz,2H),3.91(t,J=6.6Hz,2H),1.80−1.72(m,2H),1.49−1.19(m,34H),0.88(t,J=6.7Hz,3H).
[参考例7]
Figure 2019044172
1−ブロモ−4−エイコシルオキシベンゼン(13.6g、30.0mmol)とDMSO(182mL)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合物にアルゴン気流下でPdCl(dppf)・CHCl(745mg、912μmol)と酢酸カリウム(8.84g、90.1mmol)、ならびにBPin(11.4g,44.9mmol)を加えて80℃で60時間撹拌した。反応終了後に室温まで冷却し、エーテルとヘキサンの混合液(1/3)で抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄したのちに飽和硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後に減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/15)で精製して、黄色液体の4−エイコシルオキシフェニルボロン酸ピナコールエステルを得た(14.4g,95%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.73(d,J=8.6Hz,2H),6.88(d,J=8.6Hz,2H),3.97(t,J=6.6Hz,2H),1.81−1.74(m,2H),1.49−1.25(m,46H),0.90−0.86(m,3H).
[参考例8]
Figure 2019044172
4−エイコシルオキシフェニルボロン酸ピナコールエステル(11.1g、22.2mmol)と1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(4.89g、10.0mmol)、ジメトキシエタン(250mL)、ならびに2M炭酸カリウム水溶液(100mL、200mmol)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPh(1.16g、1.00mmol)を加えて三日間還流した。得られた混合物を室温まで冷やしたのちに飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてエーテルで抽出した。集めた有機層を飽和塩化アンモニウム、水、ならびに飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後に減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を再結晶(クロロホルム)で精製することで白色固体の2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビスエイコシルオキシ−p−ターフェニルを得た(5.41g,55%)。
HNMR(CDCl,400MHz)δ9.61(s,2H),7.36(d,J=8.8Hz,4H),6.96(d,J=8.8Hz,4H),4.01(t,J=6.5Hz,4H),1.85−1.78(m,4H),1.51−1.26(m,68H),0.90−0.86(m,6H).
[参考例9]
Figure 2019044172
2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビスエイコシルオキシ−p−ターフェニル(250mg,255μmol)と2,6−ビス(トリメチルスズ)−チエノ[3,2−b]チオフェン(118mg,253μmol)、ならびにトルエン(9mL)の混合物を凍結脱気した。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPh(15.2mg,13.1μmol)を加えて120℃で70時間撹拌した。室温まで冷やした後にセライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を再度クロロホルムに溶解させたのちにセライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、ジエチルエーテルとエタノール(=9/10)に沈殿する操作を3回繰り返した。得られた固体を90℃で減圧乾燥することで、淡黄色固体の(16−1)を得た(210mg,86%)。
HNMR(o−DCB−d,400MHz)δ7.60−7.53(br,2H),7.36−7.27(br,4H),7.06(7.02(br,2H),6.93−6.82(br,4H),4.25−3.53(br,4H),2.09−0.71(br,78H).
Absλmax=416nm、Emλmax=498nm、Δλmax=82nm.
[参考例10]
Figure 2019044172
1−エイコサノール(15.3g,51.2mmol)とセライト(20g)、ならびにジクロロメタン(200mL)の混合物にクロロクロム酸ピリジニウム(16.6g,76.9mmol)を加えて室温で2時間撹拌した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、白色固体の1−エイコサナールを得た(14.2g,94%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ9.76(t,J=2.0Hz,1H),2.42(dt,J=7.4Hz,2.0Hz,2H),1.63(quint,J=7.3Hz,2H),1.34−1.25(m,32H),0.88(t,J=6.8Hz,3H).
[参考例11]
Figure 2019044172
四臭化炭素(33.2g,100mmol)とジクロロメタン(200mL)の混合物を0℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(52.5g,200mmol)を加えた。その後、1−エイコサナール(14.8g,50.0mmol)とジクロロメタン(100mL)の混合物を加えて室温で2.5時間撹拌した。生じた白色固体をろ別したのちに、得られた溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、白色固体の1,1−ジブロモヘンエイコサン−1−エンを得た(17.7g,78%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ6.38(t,J=7.0Hz,1H),2.09(q,J=7.3Hz,2H),1.45−1.38(m,2H),1.32−1.26(m,32H),0.88(t,J=6.8Hz,3H).
[参考例12]
Figure 2019044172
1,1−ジブロモヘンエイコサン−1−エン(11.4g,25.1mmol)とTHF(100mL)の混合物に、0℃でn−ブチルリチウム(35mL,55.0mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した後に水を加えてヘキサンで抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後に減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、白色固体の1−ヘンエイコシンを得た(7.22g,quant)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ2.18(dt,J=7.0Hz,2.8Hz,2H),1.93(t,J=2.6Hz,1H),1.56−1.49(m,2H),1.40−1.37(m,2H),1.32−1.25(m,30H),0.88(t,J=6.8Hz,3H).
[参考例13]
Figure 2019044172
1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(0.990g,3.50mmol)とトルエン(8mL)ならびにジイソプロピルアミン(8mL)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合溶液に、アルゴン気流下で1−ヘンエイコシン(1.02g,3.50mmol)とヨウ化銅(I)(13mg,70μmol)ならびにPd(PPhCl(25mg,35μmol)を加えて23.5時間還流した。得られた混合物を室温まで冷やしたのちに飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてジエチルエーテルで抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後に減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、白色固体の1−ブロモ−4−(1−ヘンエイコシニル)ベンゼンを得た(1.19g,76%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.40(d,J=8.4Hz,2H),7.24(d,J=8.4Hz,2H),2.38(t,J=7.2Hz,2H),1.59(pentet,J=7.4Hz,2H),1.47−1.39(m,2H),1.35−1.25(m,30H),0.88(t,J=6.8Hz,3H).
[参考例14]
Figure 2019044172
1−ブロモ−4−(1−ヘンエイコシニル)ベンゼン(0.895g,2.00mmol)とテトラヒドロフラン(10mL)の混合物に5%パラジウム炭素(90mg)を加え、水素雰囲気下室温で4時間撹拌した。ろ過後に得られた溶液の溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣を再結晶(エタノール)で精製し、白色固体の1−ブロモ−4−ヘンエイコシルベンゼンを得た(0.587g,65%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.38(d,J=8.4Hz,2H),7.04(d,J=8.4Hz,2H),2.55(t,J=7.8Hz,2H),1.61−1.55(m,2H),1.29−1.25(m,36H),0.88(t,J=6.8Hz,3H).
[参考例15]
Figure 2019044172
1−ブロモ−4−ヘンエイコシルベンゼン(0.587g,1.30mmol)と1,4−ジオキサン(7.8mL)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合溶液に、アルゴン気流下でPd(dppf)Cl・CHCl(32mg,39μmol)と酢酸カリウム(0.383g,3.90mmol)、ならびにBPin(0.396g,1.56mmol)を加えて80℃で54時間還流した。反応終了後に室温まで冷却し、エーテルとヘキサンの混合液(1/3)で抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後に減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン=1/5)で精製して、白色固体の4−ヘニコシルフェニルボロン酸ピナコールエステルを得た(0.400g,62%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.73(d,J=8.0Hz,2H),7.19(d,J=8.0Hz,2H),2.61(t,J=7.6Hz,2H),1.64−1.56(m,2H),1.33−1.25(m,48H),0.88(t,J=6.8Hz,3H).
[参考例16]
Figure 2019044172
4−ヘンエイコシルフェニルボロン酸ピナコールエステル(0.365g,0.732mmol)と1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(0.162g,0.333mmol)、ジメトキシエタン(8.2mL)、ならびに2M炭酸カリウム水溶液(3.3mL,6.6mmol)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPhCl(23mg,33μmol)を加えて38時間還流した。得られた混合物を室温まで冷やしたのちに飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてエーテルで抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を再結晶(クロロホルム)で精製し、白色固体の2’,5’ −ジブロモ−4,4’’ −ジヘンエイコシル−p−ターフェニルを得た(0.122g,38%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.63(s,2H),7.35(d,J=8.4Hz,4H),7.23(d,J=8.0Hz,4H),2.66(t,J=8.0Hz,4H),1.67(pentet,J=7.4Hz,4H),1.39−1.26(m,72H),0.88(t,J=7.4Hz,6H).
[参考例17]
Figure 2019044172
2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビス(ヘンエイコシル)p−ターフェニル(96.2mg,101μmol)と2,6−ビス(トリメチルスズ)−チエノ[3,2−b]チオフェン(47.4mg,102μmol)、ならびにトルエン(3mL)の混合物を凍結脱気した。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPh(6.06mg,5.24μmol)を加えて120℃で88時間撹拌して室温まで冷やした。この混合液をセライトを用いてろ過し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解させたのちに再度セライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、ジエチルエーテルとエタノール(=9/10)に加え、生じた沈殿をろ別した。この操作を合計3回繰り返し、得られた固体を90℃で減圧乾燥することで、淡黄色固体の(24−1)を得た(78.4mg,83%)。
HNMR(o−DCB−d,400MHz)δ7.61−7.51(br,2H),7.39−7.37(br,4H),7.19−7.10(br,4H),6.87(−6.78(br,2H),2.74−2.51(br,4H),1.73−1.51(br,4H),1.46−1.02(br,72H),0.92−0.77(br,6H).
Absλmax=413nm、Emλmax=497nm、Δλmax=84nm.
[参考例18]
Figure 2019044172
トリフェニルホスフィン(24.4g,68.9mmol)と塩化メチレン(100mL)の混合液に0℃で臭素(6.8mL,133mmol)を加え、そこに2−デシル−1−テトラデカノール(30g,84.6mmol)と塩化メチレン(20mL)の混合液を0℃で加えて室温で18時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後に得られた残渣に少量のクロロホルムを加えて溶解し、ヘキサンに滴下した。生じた白色固体をろ別したのちに、得られた溶液の溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、無色透明液体の1−ブロモ−2−デシルテトラデカンを得た(33.3g,94%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ3.45(d,J=4.8Hz,2H),1.62−1.56(m,1H),1.46−1.26(m,40H),0.93−0.82(m,6H).
[参考例19]
Figure 2019044172
マグネシウム(4.48g,184mmol)と塩化リチウム(7.80g,184mmol)を加熱減圧乾燥させた後に、室温でテトラヒドロフラン(30mL)と1,2−ジブロモエタン(0.15mL,1.74mmol)を加えた。ヒートガンを用いてこの溶液を15秒間加熱還流した後に、1−ブロモ−2−デシルテトラデカン(20.2g,48.3mmol)とテトラヒドロフラン(20mL)の混合液を室温で加えて、室温で2時間攪拌した。この溶液を0.5M−塩化亜鉛のテトラヒドロフラン溶液(40mL、20mmol)に0度で加え、室温で1時間攪拌した(アルキル亜鉛溶液)。1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(8.82g,31.2mmol)とPdCl(dppf)・CHCl(225mg,276μmol)、ならびにテトラヒドロフラン(30mL)の混合液を30分間アルゴンバブリングし後に、調整したアルキル亜鉛溶液を滴下し、55度で19.5時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷やし、1M−塩酸を加えてエーテルで抽出した。集めた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、ならびに飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製して、無色透明液体の1−ブロモ−4−(2−デシルテトラデシル)ベンゼンを得た(26.7g,89%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.37(d,J=8.3Hz,2H),7.00(d,J=8.3Hz,2H),2.47(d,J=7.0Hz,2H),1.60−1.54(m,1H),1.45−1.18(m,40H),0.90−0.86(m,6H).
[参考例20]
Figure 2019044172
1−ブロモ−4−(2−デシルテトラデシル)ベンゼン(2.35g、4.75mmol)と酢酸カリウム(1.55g、15.8mmol)、ならびにBPin(1.68g,6.60mmol)とDMSO(30mL)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合物にアルゴン気流下でPdCl(dppf)・CHCl(126mg、0.154mmol)を加えて80℃で70.5時間撹拌した。室温まで冷却した後に水にあけ、エーテルとヘキサンの混合液(1/3)で抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄した後に飽和硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後に減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン=1/2)で精製して、淡黄色液体の4−(2−デシルテトラデシル)フェニルボロン酸ピナコールエステルを得た(1.570g,61%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.71(d,J=8.0Hz,2H),7.15(d,8.0Hz,2H),2.53(d,7.0Hz,2H),1.67−1.56(m,1H),1.37−1.14(m,52H),0.88(t,J=6.7Hz,6H).
[参考例21]
Figure 2019044172
4−(2−デシルテトラデシル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(1.42g、2.62mmol)と1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(533mg、1.09mmol)、ジメトキシエタン(22mL)、ならびに2M炭酸カリウム水溶液(10mL、20mmol)の混合物を30分間アルゴンバブリングした。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPh(30.2mg、0.0261mmol)を加えて40時間還流した。得られた混合物を室温まで冷やしたのちに飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてエーテルで抽出した。集めた有機層を水、ならびに飽和食塩水で洗浄したのちに無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)と分取HPLC(クロロホルム)で精製することで無色透明液体の2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビス(2−デシルテトラデシル)−p−ターフェニルを得た(379mg,33%)。
HNMR(CDCl,400MHz)δ7.64(s,2H),7.35(d,J=8.2Hz,4H),7.22(d,J=8.2Hz,4H),2.58(d,J=6.9Hz,4H),1.71−1.62(m,2H),1.38−1.17(m,80H),0.90−0.85(m,12H).
[参考例22]
Figure 2019044172
2’,5’−ジブロモ−4,4’’−ビス(2−デシルテトラデシル)p−ターフェニル(147mg,139μmol)と2,6−ビス(トリメチルスズ)−チエノ[3,2−b]チオフェン(64.8mg,139μmol)、ならびにトルエン(5mL)の混合物を凍結脱気した。この混合液に、アルゴン気流下でPd(PPh(8.56mg,7.41μmol)を加えて120℃で三日間撹拌して室温まで冷やした。この混合液をセライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解させたのちに再度セライトを用いてろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、ジエチルエーテルとエタノール(=9/10)に加え、生じた沈殿をろ別した。この操作を合計3回繰り返し、得られた固体を90℃で減圧乾燥することで、淡黄色固体の(29−1)を得た(123mg,86%)。
GPC(THF)M=26300g/mol,M=52700g/mol,PDI=2.00.
HNMR(CDCl,400MHz)δ7.54(s,2H),7.22(d,J=7.7Hz,4H),7.09(d,J=8.0hz,4H),1.66−1.58(m,2H),1.44−1.04(m80H),0.87−0.84(m,12H).
Absλmax=410nm、Emλmax=493nm、Δλmax=83nm.
[実施例1]
Figure 2019044172
(11−1)(100.3mg)を10分間アルゴンバブリングした塩化メチレン(10mL)に溶解し、この溶液をアルゴンバブリングしながら、ニトロメタン(5mL)に溶かした塩化第二鉄(138mg,0.850mmol)の溶液をゆっくりと滴下した。アルゴンバブリングを1時間続けたのちにアルゴンガスを停止し、アルゴン雰囲気下でさらに24時間撹拌した。得られた混合物をメタノールと濃塩酸の混合液(300mL/30mL)に滴下してろ過した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、メタノールに沈殿させることで析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールと水で洗浄したのちに90℃で減圧乾燥することで黄色固体の(30−1)を得た(96.4mg,96%)。GPC(THF)M=31930g/mol.M=141310g/mol,PDI=4.43.
HNMR(CDCl,400MHz)δ9.32−6.52(br,8H),4.81−3.26(br,4H),2.18−0.99(br,82H),0.92−0.66(br,12H).
3=314℃、T5=337℃、T10=361℃.
Absλmax=488nm、Emλmax=506nm、Δλmax=18nm、E=2.40eV.
HOMO=-5.24eV、LUMO=-2.88eV.
[実施例2]
Figure 2019044172
(16−1)(19.7mg)を10分間アルゴンバブリングした塩化メチレン(4mL)に溶解し、この溶液をアルゴンバブリングしながら、ニトロメタン(0.2mL)に溶かした塩化第二鉄(30mg,0.19mmol)の溶液をゆっくりと滴下した。アルゴンバブリングを30分間続けたのちにアルゴンガスを停止し、アルゴン雰囲気下でさらに三日間撹拌した。得られた混合物をメタノールと濃塩酸の混合液(300mL/30mL)に滴下してろ過した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、メタノールに沈殿させることで析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールと水で洗浄したのちにソックスレー抽出(メタノール→アセトン→ヘキサン→クロロホルム→モノクロロベンゼン→o−ジクロロベンゼン)を行い、o−ジクロロベンゼンに可溶部をメタノールに沈殿させ、析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールで洗浄したのちに90℃で減圧乾燥することで赤褐色固体の(31−1)を得た(96.4mg,96%)。
Absλmax=490nm、Emλmax=547nm、Δλmax=57nm.
[実施例3]
Figure 2019044172
(24−1)(11.8mg)を10分間アルゴンバブリングしたo−ジクロロベンゼン(1mL)に溶解し、この溶液をアルゴンバブリングしながら、ニトロメタン(0.5mL)に溶かした塩化第二鉄(21mg,0.13mmol)の溶液をゆっくりと滴下した。アルゴンバブリングを30分間続けたのちにアルゴンガスを停止し、アルゴン雰囲気下でさらに三日間撹拌した。得られた混合物をメタノールと濃塩酸の混合液(300mL/30mL)に滴下してろ過した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、メタノールに沈殿させることで析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールと水で洗浄したのちにソックスレー抽出(メタノール→アセトン→ヘキサン→クロロホルム→モノクロロベンゼン)を行い、モノクロロベンゼンに可溶部をメタノールに沈殿させて析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールで洗浄したのちに90℃で減圧乾燥することで赤褐色固体の(32−1)を得た(5.52mg,47%)。
Absλmax=462nm、Emλmax=500nm、Δλmax=38nm.
[実施例4]
Figure 2019044172
(29−1)(10.2mg)を10分間アルゴンバブリングした塩化メチレン(2mL)に溶解し、この溶液をアルゴンバブリングしながら、ニトロメタン(0.1mL)に溶かした塩化第二鉄(14mg,0.087μmol)の溶液をゆっくりと滴下した。アルゴンバブリングを30分間続けたのちにアルゴンガスを停止し、アルゴン雰囲気下でさらに三日間撹拌した。得られた混合物をメタノールと濃塩酸の混合液(300mL/30mL)に滴下してろ過した。得られた固体を少量のクロロホルムに溶解し、メタノールに沈殿させることで析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールと水で洗浄したのちにソックスレー抽出(メタノール→アセトン→ヘキサン→クロロホルム)を行い、クロロホルムに可溶部をメタノールに沈殿させて析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールで洗浄したのちに90℃で減圧乾燥することで赤褐色固体の(33−1)を得た(5.42mg,54%)。GPC(THF)M=40600g/mol.M=99700g/mol,PDI=2.46.
HNMR(CDCl,400MHz)δ8.99−6.16(br,8H),4.02−2.45(br,4H),2.28−0.93(br,82),0.93−0.50(br,12H).
Absλmax=470nm、Emλmax=488nm、Δλmax=18nm.
[実施例5]
実施例1で作成した(13−1)(1mg)を、トルエン(1mL)、キシレン(1mL)、テトラリン(1mL)、ジクロロベンゼン(1mL)にそれぞれ溶解することで三種類の製膜用組成物を調製した。
[実施例4]
実施例3で調製した製膜用組成物をガラス基板上に滴下した後に、スピンコーターで有機薄膜を作成し、該薄膜を減圧下200℃で一晩乾燥させることで黄色の有機薄膜を得た。加熱減圧乾燥後に有機薄膜のひび割れなどがないことを確認した。
[実施例5]
実施例1で合成した(13−1)の0.1wt%トルエン溶液を調整し、メンブランフィルター(0.22μm)でろ過することで有機薄膜製膜用組成物を得た。
次に大気下、ガラス基板上に蒸着法でアルミ電極を作成した。アルミ電極上にゲート絶縁膜としてパリレンCをCVD法により製膜したのちに、上述した溶液をドロップキャストした。これを自然乾燥し、(13−1)の有機薄膜を製膜した。
該有機薄膜にチャネル長100μm、チャネル幅500μmのシャドウマスクを置き、真空下、金を蒸着することでソース及びドレイン電極を付設し、ボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子を作成した(ゲート電極はアルミ、ゲート絶縁層はパリレンC、ソース電極は金、ドレイン電極は金)。
大気下、該有機トランジスタ素子を半導体パラメーターアナライザー(ケースレー製、4200−SCS)に接続し、ドレイン電圧(Vd=−50V)で、ゲート電圧(Vg)を+10〜−120Vまで1V刻みで走査し、伝達特性を評価した。該有機トランジスタ素子はp型特性を示し、その正孔のキャリア移動度は1.4×10−5cm/Vsであった。100℃で15分間アニール処理したのちの正孔のキャリア移動度は1.0×10−5cm/Vsであり、140℃で15分間アニール処理したのちの正孔のキャリア移動度は1.5×10−5cm/Vsであった。このことから熱処理後も半導体・電気特性が低下しないことを確認した。
実施例3,4で合成した(32−1)並びに(33−1)も同様の操作で有機薄膜製膜用組成物、有機薄膜、及び有機トランジスタ素子を作成した。それらの正孔のキャリア移動度は2.0×10−5cm/Vs、並びに3.0×10−5cm/Vs、であった。100℃で15分間アニール処理したのちの正孔のキャリア移動度は3.0×10−5cm/Vs、並びに2.0×10−5cm/Vs、であった。
本発明により提供される縮環高分子化合物は、高いキャリア移動度を与えるとともに溶媒への溶解性及び耐熱性に優れることから有機トランジスタ素子に代表される半導体デバイス材料としての適用が期待される。

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 2019044172

    (式中、Rは炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基又は水素原子を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Rは炭素数6〜20のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基又は水素原子を表す。nは2以上の整数を表す。mは0又は1を表す。n個のmは同一又は相異なっていてもよい。)で示される縮環高分子化合物。
  2. が炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基であり、Rが炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよい5−アルキル−2−チエニル基である請求項1に記載される縮環高分子化合物。
  3. 一般式(2)
    Figure 2019044172

    (式中、Rは炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルキル基、炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基又は水素原子を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Rは炭素数6〜20のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基又は水素原子を表す。nは2以上の整数を表す。mは0又は1を表す。n個のmは同一又は相異なっていてもよい。)で示される高分子前駆体に酸化剤を作用させることを特徴とする、一般式(1)
    Figure 2019044172

    (式中、R、R、m及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される縮環高分子化合物の製造方法。
  4. が炭素数1から13のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアルコキシ基であり、Rが炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよい5−アルキル−2−チエニル基である請求項3に記載の製造方法。
  5. 酸化剤が塩化第二鉄である請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の縮環高分子化合物を含んで成る製膜用組成物。
  7. 請求項6に記載の製膜用組成物を用いて作成することを特徴とする有機薄膜。
  8. 請求項7に記載の有機薄膜を含むトランジスタ素子。
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